JP4242022B2 - 土木用袋体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、緑化工事等に使用される植生土嚢等として用いられる土木用袋体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、土木用工事や緑化工事に伴う土木用袋体には麻や綿などの天然繊維からなる袋体が使用されているが、これらの袋体は土壌の中または屋内外で袋体全体が同時に分解し始めるだけでなく、また耐候性も悪いという欠点を有している。耐候性が悪ければ土木用袋体として利用される場合、太陽光が直接照射される面では強力が劣化し、土留めや法面補強材などの使用には適していない。そのため合成繊維が多量に生産されるようになって以来、強度が強く比較的耐候性が良好でありコスト面でも有利であるポリエチレンやポリプロピレン等の合成繊維が主流になってきている。
【0003】
しかし、合成繊維からなる土木用袋体には分解性がないため、掘り返される土壌には以前に埋没されている袋体が工事の妨げになるだけでなく、美観上また環境上に影響を与え、公害問題になってきている。
そこで例えば、特開平3−25347号公報には生分解性プラスチック製土嚢袋を使用する方法が開示されていて、該公報では地盤中にプラスチックが残留するため、土地を利用する際の地下工事に支障を生じるとあるが、澱粉混入ポリエチレンや脂肪酸ポリエステル混入ポリエチレンでも良く、分解し微粒子状になることを生分解性としている。しかしポリエチレンは微粒子状になっても実際に分解し二酸化炭素や水などになるためには、非常に時間がかかり自然界に存在する物質に変換されない。また、これらの袋体は充填用開口部以外の少なくとも側面あるいは/および底面が縫製されているものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来法では、天然繊維などを使用すると耐光性などに問題があり、また合成高分子が混入することにより完全に自然界に存在する物性に変換しない、さらに充填用開口部以外の少なくとも側面あるいは/および底面の二方を縫製しなければならないという問題があった。
本発明は、この様な現状に鑑みて行われたもので、加水分解を経て生分解され、分解最終物が完全に自然界に存在する物質に変換されかつ縫製が合理化された土木用袋体を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記を達成するもので、次の構成よりなるものである。
すなわち本発明は、 1.植生に供されることが可能な土木用袋体であって、生分解性脂肪族ポリエステル繊維からなる袋体にて構成され、前記袋体における充填物充填用開口部を除き縫い目が存在しないものであり、植生に供されるときに袋体の上側となる部分に おける袋体の内側となる箇所に、種子および/または肥料を添着させた生分解性シートが配されていることを特徴とする土木用袋体。
【0006】
2.ダブルラッセル編地にて構成されていることを特徴とする上記土木用袋体。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。本発明の土木用袋体を構成する生分解性脂肪族ポリエステル繊維は、ジオール成分とジカルボン酸から合成される脂肪族系のポリマーからなる繊維であり、ポリ乳酸、ポリアルキレンアルカノエート、ポリβヒドロキシアルカノエート及びこれらの共重合物等があげられ、特に耐熱性や機械的物性などを考慮するとポリ乳酸からなる繊維であるのが最も好ましい。この生分解性脂肪族ポリエステル繊維としては、スリットヤーン、長繊維糸もしくは短繊維であっても良く、短繊維である場合には通常紡績糸として用いる。
【0008】
この生分解性脂肪族エステル繊維は、該繊維が置かれている雰囲気により分解する速度が異なる繊維であり、太陽光照射でのラジカル発生による分解は少ないが、湿熱条件下で加水分解を経て分解したり、微生物分解や酵素分解する繊維である。耐候性が悪ければ太陽光が直接照射される面では強力が劣化し、土留め法面補強材などの土木用袋体用の繊維には適していない。土木用袋体に使用するには太陽光による劣化が少なく、土中に埋没している部分は分解が進み、加水分解を経て微生物や酵素分解など生分解される分解性がコントロールできるポリマーからなる合成繊維の方が良い。
また本発明における生分解性脂肪族ポリエステル繊維を構成するポリマーには、植物の栄養分となるカリウム化合物、リン化合物及び窒素含有化合物などを含有しても良く、その濃度は0.1ppm以下であるとその特性が明確に現れない。
【0009】
本発明においては、分解特性の異なる2種以上の生分解性繊維を組合わせて用いることもできる。また本発明においては、再生繊維と天然繊維から選ばれた少なくとも1種類以上の繊維と、上記の生分解性脂肪族ポリエステル繊維とを組合わせて用いることもできる。再生繊維としては、レーヨン繊維、キュプラ、溶剤紡糸によるリヨセル等が挙げられ、天然繊維としては、綿やカポック等の種子毛繊維、亜麻、大麻及びラミーなどの靱皮繊維、マニラ麻やサイザル麻などの葉脈繊維、ヤシやビンロウジュなどの果実繊維、羊毛、ラクダ毛、アルパカ、カシミヤ、モヘヤ及び兎毛などの獣毛繊維、家蚕や野蚕等の絹繊維などが挙げられる。
上記のように、分解特性の異なる繊維を組合わせて用いると、袋体が徐々に分解するように設計することができることとなるので、植物の成長に応じて開土部を大きくしていったり、袋体への充填物を順次なじまして補強効果を繊維から充填物同士に換えていくことができるようになる。
【0010】
本発明の土木用袋体は、上記の繊維からなる糸条により構成され、かつ充鎮物を充填するための開口部を除き縫い目が存在しない袋体であり、好ましくは、ダブルラッセル編機により充填用開口部以外の周囲を連結した状態で袋状に製編することにより得られるものである。すなわち、上面、下面の地組織を、所望の袋サイズになるように、充填用開口部を除く袋の周囲に相当する部分を、上面、下面地組織を製編しながら連結し、切り離せば三方が閉じられた袋体となるものである。このことは、従来行われていたように製布後縫製して袋状とすることなく、袋体を得ることができ、合理的かつ、組織的に強固に連結されているため、縫製による縫目強力より優れた物性を有する安価な袋体を作成することが可能となる。
【0011】
袋体を構成する編物布帛の隣り合う糸状同士の間隔、あるいは編目による目合いは、15mm以下であるのが好ましく、脱水作用や充填物の漏れだし防止が必要な場合は繊維間に隙間がない密な組織を選択する方が好ましい。また通水、通気あるいは植生用途であれば、発芽に必要な目合いが15mm以上であると袋体を構成する組織がルーズになり作業性に支障を来すことがある。好ましくは0.1〜10mmである。布帛の隣り合う糸条同士の間隔あるいは、編目による布帛の組織や密度により経軸と緯軸とで異なる場合があるが、このような場合には目合いは最大間隔をもっていう。また組織によっては、糸条が数本づつ集まって1本の糸条のようになり、それらの間にすきまができる場合があるが、この場合は糸条の集合の中心間の間隔でもって目合いとする。
【0012】
次に、本発明の土木用袋体で植生を目的とする場合、施工時袋の上側部になる部分の内側に種子および/または肥料を添着した分解性シートを配して用いる。用いる分解性シートは分解性合成繊維からなるシートあるいは、綿、レーヨン、パルプからなる紙等の天然繊維シート等を用いることとし、何ら制約を受けるものではない。また種子の種類、肥料有無等については、適宣選択するもととする。
【0013】
【作用】
本発明によれば、加水分解を経て生分解され、分解最終物が完全に自然界に存在する物質に変換され、縫製工賃が合理化された、縫い目がなく破れにくく、編物であるためのどのような形にでも対応可能な土木用袋体とすることができる。
【0014】
【実施例】
次に本発明を実施例により説明する。
参考例1
ポリ−L−乳酸からなる長繊維糸560dtex/96filを用い、カールマイヤー製ダブルラッセル編機9ゲージ、マーキゼット組織により40×60cmサイズ、2.5mm目合いの袋状編地を編成し、充填用開口部に閉じ紐をミシン縫製により装備して植生可能目合いの土木用袋体を得た。
【0015】
参考例2
2ポリ−L−乳酸からなる長繊維糸560dtex/96fil 2本を用い、カールマイヤー製ダブルラッセル編機9ゲージ、チュール組織により20×60cmの筒型サイズ、目合い4mmの袋状編地を編成し、充鎮用開口部に閉じ紐をミシンにより装備して、法面型枠に充填して用いる植生可能目合いの土木用袋体を得た。
【0016】
参考例3
ポリ−L−乳酸からなる長繊維糸560dtex/96fil 2本を用い、カールマイヤー製ダブルラッセル編機14ゲージ、鎖×0−0/2−2無地組織により40×60cmサイズ、目合いの殆どない袋状編地を編成し、充填用開口部に閉じ紐をミシン縫製により装備し、土砂の充填に適した土木用袋体を得た。
【0017】
実施例1
参考例1の土木用袋体の施工時上側に位置する袋布の内側に、繊維量20g/m2のポリ−L−乳酸からなる短繊維不織布に種子および肥料を添着させた植生シートを縫いつけて、本発明の緑化型土木用袋体を得た。
【0018】
比較例1
ポリエチレンテレフタレートからなる長繊維糸560dtex/96filを用いて、経緯密度が共に33本/吋で、12×12本模紗組織にて土木用袋体用の織物(目合い2.5mm)を製織した。該織物を経84cm×緯61cmに裁断し、2つ折りし周辺部を縫製し経40cm×緯60cmの比較例1の土木用袋体を得た。
【0019】
得られた参考例1〜3、実施例1及び比較例1の土木用袋体を福井県坂井郡丸岡町の現地土を充填し、同地に土木用袋体を設置し、各々の分解性および緑化状況を比較した。参考例1の土木用袋体は直接日光が照射される面は約2年間形態を保持しており、日光が当たらない面は分解が促進され、形態が保持していなかった。直射日光があたる面に土をかぶせたところ約1年間で形態が無くなり分解が助長された。参考例2および参考例3は参考例1とほぼ同じ傾向を示した。比較例1は全く分解性が無く、形態保持についても変化がなかった。また、参考例1、2および比較例1は自然発生的に数種の雑草が発芽し、2年目にはいずれの例も、雑草繁茂が認められた。参考例3は雑草繁茂が認められなかった。実施例1については、初年度は植生シートに載置した種子の順調な発芽、発育が認められ、2年目には良好な繁茂状態が得られた。
【0020】
【発明の効果】
本発明によれば、用いる繊維材料が加水分解により自然界に存在する物質に変換無害化、分解コントロール型繊維のため種々用途への適用可、コスト合理化等、経済的あるいは、環境保全に極めて有意である。
Claims (2)
- 植生に供されることが可能な土木用袋体であって、生分解性脂肪族ポリエステル繊維からなる袋体にて構成され、前記袋体における充填物充填用開口部を除き縫い目が存在しないものであり、植生に供されるときに袋体の上側となる部分における袋体の内側となる箇所に、種子および/または肥料を添着させた生分解性シートが配されていることを特徴とする土木用袋体。
- ダブルラッセル編地にて構成されていることを特徴とする請求項1記載の土木用袋体。
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