JP4236887B2 - 小形二極直流モータの絶縁構造 - Google Patents

小形二極直流モータの絶縁構造 Download PDF

Info

Publication number
JP4236887B2
JP4236887B2 JP2002245205A JP2002245205A JP4236887B2 JP 4236887 B2 JP4236887 B2 JP 4236887B2 JP 2002245205 A JP2002245205 A JP 2002245205A JP 2002245205 A JP2002245205 A JP 2002245205A JP 4236887 B2 JP4236887 B2 JP 4236887B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
brush
motor
case
armature
pole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002245205A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004088885A (ja
Inventor
信洋 小沢
武 桐原
眞治 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nidec Servo Corp
Original Assignee
Nidec Servo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nidec Servo Corp filed Critical Nidec Servo Corp
Priority to JP2002245205A priority Critical patent/JP4236887B2/ja
Publication of JP2004088885A publication Critical patent/JP2004088885A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4236887B2 publication Critical patent/JP4236887B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Motor Or Generator Frames (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は家庭電化機器や事務機、各種電子機器などに用いられているブラシタイプの小形直流モータにおいて、ブラシ摩耗粉による絶縁劣化を防止するための絶縁構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図10は従来から多用されているブラシタイプ小形二極直流モータの断面図である。本例ではケース1の内周部に磁極を構成する永久磁石2が装着され固定子組立3を構成している。ブラケット4にはブラシホルダー5、6が装着され、このブラシホルダー5、6の内部にはブラシ7,8とブラシ押圧用コイルバネ9,10が組み込まれ、更に接続端子11,12が組み付けられている。また回転軸13に装着された電機子鉄心14に巻線15が施され整流子16に接続され電機子17を構成する。
この様に構成された固定子組立3とブラケット4とでもって二つの軸受18,19を用いて電機子17を支え二極直流モータを構成する。
この様なブラシタイプの二極直流モータは構造が比較的簡単であるため、速度可変自在の安価な動力源として今も尚多用されている。
【0003】
図11は前述の図10に示した二極直流モータの電源回路接続図である。50/60Hz、100Vの交流電源が整流器D1.D2.D3.D4で全波整流され、ノイズ防止用コンデンサーC、ノイズ防止用チョークコイルCH1,CH2を通って二極直流モータに印加される。 一般にブラシタイプ小形二極直流モータの整流子片数は3片、5片、7片、9片などと片数が少なく、図10の例では7片の整流子を用いている。
【0004】
図12に7片の整流子を用いた二極直流モータの電機子回路図を示す。二つのブラシ21,22と7個の整流子片23a,23b,23c,23d、23e,24f,23gで構成される整流子23と、7個のコイル片24a,24b、24c、24d、24e,24f、24gとで構成されるコイル24で接続されている。図12の状態では一つのコイル片24gがプラス側ブラシ21で短絡されているから、全波整流された直流電圧は、コイル片24a,24b、24cの直列回路およびコイル片24d,24e、24fの直列回路に印加される。したがって各整流子間に加わる平均直流電圧は約28.5Vとなる{(141.4×(2/3.14)÷3}−1.5=28.5V。
一般に良好な整流作用を維持するために推奨される整流子間電圧は15V程度以下が望ましいといわれているが、図12の例では約28.5Vとなるので推奨値の約1.9倍となる。この様に整流子間電圧が高くなるとブラシによるコイルの短絡電流が大きくなり、整流火花が発生し易くなるとともにブラシの摩耗が多くなると言われている。
図10に示した従来の二極直流モータを図11の電源回路で駆動した場合には、前述の整流子間電圧が約28.5Vとなり、整流作用時に火花を発生し易くなっている。このためブラシ摩耗が進みブラシ寿命時間を短くする要因ともなっている。この結果ブラシ摩耗粉が二極直流モータの内部に飛散し充電部とケース間の絶縁抵抗が低下する事となる。
【0005】
一般に図10に示した二極直流モータのケース1は導電性で磁性を有する構造用炭素鋼板などの金属材料を用いてプレス・絞り加工で製作される例が多く、また図10に示す様に密閉構造や半密閉構造が多く用いられている。
このためブラシホルダー5、6を設置するための内部スペースがケース1により制限されるので、ブラシホルダー5、6とケース1とが接近しており、両者の絶縁距離を保つために整流子16の外周部に配置されるブラシ7,8の長さに厳しい制約があり、このブラシ7,8の有効長の短いことが寿命を短くする一要因ともなっている。
この様に、金属材料を用いてプレス・絞り加工で製作されたケースを用いた二極直流モータで、密閉構造や半密閉構造とした場合には、ブラシの有効長さが短い事や、あるいはブラシ摩耗粉がモータ内部の充電部や非充電部に付着する事などが本直流モータの最大の欠点であった。従って本発明ではこの欠点を改善するために、ブラシ摩耗粉の飛散状況に付いて綿密な観測を行った。以下にその詳細を述べる。
【0006】
図13は二極直流モータのブラシ、整流子、ケースの位置関係を示した模擬相関図による円周方向へのブラシ磨耗粉飛散状況観測図ある。
本例では二つのブラシ21,22と7片の整流子23と、小判形のケース1を用い、電機子は矢印Yの方向に回転しているものとする。
本二極直流モータの回転動作時には、図11のダイオードブリッジ回路およびチョークコイルの電圧降下(約1.5V)を考慮しても、7つのコイル片、7片の整流子を用いて、一つのコイル片が短絡されているため、整流子間電圧は約28.5V程度となる{(141.4×(2/3.14)÷3}−1.5=28.5V。
一方、図11の電源回路で本二極直流モータを回転動作した時のブラシ摩耗粉飛散状況の観察結果によると、図13のプラス側ブラシ21と整流子23の接触点P点において、ブラシの長さ方向APと直角を成す矢印をPQとし、P点における整流子23の接線方向の矢印をPRとすると、反回転方向の矢印PQと矢印PRが囲む範囲に多くのブラシ摩耗粉が飛散しており、このQRの範囲に相当するケース1及びブラケット4の内表面にブラシ摩耗粉25が多量に飛散・付着している事が観測された。
もう一方のマイナス側ブラシ22の摩耗粉は、同様にTUの範囲に相当するケース1及びブラケット4の内表面に多量に付着している事が観測された。
この観測結果から前述のQR及びTUの範囲に相当するケース及びブラケットの位置に切欠部を作り、ブラシ摩耗粉排出口を設ければブラシ摩耗粉を二極直流モータの外部へ排出するのに効果的である事が推測される。
【0007】
図14はブラシ磨耗粉飛散状況の軸方向観測図で、ブラシ21と整流子23が接触する点をK点とし、ブラシの長さ方向JK軸を0度とすると、0度から30度近辺に多量のブラシ磨耗粉25が飛散しており、角度が増加するに従い飛散量は減少している。
これらの観測結果から、ケース1の上記角度30度に相当するN点以上の深さを有するブラシ磨耗粉排出口を設ければ、ブラシ磨耗粉を効率的に排出できることが予想される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
磁性と導電性を有する構造用炭素鋼板などを用いて、プレス・絞り加工等により製作されたケースを有する密閉構造や半密閉構造のブラシタイプ二極直流モータでは、ブラシ摩耗粉がモータの内部に飛散・付着し絶縁劣化を招くことがある。またモータの構造上、整流に用いられるブラシの有効長さがケース寸法に制限されて寿命が短いと言う欠点がある。本発明ではこれらの欠点を改善して、従来品より有効長の長いブラシの使用を可能とした長寿命の2極直流モータとすることが出来る絶縁構造を提供する事が課題である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の対象となるブラシタイプ二極直流モータは、長寿命化をはかる目的でブラシの有効長を伸ばす事が可能と成るように、ブラシホルダーをモータの外周方向へ伸長し、ブラシホルダーの先端外径寸法がケース外径寸法、あるいはブラケットの外形寸法とほぼ同程度となるように構成している。これにともないケースとブラシホルダーとの絶縁距離を確保するために、ケース開口端のブラシホルダーに対向する部位に切欠部を設け絶縁孔とし、充分な絶縁距離と沿面距離を確保する事を可能とする。
またブラシ摩耗粉の飛散が集中するケース及びブラケットの部位に切欠部を設け、ブラシ摩耗粉のモータ外部への排出を容易にするブラシ摩耗粉排出口を設ける。
更にケースとブラケットとを勘合する絶縁性ブラケットの勘合部に引き続きモータの軸方向に伸長した絶縁隔壁を設け、インロー部、切欠部、ケース外周部へと前述の絶縁隔壁を4分割された各々のケース端部の回りに一巡させた絶縁構成とする。
ブラケットは絶縁材料より構成されているから、前記絶縁隔壁も絶縁材料より成る。この絶縁隔壁の伸長長さと伸長部先端の厚さおよびケース部に対向する長さを加えた合計長さが沿面距離となるので、従来のブラシタイプ直流モータの沿面距離より格段と長くなる。
【0010】
【実施例】
以下図面によって本発明の実施例を説明する。
図1は本発明になる二極直流モータの断面図で、図2は回転軸方向より見た外観図である。尚、本直流モータの駆動には図11の電源回路を用いている。
図1は図2のFーOーF’断面図で、図1の中心線C1の上部図形は図2のF−O断面を示し、下部の図形はO−F’断面を示している。
図1及び図2において本二極直流モータの回転軸31を中心にして小判形ケース32、絶縁孔33,34、ブラシ摩耗粉排出口35,36、ブラシホルダー37,38、ブラケット39に設けられた絶縁隔壁40,41,42,43が配置されている。
ブラシホルダー37,38にはブラシ50,51、コイルバネ52,53が配置され電機子54に装着された整流子55にブラシ50、51が接触している。
【0011】
図3(a)はケース32の側面形状図であり、図3(b)は図3(a)のD−D’断面図である。図2の絶縁孔33,34に対応する切欠部61,62、ブラシ磨耗粉排出口35,36に対応する切欠部63,64が設けられている。
【0012】
図1、図2においてブラシホルダー37,38の外径寸法は、ケース32の外径寸法よりやや大きく、ブラケット39の外形寸法よりやや小さい寸法とする事で、実装されるブラシ50,51の長さを増し回転寿命の延長を図る構成としている。又ブラシホルダー37,38にはブラシ押圧用コイルバネ52,53が装着されている。
本例では図10に示した従来形二極直流モータのブラシ7,8の有効長さ4.5mmに対して、本ブラシ50,51の有効長さを8.5mmとする事により、従来形二極直流モータのブラシ有効長さに比べ約1.9倍の長さとなっている。
この様に、ケースのブラシホルダーに対応する位置に切欠部を設け、ブラシホルダーの外径寸法を大きくする事によりブラシの有効長を長くする事を可能としている。
【0013】
図4に図1のA−A‘断面図を示す。ブラケット39には図3に示された小判形ケースの切欠部61,62に相当する部分に絶縁孔33,34を設け、ブラシホルダー37,38とケース32との空間距離及び沿面距離を大きくする。
この絶縁孔33,34は、図4の図形の中心線C2に対して線対象の位置の設けられている。
【0014】
更に図4において、図13で述べられた幅QR、幅TUに相当するブラケット39の部分に、これらの幅よりやや広く幅Q’R‘、T’U‘のブラシ摩耗粉排出口35,36を設ける。したがって図3の小判形ケースの開口端に切欠部63,64が設けられ、前述の切欠部61,62と合わせてケース32の開口端は4分割される。この切欠部63,64に相当するブラケット39のブラシ摩耗粉排出口が35,36である。
更にケースの切欠部63,64の軸方向深さは、図14で観察された様に、ブラシと整流子が接触するK点を基準として30度傾斜したケースの交点Nを超えた深さとなっている。
このブラシ摩耗粉排出口35,36の開口幅Q‘R’、T‘U’は、図4の図形中心点Oに対して点対象となっている。
この様に、絶縁孔33,34及びブラシ摩耗粉排出口35,36を設けることにより、ブラシ摩耗粉の大部分が外部に排出されるとともに、本二極直流モータは開放型となりモータ温度の低下にも役だっている。
【0015】
図4には更にブラシホルダー37,38とブラシ50,51、ピグテール81,82、接続端子93,94および4分割されたケース端部85,86,87,88、絶縁隔壁40,41.42,43等の関係位置が示されている。
図4の位置関係に示される様に、4分割された導電性で磁性を有するケース端部85,86,87,88は、ブラシホルダーやピグテール、接続端子等の充電部と接近しているので、それぞれ絶縁隔壁40,41,42,43で絶縁されている。
【0016】
図5は図4のB−B‘断面図であり、接続端子93、ピグテール81等の充電部とケース端部85との間に設けられた絶縁隔壁40との位置関係を示している。
接続端子93とケース端部85が接近しているので、両者の間に絶縁隔壁40を設け、この絶縁隔壁40は、図4の絶縁隔壁40に示される様に、ケース端部85の内周面、ブラシ摩耗粉排出口35の記号U‘部、外周部、更に絶縁孔33の記号W’部を通りケース端部85の周囲を一巡した絶縁隔壁40をなしている。
この様に絶縁隔壁がケース端部の周囲を、空隙xでもって一巡する事によって、二極直流モータ内部の充電部とケース端部、更にはモータ外部の接続端子とケース外周端部との絶縁隔壁となっている。従って二極直流モータの内部及び外周部に付着した導電性のブラシ摩耗粉による絶縁劣化を防ぐ構造となっている。
前述の様にケース端部を、空隙xを保ちながら一巡する絶縁隔壁40を二極直流モータの軸方向と平行に設けることにより、モータ内部の接続端子93とケース端部85との沿面距離は、a,b,c,d,eの和の長さとなり、モータ外部の接続端子93とケース端部85の外周部における沿面距離は、f,g,h,i,jの和の長さとなる。
尚、e部はテーパーとなっており、沿面距離を構成すると共に、ケースをブラケットに組み立てる時の組立案内ともなっている。
【0017】
図5と同様部分の従来品の構造を図6に示す。充電部である接続端子11とケース1とのモータ内部の沿面距離はA,B,Cの和で、モータ外部の接続端子11とケース1の沿面距離はD,Eの和である。
図5と図6を比較すると明らかなように、本発明になる二極直流モータの沿面距離は従来品に比べて充分長くなっている。
従来品で最も短い沿面距離の所で比較すると、実施例ではモータ内部のブラシホルダーとケース間の沿面距離が4mmであったものが本発明では18mmに、モータ外部の接続端子とケース間が従来品で2mmであったものが本発明品で26mmへと大幅に増加し、それぞれ4.5倍、13倍の沿面距離となった。
【0018】
図7は図4のC−C’部断面を図1に示す範囲Gにまで延長して示したものである。絶縁孔33部のブラシホルダー37、ブラシ50、コイルバネ94、絶縁隔壁40,43、ケース端部85,88、ブラケット39の位置関係を示している。
ブラシホルダー37とケース端部85,88との間にケース端部を一巡する絶縁隔壁40,43がモータの軸方向と平行に、ケース端部85,88と空隙xを持って設けられている。したがってこの時のブラシホルダー37とケース端部85との沿面距離は、k,l,m,n,oの和の長さとなり、ブラシホルダー37とケース端部88との沿面距離はp、q、r、s、tの和の長さとなる。又ブラシホルダー37とケース32の空間距離は充分に大きく保たれている。
【0019】
図4の矢視X方向より見たブラシ摩耗粉排出口配置図を図8に示す。ブラシ摩耗粉排出口36により分割されたケース端部87,88には夫々絶縁隔壁42,43が巡らされ、ブラシ摩耗粉排出口36はブラシ摩耗粉が排出し易い様に、図4においては図形の中心点Oに対して点対称の位置に、図8においては中心線C3に対して非対象の幅位置となり、その結果ブラシ摩耗粉排出口36の図形の中心線C3に対する開口幅u,vは同一寸法とならず、幅uが幅v対して広くなっている。即ち中心線C3よりみて電機子の回転が進む方向の開口幅uが、回転と反対方向の開口幅vより幅広となっている。更に軸方向の長さwは、図14における整流子とブラシの接触点Kにおいて、ブラシ側面JKに対して30度の傾斜を持ったケースとの交点Nとケース1の終端L点との間の長さ以上となっている。また絶縁隔壁42,43の長さはブラシ摩耗粉排出口36の軸方向長さwの近くまで延長されている。
【0020】
図9には電機子鉄心や巻線、永久磁石が配置されている範囲に、ブラシ摩耗粉が入らない様にするためのブラシ磨耗粉しきり板を設けた二極直流モータ断面図を示す。
即ち、電機子巻線56と整流子55との間に、電機子の回転と共に回転するブラシ摩耗粉しきり板57を設ける。このブラシ摩耗粉しきり板57をケースのN点とほぼ一致した電機子の位置に設けることにより、永久磁石、電機子鉄心、巻線等が配置される巻線室58と整流子、ブラシなどが配置される整流室59とに分離し、巻線室58へのブラシ摩耗粉の飛散・進入を防止する。
このしきり板57に羽根60を設け、ケース32に通風口73を設ければ、空気は通風口73、電機子と永久磁石の空隙および永久磁石と永久磁石との間隙を通って羽根60、しきり板57を通り、ブラシ摩耗粉排出口35,36、絶縁孔33,34へと流れるので、ブラシ摩耗粉の巻線室58への流入防止と外部への排出を助長する効果がある。
【0021】
以上述べられた様に、50/60Hz、交流100Vを全波整流して、この電源を直接印加して駆動する様な小形直流モータにおいては、整流子とブラシとの整流動作時に整流火花が発生する。このためブラシが摩耗すると共にこのブラシ摩耗粉がモータの内部に飛散し、充電部や非充電部に付着する事となる。このブラシ摩耗粉は導電性であるため、時間の経過と共に充電部と非充電部間の絶縁抵抗が低下する。
このブラシ摩耗粉の飛散状況を観察すると、整流火花の発生部を基準として、回転方向と反対方向で、ブラシの長さ方向に直角の向きと、整流子の接線の向きとの間に多くのブラシ摩耗粉が飛散・付着していることが観測された。
従って本発明の二極直流モータにおいては、前述のブラシ摩耗粉の飛散量が多く観察されたケースおよびブラケットの部分にブラシ摩耗粉排出口を設けた。また本二極直流モータの寿命時間を長くする目的でブラシを長くするために、ブラシホルダー近傍のケースに絶縁口を設けた。
この結果4分割された各々のケース端部の回りに空隙を持って一巡する絶縁隔壁をモータの軸方向に設けることにより、モータ内部の充電部とケース間、及びモータ外部の充電部とケース間の沿面距離を長くすることにより絶縁性の向上を計っている。
【0022】
【発明の効果】
本発明に成るブラシタイプの二極直流モータは、モータ内部のブラシホルダーやピグテール、接続端子などの充電部とモータケースとの間、モータ外部ではモータ端子とケースとの間に、モータの軸方向に伸長し複数個に分割されたケース端部を一巡する絶縁隔壁を設けることにより実質的な沿面距離が増加した。この結果モータ寿命延長のためにブラシ長さを伸長した事によりブラシ摩耗粉の飛散量が増加した場合でも絶縁劣化を抑制することが出来るブラシタイプの二極直流モータを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に成る例の二極直流モータの断面図
【図2】本発明に成る例の軸方向より見た二極直流モータの外観図
【図3】 ケース側面形状図およびその断面図
【図4】図1のA−A’断面図
【図5】図4のB−B’断面図
【図6】図5に相当する従来品の断面図
【図7】図4のC−C’断面図
【図8】図4の矢視X方向より見たブラシ摩耗粉排出口配置図
【図9】 ブラシ磨耗粉しきり板を設けた二極直流モータ断面図
【図10】従来形二極直流モータの断面図
【図11】電源回路接続図
【図12】電機子回路図
【図13】回転方向ブラシ磨耗粉飛散状況観察図
【図14】軸方向ブラシ磨耗粉飛散状況観察図
【符号の説明】
1 ケース
2 永久磁石
3 固定子組立
4 ブラケット
5、6 ブラシホルダー
7,8 ブラシ
9,10 コイルバネ
11,12 接続端子
13 回転軸
14 電機子鉄心
15 巻線
16 整流子
17 電機子
18,19 軸受
21,22 ブラシ
23 整流子
23a、23b、23c、23d、23e,23f,23g整流子片
24 コイル
24a,24b、24c,24d,24e,24f,24gコイル片
25 ブラシ磨耗粉
31 回転軸
32 ケース
33,34 絶縁孔
35、36 ブラシ磨耗粉排出口
37、38 ブラシホルダー
39 ブラケット
40、41,42,43 絶縁隔壁
50,51 ブラシ
52,53 コイルバネ
54 電機子
55 整流子
56 電機子巻線
57 しきり板
58 巻線室
59 整流室
60 羽根
61,62,63,64 切欠部
73 通気口
85、86、87、88 ケース端部
81、82 ピグテール
93、94 接続端子
94,95 コイルバネ
x 空隙
AP、JK ブラシ長さ方向記号
C ノイズ防止用コンデンサー
C1、C2、C3 中心線
CH1、CH2 ノイズ防止用チョークコイル
G 範囲記号
K ブラシと整流子の軸方向接触点
L ケースの終端
N JKより30度傾斜した線と交わるケースの位置
O 図形の中心記号
P ブラシと整流子の反回転方向接触点
PQ、PR、ST、SU 矢印記号
QR、TU 範囲記号
Q’R’、T’U’ ブラシ磨耗粉排出口幅
Y 電機子回転方向記号
U’ ブラシ磨耗粉排出口の幅位置記号
W’ 絶縁孔の幅位置記号
A−A’ 断面記号
B−B’ 断面記号
C−C’ 断面記号
D−D’ 断面記号
F−O−F’ 断面記号
F−O 断面記号
O−F’ 断面記号
D1、D2、D3、D4 整流器
A,B,C,D,E 沿面距離
a,b,c,d,e,f,g、h,i,j 沿面距離
k,l,m,n,o,p,q,r,s,t 沿面距離
u,v,w ブラシ磨耗粉排出口寸法
x 空隙
X 矢視記号

Claims (3)

  1. 電機子鉄心と整流子を回転軸に固定し巻線を施した電機子と、導電性と磁性を有するプレス・絞り加工より成るケースの一方端部に電機子の一方の軸受を支持する軸受支持部を有し、本ケースの内周部に永久磁石を保持し、他の一方のケース端部には2個所の絶縁孔と、2個所のブラシ磨耗粉排出口を設けて構成された固定子組立と、給電のための接続端子とブラシホルダーとブラシが配置されるとともに、電機子の一方の軸受を支持する軸受支持部が設けられたブラケットとにより、電機子を支持して構成された二極直流モータにおいて、4分割されたケース端部と勘合するブラケットのインロー部に連続して、モータの軸方向へ延長した絶縁隔壁設け、この絶縁隔壁はケース端部の内周部、絶縁孔部、外周部、ブラシ磨耗粉排出口を通り、4分割された各々のケース端部の回りを、空隙を設けた状態で一巡する事を特徴とした絶縁隔壁を有する二極直流モータ。
  2. 反回転方向側の整流子とブラシの接触点において、ブラシの長手方向と直角を成す反回転方向の向きと、整流子の外周と接線を成す反回転方向の向きとに相当するブラケットの開口幅と、整流子とブラシの電機子鉄心側の接触点において、ブラシの長手方向と電機子鉄心側へ30度を成す角度に相当するケースの位置近傍のケース切欠部深さを有するブラシ磨耗粉排出口を有し、このブラシ磨耗粉排出口はモータの軸中心に対して点対称に設けられた事を特徴とする請求項1の二極直流モータ。
  3. 整流子とブラシの電機子鉄心側の接触点において、ブラシの長手方向と電機子鉄心側へ30度を成す角度に相当するケースの位置近傍に該当する電機子の位置に、電機子に固定したブラシ磨耗粉しきり板を構成した請求項2の二極直流モータ。
JP2002245205A 2002-08-26 2002-08-26 小形二極直流モータの絶縁構造 Expired - Fee Related JP4236887B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002245205A JP4236887B2 (ja) 2002-08-26 2002-08-26 小形二極直流モータの絶縁構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002245205A JP4236887B2 (ja) 2002-08-26 2002-08-26 小形二極直流モータの絶縁構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004088885A JP2004088885A (ja) 2004-03-18
JP4236887B2 true JP4236887B2 (ja) 2009-03-11

Family

ID=32053466

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002245205A Expired - Fee Related JP4236887B2 (ja) 2002-08-26 2002-08-26 小形二極直流モータの絶縁構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4236887B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6293476B2 (ja) * 2013-04-22 2018-03-14 アスモ株式会社 モータ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004088885A (ja) 2004-03-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3917967B2 (ja) 回転電機の回転子
KR20010039538A (ko) 차량용 교류 발전기
US20090015083A1 (en) Shaft grounding thread structure of an electric motor
KR20150144294A (ko) 히트 싱크를 갖는 회전자
WO2020255807A1 (ja) 電動機及び電動送風機
US6628035B2 (en) Alternator
JP4236887B2 (ja) 小形二極直流モータの絶縁構造
JP2007006633A (ja) 電動機およびそれを用いた燃料ポンプ
KR100645585B1 (ko) 직류 모터
KR20180078386A (ko) 방열 성능이 강화된 bldc 모터
WO2022137890A1 (ja) 電動機
JP3685392B2 (ja) 交流発電機
WO2021161751A1 (ja) 電動機及び電動送風機
JP2019122059A (ja) ブラシ付モータ、及びラジエータ冷却用ファンモータ
JP2022062289A (ja) 電動機及び電動送風機
WO2021215082A1 (ja) 回転子及び電動機
JP2006280087A (ja) 回転電機
KR0119674Y1 (ko) 2-정류자 모터의 브러쉬 분진 배출 구조
KR100557886B1 (ko) 차량용 교류발전기의 회전자
WO2021149571A1 (ja) 整流子、電動機及び整流子の製造方法
JPH10174367A (ja) 回転電機の回転子
JP7210886B2 (ja) モータおよびファンモータ
JP4131644B2 (ja) 電動送風機
JP2006166627A (ja) 交流発電機
WO2019211965A1 (ja) 電動機及び電動送風機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050720

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080716

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080724

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080827

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080827

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081209

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081217

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4236887

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111226

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111226

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121226

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131226

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees