JP2005245486A - 縦型遊技機用の運搬機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】 運搬作業の作業性を向上させた縦型遊技機用の運搬機構を提供する。
【解決手段】 遊技機本体を縦向きの立設姿勢で閉止保持する外枠10の下部に運搬機構が設けられる。運搬機構は車輪130を転動自在に支持する左右の支持ブラケット120と、左右の支持ブラケットを連結する連結ロッド140と、外枠の下部に設けられて左右の支持ブラケットを着脱可能に支持するベース部材110と、車輪130が外枠10の外方に突出された使用位置Cpに支持ブラケットを係止する係止構造155とを備え、連結ロッド140により連結された左右の支持ブラケット120をベース部材110に装着して使用位置Cpに係止したときに、左右の車輪130が外枠10の外方に突出して配設され、車輪130を接地させて前後方向に転がり運搬可能に構成される。
【選択図】 図8

Description

本発明は、上下左右の枠板を有して外郭方形の枠状に形成され、前方に開閉可能に連結された遊技構造体を縦向きの立設姿勢で閉止保持する基枠体を備えた縦型遊技機用の運搬機構に関する。
上記のような基枠体を備えた縦型遊技機としてパチンコ機やアレンジボール機、雀球遊技機などが広く知られている。この種の遊技機の代表例とされるパチンコ機では、上下左右の枠板が外郭方状に枠組みされた固定保持用の基枠体(外枠と称される)と、この基枠体の前側開口面域に合わせた方形状の前枠に多数の遊技部品が組み付けられて構成された遊技構造体(遊技機本体)とが、互いの一側縁に設けられた開閉連結支持機構を介して横開き開閉可能に連結され、他側縁に設けられた施錠装置を利用して基枠体の前面を覆う閉止姿勢に連結保持した状態で遊技に供される。
製造工場で基枠体と遊技構造体とを連結して完成されたパチンコ機は、一旦倉庫に保管された後、出荷要求に応じて倉庫から搬出してトラック等で遊技施設に運搬され、納入された遊技施設で島大工と称される専門業者により1台ずつ設置枠台にセットされて固定設置されている。ところが、基枠体と遊技構造体とが連結されたパチンコ機は、一般的に20kg程度の質量を有する重量物であり、かつ短時間のうちに多数のパチンコ機を取り扱う必要があることから、上記搬出作業やトラックから遊技施設への搬入作業、遊技施設内の移動作業などの各作業(運搬作業)は相当な重労働とされている。
このような背景のもと、重量物であるパチンコ機の運搬を補助する手段として、基枠体の左右の枠板に把持可能な把持部を設けた技術(例えば特許文献1)や、基枠体の外周部に複数のキャスターをそれぞれ着脱可能に設けた技術(例えば特許文献2)などが知られている。
特開2001−120804号公報 特開平10−295906号公報
しかしながら、例えば基枠体に把持部を設けた形態の技術では、パチンコ機を持ち上げる行為自体については幾分作業性が改善されるものの、パチンコ機を運搬する際に作業者がパチンコ機を持ち上げて全重量を支持しながら移動しなければならない点に差異がなく、運搬作業が重労働であることに変わりがなかった。
一方、基枠体の外周部に複数のキャスターをそれぞれ着脱可能に設けた形態の技術では、パチンコ機の荷重をキャスターに支持させることで、重量物を持ち上げ支持する負担を軽減することができる。しかし、キャスターを装着したままでは緩い傾斜をもった床面やトラックの荷台等に仮置きしたときにパチンコ機が転がり移動してしまう不具合があり、これを防ぐために移動と仮置きのたびに複数のキャスターを着脱しなければならないとすれば、着脱作業が煩雑で作業性がよくないという問題があった。
また、パチンコ機を機体の左右方向に転がり移動させるようなキャスターを設けた形態では、前後方向に薄型で高さが高いパチンコ機を安定的に運搬することが難しいという問題があった。すなわち、前後に転倒しやすいパチンコ機が移動中に倒れないように機体の上部を両手で挟み込むように支持したうえ、定まりにくい進行方向を、支持した両手で調整しながら手押し運搬しなければならず、多数のパチンコ機を運搬しなければならない作業者にとってかなり疲労を伴う作業になっていた。
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたものであり、とかく重労働とされる縦型遊技機の搬出から設置に至る各運搬作業の負担を軽減し、作業性の良好な運搬機構を提供することを目的とする。
上記目的達成のため、第1の本発明は、上下左右の枠板を有して外郭方形の枠状に形成され、前方に開閉可能に連結された遊技構造体を縦向きの立設姿勢で閉止保持する基枠体(例えば、実施形態における外枠10)を備えた縦型遊技機用の運搬機構であり、それぞれ転動体を転動自在に支持する左右の転動体支持部材(例えば、実施形態における支持ブラケット120,220)と、左右の転動体支持部材を連結する連結部材と、基枠体の下部に設けられて連結部材により連結された左右の転動体支持部材を着脱可能に支持するベース部材と、ベース部材に支持された左右の転動体支持部材を転動体が基枠体の外方に突出された使用位置に係止保持する係止構造(例えば、実施形態における係止ネジ155等)とを備え、連結部材により連結された左右の転動体支持部材をベース部材に装着して使用位置に係止したときに左右の転動体が基枠体の外方に突出して配設され、転動体を接地させて基枠体を支持させた状態で前後方向に転がり運搬可能に構成される。
また第2の本発明は、上下左右の枠板を有して外郭方形の枠状に形成され、前方に開閉可能に連結された遊技構造体を縦向きの立設姿勢で閉止保持する基枠体(例えば、実施形態における外枠10)を備えた縦型遊技機用の運搬機構であり、それぞれ転動体を転動自在に支持する左右の転動体支持部材(例えば、実施形態における支持ブラケット120,220)と、左右の転動体支持部材を連結する連結部材と、基枠体の下部に設けられ連結部材により連結された左右の転動体支持部材を転動体が基枠体の内方に収容された収容位置と基枠体の外方に突出させた使用位置とに変移可能に支持するベース部材と、ベース部材に支持された左右の転動体支持部材を使用位置に係止保持する係止構造(例えば、実施形態における係止ネジ155等)とを備え、連結部材により連結された左右の転動体支持部材を使用位置に係止したときに左右の転動体が基枠体の外方に突出して配設され、転動体を接地させて基枠体を支持させた状態で前後方向に転がり運搬可能に構成される。
なお第1または第2の本発明における使用位置では、基枠体の外方に突出された左右の転動体が基枠体の底面と同一面または底面よりも上方に位置して前記基枠体の後方に配設され、基枠体を正立させた状態において基枠体の底面が接地して基枠体が立設姿勢で支持される一方、基枠体を後方に傾けた状態においては左右の転動体が接地して基枠体が支持され、当該後傾姿勢で転がり運搬可能に構成することが好ましい。
上記第1の本発明に係る運搬機構では、転動体を支持する左右の転動体支持部材が連結部材により連結され、連結された左右の転動体支持部材が一体として基枠体下部のベース部材に着脱可能に支持される。このため、複数のキャスターを個々に着脱する場合と比較して着脱に要する作業工数を半分以下に削減することができ、キャスターの着脱に伴う作業の繁雑さを改善することができる。また、この運搬機構では左右の転動体支持部材を使用位置に係止し転動体を接地させて基枠体を支持させた状態で、前後方向に転がり運搬することができる。このため、運搬作業者は、遊技機の前面または背面と対向する前向きの運搬姿勢で、比較的幅がある縦型遊技機の上部左右を支えて、機体を安定的に、かつ容易に手押し運搬することができ、あるいは遊技機に背を向けた運搬姿勢で縦型遊技機の上部中央を支え、機体を安定的に、かつ容易に引っ張り運搬することができる。従って、本構成によれば、縦型遊技機の搬出から設置に至る各運搬作業の負担を軽減し、作業性の良好な運搬機構を提供することができる。
また上記第2の本発明に係る運搬機構では、転動体を支持する左右の転動体支持部材が連結部材により連結され、連結された転動体支持部材の左右の転動体が基枠体の内方に収容された収容位置と基枠体の外方に突出させた使用位置とに一体的に変移可能に支持される。このため、このため、運搬機構を使用するときに転動体支持部材を使用位置に係止保持させ、運搬機構を使用しないときに転動体支持部材を収容位置に変移させることで、作業負担を軽減した使用状態と転動体をコンパクトに収容した収容状態とを容易に切り換えることができ、キャスターの着脱に伴う作業の繁雑さを解消することができる。また左右の転動体を同時に使用位置と収容位置とに切り換え得ることができるため、切り換え作業の工数をも削減して作業性の良好な運搬機構を提供できる。さらに、左右の転動体に基枠体を支持させた状態で前後方向に転がり運搬することができるため、運搬作業者は、遊技機の前面または背面と対向する前向きの運搬姿勢で、比較的幅がある縦型遊技機の上部左右を支えて、機体を安定的に、かつ容易に手押し運搬することができ、あるいは遊技機に背を向けた運搬姿勢で縦型遊技機の上部中央を支え、機体を安定的に、かつ容易に引っ張り運搬することができる。従って、本構成によれば、縦型遊技機の搬出から設置に至る各運搬作業の負担を軽減し、作業性の良好な運搬機構を提供することができる。
なお、使用位置における転動体の配設位置を機枠体後方における底面以上の高さ位置とし、基枠体を正立させた状態では基枠体の底面が接地して立設姿勢で支持される一方、基枠体を後方に傾けた状態では左右の転動体が接地して基枠体が支持され、当該後傾姿勢で転がり運搬可能に構成することで、遊技機の運搬過程で転動体を使用位置に設定しておけば、基枠体を後方に傾けるだけで遊技機の重量を転動体に支持させることができ、基枠体の上部を支えて容易にかつ安定的に転がり運搬することができる。また、転動体が使用位置に設定されている状態であっても、基枠体を正立させることで基枠体の底面を接地させて自立させることができるため、緩い傾斜をもった床面上に仮置きしても遊技機が自ら転がり移動してしまうようなことがない。さらに、遊技機の完成時に転動体を使用位置に設定しておけば、遊技施設の設置枠台に固定するまでの運搬過程では遊技機を傾斜させまたは正立させるだけで転動体支持と底板による安定支持とを行わせることができ、移動と仮置きのたびに転動体を着脱しまたは使用位置と収容位置とに切り換える必要がない。従って、本構成によれば、縦型遊技機の搬出から設置に至る各運搬作業の負担をさらに軽減し、作業性の良好な運搬機構を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。本発明に係る運搬機構を備えた縦型遊技機の代表例として、図1の(a)図および(b)図にパチンコ機の正面図および背面図を示しており、まずこの図面を参照してパチンコ機PMの全体構成について要約説明する。
パチンコ機PMは、外郭方形枠サイズに構成されて縦向きの固定保持枠をなす外枠10の前面に、外枠10の前側開口面域に合わせた方形枠サイズに形成された開閉搭載用の前枠20が、互いの正面左側上下に配設された開閉連結支持機構1,2により前方に横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側に設けられた施錠装置3を利用して常には外枠10と係合された閉鎖状態に保持される。
外枠10は、木材や樹脂材等で成形加工された複数本の定形尺の枠板部材、すなわち上下の枠板11,14および左右の枠板12,13を直角に枠組み連結するとともに、各隅角部に所要の補強金具を固定して外郭方形の枠状に構成される。下枠板14は、底板15の上面前縁に沿って支持台板としての幕板16が、左右の枠板12,13間に亘って連結されて頑強な耐久強度を有する構造とされ、その上部に必要に応じて補強連杆17が連結固定される。なお外枠10の外形寸法は、一般的に縦約81cm、横約51cm、前後約7cm程度(底板は約9cm程度)、各枠板の板厚は約19mm程度である。
一方、前枠20は、樹脂材料や木材等を用いて外枠10の前側開口面域に合わせた若干小型の方形枠サイズに形成されており、パチンコ機PMの遊技構成部品を搭載する開閉搭載枠とされる。前枠20の上部には前面域に合わせた方形状のガラス扉4および上球皿6がともに横開き開閉および着脱可能に組み付けられるとともに、上球皿6の下側には遊技球を貯留する下球皿7および発射ハンドル8が取り付けられ、発射ハンドル8の裏側には遊技球を発射する遊技球発射装置9が装備されている。前枠20の裏面側に形成された収容枠には所定のゲージ設定で構成された遊技盤5が着脱可能にセット保持され、その背後に球貯留タンクや賞球払出機構等を有する裏セット盤30が後方に横開き開閉および着脱可能に装備されている。裏セット盤30の各部には主制御基板やターミナル基板等の各種回路基板や電子部品などが取り付けられ、遊技盤5、前枠20および裏セット盤30の各機器が図示省略するコネクタケーブルで接続されて、実質的な遊技機本体をなす遊技構造体PSが構成される。
そして上下の開閉連結支持機構1,2は、一般的な形態として外枠10および前枠20の左側縁に固定されて互いに整合し得る補強兼用のヒンジ金具1a,1b、2a,2bの軸ピンと軸孔との嵌挿ヒンジ形態とされる。また幕板16の上面およびこれと位置整合する前枠20の下面には、上下のヒンジ金具1,2に片持ち支持された遊技構造体PSを閉鎖姿勢で水平に安定支持するための受け金具18および座部28が設けられている(図5および図6を参照)。これにより遊技構造体PSが、開閉連結支持機構1,2を利用して外枠10に着脱および前方への横開き開閉が可能に連結され、右側縁に設けられた施錠装置3により縦向きの立設姿勢で安定的に閉止保持されて一体のパチンコ機PMが形成される。
以上のように概要構成されるパチンコ機PMにあって、外枠10の上部に把持構造50が設けられ、下部にキャスター機構100が設けられている。以下では、まず図2および図3を参照して把持構造50について説明する。なお図2は把持構造50を斜め上方から透視して見た斜視図、図3は把持構造50の側面図である。
把持構造50は、外枠10における上枠板11の下面中央部に止着されたハンドルベース51と、このハンドルベース51にスライドおよび揺動自在に取り付けられたバーハンドル52を主体として構成される。
ハンドルベース51は、プレート部51aと、このプレート部51aの左右側部が直角に屈曲されて上方に延びる支持辺部51b,51b、および支持辺部の端部がさらに左右外方に直角に折り曲げられて形成された固定辺部51d,51dなどからなり、左右の支持辺部51b,51bにはバーハンドル52の線径よりもわずかに大きめの溝幅で前後に延びる長孔状の支持孔51c,51cが形成され、固定辺部にはハンドルベース51を上枠板11にねじ止めするためのネジ挿通孔が複数穿設されている。ハンドルベース51は、例えば板厚1.6〜2.3mm程度の鋼板を打ち抜きおよび曲げ加工して図示する形状に成形し、所要の表面処理を施して形成される。
バーハンドル52は、中央の把持部52aと、この把持部の左右側部が直角に折り曲げられて左右平行に延びる脚部52b,52b、および左右の脚部の端部がさらに左右外方に直角に折り曲げられて把持部52aと平行に延びる係合軸部52c,52cなどからなり、例えば線径6〜10mm程度のみがき鋼棒ないしステンレス鋼棒を曲げ加工し、必要に応じて所要の表面処理を施して形成される。バーハンドル52の左右の脚部52b,52bの外幅寸法は、ハンドルベース51における左右の支持辺部51b,51bの内幅寸法よりも幾分小さめに設定されるとともに、脚部52bの長さは係合軸部52cを支持孔51cの溝前端に係合させた状態で、把持部52aがプレート部51aの後端部からわずかに突出して指掛け容易に配設される寸法になっている。
バーハンドル52は、ハンドルベース51の左右の支持孔51c,51cに左右の係合軸部52c,52cをそれぞれ通して係合させ、支持辺部51b,51bの外側に突出した係合軸部に係止リング53,53をカシメ固着することでハンドルベース51に取り付けられ、支持孔51c,51cと係合軸部52c,52cとの係合により、支持孔51c,51cの延びる方向(前後方向)にスライド移動自在、および係合軸部52c,52cの軸線を揺動軸として揺動自在に支持される。
そして、ハンドルベース51を上枠板11の下面側中央部に位置合わせし、固定辺部51d,51dの下側からネジ挿通孔にビスを挿通してねじ止めすることで、外枠10の上部中央に把持構造50が形成される。
こうして形成された把持構造50では、図3中に二点鎖線で示すように、バーハンドル52を前方にスライドさせて係合軸部52cを支持孔51cの溝前端に係合させて配設したときに、バーハンドル52がハンドルベースのプレート部51aと上枠板11との間の収容空間内に収容され、後端の把持部52aがプレート部51aの後縁に沿って配設される。また上枠板11は把持構造近傍の後縁面が前方にアーチ状に切り欠かれており、把持部52aを容易に引き出し操作できるようになっている。
一方、把持構造50を利用するときには、図3中に実線で示すように、把持部52aに指を掛けてバーハンドル52を後方にスライドさせ、係合軸部52cが支持孔51cの溝後端に係合するまで引き出す。すると把持部52aが外枠10から後方に突出して上下に揺動可能に配設され、運搬作業者はこの把持構造50を利用してパチンコ機PMを容易に運搬することができる。なお、把持構造50を利用したパチンコ機の運搬操作については、次述するキャスター機構の作用とともに詳述する。
次に、外枠10の下部に設けられた左右のキャスター機構の構成について、図4〜図6の各図を参照して説明する。ここで、図4は背面視右側のキャスター機構を分解状態で示す斜視図、図5はキャスター機構100の背面図、図6はキャスター機構100の平面図である。
なお、以降ではパチンコ機PMを後方から見た状態を主として説明するため、図1(b)および図5に示す背面図における左右方向をもって左側・右側と称して説明する。また各図には、左右対称に構成したキャスター機構を底板15の左右に各1個ずつ配設した構成例を示しており、説明の便宜上から両者を区別して説明する場合には、背面視における左側のキャスター機構およびその構成部材に添え字「L」を付して100L,110Lのように、右側のキャスター機構およびその構成部材に添え字「R」を付して100R,110Rのように示す。また左右のキャスター機構100Lおよび100Rは、同時に使用位置または収容位置に設定されるが、両方の位置関係を明示的に示すため、図5および図6では便宜的に左側のキャスター機構100Lを使用位置、右側のキャスター機構100Rを収容位置に配設した状態で示している。
左右の各キャスター機構100L,100Rは、それぞれ車輪130を前後方向に回動可能に支持する支持ブラケット120、左右の支持ブラケット120を連結する連結ロッド140、外枠10の下部に設けられて連結ロッド140により連結された左右の支持ブラケット120を着脱および前後に揺動可能に支持するベース部材110、ベース部材110に支持された支持ブラケット120を使用位置Cpに係止保持する係止構造150(ネジ受け部152、係止ネジ155)などからなり、連結ロッド140により連結された左右の支持ブラケット120をベース部材110に装着して使用位置Cpに係止したときに、左右の車輪130が外枠10の後方に突出して配設され、車輪130を接地させて外枠10を支持させた状態で前後方向に転がり運搬可能に構成される。
ベース部材110(110L,110R)は、それぞれ平坦なプレート部111と、このプレート部における左右中央寄りの側部が直角に曲げ起こされて上方に延びる支軸フランジ112、プレート部111の前端部が直角に曲げ起こされ幕板16に沿って上方に延びる前方フランジ116などからなり、左右のベース部材110L,110Rが左右対称に構成される。ベース部材110は、例えば板厚2.3〜3.2mm程度の鋼板をプレス成形して各図に示す形状に加工成形し、ユニクロメッキ等の所要の表面処理を施して形成される。
支軸フランジ112には、上下に延びて上端が開放された支軸溝112aが設けられ、その後方には溶接ナットを利用したネジ受部152が設けられている。支軸溝112aは、連結ロッド140の外径よりもわずかに大きめの溝幅を有して上下に延び、上端部には連結ロッド140の装着を容易化する受容テーパが上向きに開いて形成されている。ネジ受け部152は、支持ブラケット120が使用位置Cpに配設されたときのアーム部122の上縁の高さ位置を基準として設けられ、螺合支持した係止ネジ155先端の棒先部をアーム部122の上方に繰り出させて係止可能に構成されている。またプレート部111および前方フランジ116には、木ねじを挿通させるサラモミ穴形態のネジ挿通孔が形成されている。
ネジ受け部152には、支持ブラケット120を収容位置に係止する収容位置掛止フック156が取り付けられる。収容位置掛止フック156は、細長い帯板状の中間部分がネジ受け部152のナットの厚さに合わせて曲折されクランク状に形成されたアーム部156aと、このアーム部156aの基端側に係止ネジ155の外形よりも幾分大きめの内径を有して穿設されたネジ挿通孔156b、アーム部156aの先端側に支持ブラケット120における係止ピン151の外形よりも幾分大きめの溝幅を有して形成されたフック溝156c、およびアーム部156aの側縁が一部延出されるとともにアーム部と直交方向に折り曲げられて形成された指掛け部などからなり、例えば、板厚1.2〜1.6mm程度の鋼板を打ち抜きおよび曲げ成型して図示する形状に形成される。収容位置掛止フック156は、ネジ挿通孔156bに係止ネジ155を挿通してネジ受け部152に螺合することで、支軸フランジ112に前後方向に揺動可能に支持され、係止ネジ155を締め込むことで任意の角度位置に固定可能に取り付けられる。
一方、底板15におけるキャスター機構100の取付部では、底板15の上面がベース部材110の板厚分ザグリ加工されて金具取り付け座101が形成されており、ベース部材の取付位置を明示するとともに、ベース部材110を取り付けたときにプレート部111の上面が突出することなく底板15の上面と一致してフラットになるように構成されている。
ベース部材110を底板15に取着する際には、左右のベース部材110L,110Rを各支軸フランジ112が内側になるように左右の取り付け座101に載置する。そして前端の前方フランジ116を幕板16に突き当てることで、各ベース部材110が前後および左右方向に位置決めされ、プレート部111および前方フランジ116のネジ挿通孔に木ねじを挿通してねじ込むことで、底板15の上面に位置決めされた状態でネジ固定される。
支持ブラケット120は、一対のアーム部121,122と、これらのアーム部を車輪130におけるボス部130aの厚さに合わせた内面間隔を隔てて平行に保持する円筒状のカラー123および補強ロッド124等からなり、左右のアーム部121,122の間にカラー123および補強ロッド124を挟んでこれらをカシメ固着または溶着することで一体に構成される。
カラー123の内径は連結ロッド140の外形よりもわずかに大きめに形成され、その左右に固着されたアーム部121,122には、カラー123に連結ロッド140を挿通させるロッド挿通孔が形成されている。またアーム部121,122の先端側には、車軸135の外径よりもわずかに大きめの内径を有する車軸孔が穿設され、左右のアーム部がカラーの左右に固着されて一体化された状態で同一軸上に配設される。一方のアーム部122には、円盤状の頭部を有する係止ピン151が側方に突出してカシメ固着されている。係止ピン151の固着位置は、支持ブラケット120を収容位置Bpに配設した状態における収容位置掛止フック156のフック溝156cの揺動軌跡に合わせて設定される。支持ブラケット120は、上述したベース部材110と同様の板金材料を用い同様の成形手段で形成される。
車輪130は、中心に円筒状のボス130aを、外周に円環状の接地輪130bを有する車輪であり、図ではボス130aと接地輪130bとの間を所定厚さの平板で結んだいわゆるディッシュタイプの車輪を示す。ボス130aの軸心には車軸135の外径よりもわずかに大きめの内径を有する車軸孔がボス130aを貫通して形成されている。接地輪130bの外周面(接地面)は曲率を有するタイコ状に形成されており、その場所での旋回(スピンターンやピボットターン)を含む小さい旋回半径で自由な方向への移動、すなわち小回りの効く転がり移動を可能に構成している。車輪130は樹脂材料または金属材料の何れも利用できるが、例えば、ナイロンやポリウレタン等の樹脂材料を用いて射出成型等の成形手段により一体に形成される。
車輪130は、ボス130aを左右のアーム部121,122の間に緩挿して各車軸孔を連通状態に位置決めし、薄平リベット形態の車軸135を一方のアーム部側から他方のアーム部側に挿通させて先端をカシメることで、支持ブラケット120に回動自在に枢結される。なお、補強ロッド124は、車輪130を枢結したときに接地輪130bの外周面と軽く接触する位置に固着されており、車輪130を外枠10の後方に突出させた使用位置で外枠10を後方に傾けたときに、車輪130が空転して外枠10の下部が前方に逃げ、パチンコ機PMが安易に転倒してしまわないようになっている。
連結ロッド140は、左右の支持ブラケット120を連結して一体化する棒部材であり、その長さ寸法はベース部材110L,110Rにおける支軸フランジ112,112の外側に各支持ブラケット120,120を配設したときの、外側のアーム部121,121の外面間隔よりも幾分長めの寸法に形成されている。連結ロッド140は、例えば、所定線径のみがき鋼棒を上記寸法に切断し所要の表面処理を施して形成される。
車輪130が枢結された支持ブラケット120,120は、それぞれ係止ピン151が枢結されたアーム部122を内向きとして、カラー123を連結ロッド140の左右の端部に嵌挿し、相互に対向するアーム部122,122の内面間隔が左右のベース部材における支軸フランジ112,112の外面間隔よりもわずかに大きめの間隔となる左右位置に支持させる。そして左右の支持ブラケット120,120の先端側が軸線に対して同一のラジアル方向を向く角度位置(同一位相)にセットし、カラー123,123をカシメることにより、左右の支持ブラケット120,120と連結ロッド140とが一体に連結される。
このように連結された左右の支持ブラケット120,120は、左右の固定金具110L,110Rに一体的に着脱することができる。装着は、例えば連結ロッド140の中央部を把持して左右の支持ブラケット120,120を支軸フランジ112,112の外側に位置させ、連結ロッド140を左右の支軸溝112a,112aの受容テーパ部に位置合わせして上端から挿入し、連結ロッド140を下動させて溝下端部に係合させることで行われる。
連結ロッド140が、支軸溝112a,112aの底部まで嵌入されると、左右の支持ブラケット120,120は、支軸フランジ112,112の左右外側に位置して連結ロッド140の軸廻りに前後方向に揺動可能に支持され、車輪130,130が補強連杆17に当接して支持ブラケット120,120の先端側が鉛直上方を向く角度位置と、アーム部121,122の下縁がプレート部111の上面と係合して支持ブラケット120,120の先端側が略水平の後方を向く角度位置との間で、一体的に揺動変位可能に支持される。
そして支持ブラケット120をこの角度範囲で揺動させると、支持ブラケット120の先端側が鉛直上方を向く角度位置において、左右の車輪130が外枠10の内方に収容されるとともに、各アーム部122に固着された係止ピン151が収容位置掛止フック156に形成されたフック溝156cの揺動半径上に位置して配設される。また支持ブラケット120の先端側が略水平の後方を向く角度位置において、左右の車輪130が外枠10の後方に突出して配設されるとともに、各アーム部122の上縁がネジ受け部152に螺合支持された係止ネジ155の棒先部と整合して配設される。
そこで、支持ブラケット120の先端側が鉛直上方を向く角度位置で、収容位置掛止フック156を上方に揺動操作し、それぞれフック溝156cを係止ピン151に係合させて係止ネジ155を締め込むことで、車輪130を外枠10の内方に収容した収容位置Bpに係止保持することができる(図9を併せて参照)。また支持ブラケット120の先端側が水平後方を向く角度位置で、係止ネジ155をねじ込んでネジ先端の棒先部を繰り出させアーム部122の上縁に係合させることで、車輪130を外枠10の後方に突出させた使用位置Cpに係止保持することができる(図8を併せて参照)。
使用位置Cpでは、外枠10の後方に突出して配設された車輪130は、上下方向の高さ位置において底板15の底面よりも上方に位置しており、外枠10を鉛直に正立させることで底板15の底面を接地させ、キャスター機構を有しない従来のパチンコ機と同様に機体を自立させることができる。また外枠10を所定角度以上後方に傾けると車輪130が床面に接地しキャスター機構100によりパチンコ機PMを支持させることができる。各図に示すキャスター機構100では、図7および図8にキャスター機構の使用状態を側面図で示し、両図に二点鎖線で傾斜初期の状態を付記するように、外枠10を後方に5度程度傾斜させたときに車輪130が床面に接地し、当該角度(以下、このように外枠10を後方に傾けたときに車輪130が接地する際の外枠10の傾斜角を「接地傾斜角」という。)以上の後傾姿勢においてパチンコ機PMの荷重がキャスター機構100に支持されるようになっている。
このため、パチンコ機PMを出荷する際にキャスター機構100を使用位置Cpに設定しておけば、以降の運搬過程では、図7に示すようにパチンコ機PMを接地傾斜角を超えて後方に傾斜させることで、キャスター機構100を利用してパチンコ機PMを転がり運搬することができる。
例えば、運搬作業者がパチンコ機PMの背後に立ち、外枠10の天板11または左右の枠板12,13を把持して外枠10を後方に傾斜させ、パチンコ機PMの荷重をキャスター機構100に支持させた状態で機体を前方(ガラス扉4の前面方向)に押すことで、パチンコ機PMを機体の前面方向に容易に転がり運搬することができる。またパチンコ機PMを後傾してパチンコ機PMの荷重をキャスター機構100に支持させた状態で機体を後方(裏セット盤30の背面方向)に引くことで、パチンコ機PMを機体の後方に転がり運搬することができる。このとき把持構造50のバーハンドル52を把持して引っ張り移動することで、作業者が進行方向を向いた状態で容易に運搬することができる。そしてこのような運搬機構では、パチンコ機PMの荷重を左右のキャスター機構に支持させるとともに機体の上部を軽く支えて機体の前方または後方に移動させる形態のため、前後方向の幅が薄く背が高いパチンコ機を安定して所望の方向に移動させることができる。
パチンコ機PMの運搬過程でパチンコ機を仮置きするような場合には、上記後傾姿勢から機体を起仰させるだけでよい。パチンコ機PMの傾斜角度が前述した所定角度未満になると車輪130が床面から離れ、鉛直姿勢では底板15の底面全体が接地してパチンコ機PMの荷重が底板15に支持され、従来のパチンコ機と同様に機体を安定的に自立させることができる。このため、パチンコ機の出荷後、設置枠台に固定されるまでの運搬過程では、パチンコ機PMを後傾させ、または立てるだけでキャスター機構を利用した運搬と底板に安定支持させた自立とを簡単に行わせることができ、仮置きをするたびに車輪130を収容位置Bpに切り換えたり車輪を着脱するような煩雑な作業を必要としない。なお使用位置Cpに設定する際に、収容位置掛止フック156を連結ロッド140に当接させて係止ネジ155を固定することにより、自立状態での連結ロッド140の浮き上がりを防止することができる。
またキャスター機構100では、使用位置Cpを、車輪130のほぼ全体が外枠10の後方に突出した低い位置に設けることで、接地傾斜角を約5度という小さな角度に設定している。このため接地傾斜角の角度位置、すなわち図8中(および図7中)に二点鎖線で付記するように、左右の車輪130と底板15の後端縁部をともに接地させた状態でパチンコ機PMを立設保持させることも可能になっており、例えば運搬途中で移動を一旦停止するようなときに、パチンコ機を接地角度位置に立設させることで機体を支える力を緩めることができ、作業者の労力軽減と迅速な運搬とを両立した構成になっている。
一方、キャスター機構100を使用しないとき、例えば、製造工場内での組み立て工程や複数台のパチンコ機PMをパレットに積載して搬送するようなとき、あるいはパチンコ機PMが遊技施設の設置枠台に固定された後などには、図9に収容位置Bpに設定したキャスター機構100の側面図を示すように、車輪130を外枠10の内方に収容した収容位置Bpに設定することができる。
収容位置Bpでは、支持ブラケット120の先端側が鉛直上方を向き左右の車輪130が底板15の上方に位置して外枠10の内方にコンパクトに収容された状態で係止保持される。このため、例えば製造工場内の組み立て工程や、外枠10の下部左右を対向する凹溝状の支持部で保持するパレットに積載して搬送する際などに、車輪130が組立ラインの構成機器に当接したりパレットの支持部に当接したりすることがなく、既存設備を有効に活用することができる。また遊技施設においても外枠10の下部後方に位置する遊技島の設備機器等と干渉するおそれがなく、従来のパチンコ機と同様に取り扱うことができる。
さらに、係止ピン151と収容位置掛止フック156との係合を解除して、連結ロッド140を上方に引き上げる簡単な操作で、左右の支持ブラケット120,120を一体的に取り外すことができ、図10に支持ブラケット120を取り外した状態の側面図を示すように、底板15の上方に広い空間を確保して他の用途に有効に活用することができる。
従って、以上説明した構成によれば、既存の工場設備や島設備(設置枠台の周辺設備)に影響を与えることなく、パチンコ機の搬出から設置に至る運搬作業の負担を軽減して作業性の良好な運搬機構を提供することができる。
なお、上記実施例では、使用位置Cpにおいて車輪130が底板15の底面よりも上方に位置し、パチンコ機PMを正立させたときに車輪130が床面から浮き上がるように構成した例を示したが、使用位置において車輪130が底板15の底面と同一平面上に位置するように、換言すれば、パチンコ機PMを正立させたときに底板15の底面が床面に接地するとともに車輪130も同時に接地するように(すなわち接地傾斜角が0度になるように)構成してもよい。このような構成によれば、パチンコ機PMをわずかに後傾させるだけで転がり運搬できることに加えて、パチンコ機を正立させたときの前後方向の支持幅を底板単体のときよりも増大させることができ、自立状態(仮置き状態)の安定性をさらに向上させることができる。
次に、キャスター機構の他の構成例を図11に示しており、このキャスター機構200について簡潔に説明する。キャスター機構200は、外枠10における下部左右の角部に設けられており、図11ではこのうち右側のキャスター機構を分解斜視図で示している。なお、キャスター機構200についても左右対称に構成されており、添え字「L」「R」を省略するとともに、上述したキャスター機構100と同様の構成部分には同一の番号を付して重複説明を省略する。
キャスター機構200は、車輪130を前後方向に回動可能に支持する支持ブラケット220、左右の支持ブラケット220を連結する連結ロッド140、隣接する側方の枠板と底板15とを繋いで固定され、連結ロッド140により連結された左右の支持ブラケット220を着脱および前後に揺動可能に支持するベース部材210、ベース部材210に支持された支持ブラケット220を使用位置Cpに係止保持する係止構造250(ネジ受け部252、係止ネジ155)などからなり、連結ロッドにより連結された左右の支持ブラケット220をベース部材210に装着して使用位置Cpに係止したときに、左右の車輪130が外枠10の後方に突出して配設され、車輪130を接地させて外枠10を支持させた状態で前後方向に転がり運搬可能に構成される。
ベース部材210は、平坦なプレート部211と、このプレート部211における左右中央寄りの側部が直角に曲げ起こされて上方に延びる支軸フランジ212、プレート部211における左右外側の側部が直角に曲げ起こされて側方の枠板13(12)に沿って延びる側方フランジ216などからなり、左右のベース部材(210L,210R)が左右対称に構成される。ベース部材210はそれぞれ外枠10の左右の角部に設けられ、プレート部211および側方フランジ216をそれぞれ底板15および枠板13(12)に木ねじやリベット等で固定することで、底板15と側方の枠板とを強固に連結固定し、外枠10の枠組みを補強する補強金具としての機能を兼ね備えた構成になっている。
支軸フランジ212には、上下に延びて上端が開放された支軸溝212aが設けられ、その後方にはカシメナットを利用したネジ受部252が設けられている。支軸溝212aは、連結ロッド140の外径よりもわずかに大きめの溝幅を有して上下に延び、上端部には連結ロッド140の装着を容易化する面取り部が形成されている。ネジ受け部252は、支持ブラケット220が使用位置Cpに配設されたときのアーム部222の上縁の高さ位置を基準として設けられ、螺合支持した係止ネジ155先端の棒先部をアーム部222の上方に繰り出させて係止可能に構成されている。
支持ブラケット220は、内幅寸法が車輪130におけるボス部130aの厚さに合わせて左右平行のコの字状に折り曲げ形成された一対のアーム部222,222と、アーム部の基端側に左右のアーム部を繋いで固着されたカラー123とからなり、左右のアーム部にはカラー123に連結ロッド140を挿通させるロッド挿通孔が形成されている。またアーム部222,222の先端側には、車軸135を挿通させて車輪130を枢結する車軸孔が同一軸上に配設される。なお連結ロッド140の基本構成は前出した連結ロッドと同様であるが、長さ寸法については左右のベース部材210の配設位置に合わせて形成されている。
支持ブラケット220は、各支持ブラケット220の先端側にそれぞれ車輪130を枢結したうえで、前述したキャスター機構100における支持ブラケット120と同様に連結ロッド140に一体に固着される。すなわち、各支持ブラケット220のカラー123を連結ロッド140の左右の端部に嵌挿し、相互に対向する左右の支持ブラケット220の内面間隔が左右のベース部材における支軸フランジ212の外面間隔よりもわずかに大きめの間隔となる左右位置に左右同一の角度位置(同一位相)でセットして、各カラー123をカシメることにより、左右の支持ブラケット220と連結ロッド140とが一体に連結される。
左右一体に連結された支持ブラケット220は、左右の固定金具210に一体的に着脱することができ、左右の支持ブラケット220を支軸フランジ212の外側に位置させて、連結ロッド140を左右の支軸溝212aに嵌入し溝下端部に係合させることで行われる。連結ロッド140が支軸溝212aの底部まで嵌入されると、左右の支持ブラケット220は、支軸フランジ212の左右外側に位置して連結ロッド140の軸廻りに前後方向に揺動可能に支持され、支持ブラケット220の先端側が略鉛直上方を向く角度位置と、アーム部222の下縁がプレート部211の上面と係合して支持ブラケット220の先端側が水平後方を向く角度位置との間で、一体的に揺動変位可能に支持される。
そして支持ブラケット220の先端側が鉛直上方を向く角度位置において、左右の車輪130が外枠10の内方に収容されるとともに、ネジ受け部252に螺合された係止ネジ155がアーム部222の側縁の後方に繰り出し可能な状態になる。また支持ブラケット220の先端側が水平後方を向く角度位置において、左右の車輪130が外枠10の後方に突出して配設されるとともに、ネジ受け部252に螺合された係止ネジ155がアーム部222の上縁よりもわずかに上方に位置して繰り出し可能な状態になる。そこで支持ブラケット220の先端側が鉛直上方を向いた角度位置で係止ネジ155を繰り出すことで、車輪130を外枠10の内方に収容した収容位置Bpに保持させることができ、また支持ブラケット220の先端側が水平後方を向いた角度位置で係止ネジ155を繰り出すことで、車輪130を外枠10の後方に突出させた使用位置Cpに係止することができる。
収容位置Bpおよび使用位置Cpは、前述したキャスター機構100における各位置と略同様であり、使用位置Cpでは、外枠10の後方に突出して配設された車輪130が底板15の底面よりも上方に位置し、外枠10を鉛直に正立させることで底板15の底面を接地させてパチンコ機PMを自立させることができ、外枠10を所定角度以上後方に傾けると車輪130が床面に接地してキャスター機構200によりパチンコ機PMを支持させることができる。
このため、パチンコ機PMを出荷する際にキャスター機構200を使用位置Cpに設定しておけば、以降の運搬過程では、図7に示したようにパチンコ機PMを後方に傾斜させることで、キャスター機構200を利用してパチンコ機を前方または後方に転がり運搬することができ、またパチンコ機を後傾姿勢から鉛直に立てるだけで機体を安定的に自立させることができる。このため、パチンコ機の出荷後、遊技施設の設置枠台に固定されるまでの運搬過程で、パチンコ機PMを後傾させ、または立てるだけでキャスター機構200を利用した運搬と底板15に安定支持させた自立とを簡単に行わせることができ、仮置きをするたびに車輪130を収容位置Bpに切り換えたり車輪を着脱するような煩雑な作業を必要としない。
一方、キャスター機構200を使用しないときには、車輪130を収容位置Bpに設定することで、車輪130を外枠10の内方にコンパクトに収容保持させることができる。このため、例えば製造工場内の組み立て工程やパレットに積載して搬送する際などに、車輪130が組立ラインの構成機器に当接したりパレットの支持部に当接したりすることがなく、既存設備を有効に活用することができる。また遊技施設においても外枠10の下部後方に位置する遊技島の設備機器等と干渉するおそれがなく、従来のパチンコ機と同様に取り扱うことができる。また、連結ロッド140を上方に引き上げることで、左右の支持ブラケット220を一体的にかつ簡単に取り外すことができ、これにより底板15の上方の空間を有効に活用することができる。
従って、本構成のキャスター機構200においても、既存の工場設備や島設備に影響を与えることなく、パチンコ機PMの搬出から設置に至る運搬作業の負担を軽減して作業性の良好な運搬機構を提供することができ、併せて外枠10の強度を向上させた縦型遊技機を提供することができる。
なお、キャスター機構100(200)に、図12に示すようなロック機構170を設ける構成とすることもできる。このロック機構170は、左右の枠板12,13にねじ止めされた掛止ブラケット171と、この掛止ブラケット171に係合支持されて下垂する固定ロッド175とからなる。掛止ブラケット171には、上下および前方に延びるL字状のガイド溝171cが形成され、固定ロッド175の上端に固着されてガイド溝171cに係着された係合ピン175cを介して、固定ロッド175がガイド溝171cに沿った上下・前後方向にスライド変移可能および係合ピン175cの軸廻りに揺動可能に支持される。固定ロッド175の下端には支持ブラケットの補強ロッド124と係脱自在な係合溝175eが下方に開いて設けられている。
固定ロッド175は、キャスター機構を使用位置Cpに設定した状態で、係合ピン175cをガイド溝171cに沿って昇降させ、係合ピン175cの軸廻りに揺動させることで、下端の係合溝175eを補強ロッド124に係合させることができ、この係合状態で固定ロッド175の上端部を前方に揺動させて係合ピン175cをガイド溝171cの前端側に係合させることで、支持ブラケットを使用位置Cpに係止できるようになっている。このため、本構成のロック機構170を用いても支持ブラケットを使用位置Cpに係止保持させることができ、また係合溝175eをカラー123と係脱可能に構成することで、連結ロッド140を係止保持する構成とすることも可能である。
さて、以上のようなキャスター機構を備えたパチンコ機にあって、パチンコ機を運搬する際、特に機体を後方に引っ張って転がり運搬する際に利便性の高い把持構造について、図13および図14に他の構成例を示しており、以下簡単に説明する。図13に示す把持構造60は、上枠板11の内側に下向きに突出するフック状のハンドル62を固着した固定形態の把持構造である。このような把持構造60によれば、簡明な構成で低コストに実施できることに加え、運搬作業者がハンドル62に指を掛け易く、かつ外枠10の上部位置を直接的に支持することでパチンコ機の姿勢変化を容易に制御することができる。
また図14に示す把持構造70は、上枠板11の後端部がU字状に切り欠かれて形成されたフィンガーポケット71と、フィンガーポケットの左右にザグリ加工されたハンドル取着部にねじ止めされたハンドル72とからなり、フィンガーポケット71に指を入れてハンドル72を把持する形態の把持構造である。このような構成によれば、上記把持構造60と同様に簡明な構成で低コストに実施できることに加えて、把持構造70の各構成部品が外枠10の内・外周および後方にも突出することがなく、裏セット盤や設置枠台等の周辺部材との関係で把持構造の設置スペースが限られるような遊技機でも、干渉や挟み込みなどを生じない把持構造を構成することができる。また、図中に二点鎖線で付記するように、ハンドル72を撓み変形容易な樹脂製のバンド等で形成し、使用時に後方に引き出して把持するように構成してもよい。
なお、以上説明した実施形態では、左右の支持ブラケットを支持するベース部材を左右別体に形成し、これらを外枠10の下部左右にそれぞれ固定する形態の構成例を示したが、左右両方の支持ブラケットを支持するベース部材(支軸フランジを左右の側部に有するベース部材)を一体に形成し、これを外枠10の下部に取り付ける構成であってもよい。また支持ブラケットを使用位置Cpまたは収容位置Bpに係止保持する構造は、各支持ブラケットを直接係止する構成に限らず、例えば、連結ロッド140の回動を規制することにより左右の支持ブラケットを間接的に係止する構成であってもよい。
また実施形態では、外枠10に対して前後方向に揺動変位可能に支持ブラケット120,220を設け、この支持ブラケットの先端部に前後方向に回動する車輪130を設けた構成を例示したが、外枠10に対する支持ブラケットの変位形態は左右方向の揺動変位や前後方向へのスライド変位などであってもよく、また転動体が前後方向にのみ回動する車輪やローラーのみならず、これらの車輪等を鉛直軸廻りにも回動自在に支持した形態(いわゆる自在タイプのキャスターを用いた形態)や、転動体が「球体」で任意方向に回動自在なボールキャスターを用いた形態などであってもよい。
本発明に係る運搬機構を備えた縦型遊技機の一例として示すパチンコ機の正面図(a)および背面図(b)である。 第1構成形態の把持構造を斜め上方から見た斜視図である。 上記把持構造の側面図である。 第1構成形態のキャスター機構を分解状態で示す斜視図である。 上記キャスター機構の背面図である。 上記キャスター機構の平面図である。 上記キャスター機構の使用状態を示す側面図(全体図)である。 上記キャスター機構の使用状態を示す側面図(詳細図)である。 上記キャスター機構の収容状態を示す側面図である。 支持ブラケット等を取り外した状態を示す上記キャスター機構の側面図である。 第2構成形態のキャスター機構を示す斜視図である。 第1、第2構成形態のキャスター機構に付設し得るロック機構の斜視図である。 第2構成形態の把持構造を斜め上方から見た斜視図である。 第3構成形態の把持構造を斜め上方から見た斜視図である。
符号の説明
PM パチンコ機
PS 遊技構造体
Bp 収容位置
Cp 使用位置
1 上側の開閉連結支持機構(1a,1b ヒンジ金具)
2 下側の開閉連結支持機構(2a,2b ヒンジ金具)
3 施錠装置
4 ガラス扉
5 遊技盤
6 上球皿
7 下球皿
8 発射ハンドル
9 遊技球発射装置
10 外枠
11 上枠板
12 左枠板
13 右枠板
14 下枠板(15 底板、16 幕板、17 補強連杆)
18 受け金具
20 前枠
28 座部
30 裏セット盤
50 把持構造(第1構成形態)
51 ハンドルベース
(51a プレート部、51b 支持辺部、51c 支持孔、51d 固定辺部)
52 バーハンドル
(52a 把持部、52b 脚部、52c 係合軸部)
53 係止リング
60 把持構造(第2構成形態)
62 ハンドル
70 把持構造(第3構成形態)
71 フィンガーポケット
72 ハンドル
100 キャスター機構
(100L 背面視左側のキャスター機構、100R 背面視右側のキャスター機構)
101 金具取り付け座
110 ベース部材
(110L 背面視左側のベース部材、110R 背面視右側のベース部材)
111 プレート部
112 支軸フランジ(112a 支軸溝)
116 前方フランジ
120 支持ブラケット
121 アーム部
122 アーム部
123 カラー
124 補強ロッド
130 車輪(130a ボス、130b 接地輪)
135 車軸
140 連結ロッド
150 係止構造
151 係止ピン
152 ネジ受け部
155 係止ネジ
156 収容位置掛止フック
(156a アーム部、156b ネジ挿通孔、156c フック溝)
170 ロック機構
171 掛止ブラケット(171c ガイド溝)
175 固定ロッド(175c 係合ピン、175e 係合溝)
200 キャスター機構
210 ベース部材
211 プレート部
212 支軸フランジ(212a 支軸溝)
216 側方フランジ
220 支持ブラケット
222 アーム部
250 係止構造
252 ネジ受け部

Claims (3)

  1. 上下左右の枠板を有して外郭方形の枠状に形成され、前方に開閉可能に連結された遊技構造体を縦向きの立設姿勢で閉止保持する基枠体を備えた縦型遊技機用の運搬機構であって、
    それぞれ転動体を転動自在に支持する左右の転動体支持部材と、
    前記左右の転動体支持部材を連結する連結部材と、
    前記基枠体の下部に設けられ前記連結部材により連結された前記左右の転動体支持部材を着脱可能に支持するベース部材と、
    前記ベース部材に支持された前記左右の転動体支持部材を前記転動体が前記基枠体の外方に突出された使用位置に係止保持する係止構造とを備え、
    前記連結部材により連結された前記左右の転動体支持部材を前記ベース部材に装着して前記使用位置に係止したときに前記左右の転動体が前記基枠体の外方に突出して配設され、前記転動体を接地させて前記基枠体を支持させた状態で前後方向に転がり運搬可能に構成したことを特徴とする縦型遊技機用の運搬機構。
  2. 上下左右の枠板を有して外郭方形の枠状に形成され、前方に開閉可能に連結された遊技構造体を縦向きの立設姿勢で閉止保持する基枠体を備えた縦型遊技機用の運搬機構であって、
    それぞれ転動体を転動自在に支持する左右の転動体支持部材と、
    前記左右の転動体支持部材を連結する連結部材と、
    前記基枠体の下部に設けられ前記連結部材により連結された前記左右の転動体支持部材を、前記転動体が前記基枠体の内方に収容された収容位置と前記基枠体の外方に突出させた使用位置とに変移可能に支持するベース部材と、
    前記ベース部材に支持された前記左右の転動体支持部材を前記使用位置に係止保持する係止構造とを備え、
    前記連結部材により連結された前記左右の転動体支持部材を前記使用位置に係止したときに前記左右の転動体が前記基枠体の外方に突出して配設され、前記転動体を接地させて前記基枠体を支持させた状態で前後方向に転がり運搬可能に構成したことを特徴とする縦型遊技機用の運搬機構。
  3. 前記使用位置では、前記基枠体の外方に突出された前記左右の転動体が前記基枠体の底面と同一面または底面よりも上方に位置して前記基枠体の後方に配設され、前記基枠体を正立させた状態において前記基枠体の底面が接地して前記基枠体が立設姿勢で支持される一方、前記基枠体を後方に傾けた状態においては前記左右の転動体が接地して前記基枠体が支持され当該後傾姿勢で転がり運搬可能に構成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の縦型遊技機用の運搬機構。
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