JP4244554B2 - 生産ラインマップ作成システム、生産ラインマップ作成方法および生産ラインマップ作成プログラム - Google Patents

生産ラインマップ作成システム、生産ラインマップ作成方法および生産ラインマップ作成プログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生産ラインマップ作成システム、生産ラインマップ作成方法および生産ラインマップ作成プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
生産工程を製品が流れるときに、その生産工程に製品が投入され、付加価値をつけられてその生産工程を終了するまでの所要時間を求め、ラインの必要長さを求めることは、作業順序分析、作業分析等に基づいて行うことができる。上記の製品投入から工程終了までの所要時間は、その生産工程のリードタイムと一般的に呼ばれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、生産工程の所要時間やライン長を求めることは、その生産工程を構成する装置の稼働率、作業者の習熟度、工程の作業内容、素材および作業等による歩留まりの内容等、その生産工程固有の諸因子を正確に把握することが必要である。したがって、生産工程の所要時間やライン長を求めることは、固有の知識、ノウハウを要し、手作業で算出する部分が多いため多大の労力と時間を要し、ごく限られた一部の生産工程で上述の諸因子を固定し単純化して用いられていたに過ぎなかった。
【0004】
一方で、例えば車両の生産ラインのように大規模な生産ラインにおいては、素材から生産工程を経て最終的な顧客に製品が引き渡されるまでのいわゆるサプライチェーン全体について、投入から引渡しまでどれくらいの時間がかかるのか、また、ラインとしてどの程度の長さになるのかを知りたい。そこで、素材投入から引渡しまでの生産ライン全体の時間マップ、レイアウト長さマップである、生産ラインマップの作成が要求される。
【0005】
図1に、車両の生産につき、「素材」から「お客様」までのサプライチェーン全体の模式図を示す。このように、車両の生産全体について「素材」から「お客様」に至る過程をひとつの模式図で示すときでも、ボデー工程、塗装工程、組立工程等の複数の工程があり、これらの工程をさらに詳しく見ると下位の工程に分かれ、その下位の工程をさらに詳しく見るとさらに下位の工程に細分される。図2は、このような階層構造の一例として、組立工程をさらに詳しく見た図である。この図に示すように、組立工程はトリム、シャシー、ファイナルの工程に分かれ、トリム工程はさらにドア外し(トリム1)、天井(トリム2)、インパネ(トリム3)の工程ブロックに区分でき、ドア外し(トリム1)は、複数のステーションからなる。このように、大規模生産ラインにおいては、生産工程が何層もの階層構造にわかれ、それぞれが有機的に組み合わされ、接続されている。したがって、生産ライン全体の生産ラインマップを作成するには、各階層毎のマップ、たとえば複数のステーションからなる各工程ブロックのマップを作成する必要がある。
【0006】
従来技術の生産工程の所要時間やライン長を求めることは、せいぜい数ステーションの単位の、ごく短い所要時間、ライン長の工程レベルで断片的に手作業で行われていたに過ぎない。したがって、従来技術を用いて、工程ブロック単位の所要時間やライン長を求めて工程ブロックマップを作成し、それをもとに生産ライン全体の所要時間やライン長を得ることができる生産ラインマップを作成するには、以下に述べる諸問題があった。
【0007】
まず、従来技術で行われている短い工程レベルの所要時間、ライン長を求める方法をそのまま用いて、大規模生産ライン全体にわたる所要時間、ライン長を得ることができる生産ラインマップを作成することは、多大の労力と時間を要し、事実上不可能に近い。また、大規模生産ライン全体の所要時間やライン長を改善しようとするとき、従来技術では、個々の工程ブロックごとに最適な所要時間やライン長の改善が図られる事が多く、大規模生産ライン全体での最適化検討が困難である。さらに、個々の工程ブロックごとに最適な所要時間やライン長の改善を行っても、各工程ブロックを接続する接続ポイントで、製品を供給するタイミングや、供給スピード、タクトタイム等の不整合が起こりやすく、その調整が必要になる。このように、従来技術では、大規模生産ライン全体にわたる生産ラインマップ作成が困難で、生産ライン全体として整合の取れた最適な所要時間やライン長の改善を行うことができなかった。
【0008】
また、実際の生産ラインでは、毎日の製品の生産数量や、生産する製品の品種、例えば車種の比率が生産計画に従って変化する。また、製品の歩留まりや、生産ラインの稼働率、生産ラインの保全点検をする周期である保全周期時間が工程ブロック毎に異なり、さらに流す製品の品種ごとに異なる。また、これら歩留まり稼働率、保全周期時間の実際の値は、短期的にも長期的にも変動する。それに伴い、製品一台が各ステーションを通過する時間であるタクトタイムを補正して生産量を維持する必要がある。しかし、タクトタイムを含む所要時間算出のための諸因子を固定的なものとしていた従来技術では、これらの変化に柔軟に対応できず、生産計画の変化に対応した所要時間やライン長の改善が図れなかった。
【0009】
また、大規模生産ラインにおいては、製品に加工や組付けを行う実作業ステーションのほかにさまざまなステーションが配置される。例えば、各工程ブロックの接続ポイント前後に、生産指示内容変更に対応するため、通常は実作業を行わず製品をパスするのみのパスステーションを余裕として持ち、また、次工程との供給スピードの違い、および突発ライン停止等を吸収するためのバッファステーションが配置される。さらに、各工程ブロック間を搬送する目的の搬送ステーション、製品をコンベヤ等に搭載して搬送するためのキャリアをコンベヤラインの最後の場所から最初の場所に返送する返送ステーション等が大規模生産ラインに設けられる。大規模生産ライン全体の所要時間やライン長は、これらさまざまな性格のステーションの所要時間やライン長についても整合が必要であるが、従来技術では、実作業ステーションを中心にその所要時間やライン長を求めていたので、これらさまざまなステーションを含む生産ライン全体の所要時間やライン長について整合を図ることができなかった。
【0010】
さらに、上述の生産指示、稼働率、歩留まりの変化に対応して、各工程ブロックが、その工程ブロック内でタクトタイム等の変更を行うとき、あるいは、新しく工程ブロックの所要時間を算出しそれに基づいて工程ブロック内のステーション数等の設定を行うときにも問題がある。すなわち、従来技術では、算出された所要時間、ライン長に基づいて工程ブロックの設計を行うとき、生産ライン全体としての整合の照合を行う手段を有していない。したがって、次の工程ブロックとの間で不整合が起こることを事前に確認することが困難で、問題発生に至り初めて不整合が明らかになることが多かった。
【0011】
本発明の目的は、かかる従来技術の課題を解決し、大規模生産ライン全体にわたって所要時間およびライン長を得ることができる生産ラインマップの作成システムを提供することである。また、生産計画の変化、歩留まりと稼働率の変動に柔軟に対応できる生産ラインマップの作成を可能にすることである。また、実作業ステーション以外のステーションを含めた生産ラインマップの作成を可能にすることである。さらに作成する生産ラインマップにつき、生産ライン全体との整合性の照合を可能にすることである。以下に述べる課題の解決手段は、上記目的の少なくとも一つを達成するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明にかかる生産ラインマップ作成システムは、所定の工程ブロックリードタイムを持つ複数の工程ブロックを含む生産ラインの生産ラインマップをコンピュータを用いて作成する生産ラインマップ作成システムであって、コンピュータは、製品の要求生産数量で生産ラインの稼働時間を除して、生産ラインの要求タクトタイムを算出する要求タクトタイム算出手段と、各工程ブロックについて、歩留まりと稼働率の標準的値と、それらの変動に対する要求タクトタイムの補正係数とを記憶する記憶装置と、記憶装置に記憶されるデータに基いて、各工程ブロック毎に、要求タクトタイムまたは工程ブロックリードタイムの少なくともいずれか1を、歩留まりと稼働率で補正する補正手段と、要求タクトタイムで製品1台が順次通過するステーションを単位ユニットとして複数のステーションを予め定められた作業手順に従って順次配列して各工程ブロックを構成するときに、各工程ブロック毎に、補正手段により得られた要求タクトタイムで補正手段により得られた工程ブロックリードタイムを除し、その値を、各工程ブロックを構成するステーション数として算出するステーション数算出手段と、工程ブロックごとに予め任意に設定された準備ステーション総数について、算出された各工程ごとの算出ステーション数を実作業ステーション数として割り当て、各工程ごとに対応する準備ステーション総数から実作業ステーションを差し引いてあまった余裕ステーション数を単に製品が通過する作業を行うパスステーションとして割り当てる割当手段と、算出された数の各実作業ステーションを単位ユニットとして、各工程ブロック内の作業を予め定められた作業手順に従って配列し、その前後にパスステーションを配置して各工程ブロックの準備ステーション総数についてのステーションの種類とその数の配置を行う手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る生産ラインマップ作成システムにおいて、特定の工程ブロックについて要求タクトタイムが補正されるときに、補正前の要求タクトタイムと補正後の要求タクトタイムとの差に起因する実作業ステーション数の差と同数のバッファステーションを、当該工程ブロックとその後続の工程ブロックとの間に配置してステーションの種類とその数の配置を行う手段を備えることが好ましい。
【0013】
また、本発明にかかる生産ラインマップ作成システムにおいて、各ステーションを単位ユニットとして配列する際に、各ステーションを時間で表示することが好ましい。
【0014】
また、本発明にかかる生産ラインマップ作成システムにおいて、各ステーションを単位ユニットとして配列する際に、各ステーションをライン長さで表示することが好ましい。
【0016】
また、本発明にかかる生産ラインマップ作成システムにおいて、さらに、生産ライン全体の整合性を満たすものとして設定される生産ラインマップの作成基準を保持する作成基準保持手段と、作成された生産ラインマップと作成基準とを照合する照合手段と、を備え、作成された生産ラインマップが作成基準を満たしていないときはアラームを出力することが好ましい。
【0017】
また、本発明にかかる生産ラインマップ作成方法は、所定の工程ブロックリードタイムを持つ複数の工程ブロックを含む生産ラインの生産ラインマップをコンピュータを用いて作成する生産ラインマップ作成方法であって、製品の要求生産数量で生産ラインの稼働時間を除して、生産ラインの要求タクトタイムを算出する要求タクトタイム算出工程と、各工程ブロックについて、歩留まりと稼働率の標準的値と、それらの変動に対する要求タクトタイムの補正係数とを記憶装置から読み出して、各工程ブロック毎に、要求タクトタイムまたは工程ブロックリードタイムの少なくともいずれか1を、歩留まりと稼働率で補正する補正工程と、要求タクトタイムで製品1台が順次通過するステーションを単位ユニットとして複数のステーションを予め定められた作業手順に従って順次配列して各工程ブロックを構成するときに、各工程ブロック毎に補正工程により得られた要求タクトタイムで補正工程により得られた工程ブロックリードタイムを除し、その値を、各工程ブロックを構成するステーション数として算出するステーション数算出工程と、工程ブロックごとに予め任意に設定された準備ステーション総数について、算出された各工程ごとの算出ステーション数を実作業ステーション数として割り当て、各工程ごとに対応する準備ステーション総数から実作業ステーションを差し引いてあまった余裕ステーション数を単に製品が通過する作業を行うパスステーションとして割り当てる割当工程と、算出された数の各実作業ステーションを単位ユニットとして、各工程ブロック内の作業を予め定められた作業手順に従って配列し、その前後にパスステーションを配置して各工程ブロックの準備ステーション総数についてのステーションの種類とその数の配置を行う工程と、を備えることを特徴とする。
【0018】
また、本発明にかかる生産ラインマップ作成方法において、さらに、作成された生産ラインマップと、生産ライン全体の整合性を満たすものとして設定される生産ラインマップの作成基準とを照合する照合工程と、を備え、作成された生産ラインマップが作成基準を満たしていないときはアラームを出力することが好ましい。
【0019】
また、本発明にかかる生産ラインマップ作成プログラムは、所定の工程ブロックリードタイムを持つ複数の工程ブロックを含む生産ラインの生産ラインマップを作成する生産ラインマップ作成プログラムであって、コンピュータに、製品の要求生産数量で生産ラインの稼働時間を除して、生産ラインの要求タクトタイムを算出する要求タクトタイム算出処理手順と、各工程ブロックについて、歩留まりと稼働率の標準的値と、それらの変動に対する要求タクトタイムの補正係数とを記憶装置から読み出して、各工程ブロック毎に、要求タクトタイムまたは工程ブロックリードタイムの少なくともいずれか1を、歩留まりと稼働率で補正する補正処理手順と、要求タクトタイムで製品1台が順次通過するステーションを単位ユニットとして複数のステーションを予め定められた作業手順に従って順次配列して各工程ブロックを構成するときに、各工程ブロック毎に、補正処理手順により得られた要求タクトタイムで補正処理手順により得られた工程ブロックリードタイムを除し、その値を、各工程ブロックを構成するステーション数として算出するステーション数算出処理手順と、工程ブロックごとに予め任意に設定された準備ステーション総数について、算出された各工程ごとの算出ステーション数を実作業ステーション数として割り当て、各工程ごとに対応する準備ステーション総数から実作業ステーションを差し引いてあまった余裕ステーション数を単に製品が通過する作業を行うパスステーションとして割り当てる割当処理手順と、算出された数の各実作業ステーションを単位ユニットとして、各工程ブロック内の作業を予め定められた作業手順に従って配列し、その前後にパスステーションを配置して各工程ブロックの準備ステーション総数についてのステーションの種類とその数の配置を行う処理手順と、を実行させることを特徴とする。
【0020】
また、本発明にかかる生産ラインマップ作成プログラムにおいて、さらに、作成された生産ラインマップと、生産ライン全体の整合性を満たすものとして設定される生産ラインマップの作成基準とを照合する照合処理手順と、を実行させ、作成された生産ラインマップが作成基準を満たしていないときはアラームを出力処理することが好ましい。
【0021】
本発明にかかる生産ラインマップ作成システムは、まず、製品の要求生産数量で生産ラインの稼働時間を除して、生産ラインの要求タクトタイムを算出する。つぎに、各工程ブロック毎に、要求タクトタイムまたは工程ブロックリードタイムの少なくともいずれかを、歩留まりと稼働率で補正し、この補正手段により得られた要求タクトタイムで工程ブロックリードタイムを除し、その値を各工程ブロックのステーション数として算出する。そして、工程ブロックごとに予め任意に設定された準備ステーション総数について、算出された各工程ごとの算出ステーション数を実作業ステーション数として割り当て、各工程ごとに対応する準備ステーション総数から実作業ステーションを差し引いてあまった余裕ステーション数を単に製品が通過する作業を行うパスステーションとして割り当て、各工程ブロックの準備ステーション総数についてのステーションの種類とその数の配置を行う。したがって、大規模生産ライン全体にわたって所要時間およびライン長を得ることができる生産ラインマップの作成システムを提供できる。また、生産計画の変化、歩留まりと稼働率の変動に柔軟に対応できる生産ラインマップの作成を可能にする。
【0022】
また、本発明に係る生産ラインマップ作成システムにおいて、前記ステーションを時間で表示する。このことで、生産ラインマップが時間軸に沿って表示されるので、大規模生産ライン全体の所要時間である生産ラインリードタイムを得ることができる生産ラインマップを作成できる。また、本発明に係る生産ラインマップ作成システムにおいて、前記ステーションをライン長さで表示する。したがって、生産ラインマップが距離軸に沿って表示されるので、大規模生産ライン全体のライン長を得ることができる生産ラインマップを作成できる。
【0023】
また、本発明にかかる生産ラインマップ作成システムにおいて、前記ステーションは、作業ステーション、パスステーション、バッファステーション、搬送ステーション、返送ステーションの少なくともいずれか一つを含む。したがって、加工、組付け等の実作業ステーション以外のステーションを含めた生産ラインマップを作成できる。
【0024】
また、本発明にかかる生産ラインマップ作成システムにおいて、さらに、生産ラインマップの作成基準を保持して、作成された生産ラインマップと、前記作成基準とを照合し、作成された生産ラインマップが前記作成基準を満たしていないときはアラームを出力する。したがって、生産ライン全体の整合性を満たす作成基準により、作成する生産ラインマップにつき、生産ライン全体との整合性の照合が可能になる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用い、本発明にかかる実施の形態につき詳細に説明する。なお、例示として車両の大規模生産ラインについての生産ラインマップを用いるが、車両以外の製品についても適用できる。
【0026】
最初に、本発明により得られる、大規模生産ライン全体の生産ラインマップの例を図3の概念図で説明する。図3は、車両の大規模生産ラインについての生産ラインマップの一部を示すもので、図中の黒丸、白丸、白三角、黒三角、白四角は、それぞれステーションを表し、複数のステーションからなる第一の工程ブロック11、第二の工程ブロック13、第三の工程ブロック15、第四の工程ブロック17、第五の工程ブロック19、返送工程ブロック21等が相互に接続された集合として、大規模生産ラインの一部を構成する。これらの工程ブロックが、時間軸に沿って配列されている。
【0027】
図3中の黒丸、白丸、白三角、黒三角、白四角は、各種のステーションを表すが、ここでステーションとは、各工程ブロック内の作業を作業手順に従って配列するときの単位ユニットであって、各工程ブロックのステーション数は、後に詳述するように、要求タクトタイムで工程ブロックリードタイムを除して得ることができる。ここで作業とは、製品に対する加工、組付けのみならず、製品を単にパスさせること、待機させること、搬送することおよび製品のキャリアを返送すること等、生産ラインが必要とする一切の作業を含む。
【0028】
各工程ブロックが時間軸に沿って配列される生産ラインマップである図3において、それぞれのステーションは時間で表示される。黒丸は、製品に加工や組付けを行う実作業ステーションを表し、例えば機械加工作業を行うステーションとは、個々の加工(所要時間)であり、所定の機械加工設備が配置される。また、組付作業を行うステーションとは、車両一台についての所定の組付(所要時間)をいい、車両一台に必要な作業ゾーンが仕切り線等で表示され、作業者が組付作業を行ったり、ネジ締め機、注油機等必要な設備が配置される。白丸は、通常は実作業を行わず製品を単にパスさせるためのパスステーションで、各工程ブロックの接続ポイント前後に、次の工程への一時待機、または、前工程からの引き取りのために余裕分として設けられる。また、白三角は、次工程との供給スピードの違い、および突発ライン停止等を吸収するため、製品を待機させるためのバッファステーションを示し、黒三角は、各工程ブロックの間を接続して、製品を搬送する目的の搬送ステーションを示す。白四角は、製品をコンベヤ等に搭載するためのキャリアを、コンベヤラインの最後の場所から最初の場所に返送する返送ステーションを表す。
【0029】
図3に示される生産ラインマップがあらわす工程ブロック間の関係を簡単に説明する。この図では、第一の工程ブロック11における最後のステーションにおいて、第二の工程ブロック13における先頭のステーションと、第三の工程ブロック15における先頭のステーションとに分岐接続する。また、第二の工程ブロック13における最後のステーションにおいて、第四の工程ブロック17が合流し、後続の第五の工程ブロック19と接続する。そして、第三の工程ブロック15における最後のステーションと、第五の工程ブロック19における最後のステーションとが再び合流接続される。さらに第三の工程ブロック15における最後のステーションと、先頭のステーションの間に返送工程ブロック21が設けられる。
【0030】
したがって、この生産ラインマップは、例えば車種に共通の加工、組付け等を第一の工程ブロック11で行い、第一の工程ブロック11における最後のステーションで、車種により第二の工程ブロック13以下の作業工程を行うか、第三の工程ブロック15の作業工程を行うか振り分け、それぞれの作業工程の後再び合流させる場合の各工程ブロック間の関係を示している。また、ドア組付ラインのように、車両と一体になったドアを一旦取り外し、別のラインでドアの組付作業を行い、再び車両へドアを取り付けるような、主要工程とサブ工程との関係を示している。
【0031】
そして、図3に示す生産ラインマップは、複数のステーションからなる各工程ブロックを時間軸上に配置してあるので、各工程ブロックの工程開始時刻等が直ちにわかる。例えば時間軸を車両の組立が完了した時点を時刻原点として、第一の工程ブロック11は、組立完了前五時間前に開始し、組立完了前四時間前に終了する。そして第二の工程ブロック13か第三の工程ブロック15かに振り分け、組立完了前二時間前に再び合流し、後続の工程ブロックに進むことが一目で理解できる。すなわち、本発明により得られる生産ラインマップによれば、さまざまな種類のステーションを含む工程ブロックを車両の工程順に配列することで、大規模生産ライン全体にわたる所要時間である生産ラインリードタイムを得ることができる。
【0032】
図4は、生産ラインマップ作成システム31のブロック図である。生産ラインマップ作成システム31は、コンピュータ、データベースを備えたサーバ、端末がネットワーク33で相互に接続されたシステムである。ネットワーク33には、生産ラインマップを作図し、作成基準との照合を行う生産ラインマップ作成コンピュータ35、生産計画データベースを備える生産計画サーバ37、生産ラインの構造を記述するレイアウト階層データベースを備えるレイアウト階層データサーバ39、各工程ブロックの工程ブロックリードタイム算出に必要な設備の作業時間、歩留まり、稼働率等のデータを収納するリードタイムデータベースを備えるリードタイムデータサーバ41が相互に接続され、さらに、生産ラインの工場に設けられる工場端末45、各工程ブロックに設けられる工程ブロック端末47とも相互に接続される。生産ラインマップ作成コンピュータ35は、各種のデータベースを備えるサーバとの機能の全部または一部を兼ねてもよい。
【0033】
生産ラインマップ作成コンピュータ35は、CPU51と、通信制御部53、入力部55、出力部57、記憶装置59を備え、これらは相互に内部バスで接続される。通信制御部53は、ネットワーク33を介し、外部の生産計画サーバ37等と接続される。記憶装置59は、歩留まり、稼働率の変動に対する補正テーブル、生産ラインマップの作成基準を収納する。
【0034】
CPU51は、製品の要求生産数量で生産ラインの稼働時間を除して、生産ラインの要求タクトタイムを算出する要求タクトタイム算出部71と、各工程ブロックの工程ブロックリードタイムを算出する工程ブロックリードタイム取得部73と、要求タクトタイムまたは工程ブロックリードタイムの少なくともいずれかを歩留まりと稼働率で補正する補正部75と、補正により得られた値を用いて要求タクトタイムで工程ブロックリードタイムを除して各工程ブロックのステーション数を算出するステーション数算出部77とを備える。
【0035】
そしてステーションを単位ユニットとして、各工程ブロック内の作業を作業手順に従って配列する工程ブロックマップ作成部79および各工程ブロックマップを工程順に配列する生産ラインマップ作成部81を備える。そして、全ての各工程ブロックを配列して作成された、生産ラインマップは、作成基準照合部83において、作成基準との間の整合が照合され、整合しないときはアラームが出力される。
【0036】
工場端末45、工程ブロック端末47は、ネットワーク33を介して生産ラインマップ作成コンピュータ35から生産ラインマップを受取るほか、直接生産ライン作成コンピュータ35と交信して、生産ラインマップを修正し、その修正が作成基準と整合するか照合をしてもよい。
【0037】
上述の構成の作用につき、フローチャートを用いて説明する。図5は、生産ラインマップを作成し、作成基準と整合の照合を行うフローチャートである。なお、S19の作成基準照合工程については後にさらに詳しい内部フローチャートを用いて説明する。
【0038】
図5のS1は、生産計画データ取得工程で、生産ラインマップ作成コンピュータ35のCPU51が、通信制御部53、ネットワーク33を介し、生産計画サーバ37の備える生産計画データベースから、生産計画データを取得する工程である。生産計画データ取得は、入力部55から直接入力により取得してもよい。生産計画データには、生産ラインに流す車両の種類比率、生産量、稼働時間等のデータが含まれる。図6に、生産計画データの内容例を示す。この生産計画データを取得することで、例えば今日の生産が、A車両70%、B車両30%の比率で、合計1200台、20時間の稼働時間で計画されていることが取得できる。
【0039】
S3は、要求タクトタイム算出工程で、要求タクトタイム算出部71が、車両の要求生産数量で生産ラインの稼働時間を除し、生産ラインの各ステーションを車両一台が順次進行する時間であるタクトタイムの理論値である、要求タクトタイムを算出する。先ほどの1200台の生産数量、稼働時間20時間の例では、要求タクトタイムは、(20*60)分/1200台=1分/台と算出される。
【0040】
S5からS17までの工程は、生産ラインを構成する工程ブロックの各々につき工程ブロックマップを作成し、工程順に従って配列し、生産ライン全体の配列が完了するまで繰り返す工程である。
【0041】
まず、S5は、工程ブロック選択工程で、入力部55より、工程ブロックマップを作成しようとする工程ブロックを入力する工程である。実際には、通信制御部53、ネットワーク33を介し、レイアウト階層データサーバ39の備えるレイアウト階層データベースより、生産ラインの構造を記述したレイアウト階層データを呼び出し、生産ラインの階層にしたがって、上位の階層から下位の階層に選択を繰り返して、対象とする工程ブロックを選択する。
【0042】
図7は、レイアウト階層データの一例で、最上位の第一階層データ91は、原材料、自社内工程、流通の三分類のデータに区分されている。今、#2の自社内工程を選択すると、次の第二階層データ93では、原材料の受け入れから始まってプレス、ボデー等の工程を経て、完成車両の受け渡し間での工程に区分されたデータが表示される。ここで#25の組立を選択すると、さらに下位の第三階層データ95において、トリム1からインスペクションにいたる、組立における下位の工程ブロックのデータが検索できる。ここで、工程ブロックマップを作成する対象として、トリム1を選択することで、工程ブロック選択がなされたことになる。
【0043】
S7は、工程ブロックリードタイム取得工程で、工程ブロックリードタイム取得部73が、各工程ブロックについて、各工程ブロックを構成する設備の作業時間を積算した工程ブロックリードタイムを取得する。工程ブロックリードタイムとは、ここでは製品の歩留まり、設備の稼働率、設備の保全周期時間等の補正を行う前の、各工程ブロックが所定の作業を行うのに必要な時間をいう。したがって、工程ブロックリードタイムを積算するのに必要なデータは、各工程ブロックについて所定の作業の内容、所定の作業を行うのに必要な設備のリスト、それらの設備の必要作業時間である。
【0044】
これらのデータは、次のようにして取得できる。まず、S7の工程ブロック選択工程において、レイアウト階層データの第三階層データで、工程ブロックをクリック等で選択すると、その選択された工程ブロックについて所定の作業の内容、所定の作業を行うのに必要な設備のリストが表示される。例えばトリム1をクリック等で選択すると、トリム1の作業内容がドア外しであること、その作業コンベヤ名や、そこで用いるネジ締め機等の設備名が出力部57に表示される。そして、その設備の作業時間に付いては、通信制御部53、ネットワーク33を介し、リードタイムデータサーバ41の備えるリードタイムデータベースの中の設備・作業時間データから取得できる。図8に、設備・作業時間データの内容例を示す。例えばトリム1については、ドア外し作業に関する必要作業時間の算出に用いるデータが記述され、これらのデータから、トリム1の必要作業時間である工程ブロックリードタイムが15分と取得される。
【0045】
S9は、補正工程で、補正部75が、次のS11のステーション数算出に際し、各工程ブロックの歩留まり、稼働率、保全周期時間の補正を加味するために、各工程ブロック毎に、要求タクトタイムまたは工程ブロックリードタイムの少なくともいずれかを、歩留まりと稼働率で補正する工程である。ステーション数は、要求タクトタイムで工程ブロックリードタイムを除して得られるので、例えば歩留まりが93%のときは、工程ブロックリードタイムをそのままにして要求タクトタイムを0.93掛けして補正しても良く、あるいは要求タクトタイムをそのままにして、工程ブロックリードタイムを(1/0.93)倍して補正してもよい。先ほどの例で、要求タクトタイムが1分、トリム1の工程ブロックリードタイムが15分の場合は、要求タクトタイムを0.93分に補正するか、工程ブロックリードタイムを16.13分に補正してもよい。
【0046】
補正に必要な各工程ブロックの歩留まり、稼働率、保全周期時間のデータは、リードタイムデータサーバ41の備えるリードタイムデータベースの中の設備・操業度データに記述される、各工程ブロックの歩留まり、稼働率、保全周期時間の標準値から取得できる。図9に、設備・操業度データの内容の一例を示す。
【0047】
ところで、設備・操業度データに記述される各工程ブロックの歩留まり、稼働率、保全周期時間のデータは、標準値である。しかし、これら歩留まり、稼働率、保全周期時間の実際の値は、車種、ラインの状況により短期的にも長期的にも変動するので、この変動に対しても、補正を加える必要がある。この歩留まり、稼働率、保全周期時間等の標準値からの変動に対する補正は、標準値の修正を行い、要求タクトタイムまたは工程ブロックリードタイムの少なくともいずれかを再度補正することで行うことができる。例えば、標準的な歩留まり、稼働率、保全周期時間に関する補正を工程ブロックリードタイムの補正で行い、標準値からの変動についての補正を要求タクトタイムの補正で行ってもよい。
【0048】
この場合、歩留まり、稼働率、保全周期時間の標準値からの変動に対し、要求タクトタイムの補正係数をあらかじめ補正テーブルにしておくことで、補正を容易に行うことができる。補正テーブルは、記憶装置59に記憶し、それを読み出して取得することができる。図10に、歩留まり、稼働率、保全周期時間の標準値からの変動と、そのときの生産計画を確保するために必要な要求タクトタイムの補正係数との関係の補正テーブルの一例を示す。
【0049】
S11は、ステーション数算出工程で、ステーション数算出部77が、S9の補正により得られた要求タクトタイムでその補正により得られた工程ブロックリードタイムを除し、その値を各工程ブロックのステーション数として算出する工程である。補正には、標準値を用いた歩留まり、稼働率、保全周期時間の補正のほか、標準値からの歩留まり、稼働率、保全周期時間の変動に対する補正も含まれる。例えば、補正後において、トリム1工程ブロックの工程ブロックリードタイムが20分で、要求タクトタイムが0.8分のときは、ステーション数は、20/0.8=25と算出される。
【0050】
算出されたステーション数で各工程ブロックを構成するステーションは、図11に示すように、その工程ブロックの性格により、実作業ステーション、パスステーション、バッファステーション、搬送ステーション、返送ステーションのさまざまな種類のステーションからなる。したがって、各工程ブロックを構成するステーションの内容については、これらさまざまな種類のステーションにつき、その工程ブロックの性格に応じて、それぞれ所要数を算出して、全体を構成する必要がある。
【0051】
実作業ステーション数は、上述のように補正後の要求タクトタイムで補正後の工程ブロックリードタイムを除して算出できる。例えばトリム1工程ブロックにおいて、補正前の要求タクトタイムを1分、工程ブロックリードタイム15分として、歩留まり、稼働率、保全周期時間の標準値に対する補正を工程ブロックリードタイムで行うとする。いま、標準歩留まりの補正を1/1.08、標準稼働率の補正を1/1.25のとき、補正後の工程ブロックリードタイムが20分と算出される。要求タクトタイムは1分なので、標準の生産では、ステーション数は20である。ところで、工場全体の生産計画が変更になり、要求タクトタイムが0.9分に変更されると、ステーション数は22に変更する必要がある。さらに、トリム1工程ブロックの操業度が変動し、基準値より歩留まりが1/1.05、稼働率が1/1.07に低下し、全体として操業度が0.9/0.8に低下したとすると、要求タクトタイムを0.8分に補正して、生産計画を確保せねばならない。このときのステーション数は25となる。
【0052】
このように、生産計画、歩留まり、稼働率、保全周期時間の変動があっても、工程ブロックのタクトタイムを柔軟に補正して、生産計画を確保できる。そのためにはステーション数を柔軟に変更できる必要があるので、例えばトリム1工程ブロックでは、あらかじめ全体で30の作業ステーションを準備し、実際に算出された実作業ステーションの所要数が25のときは、余裕の5ステーションをパスステーションとして、実作業ステーションの前後に配置する。パスステーションは、単に車両が通過する作業を行う余裕ステーションである。
【0053】
また、このように、特定の工程ブロックについて要求タクトタイムを補正すると、後続の工程ブロックとの間で、それぞれの工程ブロックが用いているタクトタイムの不整合が起こり、接続ポイントにおいて製品の供給が一時的に過剰になることがある。そのために、接続ポイントの前にバッファステーションを設ける。バッファステーションの数は、補正前の要求タクトタイムと補正後の要求タクトタイムとの差に起因する実作業ステーション数の差と同数にする。先ほどのトリム1工程ブロックの場合では、補正前の要求タクトタイムが0.9分、そのときの実作業ステーション数が22であり、補正後の要求タクトタイムが0.8分、そのときの実作業ステーション数は25であるから、25−22=3のバッファステーションを設ける。
【0054】
さらに、後続の工程ブロックとの間を搬送ステーションで接続する。搬送ステーションの数は、工程ブロック間の物理的距離間隔で定められる。近接する工程ブロック間は、一個の搬送ステーションが設けられる。長い距離のとき、例えば10個の搬送ステーションが設けられるときは、搬送ステーションの搬送リードタイムについては、定常時と非定常時で、搬送速度を変えて、非定常時の搬送時間を短縮する。非定常時とは、ラインが一時停止し、再開するとき等である。
【0055】
また、コンベヤ上に車両を保持して移動するキャリアが、一群の工程ブロックの間において共通で、他の群の工程ブロックにおけるキャリアと異なるときは、その一群の工程ブロックにおける最後のステーションから、先頭のステーションに向かって、キャリアを返送する返送ステーションが設けられる。返送ステーション数は、その一群の工程ブロック全体のステーション数と同一に取られる。
【0056】
S13は、工程ブロックマップ作成工程で、工程ブロックマップ作成部79が、ステーションを単位ユニットとして、各工程ブロック内の作業を作業手順に従って配列する工程である。図12は、かかる工程ブロックマップの例として、上述のトリム1工程ブロックの場合を示す。ここでは25の実作業ステーション101、その前後に、2個と3個のパスステーション103、実作業ステーションとパスステーションに続いて3個のバッファステーション105、1個の搬送ステーション107が設けられる。
【0057】
ステーションを単位ユニットとして配列する際、ステーションを時間で表示することができる。例えばステーション一個につきその工程ブロックにおける補正後の要求タクトタイムの0.8分を用いて時間に変換し、時間軸に沿い配置する。時間軸は、車両完成時を原点にとることができる。このようにしていわゆる工程ブロックマップを得ることができる。
【0058】
また、ステーションを単位ユニットとして配列する際、ステーションを長さで表示することができる。例えばステーション一個につきそのライン長である10メートルを用いて長さに変換し、距離軸に沿って配置する。距離軸は、工場建屋のレイアウトの寸法座標軸にとることができる。
【0059】
S15は、生産ラインマップ作成工程で、生産ラインマップ作成部81が、既に作成されている他の工程ブロックマップに、今回作成された工程ブロックマップを工程順に配列する工程である。工程順に各工程ブロックマップを配列するには、通信制御部53、ネットワーク33を介し、レイアウト階層データサーバ39の備えるレイアウト階層データベースから、各工程ブロック間の工程順および接続ポイントの関係を検索し、その結果に基づいて配列する。
【0060】
S17は、生産ラインを構成する工程ブロックの各々につき工程ブロックマップを作成し、工程順に従って配列し、生産ライン全体の配列が完了するまで繰り返すことをフローチャート上で示すための工程である。したがって、まだ配列されていない工程ブロックがあれば、S5の工程ブロック選択工程に戻り、工程ブロックマップを作成し工程順に配列する。全部の工程ブロックが工程順に配列されると、図3で一部を概念的に示した生産ライン全体についての生産ラインマップが出来上がる。
【0061】
出来上がった生産ラインマップは、ディスプレイ、プリンタ等の出力部57に出力することができる。また、通信制御部53、ネットワーク33を介し、工場端末45、工程ブロック端末47に伝送できる。さらに、S19の作成基準照合工程に進むことが好ましい。
【0062】
S19は、作成基準照合工程で、作成基準照合部83が、作成された生産ラインマップと生産ラインマップ作成基準とを照合する工程である。この生産ラインマップ作成基準は、生産ライン全体の整合性を満たすものとして設定することができる。またこの作成基準は、記憶装置59に収納することができる。
【0063】
図13は、作成基準照合工程のさらに詳しい内部フローチャートである。作成されたマップの照合は、工程順の整合(S31)、接続ポイントの整合(S33)、バッファステーションの整合(S35)、ライン間の搬送ステーションの整合(S37)、パスステーションの整合(S39)、実作業ステーションの整合(S41)、返送ステーションの整合(S43)の各々について行われる。そして整合していないときは、S45のアラーム工程で、アラームが出力される。
【0064】
アラームが出力されると、その出力状態に応じ、S7からS13に戻り、生産ラインマップを修正することができる。アラームが出力されないときは、生産ライン全体に整合がとられている生産ラインマップが完成する。完成した生産ラインマップは出力部57に出力することができる。また、通信制御部53、ネットワーク33を介し、工場端末45、工程ブロック端末47に伝送できる。
【0065】
【発明の効果】
本発明にかかる生産ラインマップ作成システム、生産ラインマップ作成方法および生産ラインマップ作成プログラムは、大規模生産ライン全体にわたって所要時間およびライン長を得ることができる生産ラインマップの作成システムを提供することである。また、生産計画の変化、歩留まりと稼働率の変動に柔軟に対応できる生産ラインマップの作成を可能にする。また、実作業ステーション以外のステーションを含めた生産ラインマップの作成を可能にする。さらに作成する生産ラインマップにつき、生産ライン全体の整合性の照合を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 車両の生産の、「素材」から「お客様」までのサプライチェーン全体の模式図である。
【図2】 図1の一部の組立工程をさらに詳しく見た図である。
【図3】 本発明にかかる実施の形態の、車両の大規模生産ラインについてのリードタイムマップの概念図である。
【図4】 本発明にかかる実施の形態の、生産ラインマップ作成システムのブロック図である
【図5】 本発明にかかる実施の形態の、生産ラインマップを作成し、作成基準と整合の照合を行うフローチャートである。
【図6】 本発明にかかる実施の形態における、生産計画データの内容例を示す図である。
【図7】 本発明にかかる実施の形態における、レイアウト階層データの一例を示す図である。
【図8】 本発明にかかる実施の形態における、設備・作業時間データの内容例を示す図である。
【図9】 本発明にかかる実施の形態における、設備・操業度データの内容の一例を示す図である。
【図10】 本発明にかかる実施の形態における、補正テーブルの一例を示す図である。
【図11】 本発明にかかる実施の形態における、各工程ブロックを構成するステーションの種類を示す図である。
【図12】 本発明にかかる実施の形態における、工程ブロックマップの例として、上述のトリム1工程ブロックの場合を示す図である。
【図13】 本発明にかかる実施の形態における、作成基準照合工程のさらに詳しい内部フローチャートである。
【符号の説明】
11,13,15,17,19 工程ブロック、21 返送工程ブロック、31 生産ラインマップ作成システム、33 ネットワーク、35 生産ラインマップ作成コンピュータ、37 生産計画サーバ、39 レイアウト階層データサーバ、41 リードタイムデータサーバ、45 工場端末、47 工程ブロック端末、51 CPU、53 通信制御部、55 入力部、57 出力部、59 記憶装置、71 要求タクトタイム算出部、73 工程ブロックリードタイム取得部、75 補正部、77 ステーション数算出部、79 工程ブロックマップ作成部、81 生産ラインマップ作成部、83 作成基準照合部、85 アラーム有無判断部、91 第一階層データ、93 第二階層データ、95 第三階層データ、101 実作業ステーション、103 パスステーション、105バッファステーション、107 搬送ステーション。

Claims (9)

  1. 所定の工程ブロックリードタイムを持つ複数の工程ブロックを含む生産ラインの生産ラインマップを、コンピュータを用いて作成する生産ラインマップ作成システムであって、
    コンピュータは、
    製品の要求生産数量で生産ラインの稼働時間を除して、生産ラインの要求タクトタイムを算出する要求タクトタイム算出手段と、
    各工程ブロックについて、歩留まりと稼働率の標準的値と、それらの変動に対する要求タクトタイムの補正係数とを記憶する記憶装置と、
    記憶装置に記憶されるデータに基いて、各工程ブロック毎に、要求タクトタイムまたは工程ブロックリードタイムの少なくともいずれか1を、歩留まりと稼働率で補正する補正手段と、
    要求タクトタイムで製品1台が順次通過するステーションを単位ユニットとして複数のステーションを予め定められた作業手順に従って順次配列して各工程ブロックを構成するときに、各工程ブロック毎に、補正手段により得られた要求タクトタイムで補正手段により得られた工程ブロックリードタイムを除し、その値を、各工程ブロックを構成するステーション数として算出するステーション数算出手段と、
    工程ブロックごとに予め任意に設定された準備ステーション総数について、算出された各工程ごとの算出ステーション数を実作業ステーション数として割り当て、各工程ごとに対応する準備ステーション総数から実作業ステーションを差し引いてあまった余裕ステーション数を単に製品が通過する作業を行うパスステーションとして割り当てる割当手段と、
    算出された数の各実作業ステーションを単位ユニットとして、各工程ブロック内の作業を予め定められた作業手順に従って配列し、その前後にパスステーションを配置して各工程ブロックの準備ステーション総数についてのステーションの種類とその数の配置を行う手段と、
    を備えることを特徴とする生産ラインマップ作成システム。
  2. 請求項1に記載の生産ラインマップ作成システムにおいて、
    特定の工程ブロックについて要求タクトタイムが補正されるときに、補正前の要求タクトタイムと補正後の要求タクトタイムとの差に起因する実作業ステーション数の差と同数のバッファステーションを、当該工程ブロックとその後続の工程ブロックとの間に配置してステーションの種類とその数の配置を行う手段を備えることを特徴とする生産ラインマップ作成システム。
  3. 請求項1に記載の生産ラインマップ作成システムにおいて、
    各ステーションを単位ユニットとして配列する際に、各ステーションを時間で表示することを特徴とする生産ラインマップ作成システム。
  4. 請求項1に記載の生産ラインマップ作成システムにおいて、
    各ステーションを単位ユニットとして配列する際に、各ステーションをライン長さで表示することを特徴とする生産ラインマップ作成システム。
  5. 請求項1から請求項4に記載の生産ラインマップ作成システムにおいて、
    さらに、
    生産ライン全体の整合性を満たすものとして設定される生産ラインマップの作成基準を保持する作成基準保持手段と、
    作成された生産ラインマップと作成基準とを照合する照合手段と、
    を備え、作成された生産ラインマップが作成基準を満たしていないときはアラームを出力することを特徴とする生産ラインマップ作成システム。
  6. 所定の工程ブロックリードタイムを持つ複数の工程ブロックを含む生産ラインの生産ラインマップを、コンピュータを用いて作成する生産ラインマップ作成方法であって、
    製品の要求生産数量で生産ラインの稼働時間を除して、生産ラインの要求タクトタイムを算出する要求タクトタイム算出工程と、
    各工程ブロックについて、歩留まりと稼働率の標準的値と、それらの変動に対する要求タクトタイムの補正係数とを記憶装置から読み出して、各工程ブロック毎に、要求タクトタイムまたは工程ブロックリードタイムの少なくともいずれか1を、歩留まりと稼働率で補正する補正工程と、
    要求タクトタイムで製品1台が順次通過するステーションを単位ユニットとして複数のステーションを予め定められた作業手順に従って順次配列して各工程ブロックを構成するときに、 各工程ブロック毎に、補正工程により得られた要求タクトタイムで補正工程により得られた工程ブロックリードタイムを除し、その値を、各工程ブロックを構成するステーション数として算出するステーション数算出工程と、
    工程ブロックごとに予め任意に設定された準備ステーション総数について、算出された各工程ごとの算出ステーション数を実作業ステーション数として割り当て、各工程ごとに対応する準備ステーション総数から実作業ステーションを差し引いてあまった余裕ステーション数を単に製品が通過する作業を行うパスステーションとして割り当てる割当工程と、
    算出された数の各実作業ステーションを単位ユニットとして、各工程ブロック内の作業を予め定められた作業手順に従って配列し、その前後にパスステーションを配置して各工程ブロックの準備ステーション総数についてのステーションの種類とその数の配置を行う工程と、
    を備えることを特徴とする生産ラインマップ作成方法。
  7. 請求項6に記載の生産ラインマップ作成方法において、
    さらに
    成された生産ラインマップと、生産ライン全体の整合性を満たすものとして設定される生産ラインマップの作成基準とを照合する照合工程と、
    を備え、作成された生産ラインマップが作成基準を満たしていないときはアラームを出力することを特徴とする生産ラインマップ作成方法。
  8. 所定の工程ブロックリードタイムを持つ複数の工程ブロックを含む生産ラインの生産ラインマップを作成する生産ラインマップ作成プログラムであって、
    コンピュータに、
    製品の要求生産数量で生産ラインの稼働時間を除して、生産ラインの要求タクトタイムを算出する要求タクトタイム算出処理手順と、
    各工程ブロックについて、歩留まりと稼働率の標準的値と、それらの変動に対する要求タクトタイムの補正係数とを記憶装置から読み出して、各工程ブロック毎に、要求タクトタイムまたは工程ブロックリードタイムの少なくともいずれか1を、歩留まりと稼働率で補正する補正処理手順と、
    要求タクトタイムで製品1台が順次通過するステーションを単位ユニットとして複数のステーションを予め定められた作業手順に従って順次配列して各工程ブロックを構成するときに、各工程ブロック毎に、補正処理手順により得られた要求タクトタイムで補正処理手順により得られた工程ブロックリードタイムを除し、その値を、各工程ブロックを構成するステーション数として算出するステーション数算出処理手順と、
    工程ブロックごとに予め任意に設定された準備ステーション総数について、算出された各工程ごとの算出ステーション数を実作業ステーション数として割り当て、各工程ごとに対応する準備ステーション総数から実作業ステーションを差し引いてあまった余裕ステーション数を単に製品が通過する作業を行うパスステーションとして割り当てる割当処理手順と、
    算出された数の各実作業ステーションを単位ユニットとして、各工程ブロック内の作業を予め定められた作業手順に従って配列し、その前後にパスステーションを配置して各工程ブロックの準備ステーション総数についてのステーションの種類とその数の配置を行う処理手順と、
    を実行させることを特徴とする生産ラインマップ作成プログラム。
  9. 請求項8に記載の生産ラインマップ作成プログラムにおいて、
    さらに
    成された生産ラインマップと、生産ライン全体の整合性を満たすものとして設定される生産ラインマップの作成基準とを照合する照合処理手順と、
    を実行させ、作成された生産ラインマップが作成基準を満たしていないときはアラームを出力処理することを特徴とする生産ラインマップ作成プログラム。
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