JP4237861B2 - Highly monocrystalline zinc oxide thin film and manufacturing method - Google Patents

Highly monocrystalline zinc oxide thin film and manufacturing method Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高単結晶性酸化亜鉛薄膜を有する物品及びその製造方法に関する。
【0002】
本発明の物品が有する酸化亜鉛薄膜は、高単結晶性を有するのみならず、原子価制御法によるキャリアドーピングにより伝導性キャリア(電子)濃度が制御でき、また可視域全域での透明性にも優れるので、有機EL用基板、光透過性が必要なディスプレイのカラーフィルター用基板や太陽電池用の電極などとして特に有用である。さらに紫外〜青色レーザーデバイスやSAWデバイス、薄膜バリスタの製造に応用することにより、素子の高性能化、長寿命化に有用である。また、本発明の製造方法は、基板としてガラスやサファイア(0001)等を用いた場合に比べ、速い成膜速度においても良質な単結晶ZnO薄膜を製造できる方法である。
【0003】
【従来の技術】
可視光線領域で透明でかつ電気伝導性を有するいわゆる透明電極材料は、液晶ディスプレイ、ELディスプレイなどの各種パネル型ディスプレイや太陽電池の透明電極として用いられる。
【0004】
透明電極材料としては、金属酸化物半導体が一般に用いられ、スズをドープした酸化インジウム(ITO)を始めとして、種々提案されている。中でも、パネル型ディスプレイ用の透明電極としてはITOが良く用いられてきた。しかし、近年パネル型ディスプレイの大型化、高精細化が進み、ITOの有する抵抗率では不十分な場合が増えてきている。即ち、大型のディスプレイでは透明電極の端と端との距離が長くなるため、端点間の抵抗を高めてしまう。また、高精細化は電極の幅を狭めるために端点間の抵抗値を高めてしまう。一般に、端点間の抵抗値を低くするためには電極の厚みを大きくすればよい。ところが、ITO電極の場合、厚みを大きくすると黄色に着色し、透明性が損なわれる。ITOでは波長450nm以下の光が間接遷移により吸収される現象があるからである。電極の厚みが小さい場合、これはほとんど気にならない。しかし電極の厚みが大きくなると、人間の目に明らかに認識されるようになる。このため、従来、透明電極材料として実用されているITOでは、透明性と電気伝導性とをともに満足する大型または高精細の透明電極を得ることはできなかった。
このような理由から、可視領域の450nm以下の短波長領域でも透明性があり、かつ導電性の高い材料の開発が課題となっていた。
【0005】
ITOに替わる透明電極材料の候補として酸化亜鉛(以下ZnO)薄膜が挙げられる。ZnOは価電子帯から禁制帯までのエネルギー差(バンドギャップ)が約3.3eVあるII-VI族のn型半導体として知られている。薄膜法(CVD法、スパッタリング法、MBE法、PLD法など)によって作製されたZnO薄膜は可視〜近赤外域まで透明であり、基板種類に依らずc軸に配向した薄膜となることが知られている。単結晶性の高いZnOはc面内の導電性が大きく、さらに酸化インジウムよりも大きなHall移動度を示すことが知られており、透明導電膜として応用する研究が進められてきた。透明導電膜としてZnOを応用するためには、ZnOが酸素欠損型のn型半導体であることを利用してZnOのZn位置にAlやGa、Inなどの3価以上の金属イオンを置換する(原子価制御)ことにより、キャリアである電子をZnO結晶内に導入することによって可能となる。
【0006】
単結晶性の評価には通常、高分解能X線回折が用いられる。θ−2θスキャンにより特定面の配向性を調べ、さらにθ-ロッキングカーブ(ω-スキャン)により基板面に対する配向の傾き具合を調べる。通常はθ-ロッキングカーブ(ω-スキャン)の半価幅(FWHM)が0.3deg.以下であれば単結晶性が高いと言われている。また、基板面内方向の配向性については、極点図測定を行い結晶のモザイク性を調べることで評価される。
【0007】
ZnO薄膜の製造方法として代表的なものに、CVD法、スプレー法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、MBE法、スパッタリング法、ゾルゲル法、噴霧熱分解法などが挙げられる。さらにCVD法としては、熱CVD法、プラズマCVD法、MOCVD法、光CVD法などを挙げることができる。
【0008】
CVD法やスプレー法にような化学的手法は、真空蒸着法やスパッタリング法のような物理的手法に比べて設備は簡単であり、大型基板の作製に適している。さらに、反応促進や特性安定化のために乾燥や焼成の行程を行うときには、300〜500℃の熱処理を必要とするので、ガラス基板上に直接製造する場合には適している。
【0009】
物理的手法は、成膜時の基板温度を、150〜300℃という低温とすることができるため、薄膜をガラス基板上に直接製造する場合だけでなく、各種下地層の上に製造する場合にも適している。なかでもスパッタリング法は生産性が高く、大面積基板にも均一に成膜できるなどの点で優れている。
【0010】
近年、高温超伝導体などの原子層成長に用いられるレーザーアブレーション(PLD)装置の普及により結晶性の高いZnO薄膜が容易に作製できるようになったため、これまで透明導電膜の最高導電率(ITO:10000Scm-1)と同等程度のZnO薄膜(Alドープ)もPLD法によりガラス基板上に作製できるようになった(例えばA. Suzuki, T.Matsushita, N.Wada, Y.Sakamoto and M.Okuda, JJAP, 35, L56-L59 (1996).)。
【0011】
ZnO薄膜の電気伝導キャリアの散乱因子は主として粒界であると言われており、そのため粒界のない単結晶のHall移動度は200cm2/Vsにも達する。従来、単結晶性ZnO薄膜の作製方法としてはMOCVD法やPLD法により、サファイア(0001)基板上に成膜する手法が一般的に用いられている。また上記手法によりサファイア基板上に成膜した単結晶ZnO薄膜は室温で紫外レーザー発振することが報告されている。ZnO薄膜をサファイア(0001)基板上に堆積した場合、ZnOも(0001)方位に成長する。この場合、サファイア(0001)とZnO(0001)の格子不整が約18%と大きいことから、1対1のエピタキシャル成長ではなく、ハイヤーオーダーエピタキシーと呼ばれる高次成長モードでエピタキシャル成長することが知られている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところが上記従来技術は、次のような問題点を有している。
サファイア(0001)をZnO薄膜の成膜基板として用いた場合には、ZnOとサファイアの大きな格子不整のために、基板−膜界面での格子の乱れが生成しやすく、単結晶性を向上させるためには成膜速度を非常に遅くする必要があり、成膜速度を速くすることができないという製造上の問題があった。ZnOと格子不整の小さい半導体材料としてGaN(0001)/Si(111)やCaF2(111)/Si(111)が既に報告されているが、これらの基板はいずれもSi上に形成しているため大量生産には不向きであり、またSiが透明ではないため透明なデバイスとしての応用ができないという問題があった。
【0013】
そこで本発明の目的は、基板を含めた450〜800nmにおける可視光線透過率に優れ、単結晶性が高い酸化亜鉛薄膜を有する物品を提供することにある。
さらに本発明の目的は、450〜800nmにおける可視光線透過率に優れた基板を用い、従来法に比べ高速で単結晶性が高い酸化亜鉛薄膜を有する物品を作製できる方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)薄膜を少なくとも一方の面の少なくとも一部に有する基板の前記YSZ薄膜の少なくとも一部の上に高単結晶性酸化亜鉛薄膜を有することを特徴とする物品に関する。さらに本発明は、 YSZ(イットリア安定化ジルコニア)薄膜を少なくとも一方の面の少なくとも一部に有する基板の前記YSZ薄膜の少なくとも一部の上に、酸化亜鉛焼結体をターゲットとして用いる薄膜法により、高単結晶性酸化亜鉛薄膜を形成することを含む高単結晶性酸化亜鉛薄膜を有する物品の製造方法に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】
第1の態様は、イットリア安定化ジルコニア(以下、YSZと略記する)基板の少なくとも一方の面の少なくとも一部に高単結晶性酸化亜鉛薄膜を有する物品である。第2の態様(本発明(物品))は、YSZ薄膜を少なくとも一方の面の少なくとも一部に有する基板の前記YSZ薄膜の少なくとも一部の上に高単結晶性酸化亜鉛薄膜を有する物品である。
【0016】
基板
本発明者らは、可視〜近赤外域で透明で、大気中で安定な材料を探索したところ、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)が可視〜近赤外域まで透明な材料であることを見いだした。YSZ単結晶は単結晶育成法により液相法により製造されるため欠陥密度が低く、高強度であることから単結晶ZnO薄膜の成膜基板として適している。また、YSZ薄膜は、スパッタリング法やレーザーアブレーション法により、ガラス、単結晶、プラスチック等の基板上に成膜することができる。
【0017】
純粋な酸化ジルコニウム(ジルコニア)は、室温での結晶系は単斜晶であり、高温ではより対称性の高い立方晶が安定となる。高温での酸化ジルコニウムの結晶構造(立方晶)は、蛍石(CaF2)型であり、酸化イットリウム(イットリア)や酸化カルシウム(カルシア)をドープすることで室温でも立方晶が安定となる。そこで、酸化イットリウム(イットリア)を添加し、室温でも安定な蛍石(CaF2)型を有するイットリア安定化ジルコニア(YSZ)が用いられている。
【0018】
特に、本発明における基板及び薄膜としては、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)は、(111)面であることがサファイア(0001)と比較してZnOとの格子整合性が良いので好ましい。但し、SAWデバイス用の場合には、YSZ(110)を用いることで高単結晶性酸化亜鉛薄膜を(110)に配向させることができる。また、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)におけるイットリアの含有量は、0を越え20wt%以下の範囲とすることが適当である。また、YSZは、イットリウム以外の元素(例えば、カルシウム、マグネシウム(いずれの元素もジルコニアを立方晶に安定化させることが出来る))等を基板及び薄膜が着色しない程度(例えば、450〜800nmにおける可視光線透過率が例えば、80%以上に保たれる程度)に含んでも構わない。特に、本発明の物品を電極として使用する場合、基板は可視光領域において透明性の高い基板を用いることが適当である。
【0019】
第1の態様で用いるYSZ基板(YSZのバルク)及び第2の態様で用いるYSZ薄膜は、いずれも、光学研磨されていて、傾斜角が10%以下のものであることが好ましい。また、大気中で1000〜1500℃の熱エッチングまたは化学エッチングなどの手法により原子オーダーで平坦化したYSZ基板を用いると、その上に設ける酸化亜鉛薄膜の単結晶性を高め、結晶粒径を大きくすることができるという利点上がある。
【0020】
YSZ薄膜を形成する基板の材料としては、サファイアを用いる。 450〜800nmにおける可視光線透過率に優れたもの(具体的には、450〜800nmにおける可視光線の平均透過率が95%以上であるもの)が好ましい。YSZ薄膜は、この基板上に形成することができる。但し、YSZ(111)面を形成できる方法及び条件を選択することが好ましい。また、YSZ薄膜の膜厚には特に制限はないが、例えば、10〜200nmの範囲とすることが適当である。YSZ薄膜を形成する基板として、サファイア基板を用いることは以下の点で好ましい。即ち、サファイア基板上にレーザーアブレーション法により形成された単結晶性の高いYSZ薄膜を用いることで、酸化亜鉛薄膜の単結晶性を高め、結晶粒径を大きくする上で有効である。
【0021】
高単結晶性酸化亜鉛薄膜
本発明において、高単結晶性酸化亜鉛薄膜とは、単結晶性の高い酸化亜鉛薄膜の意味である。薄膜の単結晶性の評価は、高分解能X線回折を用い、θ−2θスキャンにより特定面の配向性を調べ、さらにθ-ロッキングカーブ(ω-スキャン)により基板面に対する配向の傾き具合を調べることで行うことができる。本発明において「高単結晶性」とは、θ-ロッキングカーブ(ω-スキャン)の半価幅(FWHM)が0.3deg.以下、好ましくは0.2deg.以下、より好ましくは0.1deg.以下である。単結晶性が高ければ高いほど、可視光透過率が大きく、Hall移動度が大きいという利点がある。
第1の態様の物品の場合、高単結晶性酸化亜鉛薄膜は、YSZ基板の少なくとも一方の面の少なくとも一部に設けられるが、第1の態様の物品は、具体的には、YSZ基板の一方の面の一部または全部に高単結晶性酸化亜鉛薄膜を設けたものであることができる。また第2の態様の物品の場合、高単結晶性酸化亜鉛薄膜は、YSZ薄膜を少なくとも一方の面の少なくとも一部に有する基板の前記YSZ薄膜の少なくとも一部の上に設けられるが、第2の態様の物品は、具体的には、YSZ薄膜を一方の面の一部または全部に有する基板の前記YSZ薄膜の一部または全部の上に高単結晶性酸化亜鉛薄膜を設けたものであることができる。
また、高単結晶性酸化亜鉛薄膜の膜厚には特に制限はないが、可視光域の透過率が80%以上であることが適当であること等を考慮して、例えば、200nm〜3μmの範囲とすることができる。
【0022】
本発明の高単結晶性酸化亜鉛薄膜は、Al、Ga、In、Y、Si、Ti、Zr、Hf、Ge、B、及びFからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素をさらに含むことができる。これらの元素は、高単結晶性酸化亜鉛薄膜の伝導性キャリア(電子)濃度を高め、あるいは高導電性、赤外域の光吸収性(プラズマ吸収)等の物性を付与することができる。これらの元素の含有量は、薄膜に必要とされるキャリア電子の量、あるいは可視光域の透過率等を考慮して適宜決定できるが、例えば、0〜10重量%の範囲である。
高単結晶性酸化亜鉛薄膜は、キャリア電子の量が1×1010/cm3〜1×1022/cm3の範囲であることが、良好な導電性を得るという観点から適当である。より高い導電性という観点からは、キャリア電子の量は1×1017/cm3〜1×1022/cm3の範囲であることが好ましい。伝導性キャリア(電子)濃度は、上記のように、原子価制御法によるキャリアドーピングによりが制御できる。
【0023】
また本発明の高単結晶性酸化亜鉛薄膜はLi、Na及びKからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素をさらに含むこともできる。これらの元素は、高単結晶性酸化亜鉛薄膜の伝導性キャリア(電子)濃度を低下させ、圧電性等の物性を付与することができる。これらの元素の含有量は、固溶範囲等を考慮して適宜決定できるが、例えば、0〜10重量%の範囲である。
【0024】
本発明の高単結晶性酸化亜鉛薄膜を有する物品は、可視域全域での透明性にも優れるので、有機EL用基板、光透過性が必要なディスプレイのカラーフィルター用基板や太陽電池用の電極などとして有用である。さらに紫外〜青色レーザーデバイスやSAWデバイス、薄膜バリスタの製造に応用することにより、素子の高性能化、長寿命化に有用である。
本発明は、本発明の高単結晶性酸化亜鉛薄膜を有する物品の高単結晶性酸化亜鉛薄膜上にすだれ状電極を形成したことを特徴とする弾性表面波(SAW)フィルタを包含する。「すだれ状電極」とは、SAWデバイスの入出力電極を指す。すだれ状電極に電気信号が印加されると、圧電効果によって電極間に周期的な機械的歪みが生じ、表面波が励起される。また、すだれ状電極は、蒸着、スパッタリング等の方法により形成することができる。
【0025】
製造方法
本発明の高単結晶性酸化亜鉛薄膜を有する物品の製造方法は、YSZ基板の少なくとも一方の面の少なくとも一部に、またはYSZ薄膜を少なくとも一方の面の少なくとも一部に有する基板の前記YSZ薄膜の少なくとも一部の上に、酸化亜鉛焼結体をターゲットとして用いる薄膜法により、高単結晶性酸化亜鉛薄膜を形成することを含む。この方法により、前記本発明の高結晶性酸化亜鉛薄膜を有する物品を製造することができる。
本発明の製造方法に使用する、YSZ基板及びYSZ薄膜を有する基板は、前記本発明の物品で説明したものと同様のものを使用できる。
本発明の製造方法では、酸化亜鉛焼結体をターゲットとして用いる薄膜法により、高単結晶性酸化亜鉛薄膜を形成する。酸化亜鉛焼結体は、常法により得られるものをそのまま使用できるが、例えば、平均粒子径1μmの酸化亜鉛粉末を、196Mpaの圧力でCIP成形してディスク状にした後、大気中1000℃、6時間焼結したものであることができる。本発明の製造方法では、形成される酸化亜鉛薄膜の単結晶性が、ターゲットの密度により変化することは殆どない。但し、薄膜法としてレーザーアブレーション法を用いる場合、レーザーパルス照射によるターゲットのダメージを考慮すると、ターゲットとして用いる酸化亜鉛焼結体は、相対密度が60%以上、好ましくは90%以上であることが適当である。
【0026】
また酸化亜鉛焼結体にAl、Ga、In、Y、Si、Ti、Zr、Hf、Ge、B、及びFからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素をさらに含ませることができ、このようなターゲットを用いることで高単結晶性酸化亜鉛薄膜にこれらの元素を添加することができる。また、酸化亜鉛焼結体にはLi、Na及びKからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素をさらに含ませることもでき、上記と同様に、このようなターゲットを用いることで高単結晶性酸化亜鉛薄膜にこれらの元素を添加することができる。
これらの元素を含有するターゲットとしては、例えば、酸化亜鉛にこれらの元素の酸化物等を所定量混合し、成形し、焼結したものを用いることができる。
【0027】
また、薄膜法として、CVD法、スプレー法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、MBE法、スパッタリング法、ゾルゲル法、噴霧熱分解法などが挙げられる。さらにCVD法としては、熱CVD法、プラズマCVD法、MOCVD法、光CVD法などを挙げることができる。但し、組成のずれが起きにくく、高酸素圧(例えば、100Pa)から低酸素圧(10-5Pa)まで成膜でき、不純物が少ないという観点から、薄膜法としてレーザーアブレーション法を用いることが好ましい。
【0028】
レーザーアブレーション法
レーザーアブレーション法とは、レーザー光によるアブレーション過程を経て薄膜を合成する手法であり、近年、スパッタリング法に代わる手法として注目されつつある。アブレーションとは強力な光のエネルギーを照射された物体の表面で急激な発熱と光化学反応の両方が起き、成分が爆発的に気化する現象である。レーザーアブレーションによる成膜の特徴としては
(1)高融点薄膜の合成が容易
(2)原料加熱源が不要な清浄雰囲気下での成膜が可能
(3)成膜室内のガス分圧のバリエーションが広い
(4)ターゲットと膜の組成ずれが小さい
(5)膜組成をデジタル的に制御できる
等が挙げられる。
【0029】
本発明者らは、YSZ基板(特にYSZ(111)基板)上にレーザーアブレーション法により酸化亜鉛薄膜を試作した。その結果、酸化亜鉛薄膜の単結晶性の評価手段の一つである、X線回折のθロッキングカーブの半値幅が0.1deg.以下と非常に狭く、同一成膜条件下でサファイア(0001)面上に試作した酸化亜鉛薄膜よりも高い単結晶性を有する酸化亜鉛薄膜を製造することができた。さらに、YSZ基板(特にYSZ(111)基板)上にレーザーアブレーション法により作製された薄膜は、単結晶性が高いためにHall移動度が大きく、基板を含めた450〜800nmにおける可視光線透過率も高いものである。
【0030】
基板とZnO(0001)面の格子マッチングの違いから、サファイア(0001)面を用いた場合に比べてYSZ基板(特にYSZ(111)基板)を用いた場合のほうが成膜速度を速くしても単結晶性の高いZnO薄膜を作製できると考えられる。またレーザーアブレーション法では限られた表面を瞬時に気化し、原子状態まで分解するため単結晶性の高い薄膜の作製に好ましいものと考えられる。
【0031】
レーザーアブレーションの酸素雰囲気
本発明の製造方法では、レーザーアブレーション法による高単結晶性酸化亜鉛薄膜の形成を酸素雰囲気中で行うことが、結晶性と透明性に優れた薄膜を形成することができるという観点から適当である。雰囲気中の酸素分圧は、例えば、1×10-6〜100Paの範囲、好ましくは1×10-3〜1Paの範囲とすることが適当である。
【0032】
レーザーアブレーションの照射エネルギー
本発明の製造方法のレーザーアブレーション法に用いるレーザーとしては、紫外域から赤外域のいずれの波長、すなわち0.19〜11mm、望ましくは0.19〜0.3mmが可能であり、連続発振又はパルス発振のいずれの方式を採用することができる。レーザー照射時のレーザー強度は、0.0001〜1000J/cm2/pulse、望ましくは0.1〜10J/cm2/pulseである。基板温度は0〜1000℃、望ましくは25〜800℃であることが適当である。
【0033】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではなく、適宜変更して実施することが可能なものである。
【0034】
参考例 1
ZnO粉末(高純度化学研究所(株)製、純度99.99%)を一軸加圧成形によって直径25mmの円盤状に成形し、大気中1100℃で6時間焼成して酸化亜鉛焼結体を得た。得られた焼結体表面を#800のダイヤモンド研磨板を用いて研磨し、平滑表面としてレーザーアブレーション用ターゲットとした。
【0035】
レーザーアブレーション用ターゲットをターゲットホルダー(インコネル製)に、YSZ(111)基板を基板ホルダーにそれぞれ装着し、チャンバー内部に導入した後、減圧ポンプを用いて所定真空度になるまで装置内部を排気した。次に成膜後の膜の均一性を高めるためにターゲットホルダー及び基板ホルダーを回転させた。成膜時の基板温度は600℃とした。成膜後の膜の結晶性を向上させる目的で酸素ガス(0.001Pa)を導入し、酸素圧を高めた。この条件でエキシマレーザーパルス(10Hz, 1J/cm2/pulse)を照射して30分間成膜し、酸化亜鉛薄膜を作製した。
得られた酸化亜鉛薄膜の膜厚を触針式段差膜厚計によって測定したところ、約40nmであったことから、成膜速度は0.2オングストローム/秒程度であることが分かった。さらに、XRDによって結晶性を調べたところ、(002)面の回折ピークが観察され、配向膜となっていることが確かめられた。またXRDのθロッキングカーブ測定を行い、薄膜の単結晶性を評価したところ、半値幅が約0.1deg.であったことから、極めて単結晶性が高いZnO薄膜であることが分かった。上記薄膜の導電性を四探針法により、またホール効果をファン・デル・パウ法によりそれぞれ測定した結果、Hall移動度は52cm2/Vs、キャリア濃度0.89×1018cm-3であり、導電率は7.4S/cmであった。
【0036】
参考例 2
参考例1記載の方法でレーザーアブレーション用ターゲットを作製した。レーザーアブレーション用ターゲットをターゲットホルダー(インコネル製)に、YSZ(111)基板を基板ホルダーにそれぞれ装着し、チャンバー内部に導入した後、減圧ポンプを用いて所定真空度になるまで装置内部を排気した。次に成膜後の膜の均一性を高めるためにターゲットホルダー及び基板ホルダーを回転させた。成膜時の基板温度は600℃とした。成膜後の膜の結晶性を向上させる目的で酸素ガス(0.001Pa)を導入し、酸素圧を高めた。この条件でエキシマレーザーパルス(10Hz, 0.5J/cm2/pulse)を照射して30分間成膜し、酸化亜鉛薄膜を作製した。得られた酸化亜鉛薄膜の膜厚を触針式段差膜厚計を用いて測定したところ、約30nmであったことから、成膜速度は0.17オングストローム/秒程度であることが分かった。さらに、XRDによって結晶性を調べたところ、(002)面の回折ピークが観察され、配向膜となっていることが確かめられた。またXRDのθロッキングカーブ測定を行い、薄膜の単結晶性を評価したところ、半値幅が約0.1deg.以下であったことから、極めて単結晶性が高いZnO薄膜であることが分かった。上記薄膜の導電性を四探針法により、またホール効果をファン・デル・パウ法によりそれぞれ測定した結果、Hall移動度は75cm2/Vs、キャリア濃度0.98×1018cm-3であり、導電率は11.8S/cmであった。
【0037】
参考例 3
参考例1記載の方法でレーザーアブレーション用ターゲットを作製した。レーザーアブレーション用ターゲットをターゲットホルダー(インコネル製)に、YSZ(111)基板を基板ホルダーにそれぞれ装着し、チャンバー内部に導入した後、減圧ポンプを用いて所定真空度になるまで装置内部を排気した。次に成膜後の膜の均一性を高めるためにターゲットホルダー及び基板ホルダーを回転させた。成膜時の基板温度は600℃とした。成膜後の膜の結晶性を向上させる目的で酸素ガス(0.001Pa)を導入し、酸素圧を高めた。この条件でエキシマレーザーパルス(1Hz, 0.5J/cm2/pulse)を照射して300分間成膜し、酸化亜鉛薄膜を作製した。得られた酸化亜鉛薄膜の膜厚を触針式段差膜厚計を用いて測定したところ、約30nmであったことから、成膜速度は0.017オングストローム/秒程度であることが分かった。さらに、XRDによって結晶性を調べたところ、(002)面の回折ピークが観察され、配向膜となっていることが確かめられた。またXRDのθロッキングカーブ測定を行い、薄膜の単結晶性を評価したところ、半値幅が約0.1deg.以下であったことから、極めて単結晶性が高いZnO薄膜であることが分かった。上記薄膜の導電性を四探針法により、またホール効果をファン・デル・パウ法によりそれぞれ測定した結果、Hall移動度は131cm2/Vs、キャリア濃度0.83×1018cm-3であり、導電率は28S/cmであった。
【0038】
【表1】

Figure 0004237861
【0039】
参考例 4
(Alドープによる低抵抗化)ZnO粉末(高純度化学研究所(株)製、純度99.99%)及びAl2O3(高純度化学研究所(株)製、純度99.99%)粉末を重量比98:2となるように秤量、混合した後、一軸加圧成形によって直径25mmの円盤状に成形し、大気中1500℃で6時間焼成して酸化亜鉛焼結体を得た。得られた焼結体表面を#800のダイヤモンド研磨板を用いて研磨し、平滑表面としてレーザーアブレーション用ターゲットとした。レーザーアブレーション用ターゲットをターゲットホルダー(インコネル製)に、YSZ(111)基板を基板ホルダーにそれぞれ装着し、チャンバー内部に導入した後、減圧ポンプを用いて所定真空度になるまで装置内部を排気した。次に成膜後の膜の均一性を高めるためにターゲットホルダー及び基板ホルダーを回転させた。成膜時の基板温度は600℃とした。成膜後の膜の結晶性を向上させる目的で酸素ガス(0.001Pa)を導入し、酸素圧を高めた。この条件でエキシマレーザーパルス(10Hz, 3J/cm2/pulse)を照射して15分間成膜し、酸化亜鉛薄膜を作製した。得られた酸化亜鉛薄膜の膜厚を触針式段差膜厚計を用いて測定したところ、約200nmであった。さらに、XRDによって結晶性を調べたところ、(002)面の回折ピークが観察され、配向膜となっていることが確かめられた。またXRDのθロッキングカーブ測定を行い、薄膜の単結晶性を評価したところ、半値幅が約0.05deg.であったことから、極めて単結晶性が高いZnO薄膜であることが分かった。上記薄膜の導電性を四探針法により、またホール効果をファン・デル・パウ法によりそれぞれ測定した結果、Hall移動度は30cm2/Vs、キャリア濃度1×1021cm-3であり、導電率は4800S/cmであった。尚、アルミの含有量は、キャリア濃度とほぼ等しい約1×1021cm-3であった。
【0040】
参考例 5
(Li添加による高抵抗化(SAWデバイス用途))2atmic%のLiを添加したZnO粉末を一軸加圧成形によって直径25mmの円盤状に成形し、大気中1100℃で6時間焼成して酸化亜鉛焼結体を得た。得られた焼結体表面を#800のダイヤモンド研磨板を用いて研磨し、平滑表面としてレーザーアブレーション用ターゲットとした。レーザーアブレーション用ターゲットをターゲットホルダー(インコネル製)に、YSZ(111)基板を基板ホルダーにそれぞれ装着し、チャンバー内部に導入した後、減圧ポンプを用いて所定真空度になるまで装置内部を排気した。次に成膜後の膜の均一性を高めるためにターゲットホルダー及び基板ホルダーを回転させた。成膜時の基板温度は600℃とした。成膜後の膜の結晶性を向上させる目的で酸素ガス(0.001Pa)を導入し、酸素圧を高めた。この条件でエキシマレーザーパルス(10Hz, 3J/cm2/pulse)を照射して15分間成膜し、酸化亜鉛薄膜を作製した。得られた酸化亜鉛薄膜の膜厚を触針式段差膜厚計を用いて測定したところ、約200nmであった。さらに、XRDによって結晶性を調べたところ、(002)面の回折ピークが観察され、配向膜となっていることが確かめられた。またXRDのθロッキングカーブ測定を行い、薄膜の単結晶性を評価したところ、半値幅が約0.03deg.であったことから、極めて単結晶性が高いZnO薄膜であることが分かった。上記薄膜は非常に絶縁性が高く、導電率の測定はできなかった。
【0041】
実施例 6
(ZnO/YSZ薄膜/サファイア)
参考例1記載の方法でレーザーアブレーション用酸化亜鉛ターゲットを作製した。またYSZターゲットについては、Y2O3を10wt%含むZrO2粉末を一軸加圧成形によって直径25mmの円盤状に成形し、大気中1600℃で2時間焼成して酸化亜鉛焼結体を得た。得られた焼結体表面を#800のダイヤモンド研磨板を用いて研磨し、平滑表面としてレーザーアブレーション用ターゲットとした。レーザーアブレーション用ターゲットをターゲットホルダー(インコネル製)に、サファイア(0001)基板を基板ホルダーにそれぞれ装着し、チャンバー内部に導入した後、減圧ポンプを用いて所定真空度になるまで装置内部を排気した。次に成膜後の膜の均一性を高めるためにターゲットホルダー及び基板ホルダーを回転させた。成膜時の基板温度は800℃とした。成膜後の膜の結晶性を向上させる目的で酸素ガス(0.001Pa)を導入し、酸素圧を高めた。この条件でまずYSZターゲット上にエキシマレーザーパルス(1Hz, 1J/cm2/pulse)を照射して5分間成膜し、YSZ(111)薄膜を作製した。次に同様にして酸化亜鉛ターゲット上にエキシマレーザーパルス(10Hz, 1J/cm2/pulse)を照射して15分間成膜し、酸化亜鉛薄膜を作製した。得られた酸化亜鉛薄膜の膜厚を触針式段差膜厚計を用いて測定したところ、約150nmであった。また、YSZ(111)薄膜の厚みは約50nmであった。さらに、XRDによって結晶性を調べたところ、(002)面の回折ピークが観察され、配向膜となっていることが確かめられた。またXRDのθロッキングカーブ測定を行い、薄膜の単結晶性を評価したところ、半値幅が約0.05deg.であったことから、極めて単結晶性が高いZnO薄膜であることが分かった。上記薄膜の導電性を四探針法により、またホール効果をファン・デル・パウ法によりそれぞれ測定した結果、Hall移動度は120cm2/Vs、キャリア濃度1×1018cm-3であり、導電率は19S/cmであった。
【0042】
比較例 1
参考例1記載の方法でレーザーアブレーション用ターゲットを作製した。レーザーアブレーション用ターゲットをターゲットホルダー(インコネル製)に、サファイア(0001)基板を基板ホルダーにそれぞれ装着し、チャンバー内部に導入した後、減圧ポンプを用いて所定真空度になるまで装置内部を排気した。なお用いたサファイア(0001)基板は大気中において1500℃、1時間のアニールを施し、原子オーダーの平坦表面化を施したものである。次に成膜後の膜の均一性を高めるためにターゲットホルダー及び基板ホルダーを回転させた。成膜時の基板温度は600℃とした。成膜後の膜の結晶性を向上させる目的で酸素ガス(0.001Pa)を導入し、酸素圧を高めた。この条件でエキシマレーザーパルス(10Hz, 1J/cm2/pulse)を照射して30分間成膜し、酸化亜鉛薄膜を作製した。得られた酸化亜鉛薄膜の膜厚を触針式段差膜厚計を用いて測定したところ、約40nmであったことから、成膜速度は0.2オングストローム/秒程度であることが分かった。さらに、XRDによって結晶性を調べたところ、(002)面の回折ピークが観察され、配向膜となっていることが確かめられた。またXRDのθロッキングカーブ測定を行い、薄膜の単結晶性を評価したところ、半値幅が約0.5deg.であったことから、同一成膜条件でYSZ基板を用いた場合(参考例1)と比較して単結晶性が乏しいZnO薄膜であることが分かった。上記薄膜の導電性を四探針法により、またホール効果をファン・デル・パウ法によりそれぞれ測定した結果、Hall移動度は11cm2/Vs、キャリア濃度1.1×1018cm-3であり、導電率は2.2S/cmであった。
【0043】
比較例 2
参考例1記載の方法でレーザーアブレーション用ターゲットを作製した。レーザーアブレーション用ターゲットをターゲットホルダー(インコネル製)に、サファイア(0001)基板を基板ホルダーにそれぞれ装着し、チャンバー内部に導入した後、減圧ポンプを用いて所定真空度になるまで装置内部を排気した。なお用いたサファイア(0001)基板は大気中において1500℃、1時間のアニールを施し、原子オーダーの平坦表面化を施したものである。次に成膜後の膜の均一性を高めるためにターゲットホルダー及び基板ホルダーを回転させた。成膜時の基板温度は600℃とした。成膜後の膜の結晶性を向上させる目的で酸素ガス(0.001Pa)を導入し、酸素圧を高めた。この条件でエキシマレーザーパルス(10Hz, 0.5J/cm2/pulse)を照射して30分間成膜し、酸化亜鉛薄膜を作製した。得られた酸化亜鉛薄膜の膜厚を触針式段差膜厚計を用いて測定したところ、約30nmであったことから、成膜速度は0.17オングストローム/秒程度であることが分かった。さらに、XRDによって結晶性を調べたところ、(002)面の回折ピークが観察され、配向膜となっていることが確かめられた。またXRDのθロッキングカーブ測定を行い、薄膜の単結晶性を評価したところ、半値幅が約0.2deg.であったことから、同一成膜条件でYSZ基板を用いた場合(参考例2)と比較して単結晶性が乏しいZnO薄膜であることが分かった。上記薄膜の導電性を四探針法により、またホール効果をファン・デル・パウ法によりそれぞれ測定した結果、Hall移動度は15cm2/Vs、キャリア濃度1.1×1018cm-3であり、導電率は2.6S/cmであった。
【0044】
比較例 3
参考例1記載の方法でレーザーアブレーション用ターゲットを作製した。レーザーアブレーション用ターゲットをターゲットホルダー(インコネル製)に、サファイア(0001)基板を基板ホルダーにそれぞれ装着し、チャンバー内部に導入した後、減圧ポンプを用いて所定真空度になるまで装置内部を排気した。なお用いたサファイア(0001)基板は大気中において1500℃、1時間のアニールを施し、原子オーダーの平坦表面化を施したものである。次に成膜後の膜の均一性を高めるためにターゲットホルダー及び基板ホルダーを回転させた。成膜時の基板温度は600℃とした。成膜後の膜の結晶性を向上させる目的で酸素ガス(0.001Pa)を導入し、酸素圧を高めた。この条件でエキシマレーザーパルス(1Hz, 0.5J/cm2/pulse)を照射して300分間成膜し、酸化亜鉛薄膜を作製した。得られた酸化亜鉛薄膜の膜厚を触針式段差膜厚計によって測定したところ、約30nmであったことから、成膜速度は0.017オングストローム/秒程度であることが分かった。さらに、XRDによって結晶性を調べたところ、(002)面の回折ピークが観察され、配向膜となっていることが確かめられた。またXRDのθロッキングカーブ測定を行い、薄膜の単結晶性を評価したところ、半値幅が0.1deg.であったことから、同一成膜条件でYSZ基板を用いた場合(参考例3)と比較して単結晶性が乏しいZnO薄膜であることが分かった。上記薄膜の導電性を四探針法により、またホール効果をファン・デル・パウ法によりそれぞれ測定した結果、Hall移動度は50cm2/Vs、キャリア濃度0.99×1018cm-3であり、導電率は7.9S/cmであった。
【0045】
【表2】
Figure 0004237861
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、YSZ基板又はYSZ薄膜(特にYSZ(111)基板又は薄膜)を用いることで、サファイア(0001)基板を用いた場合と同等またはそれ以上の高い単結晶性を有する酸化亜鉛薄膜を有る物品を提供することができる。さらに、この物品は、基板を含めた450〜800nmにおける可視光線透過率に優れたものでもある。本発明の高単結晶性酸化亜鉛薄膜を有する物品は、例えば、光透過性が必要なディスプレイや太陽電池用の電極として用いると、素子の長寿命化に大きな効果が期待できる。また高単結晶性を活かして紫外レーザーデバイスやSAWデバイス、薄膜バリスターとして用いると、素子の高性能化に大きな効果が期待できる。
また、本発明の製造方法によれば、ZnO(0001)面の格子マッチングの違いから、サファイア(0001)面を用いた場合に比べてYSZ基板又はYSZ薄膜(特にYSZ(111)基板又は薄膜)を用いることで、成膜速度を速くしても単結晶性の高いZnO薄膜を作製することができる。即ち、成膜速度を速くしても高い単結晶性が維持できるため製造が容易であり、本発明によれば、Hall移動度が高く、かつ基板を含めた450〜800nmにおける可視光線透過率に優れた酸化亜鉛薄膜を有する物品を高い生産性で製造することができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an article having a highly monocrystalline zinc oxide thin film and a method for producing the same.
[0002]
The zinc oxide thin film of the article of the present invention not only has high single crystallinity, but also can control the concentration of conductive carriers (electrons) by carrier doping by the valence control method, and also has transparency over the entire visible range. Since it is excellent, it is particularly useful as an organic EL substrate, a color filter substrate for a display that requires light transmission, and an electrode for a solar cell. Furthermore, it is useful for improving the performance and extending the life of elements by applying it to the manufacture of ultraviolet to blue laser devices, SAW devices, and thin film varistors. In addition, the manufacturing method of the present invention is a method capable of manufacturing a high-quality single crystal ZnO thin film even at a higher film forming rate than when glass, sapphire (0001), or the like is used as a substrate.
[0003]
[Prior art]
A transparent electrode material that is transparent in the visible light region and has electrical conductivity is used as a transparent electrode for various panel displays such as liquid crystal displays and EL displays, and solar cells.
[0004]
As the transparent electrode material, a metal oxide semiconductor is generally used, and various proposals have been made including indium oxide (ITO) doped with tin. Among them, ITO has been often used as a transparent electrode for panel type displays. However, in recent years, panel-type displays have been increased in size and definition, and the resistivity of ITO is insufficient. That is, in a large display, since the distance between the ends of the transparent electrode is increased, the resistance between the end points is increased. In addition, high definition increases the resistance value between the end points in order to narrow the width of the electrode. In general, the thickness of the electrode may be increased in order to reduce the resistance value between the end points. However, in the case of an ITO electrode, when the thickness is increased, it is colored yellow and the transparency is impaired. This is because ITO has a phenomenon in which light having a wavelength of 450 nm or less is absorbed by indirect transition. This is hardly an issue when the electrode thickness is small. However, as the thickness of the electrode increases, it is clearly recognized by the human eye. For this reason, conventionally, ITO that has been practically used as a transparent electrode material has not been able to obtain a large-sized or high-definition transparent electrode that satisfies both transparency and electrical conductivity.
For these reasons, it has been a challenge to develop materials that are transparent and have high conductivity even in the short wavelength region of 450 nm or less in the visible region.
[0005]
A candidate for a transparent electrode material replacing ITO is a zinc oxide (hereinafter ZnO) thin film. ZnO is known as an II-VI group n-type semiconductor with an energy difference (band gap) from the valence band to the forbidden band of about 3.3 eV. ZnO thin films produced by thin film methods (CVD, sputtering, MBE, PLD, etc.) are transparent from the visible to the near infrared region, and are known to be thin films oriented in the c-axis regardless of the substrate type. ing. ZnO, which has high single crystallinity, has a large conductivity in the c-plane and is known to exhibit a Hall mobility larger than that of indium oxide, and research on application as a transparent conductive film has been advanced. In order to apply ZnO as a transparent conductive film, trivalent or higher metal ions such as Al, Ga, and In are substituted at the Zn position of ZnO by utilizing the fact that ZnO is an oxygen-deficient n-type semiconductor ( By controlling the valence, it becomes possible by introducing electrons as carriers into the ZnO crystal.
[0006]
High resolution X-ray diffraction is usually used for evaluation of single crystallinity. The orientation of the specific surface is examined by θ-2θ scan, and the inclination of the orientation with respect to the substrate surface is examined by a θ-rocking curve (ω-scan). Usually, it is said that single crystallinity is high when the half width (FWHM) of the θ-rocking curve (ω-scan) is 0.3 deg. Or less. The orientation in the in-plane direction of the substrate is evaluated by measuring the pole figure and examining the mosaic property of the crystal.
[0007]
Typical methods for producing a ZnO thin film include CVD, spraying, vacuum deposition, ion plating, MBE, sputtering, sol-gel, and spray pyrolysis. Further, examples of the CVD method include a thermal CVD method, a plasma CVD method, an MOCVD method, and a photo CVD method.
[0008]
Chemical methods such as CVD and spraying have simpler equipment than physical methods such as vacuum deposition and sputtering, and are suitable for manufacturing large substrates. Furthermore, when performing a drying or firing process for promoting the reaction or stabilizing the characteristics, a heat treatment at 300 to 500 ° C. is required, which is suitable for direct production on a glass substrate.
[0009]
The physical method allows the substrate temperature during film formation to be as low as 150 to 300 ° C. Therefore, not only when manufacturing a thin film directly on a glass substrate, but also when manufacturing on various underlayers Is also suitable. Among these, the sputtering method is excellent in that it has high productivity and can form a film even on a large area substrate.
[0010]
In recent years, with the widespread use of laser ablation (PLD) equipment used for atomic layer growth such as high-temperature superconductors, it has become possible to easily produce highly crystalline ZnO thin films. : 10000Scm-1ZnO thin film (Al-doped) equivalent to that of Al.) Can be fabricated on a glass substrate by the PLD method (for example, A. Suzuki, T. Matsushita, N. Wada, Y. Sakamoto and M. Okuda, JJAP, 35 , L56-L59 (1996).).
[0011]
It is said that the scattering factor of electrically conductive carriers in ZnO thin films is mainly grain boundaries, so the single-crystal Hall mobility without grain boundaries is 200 cm.2Also reaches / Vs. Conventionally, a method of forming a film on a sapphire (0001) substrate by a MOCVD method or a PLD method is generally used as a method for producing a single crystal ZnO thin film. In addition, it has been reported that a single crystal ZnO thin film formed on a sapphire substrate by the above method oscillates at an ultraviolet laser temperature at room temperature. When a ZnO thin film is deposited on a sapphire (0001) substrate, ZnO also grows in the (0001) direction. In this case, since the lattice irregularity of sapphire (0001) and ZnO (0001) is as large as about 18%, it is known that epitaxial growth occurs in a higher-order growth mode called higher order epitaxy rather than one-to-one epitaxial growth. .
[0012]
[Problems to be solved by the invention]
However, the prior art has the following problems.
When sapphire (0001) is used as a ZnO thin film deposition substrate, lattice disorder at the substrate-film interface is likely to occur due to the large lattice irregularity between ZnO and sapphire, thereby improving single crystallinity. However, there is a manufacturing problem that the film forming speed needs to be extremely slow and the film forming speed cannot be increased. GaN (0001) / Si (111) and CaF as semiconductor materials with small lattice mismatch with ZnO2(111) / Si (111) has already been reported, but since these substrates are all formed on Si, they are not suitable for mass production, and since Si is not transparent, There was a problem that it could not be applied.
[0013]
Therefore, an object of the present invention is to provide an article having a zinc oxide thin film having excellent visible light transmittance at 450 to 800 nm including a substrate and high single crystallinity.
A further object of the present invention is to provide a method capable of producing an article having a zinc oxide thin film having high single crystallinity at a higher speed than the conventional method, using a substrate excellent in visible light transmittance at 450 to 800 nm.
[0014]
[Means for Solving the Problems]
  The present invention relates to YSZ (yttria stabilized zirconiA) Thin filmA high monocrystalline zinc oxide thin film is provided on at least a part of the YSZ thin film of the substrate having at least a part of at least one surface thereof. Furthermore, the present inventionIs YSZ (yttria stabilized zirconiA) ThinForming a highly monocrystalline zinc oxide thin film on at least a part of the YSZ thin film of a substrate having a film on at least a part of at least one surface by a thin film method using a zinc oxide sintered body as a target. The present invention relates to a method for producing an article having a highly monocrystalline zinc oxide thin film.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
  FirstIs an article having a highly monocrystalline zinc oxide thin film on at least a part of at least one surface of a yttria-stabilized zirconia (hereinafter abbreviated as YSZ) substrate. Second aspect (The present invention (article))Is an article having a highly monocrystalline zinc oxide thin film on at least a part of the YSZ thin film of the substrate having the YSZ thin film on at least a part of at least one surface.
[0016]
substrate
As a result of searching for a material that is transparent in the visible to near infrared region and stable in the atmosphere, the present inventors have found that YSZ (yttria stabilized zirconia) is a transparent material from the visible to the near infrared region. YSZ single crystals are suitable for use as single crystal ZnO thin film deposition substrates because of their low defect density and high strength because they are produced by a single phase growth method using a liquid phase method. The YSZ thin film can be formed on a substrate of glass, single crystal, plastic, or the like by sputtering or laser ablation.
[0017]
Pure zirconium oxide (zirconia) has a monoclinic crystal system at room temperature, and cubic crystals with higher symmetry become stable at high temperatures. The crystal structure (cubic) of zirconium oxide at high temperature is fluorite (CaF2) Type, and by doping with yttrium oxide (yttria) or calcium oxide (calcia), the cubic crystal becomes stable at room temperature. Therefore, yttrium oxide (yttria) is added and fluorite (CaF stable at room temperature)2) Type yttria stabilized zirconia (YSZ) is used.
[0018]
In particular, as a substrate and a thin film in the present invention, YSZ (yttria stabilized zirconia) is preferably a (111) plane because it has better lattice matching with ZnO than sapphire (0001). However, in the case of the SAW device, the high single crystal zinc oxide thin film can be oriented to (110) by using YSZ (110). The yttria content in yttria-stabilized zirconia (YSZ) is suitably in the range of more than 0 and not more than 20 wt%. YSZ is an element other than yttrium (for example, calcium, magnesium (any element can stabilize zirconia into cubic crystals)), etc., so that the substrate and the thin film are not colored (for example, visible at 450 to 800 nm). For example, the light transmittance may be included in the range of 80% or more. In particular, when the article of the present invention is used as an electrode, it is appropriate to use a highly transparent substrate in the visible light region.
[0019]
The YSZ substrate (YSZ bulk) used in the first embodiment and the YSZ thin film used in the second embodiment are both optically polished and preferably have an inclination angle of 10% or less. In addition, using a YSZ substrate flattened in the atomic order by techniques such as thermal etching or chemical etching at 1000 to 1500 ° C. in the atmosphere increases the single crystallinity of the zinc oxide thin film provided on it and increases the crystal grain size. There is an advantage that can be done.
[0020]
  As a substrate material for forming YSZ thin filmsUse sapphire. 450Those having excellent visible light transmittance at ˜800 nm (specifically, those having an average visible light transmittance at 450 to 800 nm of 95% or more) are preferred. YSZ thin film is on this substrateShapeCan be made. However, it is preferable to select a method and conditions that can form the YSZ (111) plane. Further, the film thickness of the YSZ thin film is not particularly limited, but for example, it is appropriate to set it in the range of 10 to 200 nm. The use of a sapphire substrate as the substrate on which the YSZ thin film is formed is preferable in the following points. That is, using a YSZ thin film having high single crystallinity formed on a sapphire substrate by laser ablation is effective in increasing the single crystallinity of the zinc oxide thin film and increasing the crystal grain size.
[0021]
High monocrystalline zinc oxide thin film
In the present invention, the high single crystal zinc oxide thin film means a zinc oxide thin film having high single crystallinity. The single crystallinity of the thin film is evaluated by using high-resolution X-ray diffraction, examining the orientation of a specific surface by θ-2θ scanning, and further examining the inclination of the orientation relative to the substrate surface by a θ-rocking curve (ω-scan). Can be done. In the present invention, “high single crystallinity” means that the half width (FWHM) of the θ-rocking curve (ω-scan) is 0.3 deg. Or less, preferably 0.2 deg. Or less, more preferably 0.1 deg. Or less. . The higher the single crystallinity, the higher the visible light transmittance and the higher the Hall mobility.
In the case of the article according to the first aspect, the high single crystal zinc oxide thin film is provided on at least a part of at least one surface of the YSZ substrate. A high monocrystalline zinc oxide thin film may be provided on part or all of one surface. In the case of the article of the second aspect, the high single crystal zinc oxide thin film is provided on at least a part of the YSZ thin film of the substrate having the YSZ thin film on at least a part of at least one surface. Specifically, the article according to the aspect is one in which a high monocrystalline zinc oxide thin film is provided on a part or all of the YSZ thin film of a substrate having the YSZ thin film on a part or all of one surface. be able to.
Further, the film thickness of the high monocrystalline zinc oxide thin film is not particularly limited, but considering that it is appropriate that the transmittance in the visible light region is 80% or more, for example, 200 nm to 3 μm It can be a range.
[0022]
The highly monocrystalline zinc oxide thin film of the present invention may further contain at least one element selected from the group consisting of Al, Ga, In, Y, Si, Ti, Zr, Hf, Ge, B, and F. it can. These elements can increase the conductive carrier (electron) concentration of the high single crystal zinc oxide thin film, or can impart physical properties such as high conductivity and light absorption (plasma absorption) in the infrared region. The content of these elements can be appropriately determined in consideration of the amount of carrier electrons required for the thin film, the transmittance in the visible light region, and the like, and is, for example, in the range of 0 to 10% by weight.
High single crystal zinc oxide thin film has 1 × 10 carrier electronsTen/cmThree~ 1 × 10twenty two/cmThreeIt is appropriate from the viewpoint of obtaining good conductivity. From the viewpoint of higher conductivity, the amount of carrier electrons is 1 × 1017/cmThree~ 1 × 10twenty two/cmThreeIt is preferable that it is the range of these. The conductive carrier (electron) concentration can be controlled by carrier doping by the valence control method as described above.
[0023]
The high single crystal zinc oxide thin film of the present invention can further contain at least one element selected from the group consisting of Li, Na and K. These elements can reduce the conductive carrier (electron) concentration of the high single crystal zinc oxide thin film and impart physical properties such as piezoelectricity. The content of these elements can be appropriately determined in consideration of the solid solution range and the like, and is, for example, in the range of 0 to 10% by weight.
[0024]
Since the article having the highly monocrystalline zinc oxide thin film of the present invention is excellent in transparency in the entire visible region, it is an organic EL substrate, a color filter substrate for a display that requires light transmission, and an electrode for a solar cell. It is useful as such. Furthermore, it is useful for improving the performance and extending the life of elements by applying it to the manufacture of ultraviolet to blue laser devices, SAW devices, and thin film varistors.
The present invention includes a surface acoustic wave (SAW) filter characterized in that an interdigital electrode is formed on a high single crystal zinc oxide thin film of an article having the high single crystal zinc oxide thin film of the present invention. “Interdigital electrode” refers to an input / output electrode of a SAW device. When an electric signal is applied to the interdigital electrode, periodic mechanical distortion occurs between the electrodes due to the piezoelectric effect, and surface waves are excited. The interdigital electrode can be formed by a method such as vapor deposition or sputtering.
[0025]
Production method
The method for producing an article having a highly monocrystalline zinc oxide thin film according to the present invention includes the YSZ thin film on a substrate having at least a part of at least one surface of the YSZ substrate or at least a part of at least one surface of the YSZ substrate Forming a highly monocrystalline zinc oxide thin film on at least a part of the film by a thin film method using a zinc oxide sintered body as a target. By this method, an article having the highly crystalline zinc oxide thin film of the present invention can be produced.
The substrate having the YSZ substrate and the YSZ thin film used in the production method of the present invention can be the same as described in the article of the present invention.
In the production method of the present invention, a highly monocrystalline zinc oxide thin film is formed by a thin film method using a zinc oxide sintered body as a target. The zinc oxide sintered body can be used as it is obtained by a conventional method.For example, after zinc oxide powder having an average particle diameter of 1 μm is formed into a disk shape by CIP molding at a pressure of 196 Mpa, It can be sintered for 6 hours. In the production method of the present invention, the single crystallinity of the formed zinc oxide thin film hardly changes depending on the density of the target. However, when the laser ablation method is used as the thin film method, the zinc oxide sintered body used as the target has a relative density of 60% or more, preferably 90% or more in consideration of damage to the target due to laser pulse irradiation. It is.
[0026]
Further, the zinc oxide sintered body can further contain at least one element selected from the group consisting of Al, Ga, In, Y, Si, Ti, Zr, Hf, Ge, B, and F. These elements can be added to the high single crystal zinc oxide thin film by using a simple target. In addition, the zinc oxide sintered body can further contain at least one element selected from the group consisting of Li, Na and K. Similarly to the above, by using such a target, high single crystallinity can be obtained. These elements can be added to the zinc oxide thin film.
As a target containing these elements, for example, zinc oxide having a predetermined amount of oxides of these elements mixed, molded, and sintered can be used.
[0027]
Examples of the thin film method include a CVD method, a spray method, a vacuum deposition method, an ion plating method, an MBE method, a sputtering method, a sol-gel method, and a spray pyrolysis method. Further, examples of the CVD method include a thermal CVD method, a plasma CVD method, an MOCVD method, and a photo CVD method. However, composition deviation hardly occurs, and high oxygen pressure (for example, 100 Pa) to low oxygen pressure (10-FiveFrom the viewpoint of being able to form a film up to Pa) and having few impurities, it is preferable to use a laser ablation method as a thin film method.
[0028]
Laser ablation method
The laser ablation method is a method of synthesizing a thin film through an ablation process using laser light, and has recently been attracting attention as a method replacing the sputtering method. Ablation is a phenomenon in which components suddenly generate heat and photochemical reaction on the surface of an object irradiated with strong light energy, causing components to vaporize explosively. Features of film formation by laser ablation
(1) Easy synthesis of high melting point thin films
(2) Capable of film formation in a clean atmosphere that does not require a raw material heating source
(3) Wide variation in gas partial pressure in the deposition chamber
(4) Small composition deviation between target and film
(5) The film composition can be controlled digitally
Etc.
[0029]
The inventors made a prototype zinc oxide thin film on a YSZ substrate (particularly a YSZ (111) substrate) by laser ablation. As a result, the half-value width of the X-ray diffraction θ rocking curve, which is one of the means for evaluating the single crystallinity of the zinc oxide thin film, is very narrow, 0.1 deg. A zinc oxide thin film having higher single crystallinity than the prototype zinc oxide thin film can be produced. Furthermore, thin films produced by laser ablation on YSZ substrates (especially YSZ (111) substrates) have high Hall mobility due to their high single crystallinity, and visible light transmittance at 450 to 800 nm including the substrate is also high. It is expensive.
[0030]
Due to the difference in the lattice matching between the substrate and the ZnO (0001) surface, even when the YSZ substrate (especially YSZ (111) substrate) is used, the deposition rate is faster than when the sapphire (0001) surface is used. It is considered that a ZnO thin film with high single crystallinity can be produced. Further, the laser ablation method vaporizes a limited surface instantly and decomposes it to an atomic state, which is considered preferable for the production of a thin film having high single crystallinity.
[0031]
Laser ablation oxygen atmosphere
In the production method of the present invention, it is appropriate from the viewpoint that a highly monocrystalline zinc oxide thin film can be formed in an oxygen atmosphere by laser ablation in an oxygen atmosphere because a thin film excellent in crystallinity and transparency can be formed. . The oxygen partial pressure in the atmosphere is, for example, 1 × 10-6In the range of ~ 100Pa, preferably 1x10-3It is suitable to be in the range of ˜1 Pa.
[0032]
Laser ablation irradiation energy
The laser used in the laser ablation method of the production method of the present invention can be any wavelength from the ultraviolet region to the infrared region, that is, 0.19 to 11 mm, preferably 0.19 to 0.3 mm, and can be either continuous oscillation or pulse oscillation. Can be adopted. The laser intensity during laser irradiation is 0.0001 to 1000 J / cm2/ pulse, preferably 0.1-10J / cm2/ pulse. The substrate temperature is suitably 0 to 1000 ° C., desirably 25 to 800 ° C.
[0033]
【Example】
EXAMPLES The present invention will be described in detail below with reference to examples, but the present invention is not limited to the following examples, and can be implemented with appropriate modifications.
[0034]
  Reference example 1
  ZnO powder (purity 99.99%, manufactured by High Purity Chemical Laboratory Co., Ltd.) was formed into a disk shape with a diameter of 25 mm by uniaxial pressing, and sintered in the atmosphere at 1100 ° C. for 6 hours to obtain a zinc oxide sintered body . The surface of the obtained sintered body was polished using a # 800 diamond polishing plate to obtain a smooth surface as a laser ablation target.
[0035]
A laser ablation target was mounted on a target holder (manufactured by Inconel) and a YSZ (111) substrate was mounted on the substrate holder, introduced into the chamber, and then the inside of the apparatus was evacuated using a vacuum pump until a predetermined vacuum level was reached. Next, the target holder and the substrate holder were rotated in order to improve the uniformity of the film after film formation. The substrate temperature during film formation was 600 ° C. In order to improve the crystallinity of the film after film formation, oxygen gas (0.001 Pa) was introduced to increase the oxygen pressure. Excimer laser pulse (10Hz, 1J / cm under these conditions2/ pulse) for 30 minutes to form a zinc oxide thin film.
When the film thickness of the obtained zinc oxide thin film was measured with a stylus type step thickness meter, it was about 40 nm, and it was found that the film formation rate was about 0.2 angstrom / second. Further, when the crystallinity was examined by XRD, a (002) plane diffraction peak was observed, confirming that the film was an alignment film. In addition, the XRD θ rocking curve was measured and the single crystallinity of the thin film was evaluated. The half-value width was about 0.1 deg., Indicating that the ZnO thin film had extremely high single crystallinity. As a result of measuring the conductivity of the thin film by the four-probe method and the Hall effect by the van der Pau method, the Hall mobility was 52 cm.2/ Vs, carrier concentration 0.89 × 1018cm-3The conductivity was 7.4 S / cm.
[0036]
Reference example 2
  referenceA laser ablation target was prepared by the method described in Example 1. A laser ablation target was mounted on a target holder (manufactured by Inconel) and a YSZ (111) substrate was mounted on the substrate holder, introduced into the chamber, and then the inside of the apparatus was evacuated using a vacuum pump until a predetermined vacuum level was reached. Next, the target holder and the substrate holder were rotated in order to improve the uniformity of the film after film formation. The substrate temperature during film formation was 600 ° C. In order to improve the crystallinity of the film after film formation, oxygen gas (0.001 Pa) was introduced to increase the oxygen pressure. Excimer laser pulse (10Hz, 0.5J / cm under these conditions2/ pulse) for 30 minutes to form a zinc oxide thin film. When the film thickness of the obtained zinc oxide thin film was measured using a stylus type step thickness meter, it was found to be about 30 nm, indicating that the film formation rate was about 0.17 angstrom / second. Further, when the crystallinity was examined by XRD, a (002) plane diffraction peak was observed, confirming that the film was an alignment film. In addition, when the XRD θ rocking curve was measured and the single crystallinity of the thin film was evaluated, the half width was about 0.1 deg. Or less, and it was found that the ZnO thin film had extremely high single crystallinity. As a result of measuring the conductivity of the thin film by the four-probe method and the Hall effect by the van der Pau method, the Hall mobility was 75 cm.2/ Vs, carrier concentration 0.98 × 1018cm-3The conductivity was 11.8 S / cm.
[0037]
Reference example Three
  referenceA laser ablation target was prepared by the method described in Example 1. A laser ablation target was mounted on a target holder (manufactured by Inconel) and a YSZ (111) substrate was mounted on the substrate holder, introduced into the chamber, and then the inside of the apparatus was evacuated using a vacuum pump until a predetermined vacuum level was reached. Next, the target holder and the substrate holder were rotated in order to improve the uniformity of the film after film formation. The substrate temperature during film formation was 600 ° C. In order to improve the crystallinity of the film after film formation, oxygen gas (0.001 Pa) was introduced to increase the oxygen pressure. Excimer laser pulse (1Hz, 0.5J / cm2/ pulse) for 300 minutes to form a zinc oxide thin film. When the film thickness of the obtained zinc oxide thin film was measured using a stylus type step thickness meter, it was found to be about 30 nm, indicating that the film formation rate was about 0.017 angstrom / second. Further, when the crystallinity was examined by XRD, a (002) plane diffraction peak was observed, confirming that the film was an alignment film. In addition, when the XRD θ rocking curve was measured and the single crystallinity of the thin film was evaluated, the half width was about 0.1 deg. Or less, and it was found that the ZnO thin film had extremely high single crystallinity. As a result of measuring the conductivity of the thin film by the four-probe method and the Hall effect by the van der Pau method, the Hall mobility was 131 cm.2/ Vs, carrier concentration 0.83 × 1018cm-3And the conductivity was 28 S / cm.
[0038]
[Table 1]
Figure 0004237861
[0039]
Reference example Four
  (Reduction in resistance by Al doping) ZnO powder (manufactured by High-Purity Chemical Laboratory, purity 99.99%) and Al2OThree(Purity of High Purity Chemical Laboratory Co., Ltd., purity 99.99%) Powder was weighed and mixed to a weight ratio of 98: 2, then formed into a disk shape with a diameter of 25 mm by uniaxial pressure molding, and 1500 ° C in air And sintered for 6 hours to obtain a zinc oxide sintered body. The surface of the obtained sintered body was polished using a # 800 diamond polishing plate to obtain a smooth surface as a laser ablation target. A laser ablation target was mounted on a target holder (manufactured by Inconel) and a YSZ (111) substrate was mounted on the substrate holder, introduced into the chamber, and then the inside of the apparatus was evacuated using a vacuum pump until a predetermined vacuum level was reached. Next, the target holder and the substrate holder were rotated in order to improve the uniformity of the film after film formation. The substrate temperature during film formation was 600 ° C. In order to improve the crystallinity of the film after film formation, oxygen gas (0.001 Pa) was introduced to increase the oxygen pressure. Excimer laser pulse (10Hz, 3J / cm under these conditions2/ pulse) was formed for 15 minutes to produce a zinc oxide thin film. When the film thickness of the obtained zinc oxide thin film was measured using a stylus type step film thickness meter, it was about 200 nm. Further, when the crystallinity was examined by XRD, a (002) plane diffraction peak was observed, confirming that the film was an alignment film. Further, XRD θ rocking curve measurement was performed and the single crystallinity of the thin film was evaluated. The half width was about 0.05 deg., And it was found that the ZnO thin film had extremely high single crystallinity. As a result of measuring the conductivity of the thin film by the four-probe method and the Hall effect by the van der Pau method, the Hall mobility was 30 cm.2/ Vs, carrier concentration 1 × 10twenty onecm-3The conductivity was 4800 S / cm. The aluminum content is approximately 1x10 which is almost equal to the carrier concentration.twenty onecm-3Met.
[0040]
Reference example Five
  (High resistance by adding Li (for SAW devices)) ZnO powder containing 2atmic% of Li is formed into a disk shape with a diameter of 25mm by uniaxial pressure molding, and fired in the atmosphere at 1100 ° C for 6 hours to burn zinc oxide A ligature was obtained. The surface of the obtained sintered body was polished using a # 800 diamond polishing plate to obtain a smooth surface as a laser ablation target. A laser ablation target was mounted on a target holder (manufactured by Inconel) and a YSZ (111) substrate was mounted on the substrate holder, introduced into the chamber, and then the inside of the apparatus was evacuated using a vacuum pump until a predetermined vacuum level was reached. Next, the target holder and the substrate holder were rotated in order to improve the uniformity of the film after film formation. The substrate temperature during film formation was 600 ° C. In order to improve the crystallinity of the film after film formation, oxygen gas (0.001 Pa) was introduced to increase the oxygen pressure. Excimer laser pulse (10Hz, 3J / cm under these conditions2/ pulse) was formed for 15 minutes to produce a zinc oxide thin film. When the film thickness of the obtained zinc oxide thin film was measured using a stylus type step film thickness meter, it was about 200 nm. Further, when the crystallinity was examined by XRD, a (002) plane diffraction peak was observed, confirming that the film was an alignment film. Further, XRD θ rocking curve measurement was performed and the single crystallinity of the thin film was evaluated. The half width was about 0.03 deg., And it was found that the ZnO thin film had extremely high single crystallinity. The thin film had very high insulating properties, and the conductivity could not be measured.
[0041]
Example 6
(ZnO / YSZ thin film / sapphire)
  Reference exampleA zinc oxide target for laser ablation was prepared by the method described in 1. For YSZ target, Y2OThreeZrO containing 10wt%2The powder was formed into a disk shape having a diameter of 25 mm by uniaxial pressure forming and fired at 1600 ° C. for 2 hours in the air to obtain a zinc oxide sintered body. The surface of the obtained sintered body was polished using a # 800 diamond polishing plate to obtain a smooth surface as a laser ablation target. The laser ablation target was mounted on the target holder (manufactured by Inconel) and the sapphire (0001) substrate was mounted on the substrate holder, introduced into the chamber, and then the inside of the apparatus was evacuated using a vacuum pump until a predetermined vacuum level was reached. Next, the target holder and the substrate holder were rotated in order to improve the uniformity of the film after film formation. The substrate temperature during film formation was 800 ° C. In order to improve the crystallinity of the film after film formation, oxygen gas (0.001 Pa) was introduced to increase the oxygen pressure. Under this condition, excimer laser pulse (1Hz, 1J / cm2/ pulse) to form a YSZ (111) thin film. Next, excimer laser pulse (10Hz, 1J / cm) on the zinc oxide target in the same way2/ pulse) was formed for 15 minutes to produce a zinc oxide thin film. When the film thickness of the obtained zinc oxide thin film was measured using a stylus type step film thickness meter, it was about 150 nm. The thickness of the YSZ (111) thin film was about 50 nm. Further, when the crystallinity was examined by XRD, a (002) plane diffraction peak was observed, confirming that the film was an alignment film. Further, XRD θ rocking curve measurement was performed and the single crystallinity of the thin film was evaluated. The half width was about 0.05 deg., And it was found that the ZnO thin film had extremely high single crystallinity. As a result of measuring the conductivity of the thin film by the four-probe method and the Hall effect by the van der Pau method, the Hall mobility was 120 cm.2/ Vs, carrier concentration 1 × 1018cm-3And the conductivity was 19 S / cm.
[0042]
Comparative example 1
  Reference exampleA laser ablation target was prepared by the method described in 1. The laser ablation target was mounted on the target holder (manufactured by Inconel) and the sapphire (0001) substrate was mounted on the substrate holder, introduced into the chamber, and then the inside of the apparatus was evacuated using a vacuum pump until a predetermined vacuum level was reached. The sapphire (0001) substrate used was annealed at 1500 ° C. for 1 hour in the atmosphere to provide a flat surface on the atomic order. Next, the target holder and the substrate holder were rotated in order to improve the uniformity of the film after film formation. The substrate temperature during film formation was 600 ° C. In order to improve the crystallinity of the film after film formation, oxygen gas (0.001 Pa) was introduced to increase the oxygen pressure. Excimer laser pulse (10Hz, 1J / cm under these conditions2/ pulse) for 30 minutes to form a zinc oxide thin film. When the thickness of the obtained zinc oxide thin film was measured using a stylus type step thickness meter, it was found to be about 40 nm, indicating that the film formation rate was about 0.2 angstrom / second. Further, when the crystallinity was examined by XRD, a (002) plane diffraction peak was observed, confirming that the film was an alignment film. In addition, the XRD θ rocking curve was measured and the single crystallinity of the thin film was evaluated. The half-value width was about 0.5 deg. When using a YSZ substrate under the same film formation conditions (Reference exampleIt was found that the ZnO thin film had poor single crystallinity compared to 1). As a result of measuring the conductivity of the thin film by the four-probe method and the Hall effect by the van der Pau method, the Hall mobility was 11 cm.2/ Vs, carrier concentration 1.1 × 1018cm-3The electrical conductivity was 2.2 S / cm.
[0043]
Comparative example 2
  Reference exampleA laser ablation target was prepared by the method described in 1. The laser ablation target was mounted on the target holder (manufactured by Inconel) and the sapphire (0001) substrate was mounted on the substrate holder, introduced into the chamber, and then the inside of the apparatus was evacuated using a vacuum pump until a predetermined vacuum level was reached. The sapphire (0001) substrate used was annealed at 1500 ° C. for 1 hour in the atmosphere to provide a flat surface on the atomic order. Next, the target holder and the substrate holder were rotated in order to improve the uniformity of the film after film formation. The substrate temperature during film formation was 600 ° C. In order to improve the crystallinity of the film after film formation, oxygen gas (0.001 Pa) was introduced to increase the oxygen pressure. Excimer laser pulse (10Hz, 0.5J / cm under these conditions2/ pulse) for 30 minutes to form a zinc oxide thin film. When the film thickness of the obtained zinc oxide thin film was measured using a stylus type step thickness meter, it was found to be about 30 nm, indicating that the film formation rate was about 0.17 angstrom / second. Further, when the crystallinity was examined by XRD, a (002) plane diffraction peak was observed, confirming that the film was an alignment film. In addition, the XRD θ rocking curve was measured and the single crystallinity of the thin film was evaluated. The half-width was about 0.2 deg., So when using a YSZ substrate under the same film formation conditions (Reference exampleIt was found that the ZnO thin film had poor single crystallinity compared to 2). As a result of measuring the conductivity of the thin film by the four-probe method and the Hall effect by the van der Pau method, the Hall mobility was 15 cm.2/ Vs, carrier concentration 1.1 × 1018cm-3And the conductivity was 2.6 S / cm.
[0044]
Comparative example Three
  Reference exampleA laser ablation target was prepared by the method described in 1. The laser ablation target was mounted on the target holder (manufactured by Inconel) and the sapphire (0001) substrate was mounted on the substrate holder, introduced into the chamber, and then the inside of the apparatus was evacuated using a vacuum pump until a predetermined vacuum level was reached. The sapphire (0001) substrate used was annealed at 1500 ° C. for 1 hour in the atmosphere to provide a flat surface on the atomic order. Next, the target holder and the substrate holder were rotated in order to improve the uniformity of the film after film formation. The substrate temperature during film formation was 600 ° C. In order to improve the crystallinity of the film after film formation, oxygen gas (0.001 Pa) was introduced to increase the oxygen pressure. Excimer laser pulse (1Hz, 0.5J / cm2/ pulse) for 300 minutes to form a zinc oxide thin film. When the film thickness of the obtained zinc oxide thin film was measured with a stylus type step film thickness meter, it was about 30 nm, and it was found that the film formation rate was about 0.017 angstrom / second. Further, when the crystallinity was examined by XRD, a (002) plane diffraction peak was observed, confirming that the film was an alignment film. In addition, the XRD θ rocking curve was measured and the single crystallinity of the thin film was evaluated. The half-value width was 0.1 deg. When using a YSZ substrate under the same deposition conditions (Reference exampleIt was found that the ZnO thin film had poor single crystallinity compared with 3). As a result of measuring the conductivity of the thin film by the four-probe method and the Hall effect by the van der Pau method, the Hall mobility was 50 cm.2/ Vs, carrier concentration 0.99 × 1018cm-3The conductivity was 7.9 S / cm.
[0045]
[Table 2]
Figure 0004237861
[0046]
【The invention's effect】
According to the present invention, by using a YSZ substrate or a YSZ thin film (especially a YSZ (111) substrate or thin film), a zinc oxide thin film having a single crystallinity equal to or higher than that of a sapphire (0001) substrate is used. It is possible to provide an article having Furthermore, this article is also excellent in visible light transmittance at 450 to 800 nm including the substrate. When the article having the highly monocrystalline zinc oxide thin film of the present invention is used, for example, as an electrode for a display or a solar cell that requires light transmission, a great effect can be expected in extending the life of the element. In addition, if it is used as an ultraviolet laser device, SAW device, or thin film varistor by taking advantage of its high single crystallinity, it can be expected to have a great effect on device performance.
In addition, according to the manufacturing method of the present invention, YSZ substrate or YSZ thin film (especially YSZ (111) substrate or thin film) compared to the case of using sapphire (0001) surface due to the difference in lattice matching of ZnO (0001) surface. By using this, a ZnO thin film having high single crystallinity can be produced even if the film formation rate is increased. That is, even if the film formation rate is increased, high single crystallinity can be maintained, and thus manufacturing is easy.According to the present invention, the Hall mobility is high and the visible light transmittance at 450 to 800 nm including the substrate is achieved. An article having an excellent zinc oxide thin film can be produced with high productivity.

Claims (9)

イットリア安定化ジルコニア(以下、YSZと略記する)薄膜を少なくとも一方の面の少なくとも一部に有するサファイア基板の前記YSZ薄膜の少なくとも一部の上にX 線回折のθロッキングカーブの半値幅が 0.05deg. 以下である高単結晶性酸化亜鉛薄膜を有すること、
前記 YSZ 薄膜のイットリア含有量が 0 を越え 20wt% 以下であり、かつ(111)面であること
前記 YSZ 薄膜を設けたサファイア基板面が(0001)面であること
を特徴とする物品。
Yttria-stabilized zirconia (hereinafter, you abbreviated as YSZ) FWHM of θ rocking curve X ray diffraction on at least a portion of the YSZ thin film of a sapphire substrate having on at least a portion of at least one surface of the thin film is 0.05 having a highly monocrystalline zinc oxide thin film that is less than or equal to deg.
It yttria content of the YSZ film is 20wt% or less than 0, and (111) plane
Articles sapphire substrate surface provided with the YSZ thin film and said <br/> it is (0001) plane.
高単結晶性酸化亜鉛薄膜がAl、Ga、In、Y、Si、Ti、Zr、Hf、Ge、B、及びFからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素をさらに含む請求項1に記載の物品。High single crystal zinc oxide thin film is Al, Ga, In, Y, Si, Ti, Zr, Hf, Ge, B, according to claim 1, and further comprising at least one element selected from the group consisting of F Goods. 高単結晶性酸化亜鉛薄膜中のキャリア電子の量が1×1010/cm3〜1×1022/cm3の範囲である請求項1〜のいずれか1項に記載の物品。The article according to any one of claims 1 to 2 , wherein the amount of carrier electrons in the high single crystal zinc oxide thin film is in the range of 1 x 10 10 / cm 3 to 1 x 10 22 / cm 3 . 高単結晶性酸化亜鉛薄膜がLi、Na及びKからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素をさらに含む請求項1に記載の物品。The article according to claim 1, wherein the high monocrystalline zinc oxide thin film further comprises at least one element selected from the group consisting of Li, Na and K. 請求項1〜のいずれか1項に記載の物品の高単結晶性酸化亜鉛薄膜上にすだれ状電極を形成したことを特徴とする弾性表面波(SAW)フィルタ。A surface acoustic wave (SAW) filter, characterized in that an interdigital electrode is formed on the high single crystal zinc oxide thin film of the article according to any one of claims 1 to 4 . イットリア安定化ジルコニア(以下、YSZと略記する)薄膜を少なくとも一方の面の少なくとも一部に有するサファイア基板の前記YSZ薄膜の少なくとも一部の上に、酸化亜鉛焼結体をターゲットとして用いる薄膜法により、X 線回折のθロッキングカーブの半値幅が 0.05deg. 以下である高単結晶性酸化亜鉛薄膜を形成すること
前記 YSZ 薄膜のイットリア含有量が 0 を越え 20wt% 以下であり、かつ(111)面であること
前記 YSZ 薄膜を設けたサファイア基板面が(0001)面であること
を含む高単結晶性酸化亜鉛薄膜を有する物品の製造方法。
Yttria-stabilized zirconia (hereinafter, abbreviated as YSZ) over at least a portion of the YSZ thin film of a sapphire substrate having on at least a portion of at least one surface of the thin film, a thin film method using zinc oxide ceramics as a target To form a highly monocrystalline zinc oxide thin film with a half-width of the θ rocking curve of X- ray diffraction of 0.05deg. Or less
It yttria content of the YSZ film is 20wt% or less than 0, and (111) plane
A method for manufacturing an article having a highly monocrystalline zinc oxide thin film, wherein the surface of the sapphire substrate provided with the YSZ thin film is a (0001) plane .
酸化亜鉛焼結体がAl、Ga、In、Y、Si、Ti、Zr、Hf、Ge、B、及びFからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素をさらに含む請求項に記載の製造方法。The manufacturing method according to claim 6 , wherein the zinc oxide sintered body further contains at least one element selected from the group consisting of Al, Ga, In, Y, Si, Ti, Zr, Hf, Ge, B, and F. . 酸化亜鉛焼結体がLi、Na及びKからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素をさらに含む請求項に記載の製造方法。The manufacturing method according to claim 6 , wherein the zinc oxide sintered body further contains at least one element selected from the group consisting of Li, Na, and K. 薄膜法がレーザーアブレーション法である請求項6〜8のいずれか1項に記載の製造方法。The manufacturing method according to any one of claims 6 to 8 , wherein the thin film method is a laser ablation method.
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