JP4240687B2 - 移動体通信機のアンテナ取り付け部構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は移動体通信機のアンテナ取り付け部構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話等の移動体通信機においては送受信のためにアンテナを使用しており、従来の移動体通信機においては、アンテナはねじや半田を用いて筺体に固定されている。
【0003】
図14は、移動体通信機が携帯電話である場合の従来のアンテナの取り付け部構造を示す斜視図である。
【0004】
図中、aは内部にバッテリbを収納し得るようにした、携帯電話の背面側筺体であり、該背面側筺体aのバッテリb収納側とは反対側の縁板cには、背面側筺体aの外側から縁板cを貫通して背面側筺体aの内側へ突出し、その背面側筺体a内側端部がバッテリbの一端部側へ向いたアンテナ取り付けブロックdが一体的に固設されている。
【0005】
アンテナ取り付けブロックdには、該アンテナ取り付けブロックdを背面側筺体aの長手方向へ貫通するよう、中空孔eが穿設されており、中空孔eには、外側先端にフランジfを備えると共に中空円筒内部に雌ねじgが形成された、例えば銅合金製のアンテナ取り付け金具hが嵌合されて固定されるようになっている。
【0006】
アンテナiは、樹脂製で断面が円柱状の嵌合体jと、嵌合体jのアンテナ取り付けブロックdに嵌合される基端側を除いて、嵌合体jの先端から基端部側の所定位置までを覆うよう外嵌されたゴム製のキャップkと、嵌合体j内に埋設された図示されていないアンテナ素子に接続されると共に、嵌合体jがアンテナ取り付けブロックdに嵌合された際に嵌合体jの基端側から背面側筺体a内へ突出するよう設けられた電極lとを備えており、嵌合体jのキャップkから突出した部分の先端外周には雄ねじmが螺設されている。
【0007】
而して、アンテナiは、嵌合体jにおける雄ねじmの部分がアンテナ取り付けブロックdに嵌入、固定されたアンテナ取り付け金具hの雌ねじgに螺合され、アンテナ取り付けブロックdに固定されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来のアンテナの取り付け部構造においては、以下に述べる如き問題がある。
i)アンテナiをアンテナ取り付けブロックdに螺合する際には、アンテナiを何回も回転させる作業が必要となるため、取り付け作業に工数を要する。
ii)アンテナiの取り付けに特殊な治工具が必要となり、又治工具を使用する場合には、治工具の回転トルクの管理が必要となるため作業が複雑となる。
iii)アンテナ取り付け金具hの雌ねじg及び嵌合体j基端部の雄ねじmは、切削加工等により加工するためコスト高となる。
iv)アンテナ取り付け金具hはアンテナ取り付けブロックdの中空孔eに圧入等により嵌合されるため、これもコスト高の原因となり、又、アンテナiに作用する力が大きいとアンテナiはアンテナ取り付けブロックdから脱落する虞がある。
v)携帯電話の使用者がアンテナiを簡単に取り外すことができるため、アンテナiの紛失や破損が生じる虞がある。
【0009】
本発明は、斯かる実情に鑑み、アンテナの取り付け部構造をシンプルにし、取り付け作業を特殊な治工具を使用することなく少ない工数で行い得るようして作業の簡略化及びコストの低減を図り、又アンテナに力が作用しても簡単には取り外すことができないようにしてアンテナの紛失や破損が生じないようにし、以上のことから移動体通信機の信頼性を向上させるようにした移動体通信機のアンテナ取り付け部構造を提供することを目的としてなしたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の移動体通信機のアンテナ取り付け部構造は、背面側又は前面側の筺体に取り付けられたアンテナ取り付けブロックに対しアンテナのアンテナ素子が嵌入された嵌合体を取り付け得るようにした移動体通信機のアンテナ構造であって、
前記アンテナ取り付けブロックは、
前記筺体外側から内側へ向けて延びる断面が略円形の第一の中空孔と、
長軸側において前記第一の中空孔と略径が等しく且つ第一の中空孔と連通して筺体内側へ延びる断面非円形の第二の中空孔と、
前記第一の中空孔に沿い軸線方向へ延びる案内溝と、
前記第一の中空孔においてアンテナ取り付けブロックを径方向へ貫通する爪係合孔を備え、
前記嵌合体は、
該嵌合体を前記アンテナ取り付けブロックの第一、第二の中空孔に挿通させて所定角度回転させた際に、前記第二の中空孔から前記筺体内に突出して長軸側が筺体内側の端部に係止し得るようにした細長部材と、
前記アンテナ取り付けブロックの第二の中空孔に嵌入するよう前記細長部材に接続された小径部と、
前記第一の中空孔に嵌入する、前記小径部よりも径の大きい大径部と、
該大径部の外周に前記嵌合体の軸線と平行に設けられ且つアンテナ取り付けブロックに嵌入された嵌合体を周方向へ回転させる際に撓み得るようにしたばね部材と、
該ばね部材の大径部に対する接続部とは反対側に設けられ、前記嵌合体を前記第一、第二の中空孔へ挿通させる際に前記案内溝に案内されると共に、アンテナ取り付けブロックに挿通された嵌合体を周方向へ回転させた際にアンテナ取り付けブロックの前記爪係合孔に嵌合し得るようにした回転防止爪と、
前記大径部の小径部側先端に形成され、前記嵌合体を周方向へ所定の角度だけ回転させた際に端部が係止し得るようにした切除部と、
を備えたものである。
【0011】
請求項2の移動体通信機のアンテナ取り付け部構造においては、アンテナ取り付けブロックに形成した爪係合孔は、筺体内に位置するようになっている。
【0012】
請求項3の移動体通信機のアンテナ取り付け部構造においては、回転防止爪は、アンテナ取り付けブロックに嵌入した嵌合体をアンテナ取り付けブロックに対し固定する際の嵌合体の回転方向に対し上流側から下流側ヘ向けて下り傾斜に形成されている。
【0013】
請求項4の移動体通信機のアンテナ取り付け部構造においては、回転防止爪は、半球状に形成されている。
【0014】
請求項5の移動体通信機のアンテナ取り付け部構造は、アンテナ素子が摺動し得るようにした嵌合体の筺体外側の端部に工具装着用の溝を設けたものである。
【0015】
本発明の実施の形態においては、回転防止爪を案内溝に案内させつつ、嵌合体をアンテナ取り付けブロックの第一、第二の中空孔を経て細長部材がアンテナ取り付けブロックの先端から筺体内へ突出するまで挿入し、次いで、嵌合体を周方向一側へ向けて所要の角度回転させる。
【0016】
そうすると、回転防止爪は第一の中空孔内面を周方向へ摺動してアンテナ取り付けブロックに形成した爪係合孔に嵌入し、嵌合体における大径部の切除部周方向の端部は第二の中空孔内部に設けた突起に当接し、細長部材における長軸側の両端はアンテナ取り付けブロックの筺体内側の端部に係止する。
【0017】
このため、アンテナはそれ以上嵌合体の周方向へは回転できず、又嵌合体の軸線方向へも移動できないため、アンテナ取り付けブロックに確りと取り付けられる。
【0018】
従って、本発明においては、ねじや半田を使用することなく、アンテナの嵌合体を所定の角度だけ回転させるだけでアンテナをアンテナ取り付けブロックに強固に取り付けることができると共に、嵌合体やアンテナ取り付けブロックの中空孔にねじを螺設しなくて良いため、アンテナの取り付け作業に回転トルクを管理する必要のある特殊な治工具を使用しなくて良い。
【0019】
このため、アンテナの構造がシンプルになると共にその取り付け作業の簡略化を図ることができ、その結果、コストの低減を図り得られるうえ、アンテナに力が作用しても簡単には外れることがないため、アンテナの紛失や破損が生じることがなく、従って、移動体通信機の信頼性が向上する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0021】
図1〜図9は本発明を実施する形態の一例であって、図1は移動体通信機が携帯電話である場合のアンテナの取り付け部構造を示す斜視図、図2は図1に示す背面側筺体のアンテナ取り付けブロックの部分におけるII−II方向矢視図、図3は図2のIII−III方向矢視図である。
【0022】
又、図4は図1に示すアンテナの拡大斜視図、図5は図4のV−V方向矢視図、図6は一部を破断して示す図5のVI−VI方向矢視図、図7は図4のVII−VII方向矢視図、図8は図4に示すアンテナの樹脂ばね部材におけるVIII−VIII方向矢視図、図9はアンテナを背面側筺体のアンテナ取り付けブロックに取り付けた状態を示す斜視図である。
【0023】
図中、1は内部にバッテリ2を収納し得るようにした、携帯電話の背面側筺体であり、該背面側筺体1のバッテリ2収納側とは反対側の縁板1aには、背面側筺体1の外側から縁板1aを貫通して背面側筺体1の内側へ突出し、その背面側筺体1内側の端部3aがバッテリ2の一端部側へ向いたアンテナ取り付けブロック3が一体的に固設されている。
【0024】
アンテナ取り付けブロック3には、図3に示すようにアンテナ取り付けブロック3を背面側筺体1の長手方向へ貫通するよう、背面側筺体1の外側から内側へ向けて中空孔4,5が穿設されている。
【0025】
而して、中空孔4は断面円形状に形成されると共にアンテナ取り付けブロック3の背面側筺体1外側端部から背面側筺体1内側端部近傍まで延在している。
【0026】
又、中空孔5は背面側筺体1の背面1b幅方向の長さ(図2における長軸L1と平行な方向の長さ)が長く、深さ方向の長さ(図2における短軸L2と平行な方向の長さ)が短い長円形状に形成されると共に、背面側筺体1内側の端部3a近傍で中空孔4に連通し、アンテナ取り付けブロック3における背面側筺体1内側の端部3aまで延在している。
【0027】
背面側筺体1における中空孔5の長軸L1側の長さは中空孔4の直径と略同じであるが、中空孔5の短軸L2側の長さは中空孔5の直径よりも短く形成されている。
【0028】
アンテナ取り付けブロック3には、中空孔4に接すると共に中空孔4側が開口ししかも背面側筺体1の背面1b側に位置するようにした案内溝6が、中空孔4の軸線方向全長に亘って設けられており、アンテナ取り付けブロック3の長手方向中途部側部には、アンテナ取り付けブロック3を中空孔4側から背面側筺体1内側へ向けて貫通するよう、背面側筺体1の背面1bに対し略平行な方向へ向けて断面四角形状の爪係合孔7が穿設されている。
【0029】
中空孔4内の中空孔5側端部には、背面側筺体1の背面1bから背面側筺体1の深さ方向へ離れて位置すると共に中空孔4の内周及び中空孔5側壁部に連なるよう、突起8が固設されている(図2、3参照)。
【0030】
図中、9はアンテナであり、該アンテナ9は、樹脂製で且つ断面が略円柱状に形成され、しかもアンテナ取り付けブロック3の中空孔4に嵌入し得るようにした径の嵌合体10と、嵌合体10の基端部側は被覆されないよう、嵌合体10の先端から基端側の所定位置までを覆うよう嵌合体10に外嵌されたゴム製のキャップ11と、嵌合体10内に埋設された図示されていないアンテナ素子に接続されると共に嵌合体10の基端部側先端から背面側筺体1内へ突出し得るよう設けられた電極12とを備えている。
【0031】
嵌合体10の基端部はその軸線方向において、キャップ11側に位置する所要長さの大径部13と、キャップ11から離反する先端位置において大径部13に一体的に接続された、大径部13よりも径の小さい小径部14と、大径部13から離反する先端位置において小径部14に一体的に接続された長方形部15とを備えている。而して、長方形部15の長軸L3側の長さは大径部13の直径と略同じであり、短軸L4側の長さは小径部14の直径と略同じである(図4、5、6、7参照)。
【0032】
嵌合体10における大径部13の小径部14側先端は、円周方向へ所定の範囲(約90度)に亘って円弧状に切除されており、この切除部には小径部14が延在している。
【0033】
嵌合体10における基端部のキャップ11が外嵌されていない大径部13の外周1箇所には、嵌合体10の周方向へ所定の間隔を隔てて軸線方向へ平行に延びる2本の切り込み16が、長方形部15の短軸L4と平行な一側側に位置するよう形成され、2本の切り込み16の長方形部15側先端は、嵌合体10における大径部13の周方向へ延びる切り込み17により接続されている。
【0034】
又、大径部13の2本の切り込み16及び切り込み17により三方を囲まれた部分には、大径部13の径方向内側所定位置に位置するよう、嵌合体10の軸線方向及び周方向へ広がる切り込み18が形成され、切り込み18は切り込み16及び17に連通している。このため、嵌合体10の外周の一部は、キャップ11に近接した側が大径部13に接続されて支点となり、大径部13の径方向へ撓み得るようにした樹脂製のばね部材19となっており、ばね部材19は長方形部15の短軸L4と平行な一側側に形成されている。
【0035】
ばね部材19の小径部14側先端には、嵌合体10における大径部13の外周から径方向外方に突出すると共に大径部13の径方向外方から見て四角形状の回転防止爪20が固設されており、回転防止爪20は、アンテナ9をアンテナ取り付けブロック3にセットする際の回転方向上流側から下流側へ向かって大径部13の円周方向へ下り傾斜に形成されている。
【0036】
又、切り込み18の大径部13径方向の深さ寸法は、ばね部材19が撓んだ際に回転防止爪20の大径部13径方向の高さの最も高い部分が中空孔4内へ押し込まれる寸法となっている。
【0037】
尚、図中、3bはアンテナ取り付けブロック3の背面側筺体1外側の端部、4aは中空孔4における中空孔5側の端部、11aは大径部13のキャップ11で覆われていない側のキャップ11の端部、13aは嵌合体10における大径部13の小径部14側の端部、13bは大径部13の小径部14側に形成した切除部の大径部13周方向一端側の端部、15aは嵌合体10における長方形部15の小径部14側の端部である。
【0038】
アンテナ9をアンテナ取り付けブロック3にセットする際には、図1に示すように、電極12がアンテナ取り付けブロック3の中空孔4へ向くよう、作業員がアンテナ9を持ち、長方形部15の長軸L3及び短軸L4の向きを長方形状の中空孔5の長軸L1及び短軸L2の向きと一致させる。
【0039】
そうすると、嵌合体10のばね部材19に設けた回転防止爪20は、アンテナ9の嵌合体10を中空孔4に挿入する際に案内溝6に合致し得るようになるため、アンテナ9を長方形部15側からアンテナ取り付けブロック3の中空孔4内へ挿入して背面側筺体1内へ向けて押し込むと、回転防止爪20は案内溝6に案内される。
【0040】
アンテナ9の嵌合体10を更に背面側筺体1内へ向けて押し込むと、長方形部15は中空孔4から長方形状の中空孔5を経て背面側筺体1内に突出し、背面側筺体1内に位置する。その結果、嵌合体10の大径部13の先端部13aは、中空孔4の中空孔5側における端部4aに当接し、キャップ11における嵌合体10基端部側の端部11aは、アンテナ取り付けブロック3の背面側筺体1外側の端部3bに当接して停止する。
【0041】
又、この場合、嵌合体10の小径部14は中空孔5及び4に嵌入し、大径部13は中空孔4に嵌入し、中空孔4内の突起8は大径部13の切除部に形成された空間に囲まれた状態となる。
【0042】
次に、アンテナ9をキャップ11を掴んで背面側筺体1から見て反時計方向である矢印イ方向へ回すと、ばね部材19に固設されている回転防止爪20も嵌合体10と共に嵌合体10の円周方向へ回動する。このため、回転防止爪20は回転防止爪20の径方向の高さが低い側を先頭にして案内溝6から外れ、その結果、回転防止爪20は中空孔4の内周面に押圧される。
【0043】
そうすると、ばね部材19は回転防止爪20を介して嵌合体10の径方向へ撓み、回転防止爪20は中空孔4の内周面に対し摺動し得るようになる。
【0044】
従って、嵌合体10が所定範囲(約90度)回動すると、回転防止爪20はアンテナ取り付けブロック3に形成された爪係合孔7の部分に達し、ばね部材19の弾撥力により、回転防止爪20は爪係合孔7に嵌入し係合する。このため、アンテナ9を図1の矢印イ方向とは反対の方向へ回動させようとしても、回転防止爪20における嵌合体10の径方向の高さの高い部分が、爪係合孔7の縁部に当接し、その結果、アンテナ9の矢印イ方向とは反対方向への回動が防止される。
【0045】
又、この場合、嵌合体10の大径部13に形成した切除部における嵌合体10の回転方向上流側の端部13bは、中空孔4内における突起8の周方向側部に当接するため、アンテナ9延いては嵌合体10はそれ以上は図1の矢印イ方向へは回動することはない。
【0046】
更に、長方形部15の長軸L3は中空孔5の短軸L2と同一方向(背面側筺体1の深さ方向)になるため、アンテナ9をアンテナ取り付けブロック3の軸線方向へ引っ張っても、長方形部15の端部15aがアンテナ取り付けブロック3の端部3aに当接して係止するため、アンテナ9を軸線方向へ引っ張っても、アンテナ9がアンテナ取り付けブロック3から外れることはない。従って、アンテナ9はアンテナ取り付けブロック3に対して強固に固定される。
【0047】
上述した図示例においては、ねじや半田を使用することなく、アンテナ9を約90度の範囲で回転させるだけの少ない工数でアンテナ取り付けブロック3に容易且つ強固に取り付けることができると共に、嵌合体10や中空孔5にねじを螺設する必要がなく、従って、アンテナ9の取り付け作業に回転トルクを管理するような特殊な治工具を使用する必要がない。
【0048】
このため、アンテナ9の構造をシンプルにしてアンテナ9の取り付け作業の簡略化を図ることができ、その結果、コストの低減を図り得られるうえ、アンテナ9に力が作用しても簡単には外れることがないため、アンテナ9の紛失や破損が生じることがなく、従って、携帯電話等の移動体通信機の信頼性が向上する。
【0049】
アンテナ9をアンテナ取り付けブロック3から取り外す場合には、図示してない前面側筺体を取り外して図1、9に示す如く背面側筺体1を開け、背面側筺体1内部に位置する回転防止爪20をドライバ等の先端でアンテナ取り付けブロック3の中空孔4内側に押し込み、回転防止爪20の大径部13における径方向の高さが最も高い部分が中空孔4内へ押し込まれたら、アンテナ9を図9の矢印ロ方向へ所定の角度(約90度)回転させる。
【0050】
そうすると、回転防止爪20は中空孔4に沿って形成された案内溝6の部分に位置するため、アンテナ9のキャップ11を持って背面側筺体1から離脱する方向へ引っ張ることにより、嵌合体10の大径部13は中空孔4を、又、小径部14及び長方形部15は中空孔5,4を、更に回転防止爪20は案内溝6を経て引き抜かれ、その結果、アンテナ9はアンテナ取り付けブロック3から容易且つ迅速に取り外される。
【0051】
前面側筺体と背面側筺体1が一体に取り付けられている状態では、回転防止爪20は筺体内部に収納されていて筺体外部からは取り扱えないため、この場合には携帯電話機の使用者が故意にアンテナ9を取り外すことは難しく、アンテナ9の破損や紛失を防止できる。
【0052】
図10及び図11は本発明の実施の形態の他の例であって、図10は移動体通信機が携帯電話であり、且つアンテナが伸縮式の場合のアンテナ取り付け部構造を示す斜視図、図11は図10に示すアンテナ部の拡大斜視図である。尚、図中、図1〜図9に示すものと同一のものには同一の符号が付してある。
【0053】
本図示例においては、アンテナ9のアンテナ取り付けブロック3に取り付けられる嵌合体10の部分は、キャップ11とは分離されており、嵌合体10の長方形部15の背面側筺体1内側先端には中空状の電極21が接続されている。
【0054】
キャップ11が外嵌された樹脂製の棒状体22には、細長い棒状のアンテナ素子23の背面側筺体1外側の端部が嵌入されて固定されており、アンテナ素子23は嵌合体10及び電極21に対して軸線方向へ移動し得るよう挿通されている。
【0055】
アンテナ素子23のキャップ11とは反対側の端部には、給電部24が接続されており、携帯電話の使用時には、キャップ11を引っ張ってアンテナ素子23を筺体から引き出すことにより、給電部24は電極21に嵌入し得るようになっている。
【0056】
嵌合体10における大径部13のキャップ11側端部には大径部13の径方向へ向けて工具装着用の溝25が設けられている。このように溝25を設けるのは、キャップ11を手で回しても、アンテナ素子23が嵌合体10に対し空転し、嵌合体10のアンテナ取り付けブロック3に対する着脱を行うことができないためである。
【0057】
アンテナ9をアンテナ取り付けブロック3にセットする際には、図10に示すように、アンテナ9を給電部24側からアンテナ取り付けブロック3の中空孔4へ挿入したうえ、前述の図示例と同様、嵌合体10における長方形部15の長軸及び短軸の向きを長方形状の中空孔5の長軸及び短軸の向きと一致させる。
【0058】
そうすると、嵌合体10のばね部材19に設けた回転防止爪20は、アンテナ9の嵌合体10を中空孔4に挿入する際に案内溝6(図2、3参照)に合致し得るようになるため、嵌合体10を長方形部15側からアンテナ取り付けブロック3の中空孔4内へ挿入して背面側筺体1内へ向けて押し込む。この際、回転防止爪20は案内溝6に案内される。
【0059】
アンテナ9の嵌合体10を背面側筺体1外側から内側へ向けてアンテナ取り付けブロック3内へ嵌入し、長方形部15が中空孔4から中空孔5を経て背面側筺体1内に突出すると、この場合も嵌合体10の大径部13の先端部13aは、中空孔4の中空孔5側における端部4a(図3参照)に当接する。
【0060】
又、この場合、嵌合体10の小径部14は中空孔5及び4に嵌入し、大径部13は中空孔4に嵌入し、中空孔4内の突起8は大径部13の小径部14側における切除部により形成された空間に位置する。
【0061】
次に、嵌合体10の溝25に工具を装着し、嵌合体10を背面側筺体1から見て反時計方向である矢印イ方向へ回すと、前述の実施の形態の場合と同様にして嵌合体10のばね部材19に取り付けられている回転防止爪20はアンテナ取り付けブロック3の爪係合孔7に嵌合し、大径部13の端部13bは中空孔4内における突起8(図2、3参照)の周方向側部に当接するため、嵌合体10はそれ以上は図10の矢印イ方向或いはその逆方向へ回動することはない。
【0062】
又、長方形部15の長軸側は中空孔5の短軸と平行になり、長方形部15の長軸側両端はアンテナ取り付けブロック3の端面3cに係止するため、嵌合体10はその軸線方向へ移動することもない。
【0063】
アンテナ9をアンテナ取り付けブロック3から外す場合には、前面側筺体を背面側筺体1から外し、回転防止爪20を中空孔4内に押し込んだ状態で溝25に工具を装着し、嵌合体10を図10の矢印イとは反対方向へ回転させ、回転防止爪20が案内溝6の部分に位置したら前述の図示例と同様、嵌合体10をアンテナ取り付けブロック3から引き抜く。
【0064】
而して、本図示例においても、前述した図示例と同様な作用効果を得ることができる。
【0065】
図12、13は図10、11のアンテナにおける大径部のばね部材に取り付ける回転防止爪を半球状にした例であって、図12はアンテナ取り付けブロックに取り付けられる嵌合体10の部分の斜視図、図13は図12のXIII−XIII方向矢視図である。尚、図中、図10、11と同一のものには同一の符号が付してある。
【0066】
本例においては、嵌合体10におけるばね部材19の小径部14側先端部には、半球状の回転防止爪26が取り付けられている。而して、斯かる構成とすると、アンテナ9をアンテナ取り付けブロック3から取り外す際に、背面側筺体1から前面側筺体を取り外さなくても、溝25に工具を装着して嵌合体10を回転させることができ、従って、背面側筺体1から前面側筺体を取り外すことなく嵌合体10延いてはアンテナ9をアンテナ取り付けブロック3から引き抜き、取り外すことができる。
【0067】
尚、本発明の移動体通信機のアンテナ取り付け部構造においては、アンテナ取り付けブロックは背面側筺体に取り付ける場合について説明したが、前面側筺体に取り付けるようにしても実施できること、アンテナ取り付けブロックの背面側筺体内側の端部に係止する部分は長方形とする場合について説明したが、楕円形としても実施可能なこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ること、等は勿論である。
【0068】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の移動体通信機のアンテナ取り付け部構造によれば、請求項1〜5の何れにおいても、
I)ねじや半田を使用することなく、アンテナを所定の範囲回転させるだけでアンテナ取り付けブロックに容易且つ強固に取り付けることができる、
II)アンテナの嵌合体やアンテナ取り付けブロックの中空孔にねじを螺設する必要がなく、しかもアンテナの取り付け作業に回転トルクを管理するための特殊な治工具を使用する必要がないこのため、アンテナの構造がシンプルとなり且つアンテナの取り付け作業の簡略化を図ることができ、従って、コストの低減を図ることができる、
III)アンテナに力が作用しても簡単には外れることがないため、アンテナの紛失や破損が生じることがない、
IV)アンテナの着脱を少ない工数で迅速に行うことができる、
V)以上のことから、携帯電話等の移動体通信機の信頼性が向上する、
等、種々の優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】移動体通信機が携帯電話である場合のアンテナの取り付け部構造を示す斜視図である。
【図2】図1に示す背面側筺体のアンテナ取り付けブロックの部分におけるII−II方向矢視図である。
【図3】図2のIII−III方向矢視図である。
【図4】図1に示すアンテナの拡大斜視図である。
【図5】図4のV−V方向矢視図である。
【図6】一部を破断して示す図5のVI−VI方向矢視図である。
【図7】図4のVII−VII方向矢視図である。
【図8】図4に示すアンテナの樹脂ばね部材におけるVIII−VIII方向矢視図である。
【図9】アンテナを背面側筺体のアンテナ取り付けブロックに取り付けた状態を示す斜視図である。
【図10】本発明の実施の形態の他の例であって、移動体通信機が携帯電話であり、且つアンテナが伸縮式の場合のアンテナ取り付け部構造を示す斜視図である。
【図11】図10に示すアンテナ部の拡大斜視図である。
【図12】図10に示す実施の形態のアンテナの取り付け部構造において、大径部のばね部材に取り付ける回転防止爪を半球状にした例の斜視図である。
【図13】図12のXIII−XIII方向矢視図である。
【図14】移動体通信機が携帯電話である場合の従来のアンテナの取り付け部構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 背面側筺体(筺体)
3 アンテナ取り付けブロック
4 中空孔(第一の中空孔)
5 中空孔(第二の中空孔)
6 案内溝
7 爪係合孔
8 突起
10 嵌合体
13 大径部
13b 端部
14 小径部
15 長方形部(細長部材)
19 ばね部材
20 回転防止爪
23 アンテナ素子
25 溝
26 回転防止爪
L1 長軸
L3 長軸
Claims (5)
- 背面側又は前面側の筺体に取り付けられたアンテナ取り付けブロックに対しアンテナのアンテナ素子が嵌入された嵌合体を取り付け得るようにした移動体通信機のアンテナ取り付け部構造であって、
前記アンテナ取り付けブロックは、
前記筺体外側から内側へ向けて延びる断面が略円形の第一の中空孔と、
長軸側において前記第一の中空孔と略径が等しく且つ第一の中空孔と連通して筺体内側へ延びる断面非円形の第二の中空孔と、
前記第一の中空孔に沿い軸線方向へ延びる案内溝と、
前記第一の中空孔においてアンテナ取り付けブロックを径方向へ貫通する爪係合孔を備え、
前記嵌合体は、
該嵌合体を前記アンテナ取り付けブロックの第一、第二の中空孔に挿通させて所定角度回転させた際に、前記第二の中空孔から前記筺体内に突出して長軸側が筺体内側の端部に係止し得るようにした細長部材と、
前記アンテナ取り付けブロックの第二の中空孔に嵌入するよう前記細長部材に接続された小径部と、
前記第一の中空孔に嵌入する、前記小径部よりも径の大きい大径部と、
該大径部の外周に前記嵌合体の軸線と平行に設けられ且つアンテナ取り付けブロックに嵌入された嵌合体を周方向へ回転させる際に撓み得るようにしたばね部材と、
該ばね部材の大径部に対する接続部とは反対側に設けられ、前記嵌合体を前記第一、第二の中空孔へ挿通させる際に前記案内溝に案内されると共に、アンテナ取り付けブロックに挿通された嵌合体を周方向へ回転させた際にアンテナ取り付けブロックの前記爪係合孔に嵌合し得るようにした回転防止爪と、
前記大径部の小径部側先端に形成され、前記嵌合体を周方向へ所定の角度だけ回転させた際に端部が係止し得るようにした切除部と、
を備えたことを特徴とする移動体通信機のアンテナ取り付け部構造。 - アンテナ取り付けブロックに形成した爪係合孔は、筺体内に位置するようにした請求項1記載の移動体通信機のアンテナ取り付け部構造。
- 回転防止爪は、アンテナ取り付けブロックに嵌入した嵌合体をアンテナ取り付けブロックに対し固定する際の嵌合体の回転方向に対し上流側から下流側ヘ向けて下り傾斜に形成した請求項1又は2記載の移動体通信機のアンテナ取り付け部構造。
- 回転防止爪は、半球状に形成された請求項1又は2記載の移動体通信機のアンテナ取り付け部構造。
- アンテナ素子が摺動し得るようにした嵌合体の筺体外側の端部に工具装着用の溝を設けた請求項1、2、3又は4記載の移動体通信機のアンテナ取り付け部構造。
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