JP5778716B2 - エアクリーナ - Google Patents

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Description

本発明は、空気を濾過するエアクリーナ、特にレゾネータなどの共鳴型消音器を備えるエアクリーナに関するものである。
自動車等の車両にはエアクリーナが使用されている。エアクリーナは、ガソリンエンジンなどの内燃機関に供給する空気を清浄化する用途や、エアコンディショナーを通じて車室内に供給する空気を清浄化する用途、車両に搭載される燃料電池に供給する空気を清浄化する用途、車両に搭載される電池や電子機器などを冷却するための空気を清浄化する用途などに活用される。
車両用のエアクリーナにおいては、空気を清浄化することだけでなく、エアクリーナを含んで構成される空気経路における騒音の伝播を防止する役割が求められている。騒音の伝播を防止する観点から、エアクリーナの拡張空間の容量を確保したり、吸気管やエアクリーナに共鳴型消音器や吸音材を設けることが行われる。
例えば、特許文献1には、エアクリーナの吸入室内において隔壁部材と第1ケースとによりレゾネータを形成し、その開口を、排出口が設けられた側の周壁部において排出口に近接するとともに排出口を向いて開口するように形成したエアクリーナが開示されており、当該エアクリーナによれば、内部に設けたレゾネータによりエアクリーナの消音性能を向上することができることが開示されている。また、特許文献2には、エアクリーナのケースの底面にレゾネータを一体化したエアクリーナが開示されている。
特開2010−180773号公報 特開2003−269272号公報
このように、エアクリーナに共鳴型消音器を設けると、消音器の設定周波数においては、効果的に吸気系を伝播する騒音を低減できる。しかしながら、共鳴型消音器を設けると、消音器の設定周波数に近い他の周波数(「反共鳴周波数」と呼ぶことにする)においては、共鳴型消音器を設けたがゆえにかえって騒音が低減されにくくなる現象(もしくは騒音がかえって増幅されてしまう現象、以下「反共鳴現象」と呼ぶことにする)があることが判明した。
反共鳴現象が起こると、反共鳴周波数付近での消音性能が悪くなり、車両の静粛性が損なわれるといった問題がある。従って、本発明の目的は、共鳴型消音器を備えるエアクリーナにおいて反共鳴現象を抑制し、エアクリーナの消音性能を高めることにある。
発明者は、鋭意検討の結果、共鳴型消音器の連通部を、フィルタエレメント側面の濾過材が露出した部分に対向するように開口させると、共鳴型消音器を備えるエアクリーナにおいて反共鳴現象を抑制できることを知見し、本発明を完成させた。
本発明は、拡張空間を形成する一対のケースと、前記ケースに挟持され前記拡張空間を上流側と下流側に仕切る板状のフィルタエレメントとを有し、前記ケースの一方には吸気口が設けられ、前記ケースの他方には排気口が設けられたエアクリーナであって、前記拡張空間に連通する連通部と共鳴室とを有する共鳴型消音器が前記ケースに一体に設けられており、前記板状フィルタエレメントは、側面の少なくとも一部の領域において濾過材が露出しており、共鳴型消音器の連通部は、前記フィルタエレメントの側面の濾過材が露出した部分に対向するように開口しているとともに、共鳴型消音器の連通部の開口の開口形状の短辺側の代表寸法をGs、開口と露出した濾過材との距離をLとして、LがGsの半分以下となるようにされたエアクリーナである(第1発明)。
また、第1発明において、共鳴型消音器がヘルムホルツ型レゾネータであることが好ましい(第発明)。
本発明のエアクリーナによれば、共鳴型消音器を備えるエアクリーナにおいて反共鳴現象を抑制し、エアクリーナの消音性能を高めることができる。さらに、第2発明によれば、反共鳴現象がより効果的に抑制される。
本発明第1実施形態のエアクリーナの構成を示す斜視図である。 第1実施形態のエアクリーナにおけるエレメントの形状を示す図である。 第1実施形態のエアクリーナにおける下ケースとレゾネータの形状を示す図である。 第1実施形態のエアクリーナの組み立て状態の断面図である。 エアクリーナを含む吸気系の音響減衰量の周波数特性を示すグラフである。 従来技術(比較例2)のエアクリーナの組み立て状態の断面図である。 本発明第2実施形態のエアクリーナの構成を示す斜視図である。 第2実施形態のエアクリーナの組み立て状態のカット図である。 本発明の実施形態のエアクリーナの下ケースの他の形態例を示す斜視図である。
以下図面を参照しながら、自動車のガソリンエンジンに供給する空気を清浄化(濾過)するエアクリーナを例として、本発明の実施形態について説明する。本発明は以下に示す個別の実施形態に限定されるものではなく、その形態を変更して実施することもできる。
図1には、本発明の第1実施形態のエアクリーナ1の構成を示す。図1には、エアクリーナ1を構成する主要な部材を、分解した状態で示している。以下の説明では、説明の便宜上、図1のx軸方向を左右方向、y軸方向を前後方向、z軸方向を上下方向として説明するが、エアクリーナ1が必ずしもこの向きで使用されなければならないわけではない。
エアクリーナ1は、自動車のガソリンエンジンに供給する空気を濾過するエアクリーナである。エアクリーナ1は一対のケース2,3と、これらケースの分割面の間に挟持されるフィルタエレメント(以下「エレメント」とも記載する)4を有する。
ケース2,3は、組み立てられた際に、ケース内部に、エンジンの吸気経路における拡張空間を形成する。ケース2,3は、それぞれが開口部を有する箱状に形成されていて、開口部同士が対向するように組み立てることで、ケース内部に拡張空間が形成される。即ち、1対のケース2,3は、拡張空間を形成する箱を、1つの分割面で上下に分割したような形状をしている。本実施形態では、ケース2,3の形状は略直方体状であるが、ケースの形状は円筒状など、他の形状であっても良い。
下側のケース(下ケース)2には、略円筒状の吸気口22が設けられている。上側のケース(上ケース)3には、略円筒状の排気口32が設けられている。
ケース2,3の間には、エレメント4が挟持されている。エレメント4は濾過材41を有している。エレメントの全体形状は矩形状の板状(例えば偏平な直方体状)に形成されており、エレメント4がケース2,3の間に挟持されることによって、ケースの内部空間は、エレメントを境にして上流側と下流側に仕切られる。好ましくは、ケース2,3の開口部とエレメント4の周縁部の間はシール部材44などによってシールされる。好ましくは、ケース2,3の開口部がエレメント4の周縁部を挟持する部分は、フランジ状や段付き形状に形成される。
板状のエレメント4が1対のケース2,3の間に挟持された状態で、係止部材や締結部材等によってケース2,3が閉じた状態に保持されて、エアクリーナ1は使用される。吸気口22には、インテークダクトや消音装置が接続されて、外気が吸気口22を通じてエアクリーナ1の内部に導入される。エアクリーナ内部に導入された空気は、エレメント4の濾過材41を通過することによって濾過され、清浄な空気となる。排気口32には、エアーダクトやスロットルボディが接続されて、エレメント2で濾過された空気が、排気口32を通じて、エンジンへと供給される。
エレメント4についてより詳細に説明する。図2は、エレメント4の形状を示す斜視図とX矢視図である。本実施形態ではエレメント4は、濾過材41と枠体42とシール部(シール部材)44を備えている。エレメント4は、板状に、本実施形態では偏平な直方体状に形成されている。濾過材41は、空気を濾過するための通気性を有する部材である。濾過材としては、濾紙や不織布や樹脂発泡体などが利用できる。濾紙や不織布などが濾過材の素材として使用される場合には、図示したように、これらを襞折りにして、平板状に形成し、濾過面積を増やすことが好ましい。本実施形態では、濾過される空気は、板状エレメントの底面から上面に向かって流れる。
本実施形態では、濾過材の周囲を取り囲み、エレメントの形状を維持するように枠体42が設けられている。枠体42は、金属板や合成樹脂などにより形成され、濾過材41の周縁に接合一体化されている。濾過材の周縁部を圧縮成形するなどして、濾過材を構成する材料によって枠体を形成しても良い。本実施形態のエレメント4においては、襞折りにした不織布素材の濾過材41の周縁を取り囲むように枠体42が合成樹脂の射出成形により成形されており、不織布濾過材と枠体42とは、インサート成形により一体化されている。
エレメント4は、側面の少なくとも一部の領域において濾過材が露出しており、その部分では、濾過材の通気性が維持されている。板状エレメントの側面とは、上面と底面とが広い面とされた偏平な直方体状(板状)のエレメントの、上面と底面の周囲を取り囲む面である。本実施形態では、エレメント4の+X方向と−X方向に位置する側面に、濾過材41が露出する領域が設けられている。一方、+Y方向と−Y方向に位置する側面(襞折りの折りすじ方向の両端に位置する側面)では、枠体42には、襞折りされた濾過材41の側面を覆うような板状部分が設けられている。
枠体42をさらに取り囲むように、シール部44が設けられている。シール部44がケース2,3の開口部に挟持されて、エアクリーナ1のシールがなされる。シール部は、弾力性を有する素材、特にゴム素材などによって形成されるシール部材であることが好ましい。シール部は必ずしも設ける必要はなく、要求されるシールの度合いによっては、枠体42の一部をそのままケースに挟持させるようにしても良い。
シール部44、即ち、ケース2,3に挟持される部分は、エレメント4よりも、(上下方向に)薄く形成されている。そのため、エレメントの枠体42や濾過材41は、ケース2,3のいずれか、あるいは、両方に対し、ケースの分割面からケースの内側へ入り込むように配置される。本実施形態では、シール部44がエレメント4の上側(下流側)にオフセットして設けられており、エアクリーナ1を組み立てると、エレメント4がケースの分割面から、下ケース(上流側ケース)2に入り込むように配置される。
下ケース2についてより詳細に説明する。図3は、下ケース2の形状を示す斜視図及びz矢視図である。上述したように、下ケース2は、上方が開口した略直方体状の箱状のケースであって、吸気口22を有している。
また、下ケース2には共鳴型消音器5が設けられている。
本実施形態では、共鳴型消音器5はヘルムホルツ型レゾネータである。ヘルムホルツ型レゾネータは、400Hz以下の比較的低い周波数領域の消音効果に優れている。共鳴型消音器5は、所定の容積を有する共鳴室(チャンバー)51と、中空管状の連通部(連通管)52とを有している。共鳴室51の内部空間と連通部52の内部空間は連通しており、さらに連通部52の内部空間とエアクリーナの拡張空間とが連通している。共鳴室51の容量や形状、連通部52の断面や長さを調節することにより、共鳴型消音器の設定周波数や消音効果が調整される。
共鳴型消音器5は下ケース2の側面に一体となるように設けられている。即ち、共鳴型消音器5の連通部52が、下ケース2の側面の内周に開口するように、共鳴型消音器5が下ケース2に取り付けられている。消音器とケースの取り付けは、溶着や接着、はめ込み、締め付けなどの公知の手段によることができる。
図4には、ケース2、4とエレメント4を組付けた状態を示している。図4は共鳴型消音器5の連通部に位置するzx平面と平行な断面での断面図である。なお、図4においては、図を明瞭なものとするために、濾過材41部分の断面を示すハッチングは省いている。
図1や図4に示すように、共鳴型消音器5の連通部52は、エレメント4の側面の濾過材41が露出した部分に対向するようにエアクリーナの拡張空間に向かって開口している。即ち、連通部52が、下ケース2の側面の内周に開口する開口53は、下ケース2の分割面(シール44を挟持する面)に近接して設けられており、エレメント4と下ケース2を組みつけた状態で、エレメント側面の濾過材41の露出部と、開口53とが互いに向かい合うようにされている。開口53の全体が、濾過材が露出した部分と対向するようにされることが好ましい。
また、好ましくは、本実施形態のように、共鳴型消音器5の連通部の開口53と、対向する濾過材の露出部との間の距離Lは、連通部の開口53の開口形状の短辺側の代表寸法をGsとして、Gsの半分以下、より好ましくは、Gsの0.3倍以下となるように設定される。後述するように、距離Lが小さい(開口と濾過材露出部とがより近接して配置される)ほど、反共鳴を抑制する効果が高い。なお、エレメント4の機能や耐久性を損なわなければ、開口53が濾過材の露出部に接触するように(即ちL=0となるように)配置されても良い。
ここで、連通部の開口53の開口形状の短辺側の代表寸法Gsとは、開口形状が矩形状(長方形状)であれば、短辺の長さであり、開口形状が楕円状(長円状)であれば、短径の長さである。開口形状が正方形状や円であれば、一辺の長さや直径の長さを、開口形状の短辺側の代表寸法Gsとして扱えば良い。
上記実施形態のエアクリーナ1は、公知の製造方法により製造することができる。下ケース2及び、上ケース3は、典型的には合成樹脂の射出成形により製造できる。レゾネータ5はブロー成形等により別体に成形したものを下ケース2に取り付けても良いが、下ケースと一体に射出成形により形成することもできる。エレメント4は、典型的には、襞折りした濾過材41に合成樹脂のインサート成形により枠体42を一体に成形し、シール部材44を取り付けることにより製造できる。
エアクリーナ1の作用及び効果について説明する。上記エアクリーナによれば、共鳴型消音器を設けた際に生ずる反共鳴現象を抑制し、エアクリーナの消音性能が高められる。
まず、反共鳴現象について説明する。レゾネータが設けられていないエアクリーナに、吸気管や排気管を取り付けて吸気系を構成しこの吸気系の消音性能を評価した。この、レゾネータが無い吸気系を比較例1とする。次に、比較例1の吸気系のエアクリーナにレゾネータ9を追加して吸気系を構成し、この吸気系の消音性能を評価した。レゾネータ9の設定周波数は200Hz近辺に設定されている。なお、レゾネータ9の連通管92の開口部93は、フィルタエレメント4の側面とは対向しない位置に設けられている。この、従来技術のレゾネータが設けられた吸気系を比較例2とする。比較例2に用いられた従来技術であるエアクリーナの断面図を図6に示す。
それぞれの吸気系において、吸気管の入口部分や排気管の出口部分における騒音測定を行い、両者の比を取って周波数分析を行い、吸気系の音響減衰特性を求めた。吸気系の音響減衰量(Attenuatuion)は、吸気管の入口部分における騒音の音圧で、排気管の出口(末端)部分における騒音の音圧を除した量であり、音響減衰量が大きいほど、吸気管入口部分の音圧が小さくなって、吸気系を伝播する騒音のレベルが小さくなったことを示している。
図5にこれら比較例1,2の音響減衰量の周波数特性を示す。比較例1を細い実線で、比較例2を太い破線で示している。比較例1と比較例2を比較すると、レゾネータ9の設定周波数である200Hz付近で、比較例2の音響減衰量が大きくなっており、レゾネータ9によって、エアクリーナの消音性能が高められたことがわかる。これは、レゾネータの共鳴により騒音の伝播が抑制された結果であり、レゾネータを設けた設計の意図どおりである。
一方で、比較例2では、80Hz付近に現れる音響減衰量の落ち込みが深くなってしまっている。これが、反共鳴と呼ばれる現象である。反共鳴現象が発生すると特定の周波数付近では、レゾネータ9を設けることにより、かえって音響減衰量が小さくなってしまう。
図1〜4で説明した上記実施形態のエアクリーナによって、同様に吸気系を構成し、音響減衰特性の測定を行なった(実施例)。なお、レゾネータの容量等の基本諸元は比較例2とほぼ同じであり、主にレゾネータの連通部の開口53をエレメント4の側面の濾過材露出部に対向させた点が、比較例2と異なっている。測定結果を、図5中に実施例として太い実線で示している。
実施例によれば、レゾネータ5の設定周波数付近(180Hz)には、比較例1(レゾネータなし)と対比して、レゾネータ5を設けたことによる音響減衰量の改善効果が見られる。
そして、実施例の音響減衰特性には、比較例2に見られたような反共鳴現象による音響減衰量の落ち込みが見られない。即ち、実施例では、反共鳴現象の発生を抑制しながら、レゾネータの設定周波数付近におけるエアクリーナの消音効果が高められている。
上記実施形態のエアクリーナによって、反共鳴現象の発生が抑制される理由は、以下のようなメカニズムによるものであると推定される。共鳴型消音器(レゾネータ)の連通部の開口が、エレメント側面の濾過材が露出した部分に対向するように設けられているため、共鳴に伴って連通部の開口を出入りする空気の流れは、露出した濾過材を通過するように流れる。このため、濾過材が、連通部開口を出入りする空気流の抵抗となる。共鳴型消音器の連通部に抵抗が設けられると、バネマスの振動系にダンピング要素を設けたときのように、振動系の共鳴のピークが抑えられ、共鳴の周波数帯がやや広がるように変化する。このように共鳴ピークが抑えられる結果、反共鳴の程度も抑えられて、反共鳴現象が抑制される。
共鳴型消音器の連通部開口に、空気流の抵抗となる濾過材を配置して、反共鳴現象を抑制するという観点からは、濾過材の露出部を、連通部開口全体を覆うように対向させて配置することが好ましい。また、連通部開口に濾過材露出部が近接して配置されていたほうが、ダンピング効果が得られやすく、連通部開口と濾過材露出部を、開口の開口形状の短辺側の代表寸法の半分以下の距離まで近接させて設けることが好ましい。
共鳴型消音器の連通部の開口付近において、連通部に出入りする空気の流れは、開口から遠ざかるに従って、徐々に拡散し、濾過材露出部によるダンピング効果が弱くなるが、開口から開口形状の短辺側の代表寸法の半分以下の距離までの空間では、空気の流れがおおむね連通部の延在方向と沿った流れとなり、あまり拡散しないため、この領域内に濾過材露出部が配置されるようにすると、ダンピング効果が得られやすく、反共鳴現象の抑制に特に効果的である。反共鳴現象を抑制する観点からは、濾過材露出部をできるだけ連通部の開口に近接して設けることが好ましい。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変をして実施することができる。以下に本発明の他の実施形態について説明するが、以下の説明においては、上記実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様である部分についてはその詳細な説明を省略する。また、以下に示す実施形態は、その一部を互いに組み合わせて、あるいは、その一部を置き換えて実施できる。
図7は、第2実施形態のエアクリーナの、下ケース6とエレメント7、上ケース3を示す分解斜視図である。図8は、第2実施形態エアクリーナの組み付け状態での断面図(カット図)である。本実施形態においては、共鳴型消音器の具体的構成が第1実施形態と異なっている。
下ケース6には、板状のリブ63が設けられ、下ケース6の内部空間が、エアクリーナの拡張空間となるべき空間と、共鳴型消音器の共鳴室となるべき空間とに、リブ63によって区画されている。そして、エレメント7の濾過材71は、エアクリーナの拡張空間となるべき部分に対応するよう、平板状に設けられている。そして、エレメント7の枠体72には、板状延長部721が設けられていて、エアクリーナ組付け状態において、板状延長部721が、下ケースの共鳴室となるべき空間を覆うように構成されている。また、リブ63の上縁部と、エレメント7の板状延長部721との間には、エアクリーナ組付け状態において、所定の幅の隙間が生ずるよう構成されている。
そのような構成により、下ケース6と、エレメントの板状延長部721とで囲われた空間が、共鳴型消音器(レゾネータ)の共鳴室になる。そして、リブ63の上縁部と、エレメント7の板状延長部721との間の隙間の部分が、共鳴型消音器の連通部(連通部開口64)になる。そして、図8にも示したように、リブ63の上縁部と板状延長部721との間の隙間の部分(連通部開口64)に対向する部分のエレメント7の側面では、濾過材71が露出している。
本実施形態のようにしても、共鳴型消音器の連通部開口が、エレメントの側面の濾過材が露出する部分に対向するように設けられているので、共鳴型消音器を設けた際に生ずる反共鳴現象を抑制し、エアクリーナの消音性能が高められる。
そして、本実施形態のように、下ケースの一部を利用して共鳴型消音器の共鳴室や連通部の一部もしくは全部を構成するようにすれば、エアクリーナをコンパクトに構成できたり、エアクリーナの製造の効率性を高めることができる。共鳴型消音器の共鳴室や連通部の具体的構成は、第1実施形態のように別体に成形した部材を取り付けたり、第2実施形態のように、下ケースとエレメント枠体を組み合わせるようにしたり、その他、下ケースと上ケースを組み合わせるようにしたりしても良い。
図9には、更に他の実施形態の例を示す。図9には、下ケースの他の形態例を示している。これら形態例では、主に共鳴型消音器の連通部となる部分の形態が異なっている。図9(a)の下ケース6´では、リブ63´の一部が切りかかれるように形成されており、この切り欠かれた部分64´が共鳴型消音器の連通部の開口となる。図9(b)の下ケース6´´では、リブ63´´に円形の開口(穴)が形成されており、この開口64´´が共鳴型消音器の連通部の開口となる。なお、図9に示した下ケース6´、6´´においては、リブ63´、 リブ63´´の上縁部は、エレメントの板状延長部と当接するように構成される。
このような形態の下ケースを用いても、第2実施形態のエアクリーナと同様に、共鳴型消音器を設けた際に生ずる反共鳴現象を抑制し、エアクリーナの消音性能が高められる。
また、上記実施形態では、エアクリーナに対し共鳴型消音器が1つ設けられる形態例を説明したが、エアクリーナは他の共鳴型消音器を有するものであっても良い。
上記実施形態の説明では、エアクリーナに設けられる共鳴型消音器として、ヘルムホルツ型レゾネータを中心に説明したが、共鳴型消音器は、他の形態、例えば、一方の端部が閉じられた中空管状の共鳴型消音器(いわゆる4分の1波長共鳴管、サイドブランチ)であっても良い。共鳴型消音器がサイドブランチである場合は、エアクリーナに開口している付近を連通部、閉じられた側の中空管部を共鳴室と考えればよい。エアクリーナに共鳴型消音器を設けて消音特性を改善する上で、共鳴室の容積を大きくできるレゾネータが、特に効果的である。
上記実施形態では、エレメントとして、襞折りした濾過材の周囲に枠体を設けたものを
中心に説明したが、エレメントは、エレメント側面に濾過材が露出した部分が形成される限り、他の形態であっても良い。例えば、濾過材は、濾紙や不織布の他、発泡樹脂体(発泡スポンジ)であっても良い、また、エレメントは、枠体やシール部材を備えていることが好ましいが、枠体やパッキンが無いものであっても良い。例えば、エレメントは、襞折りした不織布の周縁を圧縮成形して、エレメントの形状を維持させるようにした、合成樹脂製不織布だけで形成されたエレメントであっても良い。
また、上記説明では、主にエレメントが下ケース(上流側ケース、ダストサイド側ケース)に入り込み、下ケースの側に共鳴型消音器が設けられる形態を例に説明したが、エレメントが上ケース(下流側ケース、クリーンサイド側ケース)に入り込み、共鳴型消音器が上ケース側に設けられる形態であってもよい。即ち、エレメントは、下ケースや上ケースの少なくとも一方に入り込むようにされていて、その側面に共鳴型消音器の連通部開口が位置するようにされていればよい。
上記実施形態の説明では説明を省略したが、エアクリーナは、他の部材を有していても良い。エアクリーナは、取付部材や支持部材、緩衝部材を有していても良い。また、エアクリーナには、流量センサや温度センサや圧力センサなどのセンサ類、弁やアクチュエータ等の可変機構、燃料蒸気の吸着部材、吸音材などが設けられていても良い。
本発明のエアクリーナは、上記実施形態で説明した自動車ガソリンエンジンの吸気系以外の他の用途にも応用できる。自動車における応用としては、エアコンディショナー、電池や電子回路の空冷装置、燃料電池の空気供給装置などにおける空気の濾過用途が例示できる。さらに、本発明のエアクリーナの応用は車両用に限定されず、内燃機関を用いた据え置き型の発電機や、家庭用・産業用の燃料電池、ボイラ、冷却装置、空気清浄機など、空気を濾過する用途全般に応用できる。
本発明のエアクリーナは、例えば自動車の内燃機関に供給する空気を濾過する用途に使用でき、エアクリーナの消音特性を改善できて産業上の利用価値が高い。
1 エアクリーナ
2 下ケース
22 吸気口
3 上ケース
32 排気口
4 エレメント
41 濾過材
42 枠体
44 シール部材
5 共鳴型消音器(レゾネータ)
51 共鳴室
52 連通部
53 連通部の開口
6、6´、6´´ 下ケース
63、63´、63´´ リブ
64、64´、64´´ 連通部の開口
7 エレメント
71 濾過材
72 枠体
721 エレメント枠体の板状延長部

Claims (2)

  1. 拡張空間を形成する一対のケースと、
    前記ケースに挟持され前記拡張空間を上流側と下流側に仕切る板状のフィルタエレメントとを有し、前記ケースの一方には吸気口が設けられ、前記ケースの他方には排気口が設けられたエアクリーナであって、
    前記拡張空間に連通する連通部と共鳴室とを有する共鳴型消音器が前記ケースに一体に設けられており、
    前記板状フィルタエレメントは、側面の少なくとも一部の領域において濾過材が露出しており、
    共鳴型消音器の連通部は、前記フィルタエレメントの側面の濾過材が露出した部分に対向するように開口しているとともに、
    共鳴型消音器の連通部の開口の開口形状の短辺側の代表寸法をGs、開口と露出した濾過材との距離をLとして、LがGsの半分以下となるようにされたエアクリーナ。
  2. 共鳴型消音器がヘルムホルツ型レゾネータである請求項1に記載のエアクリーナ。
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