以下、本発明に係る充電器について、図面を参照しながら詳細に説明する。先ず、本発明に係る充電器に装着される二次電池と、この二次電池が用いられる電子機器についてディジタルスチルカメラを例に説明する。
このディジタルスチルカメラ1は、図1乃至図3に示すように、カメラ本体部11を有する。このカメラ本体部11には、前面部の一方の側に、レンズ鏡筒で構成されたレンズ部12が設けられ、他方の側に膨出してユーザにより把持されるグリップ部13が設けられている。また、カメラ本体部11には、グリップ部13側の上面部に、シャッタ釦14が設けられている。
このグリップ部13の内部には、乾電池4等の一次電池やニッケル水素二次電池5等の充電型のバッテリが単体で収納され、あるいはバッテリが複数配列され一体化されたバッテリー装置2が収納されるバッテリー収納部20が形成されており、図3に示すように、グリップ部13が設けられた側の底面部には、バッテリー収納部20を開閉する電池蓋15が設けられている。このバッテリー収納部20には、一次電池や二次電池あるいはバッテリー装置2と選択的に、交流電源を直流電源に変換しカメラ本体部11の電源回路に供給するDCアダプタ3が装着される。したがって、このカメラ本体部11には、外部の直流電源が供給されるDCジャック専用のコネクタ及び切り換え回路やスイッチ等は設けられておらず、小型化が図られている。このバッテリー収納部20及びバッテリー収納部20に挿入されるバッテリー装置2及びDCアダプタ3については後に詳述する。
またカメラ本体部11の底面部には、電池蓋15に隣り合って三脚等が取り付けられる取付孔16が設けられている。この取付孔16は、三脚等のアクセサリが取り付けられると共に、スタンド装置に装着されたとき、スタンド装置の装着部に形成された位置決め突起が係合する孔となる。更に、カメラ本体部11の底面部には、レンズ部12が設けられた側に、スタンド装置と電気的接続をするためのジャック部17が設けられている。
またカメラ本体部11の背面部には、図1に示すように、レンズ部12の裏側となる領域に表示部18が設けられている。この表示部18は、例えば略矩形をなし、LCD(Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイ(Organic Electroluminescence Display)等の表示素子で形成されている。この表示部18の上側には、ファインダ部19が設けられている。また、この表示部18に隣り合うようにして、カメラ本体部11の背面部には、複数の操作釦でなる操作部10が設けられている。この操作部10は、例えば、内部メモリに保存格納されている画像データを表示部18に表示させる操作を行うことができる。また、操作部21では、ディジタルスチルカメラ1の詳細な設定、例えばフラッシュのオンオフ等を設定することができる。
ここで、バッテリー収納部20内に収納されるバッテリー装置2について説明する。ディジタルスチルカメラ1は、バッテリー収納部20に例えば単三型乾電池や、単三型乾電池と同形状の二次電池が収納されるとともに、単三型乾電池と同形状の二次電池が2つ配列され一体化されたバッテリー装置2を用いることができる。このバッテリー装置2を構成する二次電池には、例えばニッケル水素二次電池21が用いられる。ニッケル水素二次電池21は、図4に示すように、円筒形の電池缶体22内に負極及び正極とを備える電極体と電解液とが収納されるとともに、この電池缶体22の長手方向の一端側に正極端子部が、他端側に負極端子部が形成されている。電池缶体22内に収納された電極体は、可逆的に水素を吸蔵/放出し得る負極活物質及び正極活物質を担持した帯状の負極材料及び正極材料をセパレータを介して巻回するとともに、それぞれ負極リード、正極リードが導出されることにより、負極及び正極が形成されている。そして電池缶体22は、負極リードが電池缶体22の底面に溶接され、正極リードが電池缶体22の電池蓋に溶接されることにより、上端を正極端子部22a、下端を負極端子部22bとして形成されている。なお、電池缶体22は、正極端子部22a及び負極端子部22bを除いて絶縁性のシート材等で被覆されている。
そしてバッテリー装置2は、図5(A)〜(G)、図6及び図7に示すように、2つのニッケル水素二次電池21が、電池缶体22の長手方向と直交する方向に、正極端子部22aと負極端子部22bとが互いに逆を向くように配設されると共に、セパレータ23を介して接着されることにより形成されている。ニッケル水素二次電池21を接着するセパレータ23は、図8に示すように、電池缶体22の長手方向に沿って接着されるセパレート板24と、隣接された電池缶体22間に形成される一方の凹部2aに応じて設けられ、後述するバッテリー収納部20内に形成されたレバースイッチ61と係合される係合部25とを有する。電池缶体22は、セパレート板24の両側面に接着剤等によって接着されている。なお、セパレート板24に接着された2つの電池缶体22は、凸状に形成された正極端子部22aの突端と平坦に形成された負極端子部22bの端面とがそれぞれ同じ高さとなるように接着される。
セパレート板24は、側面が電池缶体22に応じて円弧状に形成された板状体からなり、上面には長手方向の中間部から一端部にかけて係合部25が形成されている。なおセパレート板24の下面は平坦化されることにより、バッテリー装置2の他方の凹部2bは長手方向に亘って溝状に形成されている。この凹部2bにはバッテリー収納部20に形成されたガイド突部53が係合される。
バッテリー装置2の一方の凹部2aに形成された係合部25は、バッテリー収納部20に形成されたレバースイッチ61に係合されることにより、ディジタルスチルカメラ1にバッテリー装置2の種別識別を可能とさせるためのものである。係合部25は、セパレート板24の長手方向中間部から挿入方向後端側にかけて形成されている。この係合部25は、挿入方向前端側の端面25aには、バッテリー装置2の種別識別を行う識別部26が形成され、挿入方向後端側の端面25bには後述する電池蓋15に形成された支持突部28と対向される突起27が形成されている。
識別部26は、バッテリー装置2の放電容量や、充電電圧、充電電流等の充放電特性等に応じて、図8(A)〜(C)に示すように、例えば凸形状、平坦形状、あるいは凹形状に形成されている。この識別部26は、バッテリー装置2がバッテリー収納部20に挿入されると係合部25の移動軌跡上に設けられたレバースイッチ61に係合される。このとき、識別部26は、その形状によってレバースイッチ61の押圧量が異なることから、ディジタルスチルカメラ1は、この押圧量の違いを検出することにより挿入されたバッテリー装置2の種別を判別することができる。したがってディジタルスチルカメラ1は、例えば、不適合なバッテリー装置が挿入された場合にはカメラ本体部11の操作を無効としたり、挿入されたバッテリー装置2が急速充電が可能なものであれば最適な充電速度で充電を行うことができる。
係合部25の後端面25bに設けられた突起27は、図7に示すように、電池缶体22の端面よりも低い位置に設けられている。そして突起27は、図9に示すように、電池蓋15がバッテリー収納部20を閉塞することによって電池蓋15側に設けられた支持突部28が電池缶体22間に形成された凹部2aに臨まされることによりこの支持突部28と所定のクリアランスを隔てて対向される。この状態で、ディジタルスチルカメラ1が落下した場合、落下衝突時にはニッケル水素二次電池21が電池蓋15に接触するよりも先に突起27と電池蓋15の支持突部28とが接触する。この突起27と支持突部28との接触は点接触であるため、ディジタルスチルカメラ1の落下によりカメラ本体部11に衝撃を受けても、面接触で当たった場合に比してバッテリー装置2に加わる衝撃が軽減される。したがって、セパレータ23と電池缶体22とがズレたり、剥離するなどの事故を防止することができる。
なお、電池蓋15に設けられた支持突部28は、単体の乾電池や二次電池が2つバッテリー収納部20に収納された際には、これら隣接して収納される乾電池や二次電池の間に挿入されることによりクリアランスを設け、ショート等の危険を回避させることができる。また、電池蓋15には、支持突部28の両側に乾電池や二次電池あるいはバッテリー装置2の挿入方向後端側の端面に設けられた正極端子部22a及び負極端子部22bと接触される一対の蓋体電極29,30が形成されている。
また係合部25は、バッテリー装置2が極性を逆にしてバッテリー収納部20に挿入された場合、バッテリー収納部20に形成されたガイド突部53に当接される。したがってバッテリー装置2は、バッテリー収納部20への誤挿入が防止されている。なお、係合部25は、バッテリー装置2の凹部2a内に設けられ、電池缶体22の最外径よりも突出されない高さとされている。
以上のようなバッテリー装置2は、バッテリー収納部20に挿入されるとカメラ本体部11の電源回路に直流電源を供給する。また、バッテリー装置2は、バッテリー収納部20に収納された状態でディジタルスチルカメラ1が詳細を省略する家庭用交流電源と接続されたカメラスタンドに載置されると、交流電源が直流電源に変換されて供給されることにより充電が行われる。また、バッテリー装置2は、後述する充電器70に装着されることによっても充電を行うことができる。
なお、バッテリー装置2は、ニッケル水素二次電池21を用いる以外にも、リチウムイオン二次電池やニッケルカドミウム蓄電池、鉛蓄電池等、任意の蓄電池を用いて構成することができる。
次いで、バッテリー収納部20内に収納されるとともに、AC/DCコンバータを介して家庭用交流電源と接続されることより、ディジタルスチルカメラ1に外部の直流電源を供給するDCアダプタ3について説明する。DCアダプタ3は、図6、図10及び図11に示すように、アダプタ本体31と、アダプタ本体31から延長されたケーブル32の先端に設けられたコネクタ33とを有し、このコネクタ33が、AC電源プラグ34を備えたAC/DCコンバータ35と接続されて用いられる。
アダプタ本体31は、バッテリー収納部20の各収納部に対応して第1、第2の円筒部37,38が長手方向と直交する方向に隣接して設けられ、これら第1、第2の円筒部37,38の間には長手方向に沿って両面に第1、第2の溝部39,40が形成されている。第1の円筒部37には、バッテリー収納部20の第1の収納部51に形成された挿入ガイド部57に応じて挿入規制部41が形成されている。挿入規制部41は、DCアダプタ3がバッテリー収納部20に極性を逆にして挿入されることを防止するためのものであり、第1の円筒部37の外周の一部を角形に突出させることにより形成されている。挿入規制部41は、この挿入規制部41の頂点介して隣り合う第1の規制辺41aと第2の規制辺41bとを有し、この挿入規制部41を構成する第1、第2の規制辺41a,41bは、図12(A)に示すように、第1の円筒部37の外周より延長されて互いに約90°の角度をなす。また、第1、第2の規制辺41a,41bは、第1の円筒部37の外周上の基端部を結ぶ円弧の中心角θ1が90°未満に形成されている。すなわち、第1の規制辺41aは、第1の円筒部37の外周の基端部における接線方向よりもやや第1の円筒部37の外側に傾けて延設され、第2の規制辺41bは、第1の円筒部37の外周の基端部における接線方向に延設され、これら第1、第2の規制辺41a,41bが互いに90°をなす。このような第1、第2の規制辺41a,41bは、第1の円筒部37の外周上の基端部を結ぶ円弧を想定すると、この円弧の中心角θ1が90°未満となる。したがって、DCアダプタ3は、バッテリー収納部20の第1の収納部51に収納される際には、第1の収納部51に挿入規制部41の形状と同様に形成された挿入ガイド部57にガイドされ、スムーズに挿入することができる。また、DCアダプタ3は、第1の円筒部37と第2の円筒部38を逆にして極性が逆にされた状態でバッテリー収納部20に挿入されると、この挿入規制部41がバッテリー収納部20内に形成された当接部58に当接され挿入が禁止される。また、挿入規制辺41は、図12(B)に示すように、第3の規制辺41c及び第4の規制辺41dを共に第1の円筒部37のが異種の基端部における接線方向よりもやや第1の円筒部37の外側に傾けて延設させ、互いに90°をなすように形成し、これら第3、第4の規制辺41c,41dの第1の円筒部37の外周上の基端部を結ぶ円弧を想定すると、この円弧の中心角θ2が90°未満となるように形成してもよい。
なお、この挿入規制部41は、第1の規制辺41aと第2の規制辺41bとの交点が円弧状に面取りされている。したがって後述するバッテリー収納部20に挿入される際、バッテリー収納部20内に形成された挿入ガイド部57に摺接しても干渉し合うことがないため、スムーズに摺動させることができ、また摺動による塵埃等の発生を防止することができる。
なお、第1の円筒部37は、挿入方向の前端面及び後端面には電極端子部が設けられておらず、平坦化されている。
第2の円筒部38は、長手方向の略中間部から挿入方向後端面にかけて断面略半円状に切り欠かれた切欠き部43が形成され、この切欠き部43の挿入方向前側の端面43aよりAC/DCコンバータ35と接続されるケーブル32が延設されている。なお、ケーブル32は、DCアダプタ3がバッテリー収納部20内に収納されると、カメラ本体部11の側面部に形成された導出孔59よりカメラ本体部11外へ導出される。また第2の円筒部38の挿入方向前端部には、バッテリー収納部20内に設けられた第2の電極52aと接触される凸状の第1の電極端子部44が形成されている。この第1の電極端子部44は正極とされている。
第1の円筒部37と第2の円筒部38との間に設けられた第1の溝部39は、DCアダプタ3がバッテリー収納部20内に収納される際に、バッテリー収納部20に形成されたガイド突部53が係合され、スムーズな挿脱を行うことができる。また、第2の溝部40には、バッテリー収納部20の係合突部54に設けられた第3の電極62と接触する第2の電極端子部45が形成されている。第2の電極端子部45は、負極とされている。このように、DCアダプタ3は、バッテリー収納部20の第1の収納部51に設けられた第1の電極51aに対応して第1の円筒部37の挿入方向前端部に電極端子部を設けず、第2の溝部40に第2の電極端子部45を設けることにより、乾電池や二次電池あるいは上記バッテリー装置2の電極配置と比べて正極端子と負極端子とが離れた位置に設けられているため、ショート等の危険が回避され安全性が確保される。また、バッテリー収納部20にも第2の電極端子部45に対応した位置に第3の電極62を設けることで、バッテリー収納部20内の第2の電極52a及び第3の電極62導通された場合にはディジタルスチルカメラ1に適合する専用のDCアダプタ3が用いられていることをディジタルスチルカメラ1側で判別することができる。したがって、専用のDCアダプタ3が用いられた場合にのみ可能な特別な操作をディジタルスチルカメラ1に行わせるようにすることもできる。
また、第2の電極端子部45は、第1、第2の円筒部37,38よりも突出しない高さに形成されている。すなわち、第2の電極端子部45は、第2の溝部40が臨まされている側の第1、第2の円筒部37,38の外周面よりも低くされている。したがって、DCアダプタ3は、第2の電極端子部45によってバッテリー収納部20内の構成部品等を損傷させることや、第2の電極端子部45の汚損、ショート等の危険を回避することができる。
また、DCアダプタ3は、挿入方向後端面に第1の溝部39から連続する第3の溝部46が形成されている。第3の溝部46は、DCアダプタ3がバッテリー収納部20に収納され、電池蓋15によって閉塞されると、電池蓋15に設けられた支持突部28が嵌合する。
このようなDCアダプタ3は、バッテリー収納部20に挿入されると、第2の円筒部38の挿入方向前端部に形成された正極の第1の電極端子部44がバッテリー収納部20側に設けられた第2の電極52aと接触する前に、第2の溝部40に形成された負極の第2の電極端子部45が係合突部54に形成された第3の電極62と接触する。このように負極端子が正極端子よりも先に接触するため、安定した電力供給を行うことができる。
また、DCアダプタ3は、第1の円筒部37が挿入方向の前端面を平坦化されるとともに、挿入方向の前端面に凸状の第1の電極端子部44が形成された第2の円筒部38や上記バッテリー装置2あるいは乾電池4や二次電池5に比べて長手方向に短く形成されている。したがって、図13に示すように、バッテリー収納部20に挿入された際に、バッテリー収納部20の第1の電極51aに設けられた支持バネ51bによる第1の円筒部37に対する荷重が少なくなるため、DCアダプタ3の収納後の電池蓋15を閉める際のバネ圧力が小さく、電池蓋15による閉塞動作を容易に行うことができて操作感を向上することができる。
次いで、カメラ本体部11に駆動電源を供給する一次電池や二次電池あるいは上記バッテリー装置2やDCアダプタ3が収納されるバッテリー収納部20について説明する。このバッテリー収納部20は、図6に示すように、カメラ本体部11の底面部に形成され、各種電源が挿入される第1、第2の収納部51,52が外方に臨まされるとともに、電池蓋15(図6においては図示を省略している。)によって閉塞される。第1、第2の収納部51,52は、例えば単三型乾電池がそれぞれ収納されるに適した大きさの中空円筒形に形成され、長手方向と直交する方向に並んで設けられている。また第1の収納部51と第2の収納部52とは長手方向に亘って連続されると共に、第1の収納部51と第2の収納部52との間には、円筒体を長手方向と直交する方向に2つ配列された一次電池、二次電池、バッテリー装置2及びDCアダプタ3の円筒体間に形成された凹部2bや第1の溝部39に応じて、これら各種電源の挿脱をガイドするガイド突部53と、後述するレバースイッチ61及び第3の電極62が形成された係合突部54が形成されている。
第1の収納部51は、図14に示すように、内周の一部にDCアダプタの挿入をガイドすると共に誤挿入を防止する挿入ガイド部57が形成されている。挿入ガイド部57は、第1の収納部51の内周壁の一部が角形に切り欠かれて形成されている。挿入ガイド部57は、この挿入ガイド部57の頂点を介して隣り合う第1のガイド辺57aと第2のガイド辺57bとを備え、挿入ガイド部57を構成する第1、第2のガイド辺57a,57bは、第1の収納部51の内周壁より延設されて互いに約90°の角度をなす。また、第1、第2のガイド辺57a,57bは、第1の収納部51の内周壁上の基端部を結ぶ円弧の中心角θ3が90°未満に形成されている。すなわち、第1のガイド辺57aは、内周壁の基端部における接線方向よりもやや第1の収納部51の外側に傾けて延設され、第2のガイド辺57bは、内周壁の基端部における接線方向に延設され、これら第1、第2のガイド辺57a,57bが互いに90°をなす。このような第1、第2のガイド辺57a,57bは、内周壁上の基端部を結ぶ円弧を想定すると、この円弧の中心角θ3が90°未満となる。したがって、第1の収納部51は、挿入ガイド部57が形成された一角の切り欠き角度が90°未満となるため、図9に示すように、単三型の乾電池や二次電池が挿入された場合にも、内周壁によって挿入ガイド部57側の側面まで一部支持することができ、これらが挿入ガイド部57の切り欠き方向にガタつくことを防止することができる。
なお、この挿入ガイド部57は、第1のガイド辺57aと第2のガイド辺57bとの交点が円弧状に面取りされている。したがって後述するDCアダプタ3が挿入される際、DCアダプタ3に形成された挿入規制部41が摺接しても干渉し合うことがないため、スムーズに摺動させることができ、また摺動による塵埃等の発生を防止することができる。
また第2の収納部52は、中空円筒状に形成されるとともに、内周壁の一部が切り欠かれることによりDCアダプタ3が極性を逆にして挿入された際に挿入規制部41が当接されてDCアダプタ3の挿入を阻止する当接部58が形成されている。なお当接部58の近傍には、DCアダプタ3から延長されたコードをカメラ本体部11外へ導く導出孔59が形成されている。導出孔59は、可撓性を有する閉塞片60によって閉塞される。閉塞片60は、一端をカメラ本体部11に取り付けられ、DCアダプタ3が挿入されると、図6中矢印A方向へ回動されることにより導出孔59を開放しDCアダプタ3より延長されるケーブル32をカメラ本体部11外へ排出させる。
なお、第1の収納部51は、底面部に第1の電極51aが、第2の収納部52は,底面部に第2の電極52aが形成されている。これら第1の電極51a及び第2の電極52aは、バッテリー装置2、乾電池4あるいは二次電池5が第1、第2の収納部51,52に収納されると、これら各種電源の挿入端側の端面に形成された電極端子部を支持する支持バネ51b,52bがそれぞれ設けられている。
ここで、上述したようにDCアダプタ3は、第1の円筒部37が、第2の円筒部38や上記バッテリー装置2あるいは乾電池4や二次電池5に比べて長手方向に短く形成されている。したがって、図13に示すように、第1の電極51aに設けられた支持バネ51bは、第1の円筒部37に対する荷重が少なくなるため、DCアダプタ3の収納後の電池蓋15を閉める際のバネ圧力が小さく、電池蓋15による閉塞動作を容易に行うことができることから、操作感を向上させている。
これら第1、第2の収納部51,52の間には、各種電源の挿脱をガイドするガイド突部53が設けられる。このガイド突部53は、第1、第2の収納部51,52の隣り合う内周壁が連続されることによりバッテリー収納部20の内面側に突出形成されている。ガイド突部53は、乾電池や二次電池といった各種電源が収納される際に、挿脱をガイドするとともに、収納された乾電池や二次電池を隔離する隔壁として機能する。またガイド突部53は、バッテリー装置2が収納される際にはバッテリー装置2の凹部2bと係合されることにより挿脱をガイドする。またガイド突部53は、DCアダプタ3が収納される際にはDCアダプタ3の第1の溝部39と係合されることにより挿脱をがイドする。
またガイド突部53は、バッテリー装置2が極性を逆にして収納され、凹部2aが係合されると、バッテリー装置2の凹部2aに設けられた係合部25が当設してバッテリー収納部20内への挿入を規制するため、誤挿入を防止することができる。
ガイド突部53と対向する位置には、レバースイッチ61及び第3の電極62が形成された係合突部54が形成されている。この係合突部54も、上記ガイド突部53と同様に第1、第2の収納部51,52の隣り合う内周壁が連続されることによりバッテリー収納部20の内面側に突出して形成されている。また係合突部54は、第1、第2の収納部51,52の開放端側にレバースイッチ61及び第3の電極62が形成されている。レバースイッチ61は、バッテリー装置2の係合部25に当接されることにより係合部25の端面に形成された識別部26の形状に応じて挿入されたバッテリー装置2の種別を判別するものであり、また第3の電極62は、DCアダプタ3に設けられた第2の電極端子部45に接触されるものである。
係合突部54は、バッテリー収納部20の開放端側の端面が開放された中空状に形成され、図15に示すように、内部にレバースイッチ61と、レバースイッチ61によって押圧操作される検出スイッチ64と、レバースイッチ61を開放端側に付勢する付勢部材65とが設けられている。
レバースイッチ61は、係合突部54内に挿入されバッテリー装置2の収納方向にスライドされる挿入部66と、該挿入部66と一体に形成され挿入部66のスライド量に応じて検出スイッチ64を押圧操作する操作部67と、挿入部66の一端より突出されることによりバッテリー装置2の係合部25に押圧される押圧部68とを有する。挿入部66は、係合突部54の開放端側の一端部66aに押圧部68が突出形成されている。押圧部68は、挿入部66の一端部より係合突部54の開放端からバッテリー収納部20内に突出されることにより、バッテリー装置2の係合部25の移動領域に臨まされている。したがってレバースイッチ61は、バッテリー装置2がバッテリー収納部20内に収納されると、押圧部68が係合部25に押圧され係合突部54の奥へスライドされる。また挿入部66は、押圧部68が形成された一端部と反対側の他端部が、係合突部54内に配設された付勢部材65に付勢されることにより、常時係合突部54をバッテリー収納部20の開放端側に付勢されている。また操作部67は、挿入部66と一体に形成されることにより、挿入部66のスライドに応じて移動される。そして操作部67は、移動領域上に配設された検出スイッチ64を押圧することにより検出スイッチ64を操作する。
また検出スイッチ64は、回動量に応じてバッテリー装置2の種別を判別する検出レバー64aを備え、この検出レバー64aがレバースイッチ61の操作部67の移動領域上に臨まされて配設されている。
このようなレバースイッチ61は、バッテリー装置2がバッテリー収納部20内に収納されていない場合には、付勢部材65に付勢されることによって挿入部66が係合突部54の開放端側にスライドされている。このとき、挿入部66と一体に形成された操作部67は、検出スイッチ64の検出レバー64aと当接しない位置にある。
そして、バッテリー装置2がバッテリー収納部20に収納されると、レバースイッチ61は、押圧部68が係合部25の前端面25aに形成された識別部26に押圧されて挿入部66が係合突部54の奥へスライドされる。このとき、レバースイッチ61は、識別部26の形状に応じてスライド量が異なる。すなわち、挿入部66は、識別部26が凸形状の場合はより係合突部54の奥へスライドし、識別部26が平形状の場合は凸形状の場合よりも手前までスライドし、識別部26が凹形状の場合は平形状の場合よりもさらに手前までスライドする。したがって挿入部66のスライド量に応じて操作部67のスライド量も異なるため、操作部67に押圧操作される検出スイッチ64も、検出レバー64aの回動量が異なる。そして、上述したように識別部26は、バッテリー装置2の放電容量や、充電電圧、充電電流等の充放電特性等に応じて、凸形状、平坦形状、あるいは凹形状に形成されているため、識別部26の相違に応じて検出レバー64aの回動量が異なることから、この回動量を検出することにより挿入されたバッテリー装置2の種別を判別することができる。そしてこのバッテリー装置2の種別に応じて最適な充電等の操作を行うことができる。
また、バッテリー装置2がバッテリー収納部20から取り出されると、係合部25に押圧されていたレバースイッチ61は、挿入部66が付勢部材65によって係合突部54の開放端側にスライドされる。したがって、挿入部66とともに操作部67がバッテリー収納部20の開放端側へスライドされ、検出スイッチ64への押圧が解除される。
このレバースイッチ61の手前には、DCアダプタ3に設けられた第2の電極端子部45に接触される第3の電極62が設けられている。第3の電極62は、バッテリー収納部20の第1の収納部51と第2の収納部52との間に設けられることにより、DCアダプタ3の第2の溝部40に形成された第2の電極端子部45の移動領域上に臨まされている。そして第3の電極62は、DCアダプタ3がバッテリー収納部20内に挿入されると、DCアダプタ3の第2の円筒部38に形成された第1の電極端子部44が第2の収納部52に形成された第2の電極52aと接触するよりも先に、第2の電極端子部45と接触される。また、この第2の電極端子部45は負極に形成されているため、DCアダプタ3は、負極が接触された後に正極が接触されることとなり、DCアダプタ3を介しての電力の供給を安定して行うことができる。
またディジタルスチルカメラ1は、第2の収納部52に設けられた第2の電極52aと第3の電極62とが導通された場合にはディジタルスチルカメラ1に適合する専用のDCアダプタ3が用いられていることをディジタルスチルカメラ1側で判別することができる。したがって、専用のDCアダプタ3が用いられた場合にのみ可能な特別な操作をディジタルスチルカメラ1に行わせるようにすることもできる。
このようなディジタルスチルカメラ1は、バッテリー収納部20内にバッテリー装置2が収納された状態で、家庭用交流電源と接続されたカメラスタンド(図示せず)に載置されると、交流電源が直流電源に変換されて供給されることによりバッテリー装置2に対して充電を行うことができる。また、バッテリー装置2や二次電池5は、以下に示す充電器70に装着されることによっても充電される。
この充電器70は、バッテリー装置2及び単体の二次電池5が充電可能な兼用充電器であり、図16に示すように、略蒲鉾形の本体部71の上面に設けられた2つの電池収納部72,72と、各電池収納部72,72との間を仕切る仕切壁73と、各電池収納部72,72の外方側に長手方向に沿って設けられた側壁74,74と、バッテリー装置2や二次電池5に設けられた各電極端子を支持する電極支持部75を備える。
電池収納部72は、単三型乾電池と同サイズに形成されたバッテリー装置2のニッケル水素二次電池21や単体の二次電池5が収納されるに適した大きさを有し、断面略円弧状に形成されている。この電池収納部72は、長手方向と直交する方向に隣接して2つ形成され、各電池収納部72,72間を仕切壁73によって仕切られている。また各電池収納部72は外方側に側壁74が形成されている。これら仕切壁73と側壁74とは、図17に示すように、いずれも電池収納部72と連続して円弧状に形成されるとともに、電池収納部72に収納されたバッテリー装置2のニッケル水素二次電池21や単体の二次電池5の中心軸の位置よりも低く形成されている。また側壁74は、仕切壁73よりも低く形成されるとともに、さらに本体部71の側面71aに向かって下降する傾斜部76が形成されている。したがって電池収納部72は、収納されたバッテリー装置2や二次電池5の下側面に側壁74から容易に手指82を掛けることができるため、取り外しをスムーズに行うことができる。
また、この電池収納部72には、長手方向の両端面72a,72bに電極支持部75が形成されている。電極支持部75は、電池収納部72の両端面72a,72bを略矩形状に切り欠いた第1、第2の切欠き部77,78より、可撓性を有する金属板からなる第1、第2の導電板79,80が臨まされることにより形成されている。第1の導電板79は、バッテリー装置2や二次電池5の正極端子を支持するものであり、この第1の導電板79が臨まされた第1の切欠き部77は、略凸状に形成された正極端子を支持する支持壁81が切り欠きの周囲に突設されている。また第2の導電板80は、バッテリー装置2や二次電池5の負極端子を支持するものであり、この第2の導電板80は第2の切欠き部78の上端部から下側に傾斜されると共に中間で下方に折り曲げられることにより電池収納部72側に張り出し形成されている。そして電極支持部75は、ニッケル水素二次電池21に形成された正極端子部22aと負極端子部22bとが互いに逆を向くように配設されているバッテリー装置2に対応して、相隣接する電池収納部72の第1の切欠き部77及び第1の導電板79と、第2の切欠き部78及び第2の導電板80とが互いに逆を向くように形成されている。このような電極支持部75は、バッテリー装置2や二次電池5が電池収納部72に収納されると、凸形状の正極端子を第1の切欠き部77に設けられた支持壁81によって支持するとともに、電池収納部72側に張り出し形成された第2の導電板80によって略平坦状の負極端子を支持することにより、バッテリー装置2や二次電池5を電池収納部72内に保持する。
また、バッテリー装置2や二次電池5は、円弧状に形成された仕切壁73及び側壁74によって電池収納部72への収納がガイドされ、また相隣接する電池収納部72間に設けられた仕切壁73によって、斜めに傾いた状態で収納されることが防止されている。
また、バッテリー装置2は、図16及び図17に示すように、正極端子部22aを第1の切欠き部77及び第1の導電板79側に向け、負極端子部22bを第2の切欠き部78及び第2の導電板80側に向けると、係合部25が形成されていない凹部2bが仕切壁73に向くこととなる。したがって、充電器70は、バッテリー装置2が極性を合わせて電池収納部72に収納されることにより、仕切壁73にバッテリー装置2の凹部2bが係合される。一方、充電器70は、バッテリー装置2が極性を逆にして電池収納部72に収納しようとすると、凹部2aと仕切壁73とが対向されることとなるため、凹部2aに形成された係合部25と仕切壁73とが当設してバッテリー装置2の収納が規制され、バッテリー装置2の誤挿入を防止することができる。
また、充電器70は、二次電池5が極性を合わせて電池収納部72に収納されると、上述したように、凸状の正極端子部が周囲を第1の切欠き部77に形成された支持壁81に支持される。一方、充電器70は、二次電池5が極性を逆にして電池収納部72に収納しようとすると、凸状の正極端子部が電池収納部72内に張り出し形成された第2の導電板80の傾斜面によって上面側に付勢されるため、二次電池5の収納が規制され、二次電池5の誤挿入を防止することができる。
この充電器70は、バッテリー装置2が装着される際には、2つのニッケル水素二次電池21がいずれも電池収納部72に装着されたか否かを検出する検出手段83を備える。そして充電器70は、バッテリー装置2が電池収納部72に装着されている場合には、当該バッテリー装置2に適した充電を行うように制御される。すなわち、充電器70は、単体の二次電池5と、二次電池が複数組み合わされたバッテリー装置2との兼用充電器として形成されている。また、二次電池5は、製造者ごとに充電電圧や容量等の充電特性や品質等が異なっている一方、バッテリー装置2は予め充電特性が定まっているものが多く、品質も安定している。そこで、充電器70は、バッテリー装置2が装着された場合には、既知の充電特性から最適な充電方法を選択することで、例えば急速充電を行うことができ、ユーザにとって使い勝手が向上される。そこで、バッテリー装置2の充電を行う充電器70は、バッテリー装置2が装着されているのか、あるいは単体の二次電池5が装着されているのかを判別すると共に、バッテリー装置2の2つのニッケル水素二次電池21が電池収納部72に装着されたかを検出する検出手段83が設けられ、バッテリー装置2のニッケル水素二次電池21が全て装着された場合には急速充電を行う等、当該バッテリー装置2に最適な充電を行うように制御される。
この検出手段83は、単体の二次電池5とバッテリー装置2のいずれが電池収納部72に装着されているのかを判別すると共に、バッテリー装置2が装着されている場合にはニッケル水素二次電池21がすべて装着されていることを検出するものである。そして、充電器70は、単体の二次電池5が装着された場合には電池収納部72の一つに装着されれば充電を開始し、バッテリー装置2が装着された場合には全ての電池収納部72に装着されたときに充電を開始する。
かかる検出手段83としては、例えば、バッテリー装置2のセパレータ23に凹部2b側に突出する突部を設けるとともに、充電器70の仕切壁73に、当該突部が挿入される挿入口を設け、この挿入口内に検出スイッチを設けることにより構成される。この検出手段83によれば、バッテリー装置2が、2つのニッケル水素二次電池21のいずれもが極性を正しく電池収納部72に収納されると、凹部2bと仕切壁73とが係合されると共に、セパレータ23に形成された突部が仕切壁73に設けられた挿入口に挿入されて検出スイッチが押下される。これにより、充電器70には、ディジタルスチルカメラ1専用のバッテリー装置2が装着され、かつ2つのニッケル水素二次電池21が装着されたことを検出することができる。一方、充電器70に単体の二次電池5が1つ又は2つ装着された場合には、仕切壁73に形成された挿入口内には突部が挿入されないため検出スイッチが押下されない。したがって充電器70は、単体の二次電池5が装着されたものと判別することができる。
また検出手段83としては、例えばバッテリー装置2にICタグを設けるとともに、充電器70側に当該ICタグの読み取り装置を装着させるようにしてもよい。ICタグはニッケル水素二次電池21にそれぞれ設け、またICタグの読み取り装置も各電池収納部72に設ける。かかる検出手段83によっても、ICタグを読み取ることによりディジタルスチルカメラ1専用のバッテリー装置2が装着され、かつ2つのニッケル水素二次電池21がいずれも装着されたことを検出することができる。
またICタグにバッテリー装置2の充電電圧や容量等の充放電特性情報を盛り込み、この充放電特性情報を充電器70側で読み取るようにすれば、充電器70側で急速充電が可能か否か等を判断することができ、装着されたバッテリー装置2に最適な充電方法を選択することができる。
このように、充電器70は、専用のバッテリー装置2が装着されると、その充放電特性に応じて急速充電等を行うのに対して、単体の二次電池5が装着されたものと判別した場合には、定格電圧や容量あるいは品質等が異なる各種二次電池が装着されることを想定して、どのような品質の二次電池が装着されても事故の起こらないような規格の電圧や容量で充電が行われる。
なお、充電器70には、図18(A)に示すように、本体部71の長手方向の一端面に、家庭用交流電源と接続されAC/DCコンバータが設けられた電源ケーブルの終端が連結されるインレット84が形成されている。なお充電器70は、インレット84を設ける替わりに、AC/DCコンバータを内蔵すると共に、図18(B)に示すように、家庭用交流電源と接続されるプラグ85を設けてもよい。また充電器70の上面には、電池収納部72の形成領域外に、充電開始、充電終了等の状態を光の点灯、消灯等によって表示する表示部86が形成されている。
なお、上記充電器70においては、電池収納部72を2つとしたが、3つ以上設けてもよい。この場合、二次電池が3つ以上配列されて構成されたバッテリー装置にも対応することもできる。
1 ディジタルスチルカメラ、2 バッテリー装置、3 DCアダプタ、4 乾電池、5 二次電池、11 カメラ本体部、15 電池蓋、20 バッテリー収納部、21 ニッケル水素二次電池、22 電池缶体、23 セパレータ、24 セパレート板、25 係合部、26 識別部、27 突起、28 支持突部、29,30 蓋体電極、31 アダプタ本体、37,38 円筒部、39,40 溝部、41 挿入規制部、41a 第1の規制辺、41b 第2の規制辺、43 切欠き部、44,45 電極端子部、46 溝部、51,52 収納部、53 ガイド突部、54 係合突部、57 挿入ガイド部、57a 第1のガイド辺、52b 第2のガイド辺、58 当接部、59 導出孔、60 閉塞片、61 レバースイッチ、62 第3の電極、64 検出スイッチ、65 付勢部材、66 挿入部、67 操作部、68 押圧部、70 充電器、71 本体部、72 電池収納部、73 仕切壁、74 側壁、75 電極支持部、83 検出手段