JP4239531B2 - Ionic compound, and electrolyte and electrochemical device using the same - Google Patents

Ionic compound, and electrolyte and electrochemical device using the same Download PDF

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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide an ionic compound having excellent thermal stability while sufficiently obtaining ionic conductivity and an electrolyte and an electrochemical device using the same. <P>SOLUTION: The ionic compound is represented by general formula (I) [wherein, R<SB>1</SB>, R<SB>2</SB>and R<SB>3</SB>denote each independently a hydrogen atom, a methyl group, an ethyl group, an n-propyl group, an isopropyl group, an n-butyl group, an isobutyl group, a sec-butyl group or a tert-butyl group; and M<SB>1</SB><SP>+</SP>denotes a hydrogen ion (H<SP>+</SP>) or an alkali metal ion]. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、イオン性化合物、並びに、これを用いた電解質及び電気化学デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯機器類などを筆頭に、電池を電力源とする各種機器の小型軽量化の要求が高まってきており、電池特性がさらに向上した電池が強く求められている。そのため、電池の一構成要素である電解質塩に対しても高性能化が求められている。
従来より、例えばリチウム電池に使用される電解質塩としてはLiBF,LiPF等の無機塩化合物や、LiCF3SO3,LiN(CF3SO22等の有機塩化合物が広く知られ、また例えば電気二重層キャパシタに使用される電解質塩としては四級アンモニウム塩等の塩化合物が用いられている。しかしながら、これらの電解質塩は、固体のため、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等の有機溶剤に溶解して液状電解質(電解液)として使用されている。
【0003】
しかしながら、上記した電解液の使用は、有機溶媒が、通常、揮発性が高く、可燃性であることによって、電池の熱的安定性を不充分なものとする一要因となることから、近年、室温で液体状の電解質塩(以下、イオン性液体ともいう)の開発が望まれている。イオン性液体は塩のみからなるため、高いイオン伝導性を有し、不揮発性、難燃性、高い熱的安定性を有する。
イオン性液体としては、イミダゾリウムカチオンやピリジウムカチオン等の第四級アンモニウムカチオンをカチオンとし、有機酸アニオンをアニオンとするイオン性化合物が知られている。
【0004】
前掲のイオン性液体を、例えばリチウム電池用電解質として用いる場合には、キャリアイオンとしてリチウムイオンを供することのできるリチウム化合物をさらに使用する場合が一般的である。(例えば、特許文献1〜8参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平4−349365号公報
【特許文献2】
特開平10−92467号公報
【特許文献3】
特開平11−86905号公報
【特許文献4】
特開平11−260400号公報
【特許文献5】
特開2001−319688号公報
【特許文献6】
特開2002−110225号公報
【特許文献7】
特開2002−110230号公報
【特許文献8】
特開2002−110231号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、イオン性液体に対するリチウム化合物の添加は、イオン性液体の粘度上昇やガラス転移温度の上昇につながることから、イオン伝導度が低下する。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、リチウム塩等の塩化合物を別途添加することなく、イオン性液体単独でイオン伝導度を十分に得つつ、熱的安定性に優れたイオン性化合物、電解質及び電気化学デバイスを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に係るイオン性化合物は、下記一般式(I)で表わされる。
【化5】

Figure 0004239531
[式中、R1、R2、R3は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基またはtert−ブチル基を示す。M1 +は、水素イオン(H+)またはアルカリ金属イオンを示す。]
【0009】
また、請求項2に係るイオン性化合物は、下記一般式(II)で表わされる。
【化6】
Figure 0004239531
[式中、R4は、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基またはtert−ブチル基を示す。M2 +は、水素イオン(H+)またはアルカリ金属イオンを示す。]
【0010】
また、請求項3に係るイオン性化合物は、下記一般式(III)で表わされる。
【化7】
Figure 0004239531
式中、R5、R6、R7、R8は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基またはtert−ブチル基を示す。M3 +は、水素イオン(H+)またはアルカリ金属イオンを示す。
【0011】
また、請求項4に係るイオン性化合物は、下記一般式(IV)で表わされる。
【化8】
Figure 0004239531
[式中、R9、R10は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基またはtert−ブチル基を示す。M4 +は、水素イオン(H+)またはアルカリ金属イオンを示す。]
【0012】
上記請求項1〜4のイオン性化合物によれば、一方のカチオンが有機カチオンであるせいか、無機塩化合物に比して融点が低く、常温付近で高い流動性を具備し得るので、高いイオン伝導度を得ることができる。また、他方のカチオンが水素イオン(H+)やアルカリ金属イオンであり、電気化学デバイスにおけるキャリアイオンとして機能できるので、キャリアイオンを供することのできる別の化合物との併用を低減し得るので、この別の化合物の添加に起因するイオン性化合物の粘度上昇やガラス転移温度の上昇を抑制し得る。ここで、電気化学デバイスとしては、リチウム一次電池、リチウム二次電池、リチウムイオン電池、燃料電池、太陽電池、電気二重層キャパシタなどを挙げることができる。さらに、請求項1〜4のイオン性化合物は、イオン性化合物の特徴である不揮発性、難燃性、高い熱的安定性を有する。
よって、請求項1〜4のイオン性化合物によれば、イオン伝導度を充分に得つつ、熱的安定性に優れたイオン性化合物とすることができる。
【0013】
請求項5に係る電解質は、本発明に係るイオン性化合物を含有するので、イオン伝導度を充分に得つつ、熱的安定性に優れた電解質とすることができる。
【0014】
請求項6に係る電気化学デバイスは、本発明に係る電解質を備えるので、イオン伝導度を充分に得つつ、熱的安定性に優れた電気化学デバイスとすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態を例示するが、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0016】
本発明の第一実施形態に係るイオン性化合物は、下記一般式(I)で表わされる。
【化9】
Figure 0004239531
[式中、R1、R2、R3は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基またはtert−ブチル基を示す。M1 +は、水素イオン(H+)またはアルカリ金属イオンを示す。]
【0017】
特に、R1がメチル基,R2が水素原子,R3が水素原子である1−メチルイミダゾリウム化合物、R1がエチル基,R2が水素原子,R3が水素原子である1−エチルイミダゾリウム化合物、R1がエチル基,R2が水素原子,R3がメチル基である1−エチル−3−メチルイミダゾリウム化合物、R1がn−ブチル基,R2が水素原子,R3がメチル基である1−(n−ブチル)−3−メチルイミダゾリウム化合物が、低融点を発現する観点から好ましい。
【0018】
アルカリ金属イオンとしては、特に、リチウムイオン(Li+)、ナトリウムイオン(Na+)、カリウムイオン(K+)、セシウムイオン(Cs+)を好適に挙げることができる。
【0019】
以下に、第一実施形態に係るイオン性化合物の好ましい具体例を例示する。
【0020】
【化10】
Figure 0004239531
【0021】
【化11】
Figure 0004239531
【0022】
【化12】
Figure 0004239531
【0023】
【化13】
Figure 0004239531
【0024】
中でも、(1−0),(1−1),(1−2),(1−3),(1−4),(1−7),(1−8),(1−9),(1−10)で表される化合物は、30℃前後の室温で液体となり、高い流動性を有することから、特に、単独で電解質の構成要素として使用すれば、イオン伝導度を充分に得つつ、高い熱的安定性を得ることができる。
【0025】
以下に、第一実施形態に係るイオン性化合物の好適な製造方法について説明する。
[R3が水素原子である場合]
下記一般式(i−1)で表わされるイミダゾール化合物、または、下記(i−2)に表わされるイミダゾリウム水酸化物(R1,R2は、一般式(I)と同様)と、化学式M1HSO4で表わされる化合物(M1は、一般式(I)と同様)との中和反応を行うことによって、一般式(I)の化合物(R3=H)を製造できる。
【0026】
【化14】
Figure 0004239531
【0027】
ここで、一般式(i−1)で表わされるイミダゾール化合物としては、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、1−エチルイミダゾール、1−(n−プロピル)イミダゾール、1−(n−ブチル)イミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−イソプロピルイミダゾール、1−イソブチルイミダゾール、1−(sec−ブチル)イミダゾール、1−(tert−ブチル)イミダゾール等が挙げられ、東京化成工業株式会社製などの市販品を入手可能である。
一般式(i−2)で表わされるイミダゾリウム水酸化物としては、1−メチルイミダゾリウム水酸化物、1−エチルイミダゾリウム水酸化物、1−(n−プロピル)イミダゾリウム水酸化物、1−(n−ブチル)イミダゾリウム水酸化物、1,2−ジメチルイミダゾリウム水酸化物等が挙げられ、一般式(i−1)で表わされるイミダゾール化合物と臭化水素酸を反応させてイミダゾリウム臭化物とした後、臭化物イオンを水酸化物イオンに変換可能な強塩基性イオン交換樹脂中を通過させることにより合成できる。
化学式M1HSO4で表わされる化合物としては、硫酸、硫酸水素リチウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウム、硫酸水素セシウム等が挙げられる。
【0028】
一般式(i−1)で表わされるイミダゾール化合物、または、一般式(i−2)で表わされるイミダゾリウム水酸化物と、化学式M1HSO4で表わされる化合物とのモル比は、ほぼ1:1となるようにするのが好ましい。
【0029】
上記中和反応は、0℃〜20℃の水中で、あるいは、30℃〜80℃におけるバルク状態で、両者を24時間〜168時間で混合することにより好適に実施できる。中和反応の後、反応後の物質から、必要に応じて乾燥処理(加熱乾燥,減圧乾燥など)を施して水分を除去し、この物質と、ジエチルエーテル等の有機溶媒とを混合する。次いで、有機溶媒中の沈殿物を、濾過等の手段によって回収し、24時間〜72時間,60℃〜100℃の条件で乾燥させることにより、一般式(I)の化合物(R3=H)を好適に得ることができる。なお、必要に応じて、前記沈殿物を乾燥させる前にメタノール等の極性溶媒に溶解させ、次いで、この液を濾過をし、その濾液から、脱溶媒及び上記条件の乾燥を経て、一般式(I)の化合物を得ても良い。
あるいは、中和反応の後、反応後の物質から、必要に応じて乾燥処理(加熱乾燥,減圧乾燥など)を施して水分を除去し、この物質と、アセトニトリル等の極性溶媒とを混合する。次いで、この液を濾過し、その濾液から、脱溶媒、及び、24時間〜72時間,60℃〜100℃の条件で乾燥させることにより、一般式(I)の化合物を得ることもできる。
【0030】
[R1,R3がいずれも水素原子でない場合]
一般式(i−1)で表わされるイミダゾール化合物(R1,R2は、一般式(I)と同様)と、R3Brで表わされる臭化アルキル化合物(R3は、一般式(I)と同様。ただし水素原子以外。)とを反応させて、先ず、一般式(i−3)で表わされるイミダゾリウム臭化物(R1,R2,R3は、一般式(I)と同様)を製造する。次いで、一般式(i−3)で表わされるイミダゾリウム臭化物の水溶液を、臭化物イオンを水酸化物イオンに変換可能な強塩基性イオン交換樹脂中に通過させ、一般式(i−4)で表わされるイミダゾリウム水酸化物を製造する。最後に、一般式(i−4)で表わされるイミダゾリウム水酸化物と、化学式M1HSO4で表わされる化合物(M1は、一般式(I)と同様)との中和反応を行うことによって、一般式(I)の化合物(R3は、水素原子以外)を製造できる。
【0031】
【化15】
Figure 0004239531
【0032】
ここで、一般式(i−1)で表わされるイミダゾール化合物としては、前掲したもののうち、イミダゾール以外のものを好適に例示できる。
3Brとしては、臭化メチル、臭化エチル、臭化n−プロピル、臭化イソプロピル、臭化n−ブチル、臭化イソブチル、臭化sec−ブチルまたは臭化tert−ブチル等が挙げられる。
より具体的に、一般式(i−1)で表わされるイミダゾール化合物とR3Brとの反応は、0〜20℃のジメチルホルムアミド等の有機溶媒中で、両者を24〜168時間混合することにより好適に実施できる。反応終了後、必要に応じて乾燥処理(加熱処理、減圧乾燥など)を施して有機溶媒を除去し、この物質と、ジエチルエーテル等の有機溶媒とを混合する。次いで、有機溶媒中の沈殿物を、濾過等の手段によって回収し、24〜72時間、20〜100℃の条件で乾燥させることにより、一般式(i−3)で表わされるイミダゾリウム臭化物を好適に得ることができる。なお、必要に応じて、前記沈殿物を乾燥させる前にアセトニトリルなどの溶媒に溶解させ、次いで、この液を濾過し、その濾液から、脱溶媒および上記条件の乾燥を経て、一般式(i−3)で表わされるイミダゾリウム臭化物を得てもよい。
【0033】
一般式(i−3)で表わされるイミダゾリウム臭化物から一般式(i−4)で表されるイミダゾリウム水酸化物へのイオン交換に用いる強塩基性イオン交換樹脂としては、アンバーライトIRA400−JCL(オルガノ株式会社製)等を挙げることができる。
【0034】
一般式(i−4)で表わされるイミダゾリウム水酸化物と、化学式M1HSO4で表わされる化合物との中和反応は、0℃〜20℃の水中で、両者を24時間〜168時間で混合することにより好適に実施できる。一般式(i−4)で表わされるイミダゾリウム水酸化物と、化学式M1HSO4で表わされる化合物とのモル比は、ほぼ1:1となるようにするのが好ましい。
中和反応の後は、前記[R3が水素原子である場合]と同様の処理をすることにより、一般式(I)の化合物を好適に得ることができる。
【0035】
本発明の第二実施形態に係るイオン性化合物は、下記一般式(II)で表わされる。
【0036】
【化16】
Figure 0004239531
[式中、R4は、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基またはtert−ブチル基を示す。M2 +は、水素イオン(H+)またはアルカリ金属イオンを示す。]
【0037】
特に、R4がエチル基である1−エチルピリジニウム化合物、R4がn−ブチル基である1−(n−ブチル)ピリジニウム化合物が低融点を発現する観点から好ましい。
【0038】
アルカリ金属イオンとしては、特に、リチウムイオン(Li+)、ナトリウムイオン(Na+)、カリウムイオン(K+)、セシウムイオン(Cs+)を好適に挙げることができる。
【0039】
以下に、第二実施形態に係るイオン性化合物の好ましい具体例を例示する。
【0040】
【化17】
Figure 0004239531
【0041】
(2−1),(2−2)で表される化合物は、30℃前後の室温で液体となり、高い流動性を有することから、特に、単独で、電解質の構成要素として使用すれば、イオン伝導度を充分に得つつ、高い熱的安定性を得ることができる。
【0042】
以下に、第二実施形態に係るイオン性化合物の好適な製造方法について説明する。
[R4が水素原子である場合]
ピリジンと化学式M2HSO4で表わされる化合物(M2は、一般式(II)と同様)との中和反応を行うことによって、一般式(II)の化合物(R4=H)を製造できる。
【0043】
ここで、化学式M2HSO4で表わされる化合物としては、硫酸、硫酸水素リチウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウム、硫酸水素セシウム等が挙げられる。
【0044】
ピリジンと、化学式M2HSO4で表わされる化合物とのモル比は、ほぼ1:1となるようにするのが好ましい。
【0045】
上記中和反応は、0℃〜20℃の水中で、あるいは、30℃〜80℃におけるバルク状態で、両者を24時間〜168時間で混合することにより好適に実施できる。中和反応の後、反応後の物質から、必要に応じて乾燥処理(加熱乾燥,減圧乾燥など)を施して水分を除去し、この物質と、ジエチルエーテル等の有機溶媒とを混合する。次いで、有機溶媒中の沈殿物を、濾過等の手段によって回収し、24時間〜72時間,60℃〜100℃の条件で乾燥させることにより、一般式(II)の化合物(R4=H)を好適に得ることができる。なお、必要に応じて、前記沈殿物を乾燥させる前にメタノール等の極性溶媒に溶解させ、次いで、この液を濾過をし、その濾液から、脱溶媒及び上記条件の乾燥を経て、一般式(II)の化合物を得ても良い。
あるいは、中和反応の後、反応後の物質から、必要に応じて乾燥処理(加熱乾燥,減圧乾燥など)を施して水分を除去し、この物質と、アセトニトリル等の極性溶媒とを混合する。次いで、この液を濾過し、その濾液から、脱溶媒、及び、24時間〜72時間,60℃〜100℃の条件で乾燥させることにより、一般式(II)の化合物を得ることもできる。
【0046】
[R4が水素原子でない場合]
ピリジンと、R4Brで表わされる臭化アルキル化合物(R4は、一般式(II)と同様。ただし水素原子以外。)とを反応させて、先ず、一般式(ii−1)で表わされるピリジニウム臭化物(R4は、一般式(II)と同様)を製造する。次いで、一般式(ii−1)で表わされるピリジニウム臭化物の水溶液を、臭化物イオンを水酸化物イオンに変換可能な強塩基性イオン交換樹脂中に通過させ、一般式(ii−2)で表わされるピリジニウム水酸化物を製造する。最後に、一般式(ii−2)で表わされるピリジニウム水酸化物と、化学式M2HSO4で表わされる化合物(M2は、一般式(II)と同様)との中和反応を行うことによって、一般式(II)の化合物(R4は、水素原子以外)を製造できる。
【0047】
【化18】
Figure 0004239531
【0048】
ここで、R4Brとしては、臭化メチル、臭化エチル、臭化n−プロピル、臭化イソプロピル基、臭化n−ブチル、臭化イソブチル、臭化sec−ブチルまたは臭化tert−ブチル等が挙げられる。
より具体的に、ピリジンとR4Brとの反応は、0℃〜20℃のジメチルホルムアミド等の有機溶媒中で、両者を24時間〜168時間混合することにより好適に実施できる。反応終了後、必要に応じて乾燥処理(加熱処理,減圧乾燥など)を施して有機溶媒を除去し、この物質と、ジエチルエーテル等の有機溶媒とを混合する。次いで、有機溶媒中の沈殿物を、濾過等の手段によって回収し、24時間〜72時間、20℃〜100℃の条件で乾燥させることにより、一般式(ii−1)で表わされるピリジニウム臭化物を好適に得ることができる。なお、必要に応じて、前記沈殿物を乾燥させる前にアセトニトリルなどの溶媒に溶解させ、次いで、この液を濾過し、その濾液から脱溶媒および上記条件の乾燥を経て、一般式(ii−1)で表わされるピリジニリウム臭化物を得てもよい。
【0049】
一般式(ii−1)で表わされるピリジニウム臭化物から一般式(ii−2)で表わされるピリジニウム水酸化物へのイオン交換に用いる強塩基性イオン交換樹脂としては、アンバーライトIRA400−JCL(オルガノ株式会社製)等を挙げることができる。
【0050】
一般式(ii−2)で表わされるピリジニウム水酸化物と、化学式M2HSO4で表わされる化合物との中和反応は、0℃〜20℃の水中で、両者を24時間〜168時間で混合することにより好適に実施できる。一般式(ii−2)で表わされるピリジニウム水酸化物と、化学式M2HSO4で表わされる化合物とのモル比は、ほぼ1:1となるようにするのが好ましい。
中和反応の後は、前記[R4が水素原子である場合]と同様の処理をすることにより、一般式(II)の化合物を好適に得ることができる。
【0051】
本発明の第三実施形態に係るイオン性化合物は、下記一般式(III)で表わされる。
【0052】
【化19】
Figure 0004239531
[式中、R5、R6、R7、R8は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基またはtert−ブチル基を示す。M3 +は、水素イオン(H+)またはアルカリ金属イオンを示す。]
【0053】
特に、テトラメチルアンモニウムスルホネート化合物(R5,R6,R7,R8=メチル基)、テトラエチルアンモニウムスルホネート化合物(R5,R6,R7,R8=エチル基)、N−ブチル−N,N,N−トリメチルスルホネート化合物(R5=ブチル基,R6,R7,R8=メチル基)が低融点を発現することから好ましい。
【0054】
アルカリ金属イオンとしては、特に、リチウムイオン(Li+)、ナトリウムイオン(Na+)、カリウムイオン(K+)、セシウムイオン(Cs+)を好適に挙げることができる。
【0055】
以下に、第三実施形態に係るイオン性化合物の好ましい具体例を例示する。
【0056】
【化20】
Figure 0004239531
【0057】
以下に、第三実施形態に係るイオン性化合物の好適な製造方法について説明する。
一般式R5678NBrで表わされるアンモニウムブロミドの水溶液を、臭化物イオンを水酸化物イオンに変換可能な強塩基性イオン交換樹脂中に通過させ、一般式R5678NOHで表わされるアンモニウム水酸化物を製造する。最後に、一般式R5678NOHで表わされるアンモニウム水酸化物と、化学式M3HSO4で表わされる化合物(M3は、一般式(III)と同様)との中和反応を行うことによって、一般式(III)の化合物を好適に得ることができる。
【0058】
ここで、一般式R5678NBrで表わされるアンモニウムブロミドとしては、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムブロミド、N−n−ブチル−N,N,N−トリメチルアンモニウムブロミド等を挙げることができ、東京化成工業株式会社製などの市販品を入手可能である。
化学式M3HSO4で表わされる化合物としては、硫酸、硫酸水素リチウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウム、硫酸水素セシウム等が挙げられる。
【0059】
一般式R5678NBrで表わされるアンモニウムブロミドから一般式R5678NOHで表わされるアンモニウム水酸化物へのイオン交換に用いる強塩基性イオン交換樹脂としては、アンバーライトIRA400−JCL(オルガノ株式会社製)等を挙げることができる。
【0060】
一般式R5678NOHで表わされるアンモニウム水酸化物と、化学式M3HSO4で表わされる化合物との中和反応は、0℃〜20℃の水中で、両者を24時間〜168時間で混合することにより好適に実施できる。一般式R5678NOHで表わされるアンモニウム水酸化物と、化学式M3HSO4で表わされる化合物とのモル比は、ほぼ1:1となるようにするのが好ましい。中和反応の後、反応後の物質から、必要に応じて乾燥処理(加熱乾燥,減圧乾燥など)を施して水分を除去し、この物質と、ジエチルエーテル等の有機溶媒とを混合する。次いで、有機溶媒中の沈殿物を、濾過等の手段によって回収し、24時間〜72時間,60℃〜100℃の条件で乾燥させることにより、一般式(III)の化合物を好適に得ることができる。なお、必要に応じて、前記沈殿物を乾燥させる前にメタノール等の極性溶媒に溶解させ、次いで、この液を濾過をし、その濾液から、脱溶媒及び上記条件の乾燥を経て、一般式(III)の化合物を得ても良い。
あるいは、中和反応の後、反応後の物質から、必要に応じて乾燥処理(加熱乾燥,減圧乾燥など)を施して水分を除去し、この物質と、アセトニトリル等の極性溶媒とを混合する。次いで、この液を濾過し、その濾液から、脱溶媒、及び、24時間〜72時間,60℃〜100℃の条件で乾燥させることにより、一般式(III)の化合物を得ることもできる。
【0061】
本発明の第四実施形態に係るイオン性化合物は、下記一般式(IV)で表わされる。
【0062】
【化21】
Figure 0004239531
[式中、R9、R10は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基またはtert−ブチル基を示す。M4 +は、水素イオン(H+)またはアルカリ金属イオンを示す。]
【0063】
特に、2−メチルピロリニウム化合物(R9がメチル基、R10が水素原子)、1−エチル−2−メチルピロリニウム化合物(R9がメチル基、R10がエチル基)が低融点を発現する観点から好ましい。
【0064】
アルカリ金属イオンとしては、特に、リチウムイオン(Li+)、ナトリウムイオン(Na+)、カリウムイオン(K+)、セシウムイオン(Cs+)を好適に挙げることができる。
【0065】
以下に、第四実施形態に係るイオン性化合物の好ましい具体例を例示する。
【0066】
【化22】
Figure 0004239531
【0067】
以下に、第四実施形態に係るイオン性化合物の好適な製造方法について説明する。
[R10が水素原子である場合]
下記一般式(iv−1)で表わされるピロリン化合物と化学式M4HSO4で表わされる化合物(M4は、一般式(IV)と同様)との中和反応を行うことによって、一般式(IV)の化合物(R10=H)を製造できる。
【0068】
【化23】
Figure 0004239531
【0069】
ここで、化学式M4HSO4で表わされる化合物としては、硫酸、硫酸水素リチウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウム、硫酸水素セシウム等が挙げられる。
【0070】
一般式(iv−1)で表わされるピロリン化合物と、化学式M4HSO4で表わされる化合物とのモル比は、ほぼ1:1となるようにするのが好ましい。
【0071】
上記中和反応は、0℃〜20℃の水中で、あるいは、30℃〜80℃におけるバルク状態で、両者を24時間〜168時間で混合することにより好適に実施できる。中和反応の後、反応後の物質から、必要に応じて乾燥処理(加熱乾燥,減圧乾燥など)を施して水分を除去し、この物質と、ジエチルエーテル等の有機溶媒とを混合する。次いで、有機溶媒中の沈殿物を、濾過等の手段によって回収し、24時間〜72時間,60℃〜100℃の条件で乾燥させることにより、一般式(IV)の化合物(R10=H)を好適に得ることができる。なお、必要に応じて、前記沈殿物を乾燥させる前にメタノール等の極性溶媒に溶解させ、次いで、この液を濾過をし、その濾液から、脱溶媒及び上記条件の乾燥を経て、一般式(IV)の化合物を得ても良い。
あるいは、中和反応の後、反応後の物質から、必要に応じて乾燥処理(加熱乾燥,減圧乾燥など)を施して水分を除去し、この物質と、アセトニトリル等の極性溶媒とを混合する。次いで、この液を濾過し、その濾液から、脱溶媒、及び、24時間〜72時間,60℃〜100℃の条件で乾燥させることにより、一般式(IV)の化合物を得ることもできる。
【0072】
[R10が水素原子でない場合]
一般式(iv−1)で表わされるピロリン化合物と、R10Brで表わされる臭化アルキル化合物(R10は、一般式(IV)と同様。ただし水素原子以外。)とを反応させて、先ず、一般式(iv−2)で表わされるピロリニウム臭化物(R10は、一般式(IV)と同様)を製造する。次いで、一般式(iv−2)で表わされるピロリニウム臭化物の水溶液を、臭化物イオンを水酸化物イオンに変換可能な強塩基性イオン交換樹脂中に通過させ、一般式(iv−3)で表わされるピロリニウム水酸化物を製造する。最後に、一般式(iv−3)で表わされるピロリニウム水酸化物と、化学式M4HSO4で表わされる化合物(M4は、一般式(IV)と同様)との中和反応を行うことによって、一般式(IV)の化合物(R10は、水素原子以外)を製造できる。
【0073】
【化24】
Figure 0004239531
【0074】
ここで、R10Brとしては、臭化メチル、臭化エチル、臭化n−プロピル、臭化イソプロピル、臭化n−ブチル、臭化イソブチル、臭化sec−ブチルまたは臭化tert−ブチル等が挙げられる。
より具体的に、ピロリン化合物とR10Brとの反応は、0℃〜20℃のジメチルホルムアミド等の有機溶媒中で、両者を24時間〜168時間混合することにより好適に実施できる。反応終了後、必要に応じて乾燥処理(加熱処理,減圧乾燥など)を施して有機溶媒を除去し、この物質と、ジエチルエーテル等の有機溶媒とを混合する。次いで、有機溶媒中の沈殿物を、濾過等の手段によって回収し、24時間〜72時間、20℃〜100℃の条件で乾燥させることにより、一般式(iv−2)で表わされるピロリニウム臭化物を好適に得ることができる。なお、必要に応じて、前記沈殿物を乾燥させる前にアセトニトリルなどの溶媒に溶解させ、次いで、この液を濾過し、その濾液から脱溶媒および上記条件の乾燥を経て、一般式(iv−2)で表わされるピロリニウム臭化物を得てもよい。
【0075】
一般式(iv−2)で表わされるピロリニウム臭化物から一般式(iv−3)で表わされるピロリニウム水酸化物へのイオン交換に用いる強塩基性イオン交換樹脂としては、アンバーライトIRA400−JCL(オルガノ株式会社製)等を挙げることができる。
【0076】
一般式(iv−3)で表わされるピロリニウム水酸化物と、化学式M4HSO4で表わされる化合物との中和反応は、0℃〜20℃の水中で、両者を24時間〜168時間で混合することにより好適に実施できる。一般式(iv−3)で表わされるピロリニウム水酸化物と、化学式M4HSO4で表わされる化合物とのモル比は、ほぼ1:1となるようにするのが好ましい。
中和反応の後は、前記[R10が水素原子である場合]と同様の処理をすることにより、一般式(IV)の化合物(R10は、水素原子以外)を好適に得ることができる。
【0077】
第一〜第四実施形態に係るイオン性化合物によれば、イオン伝導度を充分に得つつ、熱的安定性に優れたイオン性化合物とすることができる。
イオン性化合物の応用例としては、リチウム一次電池、リチウム二次電池,リチウムイオン電池,燃料電池,太陽電池,電気二重層キャパシタなどの電気化学デバイス等の電解質が挙げられるが、これに限定されず、各種有機合成用溶媒、抽出分離溶媒等にも適用し得る。
【0078】
本発明の実施形態に係る電解質は、本発明の実施形態に係るイオン性化合物を含有しているので、イオン伝導度を十分に得ることができる。なお、その熱的安定性を損なわない程度に、有機溶媒を併用することもできる。
併用される有機溶媒の具体例としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等の環状炭酸エステル類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;ギ酸メチル、酢酸メチル、酪酸メチル等の鎖状エステル類;テトラヒドロフランまたはその誘導体;1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジブトキシエタン、メチルジグライム等のエーテル類;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ジオキソランまたはその誘導体;エチレンスルフィド、スルホラン、スルトンまたはその誘導体等の単独またはそれら2種以上の混合物等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0079】
特に、前掲した(1−0),(1−1),(1−2),(1−3),(1−4),(1−7),(1−8),(1−9),(1−10),(2−1),(2−2)等の30℃前後で液体であるイオン性化合物を電解質に使用すれば、有機溶媒との併用を極めて高次元で低減しても、あるいは、有機溶媒を併用しなくとも、充分なイオン伝導度を達成し得る。
また、30℃前後で固体であるものを用いる場合でも、本発明のイオン性化合物は、従来の電解液に用いられていた電解質塩に比し、その融点が低く常温付近で高い流動性を具備するため、従来の電解質塩に比し十分に少ない溶媒添加量で液状をなすことが可能であり、イオン性化合物が持つ難燃性および/または熱的安定性を損なうことなく十分なイオン伝導性を得ることができる。
【0080】
本発明の実施形態に係る電気化学デバイスは、本発明の実施形態に係る電解質を備えるので、イオン伝導度を充分に得つつ、熱的安定性に優れた電気化学デバイスとすることができる。本発明の実施形態に係るリチウム電池は、イオン性化合物がキャリアイオンとしてリチウムイオンを有することが好ましいことから、M1 +がリチウムイオンとされた一般式(I)で表わされる化合物、M2 +がリチウムイオンとされた一般式(II)で表わされる化合物、M3 +がリチウムイオンとされた一般式(III)で表わされる化合物、または、M4 +がリチウムイオンとされた一般式(IV)で表わされる化合物を含有するのが好ましい。また例えば、本発明の実施形態に係る燃料電池は、イオン性化合物がキャリアイオンとして水素イオンを有することが好ましいことから、M1 +が水素イオンとされた一般式(I)で表わされる化合物、M2 +が水素イオンとされた一般式(II)で表わされる化合物、M3 +が水素イオンとされた一般式(III)で表わされる化合物、または、M4 +が水素イオンとされた一般式(IV)で表わされる化合物を含有するのが好ましい。
【0081】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
なお、第三級アミンあるいは第四級アンモニウム水酸化物と、化学式MHSO4(Mは、水素原子またはアルカリ金属)で表わされる化合物との中和反応の進行は、1H−NMR測定(日本電子株式会社製α−500NMRスペクトロメーターを使用。)によって確認し、特に、イミダゾール誘導体に関しては、イミダゾールの2位に存在するプロトンの化学シフトを比較することにより確認した。また得られた化合物の融点、ガラス転移温度はDSC測定(セイコーインスツルメンツ株式会社製DSC−6200を使用。温度範囲:−150℃〜200℃,加熱温度:10℃/分)によって求め、実施例のイオン性化合物が低い融点もしくはガラス転移温度を有することを確認した。分解開始温度はTG/DTA測定(セイコーインスツルメンツ株式会社製TG/DTA220を使用。温度範囲:30℃〜500℃,加熱温度:10℃/分)によって求め、実施例のイオン性化合物が熱的安定性に優れることを確認した。
【0082】
(実施例1−0)
N−エチルイミダゾール1.0gと硫酸1.0gを、0℃、窒素下で混合し、50℃で24時間撹拌させた。この反応生成物に200mlのジエチルエーテルを加えることによって沈殿物を発生させ、この沈殿物を濾過によって回収し、60℃で24時間乾燥して、粘性液体である上記化学式(1−0)で表わされる硫酸水素エチルイミダゾリウムを1.9gで得た(収率95%,下記1H−NMR測定結果参照)。また、この粘性液体は、ガラス転移温度を−75℃、分解開始温度を277℃に示した。なお、表1の1H−NMR測定結果に示すように、イミダゾールの2位に存在するプロトンの化学シフトが、反応後に低磁場にシフトすることから反応の進行が確認され、未反応の試薬などの不純物の存在は確認できなかった。
【0083】
1H−NMR(溶媒:DMSO)化学シフト(ppm):1.37(t,3H),4.16(q,2H),7.63(s,1H),7.75(s,1H),9.07(s,1H)
【0084】
(実施例1−1)
N−エチルイミダゾール4.2gと硫酸水素リチウム1.5gを、0℃、窒素下で混合し、50℃で24時間撹拌させた。この反応生成物に200mlのジエチルエーテルを加えることによって沈殿物を発生させ、この沈殿物を濾過によって回収し、60℃で24時間乾燥して、粘性液体である上記化学式(1−1)で表わされる硫酸リチウムエチルイミダゾリウムを1.0gで得た(収率32%,下記1H−NMR測定結果参照)。また、この粘性液体は、ガラス転移温度を−60℃、分解開始温度を304℃に示した。なお、表1の1H−NMR測定結果に示すように、イミダゾールの2位に存在するプロトンの化学シフトが、反応後に低磁場にシフトすることから反応の進行が確認され、未反応の試薬などの不純物の存在は確認できなかった。
【0085】
1H−NMR(溶媒:DMSO)化学シフト(ppm):1.33(t,3H),4.06(q,2H),7.31(s,1H),7.50(s,1H),8.48(s,1H)
【0086】
(実施例1−2)
N−エチルイミダゾール2.0gと硫酸水素ナトリウム2.0gを50mlの蒸留水中で氷浴しながら混合し、室温で24時間撹拌した後、減圧乾燥で余分な水分を除去し、反応生成物を撹拌している200mlのジエチルエーテル中に滴下した。生成した沈殿物を濾過により回収し、60℃で24時間乾燥して、粘性液体である上記化学式(1−2)で表わされる硫酸ナトリウムエチルイミダゾリウムを1.1gで得た(収率25%,下記1H−NMR測定結果参照)。また、この粘性液体は、ガラス転移温度を−68℃、分解開始温度を288℃に示した。なお、表1の1H−NMR測定結果に示すように、イミダゾールの2位に存在するプロトンの化学シフトが、反応後に低磁場にシフトすることから反応の進行が確認され、未反応の試薬などの不純物の存在は確認できなかった。
【0087】
1H−NMR(溶媒:DMSO)化学シフト(ppm):1.33(t,3H),4.06(q,2H),7.32(s,1H),7.51(s,1H),8.50(s,1H)
【0088】
(実施例1−3)
N−エチルイミダゾール2gと硫酸水素カリウム5.8gを50mlの蒸留水中で氷浴しながら混合し、室温で24時間撹拌した後、減圧乾燥で余分な水分を除去し、反応生成物を撹拌している200mlのジエチルエーテル中に滴下した。生成した沈殿物を濾過により回収し、60℃で24時間乾燥して、粘性液体である上記化学式(1−3)で表わされる硫酸カリウムエチルイミダゾリウムを0.8gで得た(収率16%,下記1H−NMR測定結果参照)。また、この粘性液体は、ガラス転移温度を−67℃、分解開始温度を317℃に示した。なお、表1の1H−NMR測定結果に示すように、イミダゾールの2位に存在するプロトンの化学シフトが、反応後に低磁場にシフトすることから反応の進行が確認され、未反応の試薬などの不純物の存在は確認できなかった。
【0089】
1H−NMR(溶媒:DMSO)化学シフト(ppm):1.33(t,3H),4.06(q,2H),7.31(s,1H),7.50(s,1H),8.48(s,1H)
【0090】
(実施例1−4)
N−エチルイミダゾール1.3gと硫酸水素セシウム1.5gを50mlの蒸留水中で氷浴しながら混合し、室温で24時間撹拌した後、減圧乾燥で余分な水分を除去し、反応生成物を撹拌している200mlのジエチルエーテル中に滴下した。生成した沈殿物を濾過により回収し、60℃で24時間乾燥して、粘性液体である上記化学式(1−4)で表わされる硫酸セシウムエチルイミダゾリウムを0.5gで得た(収率11%,下記1H−NMR測定結果参照)。また、この粘性液体は、ガラス転移温度を−59℃、分解開始温度を287℃に示した。なお、表1の1H−NMR測定結果に示すように、イミダゾールの2位に存在するプロトンの化学シフトが、反応後に低磁場にシフトすることから反応の進行が確認され、未反応の試薬などの不純物の存在は確認できなかった。
【0091】
1H−NMR(溶媒:DMSO)化学シフト(ppm):1.33(t,3H),4.06(q,2H),7.31(s,1H),7.51(s,1H),8.49(s,1H)
【0092】
(実施例1−5)
N−メチルイミダゾール2gと硫酸水素ナトリウム3.5gを50mlの蒸留水中で氷浴しながら混合し、室温で24時間撹拌した後、減圧乾燥で余分な水分を除去し、反応生成物を撹拌している200mlのジエチルエーテル中に滴下した。生成した沈殿物を濾過により回収し、次いで、この沈殿物をメタノールに溶解させた。このメタノール溶液を濾過し、この濾液から、メタノールの除去、60℃,24時間の乾燥を経て、白色粉末である上記化学式(1−5)で表わされる硫酸ナトリウムメチルイミダゾリウムを1.7gで得た(収率34%,下記1H−NMR測定結果参照)。また、この白色粉末は、融点47℃、ガラス転移温度−24℃を示した。なお、表1の1H−NMR測定結果に示すように、イミダゾールの2位に存在するプロトンの化学シフトが、反応後に低磁場にシフトすることから反応の進行が確認され、未反応の試薬などの不純物の存在は確認できなかった。
【0093】
1H−NMR(溶媒:DMSO)化学シフト(ppm):3.93(s,3H),7.44(s,2H),8.67(s,1H)
【0094】
(実施例1−6)
N−メチルイミダゾール2gと硫酸水素カリウム3.5gを50mlの蒸留水中で氷浴しながら混合し、室温で24時間撹拌した後、減圧乾燥で余分な水分を除去し、反応生成物を撹拌している200mlのジエチルエーテル中に滴下した。生成した沈殿物を濾過により回収し、次いで、この沈殿物をメタノールに溶解させた。このメタノール溶液を濾過し、この濾液から、メタノールの除去、60℃,24時間の乾燥を経て、白色粉末である上記化学式(1−6)で表わされる硫酸カリウムメチルイミダゾリウムを1.4gで得た(収率27%,下記1H−NMR測定結果参照)。また、この白色粉末は、融点48℃、ガラス転移温度−24℃を示した。なお、表1の1H−NMR測定結果に示すように、イミダゾールの2位に存在するプロトンの化学シフトが、反応後に低磁場にシフトすることから反応の進行が確認され、未反応の試薬などの不純物の存在は確認できなかった。
【0095】
1H−NMR(溶媒:DMSO)化学シフト(ppm):3.84(s,3H),7.44(s,2H),8.67(s,1H)
【0096】
(実施例1−7)
N−メチルイミダゾール2gと臭化エチル5.8gを50mlのジメチルホルムアミド中で氷浴しながら3日間撹拌した。次に、減圧乾燥でジメチルホルムアミドを除去後、反応生成物にアセトニトリル10mlを加えて溶解させ、これを撹拌している200mlのジエチルエーテル中に滴下した。生成した沈殿物を濾過により回収し、60℃で24時間真空乾燥して、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミドを合成した。
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド2gを蒸留水50mlに溶解し、強塩基性イオン交換樹脂アンバーライトIRA−400JCLに通過させて、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム水酸化物とし、これと、2.4gの硫酸水素ナトリウムを氷冷中で混合した。24時間撹拌した後、減圧乾燥で余分な水を除去し、反応生成物をアセトニトリル20mlに溶解して、この濾液から、アセトニトリルの除去、60℃,24時間の乾燥を経て、粘性液体である上記化学式(1−7)で表わされる硫酸ナトリウム1−エチル−3−メチルイミダゾリウムを2.0gで得た(収率84%,下記1H−NMR測定結果参照)。また、この粘性液体は、融点14℃、ガラス転移温度−58℃、分解開始温度268℃を示した。なお、表2の1H−NMR測定結果に示すように、イミダゾールの2位に存在するプロトンの化学シフトが、反応後に高磁場にシフトすることから反応の進行が確認され、未反応の試薬などの不純物の存在は確認できなかった。
【0097】
1H−NMR(溶媒:DMSO)化学シフト(ppm):1.49(t,3H),3.88(s,3H),4.21(q,2H),7.41(s,1H),7.47(s,1H),8.71(s,1H)
【0098】
(実施例1−8)
前記(実施例1−7)で製造した1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド2gを蒸留水50mlに溶解し、強塩基性イオン交換樹脂アンバーライトIRA−400JCLに通過させて、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム水酸化物とし、これと、2.8gの硫酸水素カリウムを氷冷中で混合した。24時間撹拌した後、減圧乾燥で余分な水を除去し、反応生成物をアセトニトリル20mlに溶解して、この濾液から、アセトニトリルの除去、60℃,24時間の乾燥を経て、粘性液体である上記化学式(1−8)で表わされる硫酸カリウム1−エチル−3−メチルイミダゾリウムを2.3gで得た(収率90%,下記1H−NMR測定結果参照)。また、この粘性液体は、ガラス転移温度−72℃、分解開始温度276℃を示した。なお、表2の1H−NMR測定結果に示すように、イミダゾールの2位に存在するプロトンの化学シフトの移動から反応の進行が確認され、未反応の試薬などの不純物の存在は確認できなかった。
【0099】
1H−NMR(溶媒:DMSO)化学シフト(ppm):1.49(t,3H),3.88(s,3H),4.21(q,4H),7.40(s,1H),7.47(s,1H),8.70(s,1H)
【0100】
(実施例1−9)
N−メチルイミダゾール2gと臭化n−ブチル7.3gを50mlのジメチルホルムアミド中で氷浴しながら3日間撹拌した。次に、減圧乾燥でジメチルホルムアミドを除去後、反応生成物にアセトニトリル10mlを加えて溶解させ、これを撹拌している200mlのジエチルエーテル中に滴下した。生成した沈殿物を濾過により回収し、60℃で24時間真空乾燥して、1−(n−ブチル)−3−メチルイミダゾリウムブロミドを合成した。
1−(n−ブチル)−3−メチルイミダゾリウムブロミド2gを蒸留水50mlに溶解し、強塩基性イオン交換樹脂アンバーライトIRA−400JCLに通過させて、1−(n−ブチル)−3−メチルイミダゾリウム水酸化物とし、これと、2.2gの硫酸水素ナトリウムを氷冷中で混合した。24時間撹拌した後、減圧乾燥で余分な水を除去し、反応生成物をアセトニトリル20mlに溶解して、この濾液から、アセトニトリルの除去、60℃,24時間の乾燥を経て、粘性液体である上記化学式(1−9)で表わされる硫酸ナトリウム1−(n−ブチル)−3−メチルイミダゾリウムを2.2gで得た(収率93%,下記1H−NMR測定結果参照)。また、この粘性液体は、ガラス転移温度−65℃、分解開始温度337℃を示した。なお、表2の1H−NMR測定結果に示すように、イミダゾールの2位に存在するプロトンの化学シフトの移動から反応の進行が確認され、未反応の試薬などの不純物の存在は確認できなかった。
【0101】
1H−NMR(溶媒:DMSO)化学シフト(ppm):0.84(t,3H),1.19(m,2H),1.70(m,2H),3.80(s,3H),4.11(t,2H),7.66(s,1H),7.73(s,1H),9.21(s,1H)
【0102】
(実施例1−10)
前記(実施例1−9)で製造した1−(n−ブチル)−3−メチルイミダゾリウムブロミド2gを蒸留水50mlに溶解し、強塩基性イオン交換樹脂アンバーライトIRA−400JCLに通過させて、1−(n−ブチル)−3−メチルイミダゾリウム水酸化物とし、これと、5.7gの硫酸水素カリウムを氷冷中で混合した。24時間撹拌した後、減圧乾燥で余分な水を除去し、反応生成物をアセトニトリル20mlに溶解して、この濾液から、アセトニトリルの除去、60℃,24時間の乾燥を経て、粘性液体である上記化学式(1−10)で表わされる硫酸カリウム1−(n−ブチル)−3−メチルイミダゾリウムを1.9gで得た(収率74%,下記1H−NMR測定結果参照)。また、この粘性液体は、ガラス転移温度−68℃、分解開始温度349℃を示した。なお、表2の1H−NMR測定結果に示すように、イミダゾールの2位に存在するプロトンの化学シフトの移動から反応の進行が確認され、未反応の試薬などの不純物の存在は確認できなかった。
【0103】
1H−NMR(溶媒:DMSO)化学シフト(ppm):0.84(t,3H),1.20(m,2H),1.70(m,2H),3.80(s,3H),4.11(t,2H),7.67(s,1H),7.73(s,1H),9.11(s,1H)
【0104】
(実施例2−1)
ピリジン2gと臭化エチル5.6gを50mlのジメチルホルムアミド中で氷浴しながら3日間撹拌した。次に、減圧乾燥でジメチルホルムアミドを除去後、反応生成物にアセトニトリル10mlを加えて溶解させ、これを撹拌している200mlのジエチルエーテル中に滴下した。生成した沈殿物を濾過により回収し、60℃で24時間真空乾燥して、N−エチルピリジニウムブロミドを合成した。
N−エチルピリジニウムブロミド2gを蒸留水50mlに溶解し、強塩基性イオン交換樹脂アンバーライトIRA−400JCLに通過させて、N−エチルピリジニウム水酸化物とし、これと、2gの硫酸水素ナトリウムを氷冷中で混合した。24時間撹拌した後、減圧乾燥で余分な水を除去し、反応生成物をアセトニトリル20mlに溶解して、この濾液から、アセトニトリルの除去、60℃,24時間の乾燥を経て、粘性液体である上記化学式(2−1)で表わされる硫酸ナトリウムエチルピリジニウムを2.2gで得た(収率92%)。また、この粘性液体は、ガラス転移温度−43℃を示した。なお、1H−NMR測定を行った結果、前記実施例と同様に反応の進行が確認され、未反応の試薬などの不純物の存在は確認できなかった。
【0105】
(実施例2−2)
前記(実施例2−1)で製造したN−エチルピリジニウムブロミド2gを蒸留水50mlに溶解し、強塩基性イオン交換樹脂アンバーライトIRA−400JCLに通過させて、N−エチルピリジニウム水酸化物とし、これと、1.5gの硫酸水素カリウムを氷冷中で混合した。24時間撹拌した後、減圧乾燥で余分な水を除去し、反応生成物をアセトニトリル20mlに溶解して、この濾液から、アセトニトリルの除去、60℃,24時間の乾燥を経て、粘性液体である上記化学式(2−1)で表わされる硫酸カリウムエチルピリジニウムを2.4gで得た(収率95%)。また、この粘性液体は、ガラス転移温度−57℃を示した。なお、1H−NMR測定を行った結果、前記実施例と同様に反応の進行が確認され、未反応の試薬などの不純物の存在は確認できなかった。
【0106】
(実施例3−1)
テトラエチルアンモニウムブロミド2g(東京化成工業株式会社製)を蒸留水50mlに溶解し、強塩基性イオン交換樹脂アンバーライトIRA−400JCLに通過させて、テトラエチルアンモニウム水酸化物とし、これと、1.3gの硫酸水素ナトリウムを氷冷中で混合した。24時間撹拌した後、減圧乾燥で余分な水を除去し、反応生成物をアセトニトリル20mlに溶解して、この濾液から、アセトニトリルの除去、60℃,24時間の乾燥を経て、白色粉末である上記化学式(3−1)で表わされる硫酸ナトリウムテトラエチルアンモニウムを1.7gで得た(収率70%)。また、この白色粉末は、融点70℃を示した。なお、1H−NMR測定を行った結果、前記実施例と同様に反応の進行が確認され、未反応の試薬などの不純物の存在は確認できなかった。
【0107】
(実施例3−2)
前記(実施例3−1)で用いたテトラエチルアンモニウムブロミド2gを蒸留水50mlに溶解し、強塩基性イオン交換樹脂アンバーライトIRA−400JCLに通過させて、テトラエチルアンモニウム水酸化物とし、これと、1.5gの硫酸水素カリウムを氷冷中で混合した。24時間撹拌した後、減圧乾燥で余分な水を除去し、反応生成物をアセトニトリル20mlに溶解して、この濾液から、アセトニトリルの除去、60℃,24時間の乾燥を経て、白色粉末である上記化学式(3−2)で表わされる硫酸カリウムテトラエチルアンモニウムを1.9gで得た(収率74%)。また、この白色粉末は、融点30℃を示した。なお、1H−NMR測定を行った結果、前記実施例と同様に反応の進行が確認され、未反応の試薬などの不純物の存在は確認できなかった。
【0108】
(実施例4−1)
2−メチルピロリン1.0gと硫酸水素ナトリウム1.0gを50mlの蒸留水中で氷浴しながら混合し、室温で24時間撹拌した後、減圧乾燥で余分な水分を除去し、反応生成物を撹拌している200mlのジエチルエーテル中に滴下した。生成した沈殿物を濾過により回収し、60℃で24時間乾燥して、褐色粉末である上記化学式(4−1)で表わされる硫酸ナトリウム2−メチルピロリニウムを0.9gで得た(収率62%)。また、この褐色粉末は、ガラス転移温度を0℃に示した。
【0109】
(実施例4−2)
2−メチルピロリン1.0gと硫酸水素カリウム1.0gを50mlの蒸留水中で氷浴しながら混合し、室温で24時間撹拌した後、減圧乾燥で余分な水分を除去し、反応生成物を撹拌している200mlのジエチルエーテル中に滴下した。生成した沈殿物を濾過により回収し、60℃で24時間乾燥して、褐色粉末である上記化学式(4−2)で表わされる硫酸カリウム2−メチルピロリニウムを1.0gで得た(収率65%)。また、この褐色粉末は、ガラス転移温度を2℃に示した。
【0110】
【表1】
Figure 0004239531
【0111】
【表2】
Figure 0004239531
【0112】
次に、実施例に係る本発明のイオン性液体を用いて、電気化学デバイスとして2端子セルを作製した。この2端子セルを用いて、実施例に係る本発明のイオン性液体の電気化学的特性について評価を行った。イオン伝導度は、2端子交流インピーダンス法によって測定した。30℃におけるイオン伝導度についてlogσ(S/cm)の値で表3に示す。
【0113】
【表3】
Figure 0004239531
【0114】
表3の結果から明らかなように、実施例(1−0)乃至(1−10)、(2−1)、(2−2)、(3−1)、(3−2)のイオン性化合物は、高いイオン伝導性を有するものであることがわかる。このように、実施例に係る本発明のイオン性化合物は、イオンが良好に伝導するものであり、電気化学デバイス用電解質として十分なイオン伝導度を有していることが確認された。
以上のことから、非水系電解質を用いるリチウム一次電池、リチウム二次電池、リチウムイオン電池、非水系電気二重層キャパシタ等の、有機溶媒を必須とする非水電解液を用いる電気化学デバイスの、前記非水電解液に代え、または、加えて、本発明のイオン性液体を適用すると、前記電気化学デバイスの熱安定性や難燃性を大きく向上させることができる。
【0115】
なお、上記したイオン伝導度測定結果からも明らかなように、非水系電気化学デバイスに限らず、水系の一次電池、二次電池、太陽電池、燃料電池、水系電気二重層キャパシタ等の電気化学デバイスにも広く用いることができるものであることは言うまでもない。
以上詳述したように、本発明に係るイオン性化合物を用いれば、高いイオン伝導性、難燃性、高い熱的安定性を有する電解質を得ることができる。さらに、これらの電解質を用いれば、優れた電気特性、難燃性、高い熱的安定性を有する電気化学デバイスを得ることができる。
【0116】
【発明の効果】
請求項1〜4のイオン性化合物によれば、イオン伝導度を充分に得つつ、熱的安定性に優れたイオン性化合物を提供できる。
【0117】
請求項5に係る電解質によれば、本発明に係るイオン性化合物を含有するので、イオン伝導度を充分に得つつ、熱的安定性に優れた電解質を提供できる。
【0118】
請求項6に係る電気化学デバイスによれば、電解質を備えるので、イオン伝導度を充分に得つつ、熱的安定性に優れた電気化学デバイスを提供できる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an ionic compound, and an electrolyte and an electrochemical device using the ionic compound.
[0002]
[Prior art]
In recent years, there has been an increasing demand for reduction in size and weight of various devices using batteries as a power source, such as portable devices, and there is a strong demand for batteries having further improved battery characteristics. Therefore, high performance is also demanded for the electrolyte salt that is one component of the battery.
Conventionally, as an electrolyte salt used for, for example, a lithium battery, LiBF4, LiPF6Inorganic salt compounds such as LiCFThreeSOThree, LiN (CFThreeSO2)2Organic salt compounds such as quaternary ammonium salts are used as electrolyte salts used in electric double layer capacitors. However, since these electrolyte salts are solid, they are dissolved in organic solvents such as propylene carbonate and ethylene carbonate and used as liquid electrolytes (electrolytic solutions).
[0003]
However, the use of the above-mentioned electrolyte solution has recently become one factor that makes the thermal stability of the battery insufficient due to the fact that the organic solvent is usually highly volatile and flammable. Development of electrolyte salts that are liquid at room temperature (hereinafter also referred to as ionic liquids) is desired. Since the ionic liquid consists only of salt, it has high ionic conductivity, non-volatility, flame retardancy, and high thermal stability.
As the ionic liquid, an ionic compound having a quaternary ammonium cation such as an imidazolium cation or a pyridium cation as a cation and an organic acid anion as an anion is known.
[0004]
When the ionic liquid described above is used as, for example, an electrolyte for a lithium battery, a lithium compound capable of providing lithium ions as carrier ions is generally used. (For example, refer patent documents 1-8).
[0005]
[Patent Document 1]
JP-A-4-349365
[Patent Document 2]
Japanese Patent Laid-Open No. 10-92467
[Patent Document 3]
JP 11-86905 A
[Patent Document 4]
JP 11-260400 A
[Patent Document 5]
JP 2001-319688 A
[Patent Document 6]
JP 2002-110225 A
[Patent Document 7]
JP 2002-110230 A
[Patent Document 8]
JP 2002-110231 A
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, the addition of the lithium compound to the ionic liquid leads to an increase in the viscosity of the ionic liquid and an increase in the glass transition temperature, so that the ionic conductivity decreases.
[0007]
The present invention has been made in view of the above problems, and its purpose is to obtain a sufficient ionic conductivity with an ionic liquid alone, without adding a salt compound such as a lithium salt, and to achieve a thermal effect. An object is to provide an ionic compound, an electrolyte, and an electrochemical device excellent in stability.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the object, an ionic compound according to claim 1 is represented by the following general formula (I).
[Chemical formula 5]
Figure 0004239531
[Wherein R1, R2, RThreeEach independently represents a hydrogen atom, methyl group, ethyl group, n-propyl group, isopropyl group, n-butyl group, isobutyl group, sec-butyl group or tert-butyl group. M1 +Is a hydrogen ion (H+) Or an alkali metal ion. ]
[0009]
An ionic compound according to claim 2 is represented by the following general formula (II).
[Chemical 6]
Figure 0004239531
[Wherein RFourRepresents a hydrogen atom, methyl group, ethyl group, n-propyl group, isopropyl group, n-butyl group, isobutyl group, sec-butyl group or tert-butyl group. M2 +Is a hydrogen ion (H+) Or an alkali metal ion. ]
[0010]
The ionic compound according to claim 3 is represented by the following general formula (III).
[Chemical 7]
Figure 0004239531
Where RFive, R6, R7, R8Each independently represents a hydrogen atom, methyl group, ethyl group, n-propyl group, isopropyl group, n-butyl group, isobutyl group, sec-butyl group or tert-butyl group. MThree +Is a hydrogen ion (H+) Or an alkali metal ion.
[0011]
The ionic compound according to claim 4 is represented by the following general formula (IV).
[Chemical 8]
Figure 0004239531
[Wherein R9, RTenEach independently represents a hydrogen atom, methyl group, ethyl group, n-propyl group, isopropyl group, n-butyl group, isobutyl group, sec-butyl group or tert-butyl group. MFour +Is a hydrogen ion (H+) Or an alkali metal ion. ]
[0012]
According to the ionic compounds of claims 1 to 4, since one of the cations is an organic cation, the melting point is lower than that of the inorganic salt compound and high fluidity can be achieved near room temperature. Conductivity can be obtained. The other cation is a hydrogen ion (H+) And alkali metal ions, and can function as carrier ions in electrochemical devices, so that the combined use with another compound capable of providing carrier ions can be reduced, so that the ionic compound resulting from the addition of this other compound The increase in viscosity and the increase in glass transition temperature can be suppressed. Here, examples of the electrochemical device include a lithium primary battery, a lithium secondary battery, a lithium ion battery, a fuel cell, a solar cell, and an electric double layer capacitor. Furthermore, the ionic compound of Claims 1-4 has the non-volatile property, flame retardance, and high thermal stability which are the characteristics of an ionic compound.
Therefore, according to the ionic compound of Claims 1-4, it can be set as the ionic compound excellent in thermal stability, fully obtaining ionic conductivity.
[0013]
Since the electrolyte which concerns on Claim 5 contains the ionic compound which concerns on this invention, it can be set as the electrolyte excellent in thermal stability, fully obtaining ionic conductivity.
[0014]
Since the electrochemical device according to the sixth aspect includes the electrolyte according to the present invention, it is possible to obtain an electrochemical device excellent in thermal stability while sufficiently obtaining ionic conductivity.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Although the embodiment of the present invention is illustrated below, the present invention is not limited to the following embodiment.
[0016]
The ionic compound according to the first embodiment of the present invention is represented by the following general formula (I).
[Chemical 9]
Figure 0004239531
[Wherein R1, R2, RThreeEach independently represents a hydrogen atom, methyl group, ethyl group, n-propyl group, isopropyl group, n-butyl group, isobutyl group, sec-butyl group or tert-butyl group. M1 +Is a hydrogen ion (H+) Or an alkali metal ion. ]
[0017]
In particular, R1Is a methyl group, R2Is a hydrogen atom, RThreeA 1-methylimidazolium compound wherein R is a hydrogen atom, R1Is an ethyl group, R2Is a hydrogen atom, RThree1-ethylimidazolium compound in which is hydrogen atom, R1Is an ethyl group, R2Is a hydrogen atom, RThree1-ethyl-3-methylimidazolium compound wherein R is a methyl group, R1Is n-butyl group, R2Is a hydrogen atom, RThree1- (n-butyl) -3-methylimidazolium compound in which is a methyl group is preferable from the viewpoint of developing a low melting point.
[0018]
Examples of alkali metal ions include lithium ions (Li+), Sodium ion (Na+), Potassium ion (K+), Cesium ion (Cs+) Can be preferably mentioned.
[0019]
The preferable specific example of the ionic compound which concerns on 1st embodiment below is illustrated.
[0020]
[Chemical Formula 10]
Figure 0004239531
[0021]
Embedded image
Figure 0004239531
[0022]
Embedded image
Figure 0004239531
[0023]
Embedded image
Figure 0004239531
[0024]
Among them, (1-0), (1-1), (1-2), (1-3), (1-4), (1-7), (1-8), (1-9), Since the compound represented by (1-10) becomes liquid at room temperature of about 30 ° C. and has high fluidity, particularly when used alone as a constituent element of an electrolyte, the ionic conductivity is sufficiently obtained. High thermal stability can be obtained.
[0025]
Below, the suitable manufacturing method of the ionic compound which concerns on 1st embodiment is demonstrated.
[RThreeWhen is a hydrogen atom]
An imidazole compound represented by the following general formula (i-1) or an imidazolium hydroxide (R) represented by the following (i-2)1, R2Is the same as in general formula (I)) and chemical formula M1HSOFourThe compound represented by (M1Is a compound of the general formula (I) (RThree= H) can be produced.
[0026]
Embedded image
Figure 0004239531
[0027]
Here, as the imidazole compound represented by the general formula (i-1), imidazole, 1-methylimidazole, 1-ethylimidazole, 1- (n-propyl) imidazole, 1- (n-butyl) imidazole, 1, Examples include 2-dimethylimidazole, 1-isopropylimidazole, 1-isobutylimidazole, 1- (sec-butyl) imidazole, 1- (tert-butyl) imidazole and the like, and commercial products such as those manufactured by Tokyo Chemical Industry Co., Ltd. are available. It is.
Examples of the imidazolium hydroxide represented by the general formula (i-2) include 1-methylimidazolium hydroxide, 1-ethylimidazolium hydroxide, 1- (n-propyl) imidazolium hydroxide, -(N-Butyl) imidazolium hydroxide, 1,2-dimethylimidazolium hydroxide, and the like. The imidazolium compound represented by the general formula (i-1) is reacted with hydrobromic acid to give imidazolium. After making bromide, it can be synthesized by passing it through a strongly basic ion exchange resin capable of converting bromide ions into hydroxide ions.
Chemical formula M1HSOFourExamples of the compound represented by the formula include sulfuric acid, lithium hydrogen sulfate, sodium hydrogen sulfate, potassium hydrogen sulfate, cesium hydrogen sulfate, and the like.
[0028]
An imidazole compound represented by the general formula (i-1) or an imidazolium hydroxide represented by the general formula (i-2);1HSOFourIt is preferable that the molar ratio with the compound represented by is about 1: 1.
[0029]
The neutralization reaction can be suitably carried out by mixing them in water at 0 ° C. to 20 ° C. or in a bulk state at 30 ° C. to 80 ° C. for 24 hours to 168 hours. After the neutralization reaction, the material after the reaction is subjected to a drying treatment (heat drying, drying under reduced pressure, etc.) as necessary to remove moisture, and this material is mixed with an organic solvent such as diethyl ether. Next, the precipitate in the organic solvent is recovered by means such as filtration and dried under the conditions of 60 ° C. to 100 ° C. for 24 hours to 72 hours, whereby the compound of the general formula (I) (RThree= H) can be suitably obtained. If necessary, the precipitate is dissolved in a polar solvent such as methanol before drying, and then the liquid is filtered. The filtrate is subjected to desolvation and drying under the above conditions to obtain a general formula ( You may obtain the compound of I).
Alternatively, after the neutralization reaction, the material after the reaction is subjected to a drying treatment (heat drying, drying under reduced pressure, etc.) as necessary to remove moisture, and this material is mixed with a polar solvent such as acetonitrile. Next, this liquid is filtered, and the compound of the general formula (I) can also be obtained from the filtrate by removing the solvent and drying under conditions of 60 ° C. to 100 ° C. for 24 hours to 72 hours.
[0030]
[R1, RThreeAre not hydrogen atoms]
Imidazole compound (R) represented by general formula (i-1)1, R2Is the same as in general formula (I)) and RThreeAlkyl bromide compounds represented by Br (RThreeIs the same as in general formula (I). However, other than hydrogen atoms. First, the imidazolium bromide (R) represented by the general formula (i-3) is reacted.1, R2, RThreeProduces the same as in general formula (I). Next, an aqueous solution of imidazolium bromide represented by the general formula (i-3) is passed through a strongly basic ion exchange resin capable of converting bromide ions into hydroxide ions, and represented by the general formula (i-4). To produce imidazolium hydroxide. Finally, an imidazolium hydroxide represented by the general formula (i-4) and a chemical formula M1HSOFourThe compound represented by (M1Is a compound of the general formula (I) (RThreeCan produce other than hydrogen atoms.
[0031]
Embedded image
Figure 0004239531
[0032]
Here, as an imidazole compound represented by general formula (i-1), things other than an imidazole can be illustrated suitably among what was listed above.
RThreeExamples of Br include methyl bromide, ethyl bromide, n-propyl bromide, isopropyl bromide, n-butyl bromide, isobutyl bromide, sec-butyl bromide and tert-butyl bromide.
More specifically, an imidazole compound represented by the general formula (i-1) and RThreeThe reaction with Br can be suitably carried out by mixing both in an organic solvent such as dimethylformamide at 0 to 20 ° C. for 24 to 168 hours. After completion of the reaction, if necessary, drying treatment (heating treatment, drying under reduced pressure, etc.) is performed to remove the organic solvent, and this substance is mixed with an organic solvent such as diethyl ether. Next, the precipitate in the organic solvent is collected by means such as filtration, and dried at a temperature of 20 to 100 ° C. for 24 to 72 hours, thereby favoring the imidazolium bromide represented by the general formula (i-3). Can get to. If necessary, the precipitate is dissolved in a solvent such as acetonitrile before drying, and then the liquid is filtered. The filtrate is subjected to desolvation and drying under the above conditions to obtain the general formula (i- An imidazolium bromide represented by 3) may be obtained.
[0033]
As the strongly basic ion exchange resin used for ion exchange from the imidazolium bromide represented by the general formula (i-3) to the imidazolium hydroxide represented by the general formula (i-4), Amberlite IRA400-JCL (Manufactured by Organo Corporation).
[0034]
An imidazolium hydroxide represented by the general formula (i-4), and a chemical formula M1HSOFourThe neutralization reaction with the compound represented by can be suitably carried out by mixing both in water at 0 ° C. to 20 ° C. for 24 hours to 168 hours. An imidazolium hydroxide represented by the general formula (i-4), and a chemical formula M1HSOFourIt is preferable that the molar ratio with the compound represented by is about 1: 1.
After the neutralization reaction, the above [RThreeThe compound of general formula (I) can be suitably obtained by treating in the same manner as in the case where is a hydrogen atom.
[0035]
The ionic compound according to the second embodiment of the present invention is represented by the following general formula (II).
[0036]
Embedded image
Figure 0004239531
[Wherein RFourRepresents a hydrogen atom, methyl group, ethyl group, n-propyl group, isopropyl group, n-butyl group, isobutyl group, sec-butyl group or tert-butyl group. M2 +Is a hydrogen ion (H+) Or an alkali metal ion. ]
[0037]
In particular, RFour1-ethylpyridinium compound wherein R is an ethyl group, RFour1- (n-butyl) pyridinium compound in which is an n-butyl group is preferable from the viewpoint of developing a low melting point.
[0038]
Examples of alkali metal ions include lithium ions (Li+), Sodium ion (Na+), Potassium ion (K+), Cesium ion (Cs+) Can be preferably mentioned.
[0039]
The preferable specific example of the ionic compound which concerns on 2nd embodiment below is illustrated.
[0040]
Embedded image
Figure 0004239531
[0041]
Since the compounds represented by (2-1) and (2-2) are liquid at room temperature around 30 ° C. and have high fluidity, they are particularly ionic if used alone as a constituent element of an electrolyte. High thermal stability can be obtained while sufficiently obtaining conductivity.
[0042]
Below, the suitable manufacturing method of the ionic compound which concerns on 2nd embodiment is demonstrated.
[RFourWhen is a hydrogen atom]
Pyridine and chemical formula M2HSOFourThe compound represented by (M2Is the same as in general formula (II)) to give a compound of formula (II) (RFour= H) can be produced.
[0043]
Where the chemical formula M2HSOFourExamples of the compound represented by the formula include sulfuric acid, lithium hydrogen sulfate, sodium hydrogen sulfate, potassium hydrogen sulfate, cesium hydrogen sulfate, and the like.
[0044]
Pyridine and chemical formula M2HSOFourIt is preferable that the molar ratio with the compound represented by is about 1: 1.
[0045]
The neutralization reaction can be suitably carried out by mixing them in water at 0 ° C. to 20 ° C. or in a bulk state at 30 ° C. to 80 ° C. for 24 hours to 168 hours. After the neutralization reaction, the material after the reaction is subjected to a drying treatment (heat drying, drying under reduced pressure, etc.) as necessary to remove moisture, and this material is mixed with an organic solvent such as diethyl ether. Next, the precipitate in the organic solvent is collected by means such as filtration, and dried under the conditions of 60 ° C. to 100 ° C. for 24 hours to 72 hours, whereby the compound of the general formula (II) (RFour= H) can be suitably obtained. If necessary, the precipitate is dissolved in a polar solvent such as methanol before drying, and then the liquid is filtered. The filtrate is subjected to desolvation and drying under the above conditions to obtain a general formula ( The compound of II) may be obtained.
Alternatively, after the neutralization reaction, the material after the reaction is subjected to a drying treatment (heat drying, drying under reduced pressure, etc.) as necessary to remove moisture, and this material is mixed with a polar solvent such as acetonitrile. Next, this liquid is filtered, and the compound of the general formula (II) can be obtained from the filtrate by removing the solvent and drying under conditions of 60 ° C. to 100 ° C. for 24 hours to 72 hours.
[0046]
[RFourWhen is not a hydrogen atom]
Pyridine and RFourAlkyl bromide compounds represented by Br (RFourIs the same as in general formula (II). However, other than hydrogen atoms. First, pyridinium bromide (R) represented by general formula (ii-1)FourProduces the same as in general formula (II). Next, an aqueous solution of pyridinium bromide represented by the general formula (ii-1) is passed through a strongly basic ion exchange resin capable of converting bromide ions into hydroxide ions, and represented by the general formula (ii-2). Pyridinium hydroxide is produced. Finally, a pyridinium hydroxide represented by the general formula (ii-2) and a chemical formula M2HSOFourThe compound represented by (M2Is the same as in general formula (II)) to give a compound of formula (II) (RFourCan produce other than hydrogen atoms.
[0047]
Embedded image
Figure 0004239531
[0048]
Where RFourExamples of Br include methyl bromide, ethyl bromide, n-propyl bromide, isopropyl bromide group, n-butyl bromide, isobutyl bromide, sec-butyl bromide and tert-butyl bromide.
More specifically, pyridine and RFourThe reaction with Br can be preferably carried out by mixing both in an organic solvent such as dimethylformamide at 0 ° C. to 20 ° C. for 24 hours to 168 hours. After completion of the reaction, if necessary, drying treatment (heating treatment, drying under reduced pressure, etc.) is performed to remove the organic solvent, and this substance is mixed with an organic solvent such as diethyl ether. Next, the precipitate in the organic solvent is collected by means such as filtration and dried under the conditions of 20 ° C. to 100 ° C. for 24 hours to 72 hours, whereby the pyridinium bromide represented by the general formula (ii-1) is obtained. It can be suitably obtained. If necessary, the precipitate is dissolved in a solvent such as acetonitrile before drying, and then the liquid is filtered, and the filtrate is subjected to desolvation and drying under the above conditions to obtain the general formula (ii-1). You may obtain the pyridinyl bromide represented by this.
[0049]
As a strongly basic ion exchange resin used for ion exchange from the pyridinium bromide represented by the general formula (ii-1) to the pyridinium hydroxide represented by the general formula (ii-2), Amberlite IRA400-JCL (organo stock) Company-made).
[0050]
A pyridinium hydroxide represented by the general formula (ii-2) and a chemical formula M2HSOFourThe neutralization reaction with the compound represented by can be suitably carried out by mixing both in water at 0 ° C. to 20 ° C. for 24 hours to 168 hours. A pyridinium hydroxide represented by the general formula (ii-2) and a chemical formula M2HSOFourIt is preferable that the molar ratio with the compound represented by is about 1: 1.
After the neutralization reaction, the above [RFourThe compound of general formula (II) can be suitably obtained by performing the same treatment as in the case where is a hydrogen atom.
[0051]
The ionic compound according to the third embodiment of the present invention is represented by the following general formula (III).
[0052]
Embedded image
Figure 0004239531
[Wherein RFive, R6, R7, R8Each independently represents a hydrogen atom, methyl group, ethyl group, n-propyl group, isopropyl group, n-butyl group, isobutyl group, sec-butyl group or tert-butyl group. MThree +Is a hydrogen ion (H+) Or an alkali metal ion. ]
[0053]
In particular, tetramethylammonium sulfonate compounds (RFive, R6, R7, R8= Methyl group), tetraethylammonium sulfonate compound (RFive, R6, R7, R8= Ethyl group), N-butyl-N, N, N-trimethylsulfonate compound (RFive= Butyl group, R6, R7, R8= Methyl group) is preferred because it exhibits a low melting point.
[0054]
Examples of alkali metal ions include lithium ions (Li+), Sodium ion (Na+), Potassium ion (K+), Cesium ion (Cs+) Can be preferably mentioned.
[0055]
The preferable specific example of the ionic compound which concerns on 3rd embodiment below is illustrated.
[0056]
Embedded image
Figure 0004239531
[0057]
Below, the suitable manufacturing method of the ionic compound which concerns on 3rd embodiment is demonstrated.
General formula RFiveR6R7R8An aqueous solution of ammonium bromide represented by NBr is passed through a strongly basic ion exchange resin capable of converting bromide ions into hydroxide ions, and the general formula RFiveR6R7R8An ammonium hydroxide represented by NOH is produced. Finally, the general formula RFiveR6R7R8Ammonium hydroxide represented by NOH and the chemical formula MThreeHSOFourThe compound represented by (MThreeThe compound of general formula (III) can be suitably obtained by carrying out a neutralization reaction with (same as general formula (III)).
[0058]
Here, the general formula RFiveR6R7R8Examples of ammonium bromide represented by NBr include tetramethylammonium bromide, tetraethylammonium bromide, Nn-butyl-N, N, N-trimethylammonium bromide and the like, and commercial products such as those manufactured by Tokyo Chemical Industry Co., Ltd. Is available.
Chemical formula MThreeHSOFourExamples of the compound represented by the formula include sulfuric acid, lithium hydrogen sulfate, sodium hydrogen sulfate, potassium hydrogen sulfate, cesium hydrogen sulfate, and the like.
[0059]
General formula RFiveR6R7R8General formula R from ammonium bromide represented by NBrFiveR6R7R8Amberlite IRA400-JCL (manufactured by Organo Corporation) and the like can be mentioned as a strongly basic ion exchange resin used for ion exchange into ammonium hydroxide represented by NOH.
[0060]
General formula RFiveR6R7R8Ammonium hydroxide represented by NOH and the chemical formula MThreeHSOFourThe neutralization reaction with the compound represented by can be suitably carried out by mixing both in water at 0 ° C. to 20 ° C. for 24 hours to 168 hours. General formula RFiveR6R7R8Ammonium hydroxide represented by NOH and the chemical formula MThreeHSOFourIt is preferable that the molar ratio with the compound represented by is about 1: 1. After the neutralization reaction, the material after the reaction is subjected to a drying treatment (heat drying, drying under reduced pressure, etc.) as necessary to remove moisture, and this material is mixed with an organic solvent such as diethyl ether. Next, the precipitate in the organic solvent is recovered by means such as filtration, and dried under conditions of 60 ° C. to 100 ° C. for 24 hours to 72 hours, whereby the compound of the general formula (III) can be suitably obtained. it can. If necessary, the precipitate is dissolved in a polar solvent such as methanol before drying, and then the liquid is filtered. The filtrate is subjected to desolvation and drying under the above conditions to obtain a general formula ( The compound of III) may be obtained.
Alternatively, after the neutralization reaction, the material after the reaction is subjected to a drying treatment (heat drying, drying under reduced pressure, etc.) as necessary to remove moisture, and this material is mixed with a polar solvent such as acetonitrile. Next, this liquid is filtered, and the compound of the general formula (III) can also be obtained from the filtrate by removing the solvent and drying under conditions of 60 ° C. to 100 ° C. for 24 hours to 72 hours.
[0061]
The ionic compound according to the fourth embodiment of the present invention is represented by the following general formula (IV).
[0062]
Embedded image
Figure 0004239531
[Wherein R9, RTenEach independently represents a hydrogen atom, methyl group, ethyl group, n-propyl group, isopropyl group, n-butyl group, isobutyl group, sec-butyl group or tert-butyl group. MFour +Is a hydrogen ion (H+) Or an alkali metal ion. ]
[0063]
In particular, 2-methylpyrrolinium compounds (R9Is a methyl group, RTenIs a hydrogen atom), 1-ethyl-2-methylpyrrolium compound (R9Is a methyl group, RTenIs preferred from the viewpoint of developing a low melting point.
[0064]
Examples of alkali metal ions include lithium ions (Li+), Sodium ion (Na+), Potassium ion (K+), Cesium ion (Cs+) Can be preferably mentioned.
[0065]
Below, the preferable specific example of the ionic compound which concerns on 4th embodiment is illustrated.
[0066]
Embedded image
Figure 0004239531
[0067]
Below, the suitable manufacturing method of the ionic compound which concerns on 4th embodiment is demonstrated.
[RTenWhen is a hydrogen atom]
A pyrroline compound represented by the following general formula (iv-1) and a chemical formula MFourHSOFourThe compound represented by (MFourIs a compound of the general formula (IV) (RTen= H) can be produced.
[0068]
Embedded image
Figure 0004239531
[0069]
Where the chemical formula MFourHSOFourExamples of the compound represented by the formula include sulfuric acid, lithium hydrogen sulfate, sodium hydrogen sulfate, potassium hydrogen sulfate, cesium hydrogen sulfate, and the like.
[0070]
A pyrroline compound represented by the general formula (iv-1) and a chemical formula MFourHSOFourIt is preferable that the molar ratio with the compound represented by is about 1: 1.
[0071]
The neutralization reaction can be suitably carried out by mixing them in water at 0 ° C. to 20 ° C. or in a bulk state at 30 ° C. to 80 ° C. for 24 hours to 168 hours. After the neutralization reaction, the material after the reaction is subjected to a drying treatment (heat drying, drying under reduced pressure, etc.) as necessary to remove moisture, and this material is mixed with an organic solvent such as diethyl ether. Next, the precipitate in the organic solvent is recovered by means such as filtration and dried under the conditions of 60 ° C. to 100 ° C. for 24 hours to 72 hours, whereby the compound of formula (IV) (RTen= H) can be suitably obtained. If necessary, the precipitate is dissolved in a polar solvent such as methanol before drying, and then the liquid is filtered. The filtrate is subjected to desolvation and drying under the above conditions to obtain a general formula ( The compound of IV) may be obtained.
Alternatively, after the neutralization reaction, the material after the reaction is subjected to a drying treatment (heat drying, drying under reduced pressure, etc.) as necessary to remove moisture, and this material is mixed with a polar solvent such as acetonitrile. Then, this liquid is filtered, and the compound of the general formula (IV) can be obtained from the filtrate by removing the solvent and drying at 60 ° C. to 100 ° C. for 24 to 72 hours.
[0072]
[RTenWhen is not a hydrogen atom]
A pyrroline compound represented by the general formula (iv-1), and RTenAlkyl bromide compounds represented by Br (RTenIs the same as in general formula (IV). However, other than hydrogen atoms. First, pyrrolium bromide (R) represented by the general formula (iv-2)TenProduces the same as in general formula (IV). Next, an aqueous solution of pyrrolinium bromide represented by the general formula (iv-2) is passed through a strongly basic ion exchange resin capable of converting bromide ions into hydroxide ions, and represented by the general formula (iv-3). Produce pyrrolinium hydroxide. Finally, the pyrrolinium hydroxide represented by the general formula (iv-3) and the chemical formula MFourHSOFourThe compound represented by (MFourIs a compound of the general formula (IV) (RTenCan produce other than hydrogen atoms.
[0073]
Embedded image
Figure 0004239531
[0074]
Where RTenExamples of Br include methyl bromide, ethyl bromide, n-propyl bromide, isopropyl bromide, n-butyl bromide, isobutyl bromide, sec-butyl bromide and tert-butyl bromide.
More specifically, pyrroline compounds and RTenThe reaction with Br can be preferably carried out by mixing both in an organic solvent such as dimethylformamide at 0 ° C. to 20 ° C. for 24 hours to 168 hours. After completion of the reaction, if necessary, drying treatment (heating treatment, drying under reduced pressure, etc.) is performed to remove the organic solvent, and this substance is mixed with an organic solvent such as diethyl ether. Next, the precipitate in the organic solvent is collected by means such as filtration, and dried at 20 ° C. to 100 ° C. for 24 hours to 72 hours, whereby the pyrrolinium bromide represented by the general formula (iv-2) is obtained. It can be suitably obtained. If necessary, the precipitate is dissolved in a solvent such as acetonitrile before drying, and then the liquid is filtered. The filtrate is subjected to desolvation and drying under the above conditions to obtain the general formula (iv-2). ) May be obtained.
[0075]
As a strongly basic ion exchange resin used for ion exchange from the pyrrolinium bromide represented by the general formula (iv-2) to the pyrrolium hydroxide represented by the general formula (iv-3), Amberlite IRA400-JCL (organo stock) Company-made).
[0076]
A pyrrolinium hydroxide represented by the general formula (iv-3) and a chemical formula MFourHSOFourThe neutralization reaction with the compound represented by can be suitably carried out by mixing both in water at 0 ° C. to 20 ° C. for 24 hours to 168 hours. A pyrrolinium hydroxide represented by the general formula (iv-3) and a chemical formula MFourHSOFourIt is preferable that the molar ratio with the compound represented by is about 1: 1.
After the neutralization reaction, the above [RTenIs a hydrogen atom], the compound of the general formula (IV) (RTenCan suitably obtain other than a hydrogen atom.
[0077]
According to the ionic compound which concerns on 1st-4th embodiment, it can be set as the ionic compound excellent in thermal stability, fully obtaining ionic conductivity.
Examples of applications of ionic compounds include electrolytes such as, but not limited to, lithium primary batteries, lithium secondary batteries, lithium ion batteries, fuel cells, solar cells, electric double layer capacitors, and other electrochemical devices. It can also be applied to various organic synthesis solvents, extraction separation solvents, and the like.
[0078]
Since the electrolyte according to the embodiment of the present invention contains the ionic compound according to the embodiment of the present invention, sufficient ionic conductivity can be obtained. In addition, an organic solvent can also be used together to such an extent that the thermal stability is not impaired.
Specific examples of the organic solvent used in combination include cyclic carbonates such as propylene carbonate, ethylene carbonate, butylene carbonate, chloroethylene carbonate and vinylene carbonate; cyclic esters such as γ-butyrolactone and γ-valerolactone; dimethyl carbonate, Chain carbonates such as diethyl carbonate and ethyl methyl carbonate; chain esters such as methyl formate, methyl acetate and methyl butyrate; tetrahydrofuran or derivatives thereof; 1,3-dioxane, 1,4-dioxane, 1,2-dimethoxy Ethers such as ethane, 1,4-dibutoxyethane and methyldiglyme; Nitriles such as acetonitrile and benzonitrile; Dioxolane or derivatives thereof; Ethylene sulfide, sulfolane, sultone or derivatives thereof Examples thereof include a conductor alone or a mixture of two or more thereof, but are not limited thereto.
[0079]
In particular, (1-0), (1-1), (1-2), (1-3), (1-4), (1-7), (1-8), (1-9) described above. ), (1-10), (2-1), (2-2), etc., if an ionic compound that is liquid at around 30 ° C. is used as an electrolyte, the combined use with an organic solvent can be reduced to a very high level. However, sufficient ionic conductivity can be achieved without using an organic solvent.
In addition, even when a solid that is around 30 ° C. is used, the ionic compound of the present invention has a low melting point and high fluidity near room temperature as compared with the electrolyte salt used in the conventional electrolytic solution. Therefore, it is possible to form a liquid with a solvent addition amount sufficiently smaller than that of conventional electrolyte salts, and sufficient ion conductivity without impairing the flame retardancy and / or thermal stability of the ionic compound. Can be obtained.
[0080]
Since the electrochemical device according to the embodiment of the present invention includes the electrolyte according to the embodiment of the present invention, an electrochemical device having excellent ionic conductivity and excellent thermal stability can be obtained. In the lithium battery according to the embodiment of the present invention, the ionic compound preferably has lithium ions as carrier ions.1 +A compound represented by the general formula (I) in which is a lithium ion, M2 +A compound represented by the general formula (II) in which is a lithium ion, MThree +A compound represented by the general formula (III) in which is a lithium ion, or MFour +It is preferable to contain a compound represented by the general formula (IV) in which is a lithium ion. Further, for example, in the fuel cell according to the embodiment of the present invention, the ionic compound preferably has hydrogen ions as carrier ions.1 +A compound represented by the general formula (I) in which is a hydrogen ion, M2 +A compound represented by the general formula (II) in which is a hydrogen ion, MThree +A compound represented by the general formula (III) in which is a hydrogen ion, or MFour +It is preferable to contain a compound represented by the general formula (IV) in which is a hydrogen ion.
[0081]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example is given and this invention is demonstrated in detail, these do not limit this invention.
In addition, tertiary amine or quaternary ammonium hydroxide and chemical formula MHSOFourThe progress of the neutralization reaction with the compound represented by (M is a hydrogen atom or an alkali metal)1This was confirmed by 1 H-NMR measurement (using an α-500 NMR spectrometer manufactured by JEOL Ltd.). In particular, regarding imidazole derivatives, confirmation was made by comparing chemical shifts of protons present at the 2-position of imidazole. The melting point and glass transition temperature of the obtained compound were determined by DSC measurement (DSC-6200 manufactured by Seiko Instruments Inc., temperature range: -150 ° C to 200 ° C, heating temperature: 10 ° C / min). It was confirmed that the ionic compound has a low melting point or glass transition temperature. The decomposition start temperature was determined by TG / DTA measurement (TG / DTA220 manufactured by Seiko Instruments Inc., temperature range: 30 ° C. to 500 ° C., heating temperature: 10 ° C./min), and the ionic compounds of the examples were thermally stable. It was confirmed to be excellent in properties.
[0082]
(Example 1-0)
1.0 g of N-ethylimidazole and 1.0 g of sulfuric acid were mixed at 0 ° C. under nitrogen and stirred at 50 ° C. for 24 hours. A precipitate is generated by adding 200 ml of diethyl ether to the reaction product, and the precipitate is collected by filtration, dried at 60 ° C. for 24 hours, and expressed by the above chemical formula (1-0) which is a viscous liquid. 1.9 g of ethyl imidazolium hydrogensulfate (yield 95%, the following)1See H-NMR measurement results). Further, this viscous liquid exhibited a glass transition temperature of −75 ° C. and a decomposition start temperature of 277 ° C. In Table 1,1As shown in the H-NMR measurement results, the chemical shift of the proton present at the 2-position of imidazole shifts to a low magnetic field after the reaction, confirming the progress of the reaction, and confirming the presence of impurities such as unreacted reagents. could not.
[0083]
1H-NMR (solvent: DMSO) chemical shift (ppm): 1.37 (t, 3H), 4.16 (q, 2H), 7.63 (s, 1H), 7.75 (s, 1H), 9.07 (s, 1H)
[0084]
(Example 1-1)
4.2 g of N-ethylimidazole and 1.5 g of lithium hydrogen sulfate were mixed at 0 ° C. under nitrogen, and stirred at 50 ° C. for 24 hours. A precipitate is generated by adding 200 ml of diethyl ether to the reaction product, and the precipitate is recovered by filtration, dried at 60 ° C. for 24 hours, and expressed by the above chemical formula (1-1), which is a viscous liquid. 1.0 g of lithium ethyl imidazolium sulfate was obtained (yield 32%,1See H-NMR measurement results). The viscous liquid exhibited a glass transition temperature of −60 ° C. and a decomposition start temperature of 304 ° C. In Table 1,1As shown in the H-NMR measurement results, the chemical shift of the proton present at the 2-position of imidazole shifts to a low magnetic field after the reaction, confirming the progress of the reaction, and confirming the presence of impurities such as unreacted reagents. could not.
[0085]
1H-NMR (solvent: DMSO) chemical shift (ppm): 1.33 (t, 3H), 4.06 (q, 2H), 7.31 (s, 1H), 7.50 (s, 1H), 8.48 (s, 1H)
[0086]
(Example 1-2)
N-ethylimidazole (2.0 g) and sodium hydrogensulfate (2.0 g) were mixed in 50 ml of distilled water while stirring in an ice bath and stirred at room temperature for 24 hours. Then, excess water was removed by drying under reduced pressure, and the reaction product was stirred. In 200 ml of diethyl ether. The produced precipitate was collected by filtration and dried at 60 ° C. for 24 hours to obtain 1.1 g of sodium ethylimidazolium sulfate represented by the above chemical formula (1-2) as a viscous liquid (yield 25%). ,following1See H-NMR measurement results). The viscous liquid exhibited a glass transition temperature of −68 ° C. and a decomposition start temperature of 288 ° C. In Table 1,1As shown in the H-NMR measurement results, the chemical shift of the proton present at the 2-position of imidazole shifts to a low magnetic field after the reaction, confirming the progress of the reaction, and confirming the presence of impurities such as unreacted reagents. could not.
[0087]
1H-NMR (solvent: DMSO) chemical shift (ppm): 1.33 (t, 3H), 4.06 (q, 2H), 7.32 (s, 1H), 7.51 (s, 1H), 8.50 (s, 1H)
[0088]
(Example 1-3)
2 g of N-ethylimidazole and 5.8 g of potassium hydrogensulfate were mixed in 50 ml of distilled water while stirring in an ice bath and stirred at room temperature for 24 hours. Then, excess water was removed by drying under reduced pressure, and the reaction product was stirred. In 200 ml of diethyl ether. The produced precipitate was collected by filtration and dried at 60 ° C. for 24 hours to obtain 0.8 g of potassium ethyl imidazolium sulfate represented by the above chemical formula (1-3) as a viscous liquid (yield 16%). ,following1See H-NMR measurement results). Further, this viscous liquid exhibited a glass transition temperature of −67 ° C. and a decomposition start temperature of 317 ° C. In Table 1,1As shown in the H-NMR measurement results, the chemical shift of the proton present at the 2-position of imidazole shifts to a low magnetic field after the reaction, confirming the progress of the reaction, and confirming the presence of impurities such as unreacted reagents. could not.
[0089]
1H-NMR (solvent: DMSO) chemical shift (ppm): 1.33 (t, 3H), 4.06 (q, 2H), 7.31 (s, 1H), 7.50 (s, 1H), 8.48 (s, 1H)
[0090]
(Example 1-4)
After mixing 1.3 g of N-ethylimidazole and 1.5 g of cesium hydrogen sulfate in 50 ml of distilled water while stirring in an ice bath, the mixture was stirred for 24 hours at room temperature, and then excess water was removed by drying under reduced pressure, and the reaction product was stirred In 200 ml of diethyl ether. The produced precipitate was collected by filtration and dried at 60 ° C. for 24 hours to obtain 0.5 g of cesium ethylimidazolium sulfate represented by the above chemical formula (1-4) as a viscous liquid (yield 11%) ,following1See H-NMR measurement results). Further, this viscous liquid exhibited a glass transition temperature of −59 ° C. and a decomposition start temperature of 287 ° C. In Table 1,1As shown in the H-NMR measurement results, the chemical shift of the proton present at the 2-position of imidazole shifts to a low magnetic field after the reaction, confirming the progress of the reaction, and confirming the presence of impurities such as unreacted reagents. could not.
[0091]
1H-NMR (solvent: DMSO) chemical shift (ppm): 1.33 (t, 3H), 4.06 (q, 2H), 7.31 (s, 1H), 7.51 (s, 1H), 8.49 (s, 1H)
[0092]
(Example 1-5)
2 g of N-methylimidazole and 3.5 g of sodium hydrogensulfate were mixed in 50 ml of distilled water with an ice bath and stirred at room temperature for 24 hours. Then, excess water was removed by drying under reduced pressure, and the reaction product was stirred. In 200 ml of diethyl ether. The resulting precipitate was collected by filtration, and then this precipitate was dissolved in methanol. The methanol solution was filtered, and methanol was removed from the filtrate and dried at 60 ° C. for 24 hours to obtain 1.7 g of sodium methylimidazolium sulfate represented by the above chemical formula (1-5) as a white powder. (Yield 34%,1See H-NMR measurement results). Moreover, this white powder showed melting | fusing point 47 degreeC and glass transition temperature -24 degreeC. In Table 1,1As shown in the H-NMR measurement results, the chemical shift of the proton present at the 2-position of imidazole shifts to a low magnetic field after the reaction, confirming the progress of the reaction, and confirming the presence of impurities such as unreacted reagents. could not.
[0093]
1H-NMR (solvent: DMSO) chemical shift (ppm): 3.93 (s, 3H), 7.44 (s, 2H), 8.67 (s, 1H)
[0094]
(Example 1-6)
2 g of N-methylimidazole and 3.5 g of potassium hydrogensulfate were mixed in 50 ml of distilled water while stirring in an ice bath and stirred at room temperature for 24 hours. Then, excess water was removed by drying under reduced pressure, and the reaction product was stirred. In 200 ml of diethyl ether. The resulting precipitate was collected by filtration, and then this precipitate was dissolved in methanol. The methanol solution was filtered, and methanol was removed from the filtrate and dried at 60 ° C. for 24 hours to obtain 1.4 g of potassium methylimidazolium sulfate represented by the above chemical formula (1-6) as a white powder. (Yield 27%, below)1See H-NMR measurement results). Moreover, this white powder showed melting | fusing point 48 degreeC and glass transition temperature -24 degreeC. In Table 1,1As shown in the H-NMR measurement results, the chemical shift of the proton present at the 2-position of imidazole shifts to a low magnetic field after the reaction, confirming the progress of the reaction, and confirming the presence of impurities such as unreacted reagents. could not.
[0095]
1H-NMR (solvent: DMSO) chemical shift (ppm): 3.84 (s, 3H), 7.44 (s, 2H), 8.67 (s, 1H)
[0096]
(Example 1-7)
2 g of N-methylimidazole and 5.8 g of ethyl bromide were stirred in 50 ml of dimethylformamide for 3 days with an ice bath. Next, after removing dimethylformamide by drying under reduced pressure, 10 ml of acetonitrile was added to the reaction product to dissolve it, and this was dropped into 200 ml of diethyl ether which was being stirred. The produced precipitate was collected by filtration and vacuum-dried at 60 ° C. for 24 hours to synthesize 1-ethyl-3-methylimidazolium bromide.
2 g of 1-ethyl-3-methylimidazolium bromide is dissolved in 50 ml of distilled water and passed through a strongly basic ion exchange resin Amberlite IRA-400JCL to obtain 1-ethyl-3-methylimidazolium hydroxide. And 2.4 g of sodium hydrogen sulfate were mixed in an ice bath. After stirring for 24 hours, excess water was removed by drying under reduced pressure, and the reaction product was dissolved in 20 ml of acetonitrile. The filtrate was subjected to removal of acetonitrile, drying at 60 ° C. for 24 hours, and the above-mentioned viscous liquid. 2.0 g of sodium sulfate 1-ethyl-3-methylimidazolium represented by the chemical formula (1-7) was obtained (yield 84%, the following)1See H-NMR measurement results). Further, this viscous liquid showed a melting point of 14 ° C., a glass transition temperature of −58 ° C., and a decomposition start temperature of 268 ° C. In Table 2,1As shown in the H-NMR measurement results, the chemical shift of the proton present at the 2-position of imidazole shifts to a high magnetic field after the reaction, confirming the progress of the reaction, and confirming the presence of impurities such as unreacted reagents. could not.
[0097]
1H-NMR (solvent: DMSO) chemical shift (ppm): 1.49 (t, 3H), 3.88 (s, 3H), 4.21 (q, 2H), 7.41 (s, 1H), 7.47 (s, 1H), 8.71 (s, 1H)
[0098]
(Example 1-8)
2 g of 1-ethyl-3-methylimidazolium bromide prepared in the above (Example 1-7) was dissolved in 50 ml of distilled water, passed through a strongly basic ion exchange resin Amberlite IRA-400JCL, and 1-ethyl- 3-methylimidazolium hydroxide was prepared and 2.8 g of potassium hydrogen sulfate was mixed in an ice bath. After stirring for 24 hours, excess water was removed by drying under reduced pressure, and the reaction product was dissolved in 20 ml of acetonitrile. The filtrate was subjected to removal of acetonitrile, drying at 60 ° C. for 24 hours, and the above-mentioned viscous liquid. 2.3 g of potassium sulfate 1-ethyl-3-methylimidazolium represented by the chemical formula (1-8) was obtained (yield 90%, the following)1See H-NMR measurement results). Moreover, this viscous liquid showed glass transition temperature -72 degreeC and decomposition start temperature 276 degreeC. In Table 2,1As shown in the H-NMR measurement results, the progress of the reaction was confirmed from the shift of the chemical shift of the proton present at the 2-position of imidazole, and the presence of impurities such as unreacted reagents could not be confirmed.
[0099]
1H-NMR (solvent: DMSO) chemical shift (ppm): 1.49 (t, 3H), 3.88 (s, 3H), 4.21 (q, 4H), 7.40 (s, 1H), 7.47 (s, 1H), 8.70 (s, 1H)
[0100]
(Example 1-9)
2 g of N-methylimidazole and 7.3 g of n-butyl bromide were stirred in 50 ml of dimethylformamide for 3 days with an ice bath. Next, after removing dimethylformamide by drying under reduced pressure, 10 ml of acetonitrile was added to the reaction product to dissolve it, and this was dropped into 200 ml of diethyl ether which was being stirred. The produced precipitate was collected by filtration and vacuum-dried at 60 ° C. for 24 hours to synthesize 1- (n-butyl) -3-methylimidazolium bromide.
2 g of 1- (n-butyl) -3-methylimidazolium bromide is dissolved in 50 ml of distilled water and passed through a strongly basic ion exchange resin Amberlite IRA-400JCL to give 1- (n-butyl) -3-methyl. Imidazolium hydroxide was mixed with 2.2 g of sodium hydrogen sulfate in an ice bath. After stirring for 24 hours, excess water was removed by drying under reduced pressure, and the reaction product was dissolved in 20 ml of acetonitrile. The filtrate was subjected to removal of acetonitrile, drying at 60 ° C. for 24 hours, and the above-mentioned viscous liquid. 2.2 g of sodium sulfate 1- (n-butyl) -3-methylimidazolium represented by the chemical formula (1-9) was obtained (yield 93%, the following)1See H-NMR measurement results). Further, this viscous liquid exhibited a glass transition temperature of −65 ° C. and a decomposition start temperature of 337 ° C. In Table 2,1As shown in the H-NMR measurement results, the progress of the reaction was confirmed from the shift of the chemical shift of the proton present at the 2-position of imidazole, and the presence of impurities such as unreacted reagents could not be confirmed.
[0101]
1H-NMR (solvent: DMSO) chemical shift (ppm): 0.84 (t, 3H), 1.19 (m, 2H), 1.70 (m, 2H), 3.80 (s, 3H), 4.11 (t, 2H), 7.66 (s, 1H), 7.73 (s, 1H), 9.21 (s, 1H)
[0102]
(Example 1-10)
2 g of 1- (n-butyl) -3-methylimidazolium bromide prepared in the above (Example 1-9) was dissolved in 50 ml of distilled water and passed through a strongly basic ion exchange resin Amberlite IRA-400JCL. 1- (n-Butyl) -3-methylimidazolium hydroxide was prepared, and 5.7 g of potassium hydrogen sulfate was mixed in an ice bath. After stirring for 24 hours, excess water was removed by drying under reduced pressure, and the reaction product was dissolved in 20 ml of acetonitrile. The filtrate was subjected to removal of acetonitrile, drying at 60 ° C. for 24 hours, and the above-mentioned viscous liquid. 1.9 g of potassium sulfate 1- (n-butyl) -3-methylimidazolium represented by the chemical formula (1-10) was obtained (yield 74%, the following)1See H-NMR measurement results). Further, this viscous liquid exhibited a glass transition temperature of −68 ° C. and a decomposition start temperature of 349 ° C. In Table 2,1As shown in the H-NMR measurement results, the progress of the reaction was confirmed from the shift of the chemical shift of the proton present at the 2-position of imidazole, and the presence of impurities such as unreacted reagents could not be confirmed.
[0103]
1H-NMR (solvent: DMSO) chemical shift (ppm): 0.84 (t, 3H), 1.20 (m, 2H), 1.70 (m, 2H), 3.80 (s, 3H), 4.11 (t, 2H), 7.67 (s, 1H), 7.73 (s, 1H), 9.11 (s, 1H)
[0104]
(Example 2-1)
2 g of pyridine and 5.6 g of ethyl bromide were stirred for 3 days in an ice bath in 50 ml of dimethylformamide. Next, after removing dimethylformamide by drying under reduced pressure, 10 ml of acetonitrile was added to the reaction product to dissolve it, and this was dropped into 200 ml of diethyl ether which was being stirred. The produced precipitate was collected by filtration and vacuum dried at 60 ° C. for 24 hours to synthesize N-ethylpyridinium bromide.
2 g of N-ethylpyridinium bromide is dissolved in 50 ml of distilled water and passed through a strongly basic ion exchange resin Amberlite IRA-400JCL to form N-ethylpyridinium hydroxide. Mixed in. After stirring for 24 hours, excess water was removed by drying under reduced pressure, and the reaction product was dissolved in 20 ml of acetonitrile. The filtrate was subjected to removal of acetonitrile, drying at 60 ° C. for 24 hours, and the above-mentioned viscous liquid. 2.2 g of sodium ethylpyridinium sulfate represented by the chemical formula (2-1) was obtained (yield 92%). Moreover, this viscous liquid showed glass transition temperature -43 degreeC. In addition,1As a result of H-NMR measurement, the progress of the reaction was confirmed in the same manner as in the above Example, and the presence of impurities such as unreacted reagents could not be confirmed.
[0105]
(Example 2-2)
2 g of N-ethylpyridinium bromide prepared in the above (Example 2-1) was dissolved in 50 ml of distilled water and passed through strongly basic ion exchange resin Amberlite IRA-400JCL to obtain N-ethylpyridinium hydroxide. This was mixed with 1.5 g of potassium hydrogen sulfate in an ice bath. After stirring for 24 hours, excess water was removed by drying under reduced pressure, and the reaction product was dissolved in 20 ml of acetonitrile. The filtrate was subjected to removal of acetonitrile, drying at 60 ° C. for 24 hours, and the above-mentioned viscous liquid. 2.4 g of potassium ethylpyridinium sulfate represented by the chemical formula (2-1) was obtained (yield 95%). Moreover, this viscous liquid showed glass transition temperature -57 degreeC. In addition,1As a result of H-NMR measurement, the progress of the reaction was confirmed in the same manner as in the above Example, and the presence of impurities such as unreacted reagents could not be confirmed.
[0106]
(Example 3-1)
2 g of tetraethylammonium bromide (manufactured by Tokyo Chemical Industry Co., Ltd.) is dissolved in 50 ml of distilled water and passed through strongly basic ion exchange resin Amberlite IRA-400JCL to obtain tetraethylammonium hydroxide, and 1.3 g Sodium hydrogen sulfate was mixed in an ice bath. After stirring for 24 hours, excess water was removed by drying under reduced pressure, and the reaction product was dissolved in 20 ml of acetonitrile. The filtrate was subjected to removal of acetonitrile and drying at 60 ° C. for 24 hours. 1.7 g of sodium tetraethylammonium sulfate represented by the chemical formula (3-1) was obtained (yield 70%). Moreover, this white powder showed melting | fusing point 70 degreeC. In addition,1As a result of H-NMR measurement, the progress of the reaction was confirmed in the same manner as in the above Example, and the presence of impurities such as unreacted reagents could not be confirmed.
[0107]
(Example 3-2)
2 g of tetraethylammonium bromide used in (Example 3-1) was dissolved in 50 ml of distilled water and passed through strongly basic ion exchange resin Amberlite IRA-400JCL to obtain tetraethylammonium hydroxide. .5 g of potassium hydrogen sulfate was mixed in an ice bath. After stirring for 24 hours, excess water was removed by drying under reduced pressure, and the reaction product was dissolved in 20 ml of acetonitrile. The filtrate was subjected to removal of acetonitrile and drying at 60 ° C. for 24 hours. 1.9 g of potassium tetraethylammonium sulfate represented by the chemical formula (3-2) was obtained (yield 74%). Moreover, this white powder showed melting | fusing point 30 degreeC. In addition,1As a result of H-NMR measurement, the progress of the reaction was confirmed in the same manner as in the above Example, and the presence of impurities such as unreacted reagents could not be confirmed.
[0108]
(Example 4-1)
1.0 g of 2-methylpyrroline and 1.0 g of sodium hydrogensulfate were mixed in 50 ml of distilled water while stirring in an ice bath and stirred at room temperature for 24 hours, and then excess water was removed by drying under reduced pressure, and the reaction product was stirred. In 200 ml of diethyl ether. The generated precipitate was collected by filtration and dried at 60 ° C. for 24 hours to obtain 0.9 g of sodium 2-methylpyrrolinium sulfate represented by the above chemical formula (4-1) as a brown powder (yield) 62%). Moreover, this brown powder showed the glass transition temperature to 0 degreeC.
[0109]
(Example 4-2)
1.0 g of 2-methylpyrroline and 1.0 g of potassium hydrogensulfate were mixed in 50 ml of distilled water while stirring in an ice bath and stirred at room temperature for 24 hours. Then, excess water was removed by drying under reduced pressure, and the reaction product was stirred. In 200 ml of diethyl ether. The produced precipitate was collected by filtration and dried at 60 ° C. for 24 hours to obtain 1.0 g of potassium 2-methylpyrrolium sulfate represented by the above chemical formula (4-2) as a brown powder (yield) 65%). Moreover, this brown powder showed the glass transition temperature to 2 degreeC.
[0110]
[Table 1]
Figure 0004239531
[0111]
[Table 2]
Figure 0004239531
[0112]
Next, a two-terminal cell was produced as an electrochemical device using the ionic liquid of the present invention according to the example. Using this two-terminal cell, the electrochemical characteristics of the ionic liquid of the present invention according to Examples were evaluated. Ionic conductivity was measured by the two-terminal AC impedance method. Log σ for ionic conductivity at 30 ° CiIt shows in Table 3 by the value of (S / cm).
[0113]
[Table 3]
Figure 0004239531
[0114]
As is clear from the results in Table 3, the ionicity of Examples (1-0) to (1-10), (2-1), (2-2), (3-1), and (3-2) It can be seen that the compound has high ionic conductivity. Thus, it was confirmed that the ionic compound of this invention which concerns on an Example has ion conductivity sufficient as an electrolyte for electrochemical devices, and ion conducts favorably.
From the above, the lithium primary battery using a non-aqueous electrolyte, lithium secondary battery, lithium ion battery, non-aqueous electric double layer capacitor, etc. When the ionic liquid of the present invention is applied instead of or in addition to the non-aqueous electrolyte, the thermal stability and flame retardancy of the electrochemical device can be greatly improved.
[0115]
As is clear from the above-described ion conductivity measurement results, not only non-aqueous electrochemical devices but also electrochemical devices such as water-based primary batteries, secondary batteries, solar cells, fuel cells, water-based electric double layer capacitors, etc. Needless to say, it can be widely used.
As described above in detail, when the ionic compound according to the present invention is used, an electrolyte having high ionic conductivity, flame retardancy, and high thermal stability can be obtained. Furthermore, if these electrolytes are used, an electrochemical device having excellent electrical characteristics, flame retardancy, and high thermal stability can be obtained.
[0116]
【The invention's effect】
According to the ionic compounds of claims 1 to 4, it is possible to provide an ionic compound having excellent thermal stability while sufficiently obtaining ionic conductivity.
[0117]
According to the electrolyte of the fifth aspect, since the ionic compound according to the present invention is contained, an electrolyte excellent in thermal stability can be provided while sufficiently obtaining ionic conductivity.
[0118]
According to the electrochemical device of the sixth aspect, since the electrolyte is provided, it is possible to provide an electrochemical device excellent in thermal stability while sufficiently obtaining ionic conductivity.

Claims (3)

下記一般式(I)で表わされるイオン性化合物。
Figure 0004239531
[式中、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基またはtert−ブチル基を示す。M 、アルカリ金属イオンを示す。]
An ionic compound represented by the following general formula (I).
Figure 0004239531
[Wherein R 1 , R 2 and R 3 are each independently a hydrogen atom, methyl group, ethyl group, n-propyl group, isopropyl group, n-butyl group, isobutyl group, sec-butyl group or tert. -Represents a butyl group. M 1 + represents a A alkali metal ions. ]
請求項1に記載のイオン性化合物を含有する電解質。An electrolyte containing the ionic compound according to claim 1 . 請求項に記載の電解質を備える電気化学デバイス。An electrochemical device comprising the electrolyte according to claim 2 .
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