JP4237652B2 - X線平面検出器 - Google Patents

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Description

本発明は、医用X線診断装置のX線平面検出器に関する。
近年、医療分野においては、治療を迅速かつ的確に行うために、患者の医療データをデータベース化する方向へと進んでいる。これは、患者はしばしば複数の医療機関を利用するので、的確な治療行為を行うために他の医療機関のデータが必要になるためである。
X線撮影の画像データについてもデータベース化の要求があり、それに伴って、X線撮影画像のデジタル化が望まれている。従来、医用X線診断装置では、銀塩フィルムを使用して画像を撮影している。このような画像をデジタル化するためには、撮影したフィルムを現像した後、スキャナなどで読み取る操作が必要となり、手間と時間がかかっていた。
最近は、光電膜、加速電極、蛍光膜を設けた大きな真空管と1インチ程度のCCDカメラを使用し、直接画像をデジタル化するイメージインテンシファイアTV(II−TV)方式が実現されている。しかし、例えば、肺の診断では、40cm×40cm程度の領域を撮影するため、光を集光する光学装置が必要であり、装置の大型化が問題になっている。
これら2方式の問題を解決する方式としてa−Si TFT(アモルファスシリコン薄膜トランジスタ)を用いたX線平面検出器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このX線平面検出器では、a−Si TFT、光電変換膜及び画素容量により画素が構成され、この画素は縦横の各辺に数百個から数千個並んだアレイ状(以下TFTアレイと呼ぶ)に配列されている。
光電変換膜には電源からバイアス電圧が印加される。a−Si TFTは、信号線と走査線に接続しており、走査線駆動回路によってオン・オフ制御される。信号線の終端は、切り替えスイッチを介して信号検出用の増幅器に接続されている。
光が入射すると光電変換膜に電流が流れ、画素容量に電荷が蓄積される。走査線駆動回路で走査線を駆動し、1つの走査線に接続している全てのTFTをオンにすると、蓄積された電荷は信号線を通って増幅器側に転送される。切り替えスイッチで、1画素ごとに電荷を増幅器に入力し、CRT等に表示できるように順次信号に変換する。画素に入射する光の量によって電荷量が異なり、増幅器の出力振幅は変化する。
このような方式は、増幅器の出力信号をA/D変換することで、直接ディジタル画像にすることが出来る。更に、画素領域は、ノートパソコンに使用されているTFT−LCD(薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ)と同様の構造であり、薄型、大画面のものを容易に製作することが可能である。
以上の説明は、入射したX線を蛍光体等で可視光線に変換し、変換した光を各画素の光電変換膜で電荷に変えるという間接変換方式のX線平面検出器についてのものである。
これ以外に、画素に入射したX線を直接電荷に変換する直接変換方式のX線平面検出器がある。この直接変換方式のX線平面検出器では、光電変換膜で直接X線を電荷に変換し、画素容量に蓄積することが、間接変換型と異なる。即ち、間接変換型X線平面検出器から蛍光体を除いた構成を有する。
この直接変換方式のX線平面検出器では、ガラス基板上に、キャパシタ電極、絶縁層及び補助電極の積層構造からなる蓄積容量と、この蓄積容量に接続されたスイッチングTFT及び保護用ダイオードが形成されている。これらの各部材の上に保護膜が形成されており、この保護膜には、補助電極上にコンタクトホールが形成されている。保護膜上には画素電極(コンタクトホールを介して補助電極と接続される)、X線電荷変換膜、及び共通電極(上部電極)が順次積層されている。以上のように構成される画素は、アレイ状に配置される。
X線が入射すると、X線は、X線電荷変換膜で電荷に変換され、電荷は共通電極と画素電極との間に印加された電界により加速され、蓄積容量に蓄積される。スイッチングTFTは、走査線を介して駆動され、蓄積容量に蓄積された電荷を信号線へ転送する。保護用ダイオードは過度の電荷が発生した場合に、電荷を逃がすように機能する。
X線により発生した信号電荷は速やかに画素電極に到達し、蓄積容量に蓄積されなければならない。X線電荷変換膜内に信号電荷が残る場合、前の画像パターンが残る残像、解像度の低下等の画像不良が発生する。このような画像不良は、X線電荷変換膜内に信号電荷が残り、新たにX線により発生した信号電荷の走行に影響を及ぼすために発生することが多い。また、X線電荷変換膜に欠陥が多い場合には、欠陥を通して電流が流れるため、暗電流が大きいという問題も発生する。
従来、X線電荷変換膜をPbIにより構成することが知られており、PbIは材料的には優れた特性が期待されるが、実際に薄膜を形成した場合には結晶性が不十分なため、上記の様な、残像、解像度不良、大きな暗電流等の問題があるため、十分な特性の膜は実現できていないのが現状である(例えば非特許文献1参照)。
従来、SeからなるX線電荷変換膜にAsSeからなるブロックング層を設けることが知られているため、金属ハロゲン化物からなるX線電荷変換膜に対しても、暗電流が大きいという問題を改善するために、それに接してキャリアのブロッキング層を形成することが考えられる。しかし、金属ハロゲン化物に対して反応性が小さく、良好な界面を形成するブロッキング膜を形成することは困難であり、これまで金属ハロゲン化物からなるX線電荷変換膜に対して有効なブロッキング層は知られていなかった。
米国特許第4,689,487号 R.A. Street et al.,SPIE Vol.3659,p.36,1999
上述したように、従来のX線平面検出器では、X線電荷変換膜を構成する材料との反応性が低く、X線電荷変換膜と良好な界面を形成するブロッキング層がないため、X線平面検出器の暗電流を十分に下げることは困難であった。
本発明は、以上のような事情の下になされ、暗電流を十分に下げることの可能なX線平面検出器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、金属ハロゲン化物を含み、入射X線を電荷に変換するX線電荷変換膜と、前記X線電荷変換膜の少なくとも一方の面に接して設けられた、前記金属ハロゲン化物の金属の酸化物、窒化物、これら酸化物及び窒化物の混合物、又はこれら酸化物若しくは窒化物と前記金属のハロゲン化物との混合物を含むブロッキング層と、前記X線電荷変換膜の一方の面に直接又は前記ブロッキング層を間に介して電気的に接続した電極と、前記X線電荷変換膜の他方の面に直接又は前記ブロッキング層を間に介して電気的に接続した電極とからなる一対の電極とを備えることを特徴とするX線平面検出器を提供する。
また、本発明の他の態様は、金属ハロゲン化物を含み、入射X線を電荷に変換するX線電荷変換膜と、前記X線電荷変換膜の少なくとも一方の面に接して設けられた、前記金属ハロゲン化物の金属の酸化物、窒化物、これら酸化物及び窒化物の混合物、又はこれら酸化物若しくは窒化物と前記金属のハロゲン化物との混合物を含むブロッキング層と、アレイ状に配列されたそれぞれの画素に対応して前記X線電荷変換膜の下に直接又はブロッキング層を間に介して電気的に接続した画素電極と、それぞれの画素電極と接続されたスイッチング素子と、各々1行のスイッチング素子に接続された信号線と、各々1列のスイッチング素子に駆動信号を送る走査線と、前記X線電荷変換膜の上に直接又はブロッキング層を間に介して設けられた共通電極と、を備えることを特徴とするX線平面検出器を提供する。
本発明のX線平面検出器によれば、X線電荷変換膜に接して金属元素を同一とするブロッキングを設けているため、X線電荷変換膜との良好な界面の形成により良好なブロッキング効果が得られ、暗電流を低下できるという大きな効果を奏する。また、X線電荷変換膜の特性も安定するため、成膜の歩留まりを改善することが出来る。このように、本発明によると、高効率でダイナミックレンジの広い高性能のX線平面検出器を得ることが出来る。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の一実施形態に係るX線平面検出器は、X線電荷変換膜に接して、X線電荷変換膜を構成する金属ハロゲン化物と同じ金属の酸化膜、窒化膜等をブロッキング層として設けることにより、X線電荷変換膜との良好な界面を形成し、X線平面検出器の暗電流を低下させることを特徴とする。なお、このブロッキング層は、X線電荷変換膜を構成する金属ハロゲン化物と反応することがなく、十分に耐性を有する。
本発明の一実施形態に係るX線平面検出器において、X線電荷変換膜は、金属ハロゲン化物により構成されるが、これは金属ハロゲン化物のX線電荷変換効率が高いためである。X線電荷変換膜を構成する金属ハロゲン化物としては、X線の吸収効率を良好にするために、X線吸収係数の大きい材料が好ましい。このような金属ハロゲン化物の金属としてはPb、Hg、Tl、Bi、Cd、In、Sn、Sbが好ましい。この中で特にX線吸収係数の大きいPb、Hg、Biが好ましい。ハロゲンとしてはCl、Br、Iが好ましく、特にX線吸収係数の大きいIが好ましい。
これらの材料は、基本的には六方晶系をとり、格子常数が近い値を取る。六方晶のc軸方向の抵抗率が高いため、暗時の電流を低下させることができ、そのため微小な信号を検出することができるので、X線平面検出器の性能を上げることができる。
これらの材料のうち、BiI3 等はIの六方構造の原子の一部が欠けているが、一部に欠けが存在しても格子整合の効果は六方構造が完全な場合と大差が無い。これらの格子常数に近い値を取る材料を基板とすることにより、高品質のX線光電変換膜を得ることが出来る。
X線電荷変換膜に接して設けられるブロッキング層は、X線電荷変換膜を構成する金属ハロゲン化物と同じ金属の酸化物、窒化物、これら酸化物及び窒化物の混合物、又はこれら酸化物若しくは窒化物と前記金属のハロゲン化物との混合物により構成される。
この場合、酸化物は、完全な酸化物である必要はなく、ハロゲン化酸化物であってもよい。
このように、ブロッキング層として、X線電荷変換膜を構成する金属ハロゲン化物と同じ金属の酸化物、窒化物等を用いることにより、X線電荷変換膜とブロッキング層との整合性の良好な界面が得られるため、良好なブロッキング特性を得ることが出来る。これはハロゲン化物と酸化物(又は窒化物)が同じ金属を持つため整合性が良いためである。このため、X線感光特性の劣化なしに、暗電流を低下させることができる。
金属酸化物や金属ハロゲン化酸化物の形成方法としては、金属ハロゲン化物を酸化することが好ましい。また、金属窒化物の形成方法としては、金属ハロゲン化物を窒化することが好ましい。これらの方法により、X線電荷変換膜とブロッキング層との間に良好な界面を形成することが出来る。なお、酸化や窒化に限らず、蒸着やCVD等の気相法により形成することも可能である。
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(第1の実施例)
本実施例に係るX線平面検出器の画素断面図を図1に示す。以下、図1を参照して本実施例に係るX線平面検出器の形成方法について説明する。
まず、ガラス基板101上にMoTa、Ta、TaN、Al、A1合金、Cu、MoW等からなる膜を1層、又はTaとTaNx の2層を約300nmの厚さに堆積し、エッチングによりパターニングして、スイッチングTFT402のゲート電極102、走査線(図示せず)、蓄積容量404の電極102a、及び蓄積容量線(図示せず)を形成した。
次いで、プラズマCVD法により絶縁膜103として、SiOx を約300nm、SiNx を約50nmの厚さに積層した後、アンドープa−Si層104を約100nmの厚さに、SiNxからなるストッパ105を約200nmの厚さにそれぞれ堆積した。
ストッパ105を裏面露光法によりゲート電極102にあわせてパターニングし、その上にn+ a−Si層106を約50nmの厚さに堆積した後、トランジスタの形状にあわせてa−Si層104及びn+ a−Si層106をエッチングし、a−Siからなる島を形成した。
次に、画素エリア内外のコンタクト部の絶縁膜103をエッチングし、コンタクトホールを形成した。この上にMoを約50nm、Alを約350nm、そして更にMoを約20nm〜50nmの厚さにスパッタ法により積層し、補助電極502、信号線408、TFT402のソース、ドレインその他の配線を形成した。
その後、SiNx を約200nm、その上にアクリル系有機樹脂膜(HRC:商品名、日本合成ゴム社製)を約1〜約5μm、好ましくは約3.5μmの厚さに積層して、保護膜107を形成した。なお、有機樹脂膜としてHRCの代わりにBCBを用いても良い。
保護膜107に補助電極502へのコンタクトホールを形成した後に、画素電極用金属としてのITO膜を成膜した。ITO膜は、ITOをターゲットとしてスパッタ法で100nmの厚さに成膜し、パターニングして、画素電極503を得た。なお、ITO膜の形成法は蒸着等の他の方法でも良く、また、ITOはアモルファスでも多結晶でも良い。
次に、画素電極503上に、X線電荷変換膜としての高抵抗のBiI3 膜210を蒸着により、約100〜1000μm、好ましくは300μmの膜厚に成膜した。次いで、このBiI3 膜の表面を酸化して、ブロッキング層としてのBi酸化膜210aを形成した。Bi酸化膜210aの形成は、酸素ガスを含む雰囲気中での熱酸化により行うことが出来る。或いは、水又は水溶液中で処理して表面を酸化しても良い。水溶液は水を含んでいればどのようなものでも良く、処理温度は室温〜100℃で良い。また、酸素を含むガスプラズマ中で処理して表面を酸化させることも可能である。
このようにして得られたBi酸化膜210aの上に、Pdを200nmの厚さに、Bi酸化膜210aの周辺から1cm離した領域のほぼ全面に堆積し、上部電極212を形成した。
この上部電極212上に電圧印加電極を形成し、TFTアレイX線電荷変換膜基板に周辺の駆動回路を実装して完成したX線平面検出器を用いて、X線画像の検出を行った。その結果、図5に示すように、暗電流が1/10〜1/1000に低下し、良好なSN比が得られ、画質も良好であった。
なお、画素電極503及び上部電極212にいずれの極性のバイアスを印加しても暗電流は低下するが、特に、Bi酸化膜210a側の電極である上部電極212に負電圧を印加した場合の暗電流の低下が大きい。
本実施例に係るX線平面検出器において、ブロッキング層であるBi酸化膜210aの表面はほぼBiOx であり、その下の中間層は、酸化されてはいるがBiIx y であり、その内部はBiI3 のままになっている構造が特に良好な特性を示すことがわかった。即ち、ブロッキング層が0.1〜10μmの膜厚のBiIx y の中間層を含むことが効果的であった。酸化膜の形成方法にもよるが、表面酸化層の膜厚は0.3〜3μmであるのが特に有効であった。これは、BiOx とBiI3 の間に中間的な酸化されたBiIx y 層があるために、界面の特性が良好となるためである
ただし、Bi酸化膜210aの表面は完全に酸化されていても良いが、表面自体もBi沃化酸化物(BiIx y )であってもよい。この場合、Iのモル比がOのモル比より大きいことが好ましく、BiIx y の表記でx≧yであるのが好ましい。
このような金属沃酸化物は、BiI3に限らず他の金属沃化物からなるX線電荷変換膜の場合にもブロッキング効果を発揮し、暗電流を低下させるのに有効であった。即ち、InI及びInI 3 のようなInIx 、PbI2 HgI 2 のようなHgIx SnI 2 のようなSnIx からなるX線電荷変換膜についても、同様な効果が得られた。なお、PbI2 、SnI2 は水溶性を有するため、熱酸化、プラズマ酸化による酸化法がより有効であった。しかし、PbI2 、SnI2 でも表面の薄い部分の溶解は許容できるため、水溶液処理による酸化法を用いることも可能である。
(第2の実施例)
本実施例に係るX線平面検出器の画素断面図を図2に示す。以下、図2を参照して本実施例に係るX線平面検出器の形成方法について説明する。
第1の実施例と同様に、ガラス基板101上にスイッチングTFT402及び蓄積容量404を形成し、保護膜107を介して画素電極503を成膜した。即ち、厚さ30nmのTi及び厚さ200nmのPdをスパッタリングで成膜し、これをパターニングして画素電極503を形成した。
次いで、画素電極503上に蒸着により、ブロッキング層としてBiOx 層220aを1〜10μm、好ましくは3μmの厚さに成膜した。このBiOx 層220a上にX線電荷変換膜としてBiI3 膜220を300μmの厚さに蒸着した。更に、このBiI3 膜220上に高抵抗のBix y I膜220bを蒸着により約1〜100μm、好ましくは10μmの厚さに成膜した。成膜温度は250℃である。BiI3 膜とBix y I膜は六方晶のc軸が基板に垂直に配向していた。
このBix y I膜220b上に、Crからなる上部電極212を形成した。
このようにして得たTFTアレイX線電荷変換膜基板に周辺の駆動回路を実装して完成したX線平面検出器を用いて、X線画像の検出を行った。その結果、ブロッキング層としてBiOx 層220aを形成しない場合に比べ、暗電流が図5に示すように1/10〜1/1000に低下し、良好なSN比が得られ、良好な画像が得られた。これは、ブロッキング層とX線電荷変換膜とが、同じ金属の酸化物と沃化物とにより構成されているので、良好な界面が形成されるためである。また、BiOx の熱膨張係数はBiI3 よりも小さく、基板のガラスと熱膨張係数に近いため、膜はがれが減少し、付着力も増加した。なお、BiI3 膜220上のBix y I膜210bは必ずしも存在しなくても良い。
本実施例では、X線電荷変換膜としてBiI3 を用いたが、これに限定されず、PbI2 、HgI2 、InI、SnI2 等の金属沃化物でも有効である。このように、画素電極の上にX線電荷変換膜を構成する金属沃化物と同じ金属の酸化物からなるブロッキング層を形成することにより、X線平面検出器の暗電流を低下することができる。また、ブロッキング層を構成する金属酸化物とX線電荷変換膜を構成する金属沃化物の界面の整合性が良好であるため、感度の低下は殆どなく、良好なSN比が得られ、またガラス基板との熱膨張係数の整合性が良くなるため、膜はがれが減少するという効果が得られた。
なお、バイアスの印加方向により暗電流の減少する方向があるため、暗電流の減少する方向の極性のバイアスを印加することが好ましい。
(第3の実施例)
本実施例に係るX線平面検出器の画素断面図を図3に示す。以下、図3を参照して本実施例に係るX線平面検出器の形成方法について説明する。
第1の実施例と同様に、ガラス基板101上にスイッチングTFT402及び蓄積容量404を形成し、保護膜107を介して画素電極503を成膜した。即ち、厚さ30nmのTi及び厚さ200nmのPdをスパッタリングで成膜し、これをパターニングして画素電極503を形成した。
次いで、画素電極503上に蒸着により、ブロッキング層としてPbOx 層230aを1〜10μm、好ましくは2μmの厚さに成膜した。このPbOx 層220a上にX線電荷変換膜としてPbI2 膜230を300μmの厚さに蒸着した。更に、このPbI2 膜230上に高抵抗のPbx Biy I膜230bをブロッキング層として蒸着により約1〜100μm、好ましくは10μmの厚さに成膜した。成膜温度は250℃である。PbI2 膜とPbx Biy I膜は六方晶のc軸が基板に垂直に配向していた。
このPbx Biy I膜230b上に、Crからなる上部電極212を形成した。
このようにして得たTFTアレイX線電荷変換膜基板に周辺の駆動回路を実装して完成したX線平面検出器を用いて、X線画像の検出を行った。その結果、ブロッキング層としてPbOx 層230aを形成しない場合に比べ、暗電流が1/10〜1/1000に低下し、良好なSN比が得られ、良好な画像が得られた。これは、ブロッキング層とX線電荷変換膜とが、同じ金属の酸化物と沃化物とにより構成されているので、良好な界面が形成されるためである。また、PbOx の熱膨張係数はPbI2 よりも小さく、基板のガラスと熱膨張係数に近いため、膜はがれが減少し、付着力も増加した。なお、PbI2膜230上のPbx Biy I膜230bは無くても良い。
本実施例では、X線電荷変換膜としてPbI2 を用いたが、これに限定されず、HgI2 、BiI3 、InI、SnI2 等の金属沃化物でも有効である。このように、画素電極の上にX線電荷変換膜を構成する金属沃化物と同じ金属の酸化物からなるブロッキング層を形成することにより、X線平面検出器の暗電流を低下することができる。また、ブロッキング層を構成する金属酸化物とX線電荷変換膜を構成する金属沃化物の界面の整合性が良好であるため、感度の低下は殆どなく、良好なSN比が得られ、またガラス基板との熱膨張係数の整合性が良くなるため、膜はがれが減少するという効果が得られた。
(第4の実施例)
本実施例に係るX線平面検出器の画素断面図を図4に示す。以下、図4を参照して本実施例に係るX線平面検出器の形成方法について説明する。
第1の実施例と同様に、ガラス基板101上にスイッチングTFT402及び蓄積容量404を形成し、保護膜107を介して画素電極503を成膜した。即ち、厚さ30nmのTi及び厚さ200nmのPdをスパッタリングで成膜し、これをパターニングして画素電極503を形成した。
次に、画素電極503上に、X線電荷変換膜としての高抵抗のBixPbyIz膜240を蒸着により、約100〜1000μm、好ましくは300μmの膜厚に成膜した。次いで、このBixPbyIz 膜240の表面を酸化して、ブロッキング層としてのBiPb酸化膜240aを形成した。BiPb酸化膜240aの形成は、酸素ガスを含む雰囲気中での熱酸化により行うことが出来る。或いは、水又は水溶液中で処理して表面を酸化しても良い。水溶液は水を含んでいればどのようなものでも良く、処理温度は室温〜100℃で良い。また、酸素を含むガスプラズマ中で処理して表面を酸化させることも可能である。
このようにして得られたBiPb酸化膜240aの上に、Pdを200nmの厚さに、BiPb酸化膜240aの周辺から1cm離した領域のほぼ全面に堆積し、上部電極212を形成した。
この上部電極212上に電圧印加電極を形成し、TFTアレイX線電荷変換膜基板に周辺の駆動回路を実装して完成したX線平面検出器を用いて、X線画像の検出を行った。その結果、暗電流が1/10〜1/1000に低下し、良好なSN比が得られ、画質も良好であった。
なお、画素電極503及び上部電極212にいずれの極性のバイアスを印加しても暗電流は低下するが、特に、BiPb酸化膜240a側の電極である上部電極212に負電圧を印加した場合の暗電流の低下が大きい。
本実施例に係るX線平面検出器において、ブロッキング層であるBi酸化膜240aの表面はほぼBiPbOx であり、その下の中間層は、酸化されてはいるがBixPbyIz Ouであり、その内部はBixPbyIzのままになっている構造が特に良好な特性を示すことがわかった。
このような金属沃酸化物は、BiIxとPbIyの混合膜に限らず他の金属沃化物の混合物からなるX線電荷変換膜の場合にもブロッキング効果を発揮し、暗電流を低下させるのに有効であった。即ち、InIx 、PbI2 、HgIx 、SnIx の内から2つ以上を選択して混合したX線電荷変換膜の表面を酸化することにより、同様な効果が得られた。
なお、バイアスの印加方向により暗電流の減少する方向があるため、暗電流の減少する方向の極性のバイアスを印加することが好ましい。
以上の実施例では、ブロッキング層として、X線電荷変換膜を構成する金属沃化物と同一の金属の酸化物を用いたが、これに限らず、金属沃化物と同一の金属の窒化物、酸化物と窒化物の混合物、酸化物又は窒化物と金属沃化物との混合物を用いても同様に、X線平面検出器の暗電流を低下することができる。
また、X線電荷変換膜を構成するX線感光材料としては、金属沃化物に限定されず、金属ハロゲン化物であれば、本発明を適用することができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の一実施例に係るX線平面検出器を示す断面図。 本発明の他の実施例に係るX線平面検出器を示す断面図。 本発明の更に他の実施例に係るX線平面検出器を示す断面図。 本発明の更にまた他の実施例に係るX線平面検出器を示す断面図。 本発明の他の実施例に係るX線平面検出器による暗電流の改善を示す特性図。
符号の説明
101・・・ガラス基板、102・・・ゲート電極、103・・・絶縁膜、104・・・a−Si、105・・・ストッパ、106・・・n+ a−Si、107・・・保護膜、210,220,230,240・・・X線電荷変換膜、210a,220a,230a,240a・・・ブロッキング層、212・・・共通電極、402・・・スイッチングTFT、404・・・蓄積容量、408・・・信号線、502・・・補助電極、503・・・画素電極。

Claims (4)

  1. 金属ハロゲン化物を含み、入射X線を電荷に変換するX線電荷変換膜と、
    前記X線電荷変換膜の少なくとも一方の面に接して設けられた、前記金属ハロゲン化物の金属の酸化物、窒化物、これら酸化物及び窒化物の混合物、又はこれら酸化物若しくは窒化物と前記金属のハロゲン化物との混合物を含むブロッキング層と、
    前記X線電荷変換膜の一方の面に直接又は前記ブロッキング層を間に介して電気的に接続した電極と、前記X線電荷変換膜の他方の面に直接又は前記ブロッキング層を間に介して電気的に接続した電極とからなる一対の電極と
    を備えることを特徴とするX線平面検出器。
  2. 前記X線電荷変換膜は、PbI2 、HgI2 、SnI2 、BiI3 、及びInIx からなる群より選択される少なくとも1種の沃化金属を含み、前記ブロッキング層は、前記沃化金属の酸化物を含むことを特徴とする請求項1に記載のX線平面検出器。
  3. 前記X線電荷変換膜は、BiI3 を含み、前記ブロッキング層はBiIx とBiOx の混合物を含むことを特徴とする請求項1に記載のX線平面検出器。
  4. 金属ハロゲン化物を含み、入射X線を電荷に変換するX線電荷変換膜と、
    前記X線電荷変換膜の少なくとも一方の面に接して設けられた、前記金属ハロゲン化物の金属の酸化物、窒化物、これら酸化物及び窒化物の混合物、又はこれら酸化物若しくは窒化物と前記金属のハロゲン化物との混合物を含むブロッキング層と、
    アレイ状に配列されたそれぞれの画素に対応して前記X線電荷変換膜の下に直接又はブロッキング層を間に介して電気的に接続した画素電極と、
    それぞれの画素電極と接続されたスイッチング素子と、
    各々1行のスイッチング素子に接続された信号線と、
    各々1列のスイッチング素子に駆動信号を送る走査線と、
    前記X線電荷変換膜の上に直接又はブロッキング層を間に介して設けられた共通電極と、
    を備えることを特徴とするX線平面検出器。
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