JP4245400B2 - 燃料噴射ポンプのガバナ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディーゼル機関用燃料噴射ポンプのガバナ装置の構成に関するものであり、より詳しくは、ガバナヒステリシスを低減し、コントロールラック位置の変動、燃料噴射量の変動を防止するための構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼル機関用燃料噴射ポンプのメカニカルガバナ装置では、ガバナウェイトの遠心力をガバナレバー機構に伝達し、該ガバナレバー機構により燃料噴射ポンプのコントロールラック位置を制御して、エンジン回転数の調速制御を行うように構成されている。前記ガバナレバー機構は、リンクを介して燃料噴射ポンプのコントロールラックと連動連結されるガバナレバーと、該ガバナレバーと同軸に回動自在に配され、同ガバナレバーに一部が当接されるテンションレバーとを具備し、前記ガバナウェイトのスリーブが移動してガバナレバーに作用すると、テンションレバーが一体的に回動する構成としている。前記テンションレバーは、ガバナスプリングを介してコントロールレバーに連結されている。ガバナスプリングの前後のフック部は、テンションレバー及びコントロールレバーにそれぞれに配されるローラー状の係止溝部に係止されている。また、前記コントロールレバーはコントロール軸に固定され、該コントロール軸がアクセル操作によって回動操作されると、前記ガバナスプリングを介してテンションレバーが回動操作され、該テンションレバーとともに前記ガバナレバーが回動操作され、該ガバナレバーの回動操作により、前記リンクを介して燃料噴射ポンプのコントロールラックが操作され、燃料噴射量が増量・減量されるものである(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2003―003867号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記文献で開示されるところのガバナ装置の構成においては、ガバナウェイトの遠心力によりスリーブを移動させ、ガバナレバーを回動操作するようにしている。即ち、エンジン回転数が増加過程にある場合では、ガバナウェイトがその回転数を増して遠心力を増加させ、スリーブを正の方向(燃料噴射量増量側)へ移動させる一方、エンジン回転数が減少過程にある場合では、ガバナウェイトの慣性力によりスリーブの負の方向(燃料噴射量減量側)への移動を抑えるようにしている。このように、スリーブの動きによってガバナレバーが回動操作され、エンジン回転数の調速制御が行われているものである。そして、ガバナレバーの回動動作により前記コントロールラック位置が変更されるわけであるが、例えば、発電機を駆動する際に規定の回転数に合わせる等、ある規定の回転数に調速される場合において、スリーブが正の方向へ移動して調速される場合と、スリーブが負の方向へ移動して調速される場合とでは、それぞれのコントロールラック位置が異なることが確認された。これは、前記ガバナレバー機構が円滑に動作しないこと、つまりは機械的な動作抵抗が発生することにより、ガバナレバー機構が前記スリーブの移動にスムーズに追従できないことに起因するものであるといえる。換言すれば、スリーブの移動に対するガバナレバー機構のヒステリシスが大きく、このヒステリシスの原因は、ガバナレバー機構の機械的な動作抵抗にあるといえる。そして、このガバナレバー機構のヒステリシス(以下、「ガバナヒステリシス」とする)が原因と思われる燃料噴射ポンプの回転数の変動や、これに伴うエンジン回転数のハンチングの現象が頻繁に発生していた。
【0005】
そこで、ガバナレバー機構の機械的な動作抵抗の低減を検討するに際し、前記ガバナスプリングが係止されるローラー状の係止溝部の摩擦抵抗に着目した。この係止溝部はローラー状でありながら、その支持軸に対して嵌着されて相対回転不能となっている。このため、コントロールレバーとテンションレバーを前記係止溝部及びガバナスプリングで連結した場合には、前記係止溝部と支持軸の間、さらには、係止溝部とガバナスプリングとの間にて摩擦抵抗が生じ、該摩擦抵抗がガバナレバー機構全体の動作抵抗となり、ガバナレバー機構の円滑な動作に支障を来たすものといえる。本発明は以上の点に鑑み、前記ガバナスプリングの係止溝部における摩擦抵抗を低減することにより、ガバナヒステリシスの低減、ポンプ回転数の変動の低減、エンジン回転数のハンチング発生の防止を図るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上のごとくであり、次に該課題を解決する為の手段を説明する。
【0007】
請求項1においては、テンションレバー(12)とコントロールレバー(21)をガバナスプリング(20)で連結する燃料噴射ポンプのガバナ装置であって、該テンションレバー(12)及びコントロールレバー(21)には支持軸(17a・21a)を設け、該支持軸(17a・21a)に、前記ガバナスプリング(20)のフック部(20b・20a)を係止するローラー(72・71)を外嵌支持するとともに、該ローラー(72・71)の内径(L2)は、前記支持軸(17a・21a)の軸径(L1)よりも大とし、前記ローラー(72・71)の内径(L2)と、前記支持軸(17a・21a)の軸径(L1)の寸法差は、前記ローラー(72・71)の内径(L2)の10〜20%の範囲内とし、前記2つのローラー(72・71)のうち、該一方のローラー(72)は、前記フック部(20b)の係止溝部(85)に、正面視において水平部を構成する係止面(85a)を有し、正面視において全体として略「H」字状に構成し、該係止面(85a)の横幅(F1)は、フック部(20b)の線径(R1)よりも大とし、他方のローラー(71)は、該フック部(20a)との係止面(80a)を略「U」字状とし、該係止面(80a)の曲率半径は、該フック部(20a)の線径(R1)の曲率半径よりも大とし、接触面(W)において、両者が面接触する構成としたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を説明する。
【0009】
図1は本発明のガバナ装置を示す側面断面図、図2はガバナスプリングの配置構成を示す一部平面図、図3は略「U」字状とするローラーを示す正面図、図4はローラーと支持軸の径の大小関係を示すフック部の側面図、図5はエンジン回転数とコントロールラック位置の関係(N−R特性)を示すグラフである。
【0010】
図6は略「H」字状とするローラーを示す正面図、図7はフック部とローラーとの間の摩擦抵抗の関係を示す正面図、図8は「U」字状と「H」字状のローラーの組み合わせによるN−R特性を示すグラフ、図9は「U」字状と「H」字状のローラーの組み合わせのパターンを示す図である。
【0011】
本発明のガバナ装置の構成について説明する。図1において、ポンプケーシング1下部では燃料噴射ポンプのカム軸5が回転自在に支持されており、該カム軸5の一端部が、該ポンプケーシング1に固定されるガバナ装置7のケーシング8内に突出している。前記カム軸5の一端部には遠心力により開閉するガバナウェイト9が配されており、前記カム軸5の回転に伴って、同じくカム軸5端部に摺動自在に取り付けられたスリーブ10を軸方向に移動させるようにしている。該スリーブ10の前端面は、第二ガバナレバー27の下部立面に嵌設した作用部27aに当接しており、ガバナウェイト9の動作に伴って第二ガバナレバー27の下部を押圧するように作用するものである。
【0012】
第一ガバナレバー11の上下略中央部、及び第二ガバナレバー27の上部は、それぞれテンションレバー12上の第一回動軸15aにより回動自在に支持されており、前記第一回動軸15aの下方において、第一ガバナレバー11の前側突出部と、第二ガバナレバー27の下部立面の上部とが連結スプリング13により連結されている。そして、該連結スプリング13の付勢力により、第一ガバナレバー11の下部後面と、第二ガバナレバー27の下部前面とが、互いに当接するようになっている。また、ケーシング8内における上下方向略中央部には、左右方向にガバナレバー軸15が横架されており、該ガバナレバー軸15には、テンションレバー12の上下略中央部に設けた回動軸受15bが回動自在に支持されている。以上のように、ガバナレバー軸15に支持される前記テンションレバー12、第一回動軸15aにより支持される第一ガバナレバー11、及び第二ガバナレバー27によりガバナレバー仕組が構成されている。
【0013】
また、前記第一ガバナレバー11の上端部は、リンク16を介して燃料噴射ポンプのコントロールラックに連結されており、該第一ガバナレバー11によりリンク16を介してコントロールラックを移動させることで、燃料噴射ポンプの燃料噴射量が変化するように構成されている。
【0014】
また、前記テンションレバー12において、ガバナレバー軸15より上方に形成した後方延出部は、連結板17及びガバナスプリング20を介してコントロールレバー21の先端部に連結されている。該コントロールレバー21の基端部は、ケーシング8の壁面に回転自在に支持された前記ガバナレバー軸15と平行なコントロール軸22の一端部に固定されている。該コントロール軸22において、コントロールレバー21とは反対側の端部は、ケーシング8よりも外側に延出されており、ケーシング8の外部において図示せぬアクセルレバーの上部と連結されている。そして、前記アクセルレバーを回動されると、コントロール軸22、コントロールレバー21、ガバナスプリング20、及び連結板17を介してテンションレバー12が回動されるようになっている。
【0015】
また、図1において、テンションレバー12が燃料噴射量増量側へ回動されると、第二ガバナレバー27がその下部を押されるようにして反時計回りに回動する。そして、第一ガバナレバー11が、連結スプリング13の付勢力によって第二ガバナレバー27と一体的に回動され、リンク16を介してコントロールラックが燃料増量方向へ移動されるようになっている。以上の構成により、前記コントロールレバー21のコントロール軸22は、ガバナスプリング20、テンションレバー12、第一ガバナレバー11及び第二ガバナレバー27を介して燃料噴射ポンプのコントロールラックに連動連結される構成となっている。
【0016】
次に、本発明にかかるガバナ装置の構成の詳細について説明する。図1及び図2に示すごとく、前記テンションレバー12及びコントロールレバー21のそれぞれには、前記ガバナスプリング20のフック部20a・20bを係止するローラー71・72が回転自在に設けられている。図2において、コントロールレバー21は、コントロール軸22に支持固定されるものであり、コントロール軸22を回動中心として回動するものである。該コントロールレバー21の右側面には支持軸21aが突設され、該支持軸21aには、止め輪91a、ローラー71、止め輪91bが順に差し込まれ、ローラー71の係止溝部80には、ガバナスプリング20のフック部20aが係止されている。
【0017】
図3に示すごとく、ローラー71の係止溝部80は、正面視略「U」字状の係止面80aを有している。この係止面80aは、曲率を有するものであり、その曲率半径は、ガバナスプリング20の線径R1の曲率半径よりも大としている。
【0018】
一方、図2において、連結板17は、テンションレバー12の後部(図1)に固定されるものであり、テンションレバー12と一体的に動作するものである。該連結板17の左側面には支持軸17aが突設され、該支持軸17aに、止め輪92a、ローラー72、止め輪92bが順に差し込まれ、ローラー72の係止溝部85に、ガバナスプリング20のフック部20bが係止されている。
【0019】
また、図2及び図4に示すごとく、テンションレバー12の連結板17に突設された支持軸17a、コントロールレバー21に突設された支持軸21aに前記ガバナスプリング20のフック部20a・20bを係止するローラーがそれぞれ挿入支持されるとともに、前記ローラー71・72の挿入孔71a・72aの内径L1は、前記支持軸17a・21aの軸径L2よりも大としている。さらに、前記ローラー71・72の挿入孔71a・72aの内径L1と、支持軸17a・21aの軸径L2の寸法の関係は、両者の寸法差L3が、内径L1の10〜20%の範囲内となるように構成するのが好ましい。これにより、ローラー71・72をそれぞれ支持軸21a・17aに対して「点接触」させるものとし、ローラー71・72が回転支持される構成としている。また、前記寸法差L3を、内径L1の10〜20%の範囲内として、ローラー71・72の強度を損なわせることなく、従来のローラー71・72の外径寸法を維持することができる。また、ローラー71・72が支持軸21a・17aに対してフラツクことがあっても、該フラツキの範囲をガバナヒステリシスに影響しない許容範囲に抑えることができる。
【0020】
そして、以上のように、ローラー71・72が支持軸21a・17aに対して回転自在に支持されることにより、ローラー71・72と支持軸21a・17aとの間にて生じる摩擦抵抗を低減することができ、これにより、ガバナレバー機構全体としての動作が円滑に行われ、ガバナヒステリシスの低減が図られるのである。尚、同様の効果を奏する構成として、ローラー71・72と支持軸21a・17aとの間に、軸受け、又は、セラミックよりなるカラーを介装し、回転を円滑に行うことを可能とうする構成や、ローラー71・72の内周部、及び支持軸21a・17aの外周面に、クロムメッキ、潤滑油塗布等の処理を施すことにより、さらなる摩擦抵抗の低減を図ってもよい。
【0021】
図5では、前記ローラー71・72を用いた構成によるエンジン回転数とコントロールラック位置の関係(N−R特性)を示す。この図では、発電機用のエンジンにおいて、本発明に係る燃料噴射ポンプのコントロールラックの位置変化の特性を示したものであり、発電周波数が50Hzの場合の運転と、60Hzの場合の運転のそれぞれにおいて、従来構成の燃料噴射ポンプを搭載した場合のものとの比較を示している。図5に示すごとく、本発明に係る構成では、50Hzの場合、特性曲線91a(実線)となり、従来構成の特性曲線92aと比較すると、エンジン回転数の変動範囲の縮小、つまり、ガバナヒステリシスの低減が確認された。尚、ガバナヒステリシスの量は、各特性曲線において囲まれる範囲(面積)で示されるものであり、該範囲が狭くなるほどガバナヒステリシスが低減し、回転数のハンチング発生防止が図られることを意味している。また、60Hzの場合も同様に、本発明に係る構成では、特性曲線91b(実線)となり、従来構成の特性曲線92bと比較すると、エンジン回転数Nの変動範囲の縮小、つまり、ガバナヒステリシスの低減が確認された。
【0022】
以上に述べたローラー71・72と支持軸21a・17aとの間の摩擦抵抗の低減に加え、図6に示されるローラーの構成によれば、該ローラーとガバナスプリング20との間の摩擦抵抗の低減が図られ、さらなるガバナヒステリシスの低減を図ることができる。即ち、図6に示すごとく、ローラー72の係止溝部85は、正面視において水平部を構成する係止面85aを有し、同じく正面視において、ローラー72全体として略「H」字状に構成されている。この係止面85aは、曲率のない水平面で構成され、その横幅F1をガバナスプリング20の線径R1よりも大としている。このローラー72の構成によれば、図7の右側に示すごとく、ガバナスプリング20の軸周面と、ローラー72の係止面85aとは、接触点Pにおいて点接触することとなり、同図の左側に示される係止面80aを略「U」字状とするローラー71の接触面Wにおいて面接触する場合と比較して、ガバナスプリング20の軸周面と、係止溝部85との間で生じる摩擦抵抗の低減を図ることができる。また、係止面85aにおいては、フック部20bの横方向(支持軸21a・17aの軸方向)の摺動が規制されないため、ガバナスプリング20が伸縮する際に、該フック部20bにおいてガバナスプリング20がねじれることがない。以上の構成により、ガバナレバー機構全体としての動作を円滑に行ない、ガバナヒステリシスの低減を図るものである。
【0023】
図7に示すごとく、正面視略「U」字状とするローラー71と、正面視略「H」字状とするローラー72とを組み合わせて使用する、つまり、コントロールレバー21側にはローラー71を、テンションレバー12側にはローラー72を配する構成とし、ガバナヒステリシスの発生を検証した。図8において、特性曲線95a・95bは、50Hz・60Hzの各周波数における図7のローラー71・72の組み合わせでのエンジン回転数とコントロールラック位置の関係(N−R特性)を示すものである。これに対し、特性曲線96a・96bは、同一条件において、二つの「U」字状のローラーを組み合わせた場合(図3のローラー71をコントロールレバー21及びテンションレバー12に配する構成)のものを示すものである。この結果より、50Hz・60Hzの各周波数における運転において、ガバナヒステリシスの低減が確認された。
【0024】
以上の例において、略「H」字状とするローラーを適用することにより、さらなるガバナヒステリシスの低減が確認されたが、組み合わせとしては、この例に限るものではない。即ち、図9に示すごとく、二つの「H」字状のローラーを組み合わせて「H―H」とする場合も考えられ、組み合わせの形態として、「U−H」、「U−U」と合わせて、合計3つパターンの形態がある。そして、これらのいずれのパターンを使用するかは、燃料噴射ポンプ、及びエンジンの特性から決定されるものである。また、コントロールレバー21側のローラーを「U」字状、テンションレバー12側を「H」字状として「U−H」とする他、この逆に、コントロールレバー21側のローラー「H」字状、テンションレバー12側を「U」字状とする「H−U」の組み合わせであってもよい。尚、摩擦抵抗の低減に基づくガバナヒステリシスの低減という観点から、理論的には、「U−U」、「U−H」、「H−H」の組み合わせの順で良好な結果を示すと考えられるが、「H−H」の組み合わせでは、ガバナスプリング20の両端のフック部20a・20bが前記係止溝部85・85の上を自由に摺動することが可能となるため、ガバナスプリング20全体としてのフラツキが発生しやすい状況となる。図9において、振れ幅77・77・・・では、ガバナスプリング20のフラツキの度合いを示している。これにより、「H―H」の組み合わせでは、「U−H」の組み合わせと比較して、ガバナスプリング20自体が不安定となり、ガバナヒステリシスが大きくなる場合が考えられる。このような点から、一方を「U」字状のローラーとして、「U」字の係止溝部80によってガバナスプリング20のフラツキ発生を防止するように機能させる形態が望ましいといえる。
【0025】
【発明の効果】
本発明は以上のごとく構成したので、次のような効果を奏するのである。
請求項1に記載のごとく、テンションレバー(12)とコントロールレバー(21)をガバナスプリング(20)で連結する構成とする燃料噴射ポンプのガバナ装置であって、該テンションレバー(12)及びコントロールレバー(21)には支持軸(17a・21a)を設け、該支持軸(17a・21a)に、前記ガバナスプリング(20)のフック部(20b・20a)を係止するローラー(72・71)を外嵌支持するとともに、該ローラー(72・71)の内径(L2)は、前記支持軸(17a・21a)の軸径(L1)よりも大としたので、ローラーと支持軸との間にて生じる摩擦抵抗を低減することができ、これにより、ガバナレバー機構全体としての動作が円滑に行われ、ガバナヒステリシスの低減が図られるのである。これにより、エンジン回転数のハンチング発生を防止することができる。
【0026】
また、前記ローラー(72・71)の内径(L2)と、前記支持軸(17a・21a)の軸径(L1)の寸法差は、前記ローラー(72・71)の内径(L2)の10〜20%の範囲内としたので、ローラーと支持軸との間にて生じる摩擦抵抗を低減することができるとともに、ローラーの強度を損なわせることなく、従来のローラーの外径寸法を維持することができる。ローラーが支持軸に対してフラツクことがあっても、該フラツキの範囲をガバナヒステリシスに影響しない許容範囲に抑えることができる。
【0027】
また、前記2つのローラー(72・71)のうち、該一方のローラー(72)は、前記フック部(20b)の係止溝部(85)に、正面視において水平部を構成する係止面(85a)を有し、正面視において全体として略「H」字状に構成し、該係止面(85a)の横幅(F1)は、フック部(20b)の線径(R1)よりも大としたので、フック部の横方向の摺動が規制されないため、ガバナスプリングが伸縮する際にも、前記フック部においてガバナスプリングがねじれることがなく、ガバナレバー機構全体としての動作が円滑に行なわれ、ガバナヒステリシスの低減が図られる。
【0028】
また、他方のローラー(71)は、該フック部(20a)との係止面(80a)を略「U」字状とし、該係止面(80a)の曲率半径は、該フック部(20a)の線径(R1)の曲率半径よりも大とし、接触面(W)において、両者が面接触する構成としたので、一方を「H」字状のローラー、他方を「U」字状のローラーとする組み合わせとなり、「U」字状のローラーによってガバナスプリングのフラツキ発生を防止することができ、ガバナスプリングのフラツキに起因するガバナヒステリシスの低減が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のガバナ装置を示す側面断面図である。
【図2】 ガバナスプリングの配置構成を示す一部平面図である。
【図3】 略「U」字状とするローラーを示す正面図である。
【図4】 ローラーと支持軸の径の大小関係を示すフック部の側面図である。
【図5】 エンジン回転数とコントロールラック位置の関係(N−R特性)を示すグラフである。
【図6】 略「H」字状とするローラーを示す正面図である。
【図7】 フック部とローラーとの間の摩擦抵抗の関係を示す正面図である。
【図8】 「U」字状と「H」字状のローラーの組み合わせによるN−R特性を示すグラフである。
【図9】 「U」字状と「H」字状のローラーの組み合わせのパターンを示す図である。
【符号の説明】
20 ガバナスプリング
17a 支持軸
21a 支持軸
71 ローラー
72 ローラー
L1 支持軸の軸径
L2 ローラーの内径

Claims (1)

  1. テンションレバー(12)とコントロールレバー(21)をガバナスプリング(20)で連結する燃料噴射ポンプのガバナ装置であって、該テンションレバー(12)及びコントロールレバー(21)には支持軸(17a・21a)を設け、該支持軸(17a・21a)に、前記ガバナスプリング(20)のフック部(20b・20a)を係止するローラー(72・71)を外嵌支持するとともに、該ローラー(72・71)の内径(L2)は、前記支持軸(17a・21a)の軸径(L1)よりも大とし、前記ローラー(72・71)の内径(L2)と、前記支持軸(17a・21a)の軸径(L1)の寸法差は、前記ローラー(72・71)の内径(L2)の10〜20%の範囲内とし、前記2つのローラー(72・71)のうち、該一方のローラー(72)は、前記フック部(20b)の係止溝部(85)に、正面視において水平部を構成する係止面(85a)を有し、正面視において全体として略「H」字状に構成し、該係止面(85a)の横幅(F1)は、フック部(20b)の線径(R1)よりも大とし、他方のローラー(71)は、該フック部(20a)との係止面(80a)を略「U」字状とし、該係止面(80a)の曲率半径は、該フック部(20a)の線径(R1)の曲率半径よりも大とし、接触面(W)において、両者が面接触する構成としたことを特徴とする燃料噴射ポンプのガバナ装置。
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