以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。本発明に係る運搬機構を備えた箱型遊技機の代表例として、図1の(a)図および(b)図にスロットマシンの正面図および背面図を示しており、まずこの図面を参照してスロットマシンSMの全体構成について要約説明する。
スロットマシンSMは、上下左右の枠板および後方を覆う背板を有して前面開放の外郭箱枠状に構成された基枠体としてのキャビネットボックス10と、キャビネットボックス10の前面開口に合わせて形成された開閉搭載用のフロントマスク20とからなる筐体を有し、筐体の各部にスロットマシンを遊技可能に構成する種々の装置、機器、部品(以下これらをまとめて「遊技構成部品」という)を配設して構成される。
キャビネットボックス10は、木材や板金材料を所定のパネル形状に加工成形した上下左右および背後の枠板部材、すなわち天板11、左右の枠板12,13、底板15、および背板17を枠組みして連結するとともに、各連結部に所要の補強部材を固定して外郭方形の箱枠状に構成される。底板15の上面には補強連杆16が左右の枠板12,13に亘ってネジ固定され(図8等を参照)、また天板11と底板15との間にはリール装置を支持する支持台板としての棚板が左右の枠板12,13を繋ぐように連結されて、頑強な耐久強度を有するボックス構造とされる。
キャビネットボックス10には、スロットマシンの各遊技構成部品に電力を供給する電源ユニット、円筒外周面に沿って多数の図柄が描かれた三つのリール3a,3b,3cを回転・停止させるリール装置、入賞状態に応じて遊技メダルの払い出しを行うメダル払出装置、スロットマシンSMの作動を制御する各種の回路基板、遊技施設の管理装置(ホールコンピュータ)にスロットマシンSMの動作状態の信号やアラーム信号等を出力する外部出力端子、などの遊技構成部品が取り付けられマシン本体を形成する。
一方、フロントマスク20は、樹脂材料や板金材料を用いてキャビネットボックス10の前側開口面域に合わせた比較的薄型の方形枠サイズに形成されており、主として遊技を展開する操作部品等を搭載する開閉搭載枠とされる。
フロントマスク20には、リール3a,3b,3cの外周面に描かれた図柄のうち所定範囲(例えば上下3つの図柄範囲)のみを遊技機正面に透視させる透視窓4が設けられるとともに、メダル投入口やメダルセレクターなどのメダル受容機構、全リールの回転起動を操作するスタートレバー5、3つのリールに対応して設けられ各リールをそれぞれ停止操作するストップボタン6a,6b,6c、メダル払出装置から払い出された遊技メダルを受け止めて貯留するメダル受け7、遊技の展開状況に応じて多様な表示を行う表示装置8、および効果音を発生するスピーカなどの遊技構成部品が取り付けられて、遊技者とのインターフェース機能を備えた遊技構造体PSが形成される。
遊技構造体PSは、キャビネットボックス10およびフロントマスク20の互いの左側縁に設けられた上下の開閉連結支持機構(スライドヒンジ)により連結されて、キャビネットボックス10の前方に横開き開閉可能に取り付けられ、常には右側縁に設けられた施錠装置2によりキャビネットボックス10の前面開口を覆う閉鎖姿勢に保持されて、一体のスロットマシンSMが形成される。
以上のように概要構成されるスロットマシンSMにあって、キャビネットボックス10の上部に把持構造50が設けられ、下部に背板開閉機構70およびキャスター機構100が設けられている。以下では、まず図2および図3を参照して把持構造50について説明する。なお図2は把持構造50を斜め上方から透視して見た斜視図、図3は把持構造50の側面図である。
把持構造50は、キャビネットボックス10における天板11の下面中央部に止着されたハンドルベース51と、このハンドルベース51にスライドおよび揺動自在に取り付けられたバーハンドル52を主体として構成される。
ハンドルベース51は、プレート部51aと、このプレート部51aの左右側部が直角に屈曲されて上方に延びる支持辺部51b,51b、および支持辺部の端部がさらに左右外方に直角に折り曲げられて形成された固定辺部51d,51dなどからなり、左右の支持辺部51b,51bにはバーハンドル52の線径よりもわずかに大きめの溝幅で前後に延びる長孔状の支持孔51c,51cが形成され、左右の固定辺部51d,51dにはハンドルベース51を天板11にねじ止めするためのネジ挿通孔が複数穿設されている。ハンドルベース51は、例えば板厚1.6〜2.3mm程度の鋼板を打ち抜きおよび曲げ加工して図示する形状に成形し、所要の表面処理を施して形成される。
バーハンドル52は、中央の把持部52aと、この把持部の左右側部が直角に折り曲げられて左右平行に延びる脚部52b,52b、および左右の脚部の端部がさらに左右外方に直角に折り曲げられて把持部52aと平行に延びる係合軸部52c,52cなどからなり、例えば線径6〜10mm程度のみがき鋼棒ないしステンレス鋼棒を曲げ加工し、必要に応じて所要の表面処理を施して形成される。バーハンドル52の左右の脚部52b,52bの外幅寸法は、ハンドルベース51における左右の支持辺部51b,51bの内幅寸法よりも幾分小さめに設定されるとともに、脚部52bの長さは係合軸部52cを支持孔51cの溝前端に係合させた状態で、把持部52aがプレート部51aの後端部よりもわずかに前方に収容されて指掛け容易に配設される寸法になっている。
バーハンドル52は、ハンドルベース51の左右の支持孔51c,51cに左右の係合軸部52c,52cをそれぞれ通して係合させ、支持辺部51b,51bの外側に突出した係合軸部に係止リング53,53をカシメ固着することでハンドルベース51に取り付けられ、支持孔51c,51cと係合軸部52c,52cとの係合により、支持孔51c,51cの延びる方向(前後方向)にスライド移動自在、および係合軸部52c,52cの軸線を揺動軸として揺動自在に支持される。
一方、背板17には、ハンドルベース51の後方に位置する背板の上縁部がハンドルベース51の上下および左右寸法よりも幾分大きめの凹状に切り欠かれてハンドル挿通孔54が形成されており、把持構造50の利用に応じてバーハンドル52を前後に挿通させるとともに、背板17の各部に形成された他の換気孔17hとともに、スロットマシンSMの筐体内部の過熱を防止する放熱用の換気孔としても機能する。
そこで、上記のようにバーハンドル52が取り付けられたハンドルベース51を天板11の下面側中央部に位置合わせし、固定辺部51d,51dの下側からネジ挿通孔にビスを挿通してねじ止めし、その背後から背板17を閉止してねじ固定することで、キャビネットボックス10の後面側上部中央に把持構造50が形成される。
こうして形成された把持構造50では、図3中に二点鎖線で示すように、バーハンドル52を前方にスライドさせて係合軸部52cを支持孔51cの溝前端に係合させて配設したときに、バーハンドル52がハンドルベースのプレート部51aと天板11との間の収容空間内に収容され、把持部52aがプレート部51aの後縁に沿ってハンドル挿通孔54の開口近傍に配設され、把持部52aを容易に引き出し操作できるようになっている。
一方、把持構造50を利用するときには、図3中に実線で示すように、把持部52aに指を掛けてバーハンドル52を後方にスライドさせ、係合軸部52cが支持孔51cの溝後端に係合するまで引き出す。すると把持部52aがキャビネットボックス10から後方に突出して上下に揺動可能に配設され、運搬作業者はこの把持構造50を利用してスロットマシンSMを容易に運搬することができる(図9を参照)。なお、スロットマシンの運搬操作についてはキャスター機構の作用説明とともに後に詳述する。
次に、キャビネットボックス10の下部に設けられた背板開閉機構70について、図1、図4および図5を参照して説明する。背板開閉機構70は、キャビネットボックス10の下部に背板17の一部を開閉可能に設けられた背板開閉扉71と、この背板開閉扉71を閉止状態に保持する閉止保持構造80、および背板開閉扉71を開放状態に保持する開放保持構造85からなり、背板17の下部領域を必要に応じて開閉し、また背板開閉扉71を開放状態あるいは閉止状態に保持し得る機構装置である。そして図4は背板開閉扉71を開放保持させた状態で開放保持構造85をキャビネットボックス10の外側から見た斜視図、図5は背板開閉扉71を閉止保持させた状態で閉止保持構造80をキャビネットボックス10の内側から見た斜視図である。なお、以降ではスロットマシンSMを後方から見た状態を主として説明するため、図1(b)に示す背面図における左右方向をもって左側・右側と称して説明する。
背板開閉扉71は、図1(b)に示すように、背板17の下端部が高さ8〜12cm程度の幅で左右の枠板12,13間に亘って切り離され、蝶番72により背板17と連結されて後方に揺動可能に取り付けられる。
左右の枠板12,13には、背板17の左右の辺縁を支持して固定する背板支持杆18が下方に延びて背板開閉扉71の前方辺縁を支持し得るように設けられ(図7、図8等を併せて参照)、底板15の上面中央部には閉止保持構造80のフック受け82が上方に突出して背板開閉扉71の前方中央部を支持し得るように設けられている。さらに背板17には、背板開閉扉71を開放して転回したときに閉止保持構造の操作ノブ81aを受容し得るノブ受容孔17nが形成されている。このため背板開閉扉71が上下180度の範囲で後方に揺動開閉可能に配設されるとともに、背板開閉扉71を閉止したときには、背板開閉扉71の前方辺縁が左右の背板支持杆18およびフック受け82に支持されて、背板17の後面と背板開閉扉71の後面とが平坦な背面を形成するようになっている。
閉止保持構造80は、背板開閉扉71の下部中央に設けられた操作部材81と、底板上面の中央部に設けられたフック受け82とからなり、背板開閉扉71を開閉操作可能な解錠状態と、閉止状態に保持する施錠状態とに切り換え設定可能に構成されている。
操作部材81は、背板開閉扉71に時計廻りおよび反時計廻りに回転自在に枢支された支軸81bと、この支軸81bの後端側に固着されて背板開閉扉71の後面側に配設された操作ノブ81aと、支軸81bの前端側に固着されて背板開閉扉71の前面側に配設された操作フック81cとからなり、例えば、所定直径の金属棒材を加工して形成した軸81bの両端に、ABS樹脂やポリアミドなどの樹脂材料を射出成型等して形成した操作ノブ81aおよび操作フック81cを、背板開閉扉71を挟んで圧入固定することにより背板開閉扉71の下端中央部に回転自在に枢支される。
一方フック受け82は、底板15の上面にねじ固定されたベース部82aと、ベース部から上方に延びる支持プレート部82cとからなり、例えば所定板厚の板金材料を打ち抜きおよび曲げ加工して形成され、背板開閉扉71を閉止したときの背板開閉扉の配設位置に合わせて底板15の上面中央部にねじ固定される。
操作ノブ81aは、外周面にローレット目が施されたマッシュルーム状の操作摘みであり、背板開閉扉71の後面側に配設された操作ノブ81aを摘んで時計廻りまたは反時計廻りに回動することで支軸81bを介して操作フック81cを回動可能になっている。操作フック81cは支軸81bに固着されたボス部から軸直交方向に突出する舌片状の係合片部を有し、操作ノブ81aが回動操作されたとき、または操作フック81cを直接回動操作したときに、支軸81bを中心とする軸廻りに回動して係合片部がフック受けの支持プレート部82cと係脱可能になっている。
このため、スロットマシンSMの後方から、操作ノブ81aを回動操作して操作フック81cを回動させることで、係合片部を支持プレート部82cに係合させて背板開閉扉71を閉止保持させる施錠状態に設定すること、あるいは係合片部と支持プレート部との係合を解除して背板開閉扉71を開閉可能な解錠状態に切り換えることができる。またフロントマスク20を開放してキャビネットボックス10の内側から操作フック81cを回動操作することで、スロットマシンSMの前方から施錠状態と解錠状態とを切り換えることもできる。
従って、後に詳述するキャスター機構100を利用した運搬作業では、スロットマシンSMの後方から、閉止保持構造80を解錠状態として背板開閉扉71を開放し、キャスター機構100を使用位置Cpに設定して容易に転がり運搬することができ、運搬作業の終了後にはキャスター機構100を収容位置Bpに設定して背板開閉扉71を閉止し、閉止保持構造80を施錠状態にすることで背板開閉扉を閉止保持させることができる。
また、スロットマシンSMを遊技施設に搬入して設置枠台に設置する際、あるいはスロットマシンSMを設置枠台から取り外す際には、スロットマシンSMの後方から操作ノブ81aを回動操作し、あるいはキャビネットボックス10の内側から操作フック81cを回動操作して閉止保持構造80を解錠状態とし、背板開閉扉71を開くことで下部後方の配線作業を容易に行うことができる。また設置枠台に固定した後に接続配線に異常が発生した場合にも背板開閉扉71をキャビネットボックス10の内側から開いて接続配線や端子等を目視確認することができるため、適宜テスター等を用いて異常箇所を特定し、部品交換するなど容易に修復作業を行うことができる。
またスロットマシンSMの設置後に、例えば、遊技施設の係員がメダル払出装置に遊技メダルを補給する作業中に誤ってメダル払出装置のホッパーから溢れさせ、溢れ出た遊技メダルが背板17に形成された放熱用の換気孔17hを通ってスロットマシンSMの後方に落下してしまった場合や、ホッパーに遊技メダルを自動供給する自動メダル供給装置を備えた遊技施設で、メダル供給用のダクトが背板中央のメダル導入口17mから外れて、スロットマシンSMの後方に遊技メダルが供給されてしまったような場合に、キャビネットボックス10の内側から操作フック81cを回動操作して閉止保持構造80を解錠状態とし、背板開閉扉71を開いて遊技メダルを回収することができる。
そして配線作業や修復作業、メダル回収作業等を終了した後には、キャビネットボックス10の内側から操作フック81cを回動操作して閉止保持構造80を施錠状態とし、背板開閉扉71を閉止保持させた状態で遊技に供することができる。
一方、開放保持構造85は、左右の枠板12,13の後端面に設けられた開放保持レバー86を主体として構成され、背板開閉扉71を開いて背板17の下部領域を開口させた開放状態で保持可能に構成される。開放保持レバー86は、中心にザグリ穴形態のネジ挿通孔を有する円筒状のボス部86aと、このボス部から軸直交方向に延びて形成されたレバー部86cと、レバー部の先端側に形成された指掛け部86dとからなり、例えばABS樹脂やポリアミドなどの樹脂材料を射出成型して形成される。
開放保持レバー86は、背板開閉扉71を上方に180度開いたときの上端角部の配設位置に隣接して、左枠板12および右枠板13の後端面にねじ止めされ、ボス部86aを中心として時計廻りおよび反時計廻りに揺動自在に枢着される。
また背板開閉扉71には、背板開閉扉71を開いて上方に180度転回した姿勢位置において開放保持レバー86と隣接する前面側の上端角部が、開放保持レバー86の回転軌跡およびレバー部86cの前面位置に合わせてザグリ加工され、開放保持レバー86を回動させたときにレバー部86cを受容して係合し得るレバー受容部71cが形成されている。
このため、背板開閉扉71を開いて背板開閉扉71を上方に180度転回した状態で、左右の開放保持レバー86を回動操作してレバー部86cをレバー受容部71cに係合させることで背板開閉扉71を当該姿勢位置に保持させることができ、例えば後述するキャスター機構100を利用した運搬作業において、背板17の下部領域を開口させた状態で容易にキャスター機構100を使用位置Cpに設定し、この状態で容易に転がり運搬することができる。また、運搬作業の終了後にはキャスター機構100を収容位置Bpに戻して開放保持レバー86による開放保持を解除し、背板開閉扉71を閉止して施錠状態にすることで背板開閉扉71を閉止保持させることができる。
従って、以上説明したような背板開閉機構70を備えたスロットマシンSMでは、遊技施設の設置枠台に固定された遊技機を取り外すまでもなく、背板後方の配線作業や遊技メダル等の回収作業を容易に行うことができ、また次述するキャスター機構を備えた形態の遊技機にあっては、キャスター機構の設定位置(Bp,Cp)の切り換え操作や運搬作業を容易に行うことができる。
次に、背板開閉扉71に隣接して設けられた左右のキャスター機構の構成について、図6〜図8の各図を参照して説明する。ここで図6は背面視左側のキャスター機構を分解状態で示す斜視図、図7はキャスター機構100の背面図、図8はキャスター機構100の平面図である。
なお各図には、左右対称に構成したキャスター機構を底板15の左右に各1個ずつ配設した構成例を示しており、説明の便宜上から両者を区別して説明する場合には、背面視における左側のキャスター機構およびその構成部材に添え字「L」を付して100L,110Lのように、右側のキャスター機構およびその構成部材に添え字「R」を付して100R,110Rのように示す。また左右のキャスター機構100Lおよび100Rは、同時に使用位置または収容位置に設定されるが、両方の位置関係を明示的に示すため、図5および図6では便宜的に左側のキャスター機構100Lを使用位置、右側のキャスター機構100Rを収容位置に配設した状態で示している。
左右の各キャスター機構100L,100Rは、それぞれ車輪130を前後方向に回動可能に支持する支持ブラケット120、左右の支持ブラケット120を連結する連結ロッド140、キャビネットボックス10の下部に設けられて連結ロッド140により連結された左右の支持ブラケット120を着脱および前後に揺動可能に支持するベース部材110、ベース部材110に支持された支持ブラケット120を使用位置Cpに係止保持する係止構造150(ネジ受け部151、アーム係止ネジ152)などからなり、連結ロッド140により連結された左右の支持ブラケット120をベース部材110に装着して使用位置Cpに係止したときに、左右の車輪130がキャビネットボックス10の後方に突出して配設され、車輪130を接地させてキャビネットボックス10を支持させた状態で前後方向に転がり運搬可能に構成される。
ベース部材110(110L,110R)は、それぞれ平坦なプレート部111と、このプレート部における左右中央寄りの側部が直角に曲げ起こされて上方に延びる支軸フランジ112、プレート部111の前端部が直角に曲げ起こされ補強連杆16に沿って上方に延びる前方フランジ116などからなり、例えば板厚2.3〜3.2mm程度の鋼板をプレス成形して各図に示す形状に加工成形し、ユニクロメッキ等の所要の表面処理を施して形成される。左右のベース部材110L,110Rは、底板中央に対して左右対称に構成され、各支軸フランジ112,112が内向きに対峙するようになっている。プレート部111および前方フランジ116には、木ねじを挿通させるサラモミ穴形態のネジ挿通孔が形成されている。
支軸フランジ112には、上下に延びて上端が開放された支軸溝112aが形成され、その後方にM6〜M8程度の溶接ナットまたはカシメナットを固着したネジ受け部151、後方にM3〜M4程度の雌ねじを形成したネジ孔154が設けられている。支軸溝112aは、連結ロッド140の外径よりもわずかに大きめの溝幅を有して上下に延び、上端部には連結ロッド140の溝内への導入を容易化する受容テーパが上向きに開いて形成されている。
ネジ受け部151は、支持ブラケット120が使用位置Cpに配設されたときのアーム部122の上縁の高さ位置を基準とし、このネジ受け部151に螺合される棒先形態のアーム係止ネジ152における棒先部の径を考慮した高さ位置に設けられており、螺合支持したアーム係止ネジ152の棒先部をアーム部122の上方に繰り出させて上縁面と係合可能になっている。
ネジ孔154には、フック係止ネジ155を介して収容位置掛止フック156が取り付けられる。収容位置掛止フック156は、細長い帯板状のアーム部156aと、このアーム部156aの基端側にフック係止ネジ155の外形よりも幾分大きめの内径を有して穿設されたネジ挿通孔156b、アーム部156aの先端側に支持ブラケット120における係止ピン157の外形よりも幾分大きめの溝幅を有して形成されたフック溝156c、およびアーム部156aの側縁が一部延出されるとともにアーム部と直交方向に折り曲げられて形成された指掛け部などからなり、例えば、板厚1.2〜1.6mm程度の鋼板を打ち抜きおよび曲げ成型して図示する形状に形成される。
収容位置掛止フック156は、平座金を装着したフック係止ネジ155をネジ挿通孔156bに挿通してネジ孔154に螺合することで、支軸フランジ112に前後方向に揺動可能に支持され、フック係止ネジ155を締め込むことで任意の角度位置に固定可能に取り付けられる。
一方、底板15におけるキャスター機構100の取付部では、左右のキャスター機構100L,100Rを取着して支持ブラケット120を使用位置に係止したときの車輪130の配設位置を基準として、車輪130の外形よりも幾分大きめに底板15の後縁部が切り欠かれ、上方および後方に開く凹溝状の受容切り欠き部103が形成されている。
ベース部材110を底板15に取着する際には、左右のベース部材110L,110Rを各支軸フランジ112が内側になるように底板15の上面に載置する。そして前端の前方フランジ116を補強連杆16に突き当てることで、各ベース部材110が前後方向に位置決めされ、左右方向の位置を合わせてプレート部111および前方フランジ116のネジ挿通孔に木ねじを挿通してねじ込むことで底板15の上面にネジ固定される。
支持ブラケット120は、一対のアーム部121,122と、これらのアーム部を車輪130におけるボス部130aの厚さに合わせた内面間隔を隔てて平行に保持する円筒状のカラー123および補強ロッド124等からなり、左右のアーム部121,122の間にカラー123および補強ロッド124を挟んでこれらをカシメ固着または溶着することで一体に構成される。
カラー123の内径は連結ロッド140の外形よりもわずかに大きめに形成され、その左右に固着されたアーム部121,122には、カラー123に連結ロッド140を挿通させるロッド挿通孔が形成されている。またアーム部121,122の先端側には、車軸135の外径よりもわずかに大きめの内径を有する車軸孔が穿設され、左右のアーム部がカラーの左右に固着されて一体化された状態で同一軸上に配設される。一方のアーム部122には、円盤状の頭部を有する係止ピン157が側方に突出してカシメ固着されている。係止ピン157の固着位置は、支持ブラケット120を収容位置Bpに配設した状態における収容位置掛止フック156のフック溝156cの揺動軌跡に合わせて設定される。支持ブラケット120は、上述したベース部材110と同様の板金材料を用い同様の成形手段で形成される。
車輪130は、中心に円筒状のボス130a、外周に円環状の接地輪130bを有する車輪であり、図ではボス130aと接地輪130bとの間を所定厚さの平板で結んだいわゆるディッシュタイプの車輪を示す。ボス130aの軸心には車軸135の外径よりもわずかに大きめの内径を有する車軸孔がボス130aを貫通して形成されている。接地輪130bの外周面(接地面)は曲率を有するタイコ状に形成されており、その場所での旋回(スピンターンやピボットターン)を含む小さい旋回半径で自由な方向への移動、すなわち小回りの効く転がり移動を可能に構成している。車輪130は樹脂材料または金属材料の何れも利用できるが、例えば、ナイロンやポリウレタン等の樹脂材料を用いて射出成型等の成形手段により一体に形成される。
車輪130は、ボス130aを左右のアーム部121,122の間に緩挿して各車軸孔を連通状態に位置決めし、薄平リベット形態の車軸135を一方のアーム部側から他方のアーム部側に挿通させて先端をカシメることで、支持ブラケット120に回動自在に枢結される。なお、補強ロッド124は、車輪130を枢結したときに接地輪130bの外周面と軽く接触する位置に固着されており、車輪130をキャビネットボックス10の後方に突出させた使用位置でキャビネットボックス10を後方に傾けたときに、車輪130が空転してキャビネットボックス10の下部が前方に逃げ、スロットマシンSMが安易に転倒してしまわないようになっている。
連結ロッド140は、左右の支持ブラケット120を連結して一体化する棒部材であり、その長さ寸法はベース部材110L,110Rにおける支軸フランジ112,112の外側に各支持ブラケット120,120を配設したときの、外側のアーム部121,121の外面間隔よりも幾分長めの寸法に形成されている。連結ロッド140は、例えば、所定線径のみがき鋼棒を上記寸法に切断し所要の表面処理を施して形成される。
車輪130が枢結された支持ブラケット120,120は、それぞれ係止ピン157が枢結されたアーム部122を内向きとして、カラー123を連結ロッド140の左右の端部に嵌挿し、相互に対向するアーム部122,122の内面間隔が左右のベース部材における支軸フランジ112,112の外面間隔よりもわずかに大きめの間隔となる左右位置に支持させる。そして左右の支持ブラケット120,120の先端側が軸線に対して同一のラジアル方向を向く角度位置(同一位相)にセットし、カラー123,123をカシメることにより、左右の支持ブラケット120,120と連結ロッド140とが一体に連結される。
このように連結された左右の支持ブラケット120,120は、左右の固定金具110L,110Rに一体的に着脱することができる。装着は、前述した背板開閉扉71を後方に開いて開放保持機構85により開放状態に保持させた状態で、キャビネットボックス10の後方から容易に行うことができる。例えば左右の支持ブラケット120,120を把持して各支持ブラケットを支軸フランジ112,112の外側に位置させ、連結ロッド140を左右の支軸溝112a,112aの受容テーパ部に位置合わせして上端から導入し、連結ロッド140を下動させて溝下端部に係合させる。
連結ロッド140が、支軸溝112a,112aの底部まで嵌入されると、左右の支持ブラケット120,120は、支軸フランジ112,112の左右外側に位置して連結ロッド140の軸廻りに前後方向に揺動可能に支持され、車輪130,130が前方フランジ116に当接して支持ブラケット120,120の先端側が斜め前方を向く角度位置と、アーム部121,122の下縁がプレート部111の上面と係合して支持ブラケット120,120の先端側が略水平の後方を向く角度位置との間で、一体的に揺動変位可能に支持される。
そして支持ブラケット120をこの角度範囲で揺動させることで、左右の車輪130をキャビネットボックス10の内方に収容し、あるいはキャビネットボックス10の後方に突出して配設させることができる。以降、図9〜図12の各図を併せて参照しながらキャスター機構の作用について説明する。なお図9および図10はともにキャスター機構の使用状態を示す側面図(全体図および詳細図)、図11はキャスター機構100の収容状態を示す側面図、図12は支持ブラケット120を取り外した状態を示す側面図である。
支持ブラケット120を上記角度範囲で揺動させると、図9に示すように、支持ブラケット120の先端側が鉛直上方を向く角度位置において、左右の車輪130が背板開閉扉71の前面よりも前方に位置してキャビネットボックス10の内方に収容されるとともに、アーム部122に固着された係止ピン157が収容位置掛止フック156に形成されたフック溝156cの揺動半径上に位置して配設される。また図8に示すように、支持ブラケット120の先端側が略水平の後方を向く角度位置において、左右の車輪130がキャビネットボックス10の後方に突出して配設されるとともに、各アーム部122の上縁がネジ受け部151に螺合支持されたアーム係止ネジ152の棒先部と整合して配設される。
そこで、支持ブラケット120の先端側が鉛直上方を向く角度位置で、収容位置掛止フック156を上方に揺動操作し、それぞれフック溝156cを係止ピン157に係合させてフック係止ネジ155を締め込むことで、車輪130をキャビネットボックス10の内方に収容した収容位置Bpに係止保持することができる。また支持ブラケット120の先端側が水平後方を向く角度位置で、アーム係止ネジ152をねじ込んでネジ先端の棒先部を繰り出させアーム部122の上縁に係合させることで、車輪130をキャビネットボックス10の後方に突出させた使用位置Cpに係止保持することができる。
使用位置Cpでは、キャビネットボックス10の後方に突出して配設された車輪130が底板15の底面よりも上方に位置しており、キャビネットボックス10を鉛直に正立させることで底板15の底面を接地させ、キャスター機構を有しない従来のスロットマシンと同様に機体を自立させることができる。またキャビネットボックス10を所定角度以上後方に傾けると車輪130が床面に接地しキャスター機構100によりスロットマシンSMを支持させることができる。各図に示すキャスター機構100では、キャビネットボックス10を後方に約10度傾斜させたときに車輪130が床面に接地し(以下、このようにキャビネットボックス10を後方に傾けたときに車輪130が接地する際のキャビネットボックス10の傾斜角を「接地傾斜角」という。)、この接地傾斜角以上の後傾姿勢においてスロットマシンSMの荷重がキャスター機構100に支持されるようになっている。
このため、スロットマシンSMを出荷する際に、背板開閉扉71を開放保持させてキャスター機構100を使用位置Cpに設定しておけば、以降の運搬過程では、スロットマシンSMを接地傾斜角を超えて後方に傾斜させることで、スロットマシンの荷重をキャスター機構100に支持させ、作業性のよい運搬姿勢でスロットマシンSMを容易に転がり運搬することができる。
例えば、運搬作業者がスロットマシンSMの背後に立ち、キャビネットボックス10の上部を掴んで後方に傾斜させてスロットマシンSMの荷重をキャスター機構100に支持させ、キャビネットボックス10の上部左右を軽く支えて機体を前方(フロントマスク20の方向)に押すことで、スロットマシンSMを機体の前面方向に容易に転がり運搬することができる。また同様にスロットマシンSMの荷重をキャスター機構100に支持させた状態で、機体を後方(背板17の背面方向)に引くことで、スロットマシンSMを機体の後方に転がり運搬することができる。このとき把持構造50のバーハンドル52を把持して引っ張り移動することで、作業者が進行方向を向いた前向きの歩行姿勢で容易に運搬することができる。このような運搬機構では、スロットマシンSMの荷重を左右のキャスター機構に支持させるとともに、機体の上部を軽く支えて前方または後方に移動させる形態のため、スロットマシンSMを安定して所望の方向に移動させることができる。
スロットマシンSMの運搬過程において、一旦スロットマシンを仮置きするような場合には、上記後傾姿勢から正立姿勢に起仰させるだけでよい。スロットマシンSMの傾斜角度が前述した所定角度未満になると車輪130が床面から離れ、正立姿勢では底板15の底面全体が接地してスロットマシンSMの荷重が底板15に支持され、従来のスロットマシンと同様に機体を安定的に自立させることができる。
このため、スロットマシンの出荷後遊技施設の設置枠台に固定されるまでの運搬過程では、スロットマシンSMを後傾させ、または起仰させるだけでキャスター機構100を利用した運搬と底板15に安定支持させた自立とを簡単に行わせることができ、仮置きをするたびに車輪130を収容位置Bpに切り換えたり車輪を着脱するような煩雑な作業を必要としない。なお使用位置Cpに設定する際に、収容位置掛止フック156を連結ロッド140に当接させてフック係止ネジ155を固定することにより、自立状態での連結ロッド140の浮き上がりを防止することができる。
一方、キャスター機構100を使用しないとき、例えば、製造工場内での組み立て工程や複数台のスロットマシンSMをパレットに積載して搬送するようなとき、あるいはスロットマシンSMを遊技施設の設置枠台に固定した後などには、車輪130を収容位置Bpに係止保持することができる。
収容位置Bpでは、車輪130がキャビネットボックス10の内側にコンパクトに収容され、必要に応じて背板開閉扉71を閉止保持させることができる(図1、図7、図8および図11を参照)。このため、例えば製造工場内の組み立て工程や、キャビネットボックス10の下部を保持するパレットに積載して搬送する際などに、車輪130が組立ラインの構成機器に当接したりパレットの支持部に当接したりすることがなく既存設備を有効に活用することができるとともに、背板開閉扉71を閉止保持させることでゴミや異物の混入あるいは悪戯行為等を防止することができる。また遊技施設においてもキャビネットボックス10の下部後方に位置する遊技島の設備機器等と干渉するおそれがなく、従来のスロットマシンと同様に取り扱うことができる。なお収容位置掛止フック156を設けない構成とした場合でも、図11に二点鎖線で付記するように、キャビネットボックス10の内部における収容位置Bp′に保持させることができる。
さらに、収容位置掛止フック156とフック係止ピン157との係合を解除して、連結ロッド140を上方に引き上げる簡単な操作で、左右の支持ブラケット120,120を一体的に取り外すことができ、図12に示すように、底板15の上方に広い空間を確保して他の用途に有効に活用することができる。
従って、以上説明した構成によれば、既存の工場設備や島設備(設置枠台の周辺設備)に影響を与えることなく、スロットマシンの搬出から設置に至る運搬作業の負担を軽減して作業性の良好な運搬機構を提供することができる。
なお、上記実施例では使用位置Cpにおいて車輪130が底板15の底面よりも上方に位置し、スロットマシンSMを正立させたときに車輪130が床面から浮き上がるように構成した例を示したが、使用位置において車輪130が底板15の底面と同一平面上に位置するように、換言すれば、スロットマシンSMを正立させたときに底板15の底面が床面に接地するとともに車輪130も同時に接地するように(すなわち接地傾斜角が0度になるように)構成してもよい。このような構成によれば、スロットマシンSMをわずかに後傾させるだけで転がり運搬でき、また前後方向の寸法が比較的薄型の箱型遊技機にあっては、遊技機を正立させたときの支持幅を底板単体の状態よりも増大させて自立姿勢の安定性を向上させることができる。
また実施例では、左右の支持ブラケットを支持するベース部材110を左右別体に形成し、これらをキャビネットボックス10の下部左右にそれぞれ固定する形態の構成例を示したが、左右両方の支持ブラケットを支持するベース部材(支軸フランジ112を左右の側部に有するベース部材)を一体に形成し、これをキャビネットボックス10の下部に取り付ける構成であってもよい。また支持ブラケットを使用位置Cpまたは収容位置Bpに係止保持する構造は、支持ブラケット120を直接係止する構成に限らず、例えば、連結ロッド140の回動を規制することにより支持ブラケットを間接的に係止する構成であってもよい。
さらに、キャビネットボックス10に対して前後方向に揺動変位可能に支持ブラケット120を設け、この支持ブラケットの先端部に前後方向に回動する車輪130を設けた構成を例示したが、キャビネットボックス10に対する支持ブラケットの変位形態は左右方向の揺動変位や前後方向へのスライド変位などにすることもでき、また転動体が前後方向にのみ回動する車輪やローラーのみならず、これらの車輪等を鉛直軸廻りにも回動自在に支持した形態(いわゆる自在タイプのキャスターを用いた形態)や、転動体が「球体」で任意方向に回動自在なボールキャスターを用いた形態などであってもよい。
さて、以上のようなキャスター機構を備えたスロットマシンSMにあって、スロットマシンを運搬する際、特に機体を後方に引っ張って転がり運搬する際に利便性の高い把持構造について、図13および図14に他の構成例を示しており、以下これらの把持構造について簡単に説明する。図13に示す把持構造60は、天板11の内側に下向きに突出するフック状のハンドル62を固設するとともに、指を入れるフィンガーポケット61を背板17に開口形成した、いわゆる埋め込み取っ手タイプの把持構造である。このような把持構造60によれば、簡明な構成で低コストに実施できることに加え、運搬作業者がハンドル62に指を掛け易く、かつキャビネットボックス10の上部位置を直接的に支持することでスロットマシンの姿勢変化を容易に制御することができる。
また図14に示す把持構造65は、天板11の後端部がU字状に切り欠かれて形成されたフィンガーポケット66と、フィンガーポケットの左右にザグリ加工されたハンドル取着部にねじ止めされたハンドル67とからなり、フィンガーポケット66に指を入れてハンドル67を把持するタイプの把持構造である。このような構成によれば、上記把持構造60と同様に簡明な構成で低コストに実施できることに加えて、把持構造65の各構成部品がキャビネットボックス10の内・外周および後方にも突出することがなく、キャビネットボックス内に収容される遊技構成部品や設置枠台の周辺部材等との関係で把持構造の配設スペースが限られるような遊技機でも、干渉や挟み込みなどを生じない把持構造を構成することができる。また、図中に二点鎖線で付記するように、ハンドル67を撓み変形容易な樹脂製のバンド等で形成し、使用時に後方に引き出して把持するように構成してもよい。
次に、背板開閉機構70における開放保持構造の他の構成例を図15に示しており、以下簡潔に説明する。この開放保持構造85′は、前述した開放保持構造85における左右の開放保持レバー86に換えて、背板17の背面中央部に開放保持金具87を設けた構成形態であり、図では、閉止保持構造80における操作フック81cに係止ピン81dを設けて誤操作を防止した形態を示す。
開放保持金具87は、背板17にねじ固定されるベース金具87aと、このベース金具87aに上下に揺動自在に支持される矩形枠状の係止金具87dとからなり、ベース金具87aは所定板厚の金属板材を係止金具87dの線径に合わせたΩ状にプレス成型することにより、係止金具87dは所定線径の金属線材を左右の脚部と係止ハンドル部とを有する矩形枠状に曲げ加工することにより、それぞれ図示する形状に形成される。
一方、背板17の背面中央部には、背板開閉扉71を上方に180度開いたときの背板開閉扉71の上縁高さおよび開放保持金具87の形状寸法に合わせて、開放保持金具87を取着する金具取付部17uがザグリ加工されており、ベース金具87aに係止金具87dを組み合わせてベース金具87aをねじ固定することで、ベース金具87aが背板17から後方に突出することなく取着され、係止金具87dが上下に揺動自在に支持されるようになっている。また背板開閉扉71には、背板開閉扉71を上方に180度転回した姿勢における係止金具87dの左右の脚部との整合位置に、これらの脚部を受容する係止金具受容スリット71d,71dが形成されている。
このため、背板開閉扉71を上方に180度転回した状態で、背板開閉扉71の上方から開放保持金具87を下方に揺動操作して左右の脚部を係止金具受容スリット71dに進入させ左右の脚部を繋ぐ係止ハンドル部を背板開閉扉71の前面に係合させることで、背板開閉扉71を開放姿勢に保持させることができる。また図15に示すように、係止ハンドル部を操作フック81cに設けられた係止ピン81dに係合させて開放姿勢に保持させることにより、例えばスロットマシンSMを移動運搬する過程で機体に上下方向の振動が作用したり、あるいは誤って係止金具87dに接触してしまったような場合であっても、係止金具87dの離脱を防止して背板開閉扉71を開放姿勢に保持させることができる。従って、以上説明したような開放保持構造85′を備えたスロットマシンにおいても前述した開放保持構造85を備えたスロットマシンSMと同様の効果を得ることができる。