JP4240934B2 - エアクリーナ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の吸気系に設けられるエアクリーナに関する。
【0002】
【従来の技術】
エアクリーナの役割には、ダスト等の除去の他、吸気音の低減がある。
従来のエアクリーナとして、特開平9−88749号公報に示されるように、エアクリーナ容積(拡張室容積)を大きくすると共に、内面に吸音材を設けるようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、吸気音を下げるために、エアクリーナ容積を大きくして拡張比を稼ぐ構成では、全体の音が小さくなり、心地よいサウンドを出すことができないという問題があった。これは、雑音と感じる高周波成分が低減されるのと同時に、スポーティ等と感じる低周波成分(特に次数成分)も低減されてしまうからである。
【0004】
また、吸気音を下げるために、エアクリーナボックス内面に吸音材を貼付ける構成でも、全体の音を吸収して心地よいサウンドも消してしまい、しかもコスト高になるという問題があった。更に、内面に吸音材を貼ることで通気抵抗が悪化し、機関出力へ影響を与える懸念もあった。
本発明の課題は、音圧レベルは規制値内に抑えつつ、感応的に評価の高い音質を得ることのできるエアクリーナを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。
本発明は、内燃機関の吸気系に設けられるエアクリーナ(2)であって、内部に拡張室(17)を形成し、一端にダスト側の空気取入口(12)を有し、他端に連通口を有する第1のケース(11)と、内部に互いに独立した拡張室(18)と吸音室(19)とを形成し、一端に前記連通口に連通する拡張室(18)の開口部と吸音室(19)の開口部とを有し、拡張室(18)の他端側がクリーン側の空気出口(14)をなし、吸音室(19)の他端側は閉塞している第2のケース(13)と、前記第1のケース(11)と前記第2のケース(13)との間で、前記第1のケース側の拡張室(17)の連通口と前記第2のケース側の拡張室(18)の開口部との間に配置されるフィルタエレメント(16)と、前記吸音室(19)の内部に充填される吸音材(20)と、を含んで構成され、前記吸音材充填の吸音室(19)は、吸気流れに対向する向きでフィルタエレメント上流側の拡張室(17)に連通し、かつ吸気の主流から外れた領域に位置するとともに、吸音室開口部を吸気流れの上流側からみたときに、吸音室開口部の投影面内に収まることを特徴とする。
【0006】
【発明の効果】
本発明によれば、吸気流れに対向する向きでフィルタエレメント上流側の拡張室に連通させた吸音材充填の吸音室により、高周波の気流音成分(雑音)を効果的に吸収することができる。従って、エアクリーナ容積(拡張室容積)を比較的小さくすると、一旦、全体の音圧レベルは上昇するものの、吸音室により全体の音圧レベルを規制値内に維持しつつ、高周波成分をより効果的に低減させることで、低周波の気流音成分、特に低周波の次数成分(6気筒の場合、3次成分・6次成分、4気筒の場合、2次成分・4次成分)を強調でき、心地よいサウンドを演出することが可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
先ず自動車用エンジンの吸気系について、図1により説明する。
エンジン1の吸気系には、エアクリーナ2が設けられている。このエアクリーナ2より吸入された空気は、エアフローメータ3を通過して計量され、スロットル弁4の制御を受けつつ、コレクタ5へ導かれ、マニホールド部6を介して、エンジン1の各気筒の燃焼室7に流入する。マニホールド部6には各気筒毎に燃料噴射弁8が設けられている。この燃料噴射弁8の燃料噴射により燃焼室7内に混合気が形成され、点火プラグ9により点火されて燃焼する。
【0008】
次にエアクリーナ2について、図2〜図4により説明する。図2は側面の断面図、図3は正面の断面図、図4は底面図である。
エアクリーナ2の筐体は、ダスト側の空気取入口12を有する第1ケース11と、クリーン側の空気出口14(エアフローメータ取付部)を有する第2ケース13とが接合されてなる。
【0009】
フィルタエレメント15は、枠状のエレメントホルダ16に支持されていて、第1ケース11と第2ケース13との間に、着脱可能に、取付けられる。
ここにおいて、第1ケース11は、フィルタエレメント15の上流側(ダスト側)に位置する拡張室17を形成する。
また、第2ケース13は、フィルタエレメント15の下流側(クリーン側)に位置する拡張室18を形成する。
【0010】
第2ケース13は、また、下流側の拡張室18とは独立した吸音室19を形成する。
吸音室19は、その開口部が、吸気流れに対向する向きでフィルタエレメント15上流側の拡張室17(第1ケース11側)に連通する。但し、吸音室19は吸気の主流から外れた領域に位置する。そして、この吸音室19には、吸音材20が充填され、接着剤等により固定される。
【0011】
尚、実施例として、吸音室19の容積は、500ccとした。そして、吸音室19の容積とエアクリーナ容積(拡張室17、18の容積)との比は、1:16とした。
また、吸音室19がフィルタエレメント15上流側の拡張室17と連通する部分の断面積と、フィルタエレメント15の通路断面積との比は、1:8とした。
【0012】
また、吸音材20の材質は、連続発泡PP(ポリプロピレン)とし、通気度1.11cc/cm2 /sec、密度0.042g/cm3 とした。
上記の構成においては、吸気流れに対向する向きでフィルタエレメント15上流側の拡張室17に連通し、内部に吸音材20を充填した吸音室19を設けることで、高周波の気流音成分(雑音)を効果的に吸収することができ、また拡張室容積を比較的小さくして、低周波の気流音成分は残して、心地よいサウンドを演出できる。
【0013】
図5は、実施例(図示実線)と比較例(図示点線)とについて、横軸を周波数(Hz)、縦軸を音圧レベル(dB)として、エンジン加速中の特定エンジン回転数での車室内騒音を概念的に示したものである。
尚、比較例としては、実施例に対し吸音材20を充填しないものを用いた。吸音材20を充填しないと、吸音室19が拡張室13の一部となり、結果的に拡張室容積が増大する。
【0014】
従って、本実施例のものは、比較例に対し、拡張室容積が減少した分、全体の音圧が上がるが、吸音材20を充填した吸音室19が吸気流れに対向する向きで特に高周波の気流音成分を効果的に吸音してレベル低下すると共に、全体の音圧への影響度の大きい低周波成分を、概ね、元のレベルに戻す(低周波成分は、比較例のレベルに維持される)ので、結果として、全体の音圧に大きな影響を与えることなく、低周波数側での音圧を維持しつつ、高周波数側での音圧を低下できる。
【0015】
すなわち、図5のaに示すように、6気筒エンジンの場合、拡張室容積の低減により、聴かせたい3次、6次の音(低周波の迫力あるサウンド)を維持させたまま、逆に、図5のbに示すように、吸音材充填の吸音室の機能で、聴かせたくない音(高周波の雑音)を特に効果的に低減できる。
尚、低周波側で、聴かせたい3次、6次の成分の他、例えば3次と6次成分の中間周波数の音も維持することになるが、3次、6次の成分が相対的に強調されて大きくなることによるマスキング作用で、これらの音が不快となることはない。
【0016】
また、図5のcに示すように、低・高周波数のバランスを変えることで、雑音を減少させて、かつ、エネルギーの総和をキープすることで法規要件をクリアできる。
図6及び図7には実際の実験結果を示す。
図6は、実施例(図示実線)と比較例(図示点線)とについて、横軸をエンジン回転数(rpm)として、縦軸に全体の音圧レベル(dB)を示したもので、実施例(図示実線)と比較例(図示点線)との間で、トータル的に音圧レベルの差はなく、エネルギーの総和はほぼ同じであることが立証されている。すなわち、データから全圧に大きな影響がないことが読取れる。
【0017】
図7は、実施例(図示実線)と比較例(図示点線)とについて、急加速途中の特定エンジン回転数(5800rpm)において、横軸を周波数(Hz)として、縦軸に3次成分の音圧レベル(dB)を示したものである。
データから、3次成分、6次成分が、比較例と実施例とで殆ど差がなく、聴かせたい音が維持されていることがわかる。また、全体の音圧への影響度の大きい低周波成分(すなわち、3次成分、6次成分を含むその周辺成分)の差が比較例と実施例とで殆どないことからも、全体に大きな影響がないことが読取れる。一方、高周波成分(雑音部分)は、効果的に低下されていることが示されている(図示の黒△部分)。特に低周波成分に隣接する部分(800〜1300Hz付近)は、雑音として影響が大きい領域であり、この部分での低減効果が大きくなっている。
【0018】
従って、本実施形態によれば、吸音材20充填の吸音室19によって高周波の気流音成分をより効果的に吸音し、低周波の気流音成分に対しては見かけ上拡張室容積を減らして元のレベルに戻すことにより、相対的に大きくすることで、全体の音圧レベルを規制値内に維持しつつ、低周波の次数成分を強調して、心地よいサウンドを演出できる。
【0019】
また、本実施形態によれば、吸音室19は吸気の主流から外れた領域に位置するので、エンジン出力に影響を与える吸気抵抗を悪化させずに、音の演出ができると共に、エアクリーナの下流側で吸入空気量を検出するエアフローメータの検出精度に影響を与えることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示すエンジン吸気系のシステム図
【図2】 エアクリーナの側面の断面図
【図3】 エアクリーナの正面の断面図
【図4】 エアクリーナの底面図
【図5】 周波数と音圧レベルとの関係を示す図
【図6】 エンジン回転数と全体の音圧レベルとの関係を示す図
【図7】 特定エンジン回転数における周波数と音圧レベルとの関係を示す図
【符号の説明】
1 エンジン
2 エアクリーナ
11 第1ケース
12 空気取入口
13 第2ケース
14 空気出口
15 フィルタエレメント
16 エレメントホルダ
17 上流側の拡張室
18 下流側の拡張室
19 吸音室
20 吸音材
Claims (1)
- 内燃機関の吸気系に設けられるエアクリーナであって、
内部に拡張室を形成し、一端にダスト側の空気取入口を有し、他端に連通口を有する第1のケースと、
内部に互いに独立した拡張室と吸音室とを形成し、一端に前記連通口に連通する拡張室の開口部と吸音室の開口部とを有し、拡張室の他端側がクリーン側の空気出口をなし、吸音室の他端側は閉塞している第2のケースと、
前記第1のケースと前記第2のケースとの間で、前記第1のケース側の拡張室の連通口と前記第2のケース側の拡張室の開口部との間に配置されるフィルタエレメントと、
前記吸音室の内部に充填される吸音材と、
を含んで構成され、
前記吸音材充填の吸音室は、吸気流れに対向する向きでフィルタエレメント上流側の拡張室に連通し、かつ吸気の主流から外れた領域に位置するとともに、吸音室開口部を吸気流れの上流側からみたときに、吸音室開口部の投影面内に収まる
ことを特徴とするエアクリーナ。
Priority Applications (1)
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JP2002210559A JP4240934B2 (ja) | 2002-07-19 | 2002-07-19 | エアクリーナ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002210559A JP4240934B2 (ja) | 2002-07-19 | 2002-07-19 | エアクリーナ |
Publications (2)
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---|---|
JP2004052650A JP2004052650A (ja) | 2004-02-19 |
JP4240934B2 true JP4240934B2 (ja) | 2009-03-18 |
Family
ID=31934026
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002210559A Expired - Lifetime JP4240934B2 (ja) | 2002-07-19 | 2002-07-19 | エアクリーナ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4240934B2 (ja) |
-
2002
- 2002-07-19 JP JP2002210559A patent/JP4240934B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004052650A (ja) | 2004-02-19 |
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