JP4240173B2 - インダン誘導体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、徐脈活性を有するインダン誘導体に関するものであり、ヒトを含む哺乳動物に対する心不全治療の治療に用いられるものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
特開昭63−264445号公報には、インダン誘導体が阿片剤受容体、特にκ受容体に強い親和性を有し、中枢鎮痛特性を有することを報告している。また特開平2−141号公報は平滑筋弛緩作用を有する、ある種のインダン誘導体を報告している。
しかし、いずれの場合も徐脈作用に基づく心不全治療の可能性については言及していない。
心臓の機能不全状態である心不全は、心臓収縮力の低下に基づく疾患であり、その治療には、心筋収縮力を増加させる薬剤が臨床上使用されている。しかし、これらの薬剤には、心拍数増加作用に基づく心筋エネルギー過剰消費が問題であるとされ、長期投与の際の生命予後改善効果に課題があると言われている。したがって、心拍数を減少(徐脈)させることにより心筋エネルギー消費の負担を軽減させる薬剤の開発が望まれている。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、インダン誘導体を鋭意探索した結果、驚くべきことに式(I)で表される化合物に強い徐脈作用があり、心不全治療剤として有用であることを見いだし、本発明を完成した。
【0004】
本発明は、式(I)
【0005】
【化4】
【0006】
〔式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子、C1-6アルキル基(該アルキル基は、ハロゲン原子、カルボキシル基、C1-6アルコキシ基、C2-6アルコキシカルボニル基、水酸基、ホルミル基、シアノ基又はニトロ基により任意に置換されていてもよい。)、C1-6アルコキシ基{該アルコキシ基は、ハロゲン原子、カルボキシル基、C2-6アルコキシカルボニル基、水酸基、フェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、水酸基、C1-4アルキル基又はC1-4アルコキシ基により任意に置換されていてもよい)、ホルミル基、シアノ基又はニトロ基により任意に置換されていてもよい。}、C3-6シクロアルキル基{該シクロアルキル基は、ハロゲン原子、カルボキシル基、C2-6アルコキシカルボニル基、水酸基、C1-6アルコキシ基、フェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、水酸基、C1-4アルキル基又はC1-4アルコキシ基により任意に置換されていてもよい)、ホルミル基、シアノ基又はニトロ基により任意に置換されていてもよい。}、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、カルボキシル基、水酸基、ホルムアミド基、シアナミド基、アミノ基、C1-6アルキルアミノ基、ジC1-6アルキルアミノ基(該アルキルアミノ基及びジC1-6アルキルアミノ基は、ハロゲン原子、カルボキシル基、C2-6アルコキシカルボニル基、水酸基、ホルミル基、シアノ基又はニトロ基により任意に置換されていてもよい。)、C1-6アルキルカルボニルアミノ基、C1-6アルキルスルホニルアミノ基、アミノカルボニル基、C1-6アルキルアミノカルボニル基、ジC1-6アルキルアミノカルボニル基、C1-6アルキルカルボニル基、C1-6アルコキシカルボニル基、C1-6アルキルカルボニルオキシ基、C1-6アルキルウレア基、C1-6アルキルチオウレア基、アリールC1-6アルキルアミノ基、ジ(アリールC1-6アルキル)アミノ基、アリールカルボニルアミノ基、アリールC1-6アルキルカルボニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アリールC1-6アルキルスルホニルアミノ基、アリールC1-6アルキルアミノカルボニル基、ジ(アリールC1-6アルキル)アミノカルボニル基、アリールカルボニル基、アリールC1-6アルキルカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールC1-6アルキルオキシカルボニル基、アリールカルボニルオキシ基、アリールC1-6アルキルカルボニルオキシ基、アリールウレア基、アリールC1-6アルキルウレア基、アリールチオウレア基又はアリールC1-6アルキルチオウレア基{該アリールC1-6アルキルアミノ基、ジ(アリールC1-6アルキル)アミノ基、アリールカルボニルアミノ基、アリールC1-6アルキルカルボニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アリールC1-6アルキルスルホニルアミノ基、アリールC1-6アルキルアミノカルボニル基、ジ(アリールC1-6アルキル)アミノカルボニル基、アリールカルボニル基、アリールC1-6アルキルカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールC1-6アルキルオキシカルボニル基、アリールカルボニルオキシ基、アリールC1-6アルキルカルボニルオキシ基、アリールウレア基、アリールC1-6アルキルウレア基、アリールチオウレア基及びアリールC1-6アルキルチオウレア基は、何れもハロゲン原子、カルボキシル基、C2-6アルコキシカルボニル基、水酸基、C1-6アルコキシ基、フェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、水酸基、C1-4アルキル基又はC1-4アルコキシ基により任意に置換されていてもよい)、ホルミル基、シアノ基又はニトロ基により任意に置換されていてもよい}を意味する。
R2及びR3は、それぞれ独立してC1-6アルキル基(該アルキル基は、ハロゲン原子、C1-6アルコキシ基、水酸基により任意に置換されていてもよい。)を意味するか又はR2とR3が一緒になってそれらが結合している炭素原子と共にC3-6シクロアルキル基を意味する。
R4は、水酸基若しくはC1-6アルキルカルボニルオキシ基を意味するか又はR5と一緒になって結合を意味するか又はR5と一緒になって酸素原子と共にエポキシ基を意味する。
R5は、水素原子を意味するか又はR4と一緒になって結合を意味するか又はR4と一緒になってエポキシ基を意味する。
R6は、水素原子、水酸基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルカルボニルオキシ基又はNR7R8{R7及びR8は、それぞれ独立して水素原子、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C3-6シクロアルキル基(該アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びシクロアルキル基は、何れもハロゲン原子、カルボキシル基、C2-6アルコキシカルボニル基、水酸基、C1-6アルコキシ基、フェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、水酸基、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、ホルミル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、C1-6アルキルアミノ基又はジC1-6アルキルアミノ基により任意に置換されていてもよい)により任意に置換されていてもよい)若しくはフェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、水酸基、C1-4アルキル基又はC1-4アルコキシ基により任意に置換されていてもよい)を意味するか又は、
R7とR8が一緒になって、1,4−ブチレン、1,5−ペンチレン(該ブチレン及びペンチレンは、それぞれC1-4アルキル基、フェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、水酸基、C1-4アルキル基又はC1-4アルコキシ基により任意に置換されていてもよい)、ハロゲン原子、水酸基、C1-4アルコキシ基又はC1-6アルキルカルボニルオキシによって任意に置換されていてもよい)若しくは(CH2)lX1(CH2)p(lとpは、それぞれ1、2又は3を意味するが、その合計は3、4又は5となる。X1は、酸素原子、硫黄原子、NR14(R14は、水素原子、C1-4アルキル基又はフェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、水酸基、C1-4アルキル基又はC1-4アルコキシ基により任意に置換されていてもよい)を意味する)を意味する)を意味するか、
又は、R7とR8が一緒になって、それらが結合している窒素原子と共にR15(R15は、R10と同じ意味を表す)により任意に置換されていてもよいピロリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、1,2,3−トリアゾリル基、1,2,4−トリアゾリル基若しくは1,2,3,4−テトラゾリル基を意味する。}を意味する。
nは、0〜4の整数を意味する。
Xは、C=O、CH2、SO2又はNR16(R16は、R14と同じ意味を表す)を意味する。
Yは、XがC=O、CH2又はSO2のとき、NR17(R17は、R14と同じ意味を表す)を意味し、XがNR16のとき、C=Oを意味する。
Zは、YがNR17のとき、存在しない、YがC=Oのとき、NR18(R18は、R14と同じ意味を表す)を意味する。
Wは、
【0007】
【化5】
【0008】
{式中、R9は、水素原子、ハロゲン原子、C1-6アルキル基(該アルキル基はハロゲン原子又はC1-6アルコキシ基で置換されていてもよい)、C1-6アルコキシ基(該アルコキシ基は、ハロゲン原子で置換されていてもよい)、フェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、水酸基、C1-4アルキル基又はC1-4アルコキシ基により任意に置換されていてもよい)、水酸基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、ホルムアミド基、アミノ基、C1-6アルキルアミノ基、ジC1-6アルキルアミノ基、C1-6アルキルカルボニルアミノ基、C1-6アルキルスルホニルアミノ基、アミノカルボニル基、C1-6アルキルアミノカルボニル基、ジC1-6アルキルアミノカルボニル基、C1-6アルキルカルボニル基、C1-6アルコキシカルボニル基、アミノスルホニル基、C1-6アルキルスルホニル基、カルボキシル基又はアリールカルボニル基を意味する。
mは、1〜3の整数を意味し、mが2又は3の時、R9は同一又は異なっていてもよい。
R12は、水素原子又はC1-4アルキル基を意味する}を意味する。〕により表されるインダン誘導体又はその塩に関する。
【0009】
本発明化合物は、強い心拍数減少作用を有し、心機能の改善に有効であり、心不全治療薬として用いることができる。
【0010】
次に、本発明化合物(I)の各置換基を具体的に説明する。
なお、本明細書中「n」はノルマルを「i」はイソを、「s」はセカンダリーを、「t」はターシャリーを「c」はシクロを、「o」はオルトを、「m」はメタを、「p」はパラを意味する。
【0011】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。好ましくは、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子が挙げられる。
【0012】
C1-6アルキル基としては、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、1-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、i-ペンチル、ネオペンチル、2,2-ジメチルプロピル、1-ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、1-メチル-n-ペンチル、1,1,2-トリメチル-n-プロピル、1,2,2-トリメチル-n-プロピル、3,3-ジメチル-n-ブチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、シアノメチル及びヒドロキシメチル等が挙げられる。
好ましくは、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル及びn-ブチルが挙げられる。
【0013】
C1-6アルコキシ基としては、メトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ、n-ブトキシ、i-ブトキシ、s-ブトキシ、t-ブトキシ、1-ペンチルオキシ、2-ペンチルオキシ、3-ペンチルオキシ、i-ペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、2,2-ジメチルプロポキシ、1-ヘキシルオキシ、2-ヘキシルオキシ、3-ヘキシルオキシ、1-メチル-n-ペンチルオキシ、1,1,2-トリメチル-n-プロポキシ、1,2,2-トリメチル-n-プロポキシ及び3,3-ジメチル-n-ブトキシ等が挙げられる。
好ましくは、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ及びi-プロポキシが挙げられる。
【0014】
アリール基としては、フェニル、ビフェニリル、ナフチル、アントリル及びフェナントリル等が挙げられる。
好ましくは、フェニル、ビフェニリル及びナフチルが挙げられる。
【0015】
C3-6シクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチル等が挙げられる。
好ましくは、シクロプロピル、シクロブチル及びシクロヘキシルが挙げられる。
【0016】
C1-6アルキルアミノ基としては、メチルアミノ、エチルアミノ、n-プロピルアミノ、i-プロピルアミノ、c-プロピルアミノ、n-ブチルアミノ、i-ブチルアミノ、s-ブチルアミノ、t-ブチルアミノ、c-ブチルアミノ、1-ペンチルアミノ、2-ペンチルアミノ、3-ペンチルアミノ、i-ペンチルアミノ、ネオペンチルアミノ、t-ペンチルアミノ、c-ペンチルアミノ、1-ヘキシルアミノ、2-ヘキシルアミノ、3-ヘキシルアミノ、c-ヘキシルアミノ、1-メチル-n-ペンチルアミノ、1,1,2-トリメチル-n-プロピルアミノ、1,2,2-トリメチル-n-プロピルアミノ及び3,3-ジメチル-n-ブチルアミノ等が挙げられる。
好ましくは、メチルアミノ、エチルアミノ、n-プロピルアミノ、i-プロピルアミノ及びn-ブチルアミノが挙げられる。
【0017】
ジC1-6アルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジ-n-プロピルアミノ、ジ-i-プロピルアミノ、ジ-c-プロピルアミノ、ジ-n-ブチルアミノ、ジ-i-ブチルアミノ、ジ-s-ブチルアミノ、ジ-t-ブチルアミノ、ジ-c-ブチルアミノ、ジ-1-ペンチルアミノ、ジ-2-ペンチルアミノ、ジ-3-ペンチルアミノ、ジ-i-ペンチルアミノ、ジ-ネオペンチルアミノ、ジ-t-ペンチルアミノ、ジ-c-ペンチルアミノ、ジ-1-ヘキシルアミノ、ジ-2-ヘキシルアミノ、ジ-3-ヘキシルアミノ、ジ-c-ヘキシルアミノ、ジ-(1-メチル-n-ペンチル)アミノ、ジ-(1,1,2-トリメチル-n-プロピル)アミノ、ジ-(1,2,2-トリメチル-n-プロピル)アミノ、ジ-(3,3-ジメチル-n-ブチル)アミノ、メチル(エチル)アミノ、メチル(n-プロピル)アミノ、メチル(i-プロピル)アミノ、メチル(c-プロピル)アミノ、メチル(n-ブチル)アミノ、メチル(i-ブチル)アミノ、メチル(s-ブチル)アミノ、メチル(t-ブチル)アミノ、メチル(c-ブチル)アミノ、エチル(n-プロピル)アミノ、エチル(i-プロピル)アミノ、エチル(c-プロピル)アミノ、エチル(n-ブチル)アミノ、エチル(i-ブチル)アミノ、エチル(s-ブチル)アミノ、エチル(t-ブチル)アミノ、エチル(c-ブチル)アミノ、n-プロピル(i-プロピル)アミノ、n-プロピル(c-プロピル)アミノ、n-プロピル(n-ブチル)アミノ、n-プロピル(i-ブチル)アミノ、n-プロピル(s-ブチル)アミノ、n-プロピル(t-ブチル)アミノ、n-プロピル(c-ブチル)アミノ、i-プロピル(c-プロピル)アミノ、i-プロピル(n-ブチル)アミノ、i-プロピル(i-ブチル)アミノ、i-プロピル(s-ブチル)アミノ、i-プロピル(t-ブチル)アミノ、i-プロピル(c-ブチル)アミノ、c-プロピル(n-ブチル)アミノ、c-プロピル(i-ブチル)アミノ、c-プロピル(s-ブチル)アミノ、c-プロピル(t-ブチル)アミノ、c-プロピル(c-ブチル)アミノ、n-ブチル(i-ブチル)アミノ、n-ブチル(s-ブチル)アミノ、n-ブチル(t-ブチル)アミノ、n-ブチル(c-ブチル)アミノ、i-ブチル(s-ブチル)アミノ、i-ブチル(t-ブチル)アミノ、i-ブチル(c-ブチル)アミノ、s-ブチル(t-ブチル)アミノ、s-ブチル(c-ブチル)アミノ及びt-ブチル(c-ブチル)アミノ等が挙げられる。
好ましくは、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジ-n-プロピルアミノ、ジ-i-プロピルアミノ及びジ-n-ブチルアミノが挙げられる。
【0018】
アリールC1-6アルキルアミノ基としては、ベンジルアミノ、o-メチルベンジルアミノ、m-メチルベンジルアミノ、p-メチルベンジルアミノ、o-クロルベンジルアミノ、m-クロルベンジルアミノ、p-クロルベンジルアミノ、o-フルオロベンジルアミノ、p-フルオロベンジルアミノ、o-メトキシベンジルアミノ、p-メトキシベンジルアミノ、p-ニトロベンジルアミノ、p-シアノベンジルアミノ、フェネチルアミノ、o-メチルフェネチルアミノ、m-メチルフェネチルアミノ、p-メチルフェネチルアミノ、o-クロルフェネチルアミノ、m -クロルフェネチルアミノ、p-クロルフェネチルアミノ、o-フルオロフェネチルアミノ、p-フルオロフェネチルアミノ、o-メトキシフェネチルアミノ、p-メトキシフェネチルアミノ、p-ニトロフェネチルアミノ、p-シアノフェネチルアミノ、フェニルプロピルアミノ、フェニルブチルアミノ、フェニルペンチルアミノ、フェニルヘキシルアミノ、ナフチルアミノ、ビフェニリルアミノ、アントリルアミノ及びフェナントリルアミノが挙げられる。
好ましくは、ベンジルアミノ、p-メチルベンジルアミノ、フェネチルアミノp-メトキシフェネチルアミノ及びフェニルプロピルアミノが挙げられる。
【0019】
C1-6アルキルカルボニルアミノ基としては、メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノ、n-プロピルカルボニルアミノ、i-プロピルカルボニルアミノ、n-ブチルカルボニルアミノ、i-ブチルカルボニルアミノ、s-ブチルカルボニルアミノ、t-ブチルカルボニルアミノ、1-ペンチルカルボニルアミノ、2-ペンチルカルボニルアミノ、3-ペンチルカルボニルアミノ、i-ペンチルカルボニルアミノ、ネオペンチルカルボニルアミノ、t-ペンチルカルボニルアミノ、1-ヘキシルカルボニルアミノ、2-ヘキシルカルボニルアミノ及び3-ヘキシルカルボニルアミノ等が挙げられる。
好ましくは、メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノ、n-プロピルカルボニルアミノ、i-プロピルカルボニルアミノ及びn-ブチルカルボニルアミノが挙げられる。
【0020】
アリールカルボニルアミノ基としては、ベンゾイルアミノ、1-ナフチルカルボニルアミノ、2-ナフチルカルボニルアミノ、o-メチルベンゾイルアミノ、m-メチルベンゾイルアミノ、p-メチルベンゾイルアミノ、o-クロルベンゾイルアミノ、p-クロルベンゾイルアミノ、o-フルオロベンゾイルアミノ、p-フルオロベンゾイルアミノ、o-メトキシベンゾイルアミノ、p-メトキシベンゾイルアミノ、p-ニトロベンゾイルアミノ、p-シアノベンゾイルアミノ及びp-フェニルベンゾイルアミノ等が挙げられる。
好ましくはベンゾイルアミノ及びp-フルオロベンゾイルアミノが挙げられる。
【0021】
アリールC1-6アルキルカルボニルアミノ基としてはフェニルアセチルアミノ、o-メチルフェニルアセチルアミノ、m-メチルフェニルアセチルアミノ、p-メチルフェニルアセチルアミノ、o-クロルフェニルアセチルアミノ、p-クロルフェニルアセチルアミノ、p-フルオロフェニルアセチルアミノ、o-メトキシフェニルアセチルアミノ、p-メトキシフェニルアセチルアミノ、p-ニトロフェニルアセチルアミノ、p-シアノフェニルアセチルアミノ、2-フェニルエチルカルボニルアミノ、3-フェニルプロピルカルボニルアミノ、4-フェニルブチルカルボニルアミノ、5-フェニルペンチルカルボニルアミノ及び6-フェニルヘキシルカルボニルアミノが挙げられる。
好ましくは、フェニルアセチルアミノ及び2-フェニルエチルカルボニルアミノが挙げられる。
【0022】
C1-6アルキルスルホニルアミノ基としては、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ、n-プロピルスルホニルアミノ、i-プロピルスルホニルアミノ、n-ブチルスルホニルアミノ、i-ブチルスルホニルアミノ、s-ブチルスルホニルアミノ、t-ブチルスルホニルアミノ、1-ペンチルスルホニルアミノ、2-ペンチルスルホニルアミノ、3-ペンチルスルホニルアミノ、i-ペンチルスルホニルアミノ、ネオペンチルスルホニルアミノ、t-ペンチルスルホニルアミノ、1-ヘキシルスルホニルアミノ、2-ヘキシルスルホニルアミノ及び3-ヘキシルスルホニルアミノ等が挙げられる。
好ましくは、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ、n-プロピルスルホニルアミノ、i-プロピルスルホニルアミノ及びn-ブチルスルホニルアミノが挙げられる。
【0023】
アリールスルホニルアミノ基としては、ベンゼンスルホニルアミノ及びp-トルエンスルホニルアミノが挙げられる。
【0024】
C1-6アルキルアミノカルボニル基としては、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、n-プロピルアミノカルボニル、i-プロピルアミノカルボニル、n-ブチルアミノカルボニル、i-ブチルアミノカルボニル、s-ブチルアミノカルボニル、t-ブチルアミノカルボニル、1-ペンチルアミノカルボニル、2-ペンチルアミノカルボニル、3-ペンチルアミノカルボニル、i-ペンチルアミノカルボニル、ネオペンチルアミノカルボニル、t-ペンチルアミノカルボニル、1-ヘキシルアミノカルボニル、2-ヘキシルアミノカルボニル及び3-ヘキシルアミノカルボニル等が挙げられる。
好ましくは、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、n-プロピルアミノカルボニル、i-プロピルアミノカルボニル及びn-ブチルアミノカルボニルが挙げられる。
【0025】
ジC1-6アルキルアミノカルボニル基としては、ジメチルアミノカルボニル、ジエチルアミノカルボニル、ジ-n-プロピルアミノカルボニル、ジ-i-プロピルアミノカルボニル、ジ-c-プロピルアミノカルボニル、ジ-n-ブチルアミノカルボニル、ジ-i-ブチルアミノカルボニル、ジ-s-ブチルアミノカルボニル、ジ-t-ブチルアミノカルボニル、ジ-c-ブチルアミノカルボニル、ジ-1-ペンチルアミノカルボニル、ジ-2-ペンチルアミノカルボニル、ジ-3-ペンチルアミノカルボニル、ジ-i-ペンチルアミノカルボニル、ジ-ネオペンチルアミノカルボニル、ジ-t-ペンチルアミノカルボニル、ジ-c-ペンチルアミノカルボニル、ジ-1-ヘキシルアミノカルボニル、ジ-2-ヘキシルアミノカルボニル及びジ-3-ヘキシルアミノカルボニル等が挙げられる。
好ましくは、ジメチルアミノカルボニル、ジエチルアミノカルボニル、ジ-n-プロピルアミノカルボニル、ジ-i-プロピルアミノカルボニル、ジ-c-プロピルアミノカルボニル及びジ-n-ブチルアミノカルボニルが挙げられる。
【0026】
アリールC1-6アルキルアミノカルボニル基としては、ベンジルアミノカルボニル、o-メチルベンジルアミノカルボニル、m-メチルベンジルアミノカルボニル、p-メチルベンジルアミノカルボニル、o-クロルベンジルアミノカルボニル、p-クロルベンジルアミノカルボニル、o-フルオロベンジルアミノカルボニル、p-フルオロベンジルアミノカルボニル、o-メトキシベンジルアミノカルボニル、p-メトキシベンジルアミノカルボニル、p-ニトロベンジルアミノカルボニル、p-シアノベンジルアミノカルボニル、フェネチルアミノカルボニル、フェネチルアミノカルボニル、p-メチルフェネチルアミノカルボニル、p-クロルフェネチルアミノカルボニル、p-シアノフェネチルアミノカルボニル、フェネチルアミノカルボニル、3-フェニルプロピルアミノカルボニル、4-フェニルブチルアミノカルボニル、5-フェニルペンチルアミノカルボニル及び6-フェニルヘキシルアミノカルボニルが挙げられる。
好ましくは、ベンジルアミノカルボニル、p-メチルベンジルアミノカルボニル、p-クロルベンジルアミノカルボニル、p-フルオロベンジルアミノカルボニル及びフェネチルアミノカルボニルが挙げられる。
【0027】
C1-6アルキルカルボニル基としては、メチルカルボニル、エチルカルボニル、n-プロピルカルボニル、i-プロピルカルボニル、n-ブチルカルボニル、i-ブチルカルボニル、s-ブチルカルボニル、t-ブチルカルボニル、1-ペンチルカルボニル、2-ペンチルカルボニル、3-ペンチルカルボニル、i-ペンチルカルボニル、ネオペンチルカルボニル、t-ペンチルカルボニル、1-ヘキシルカルボニル、2-ヘキシルカルボニル及び3-ヘキシルカルボニルが挙げられる。
好ましくは、メチルカルボニル、エチルカルボニル、n-プロピルカルボニル、i-プロピルカルボニル及びn-ブチルカルボニルが挙げられる。
【0028】
アリールカルボニル基としては、ベンゾイル、p-メチルベンゾイル、p-t-ブチルベンゾイル、p-メトキシベンゾイル、p-クロルベンゾイル、p-ニトロベンゾイル及びp-シアノベンゾイルが挙げられる。
好ましくは、ベンゾイル、p-ニトロベンゾイル及びp-シアノベンゾイルが挙げられる。
【0029】
アリールC1-6アルキルカルボニル基としては、フェニルアセチル、p-メチルフェニルアセチル、p-t-ブチルフェニルアセチル、p-メトキシフェニルアセチル、p-クロルフェニルアセチル、p-ニトロフェニルアセチル、p-シアノフェニルアセチル、フェネチルカルボニル、3-フェニルプロピル、4-フェニルブチル、5-フェニルペンチル及び6-フェニルヘキシルが挙げられる。
好ましくはフェニルアセチル及びフェネチルカルボニルが挙げられる。
【0030】
C1-6アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n-プロポキシカルボニル、i-プロポキシカルボニル、n-ブトキシカルボニル、i-ブトキシカルボニル、s-ブトキシカルボニル、t-ブトキシカルボニル、1-ペンチルオキシカルボニル、2-ペンチルオキシカルボニル、3-ペンチルオキシカルボニル、i-ペンチルオキシカルボニル、ネオペンチルオキシカルボニル、t-ペンチルオキシカルボニル、1-ヘキシルオキシカルボニル、2-ヘキシルオキシカルボニル及び3-ヘキシルオキシカルボニル等が挙げられる。
好ましくは、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n-プロポキシカルボニル、i-プロポキシカルボニル、n-ブトキシカルボニル、i-ブトキシカルボニル、s-ブトキシカルボニル及びt-ブトキシカルボニルが挙げられる。
【0031】
アリールオキシカルボニル基としては、フェノキシカルボニル、o-メチルフェノキシカルボニル、p-メチルフェノキシカルボニル、p-クロルフェノキシカルボニル、p-フルオロフェノキシカルボニル、p-メトキシフェノキシカルボニル、p-ニトロフェノキシカルボニル、p-シアノフェノキシカルボニル、1−ナフトキシカルボニル及び2−ナフトキシカルボニルが挙げられる。
【0032】
アリールC1-6アルキルオキシカルボニル基としては、ベンジルオキシカルボニル、o-メチルベンジルオキシカルボニル、p-メチルベンジルオキシカルボニル、p-クロルベンジルオキシカルボニル、p-フルオロベンジルオキシカルボニル、p-メトキシベンジルオキシカルボニル、p-ニトロベンジルオキシカルボニル、p-シアノベンジルオキシカルボニル、1−ナフトキシメチルカルボニル、2−ナフトキシメチルカルボニル及びピリジルメチルオキシカルボニルが挙げられる。
【0033】
C1-6アルキルカルボニルオキシ基としては、メチルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキシ、n-プロピルカルボニルオキシ、i-プロピルカルボニルオキシ、n-ブチルカルボニルオキシ、i-ブチルカルボニルオキシ、s-ブチルカルボニルオキシ、t-ブチルカルボニルオキシ、1-ペンチルカルボニルオキシ、2-ペンチルカルボニルオキシ、3-ペンチルカルボニルオキシ、i-ペンチルカルボニルオキシ、ネオペンチルカルボニルオキシ、t-ペンチルカルボニルオキシ、1-ヘキシルカルボニルオキシ、2-ヘキシルカルボニルオキシ、3-ヘキシルカルボニルオキシ、1-メチル-n-ペンチルカルボニルオキシ、1,1,2-トリメチル-n-プロピルカルボニルオキシ、1,2,2-トリメチル-n-プロピルカルボニルオキシ及び3,3-ジメチル-n-ブチルカルボニルオキシ等が挙げられる。
好ましくは、メチルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキシ、n-プロピルカルボニルオキシ、i-プロピルカルボニルオキシ、n-ブチルカルボニルオキシ及びt-ブチルカルボニルオキシが挙げられる。
【0034】
アリールカルボニルオキシ基としては、ベンゾイルオキシ、o-メチルベンゾイルオキシ、p-メチルベンゾイルオキシ、p-クロルベンゾイルオキシ、p-フルオロベンゾイルオキシ、p-メトキシベンゾイルオキシ、p-ニトロベンゾイルオキシ、p-シアノベンゾイルオキシ、1-ナフチルカルボニルオキシ及び2-ナフチルカルボニルオキシが挙げられる。
【0035】
アリールC1-6アルキルカルボニルオキシ基としては、ベンジルカルボニルオキシ、o-メチルベンジルカルボニルオキシ、p-メチルベンジルカルボニルオキシ、p-クロルベンジルカルボニルオキシ、p-フルオロベンジルカルボニルオキシ、p-メトキシベンジルカルボニルオキシ、p-ニトロベンジルカルボニルオキシ、p-シアノベンジルカルボニルオキシ、1-ナフトキシメチルカルボニルオキシ、2-ナフトキシメチルカルボニルオキシ及びピリジルメチルオキシカルボニルオキシが挙げられる。
【0036】
C1-6アルキルウレア基としては、メチルウレア、エチルウレア、n-プロピルウレア、i-プロピルウレア、n-ブチルウレア、i-ブチルウレア、s-ブチルウレア、t-ブチルウレア、1-ペンチルウレア、2-ペンチルウレア、3-ペンチルウレア、i-ペンチルウレア、ネオペンチルウレア、t-ペンチルウレア、1-ヘキシルウレア、2-ヘキシルウレア、3-ヘキシルウレア、1-メチル-n-ペンチルウレア、1,1,2-トリメチル-n-プロピルウレア、1,2,2-トリメチル-n-プロピルウレア及び3,3-ジメチル-n-ブチルウレア等が挙げられる。
【0037】
アリールウレア基としては、
フェニルウレア、o-メチルフェニルウレア、p-メチルフェニルウレア、p-クロルフェニルウレア、p-フルオロフェニルウレア、p-メトキシフェニルウレア、p-ニトロフェニルウレア、p-シアノフェニルウレア、1-ナフチルウレア及び2-ナフチルウレアが挙げられる。
【0038】
アリールC1-6アルキルウレア基としては、ベンジルウレア、o-メチルベンジルウレア、p-メチルベンジルウレア、p-クロルベンジルウレア、p-フルオロベンジルウレア、p-メトキシベンジルウレア、p-ニトロベンジルウレア、p-シアノベンジルウレア、1-ナフチルメチルウレア、2-ナフチルメチルウレア及びピリジルメチルウレアが挙げられる。
【0039】
C1-6アルキルチオウレア基としては、メチルチオウレア、エチルチオウレア、n-プロピルチオウレア、i-プロピルチオウレア、n-ブチルチオウレア、i-ブチルチオウレア、s-ブチルチオウレア、t-ブチルチオウレア、1-ペンチルチオウレア、2-ペンチルチオウレア、3-ペンチルチオウレア、i-ペンチルチオウレア、ネオペンチルチオウレア、t-ペンチルチオウレア、1-ヘキシルチオウレア、2-ヘキシルチオウレア、3-ヘキシルチオウレア、1-メチル-n-ペンチルチオウレア、1,1,2-トリメチル-n-プロピルチオウレア、1,2,2-トリメチル-n-プロピルチオウレア及び3,3-ジメチル-n-ブチルチオウレア等が挙げられる。
【0040】
アリールチオウレア基としては、フェニルチオウレア、o-メチルフェニルチオウレア、p-メチルフェニルチオウレア、p-クロルフェニルチオウレア、p-フルオロフェニルチオウレア、p-メトキシフェニルチオウレア、p-ニトロフェニルチオウレア、p-シアノフェニルチオウレア、1-ナフチルチオウレア及び2-ナフチルチオウレアが挙げられる。
【0041】
アリールC1-6アルキルチオウレア基としては、ベンジルチオウレア、o-メチルベンジルチオウレア、p-メチルベンジルチオウレア、p-クロルベンジルチオウレア、p-フルオロベンジルチオウレア、p-メトキシベンジルチオウレア、p-ニトロベンジルチオウレア、p-シアノベンジルチオウレア、1-ナフチルメチルチオウレア、2-ナフチルメチルチオウレア及びピリジルメチルチオウレアが挙げられる。
【0042】
本発明に用いられる好ましい化合物としては、以下に挙げる化合物が挙げられる。
【0043】
(1)
R2及びR3が、共にメチル基であり、−X−Y−Z−の組み合わせが-C(O)-NH-、-C(O)-NMe-、-CH2-NH-、-SO2-NH-又は-NH-C(O)-NH-である式(I)で表されるインダン誘導体又はその塩。
【0044】
(2)
Wが
【0045】
【化6】
【0046】
であり、R9が、水素原子、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基(該アルコキシ基は、ハロゲン原子で置換されていてもよい)、水酸基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、アミノ基、C1-6アルキルアミノ基、ジC1-6アルキルアミノ基、C1-6アルキルカルボニルアミノ基、C1-6アルキルスルホニルアミノ基、アミノカルボニル基、C1-6アルキルアミノカルボニル基、ジC1-6アルキルアミノカルボニル基、C1-6アルキルカルボニル基、C1-6アルコキシカルボニル基、アミノスルホニル基、C1-6アルキルスルホニル基又はカルボキシル基である上記(1)記載のインダン誘導体又はその塩。
【0047】
(3)
R1が水素原子又はニトロ基である上記(2)記載のインダン誘導体又はその塩。
【0048】
(4)
R4がR5と一緒になって結合を意味するか、 R4がR5と一緒になって酸素原子とともにエポキシ基を意味するか又はR4が水酸基、R5が水素原子で、R6がアミノ基、C1-6アルキルアミノ基、ジC1-6アルキルアミノ基{該アルキルアミノ基及びジC1-6アルキルアミノ基は、ハロゲン原子、カルボキシル基、C2-6アルコキシカルボニル基、水酸基、ホルミル基、シアノ基又はニトロ基により任意に置換されていてもよい。}、C1-6シクロアルキルアミノ基、アリールC1-6アルキルアミノ基、ジ(アリールC1-6アルキル)アミノ基、{該アリールC1-6アルキルアミノ基、ジ(アリールC1-6アルキル)アミノ基は、何れもR19(R19は、ハロゲン原子、カルボキシル基、C2-6アルコキシカルボニル基、水酸基、C1-6アルコキシ基、フェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、水酸基、C1-4アルキル基又はC1-4アルコキシ基により任意に置換されていてもよい)、ホルミル基、シアノ基又はニトロ基を意味する)により任意に置換されていてもよい}、1−ピロリジニル基、1−イミダゾリジニル基、1−ピペリジル基、1−ピペラジニル基又は1−モルホリノ基である上記(3)記載のインダン誘導体又はその塩。
【0049】
(5)
R9が、水素原子、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基(該アルコキシ基は、ハロゲン原子で置換されていてもよい)、水酸基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、アミノ基、C1-6アルキルアミノ基、ジC1-6アルキルアミノ基、C1-6アルキルカルボニル基、C1-6アルコキシカルボニル基又はカルボキシル基である上記(4)記載のインダン誘導体又はその塩。
【0050】
(6)
R4がR5と一緒になって結合を意味する上記(5)記載のインダン誘導体又はその塩。
【0051】
(7)
R4が水酸基であり、R5が水素原子であり、R6がアミノ基、C1-6アルキルアミノ基、ジC1-6アルキルアミノ基{該アルキルアミノ基及びジC1-6アルキルアミノ基は、ハロゲン原子、カルボキシル基、C2-6アルコキシカルボニル基、水酸基、ホルミル基、シアノ基又はニトロ基により任意に置換されていてもよい。}又はC1-6シクロアルキルアミノ基である上記(5)記載のインダン誘導体又はその塩。
【0052】
(8)
Wが4−メトキシフェニル基である上記(6)記載のインダン誘導体又はその塩。
【0053】
(9)
R6がイソプロピルアミノ基又はシクロプロピルアミノ基であり、Wが4−メトキシフェニル基である上記(7)記載のインダン誘導体又はその塩。
【0054】
以下に、本発明に用いることができる化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに制限されるものではない。なお、「Me」はメチル基を、「Et」はエチル基を、「Pr」はプロピル基を、「Bu」はブチル基を、「Ac」はアセチル基(COCH3)を、「−」は結合をそれぞれ意味する。
【0055】
【化7】
【0056】
【化8】
【0057】
【化9】
【0058】
【化10】
【0059】
【化11】
【0060】
【化12】
【0061】
【化13】
【0062】
【化14】
【0063】
【化15】
【0064】
【化16】
【0065】
【化17】
【0066】
【化18】
【0067】
【化19】
【0068】
【化20】
【0069】
【化21】
【0070】
【化22】
【0071】
【化23】
【0072】
【化24】
【0073】
【化25】
【0074】
【化26】
【0075】
【化27】
【0076】
【化28】
【0077】
【化29】
【0078】
【化30】
【0079】
【化31】
【0080】
【化32】
【0081】
【化33】
【0082】
【化34】
【0083】
【化35】
【0084】
【化36】
【0085】
【化37】
【0086】
【化38】
【0087】
【化39】
【0088】
【化40】
【0089】
【化41】
【0090】
【化42】
【0091】
【化43】
【0092】
【化44】
【0093】
【化45】
【0094】
【化46】
【0095】
本発明化合物は、1位と2位に不斉炭素を有しており、該不斉炭素に基づく光学異性体が存在するが、ラセミ体と同様に光学活性体も本発明の用途に用いることができる。又、1位と2位の立体配置に基づくシス又はトランス異性体も包含するが、好ましくはトランス異性体である。又、塩の形成可能な化合物であるときはその薬学上許容しうる塩も有効成分として用いることができる。
【0096】
【発明の実施の形態】
【0097】
次に本発明化合物の製造方法を説明する。
【0098】
一般式(I)で表される化合物のうち、XがC=O、YがNH、Zが結合を意味する一般式(I−1a)で表される化合物及び一般式(I−1b)で表される化合物は、既知の方法(J. M. Evansら、J. Med. Chem. 1984, 27, 1127、J. Med. Chem. 1986, 29, 2194、J. T. NorthらJ. Org. Chem. 1995, 60, 3397や、特開昭56−57785号公報、特開昭56−57786号公報、特開昭58−188880号公報、特開平2−141号公報など)に記載の方法に従って製造することができる。
一般式(I−1a)で表される化合物は、反応式1に示すように、一般式(1)で表される化合物と一般式(2)で表される酸塩化物を塩基の存在下反応させるか、又は一般式(1)で表される化合物と一般式(3)で表されるカルボン酸を縮合剤を用いて反応させることにより製造することができる。
反応式1
【0099】
【化47】
【0100】
(式中、R1,R2,R3,W及びnは前記に同じ。)
一般式(1)で表される化合物と一般式(2)で表される化合物の反応に用いる溶媒としては下記のものが挙げられる。
ベンゼン、トルエンによって代表される芳香族系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチルに代表されるエステル系溶媒、ジメチルスルホキシドによって代表されるスルホキシド系溶媒、ジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミドによって代表されるアミド系溶媒、エチルエーテル、ジメトキシエタン、1、4-ジオキサン又はテトラヒドロフランによって代表されるエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタンによって代表されるハロゲン系溶媒、メタノール、エタノール、又はプロパノールによって代表されるアルコール系溶媒が挙げられる。又、無溶媒の条件で反応を行うこともできる。好ましくはハロゲン系溶媒、アミド系溶媒が挙げられる。
【0101】
反応温度は、通常−20℃から用いられる反応溶媒の還流温度までであり、好ましくは、−10℃〜30℃である。
【0102】
反応原料のモル比は、一般式(2)で表される化合物/一般式(1)で表される化合物は0.5〜4.0の範囲であり、好ましくは1.0〜2.0の範囲である。
また、塩基/一般式(2)で表される化合物は、0.5〜2.0の範囲であり、好ましくは、1.0〜1.5の範囲である。
【0103】
用いる塩基としては、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの無機塩基、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、ピリジン、2、6-ルチジン、2、6-ジ-t-ブチルピリジン、N-メチルモルホリン、プロトンスポンジ等の有機塩基が挙げられる。好ましくはトリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミンが挙げられる。
【0104】
一般式(1)で表される化合物と一般式(3)で表される化合物の反応に用いる溶媒としては下記のものが挙げられる。
ベンゼン、トルエンによって代表される芳香族系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチルに代表されるエステル系溶媒、ジメチルスルホキシドによって代表されるスルホキシド系溶媒、ジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミドによって代表されるアミド系溶媒、エチルエーテル、ジメトキシエタン、1、4-ジオキサン又はテトラヒドロフランによって代表されるエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタンによって代表されるハロゲン系溶媒、メタノール、エタノール、又はプロパノールによって代表されるアルコール系溶媒が挙げられる。又、無溶媒の条件で反応を行うこともできる。好ましくはハロゲン系溶媒が挙げられる。
【0105】
反応温度は、通常−20℃から用いられる反応溶媒の還流温度までであり、好ましくは、−10℃〜30℃である。
【0106】
反応原料のモル比は、一般式(3)で表される化合物/一般式(1)で表される化合物は0.5〜4.0の範囲であり、好ましくは1.0〜2.0の範囲である。
【0107】
用いる縮合剤としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、N-エチル-N’-3-ジメチルアミノプロピルカルボジイミド、カルボニルジイミダゾールが挙げられる。
【0108】
また、これらの縮合剤にN-ヒドロキシスクシンイミド、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、3-ヒドロキシ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-1,2,3-ベンゾトリアジンを添加しても良い。
【0109】
一般式(I−1b)で表される化合物は、反応式2に示すように、一般式(I−1a)で表される化合物を水の存在下、N-ブロモコハク酸イミド(NBS)で一般式(4)で表されるブロモヒドリンとした後、塩基の存在下でエポキシ化するか又は、一般式(I−1a)で表される化合物を過酸化物により直接エポキシ化することにより製造することができる。
反応式2
【0110】
【化48】
【0111】
(式中、R1,R2,R3,W及びnは前記に同じ。)
一般式(I-1a)で表される化合物とNBSの反応に用いる溶媒としては下記のものが挙げられる。
ベンゼン、トルエンによって代表される芳香族系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチルに代表されるエステル系溶媒、ジメチルスルホキシドによって代表されるスルホキシド系溶媒、ジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミドによって代表されるアミド系溶媒、エチルエーテル、ジメトキシエタン、1、4-ジオキサン又はテトラヒドロフランによって代表されるエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタンによって代表されるハロゲン系溶媒、メタノール、エタノール、又はプロパノールによって代表されるアルコール系溶媒が挙げられる。好ましくは、スルホキシド系溶媒が挙げられる。
【0112】
反応温度は、通常−20℃から用いられる反応溶媒の還流温度までであり、好ましくは、−10℃〜30℃である。
【0113】
反応原料のモル比は、NBS/一般式(I-1a)で表される化合物は0.5〜4.0の範囲であり、好ましくは1.0〜3.0の範囲である。
【0114】
一般式(4)で表される化合物と塩基の反応に用いる溶媒としては下記のものが挙げられる。
ベンゼン、トルエンによって代表される芳香族系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチルに代表されるエステル系溶媒、ジメチルスルホキシドによって代表されるスルホキシド系溶媒、ジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミドによって代表されるアミド系溶媒、エチルエーテル、ジメトキシエタン、1、4-ジオキサン又はテトラヒドロフランによって代表されるエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタンによって代表されるハロゲン系溶媒、メタノール、エタノール、又はプロパノールによって代表されるアルコール系溶媒が挙げられる。又、水中で反応を行うこともできる。又、混合溶媒として用いても良い。好ましくは、エーテル系溶媒/水の混合溶媒が挙げられる。
【0115】
反応温度は、通常−20℃から用いられる反応溶媒の還流温度までであり、好ましくは、−10℃〜30℃である。
【0116】
反応原料のモル比は、塩基/一般式(4)で表される化合物は0.5〜4.0の範囲であり、好ましくは1.0〜2.0の範囲である。
【0117】
用いる塩基としては、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの無機塩基が挙げられる。好ましくは水酸化カリウム、水酸化ナトリウムが挙げられる。
【0118】
一般式(I-1a)で表される化合物と過酸化物の反応に用いる溶媒としては下記のものが挙げられる。
ベンゼン、トルエンによって代表される芳香族系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチルに代表されるエステル系溶媒、ジメチルスルホキシドによって代表されるスルホキシド系溶媒、ジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミドによって代表されるアミド系溶媒、エチルエーテル、ジメトキシエタン、1、4-ジオキサン又はテトラヒドロフランによって代表されるエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタンによって代表されるハロゲン系溶媒、メタノール、エタノール、又はプロパノールによって代表されるアルコール系溶媒が挙げられる。又、水中で反応を行うこともできる。好ましくは、ハロゲン系溶媒が挙げられる。
【0119】
反応温度は、通常−20℃から用いられる反応溶媒の還流温度までであり、好ましくは、−10℃〜30℃である。
【0120】
反応原料のモル比は、過酸化物/一般式(I-1a)で表される化合物は0.5〜4.0の範囲であり、好ましくは1.0〜2.0の範囲である。
【0121】
用いる過酸化物としては、過酸化水素、過安息香酸、m-クロル過安息香酸、過酢酸、トリフルオロ過酢酸、ジオキシラン等が挙げられる。好ましくはm-クロル過安息香酸が挙げられる。
【0122】
一般式(I−1b)で表される化合物はまた、反応式3に示すように、一般式(5)で表される化合物のアセチル基を塩基を用いて脱保護し、一般式(6)で表される化合物とした後、一般式(7)で表される酸塩化物を塩基の存在下反応させるか又は、一般式(8)で表されるカルボン酸を縮合剤を用いて反応させることによっても製造することができる。
反応式3
【0123】
【化49】
【0124】
(式中、R1,R2,R3,W及びnは前記に同じ。)
一般式(6)で表される化合物は、一般式(5)で表される化合物に塩基を作用させることにより製造される。
この反応に用いる溶媒としては下記のものが挙げられる。
ベンゼン、トルエンによって代表される芳香族系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチルに代表されるエステル系溶媒、ジメチルスルホキシドによって代表されるスルホキシド系溶媒、ジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミドによって代表されるアミド系溶媒、エチルエーテル、ジメトキシエタン、1、4-ジオキサン又はテトラヒドロフランによって代表されるエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタンによって代表されるハロゲン系溶媒、メタノール、エタノール、又はプロパノールによって代表されるアルコール系溶媒が挙げられる。又、水中で反応を行うこともできる。又、混合溶媒として用いても良い。好ましくは、アミド系溶媒/水の混合溶媒及びアルコール系溶媒/水の混合溶媒が挙げられる。
【0125】
反応温度は、通常−20℃から用いられる反応溶媒の還流温度までであり、好ましくは、0℃〜反応溶媒の還流温度までである。
【0126】
反応原料のモル比は、塩基/一般式(5)で表される化合物は0.5〜4.0の範囲であり、好ましくは1.0〜2.0の範囲である。
【0127】
用いる塩基としては、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの無機塩基が挙げられる。好ましくは水酸化カリウム、水酸化ナトリウムが挙げられる。
【0128】
一般式(6)で表される化合物と一般式(7)で表される酸塩化物の反応及び一般式(6)で表される化合物と一般式(8)で表されるカルボン酸の反応は、反応式1で示した条件と同様の条件で行うことができる。
一般式(I)で表される化合物のうち、XがCH2、YがNH、Zが結合を意味する一般式(I−2a)で表される化合物及び一般式(I−2b)で表される化合物のうち一般式(I−2a)で表される化合物は、反応式4で示すように、一般式(I−1a)で表される化合物を還元剤を用いて還元することにより製造することができる。
反応式4
【0129】
【化50】
【0130】
(式中、R1,R2,R3,W及びnは前記に同じ。)
一般式(I-1a)で表される化合物と還元剤の反応に用いる溶媒としては下記のものが挙げられる。
ベンゼン、トルエンによって代表される芳香族系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチルに代表されるエステル系溶媒、ジメチルスルホキシドによって代表されるスルホキシド系溶媒、ジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミドによって代表されるアミド系溶媒、エチルエーテル、ジメトキシエタン、1、4-ジオキサン又はテトラヒドロフランによって代表されるエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタンによって代表されるハロゲン系溶媒、メタノール、エタノール、又はプロパノールによって代表されるアルコール系溶媒が挙げられる。又、水中で反応を行うこともできる。好ましくは、エーテル系溶媒が挙げられる。
【0131】
反応温度は、通常−20℃から用いられる反応溶媒の還流温度までであり、好ましくは、-10℃〜30℃である。
【0132】
反応原料のモル比は、還元剤/一般式(I-1a)で表される化合物は0.5〜4.0の範囲であり、好ましくは1.0〜2.0の範囲である。
【0133】
用いる還元剤としては、水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム等が挙げられる。好ましくは水素化アルミニウムリチウムが挙げられる。
【0134】
一般式(I−2b)で表される化合物は、得られた一般式(I−2a)で表される化合物に対して、反応式2に示したエポキシ化法と同様の条件を用いることにより製造することができる。
【0135】
一般式(I−2a)で表される化合物は、反応式5に示すように、一般式(1)で表される化合物を塩基の存在下、一般式(9)で表される化合物と反応させるか、又は一般式(1)で表される化合物に一般式(10)で表される化合物を反応させて一般式(11)で表されるイミン化合物とし、これを適当な還元剤を用いて還元することによっても製造することができる。
反応式5
【0136】
【化51】
【0137】
(式中、R1,R2,R3,W及びnは前記に同じ。)
一般式(1)で表される化合物と一般式(9)で表される化合物の反応に用いる溶媒としては下記のものが挙げられる。
ベンゼン、トルエンによって代表される芳香族系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチルに代表されるエステル系溶媒、ジメチルスルホキシドによって代表されるスルホキシド系溶媒、ジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミドによって代表されるアミド系溶媒、エチルエーテル、ジメトキシエタン、1、4-ジオキサン又はテトラヒドロフランによって代表されるエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタンによって代表されるハロゲン系溶媒、メタノール、エタノール、又はプロパノールによって代表されるアルコール系溶媒が挙げられる。又、無溶媒の条件で反応を行うこともできる。好ましくはハロゲン系溶媒、アミド系溶媒が挙げられる。
【0138】
反応温度は、通常−20℃から用いられる反応溶媒の還流温度までであり、好ましくは、0℃〜還流温度である。
【0139】
反応原料のモル比は、一般式(9)で表される化合物/一般式(1)で表される化合物は0.5〜4.0の範囲であり、好ましくは1.0〜2.0の範囲である。
また、塩基/一般式(9)で表される化合物は、0.5〜2.0の範囲であり、好ましくは、1.0〜1.5の範囲である。
【0140】
用いる塩基としては、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウムなどの無機塩基、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、ピリジン、2、6-ルチジン、2、6-ジ-t-ブチルピリジン、N-メチルモルホリン、プロトンスポンジ等の有機塩基が挙げられる。好ましくはトリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミンが挙げられる。
【0141】
一般式(1)で表される化合物と一般式(10)で表される化合物の反応に用いる溶媒としては下記のものが挙げられる。
ベンゼン、トルエンによって代表される芳香族系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチルに代表されるエステル系溶媒、ジメチルスルホキシドによって代表されるスルホキシド系溶媒、ジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミドによって代表されるアミド系溶媒、エチルエーテル、ジメトキシエタン、1、4-ジオキサン又はテトラヒドロフランによって代表されるエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタンによって代表されるハロゲン系溶媒、メタノール、エタノール、又はプロパノールによって代表されるアルコール系溶媒が挙げられる。又、好ましくは芳香族系溶媒及びアルコール系溶媒が挙げられる。
【0142】
反応温度は、通常−20℃から用いられる反応溶媒の還流温度までであり、好ましくは、0℃〜還流温度である。
【0143】
反応原料のモル比は、一般式(10)で表される化合物/一般式(1)で表される化合物は0.5〜4.0の範囲であり、好ましくは1.0〜2.0の範囲である。
【0144】
この反応は、一般に反応系中に、脱水剤、例えばモレキュラーシーブス等を共存させた方が好ましい。
【0145】
反応溶媒として水と混和しない芳香族系溶媒等を用いる場合には、共沸脱水等を行って系外に水を分離した方が好ましく、又この時、触媒量の酸、例えばパラトルエンスルホン酸を共存させると良い結果が得られる場合がある。
この時の酸の量は、一般式(1)で表される化合物に対して、0.1〜20mol%の範囲、好ましくは0.1〜5mol%用いれば充分である。
【0146】
一般式(11)で表される化合物を単離することなく、一般式(1)で表される化合物と一般式(10)で表される化合物及び反応溶媒よりなる溶液に直接還元剤を加えて一般式(I−2a)で表される化合物を製造することもできる。
【0147】
一般式(11)で表される化合物と還元剤の反応に用いる溶媒としては下記のものが挙げられる。
ベンゼン、トルエンによって代表される芳香族系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチルに代表されるエステル系溶媒、ジメチルスルホキシドによって代表されるスルホキシド系溶媒、ジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミドによって代表されるアミド系溶媒、エチルエーテル、ジメトキシエタン、1、4-ジオキサン又はテトラヒドロフランによって代表されるエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタンによって代表されるハロゲン系溶媒、メタノール、エタノール、又はプロパノールによって代表されるアルコール系溶媒が挙げられる。又、水中で反応を行うこともできる。好ましくは、エーテル系溶媒が挙げられる。
【0148】
反応温度は、通常−20℃から用いられる反応溶媒の還流温度までであり、好ましくは、-10℃〜30℃である。
【0149】
反応原料のモル比は、還元剤/一般式(11)で表される化合物は0.5〜4.0の範囲であり、好ましくは1.0〜2.0の範囲である。
【0150】
用いる還元剤としては、水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム、等が挙げられる。好ましくは水素化アルミニウムリチウムが挙げられる。
【0151】
一般式(I)によって表される化合物のうち、XがSO2、YがNH、Zが結合を意味する一般式(I−3a)で表される化合物及び一般式(I−3b)で表される化合物のうち一般式(I−3a)で表される化合物は、反応式6で示すように、一般式(1)で表される化合物と一般式(12)で表される化合物を塩基の存在下反応させることによって製造することができる。
反応式6
【0152】
【化52】
【0153】
(式中、R1,R2,R3,W及びnは前記に同じ。)
一般式(I−3a)で表される化合物は、反応式1で示した一般式(1)で表される化合物と一般式(2)で表される化合物から一般式(I−1a)で表される化合物を製造する方法と同様の条件で反応を行うことができる。
【0154】
一般式(I−3b)で表される化合物は、得られた一般式(I−3a)で表される化合物に対して、反応式2に示したエポキシ化法と同様の条件を用いることにより製造することができる。
【0155】
一般式(I)で表される化合物のうち、XがNH、YがC=O、ZがNHを意味する一般式(I−4a)で表される化合物及び一般式(I−4b)で表される化合物のうち一般式(I−4a)で表される化合物は、反応式7に示すように、一般式(1)で表される化合物と一般式(13)で表される化合物を反応させることによって得る事ができる。
【0156】
【化53】
【0157】
(式中、R1,R2,R3,W及びnは前記に同じ。)
一般式(1)で表される化合物と一般式(13)で表される化合物の反応に用いる溶媒としては下記のものが挙げられる。
ベンゼン、トルエンによって代表される芳香族系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチルに代表されるエステル系溶媒、ジメチルスルホキシドによって代表されるスルホキシド系溶媒、ジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミドによって代表されるアミド系溶媒、エチルエーテル、ジメトキシエタン、1、4-ジオキサン又はテトラヒドロフランによって代表されるエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタンによって代表されるハロゲン系溶媒、メタノール、エタノール、又はプロパノールによって代表されるアルコール系溶媒が挙げられる。又、無溶媒の条件で反応を行うこともできる。好ましくはハロゲン系溶媒、アミド系溶媒が挙げられる。
【0158】
反応温度は、通常−20℃から用いられる反応溶媒の還流温度までであり、好ましくは、0℃〜反応溶媒の還流温度までである。
【0159】
反応原料のモル比は、一般式(13)で表される化合物/一般式(1)で表される化合物は0.5〜4.0の範囲であり、好ましくは1.0〜2.0の範囲である。
【0160】
一般式(I−4b)で表される化合物は、得られた一般式(I−4a)で表される化合物に対して、反応式2に示したエポキシ化法と同様の条件を用いることにより製造することができる。
【0161】
一般式(I)で表される化合物のうち、R6がアミノ基若しくはC1-6アルキルアミノ基、ジC1-6アルキルアミノ基、C3-6シクロアルキルアミノ基、アリールC1-6アルキルアミノ基、ジ(アリールC1-6アルキル)アミノ基、1−ピロリジニル基、1−ピペリジル基、1−ピペラジニル基、1−モルホリノ基を意味する一般式(I−c)で表される化合物は、反応式8に示すように、一般式(I−b)(前述の一般式(I−1b)で表される化合物、一般式(I−2b)で表される化合物、一般式(I−3b)で表される化合物及び一般式(I−4b)で表される化合物は一般式(I−b)で表される化合物に含まれる。)で表される化合物と一般式(14)で表されるアミン化合物を不活性溶媒中反応させることにより製造することができる。
反応式8
【0162】
【化54】
【0163】
(式中、R1,R2,R3,R7,R8,W,X,Y,Z及びnは前記に同じ。)
一般式(I−b)で表される化合物と一般式(14)で表されるアミン化合物の反応に用いる溶媒としては下記のものが挙げられる。
ジメチルスルホキシドによって代表されるスルホキシド系溶媒、ジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミドによって代表されるアミド系溶媒、エチルエーテル、ジメトキシエタン又はテトラヒドロフランによって代表されるエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタンによって代表されるハロゲン系溶媒、メタノール、エタノール、又はプロパノールによって代表されるアルコール系溶媒が挙げられる。又、無溶媒の条件で反応を行うこともできる。好ましくはアルコール系溶媒が挙げられる。
【0164】
反応温度は、通常−20℃から用いられる反応溶媒の還流温度までであり、好ましくは、60℃〜100℃である。
【0165】
反応原料のモル比は、一般式(14)で表される化合物/一般式(I−b)で表される化合物は0.5〜20.0の範囲であり、好ましくは1.0〜10.0の範囲である。
【0166】
一般式(I−c)で表される化合物のうち、XがC=O、YがNH、Zが結合を意味する一般式(I−1c)で表される化合物は、反応式9に示すように、一般式(16)で表される化合物(一般式(16)で表される化合物は既知の方法、例えばSmith, J.G.らOrg.Prep.Proc.Int.,123-131,10,1978、Buckle,D.R.らJ.Med.Chem.,919-926,34,1991、Stock,L.M.らJ.Am.Chem.Soc.,4247,94,1972、特開平2−141号公報などに記載の方法に従って合成できる)のアセチル基を通常の方法により脱保護することによって得られる一般式(17)で表される化合物に対して、塩基の存在下一般式(7)で表される酸塩化物を反応させるか、又は一般式(17)で表される化合物に対して一般式(8)で表されるカルボン酸を縮合剤を用いて反応させることにより製造することができる。
反応式9
【0167】
【化55】
【0168】
(式中、R1,R2,R3,R7,R8,W及びnは前記に同じ。)
一般式(15)で表される化合物と一般式(14)で表される化合物の反応は、反応式8で示した条件と同様の条件で行うことができる。
【0169】
一般式(16)で表される化合物の脱保護の反応は、反応式3で示した条件と同様の条件で行うことができる。
【0170】
一般式(17)で表される化合物と一般式(7)で表される化合物の反応及び一般式(17)で表される化合物と一般式(8)で表される化合物の反応は、反応式1で示した条件と同様の条件で行うことができる。
【0171】
一般式(I)で表される化合物のうち、R6がアミノ基を意味する一般式(I−d)で表される化合物は、反応式10に示すように、一般式(I−b)で表される化合物をアンモニアで処理することによって容易に製造することができる。
(一般式(I−b)で表される化合物から一般式(I−d)で表される化合物への変換は既知であり、例えば特開昭58−67683号公報、特開昭58−188880号公報及び特開昭58−201776号公報に記載された方法に準じて達成できる。)
反応式10
【0172】
【化56】
【0173】
(式中、R1,R2,R3,W,X,Y,Z及びnは前記に同じ。)
この反応に用いる溶媒としては、下記のものが挙げられる。
ジメチルスルホキシドによって代表されるスルホキシド系溶媒、ジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミドによって代表されるアミド系溶媒、エチルエーテル、ジメトキシエタン又はテトラヒドロフランによって代表されるエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム又はジクロロエタンによって代表されるハロゲン系溶媒、又、メタノール、エタノールによって代表されるアルコール系溶媒が挙げられる。好ましくはアルコール系溶媒を用いるのが良い。
【0174】
反応温度は、通常、氷冷下から用いられる反応溶媒の還流温度までであり、好ましくは40℃〜80℃である。
【0175】
本反応は、耐圧ガラスチューブやオートクレーブ中で行うのが好ましい。
【0176】
一般式(I−d)で表される化合物はまた、反応式11に示すように、一般式(19)で表されるアジド化合物を経由する方法(一般式(I−b)で表される化合物から一般式(I−d)で表される化合物への変換は既知であり、例えばBuckle,D.R.らJ.Med.Chem.,919-926,34,1991.に記載された方法に準じて達成できる。)によっても製造することができる。
反応式11
【0177】
【化57】
【0178】
(式中、R1,R2,R3,W,X,Y,Z及びnは前記に同じ。)
一般式(19)で表される化合物は、一般式(I−b)で表される化合物を不活性溶媒中、アジ化ナトリウム、アジ化リチウム、トリメチルシリルアジド等のアジド化合物と反応させることにより製造することができる。
【0179】
この反応に用いる溶媒としては、下記のものが挙げられる。
ジメチルスルホキシドによって代表されるスルホキシド系溶媒、ジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミドによって代表されるアミド系溶媒、エチルエーテル、ジメトキシエタン又はテトラヒドロフランによって代表されるエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム又はジクロロエタンによって代表されるハロゲン系溶媒、ベンゼン、トルエンによって代表される芳香族系溶媒が挙げられる。好ましくは、芳香族系溶媒を用いるのが良い。
【0180】
反応温度は、通常、氷冷下から用いられる反応溶媒の還流温度までである。
【0181】
反応原料のモル比、アジド化合物/一般式(I−b)で表される化合物は、0.5〜5.0の範囲であり、好ましくは、1.0〜2.0の範囲である。
【0182】
一般式(19)で表される化合物と還元剤の反応に用いる溶媒としては下記のものが挙げられる。
ベンゼン、トルエンによって代表される芳香族系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチルに代表されるエステル系溶媒、ジメチルスルホキシドによって代表されるスルホキシド系溶媒、ジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミドによって代表されるアミド系溶媒、エチルエーテル、ジメトキシエタン、1、4-ジオキサン又はテトラヒドロフランによって代表されるエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタンによって代表されるハロゲン系溶媒、メタノール、エタノール、又はプロパノールによって代表されるアルコール系溶媒が挙げられる。又、水中で反応を行うこともできる。好ましくは、エーテル系溶媒及びアルコール系溶媒が挙げられる。
【0183】
反応温度は、通常−20℃から用いられる反応溶媒の還流温度までであり、好ましくは、-10℃〜30℃である。
【0184】
反応原料のモル比は、還元剤/一般式(I-1a)で表される化合物は0.5〜4.0の範囲であり、好ましくは1.0〜2.0の範囲である。
但し、接触水添の場合、用いる触媒の量は、0.1〜50重量%、好ましくは、1〜10重量%の範囲である。
【0185】
用いる還元剤としては、水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム等が挙げられる。好ましくは水素化アルミニウムリチウムが挙げられる。
又、接触水添の条件を用いることができ、水素ガスの存在下、触媒、例えば、パラジウム−炭素(5%、10%)、パラジウムブラック、酸化白金等が用いられる。
【0186】
一般式(I)で表される化合物のうち、R7及びR8が一緒になって、それらが結合している窒素原子と共にピロリル基である一般式(I−f)で表される化合物は、反応式12に示すように、一般式(I−d)で表される化合物を一般式(20)で表される化合物と酸触媒の存在下、不活性溶媒中反応させることにより製造することができる。
反応式12
【0187】
【化58】
【0188】
(式中、R1,R2,R3,R15,X,Y,Z,W及びnは前記に同じ。oは0〜4の整数を表し、oが2,3及び4の時、R15は同一でも異なっていてもよい。)
この反応に用いる溶媒としては、下記のものが挙げられる。
ジメチルスルホキシドによって代表されるスルホキシド系溶媒、ジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミドによって代表されるアミド系溶媒、エチルエーテル、ジメトキシエタン又はテトラヒドロフランによって代表されるエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム又はジクロロエタンによって代表されるハロゲン系溶媒、又、無溶媒の条件で反応を行うこともできる。又、酸触媒をそのまま溶媒として用いてもよい。
【0189】
反応温度は、通常、氷冷下から用いられる反応溶媒の還流温度までである。好ましくは、還流温度である。
【0190】
反応原料のモル比、一般式(20)で表される化合物/一般式(I−d)で表される化合物は、0.5〜4.0の範囲であり、好ましくは、1.0〜2.0の範囲である。
【0191】
用いる酸触媒としては、塩酸、硫酸、蟻酸、酢酸及びプロピオン酸等が挙げられる。
【0192】
一般式(I)で表される化合物のうち、R7及びR8が一緒になって、それらが結合している窒素原子と共にピラゾリル基である一般式(I−g)で表される化合物及び一般式(I−g’)で表される化合物は、反応式13に示すように、一般式(I−b)で表される化合物から2工程で製造することができる。
反応式13
【0193】
【化59】
【0194】
(式中、R1,R2,R3,R15,X,Y,Z,W及びnは前記に同じ。R15’及びR15”はそれぞれR15と同じ意味を表す。)
一般式(21)で表される化合物は、一般式(I−b)で表される化合物とヒドラジン1水和物を、不活性溶媒中反応させることにより製造することができる。
【0195】
この反応に用いる溶媒としては、下記のものが挙げられる。
ジメチルスルホキシドによって代表されるスルホキシド系溶媒、ジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミドによって代表されるアミド系溶媒、エチルエーテル、ジメトキシエタン又はテトラヒドロフランによって代表されるエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム又はジクロロエタンによって代表されるハロゲン系溶媒、又、メタノール、エタノールによって代表されるアルコール系溶媒が挙げられる。好ましくは、アルコール系溶媒が良い。
【0196】
反応温度は、通常、氷冷下から用いられる反応溶媒の還流温度までであり、好ましくは、40℃〜80℃である。
【0197】
反応原料のモル比、ヒドラジン1水和物/一般式(I−b)で表される化合物は、0.5〜10.0の範囲であり、好ましくは、1.0〜2.0の範囲である。
【0198】
一般式(I−g)で表される化合物及び一般式(I−g’)で表される化合物は、一般式(21)で表される化合物に一般式(22)で表される化合物を不活性溶媒中反応させることにより製造することができる。
【0199】
この反応に用いる溶媒としては、下記のものが挙げられる。
ジメチルスルホキシドによって代表されるスルホキシド系溶媒、ジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミドによって代表されるアミド系溶媒、エチルエーテル、ジメトキシエタン又はテトラヒドロフランによって代表されるエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム又はジクロロエタンによって代表されるハロゲン系溶媒、メタノール、エタノールによって代表されるアルコール系溶媒、又、無溶媒の条件で反応を行うこともできる。
【0200】
反応温度は、通常、氷冷下から用いられる反応溶媒の還流温度までである。
【0201】
反応原料のモル比、一般式(22)で表される化合物/一般式(21)で表される化合物は、0.5〜5.0の範囲であり、好ましくは、1.0〜2.0の範囲である。
【0202】
一般式(I−g)で表される化合物と一般式(I−g’)で表される化合物は、再結晶法やクロマトグラフ法等有機化学上公知の分離手段により分離する。
【0203】
一般式(I)で表される化合物のうち、R7及びR8が一緒になって、それらが結合している窒素原子と共にイミダゾリル基である一般式(I−h)で表される化合物は、反応式14に示すように、一般式(I−b)で表される化合物と一般式(23)で表される化合物を不活性溶媒中、水素化ナトリウム存在下で反応させることにより製造することができる。
反応式14
【0204】
【化60】
【0205】
(式中、R1,R2,R3,R15,X,Y,Z,W及びnは前記に同じ。rは0〜3の整数を表し、rが2及び3の時、R15は同一でも異なっていてもよい。)
この反応に用いる溶媒としては、下記のものが挙げられる。
ジメチルスルホキシドによって代表されるスルホキシド系溶媒、ジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミドによって代表されるアミド系溶媒、エチルエーテル、ジメトキシエタン又はテトラヒドロフランによって代表されるエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム又はジクロロエタンによって代表されるハロゲン系溶媒、ベンゼン、トルエンによって代表される芳香族系溶媒が挙げられる。好ましくは、芳香族系溶媒を用いるのが良い。
【0206】
反応温度は、通常、氷冷下から用いられる反応溶媒の還流温度までである。
【0207】
反応原料のモル比、一般式(23)で表される化合物/一般式(I−b)で表される化合物は、0.5〜5.0の範囲であり、好ましくは、1.0〜2.0の範囲である。
【0208】
又、本反応系中に相間移動触媒、例えば18−クラウン−6等を共存させると良い結果が得られる場合がある。
【0209】
一般式(I)で表される化合物のうち、R7及びR8が一緒になって、それらが結合している窒素原子と共に1,2,4−トリアゾリル基である一般式(I−i)で表される化合物及び一般式(I−i’)で表される化合物は、反応式15に示すように、一般式(I−b)で表される化合物と一般式(24)で表される化合物を不活性溶媒中、水素化ナトリウム存在下で反応させることにより製造することができる。
反応式15
【0210】
【化61】
【0211】
(式中、R1,R2,R3,R15,X,Y,Z,W及びnは前記に同じ。sは0〜2の整数を表し、sが2の時、R15は同一でも異なっていてもよい。)
この反応に用いる溶媒としては、下記のものが挙げられる。
ジメチルスルホキシドによって代表されるスルホキシド系溶媒、ジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミドによって代表されるアミド系溶媒、エチルエーテル、ジメトキシエタン又はテトラヒドロフランによって代表されるエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム又はジクロロエタンによって代表されるハロゲン系溶媒、ベンゼン、トルエンによって代表される芳香族系溶媒が挙げられる。好ましくは、芳香族系溶媒を用いるのが良い。
【0212】
反応温度は、通常、氷冷下から用いられる反応溶媒の還流温度までである。
【0213】
反応原料のモル比、一般式(24)で表される化合物/一般式(I−b)で表される化合物は、0.5〜5.0の範囲であり、好ましくは1.0〜2.0の範囲である。
【0214】
又、本反応系中に相間移動触媒、例えば18−クラウン−6等を共存させると良い結果が得られる場合がある。
【0215】
一般式(I)で表される化合物のうち、R7及びR8が一緒になって、それらが結合している窒素原子と共に1,2,3−トリアゾリル基である一般式(I−j)で表される化合物及び一般式(I−j’)で表される化合物は、反応式16に示すように、一般式(I−b)で表される化合物と一般式(25)で表される化合物を不活性溶媒中、水素化ナトリウム存在下で反応させることにより製造することができる。
反応式16
【0216】
【化62】
【0217】
(式中、R1,R2,R3,R15,R15’,X,Y,Z,W及びnは前記に同じ。)
この反応に用いる溶媒としては、下記のものが挙げられる。
ジメチルスルホキシドによって代表されるスルホキシド系溶媒、ジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミドによって代表されるアミド系溶媒、エチルエーテル、ジメトキシエタン又はテトラヒドロフランによって代表されるエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム又はジクロロエタンによって代表されるハロゲン系溶媒、ベンゼン、トルエンによって代表される芳香族系溶媒が挙げられる。好ましくは、芳香族系溶媒を用いるのが良い。
【0218】
反応温度は、通常、氷冷下から用いられる反応溶媒の還流温度までである。
【0219】
反応原料のモル比、一般式(25)で表される化合物/一般式(I−b)で表される化合物は、0.5〜5.0の範囲であり、好ましくは、1.0〜2.0の範囲である。
【0220】
又、本反応系中に相間移動触媒、例えば18−クラウン−6等を共存させると良い結果が得られる場合がある。
【0221】
一般式(I−j)で表される化合物及び一般式(I−j’)で表される化合物はまた、反応式17に示すように、一般式(I−b)で表される化合物から2工程で製造することもできる。
反応式17
【0222】
【化63】
【0223】
(式中、R1,R2,R3,R15,R15’,X,Y,Z,W及びnは前記に同じ。)
一般式(I−b)とアジド化合物との反応は、反応式11で示した条件と同様の条件で行うことができる。
【0224】
一般式(I−j)で表される化合物及び一般式(I−j’)で表される化合物は、一般式(19)で表される化合物と一般式(26)で表される化合物を不活性溶媒中反応させることにより製造することができる。
【0225】
この反応に用いる溶媒としては、下記のものが挙げられる。
ジメチルスルホキシドによって代表されるスルホキシド系溶媒、ジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミドによって代表されるアミド系溶媒、エチルエーテル、ジメトキシエタン又はテトラヒドロフランによって代表されるエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム又はジクロロエタンによって代表されるハロゲン系溶媒、ベンゼン、トルエンによって代表される芳香族系溶媒が挙げられる。好ましくは、芳香族系溶媒を用いるのが良い。
【0226】
反応温度は、通常、5℃から140℃までである。好ましくは、80℃から120℃である。
【0227】
反応原料のモル比、一般式(26)で表される化合物/一般式(19)で表される化合物は、0.5〜5.0の範囲であり、好ましくは、1.0〜2.0の範囲である。
【0228】
本反応は、耐圧ガラスチューブやオートクレーブ中で行うのが好ましい。
【0229】
一般式(I)で表される化合物のうち、R4がC1-6アルキルカルボニルオキシ基である一般式(I−k)で表される化合物は、反応式18に示すように、一般式(I−c)で表される酸塩化物を不活性溶媒中、塩基の存在下一般式(27)で表される化合物と反応させるか、又は一般式(I−c)で表される化合物に対してカルボン酸一般式(28)で表される化合物を縮合剤を用いて反応させることにより製造することができる。
反応式18
【0230】
【化64】
【0231】
(式中、R1,R2,R3,R7,R8,X,Y,Z,W及びnは前記に同じ。R20はC1-6アルキル基を意味する。)
一般式(I−c)で表される化合物と一般式(27)で表される化合物の反応及び一般式(I−c)で表される化合物と一般式(28)で表される化合物の反応は、反応式1で示した条件と同様の条件で行うことができる。
【0232】
一般式(I)で表される化合物の合成中間体である一般式(1)で表される化合物の製造は、反応式19に示す方法により達成できる。
反応式19
【0233】
【化65】
【0234】
(式中、R1,R2及びR3は前記に同じ。)
即ち、一般式(1)で表される化合物は一般式(30)で表される化合物を酸の存在下、脱水反応を行なうことによって得られる。用いる酸としては、硫酸、リン酸、硫酸水素カリウム、シュウ酸、p-トルエンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸ピリジニウム、三フッ化ホウ素エーテル錯体などが挙げられる。
好ましくは硫酸を用いるのが良い。
【0235】
一般式(30)で表される化合物は一般式(29)で表される化合物(一般式(29)で表される化合物は既知か、あるいはSmith, J.G.らOrg.Prep.Proc.Int.,123-131,10,1978、Buckle,D.R.らJ.Med.Chem.,919-926,34,1991、Stock,L.M.らJ.Am.Chem.Soc.,4247,94,1972、特開平2−141号公報などに記載の方法に準じて合成できる。)を還元剤を用いて還元することにより得られる。
用いる還元剤としては水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化リチウムアルミニウム、水素化トリメトキシアルミニウムリチウム、水素化トリエトキシアルミニウムリチウム、水素化トリ-t-ブトキシアルミニウムリチウム、などのアルミニウム試薬、トリメチルシラン、トリエチルシランなどのアルキルシリル試薬、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化トリ-s-ブチルホウ素リチウム、水素化トリ-s-ブチルホウ素カリウム、ボラン、などのホウ素試薬が挙げられる。
好ましくは水素化ホウ素ナトリウムを用いるのが良い。
【0236】
R1がニトロ基である一般式(1’)で表される化合物の合成は以下のようにしても達成できる。
即ち、一般式(1’)で表される化合物は一般式(34)で表される化合物を酸の存在下、脱水反応を行なうことによって得られる。
用いる酸としては、硫酸、リン酸、硫酸水素カリウム、シュウ酸、p-トルエンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸ピリジニウム、三フッ化ホウ素エーテル錯体などが挙げられる。
好ましくは硫酸を用いるのが良い。
【0237】
一般式(34)で表される化合物は一般式(33)で表される化合物をニトロ化剤を用いてニトロ化することにより得られる。
用いるニトロ化剤としては、硝酸、混酸(硝酸と硫酸の混合物)、硝酸ナトリウム/硫酸、硝酸カリウム/硫酸、硝酸アセチル、ニトロニウムトリフルオロメタンスルホナート、ニトロニウムテトラフルオロボラートが挙げられる。
好ましくは混酸、硝酸アセチルを用いるのが良い。
【0238】
一般式(33)で表される化合物は一般式(32)で表される化合物を塩化アセチル、無水酢酸などのアセチル化剤を用いることで得られる。
【0239】
一般式(32)で表される化合物は一般式(31)で表される化合物(一般式(31)で表される化合物は既知か、あるいはSmith, J.G.らOrg.Prep.Proc.Int.,123-131,10,1978、Buckle,D.R.らJ.Med.Chem.,919-926,34,1991、Stock,L.M.らJ.Am.Chem.Soc.,4247,94,1972、特開平2−141号公報などに記載の方法に準じて合成できる。)を還元剤を用いて還元することにより得られる。
用いる還元剤としては水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化リチウムアルミニウム、水素化トリメトキシアルミニウムリチウム、水素化トリエトキシアルミニウムリチウム、水素化トリ-t-ブトキシアルミニウムリチウム、などのアルミニウム試薬、トリメチルシラン、トリエチルシランなどのアルキルシリル試薬、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化トリ-s-ブチルホウ素リチウム、水素化トリ-s-ブチルホウ素カリウム、ボラン、などのホウ素試薬が挙げられる。
好ましくは水素化ホウ素ナトリウムを用いるのが良い。
【0240】
一般式(I)で表される化合物のうち光学活性体の合成は、ラセミ体を光学分割する方法(特開平3−141286号公報、米国特許5097037号公開公報、欧州特許409165号公開公報)を利用することにより達成される。 又、一般式(15)で表される化合物及び一般式(I−b)で表される化合物の光学活性体の合成は、不斉合成による方法(特表平5−507645号公報、特開平5−301878号公報、特開平7−285983号公報、欧州特許535377号公開公報、米国特許5420314号公開公報)を利用することにより達成される。
【0241】
前述したように、本発明者らは一般式(I)で表される化合物には強い心拍数減少作用を有していることを見い出した。
心抑制作用がなく心拍数減少作用を有し、この作用に基づく心筋酸素消費の減少が心筋の運動負担を軽減し抗狭心症作用を示し、さらに有効不応期の延長により抗不整脈作用をもつと考えられる。
そのため、本発明に係る化合物は、心臓運動にかかわる酸素消費あるいはエネルギー消費あるいは代謝を考慮した上での心臓血管疾患の治療及び心拍数減少作用を主に考えた治療にも有用であることが期待される。
例えば、ヒトを含む哺乳動物の抗心不全剤として、あるいは心不全を誘発する心臓血管疾患の治療剤、例えば虚血性心疾患治療剤、抗体液貯留剤、肺高血圧症治療剤、弁膜症治療剤、先天性心疾患治療剤、心筋疾患治療剤、肺水腫治療剤、労作性狭心症治療剤、心筋梗塞治療剤、抗不整脈剤、抗心房細動剤として有用である。
【0242】
本発明は、これらの治療に一般式(I)で表わされる化合物の有効な量を含む医薬組成物を提供する。
【0243】
本発明に係る化合物の投与形態としては、注射剤(皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内注射)、軟膏剤、坐剤、エアゾール剤等による非経口投与又は錠剤、カプセル剤、顆粒剤、丸剤、シロップ剤、液剤、乳剤、懸濁液剤等による経口投与をあげることができる。
【0244】
本発明に係る化合物を含有する上記の薬学的又は獣医学的組成物は、全組成物の重量に対して、本発明に係る化合物を約0.01〜99.5%、好ましくは、約0.1〜30%を含有する。
【0245】
本発明に係る化合物に又は該化合物を含有する組成物に加えて、他の薬学的に又は獣医学的に活性な化合物を含ませることができる。
また、これらの組成物は、本発明に係る化合物の複数を含ませることができる。
【0246】
本発明化合物の臨床的投与量は、年令、体重、患者の感受性、症状の程度等により異なるが、通常効果的な投与量は、成人一日0.003〜1.5g、好ましくは、0.01〜0.6g程度である。しかし必要により上記の範囲外の量を用いることもできる。
【0247】
本発明化合物は、製薬の慣用手段によって投与用に製剤化される。
即ち、経口投与用の錠剤、カプセル剤、顆粒剤、丸剤は、賦形剤、例えば白糖、乳糖、ブドウ糖、でんぷん、マンニット;結合剤、例えばヒドロキシプロピルセルロース、シロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビット、トラガント、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン;崩壊剤、例えばでんぷん、カルボキシメチルセルロース又はそのカルシウム塩、微結晶セルロース、ポリエチレングリコール;滑沢剤、例えばタルク、ステアリン酸マグネシウム又はカルシウム、シリカ;潤滑剤、例えばラウリル酸ナトリウム、グリセロール等を使用して調製される。
【0248】
注射剤、液剤、乳剤、懸濁剤、シロップ剤及びエアゾール剤は、活性成分の溶剤、例えば水、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール;界面活性剤、例えばソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、水素添加ヒマシ油のポリオキシエチレンエーテル、レシチン;懸濁剤、例えばカルボキシメチルナトリウム塩、メチルセルロース等のセルロース誘導体、トラガント、アラビアゴム等の天然ゴム類;保存剤、例えばパラオキシ安息香酸のエステル、塩化ベンザルコニウム、ソルビン酸塩等を使用して調製される。
【0249】
経皮吸収型製剤である軟膏には、例えば白色ワセリン、流動パラフィン、高級アルコール、マクロゴール軟膏、親水軟膏、水性ゲル基剤等が用いられる。
坐剤は、例えばカカオ脂、ポリエチレングリコール、ラノリン、脂肪酸トリグリセライド、ココナット油、ポリソルベート等を使用して調製される。
【0250】
【実施例】
以下、本発明を実施例にて詳述するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
〔参考例〕
【0251】
参考例1
6-アミノ-3,3-ジメチル-1-インダノール
【0252】
【化66】
【0253】
6-アミノ-3,3-ジメチル-1-インダノン(この化合物は既知でありSmith, J., G. and Massicotte, M., P. Org. Prep. Proc. Int. 123-131, 10, 1978.の方法に準じて合成できる)(6.56 g, 37 mmol)のメタノール溶液(330 mL)に 19 ℃で 水素化ホウ素ナトリウム (2.1 g, 56 mmol) を加え 20 ℃で 30 分間撹拌した。
反応終了後、溶媒を留去し残渣に水を加え酢酸エチルで抽出した。
有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し得られた残渣を酢酸エチル:ヘキサン = 1:5 溶液で再結晶し、目的物(6.17 g, 94 % 収率)を白色結晶で得た。
【0254】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.17 (s, 3H), 1.34 (s, 3H),1.78 (dd, A part of AB, J = 12.9 and 6.1 Hz, 1H), 2.35 (dd, B part of AB, J = 12.9 and 7.0 Hz, 1H), 3.50 (br. s, 3H), 5.16 (t, J = 7.0 Hz, 1H), 6.62 - 6.70 (m, 2H), 6.97 (d, J = 8.1 Hz, 1H).
MS (EI) m/z 177 [M]+(bp), 144, 120;
mp. 117.8-117.9℃
【0255】
参考例2
6-アセタミド-3,3-ジメチル-1-インデン
【0256】
【化67】
【0257】
6-アミノ-3,3-ジメチル-1-インダノール(6 g, 34 mmol) に濃硫酸:水=1:3 溶液(60 mL)を加え,110 ℃で 30 分間撹拌した。
反応終了後,反応液を氷冷下で 4NNaOH水溶液を用いて中和し,酢酸エチル,クロロホルムで抽出後、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
溶媒を留去し,6-アミノ-3,3-ジメチル-1-インデンの粗物(7.28 g)を得た。
続いて得られた粗物のトルエン溶液(27 mL)に 無水酢酸(5.2 g, 51 mmol)を加え室温で 10 分間撹拌した。反応終了後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100 mL)を加え、トルエンで抽出後、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
溶媒を留去後、得られた残渣を酢酸エチル:ヘキサン = 1:11 溶液で再結晶し、目的物(5.66 g, 2段階 82.7 % 収率)を白色結晶で得た。
【0258】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.29 (s, 6H), 2.17 (s, 3H), 6.38 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 6.57 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 7.09 - 7.18 (m,3H), 7.50 (d, J = 1.4 Hz, 1H).
MS (EI) m/z 201[M]+, 159, 144 (bp);
mp. 130.7 - 130.9 ℃
【0259】
参考例3
6-アミノ-3,3-ジメチル-1-インデン
【0260】
【化68】
【0261】
6-アセタミド-3,3-ジメチル-1-インデン(1.0 g, 4.97 mmol)のエタノール溶液(10 mL)に室温で濃塩酸(1 mL)を加え,90 ℃で 8 時間加熱還流した。
反応終了後,反応液を 1N 水酸化ナトリウム水溶液で中和し、酢酸エチルで抽出後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
溶媒を留去後、得られた残渣を中圧シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 3 : 1)で精製し、目的物(653 mg, 82% 収率)を無色油状物で得た。
【0262】
MS (EI) m/z 159 [M]+, 144 (bp).
【0263】
参考例4
6−アセタミド−3,3−ジメチル−1−インダノン
【0264】
【化69】
【0265】
6−アミノ−3,3−ジメチル−1−インダノン(4.2 g, 24 mmol)のトルエン溶液(25 mL)に室温で 無水酢酸(2.7 g, 26.4 mmol)を加え1時間撹拌した。
反応終了後、反応液に水(100 mL)を加えトルエンで抽出 (200 mL, 100 mL),有機層を 1 規定塩酸水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
溶媒を留去し、目的物(3.1 g, 59.4 % 収率)を白色無定形物で得た。
【0266】
1H NMR (60 MHz, CDCl3) δ: 1.40 (s, 6H), 2.20 (s, 3H), 2.57 (s, 2H), 7.05-8.00 (m, 3H), 8.87 (brs, 1H).
【0267】
参考例5
6−アセタミド−3,3−ジメチル−1−インダノール
【0268】
【化70】
【0269】
上記反応で得た粗製の 6−アセタミド−3,3−ジメチル−1−インダノン(1.5 g, 6.9 mmol)のメタノール溶液(75 mL)に室温で 水素化ホウ素ナトリウム (780 mg, 20.7 mmol) を加え 10 分間撹拌した。
反応終了後、反応液をロータリーエバポレーターを用いて溶媒を留去し、残渣に水(100 mL) を加え酢酸エチルで抽出 (200 mL, 100 mL), 有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
溶媒を留去後し、目的物(1.5 g, 99 % 収率)を白色無定形物で得た。
【0270】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.17 (s, 3H), 1.35 (s, 3H), 1.81 (dd, A part of AB, J = 13.0 and 6.2 Hz, 1H), 2.13 (s, 3H), 2.34 (dd, B part of AB, J = 13.0 and 7.0 Hz, 1H), 2.54 (brs, 1H), 5.18 (m, 1H), 7.10 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.36-7.38 (m, 1H), 7.49 (s, 1H), 7.68 (brs, 1H);
MS (EI) m / z; 219 [M]+, 205 (bp), 163.
【0271】
参考例6
6−アセタミド−1−アセトキシ−3,3−ジメチルインダン
【0272】
【化71】
【0273】
6−アセタミド−3,3−ジメチル−1−インダノール(1.32 g, 6.02 mmol)のテトラヒドロフラン溶液(26 mL)に N,N−ジメチルアミノピリジン(約 10 mg)、無水酢酸(1.14 mL, 12.04 mmol)、トリエチルアミン(1.68 mL, 12.04 mmol)を加え室温で 1 時間撹拌した。
反応終了後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
溶媒を留去し、目的物(1.59 g, 86 % 収率)を白色無定形物で得た。
【0274】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.25 (s, 3H), 1.35 (s, 3H), 1.96 (dd, A part of AB, J = 13.7 and 4.2 Hz, 1H), 2.06 (s, 3H), 2.16 (s, 3H), 2.37 (dd, B part of AB, J = 13.7 and 7.1 Hz, 1H), 6.12 (dd, J = 7.1 and 4.2 Hz, 1H), 7.14 (d J = 8.2 Hz, 1H), 7.43 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.53 (dd, J = 8.2 and 2.0 Hz, 1H), 7.61 (brs, 1H);
MS (EI) m / z; 261 [M]+, 219 (bp), 202, 186, 144.
【0275】
参考例7
6−アセタミド−1−アセトキシ−3,3−ジメチル−5−ニトロ−インダン
【0276】
【化72】
【0277】
6−アセタミド−1−アセトキシ−3,3−ジメチルインダン(1.55 g, 5.93 mmol)の酢酸溶液(15.5 mL)に 22 ℃で発煙硝酸(3.1 mL)を滴下し、 22 ℃ で 1 時間撹拌した。
続いて濃硫酸(15 mg)を加え 30 分間撹拌し、無水酢酸(7.8 mL)を加え、1時間撹拌した。
反応終了後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
溶媒を留去後、得られた残査を中圧シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 3:1)で精製し、目的物を黄色油状物(780 mg, 42.9 % 収率)で得た。
【0278】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.29 (s, 3H), 1.40 (s, 3H), 1.97 (dd, A part of AB, J = 13.5 and 7.3 Hz, 1H), 2.12 (s, 3H), 2.28 (s, 3H), 2.50 (dd, B part of AB, J = 13.5 and 5.7 Hz, 1H), 6.17 (t, J = 6.4 Hz, 1H), 8.00 (s, 1H), 8.65 (s, 1H), 10.25 (brs, 1H);
MS (EI) m / z; 306 [M]+, 261(bp), 204.
【0279】
参考例8
6−アミノ−3,3−ジメチル−5−ニトロ−1−インデン
【0280】
【化73】
【0281】
6−アセタミド−1−アセトキシ−3,3−ジメチル−5−ニトロ−インダン(750 mg, 2.45 mmol)に 33 % 硫酸水溶液(15 mL)を加え、110 ℃で 8 時間加熱還流した。
反応終了後、1 規定水酸化ナトリウム水溶液で pH 13 にし、酢酸エチルで抽出、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
溶媒を留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 5:1)で精製し、目的物(419 mg, 83.7 % 収率)を茶色油状物で得た。
【0282】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ:1.32 (s, 6H), 6.18 (brs, 2H), 6.39 (dd, J = 5.5 and 0.7 Hz, 1H), 6.64 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 6.66 (s, 1H), 8.01 (s, 1H); MS (EI) m / z; 204 [M]+, 189, 158, 143 (bp).
【0283】
〔合成例〕
合成例1
6-(4'-メトキシベンジルカルボキシアミド)-3,3-ジメチル-1-インデン
【0284】
【化74】
【0285】
6-アミノ-3,3-ジメチル-1-インデン(653 mg, 4.1 mmol) のクロロホルム溶液(13 mL) に室温で 4-メトキシフェニル酢酸クロリド (0.94 mL, 6.15 mmol) を加え、室温で 1 時間撹拌した。
続いて、ジイソプロピルエチルアミン(1.07 mL, 6.15 mmol)を加え、室温で 30 分間撹拌した。
反応終了後、反応液に酢酸エチルを加え、有機層を 1N塩酸、1N 水酸化ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
溶媒を留去後、得られた残渣を中圧シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 3 : 1)で精製、エタノール:水 = 5:4 溶液で再結晶し、目的物(1.01 g, 80 % 収率)を白色結晶で得た。
【0286】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.26 (s, 6H), 3.68 (s, 2H), 3.82 (s, 3H), 6.35 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 6.54 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 6.92 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.1 - 7.2 (m, 2H), 7.25 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.42 (s, 1H).
MS (EI) m/z 307 [M]+ (bp), 278, 149; mp. 170.6 - 171.2 ℃
【0287】
合成例2
1R*,2S*-6-(4'-メトキシベンジルカルボキシアミド)-1,2-エポキシ-3,3-ジメチルインダン
【0288】
【化75】
【0289】
6-(4'-メトキシベンジルカルボキシアミド)-3,3-ジメチル-1-インデン(800 mg, 2.61 mmol) の 1,2-ジクロロエタン溶液 (40 mL) に 4-(3-フェニルプロピル)-ピリジンオキシド (64 mg, 0.26 mmol) を室温で加え、続いて (R,S)-サレンマンガン錯体(35)(この化合物は既知であり米国特許5420314に準じて合成できる。)(135 mg, 0.13 mmol), 次亜塩素酸ナトリウム水溶液(3.92 mmol, 1.7 mol/kg, 1.5 eq) を加え室温で 1.5 時間撹拌した。
反応終了後、反応液に酢酸エチルを加え、有機層を水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
溶媒を留去後、得られた残渣を中圧シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 2 : 1)で精製し、目的物(600 mg, 71 % 収率)を白色無定形物で得た。
【0290】
【化76】
【0291】
[α]24 D -24.7 (c 0.384, CHCl3).
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.18 (s, 3H), 1.36 (s, 3H), 3.65 (s, 2H), 3.68 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 3.82 (s, 3H), 4.16 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 6.92 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.04 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.63 (d, J = 1.8 Hz, 1H).
MS (EI) m/z 323 [M]+ (bp), 293, 175.
【0292】
合成例3
1R*,2S*-6-(4'-メトキシベンジルカルボキシアミド)-1-シクロプロピルアミノ -3,3-ジメチル-2-インダノール
【0293】
【化77】
【0294】
1R*,2S*-6-(4'-メトキシベンジルカルボキシアミド)-1,2-エポキシ-3,3-ジメチルインダン(250 mg, 0.77 mmol) の 1-プロパノール溶液 (5 ml) に シクロプロピルアミン (429 μL, 6.18 mmol) を室温で加え、80 ℃で 9 時間撹拌した。 反応終了後、溶媒を留去し、得られた残渣を分取用シリカゲル薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール = 10 : 1)で精製し、目的物(252 mg, 85.7 % 収率)を白色無定形物で得た。
【0295】
[α]24 D +1.8 (c 0.944, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 0.41-0.53 (m, 4H), 1.06 (s, 3H), 1.3 (s, 3H), 2.4-2.55 (m, 3H), 3.65 (s, 2H), 3.77 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 3.81 (s, 3H), 3.92 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.91 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.04 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.16-7.25 (m, 3H), 7.31 (s, 1H), 7.5 (s, 1H).
MS (EI) m/z 380 [M]+ (bp), 351, 324, 177.
【0296】
合成例4
1S*,2S*-6-(4'-メトキシベンジルカルボキシアミド)-1-シクロプロピルアミノ -3,3-ジメチル-2-インダノール 塩酸塩
【0297】
【化78】
【0298】
1S*,2S*-6-(4'-メトキシベンジルカルボキシアミド)-1,シクロプロピルアミノ -3,3-ジメチル-2-インダノール (100 mg, 0.263 mmol) のメタノール溶液(1 mLに氷冷下、10 % 塩酸メタノール溶液(1 mL) を滴下、0 ℃で 30 分間撹拌した。 反応終了後、溶媒を留去し、目的物(110 mg, 100 % 収率)を白色固形物で得た。
【0299】
合成例5
6−(4'−メトキシベンジルカルボキシアミド)−3,3−ジメチル−5−ニトロ−1−インデン
【0300】
【化79】
【0301】
6−アミノ−3,3−ジメチル−6−ニトロ−1−インデン(400 mg, 1.96 mmol) のクロロホルム溶液(8 mL) に 24 ℃ でジイソプロピルエチルアミン(1.0 mL, 5.88 mmol)、 4−メトキシフェニル酢酸クロリド (0.9 mL, 5.88 mmol) を加え、 24 ℃ 1 時間撹拌した。
反応終了後、反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出、有機層を 1N塩酸水溶液、1N水酸化ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
溶媒を留去後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 6 : 1)で精製し、目的物(468 mg, 67.8 % 収率)を黄色固形物で得た。
【0302】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.32 (s, 6H), 3.76 (s, 2H), 3.82 (s, 3H), 6.65 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 6.69 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 6.94 (AA'BB' type, J = 8.8 and 2.2 Hz, 2H), 7.28 (AA'BB' type, J = 8.8 and 2.0 Hz, 2H), 8.07 (s, 1H), 8.67 (s, 1H), 10.53 (s, 1H);
MS (EI) m / z; 352 [M]+, 306, 204, 148 (bp), 121.
【0303】
合成例6
(1R*,2S*)−6−(4'−メトキシベンジルカルボキシアミド)−1,2−エポキシ−3,3−ジメチル−5−ニトロインダン
【0304】
【化80】
【0305】
6−(4'−メトキシベンジルカルボキシアミド)−3,3−ジメチル−5−ニトロ−1−インデン(354 mg, 1.00 mmol) の 1,2−ジクロロエタン溶液 (7.1 mL) に 4−(3−フェニルプロピル)−ピリジンオキシド (25 mg, 0.10 mmol) を室温で加え、続いて(R,S)-サレンマンガン錯体(46)(52 mg, 0.05 mmol), 次亜塩素酸ナトリウム水溶液(882 mg, 1.7 mol/kg, 1.5 mmol) を加え室温で 1.5 時間撹拌した。
反応終了後、反応液に水(50 mL)、酢酸エチル(100 mL)を加え、セライト濾過した。
続いて酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
溶媒を留去後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 5 : 1)で精製し、目的物(281 mg, 76.2 % 収率)を黄色油状物で得た。
【0306】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.23 (s, 3H), 1.40 (s, 3H), 3.76 (s, 2H), 3.77 (d, J =2.6 Hz, 1H), 3.83 (s, 3H), 4.25 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 6.90-6.99 (m, 2H), 7.25-7.30 (m, 2H), 7.92 (s, 1H), 8.89 (s, 1H), 10.31 (brs, 1H); MS (EI) m / z; 368 [M]+, 322, 205, 148, 122 (bp), 91.
【0307】
合成例7
(1S*,2S*)−6−(4'−メトキシベンジルカルボキシアミド)−1−シクロプロピルアミノ−3,3−ジメチル−5−ニトロ−2−インダノール
【0308】
【化81】
【0309】
(1R*,2S*)−6−(4'−メトキシベンジルカルボキシアミド)−1,2−エポキシ−3,3−ジメチル−5−ニトロインダン(216 mg, 0.59 mmol) の 1−プロパノール溶液 (4.3 mL) にシクロプロピルアミン (325 μL, 4.69 mmol) を室温で加え、80 ℃で 8 時間撹拌した。
続いてシクロプロピルアミン (163 μL, 2.35 mmol)を追加し、80 ℃で 5 時間撹拌した。
反応終了後、溶媒を留去し、得られた残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 1 : 2)で精製し、目的物(205 mg, 82.2 % 収率)を黄色無定形物で得た。
【0310】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 0.45-0.60 (m, 4H), 1.11 (s, 3H), 1.36 (s, 3H), 1.92-2.00 (brs, 2H), 2.50-2.57 (m, 1H), 3.75 (s, 2H), 3.82 (s, 3H), 3.83 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 4.10 (dd, J = 8.6 and 1.3 Hz, 1H), 6.93-7.00 (m, 2H), 7.24-7.28 (m, 2H), 7.92 (s, 1H), 8.76 (s, 1H), 10.32 (s, 1H);
MS (EI) m / z; 425 [M]+,379, 361, 148, 121 (bp), 91;
[α]20 D +37.6 (c 0.68, CHCl3).
【0311】
合成例8
(1S*,2S*)−6−(4'−メトキシベンジルカルボキシアミド)−1−シクロプロピルアミノ−3,3−ジメチル−5−ニトロ−2−インダノール塩酸塩
【0312】
【化82】
【0313】
(1S*,2S*)−6−(4'−メトキシベンジルカルボキシアミド)−1−シクロプロピルアミノ−3,3−ジメチル−5−ニトロ−2−インダノール (106 mg, 0.25 mmol) のメタノール溶液(1 mL) に氷冷下、10 % 塩酸メタノール溶液(1 mL) を滴下し、0 ℃で 30 分間撹拌した。
反応終了後、溶媒を留去し、目的物(115 mg, 100 % 収率)を黄色固形物で得た。
【0314】
〔製剤例〕
【0315】
上記成分を常法により混合したのち1錠中に1mgの活性成分を含有する糖衣錠10,000錠を製造する。
【0316】
上記成分を常法により混合したのちゼラチンカプセルに充填し、1カプセル中に1mgの活性成分を含有するカプセル剤10,000カプセルを製造する。
【0317】
上記成分を混合したのち常法により3号軟ゼラチンカプセルに充填し、1カプセル中に1mgの活性成分を含有する軟カプセル剤10,000カプセルを製造する。
【0318】
上記成分を常法により混合し、1%軟膏とする。
【0319】
ウィッテップゾール=Witepsol」
上記成分を常法により溶融混合し、坐剤コンテナーに注ぎ冷却固化して1mgの活性成分を含有する1g坐剤1,000個を製造する。
【0320】
製剤例6
注射剤
合成例4 1mg
注射用蒸留水 5mL
用時、溶解して用いる。
【0321】
〔薬理試験例〕
【0322】
心拍数に及ぼす効果
試験方法
ハートレー系雄性モルモットより心臓を摘出し、95%O2/5%CO2を通気したKrebs Henseleit液中において右心房を分離した。標本は、31℃に維持した栄養液を満たしたオルガンバス中に1gの張力をかけて懸垂した。
【0323】
栄養液を交換しながらの平衡化の後、標本にイソプロテレノールを累積的に適用して最大反応を求めた。薬物洗浄後、栄養液を交換しながら60分間の平衡化を行った後、各化合物を適用して作用を観察した。
結果は、各化合物10μM、30μM、100μM及び300μM適用時における作用を、あらかじめ得たイソプロテレノールによる最大反応を100%として変化率%で表した。
【0324】
結果
本発明化合物は、濃度依存的な心拍数減少作用を示した。
【0325】
【表1】
【0326】
【発明の効果】
本発明化合物は、心拍数減少作用を示し、心機能の改善に有用である。
従って、本発明は、有用な心不全治療剤を提供することができる。
Claims (8)
- 式(I)
R2及びR3は、それぞれ独立してC1−6アルキル基を意味する。
R4は、水酸基を意味するか又はR5と一緒になって結合を意味するか又はR5と一緒になって酸素原子と共にエポキシ基を意味する。
R5は、水素原子を意味するか又はR4と一緒になって結合を意味するか又はR4と一緒になってエポキシ基を意味する。
R6は、水素原子又はNR7R8{R7及びR8は、それぞれ独立して水素原子、C3−6シクロアルキル基を意味する。}を意味する。
nは、1の整数を意味する。
Xは、C=O を意味する。
Yは、 NR17(R17は、水素原子を表す)を意味する。
Zは、存在しない。
Wは、
mは、1の整数を意味する。}を意味する。〕により表されるインダン誘導体又はその塩。 - R2及びR3が、共にメチル基である請求項1記載のインダン誘導体又はその塩。
- R4がR5と一緒になって結合を意味する請求項1記載のインダン誘導体又はその塩。
- R4が水酸基であり、R5が水素原子であり、R6 が C 3 −6シクロアルキルアミノ基である請求項1記載のインダン誘導体又はその塩。
- Wが4−メトキシフェニル基である請求項3記載のインダン誘導体又はその塩。
- R6 がシクロプロピルアミノ基であり、Wが4−メトキシフェニル基である請求項4記載のインダン誘導体又はその塩。
- 請求項1記載のインダン誘導体又はその塩を有効成分として含有することを特徴とする医薬。
- 請求項1記載のインダン誘導体又はその塩を有効成分として含有することを特徴とする心不全治療薬。
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