JP4246806B2 - 液晶サンバイザー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車や電車といった車両の車内にいるユーザの眼に入る光量を調節する液晶を用いたサンバイザー(液晶サンバイザー)に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
太陽光といった強い光は、眼(網膜)の視感度の大きな変化(明順応)を生じさせ、それよりも弱い光を認識できなくさせる。自動車(以降、車と略す)を運転する人にとっては、視覚を奪って事故を起こす原因ともなる。そのため、車には、強い光が眼に入るのを防止するためのサンバイザーが設置されている。
【0003】
しかし、車に設置されている従来のサンバイザーは、強い光が眼に入るのを防止するために、光を完全に遮光するように製作されていた。そのため、強い光が差し込む方向の視界を遮って、ユーザ(運転者)の視界を著しく狭くするという問題点を発生させていた。
【0004】
視界が狭くなると、安全確認等を行い難くなるので、運転者の負担や危険性は増大する。信号機や交通標識といった認識すべき対象も見難くなり、それらを見落とすようなことも多くなる。それにより、交通規則を守った運転も行い難くなって、周りに危害等を加える危険性も増大する。このように、従来のサンバイザーには、強い光によってもたらされる危険性を回避させることができても、別の危険性を増大させるという面があった。それにより、ユーザが安全性を確保するのに必ずしも寄与していなかった。
【0005】
本発明の課題は、視界を遮ることなく強い光がユーザの眼に入るのを防止するサンバイザー(液晶サンバイザー)を提供することにある。
なお、本発明に関して参考となる技術文献としては、特開昭62−36914号公報や特開平3−15820号公報、及び特開平5−59875号公報などがある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の液晶サンバイザーは、自動車等の車両の車内に入射する光量を調整するものであり、印加される駆動電圧の大きさによって光の透過率が変化する液晶パネルと、車内に入射して液晶サンバイザーに照射されている光量を観測する観測手段と、予め定めた時間毎に観測手段により観測した光量の平均値を求め、液晶パネルの透過率を変更するべきか否かを判断し、該透過率を変更するべき値であると判断した場合、観測手段により観測した光量の大きさに基づき透過率を決定し、液晶パネルが決定した透過率となる様に駆動電圧を制御し、かつ、観測手段による観測期間中でも、予め定めた値以上の強い光量を検出した場合は、該観測期間が経過する前であっても直ちに液晶パネルの透過率を低下させる制御手段と、を具備する。
【0009】
なお、液晶パネルに照射される紫外線、及び赤外線の少なくとも一方を遮蔽する遮蔽手段を、更に具備することが望ましい。
【0011】
本発明では、液晶パネルを通過する光量を検出し、その大きさ、及びそれが変化していく状態(変動状態)に基づいて、透過率を目まぐるしく変化させることなく、液晶パネルを用いて人がまぶしいと感じる光を減衰させる。それにより、視界を遮ることなく強い光がユーザの眼に入るのを防ぐことが可能となるとともに、違和感を覚える、液晶パネルを通してその先(車の前方等)が見辛いといった透過率の急激な変化がユーザに与える影響を軽減することが可能となる。
【0012】
具体的には予め定めた時間毎に観測した光量の平均値を求めて透過率を変更する場合には、建物の近くを走行時、太陽が見え隠れすることに伴い明るさが目まぐるしく変わるような状況であっても、その変化に逐次追従して透過率を変更するようなことは回避される。そのため、透過率を目まぐるしく変化させることでユーザに違和感を与えるのを回避することができる。また、予め定めた値以上の強い光量の検出により透過率を直ちに(予め定めた時間が経過する前であっても)低下させるようにした場合には、眩しく感じられる光を直ちに減衰させることができる。
【0013】
液晶サンバイザーは、紫外線や赤外線が大量に照射される液晶材料にとって過酷な条件下に置かれる。そのことから、本発明では、紫外線や赤外線を遮蔽(減衰)して、液晶パネルが照射されるそれらの線量を小さくしている。それにより、液晶サンバイザーの長寿命化が可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態につき詳細に説明する。
図1は、本実施の形態による自動車用のサンバイザー(以降、液晶サンバイザーと呼ぶ)の構成、及びそれが設置された状態を示す図である。図2は、その液晶サンバイザーの正面図である。先ず、これら図1、及び図2を参照して、本実施の形態による液晶サンバイザー1の構成について詳細に説明する。
【0015】
図1に示すように、液晶サンバイザー1は、車(自動車)2の車内に、ユーザが座る座席シート3とフロントガラス4との間のスペースに設置される。本実施の形態では、車内の天井に液晶サンバイザー1の取付用部材を設け、その取付用部材に、それを軸として回転可能に液晶サンバイザー1の上部を支持させることで取り付けている。それにより、液晶サンバイザー1は任意に上げ下げできるようになっている。
【0016】
上記のようにして車内に設置される液晶サンバイザー1は、液晶を封入した透過型の液晶パネル5を、プレート6、及び7で挟み込むようにして構成されている。その液晶パネル5は、液晶サンバイザー1を下げたときには眼Eを覆うような状態となる。そのため、フロントガラス4を通って眼Eに入る光の大部分は液晶パネル5を介して眼Eに入るようになっている。それにより、フロントガラス4の上方から差し込むことが多い太陽光やサーチライトといった照明装置の光、更にはフロントガラス4の下方から差し込むことが多い他の車のヘッドライトの光等を、眼Eにとって眩しくないように液晶パネル5を用いて減衰することを可能にさせている。
【0017】
その液晶パネル5を挟み込んで覆っているプレート6及び7は、液晶パネル5の破損を防止するとともに、破損した液晶パネル5がユーザに害を与えるのを防止するためのものである。本実施の形態では、透明、或いは透過率が高い(光を余り減衰させない)部材を用いている。なお、プレート6、及び7は、液晶パネル5と対向する部分だけが光を透過し、それ以外の部分は光を透過しないように製作しても良い。
【0018】
液晶パネル5には、液晶や動作方式(TN(Twisted Nematic )型、STN(Super Twisted Nematic )型、PC(Phase Change)型等)等の種類に関わらずに様々なものを採用することができる。しかし、ここでは後述する説明の理解を容易とするために、液晶パネル5は、ネマティック液晶をTN型の動作方式で駆動するTN型液晶パネルとする。
【0019】
車内の液晶サンバイザー1は、強い紫外線や赤外線にさらされることから、液晶にとっては過酷な条件下に置かれることになる。液晶サンバイザー1はフロントガラス4の近傍で使用されることから、それらの大部分はフロントガラス4を通って液晶サンバイザー1に達すると言える。そのため、本実施の形態では、プレート6に紫外線と赤外線の両方を遮蔽する機能を持たせている。例えば、それらを吸収する材質をコーティングすることでその機能を持たせている。それにより、液晶サンバイザー1の耐用年数を向上させている。
【0020】
そのプレート6の上方には、図2に示すように、複数(計4個)の光センサ8を、直線状にある間隔を持たせて配置している。換言すれば、液晶サンバイザー1が照射されている光の強さを、複数の異なる位置で検出している。それにより、位置による光量のバラツキの影響を軽減し、液晶サンバイザー1が照射されている光の強さをより正確に検出できるようにしている。
【0021】
プレート6の上方には、上記光センサ8以外に、太陽電池11を配設している。本実施の形態では、その太陽電池11が発電した電気を用いて液晶パネル5を駆動している。
【0022】
そのプレート6の上方の反対側、即ちプレート7の上方には、光センサ8と同じようにして光センサ9が複数配置されている。それらの光センサ9は、車内の明るさから車2が置かれている環境の明るさを検出するために配置したものである。
【0023】
図3は、上記のように構成された液晶サンバイザー1のブロック図である。次に、この図3を参照して、その回路構成、及び動作について詳細に説明する。
図3に示すように、本実施の形態による液晶サンバイザー1は、複数の光センサ8をまとめて表した第1の光センサ群21と、複数の光センサ9をまとめて表した第2の光センサ群22と、それらの光センサ群22、23から出力された信号に基づいて液晶パネル5の駆動条件を決定する制御部23と、その制御部23が決定した駆動条件に従って液晶パネル5を駆動する液晶駆動部24と、それらの各部に電気を供給する電源25と、を備えて構成されている。
【0024】
上記電源25は、太陽電池11と、それから出力された電気を蓄えるバッテリ(図示せず)とから構成されている。本実施の形態においてバッテリを用意したのは、夜間においても液晶パネル5を必要に応じて確実に駆動できるようにするためである。なお、上記制御部23、液晶駆動部24等が配設されているのは、例えば太陽電池11の内側である。
【0025】
以上の構成において、その動作を説明する。
第1の光センサ群21を構成する複数の光センサ8は、ユーザの眼に入る光の強さを検出するために用いられる。他方の第2の光センサ群22を構成する複数の光センサ9は、車内(車2が置かれている環境)の明るさを検出するために用いられる。第1及び第2の光センサ群21、22を構成するそれらの光センサ8、9から各々出力された電気信号は、増幅、A/D変換が施された後、制御部23に入力される。ここでは、制御部23に入力されるそれらの信号を便宜的に受光信号と呼ぶことにする。
【0026】
受光信号は、光の強さ(受光した光量)によって変化する。制御部23は、第1の光センサ群21から入力した複数の受光信号からユーザの眼に入る光の強さを判断し、その判断結果に従って液晶パネル5に印加する駆動電圧(電圧値)を決定する。本実施の形態では、液晶パネル5の透過率を7段階で変化させている。液晶パネル5の透過率は駆動電圧の大きさに応じて図4に示すように変化する。このことから、駆動電圧としてV0〜V6の何れかを受光信号に応じて選択するようにしている。図4中のT0〜T6は、それぞれ、駆動電圧V0〜V6が印加された際の透過率である。
【0027】
上記駆動電圧の選択は、例えば眼Eの視感度の特性を基にテーブル形式で予め定義した光の強さとそれに対して選択すべき駆動電圧(透過率)の対応関係(以降、これを便宜的に透過率選択規則と呼ぶ)に従って行われる。その透過率選択規則は、例えば制御部23が備えているROM内に制御用データとして格納される。
【0028】
人を眩惑させる太陽や対向車のヘッドライトといった光源は、普通、凝視するような必要はない。信号機や交通標識等は、常にユーザが視認できるようにしなければならない。このようなことから、透過率選択規則は、光源を見つめなければ眩惑されない程度に光を減衰させつつ、認識すべき対象は視認できるように、光の強さと透過率の対応関係を定義している。
【0029】
制御部23は、上記のようにして駆動電圧を決定すると、その決定した駆動電圧で液晶パネル5を駆動するのを指示する制御コマンドを液晶駆動部24に出力する。液晶駆動部24が制御部23から指示された駆動電圧値で液晶パネル5を駆動することにより、ユーザの眼Eに入る光の強さに応じて液晶パネル5の透過率が変化することになる。
【0030】
液晶パネル5としては、図4から判るように、光を完全に遮光しないものを採用している。それの透過率を、信号機や交通標識等が視認できなくなるのを回避しつつ、眼Eに入る光の強さに応じて調節している。視界を遮ることはもとより、液晶パネル5を通して前方が確認し難いといったことを確実に回避しつつ、眼Eに強い光が入るのを防止している。そのため、ユーザは、眩惑等によって視覚を奪われることなく周囲の把握を容易に行うことができ、安全性をより確保することができる。
【0031】
ところで、例えば、建物が近くに並ぶように立っている道を車で走行すると、太陽と建物、及び車の位置関係により、太陽が見えたり見えなかったりすることがある。そのような明るさの激しい変化に合わせて液晶パネル5の透過率の調整を行うと、その液晶パネル5がちらつくような感じとなって、ユーザに違和感を与えることが予想される。また、それによって液晶パネル5を通して前方が見辛くなるようなことも予想される。本実施の形態では、このような明るさの急激な変化によってもたらされると予想される不都合を、以下のようにして回避している。
【0032】
制御部23は、例えば第1の光センサ群21によって検出した光の強さ(眼Eに入る光量)を予め定められた時間(以降、これを非調光帯時間と呼ぶ)毎に区切って観測し、その非調光帯時間内に観測した光の強さを基にして駆動電圧を決定し、液晶パネル5の透過率を調整する。より具体的には、例えば、非調光帯時間内に観測した光の強さが規則的、或いは不規則的に大きくなったり小さくなったりするような場合には液晶パネル5の透過率を変化させず、その光の強さが全体として大きく、或いは小さくなる方向に変化しているような場合には、非調光帯時間内の光の強さ、例えばその時間が経過した時点での光の強さに従って透過率を変化させる。
【0033】
上記のように透過率を変化させた場合、目まぐるしく変化させることなく、眼Eに入る光量に応じて適当な透過率を設定することができる。そのため、上記不都合を回避することができ、ユーザは液晶サンバイザー1をより快適に使用することができるようになる。
【0034】
なお、違和感等を覚えるのは人によって個人差があることから、上記非調光帯時間はユーザが任意に(例えば0〜3秒間ほどの間で)設定できるようにすることが望ましい。また、非調光帯時間の区切り方については、例えば液晶サンバイザー1の電源25をオンにした時点を基準にして単純に区切っていくようにしても良いが、透過率を変更させるべき光の強さの変化を検出する度に、そこを基準にして区切るようにしても良い。透過率の設定方法については、上記のような設定方法の他に、非調光帯時間内に観測した光の強さの平均値を求め、その平均値に応じて設定するようにしても良い。暗順応は明順応と比較して完了に時間がかかることから、非調光帯時間内に観測したなかで小さいほうの光の強さに応じて透過率を設定しても良い。
【0035】
また、非常に強い光が眼Eに入るのを防ぐために、第1の光センサ群21が予め定めた光量以上の強い光を検出した場合、非調光帯時間が経過する迄待つことなく、液晶パネル5の透過率を直ちに変更するようにしても良い。
【0036】
ところで、人がまぶしいと感じる光量は、そのときの視感度によって異なる。視感度は、人が置かれている状況(環境)によって変化し、暗所においては人の視感度は暗順応によって増大していることから、明所ではまぶしく感じられない光をまぶしく感じるようになる。例えば対向車が点灯させているヘッドライトのハイビームは、周りが明るい日中では余り眩しく感じられないが、周りが暗い夜間では非常に眩しく、人を眩惑させる。
【0037】
このように、人を眩惑して危険をもたらす光の強さはその人が置かれている状況によって変化する。このことから、本実施の形態では、車2が置かれている状況(環境)を考慮して液晶パネル5の透過率の調整を行っている。
【0038】
上記第2の光センサ群22、即ち複数の光センサ9は、車内の明るさを検出するためのものである。本実施の形態では、車内の明るさを車2が置かれている環境の明るさとして検出し、その検出した明るさに応じて液晶パネル5の透過率を調整している。なお、第2の光センサ群22によって検出した明るさには、例えば複数の光センサ9が検出している明るさの平均値、或いは最も暗い明るさを採用する。
【0039】
具体的には、例えば車2が置かれている環境の明るさを幾つかの段階に分けるとともに、各段階別にその段階での視感度の特性を基に上記透過率選択規則(眼Eに入る光の強さとそれに対して選択すべき透過率の対応関係を定義した規則)を定義しておき、制御部23に、それらのなかから第2の光センサ22によって検出された車内(環境)の明るさに応じた透過率選択規則を選択させて、それを参照して第1の光センサ群21により検出された光の強さに応じた透過率を設定させる。それにより、同じ光の強さであっても、環境が明るいときにはそうでないときと比較して、光を減衰させないように透過率を大きく設定させている。
【0040】
上記のように透過率の調整を行った場合、日中と夜といった時間帯の違いや天候の違い、トンネルの内外といった場所の違いなどに応じて、ユーザにとってまぶしく感じられる光を適度に減衰させたり、まぶしく感じられない光を必要以上に減衰させるといったことを回避することができる。その結果、ユーザはその時々の状況(環境)に関わることなく、車内に差し込む光によって眩惑されるようなことがなくなる。夜間においては、対向車が点灯させているヘッドライトのハイビームによって眩惑されるようなことがなくなる。それにより、ユーザは車2をより安全に運転することができるようになる。
【0041】
なお、本実施の形態では、液晶サンバイザー1を車内に上げ下げ自由に設置するタイプとしているが、プレート6、7に光を遮光しない部材を採用したことでそれを常に下げた状態としても視野を狭めるようなことはないことから、フロントガラス4の内側の面に貼り付けるように設置するタイプとしても良い。
【0042】
また、本実施の形態では1つの液晶パネル5だけを採用し、その透過率を複数段階で切り換えているが、複数の液晶パネル5を重ねて、駆動する液晶パネル5の数を変更することで透過率を制御するようにしても良い。そのようにした場合には、透過率をより細かく、且つ幅広く変更することができるようになる。特に、より強い光にも対応できるようになる。
【0043】
液晶パネル5を使用した場合、部分毎に透過率を異ならせることが容易である。このことから、液晶パネル5の部分毎にそこを通過する光の強さを検出して透過率を調整するようにしても良い。
【0044】
温度によって液晶パネル5(液晶材料)の駆動電圧−透過率特性が変化することが知られている。このことから、温度を検出するセンサを更に設け、そのセンサ出力に応じて駆動電圧を変更するようにしても良い。そのように、更に温度を考慮して駆動電圧(透過率)の制御を行うようにした場合には、より高精度に設定すべき透過率で液晶パネル5を駆動することができるようになる。
【0045】
また、液晶サンバイザー1の設置方法については、例えば、棒状の取付用部材を、その端部を中心にして回転可能に車内に取り付け、その取付用部材に、それを軸として回転可能に液晶サンバイザー1を取り付けることで行うようにしても良い。
【0046】
そのようにして車内に設置した場合には、従来のサンバイザーと同じように、フロントガラス4を通って差し込む前方からの光だけでなく、横からの光にも対応することができる。しかし、その一方では、光センサ8、9は液晶サンバイザー1の位置によって、車内に差し込む光と車内の明るさの両方を検出するようになる。光センサ8が常に車内に差し込む光を検出するとは限らなくなる。このため、そのままでは制御部23が状況に合った制御が行えなくなるという不具合が発生する。
【0047】
一般には、車内に差し込む光量はその車内の光量よりも明るいという傾向がある。そのため、例えば第1及び第2の光センサ群21、22が各々検出している光量の大きさを比較することにより、それらがどこの光量を検出しているかを判断することができる。即ち、上記不具合を回避することができる。従って、上記のように液晶サンバイザー1を車内に設置しても、部品等を増やすことなく、制御部23に状況に合った制御を行わせることができる。
【0048】
液晶サンバイザー1を設置する対象は、車2に限定されるものではなく、電車といった他の車両に設置しても良い。設置用の器具を用途別に幾つか用意して(例えば液晶サンバイザー1とは別売というかたちで)、そのなかからユーザが選べるようにしても良い。そのようにした場合には、ユーザは所望の場所で必要に応じて利用することができるようになる。そのため、利便性をより向上させることができる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように本発明では、液晶パネルを通過する光量を検出し、その大きさ、及びそれが変化していく状態(変動状態)に基づいて、透過率を目まぐるしく変化させることなく、液晶パネルを用いて人がまぶしいと感じる光を減衰させる。そのため、視界を遮ることなく強い光がユーザの眼に入るのを防ぐことができ、違和感を覚える、液晶パネルを通してその先(車の前方等)が見辛いといった透過率の急激な変化がユーザに与える影響も軽減することができる。
【0050】
具体的には予め定めた時間毎に観測した光量の平均値を求めて透過率を変更する場合には、建物の近くを走行時、太陽が見え隠れすることに伴い明るさが目まぐるしく変わるような状況であっても、その変化に逐次追従して透過率を変更するようなことは回避される。そのため、透過率を目まぐるしく変化させることでユーザに違和感を与えるのを回避することができる。また、予め定めた値以上の強い光量の検出により透過率を直ちに(予め定めた時間が経過する前であっても)低下させるようにした場合には、眩しく感じられる光を直ちに減衰させることができる。
【0051】
本発明の液晶サンバイザーを使用した場合、ユーザはまぶしい光に眩惑することなく、周囲の確認を容易に行えるようになる。そのことから、本発明は、ユーザの安全性の向上、及びそれの確保に大きく寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態による液晶サンバイザーの構成、及びそれが設置された状態を示す図である。
【図2】本実施の形態による液晶サンバイザーの正面図である。
【図3】本実施の形態による液晶サンバイザーのブロック図である。
【図4】液晶パネルの駆動電圧−透過率特性を示す図である。
【符号の説明】
1 液晶サンバイザー
5 液晶パネル
6、7 プレート
8、9 光センサ
11 太陽電池
21 第1の光センサ群
22 第2の光センサ群
23 制御部
24 液晶駆動部
25 電源
Claims (2)
- 自動車等の車両の車内に入射する光量を調整する液晶サンバイザーにおいて、
印加される駆動電圧の大きさによって光の透過率が変化する液晶パネルと、
前記車内に入射して前記液晶サンバイザーに照射されている光量を観測する観測手段と、
予め定めた時間毎に前記観測手段により観測した光量の平均値を求め、前記液晶パネルの透過率を変更するべきか否かを判断し、該透過率を変更するべき値であると判断した場合、前記観測手段により観測した光量の大きさに基づき前記透過率を決定し、前記液晶パネルが前記決定した透過率となる様に前記駆動電圧を制御し、かつ、前記観測手段による観測期間中でも、予め定めた値以上の強い光量を検出した場合は、該観測期間が経過する前であっても直ちに前記液晶パネルの透過率を低下させる制御手段と、
を具備したことを特徴とする液晶サンバイザー。 - 前記液晶パネルに照射される紫外線、及び赤外線の少なくとも一方を遮蔽する遮蔽手段を、
更に具備したことを特徴とする請求項1に記載の液晶サンバイザー。
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