JP4244664B2 - 粉体圧送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉体圧送装置に係り、特に、高炉羽口への微粉炭(直径3mm未満の粉炭)吹き込みに用いるに好適な、圧送されるべき粉体が装入される圧送タンク2と、該圧送タンクの底部に配設された、エアレーション配管を介して吹き込まれる気体により粉体を流動化するエアレーションチャンバとを有し、該エアレーションチャンバで形成された粉流体を圧送するようにした粉体圧送装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
高炉羽口へ微粉炭を吹き込むための従来の粉体圧送装置としては、粉体を安定して搬送先へ搬送でき、したがって、多地点への同時搬送も容易化するという目的を達成するために、例えば図3に示す如く、圧送されるべき粉体1が装入される圧送タンク2と、該圧送タンク2の底部に配設された、エアレーション配管3を介して吹き込まれる気体により粉体を流動化するエアレーションチャンバ4とを有し、該エアレーションチャンバ4で形成された粉流体を圧送するようにした粉体圧送装置において、前記エアレーションチャンバ4の吹き込み気体と粉体との接触面に配設された、多数の微細孔が形成された多孔板5と、前記圧送タンク2内を所定圧に加圧するための、前記エアレーション配管3と独立したタンク加圧配管6と、前記エアレーションチャンバ4で形成された粉流体を、下向きノズル7を介してエアレーションチャンバ4上方へ取り出す粉体搬送配管8を備えた構成にしたものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
これによれば、多孔板5を用いたことで、エアレーションガス流量が、多孔板5に設けられた微細孔への気体の通過抵抗のみで制御されるので、エアレーションを完全に安定なものにすることができ、また、下向きノズル7を用いて粉体の搬送をタンク内から上向きに行うことで、粉体重量による下方への落下の影響をなくし、完全に流動化されて浮遊している粉体のみをノズルに流入させて搬送することができ、安定したエアレーションと組み合わされて、脈動の少ない安定した高密度の粉体搬送を実現することができる。
【0004】
また、前記従来の粉体圧送装置では、前記下向きノズル7を前記圧送タンク2の中心軸の同一円周上に等間隔で複数個配設すると共に、前記粉体搬送配管8を各下向きノズル7から放射状に複数本配設することによって、粉流体の多地点への同時搬送を可能としている。また、前記粉体搬送配管8の途中に連結された、該粉体搬送配管8中に粉流体の圧送を補助するブースタ気体を供給するブースタ配管10と、ブースタ気体の流量を制御するブースタ流量制御弁12とを設けることにより、粉流体流量を容易に制御できるようにしている。
【0005】
なお、図3において、9は圧送タンク2へ装入する粉体を通す粉体供給配管、13は粉体供給配管9に設けられた開閉弁、15は圧送タンク2内のガス過剰分を抜くガス抜きパイプ、14はガス抜きパイプ15に設けられた安全弁、16は、エアレーション配管3に設けられた開閉弁(例:ボール弁等)、17は粉体搬送配管8に設けた開閉弁(例:ボール弁等)、18はタンク加圧配管6に設けられたタンク圧制御弁である。
【0006】
【特許文献1】
特開昭58−125526号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記従来の粉体圧送装置では、粉流体の取り出し量を増加させるためにエアレーション用気体量を上昇させると、エアレーションにより流動化されている粉流体中に気体流が中心となって流れる、いわゆる“吹き抜け”と呼ばれる気体通気路が形成される場合があり、この吹き抜けが形成されると、この吹き抜けに通じた下向きノズルには、気体量が多く、粉体の供給が不十分となり、当該下向きノズルを介した粉流体の取り出し量(搬送量)が所定の目標量を下回るという問題が生じる他、複数の下向きノズルを配置した粉体圧送装置では、各下向きノズルから取り出される粉流体の搬送量が互いに大きく異なることになるという問題が生じた。
【0008】
この問題は、高炉羽口への微粉炭吹き込みに用いる粉体圧送装置では、高炉の各羽口に供給される微粉炭量がアンバランスになる結果、高炉円周方向で炉内状況の偏差を生じ高炉炉況不調を引き起こす重大事故につながることになった。
本発明は、この問題を解決し、流動化した粉流体中に吹き抜けを形成し難くした粉体圧送装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、吹き抜けの防止対策について鋭意検討し、その結果、粉体圧送装置において、粉流体を取り出す下向きノズルを下向きのラッパ管(先広がりのテーパ管を指す。以下同じ。)とすること、および下向きノズル下端より上方の位置の粉体の流動化を図ることにより、吹き抜けが起こり難くなるという知見を得て本発明をなした。
【0010】
すなわち、本発明は、圧送されるべき粉体が装入される圧送タンクと、該圧送タンクの底部に配設された、エアレーション配管を介して吹き込まれる気体により粉体を流動化するエアレーションチャンバとを有し、該エアレーションチャンバすなわち下部エアレーションチャンバで形成された粉流体を圧送するようにした粉体圧送装置であって、前記エアレーションチャンバの吹き込み気体と粉体との接触面に配設された、多数の微細孔が形成された多孔板と、前記圧送タンク内を所定圧に加圧するための、前記エアレーション配管と独立したタンク加圧配管と、前記エアレーションチャンバで形成された粉流体を、複数の下向きノズルを介してエアレーションチャンバ上方へ取り出す粉体搬送配管を備えたものにおいて、前記多孔板上面より離間させて前記下向きノズルを設け、前記下向きノズルを先広がりのテーパ角度が10〜30°である下向きのラッパ管とすると共に前記多孔板と前記下向きのラッパ管開口部の下端とを平行に配置し、さらに前記下向きのラッパ管下端より離れた上方の位置に粉体を流動化する上部エアレーション用ノズルを設けたことを特徴とする粉体圧送装置である。
【0011】
本発明では、前記下向きのラッパ管の先端開口の口径Dが、該先端開口の中心と前記多孔板との最短距離hに対し、次の(式1)、より好ましくは(式2)、を満たすことが好ましい。
(式1) |D−h|/D≦0.20
(式2) |D−h|/D≦0.10
また、本発明では、前記下向きのラッパ管を前記圧送タンクの中心軸に同心な同一円周上に等間隔で複数個配設すると共に、前記下向きのラッパ管の相互隣接管間に前記上部エアレーション用ノズルを配設することが好ましい。この好適形態とした場合、前記多孔板を配設される前記下部エアレーションチャンバの吹き込み気体と粉体との接触面の一部が、前記圧送タンクの中心軸に同心な上細円錐台(上部ほど小径になる円錐台を指す。以下同じ。)の周面をなすことが好ましい。
【0012】
また、本発明では、前記下部エアレーションチャンバへの吹き込み気体と前記上部エアレーション用ノズルへの吹き込るみ気体とを共通のエアレーション配管で供給し、前記エアレーションチャンバへの吹き込み気体と前記上部エアレーション用ノズルへの吹き込み気体の供給流量を制御する流量制御弁を設け同一圧力で気体供給を行うことが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明装置(:本発明に係る粉体圧送装置)の1例を示す模式図である。同図において、20はラッパ管、21は上部エアレーション用ノズルである。なお、図3と同一または相当部材には同じ符号を付し説明を省略する。本発明では、多孔板5および下向きノズル7相当の排出管を採用している点で図3と同様であるため、その限りにおいては特許文献1と同様の効果を奏するものであるが、それだけではなく、特許文献1では考慮されていなかった点として、図示のように、図3相当の装置において下向きノズル7相当の排出管を下向きのラッパ管20に限定したものである。これにより、流動化した粉体がより多量に下向きの管入口(管の先端開口)にかき集められるという作用が生まれるので、吹き抜けが生じ難くなるという従来にない効果を奏する。
【0014】
この作用効果は、図2に定義を示すところの、ラッパ管20のテーパ角度αが10°以上で顕著となるが、一方、αを30°よりも大きくすると管入口の上方の粉体の降下に対する抵抗が過大となって、該上方の粉体が下向きの管入口に間断なく円滑に回り込んでくるのが難しくなり、粉流体搬送量に脈動が生じ易くなる。したがって、ラッパ管のテーパ角度αは、10〜30°の範囲とするのが好ましい。
【0015】
さらに、本発明のもう一つのポイントは、前記ラッパ管20の下端より上方位置に上部エアレーション用ノズル21を設けたことにある。この上部エアレーション用ノズル21は、ラッパ管20の下端、すなわち粉体を圧送タンク2内から取り出す取り出し部分(ラッパ管開口部)より上方位置に気体を供給し、上部粉体の流動化および上部側から下部側への粉体押し込み作用を果たす役割を担う。
【0016】
したがって、エアレーションチャンバ側のエアレーションにより、流動化した粉流体中に“吹き抜け”を生じることが、上部エアレーション用ノズルによる上部粉体の流動化および粉体押し込み作用で上部から粉体が供給されることにより阻止されて、ラッパ管20への粉流体供給がスムーズになる。
以上の2つの組合せにより、吹き抜けはなく、安定した、ラッパ管20からの粉流体取り出し(粉流体の搬送)が実現できる。
【0017】
この上部エアレーション用ノズル21は、圧送タンク内に設けられている複数のラッパ管の相互隣接管間の略中央位置に配設されて前記効果を発揮する。
ここで、前記エアレーションチャンバ4に供給する吹き込み気体と、上部エアレーションノズル21に供給する吹き込み気体とは、共通のエアレーション配管を介して供給することが好ましい。すなわち、前記二通りのエアレーション用気体を供給するエアレーション配管は共通の配管とし、該共通の配管を分岐させた各分岐管でエアレーションチャンバ4への吹き込み気体と上部エアレーション用ノズル21への吹き込み気体を供給する。さらに、エアレーションチャンバ4側供給気体および上部エアレーション用ノズル21側供給気体の供給流量を制御するため、各分岐管にはそれぞれ流量制御弁を配して流量調整を可能にする。これにより、同一圧力で前記エアレーションチャンバと前記上部エアレーション用ノズルとにエアレーション用気体の供給を行うことができ、前記粉体に対するエアレーション作用が干渉せずに安定する(すなわち、一方のエアレーション圧力が高いと、低い側への吹き抜け等が発生するが、同一圧力とすることにより当該吹き抜け等は発生しなくなる)。
【0018】
また、前記気体の流量調整については、前記エアレーションチャンバ側供給気体の供給流量を45〜65%、前記上部エアレーション用ノズル側供給気体の供給流量を35〜55%とする流量配分を行って吹き込むことにより、ラッパ管からの安定取り出しが可能であった。
また、同図2に定義を示すところの、ラッパ管20の先端開口の口径Dおよび該先端開口の中心と多孔板5との最短距離hも、粉流体搬送の安定性に関係する。ラッパ管20において、粉流体をかき集めて安定して取り出すためには、前記エアレーションチャンバ4を構成する多孔板5とラッパ管20開口部の下縁とを、図2に示すように平行に配置する。この平行な配置関係を構成することで、多孔板の各孔から供給される気体によるエアレーション効果で流動化された粉体を、ラッパ管20開口部の下縁全周からかき集めて取り出すいわゆる粉体の捕捉効率が最も安定する。そして、ラッパ管20の先端開口(開口部の下縁の開口)の口径Dと、ラッパ管開口部の下縁〜多孔板の上面間の距離hとには以下の関係がある。
【0019】
すなわち、ラッパ管開口部の下縁が多孔板の上面に接近すればエアレーション効果が高く、エアレーションで流動化された粉体を最も捕捉しやすいのであるが、接近しすぎるとエアレーション用気体が過多の状態となり、ラッパ管開口部の周囲では、そのエアレーションのための吹き込み気体過多により、周囲から粉体が供給されなくなって、周囲から粉流体をかき集める効果が阻害される。
【0020】
また、ラッパ管開口部の下縁が多孔板の上面から離隔しすぎると、エアレーション効果が不足して、流動化された粉体の捕捉が困難となり、エアレーション効果を高めるために気体供給量を増加させると吹き抜けが発生することになる。
本発明者らは、この不具合をラッパ管20の先端開口(開口部の下縁の開口)の口径Dと、ラッパ管開口部の下縁〜多孔板の上面間の距離hとの関係を用いて以下の条件で解決した。
【0021】
この不具合は、比h/Dを0.80〜1.20の範囲とすること、すなわち、前記(式1)を満たすようにhおよびDを設定することで解消でき、粉流体搬送の安定性を十分なものとしうる。よって、本発明では、hおよびDは前記(式1)を満たすものが好ましい。なお、h/Dを0.90〜1.10に制限すると、粉流体搬送の安定性がさらに向上する。よって、本発明では、hおよびDは前記(式2)を満たすものが、より好ましい。
【0022】
また、本発明では、多地点への粉流体の同時搬送を可能とする観点から、図1に示したように、ラッパ管20を圧送タンク2の中心軸に同心な同一円周上に等間隔で複数個配設すると共に、粉体搬送配管8を各ラッパ管20から放射状に複数本配設することが好ましい。そうした場合、各ラッパ管20近傍の圧力環境は、他のラッパ管20のそれとの相互干渉によって乱されず同一環境となり、粉流体搬送の安定性の面から好ましい。
【0023】
さらに、圧送タンク2の中心軸に同心な上細円錐台を設け、該上細円錐台の側面と圧送タンク2の内面とで半径方向に仕切り、同上細円錐台の上面の仮想展延面と多孔板5の上面とで高さ方向に仕切った空間内に、前記同一円周上に等間隔に複数個配設するラッパ管20を、環状配列形に存在させる。ラッパ管20をこのように配設することで、エアレーションによる粉体1の流動化はより効率的に形成され、粉体1は、多孔板5上方位置にあるラッパ管20でスムーズに取り出される(搬送される)。
【0024】
上部エアレーション用ノズル21は、図1では圧送タンク2の壁を穿って内部にエアレーション用気体を吹き込み可能に設けられており、この上部エアレーション用ノズル21への吹き込み気体は、エアレーションチャンバ4にエアレーション用気体を供給するエアレーション配管3から分岐された上部エアレーション用配管3aから開閉弁(流量制御弁)16a で供給流量を調節されて吹き込まれるようになっている。この上部エアレーション用ノズル21は、円周方向には、前述の如く、同一円周上に複数個配設した各ラッパ管20の相互隣接管間の略中央位置に配置されるものであり、一方、高さ方向には、図2に示すように、ラッパ管20の下端(=ラッパ管開口部の下縁)より上方に距離Hを隔てた位置に配置される。
【0025】
この上部エアレーション用ノズル21をラッパ管20の下端より上方に離す理由は、接近させすぎると吹き込んだエアレーション用気体がラッパ管20側に“吹き抜け”を生じるためであり、この上部エアレーション用ノズル21をラッパ管20の下端より上方に離す距離Hは、圧送タンク2の内圧にもよるが、300mm 以上とすることが好ましい。
【0026】
なお、上部エアレーション用ノズル21は、圧送タンク2の壁を穿って設けるほか、図2に上部エアレーション用ノズル21a として示すように上細円錐台の側壁を穿って設けても効果は同様である。この上部エアレーション用ノズル21a を配置する位置は、上細円錐台の側面内の同一円周上でかつ前記環状配列形のラッパ管の相互隣接管間の略中央位置とすればよい。
【0027】
さらに、多孔板5は、図1、図2に示したように底部位置のみに配置するほか、底部位置および上細円錐台下部側面への配置も可能である。各ラッパ管20に与える影響が同様な条件下での変更であれば、ラッパ管20からの粉体取り出しに差を生じないからである。
また、本発明にいう多孔板5には、板に多数の細孔を穿った多孔穿孔板の他、多数の細孔を有する焼結金属板、あるいは多孔穿孔板に焼結金属板を組み合わせたもの等が含まれる。
【0028】
なお、図1中、10は、ブースタ気体を粉体搬送配管8に供給するブースタ配管を示すもので、粉体搬送配管8内を通って搬送される粉体1の搬送量をブースタ気体流量で制御するための流量制御弁12を有する。
【0029】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、本実施例に限定されるものではない。本実施例では、高炉羽口へ微粉炭を供給するために、図1に例示した本発明装置を用いて微粉炭吹き込み操業を行った。ラッパ管20のテーパ角度αは20°とし、ラッパ管20入口中心と多孔板5との最短距離hとラッパ管20入口の口径Dの比h/Dは1.0 とした。微粉炭を送給するためのラッパ管20は、圧送タンク2の中心軸に同心な同一円周上に等間隔に各羽口用に38本配置した。多孔板5としては、多数の微細孔が形成された焼結金属板を使用した。また、上部エアレーション用ノズル21は、ラッパ管20の下端より距離H=310mm だけ上方かつラッパ管20の相互隣接管間の中央の位置に配置した。
【0030】
以下、ここでの微粉炭圧送操業の仕方について装置の作用も交えて説明する。まず、開閉弁13を開いて粉体供給配管9から圧送タンク2内に微粉炭を装入し、装入後、開閉弁13を閉止する。その後、エアレーション配管3の開閉弁16を全開とし、エアレーションチャンバ4内に窒素ガスを送給して多孔板5から噴出させ、下向きのラッパ管20付近の微粉炭を流動化させる。次に、タンク圧制御弁18により圧送タンク2内圧を所定値(例:70〜80N/cm2)まで上げ、その値に保持すべくタンク圧制御弁18を制御する。一方、各ブースタ配管10のブースタ流量制御弁12を調整して、各粉体搬送配管8の気体流量を所定値に保持できるように制御する。
【0031】
これらの作業が終了した後、各開閉弁17を全開にすると、圧送タンク2からラッパ管20を介して各粉体搬送配管8へと微粉炭が流れ込み、圧送が開始される。この段階で、図3に例示した従来装置を用いていた時期には、圧送の開始から数秒〜数分の間に下向きノズル7のいずれかにおいて吹き抜けが起こり、この吹き抜けが起こった下向きノズル7からの流出量に大きな脈動が生じて、高炉の各羽口への微粉炭送給量に差を生じ高炉円周方向の温度分布に偏差を生じることがあった。これに対し、本実施例では、本発明のベストモードとして、下向きノズル7をラッパ管20とし、さらに、α、Dおよびhを好適範囲に設定し、加えて、上部エアレーション用ノズル21からの気体吹き込みを行うようにしたから、いずれのラッパ管20においても吹き抜けは起こらなくなった。なお、従来装置でのエアレーション用気体供給量を 100としたとき、本発明装置ではエアレーションチャンバ用気体供給量が65、上部エアレーション用ノズル用気体供給量が35になる配分とすることで粉体の安定搬送が可能であった。
【0032】
【発明の効果】
かくして、本発明によれば、吹き抜けを有効に防止することができ、従来に増して安定した粉体圧送が可能となるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の1例を示す模式図である。
【図2】ラッパ管のテーパ角度α、同管先端開口の口径Dおよび該先端開口中心と多孔板との最短距離hの定義説明図である。
【図3】粉体圧送装置の従来例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 粉体(微粉炭)
2 圧送タンク
3 エアレーション配管
3a 上部エアレーション用配管
4 エアレーションチャンバ
5 多孔板
6 タンク加圧配管
7 下向きノズル
8 粉体搬送配管
9 粉体供給配管
10 ブースタ配管
12 ブースタ流量制御弁
13 開閉弁
14 安全弁
15 ガス抜きパイプ
16 開閉弁(流量制御弁)
16a 開閉弁(流量制御弁)
17 開閉弁
18 タンク圧制御弁
20 ラッパ管
21 上部エアレーション用ノズル
21a 上部エアレーション用ノズル
Claims (5)
- 圧送されるべき粉体が装入される圧送タンクと、該圧送タンクの底部に配設された、エアレーション配管を介して吹き込まれる気体により粉体を流動化するエアレーションチャンバとを有し、該エアレーションチャンバすなわち下部エアレーションチャンバで形成された粉流体を圧送するようにした粉体圧送装置であって、前記エアレーションチャンバの吹き込み気体と粉体との接触面に配設された、多数の微細孔が形成された多孔板と、前記圧送タンク内を所定圧に加圧するための、前記エアレーション配管と独立したタンク加圧配管と、前記エアレーションチャンバで形成された粉流体を、複数の下向きノズルを介して前記エアレーションチャンバ上方へ取り出す粉体搬送配管を備えたものにおいて、前記多孔板上面より離間させて前記下向きノズルを設け、前記下向きノズルを先広がりのテーパ角度が10〜30°である下向きのラッパ管とすると共に前記多孔板と前記下向きのラッパ管開口部の下端とを平行に配置し、さらに前記下向きのラッパ管下端より離れた上方の位置に粉体を流動化する上部エアレーション用ノズルを設けたことを特徴とする粉体圧送装置。
- 前記下向きのラッパ管の先端開口の口径Dが、該先端開口の中心と前記多孔板との最短距離hに対し、次の(式1)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の粉体圧送装置。
(式1) |D−h|/D≦0.20 - 前記下向きのラッパ管を前記圧送タンクの中心軸に同心な同一円周上に等間隔で複数個配設すると共に、前記下向きのラッパ管の相互隣接管間に前記上部エアレーション用ノズルを配設したことを特徴とする請求項1または2に記載の粉体圧送装置。
- 前記多孔板を配設される前記下部エアレーションチャンバの吹き込み気体と粉体との接触面の一部が、前記圧送タンクの中心軸に同心な上細円錐台の周面をなすことを特徴とする請求項3に記載の粉体圧送装置。
- 前記下部エアレーションチャンバへの吹き込み気体と前記上部エアレーション用ノズルへの吹き込み気体とを共通のエアレーション配管で供給し、前記エアレーションチャンバへの吹き込み気体と前記上部エアレーション用ノズルへの吹き込み気体の供給流量を制御する流量制御弁を設け同一圧力で気体供給を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の粉体圧送装置。
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