JP4244005B2 - 多レベル出力電力変換装置 - Google Patents
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Description
図13の3レベルインバータは、図14(a)〜(c)に示すようなパルスパターンの組み合わせにより、各相でP(+),C(0),N(−)の3つの電圧を出力する。なお、図14(a)〜(c)に示すパルスパターンによる動作モードは、その負荷電流の向きによりさらに図14(a1)〜(c2)の6つの動作モードに細分化される。
いま、図13に示す例えばスイッチQ2,Q3がオンで、この状態から図16(a)に示すようにスイッチQ3をオフし、次に図16(b)に示すようにスイッチQ1をオンさせた場合を考える。このような場合に、スイッチQ3が破壊していたとすると、直流電源EpはスイッチQ1→Q2→Q3(破壊)→CD2を通して短絡するため、図16(b)に太線で示すよう短絡電流Isが流れる。
破壊する可能性が発生する。したがって、従来はこのようなサージ電圧を抑制するために、スナバ回路の容量を大きくしたり、ゲート電圧を緩やかに下降させてサージ電圧を抑制する等の種々の対策がとられているが、素子の短絡耐量がないなどの場合には、可能な限り速やかに短絡電流を遮断することが必要となる(このようにする例としては、例えば特許文献2に示すものがある)。
そこで、特許文献3のように直流電源と直列にスイッチを接続し、短絡電流を遮断するものがあるが、直流電源と直列に挿入されたスイッチにより、主回路配線インダクタンスの増加、不要なスイッチの通流損失を招くことになる。
図示のように、直流電源EpとEnとの直列回路の両端に、IGBTとダイオードが逆並列に接続されたスイッチQ1〜Q4の直列回路が接続されており、スイッチQ1とQ2の接続点と直流電源Ep,Enの接続点との間には、逆方向に耐圧を有する逆阻止型IGBTQD1(以下、スイッチQD1と呼ぶ)が接続され、スイッチQ3とQ4の接続点と直流電源Ep,Enの接続点との間には、逆方向に耐圧を有する逆阻止型IGBTQD2(以下、スイッチQD2と呼ぶ)が接続されて構成されている。
図4では、運転指令Srunが入力されてスイッチQ1〜Q4のオン,オフ指令を生成する一般的なPWM(パルス幅変調信号)発生回路が設けられ、ここで生成されたQ1〜Q4のオン,オフ指令(パルスパターン)は、各スイッチQ1〜Q4を駆動するためのゲート駆動回路GDU(Q1)〜GDU(Q4)にそれぞれ入力される。また、Srunと同期したオン,オフ信号を、スイッチQD1,QD2を駆動するためのゲート駆動回路GDU(QD1),GDU(QD2)にそれぞれ入力する。各ゲート駆動回路からは図5のような指令が出力され、それぞれの図3に示すスイッチQ1〜Q4に与えられる。
その結果、図2の逆阻止型IGBTの特性から、順方向の電圧に対しては電流を流し、逆方向の電圧に対しては阻止するため、ダイオードと同じ動作となり、従来の3レベルインバータと同様の動作が可能となる。なお、運転指令にかかわらずQD1,QD2に常時オン信号を与えても同様の動作をさせることができる。
図6はスイッチQ2,Q3にオン信号が入力されている状態から、スイッチQ3が破壊したときの例を示す。図6(a)のスイッチQ3→スイッチQD2に負荷電流ILが流れている状態から、何らかの事故でスイッチQ3が破壊したとする。スイッチQ3が正常時には、スイッチQ1,Q2のFWD(フリーホイールダイオード)に負荷電流ILが転流するが、スイッチQ3が破壊している場合は負荷電流ILが転流せずに、図6(b)に示すように、スイッチQ3(破壊)→スイッチQD2に電流が流れ続ける。
これは、スイッチQD1,QD2をスイッチQ2,Q3と同期をとってオン,オフさせるもので、スイッチQ2,Q3にオン信号が入力されている図7(a)の状態で、スイッチQ3が破壊したときの例について説明する。図7(a)の状態から同図(b)のように、スイッチQ3にオフ信号を入力するとともに、スイッチQD2もオフさせると、スイッチQ3が破壊したことで、これでは負荷電流ILを遮断できず、スイッチQD2により遮断する。これにより、負荷電流ILはスイッチQ1,Q2の各FWDに転流する。
図9に図8の1相分の回路を示す。図3で説明した機能は、スイッチQS1,QS2のQS1RおよびQS2のQS2Rの制御動作により、同様に実現できる。
図10(b)は負荷電流ILが流出している状態を示す。この場合も、同様にIL1,IL2の経路を選択することができる。この場合も、従来と同様のパルスパターンでQ2,Q3をオン,オフすればよい。
図11(a)に示す回路は、スイッチがQ1〜Q4とQD1,QD2の6個で構成される。ここでは、スイッチQ1とQD1のエミッタ電位が共通であるため、スイッチQ1とQD1は駆動電源を共通として、全部で5個の電源で駆動することができる。また、図11(b)に示す回路は、スイッチがQ1〜Q4、QS1(正負両方向)、QS2(正負両方向)の8個で構成されるが、スイッチQ1とQS1(逆方向:QS1R)、スイッチQS1(正方向:QS1F)とスイッチQS2(逆方向:QS2R)、スイッチQ3とQS2(正方向:QS2F)のエミッタ電位がそれぞれ共通であるため、同じ電源で駆動することができ、図11(a)と同じく全部で5個の電源でよい。
また、3つの電位を出力できる3レベルインバータを例に説明したが、図12に示されるようなマルチレベルインバータにも、同様にして適用できるのは言うまでもない。
Claims (6)
- 第1と第2の直流電源を直列に接続し、前記直流電源の直列回路の正極と負極間に第1から第4のスイッチング素子を直列に接続し、前記第1と第2のスイッチング素子の接続点と前記直流電源の接続点との間には逆方向に耐圧を有する第1の逆阻止型スイッチング素子を接続し、前記第3と第4のスイッチング素子の接続点と前記直流電源の接続点との間には逆方向に耐圧を有する第2の逆阻止型スイッチング素子を接続したことを特徴とする多レベル出力電力変換装置。
- 前記第1,第2の逆阻止型スイッチング素子は、前記多レベル出力電力変換装置の運転時にオンし、その停止時にオフすることを特徴とする請求項1に記載の多レベル出力電力変換装置。
- 前記第1の逆阻止型スイッチング素子は前記第2のスイッチング素子と同期してオン,オフさせ、前記第2の逆阻止型スイッチング素子は前記第3のスイッチング素子と同期してオン,オフさせることを特徴とする請求項1または2に記載の多レベル出力電力変換装置。
- 第1と第2の直流電源を直列に接続し、前記直流電源の直列回路の正極と負極間に第1から第4のスイッチング素子を直列に接続し、前記第1と第2のスイッチング素子の接続点と前記直流電源の接続点との間には逆方向に耐圧を有する逆阻止型スイッチング素子を逆並列に接続した第1の逆並列接続回路を接続し、前記第3と第4のスイッチング素子の接続点と前記直流電源の接続点との間には逆方向に耐圧を有する逆阻止型スイッチング素子を逆並列に接続した第2の逆並列接続回路を接続したことを特徴とする多レベル出力電力変換装置。
- 前記第2のスイッチング素子と前記第1の逆並列接続回路とからなる電流経路、または、前記第3のスイッチング素子と前記第2の逆並列接続回路とからなる電流経路を、スイッチング素子に与えるパルスパターンにより選択可能にしたことを特徴とする請求項4に記載の多レベル出力電力変換装置。
- エミッタ側が同電位となるスイッチング素子は、共通の駆動電源で駆動することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の多レベル出力電力変換装置。
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