JP4236032B2 - インターネット通信システム及びインターネット通信方法及びセッション管理サーバ及び通信アダプタ - Google Patents
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Description
この発明は、例えば、音声データ(リアルタイム特性をもつデータとして、動画表示や3次元グラフィックス表示のためのデータも類似的に応用が可能である)を送受信する通信装置に通信アダプタを接続して、通信アダプタを接続した発呼側の通信装置と着呼側の通信装置とによりインターネットを介して音声データを送受信するインターネット通信システム、及び、インターネット通信方法に関する。特に、発呼側の通信アダプタを管理する発呼側セッション管理サーバと、着呼側通信アダプタを管理する着呼側セッション管理サーバとを備えるインターネット通信システム、及び、インターネット通信方法に関する。
また、発呼側通信アダプタと着呼側通信アダプタとから接続され、発呼側及び着呼側の双方の通信アダプタを管理するセッション管理サーバと、セッション管理サーバ上で動作するプログラムに関する。
また、発呼側セッション管理サーバと着呼側セッション管理サーバとに接続され、発呼側及び着呼側の双方のセッション管理サーバと通信を行う通信アダプタと、通信アダプタ上で動作するプログラムに関する。
また、発呼側の通信アダプタと発呼側通信中継サーバと着呼側の通信アダプタと着呼側通信中継サーバとのそれぞれの間を、所定の通信手順を用いてデータ通信するインターネット通信システム、及び、インターネット通信方法に関する。
また、通信アダプタとサーバ装置との間を、所定の通信手順を用いてデータ通信する通信中継サーバと、通信中継サーバ上で動作するプログラムに関する。
背景技術
音声データをインターネットを介して送受信するインターネット電話ネットワークシステムでは、発呼側の通信アダプタと着呼側の通信アダプタにIP(Internet Protocol)アドレスを付与して通信をする。ここで、IPアドレスは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)で通信する送信元と送信先とを識別するアドレスである。IPアドレスには、世界的にユニークな識別性を持つグローバルIPアドレスとユーザが独自に設定するローカルIPアドレス(プライベートIPアドレスとも呼ぶ場合もある)があるが、以下、単に「IPアドレス」という場合は、グローバルIPアドレスを意味するものとする。
また、発呼側の通信アダプタと着呼側の通信アダプタが通信する場合、発呼側の通信アダプタと着呼側の通信アダプタとの間に通信を中継する中継サーバを設置する場合がある。例えば、着呼側のネットワーク環境が、例えば、着呼側がファイアフォールに守られているネットワーク環境である場合に、中継サーバにより着呼側のネットワーク環境に合わせた通信手段が選択されて、発呼側と着呼側とを接続することがある。
また、着呼側がADSL(Asymmetric digital subscriber line)接続装置の下層に配置されていることによりアドレスが動的に割り当てられたり、ローカルIPアドレスが割り当てられたりしてしまうため、発呼側の通信アダプタが直接着呼側の通信アダプタと接続できないようなネットワーク環境である場合に、中継サーバにより着呼側のネットワーク環境に合わせた通信手段が選択されて、発呼側と着呼側とを接続することがある。
また、ADSLに限らず、CATV(Cable Television)、FTTH(Fiver To The Home)、インターネットマンション等、あらゆるインターネット接続環境の中でルータ装置の設定によってその下層に通信アダプタが配置されていることより、通信アダプタのアドレスが動的に割り当てられたり、通信アダプタにローカルIPアドレスが割り当てられたりしてしまうため、発呼側の通信アダプタが直接着呼側の通信アダプタと接続できないようなネットワーク環境である場合に、中継サーバにより着呼側のネットワーク環境に合わせた通信手段が選択されて、発呼側と着呼側とを接続することがある。
図27に、PCT/JP01/04003(出願日が2001年5月15日であり、本出願の優先権主張の基礎となる出願出願時において未公開のPCT出願。詳細はPCT/JP01/04003の出願を参照されたい。或いは、ここに、PCT/JP01/04003の出願を参照としてインコーポレートするものとする(PCT/JP01/04003 IS INCORPORETED HEREIN BY REFERENCE)。)に示されたインターネット電話ネットワークシステムの構成図を示す。図27の910,920は、電話機であり屋内電話線911,921によって通話アダプタ912,922と接続されている。電話機910,920との間には通話データの送受信を中継する中継サーバ918が設置されている。中継サーバ918は、複数のHTTP(ハイパーテキスト トランスファ プロトコル)中継サーバ918aと918bと、HTTP中継サーバを管理するHTTP中継サーバ管理サーバ980とにより構成されている。また、中継サーバ918はインターネット16を介して電話機910,920とを接続している。電話機910を発呼側、電話機920を着呼側として、発呼側から着呼側へ通話を行うために接続を行うと、中継サーバ管理サーバ980は、インターネットを介して発呼側から発呼要求を受け取る。HTTP中継サーバ管理サーバ980は、受け取った発呼要求をもとに中継可能なHTTP中継サーバを選択する。選択されたHTTP中継サーバは、発呼側と着呼側との通信を中継する。
このようなシステムでは、一台のHTTP中継サーバ管理サーバが全ての通話アダプタとHTTP中継サーバを管理して、通信の中継を実現していた。
上記したインターネット電話ネットワークシステムでは、通話アダプタが普及して数十万台単位で通話アダプタが全国、全世界に設置されるようになると、一台の中継サーバ管理サーバで全ての中継サーバと通話の要求を行う通話アダプタとを管理することは能力的に無理があり、システムの実現が困難であるという問題が発生する。また、中継サーバ管理サーバが全ての中継サーバを管理できたとしても、提供できるサービスの質が低下するという問題が発生する。
この発明は、例えば、通話(通信)アダプタの数が増加しても通信システムが運営できるようにすることを目的とする。
発明の開示
この発明に係るインターネットを用いてデータ通信をするインターネット通信システムは、発呼側の通信アダプタと、着呼側の通信アダプタと、発呼側の通信アダプタを管理する発呼側のセッション管理サーバと、着呼側の通信アダプタを管理する着呼側のセッション管理サーバとを備え、発呼側の通信アダプタは、発呼側のセッション管理サーバに着呼側の通信アダプタのアダプタIDを送信し、発呼側のセッション管理サーバは、発呼側の通信アダプタから着呼側の通信アダプタのアダプタIDを受信し、アダプタIDで識別される着呼側の通信アダプタを管理している着呼側のセッション管理サーバのサーバIDを発呼側の通信アダプタへ返信し、発呼側の通信アダプタは、発呼側のセッション管理サーバから着呼側のセッション管理サーバのサーバIDを受信し、受信したサーバIDで識別される着呼側のセッション管理サーバに着呼側の通信アダプタのアダプタIDを送信し、着呼側の通信アダプタとのセッションの確立要求を送信し、着呼側のセッション管理サーバは、発呼側の通信アダプタから着呼側の通信アダプタのアダプタIDを受信し、受信したアダプタIDで識別されるアダプタに対してセッションの確立要求を受信したことを記憶し、着呼側の通信アダプタは、着呼側のセッション管理サーバにセッションの確立要求が記憶されているかを自己のアダプタIDにより検索し、着呼側のセッション管理サーバにセッションの確立要求が記憶されている場合に、かつ、自己が通信可能状態にある場合に、着呼側のセッション管理サーバに通信可能状態にあることを送信し、着呼側のセッション管理サーバは、着呼側の通信アダプタから通信可能状態が通知された場合に、インターネットを用いたセッションの確立を発呼側の通信アダプタと着呼側の通信アダプタとに許可することを特徴とする。
また、この発明に係るインターネットを用いてデータ通信をするインターネット通信システムは、発呼側の通信アダプタと、着呼側の通信アダプタと、発呼側の通信アダプタを管理する発呼側のセッション管理サーバと、着呼側の通信アダプタを管理する着呼側のセッション管理サーバとを備え、発呼側の通信アダプタは、発呼側のセッション管理サーバに着呼側の通信アダプタのアダプタIDを含むセッション確立要求を送信し、発呼側のセッション管理サーバは、発呼側の通信アダプタから着呼側の通信アダプタのアダプタIDを受信し、アダプタIDで識別される着呼側の通信アダプタを管理している受信したサーバIDで識別される着呼側のセッション管理サーバへ、着呼側の通信アダプタのアダプタIDを含むその発呼メッセージを転送し、着呼側の通信アダプタとのセッションの確立要求を送信し、着呼側のセッション管理サーバは、発呼側の通信アダプタから着呼側の通信アダプタのアダプタIDを受信し、受信したアダプタIDで識別されるアダプタに対してセッションの確立要求を受信したことを記憶し、着呼側の通信アダプタは、あらかじめ、自己が通信可能状態にある場合に、着呼側のセッション管理サーバに通信可能状態にあることを送信しておき、着呼側のセッション管理サーバによりセッションの確立要求が記憶されているかを自己のアダプタIDにより検索された結果、着呼側の通信アダプタにセッションの確立要求があったという情報を受信し、着呼側のセッション管理サーバは、着呼側の通信アダプタから通信可能状態が通知された場合に、インターネットを用いたセッションの確立を発呼側のセッション管理サーバと着呼側の通信アダプタとに許可し、発呼側の通信アダプタは、発呼側のセッション管理サーバから、通信可能状態にある場合に通信可能状態情報を受信し、インターネットを用いたセッションの確立を行うことを特徴とする。
この発明に係るインターネット通信システムは、インターネットを用いてデータ通信をするインターネット通信システムにおいて、
発呼側の通信アダプタと、
着呼側の通信アダプタと、
発呼側の通信アダプタを管理する発呼側のセッション管理サーバと、
着呼側の通信アダプタを管理する着呼側のセッション管理サーバ
とを備え、
発呼側の通信アダプタは、発呼側のセッション管理サーバに着呼側の通信アダプタのアダプタIDを含むセッション確立要求を送信し、
発呼側のセッション管理サーバは、発呼側の通信アダプタから着呼側の通信アダプタのアダプタIDを受信し、アダプタIDで識別される着呼側の通信アダプタを管理している着呼側のセッション管理サーバのサーバIDを求め、求めたサーバIDで識別される着呼側のセッション管理サーバへアダプタIDを送信して、着呼側の通信アダプタとのセッションの確率要求を送信し、
着呼側のセッション管理サーバは、発呼側のセッション管理サーバから着呼側の通信アダプタのアダプタIDを受信し、受信したアダプタIDで識別されるアダプタに対してセッションの確立要求を受信したことを記憶し、着呼側の通信アダプタからの通信可能状態を受信して、受信した通信可能状態の着呼側の通信アダプタに対するセッション確立要求が記憶されている場合に、インターネットを用いたセッションの確立を発呼側のセッション管理サーバと着呼側の通信アダプタとに許可し、
着呼側の通信アダプタは、自己が通信可能状態にある場合に、着呼側のセッション管理サーバに通信可能状態にあることを送信し、
発呼側の通信アダプタは、発呼側のセッション管理サーバから、着呼側のセッション管理サーバからインターネットを用いたセッションの確立を許可されたことを受信することを特徴とする。
また、この発明に係るインターネット通信システムは、更に、通信アダプタからアダプタIDを受信し、通信アダプタを管理するセッション管理サーバをアダプタIDに基づいて指定し、指定したセッション管理サーバのサーバIDを通信アダプタに通知する指定通知サーバを備えたことを特徴とする。
また、この発明に係るインターネット通信システムは、更に、発呼側の通信アダプタと着呼側の通信アダプタとの間の通信を中継する着呼側の通信中継サーバを備え、着呼側のセッション管理サーバは、着呼側の通信中継サーバを識別する着呼側の通信中継サーバIDを発呼側の通信アダプタと着呼側の通信アダプタとに送信し、発呼側の通信アダプタと着呼側の通信アダプタとは、着呼側の通信中継サーバIDを受信し、着呼側の通信中継サーバIDで識別される着呼側の通信中継サーバを介してセッションを確立することを特徴とする。
また、この発明に係る上記インターネット通信システムは、更に、発呼側の通信アダプタと着呼側の通信アダプタとの間の通信を中継する発呼側の通信中継サーバを備え、発呼側のセッション管理サーバは、発呼側の通信中継サーバを識別する発呼側の通信中継サーバIDを発呼側の通信アダプタに送信し、発呼側の通信アダプタは、発呼側の通信中継サーバIDを受信し、発呼側の通信中継サーバIDを着呼側のセッション管理サーバに送信し、着呼側のセッション管理サーバは、発呼側の通信中継サーバIDを着呼側の通信アダプタに送信し、着呼側の通信アダプタは、発呼側の通信中継サーバIDを受信し、発呼側の通信アダプタと着呼側の通信アダプタとは、発呼側の通信中継サーバIDで識別される着呼側の通信中継サーバを介してセッションを確立することを特徴とする。
また、上記アダプタIDは、インターネットサービスプロバイダ(ISP)など個々のローカルIPアドレスにより各接続端末を管理しているドメインの識別子を含むことを特徴とする。
また、上記アダプタIDは、インターネットサービスプロバイダ(ISP)が管理するローカルIP(インターネットプロトコル)アドレスのドメインの識別子を含むことを特徴とする。
また、上記アダプタIDは、通信アダプタが設置されたエリア(ここでいうエリアは、物理的なエリアだけでなく、論理的に複数の端末をグループ化することによる、そのグループの形態をとる場合もある)の識別子を含むことを特徴とする。
また、上記アダプタIDは、通信アダプタをグループ化するグループ識別子を含むことを特徴とする。
この発明に係るインターネットを用いてデータ通信をするインターネット通信方法は、発呼側の通信アダプタから発呼側のセッション管理サーバに着呼側の通信アダプタを管理している着呼側のセッション管理サーバを問い合わせ、発呼側のセッション管理サーバから発呼側の通信アダプタに着呼側の通信アダプタを管理している着呼側のセッション管理サーバを回答し、発呼側の通信アダプタから着呼側のセッション管理サーバに着呼側の通信アダプタに対するセッションの確立要求を送信し、発呼側の通信アダプタから着呼側の通信アダプタに対してセッションの確立要求が合ったことを着呼側のセッション管理サーバに記憶し、着呼側の通信アダプタから着呼側のセッション管理サーバに対してセッションの確立要求があったか否かを問い合わせ、セッションの確立要求があった場合に、かつ、着呼側の通信アダプタが通信可能状態にある場合に、着呼側の通信アダプタから着呼側のセッション管理サーバに通信可能状態にあることを知らせ、着呼側の通信アダプタが通信可能状態にあることを通知された場合に、着呼側のセッション管理サーバがインターネットを用いた発呼側の通信アダプタと着呼側の通信アダプタとのセッションの確立を許可することを特徴とする。
この発明に係るインターネットを用いてデータ通信をするインターネット通信方法は、発呼側の通信アダプタから発呼側のセッション管理サーバに着呼側の通信アダプタに対する着呼側の通信アダプタのアダプタIDを含むセッションの確立要求を送信し、さらに、発呼側のセッション管理サーバから着呼側の通信アダプタを管理している着呼側のセッション管理サーバへ、そのセッションの確立要求を転送し、発呼側の通信アダプタから着呼側の通信アダプタに対してセッションの確立要求が合ったことを着呼側のセッション管理サーバに記憶し、着呼側の通信アダプタは、あらかじめ、自己が通信可能状態にある場合に、着呼側のセッション管理サーバに通信可能状態にあることを送信しておき、着呼側のセッション管理サーバによりセッションの確立要求が記憶されているかを自己のアダプタIDにより検索された結果、着呼側の通信アダプタにセッションの確立要求があったという情報を着呼側のセッション管理サーバが受信する場合に、着呼側のセッション管理サーバがインターネットを用いた発呼側のセッション管理サーバと着呼側の通信アダプタとのセッションの確立を許可し、発呼側のセッション管理サーバは、そのセッションの確立の許可に基づいて、発呼側の通信アダプタに通信可能状態にある場合にその通信可能状態情報を送信することを特徴とする。
この発明に係るインターネット通信方法は、インターネットを用いてデータを通信するインターネット通信方法において、
発呼側の通信アダプタから発呼側のセッション管理サーバに着呼側の通信アダプタに対するセッションの確立要求を送信し、
発呼側のセッション管理サーバから着呼側の通信アダプタを管理している着呼側のセッション管理サーバへ、発呼側の通信アダプタから送信されたセッションの確立要求を送信し、
発呼側の通信アダプタから着呼側の通信アダプタに対してセッションの確立要求があったことを着呼側のセッション管理サーバに記憶し、
着呼側の通信アダプタが通信可能状態にある場合に、着呼側の通信アダプタから着呼側のセッション管理サーバに通信可能状態にあることを知らせ、
着呼側の通信アダプタから通信可能状態にあることを知らされた場合に、かつ、通信可能状態にある着呼側の通信アダプタに対してセッションの確立要求があった場合に、着呼側のセッション管理サーバが、インターネットを用いた発呼側のセッション管理サーバと着呼側の通信アダプタとのセッションの確立を許可し、
発呼側のセッション管理サーバが、セッションの確立を許可された場合に、発呼側の通信アダプタに、インターネットを用いた発呼側のセッション管理サーバと着呼側の通信アダプタとのセッションの確立を許可されたことを知らせることを特徴とする。
この発明に係る発呼側の通信アダプタと着呼側の通信アダプタとから接続されるセッション管理サーバは、発呼側の通信アダプタから着呼側の通信アダプタのアダプタIDを受信し、アダプタIDで識別される着呼側の通信アダプタを管理している着呼側のセッション管理サーバのサーバIDを発呼側の通信アダプタへ返信する発呼側のセッション管理部と、発呼側の通信アダプタから着呼側の通信アダプタのアダプタIDを受信し、受信したアダプタIDで識別されるアダプタに対してセッションの確立要求を受信したことを記憶し、記憶したセッションの確立要求を着呼側の通信アダプタに検索させ、着呼側の通信アダプタから通信可能状態が通知された場合に、インターネットを用いた発呼側の通信アダプタと着呼側の通信アダプタとのセッションの確立を許可する着呼側のセッション管理部とを備えたことを特徴とする。
この発明に係る発呼側の通信アダプタと着呼側の通信アダプタとから接続されるセッション管理サーバは、発呼側の通信アダプタから着呼側の通信アダプタのアダプタIDを含むセッション確立要求を受信し、アダプタIDで識別される着呼側の通信アダプタを管理している着呼側のセッション管理サーバへ、着呼側の通信アダプタのアダプタIDを含むそのセッション確立要求メッセージを転送し、通信可能状態であるかどうかの情報を発呼側の通信アダプタへ返信する発呼側のセッション管理部と、発呼側のセッション管理サーバから着呼側の通信アダプタのアダプタIDを受信し、受信したアダプタIDで識別されるアダプタに対してセッションの確立要求を受信したことを記憶し、記憶したセッションの確立要求を着呼側のセッション管理サーバに検索させ、着呼側の通信アダプタの通信可能状態が判断された場合に、インターネットを用いた発呼側の通信アダプタと着呼側の通信アダプタとのセッションの確立を許可する着呼側のセッション管理部とを備えたことを特徴とする。
この発明に係るセッション管理サーバは、発呼側の通信アダプタと着呼側の通信アダプタとから接続されるセッション管理サーバであって、
発呼側の通信アダプタから着呼側の通信アダプタのアダプタIDを含むセッション確立要求を受信し、アダプタIDで識別される着呼側の通信アダプタを管理している着呼側のセッション管理サーバへ、発呼側の通信アダプタから受信した着呼側の通信アダプタのアダプタIDを含むセッション確立要求を送信する発呼側のセッション管理部と、
発呼側のセッション管理サーバから着呼側の通信アダプタのアダプタIDを受信し、受信したアダプタIDで識別されるアダプタに対してセッションの確立要求を受信したことを記憶し、着呼側の通信アダプタから通信可能状態が通知された場合に、記憶したセッションの確立要求を検索し、インターネットを用いた発呼側の通信アダプタと着呼側の通信アダプタとのセッションの確立を許可する着呼側のセッション管理部とを備えたことを特徴とする。
この発明に係る発呼側のセッション管理サーバと着呼側のセッション管理サーバとに接続される通信アダプタは、発呼側のセッション管理サーバに着呼側の通信アダプタのアダプタIDを送信し、発呼側のセッション管理サーバから着呼側の通信アダプタを管理している着呼側のセッション管理サーバのサーバIDを受信し、受信したサーバIDで識別される着呼側のセッション管理サーバに着呼側の通信アダプタのアダプタIDを送信し、セッションの確立要求を送信する発呼側の通信アダプタ部と、着呼側のセッション管理サーバにセッションの確立要求が記憶されているかを自己のアダプタIDにより検索し、着呼側のセッション管理サーバにセッションの確立要求が記憶されている場合に、かつ、自己が通信可能状態にある場合に、着呼側のセッション管理サーバに通信可能状態にあることを送信する着呼側の通信アダプタ部とを備えたことを特徴とする。
この発明に係る発呼側のセッション管理サーバと着呼側のセッション管理サーバとに接続される通信アダプタは、発呼側のセッション管理サーバに着呼側の通信アダプタのアダプタIDを含むセッションの確立要求を送信し、発呼側のセッション管理サーバは、その着呼側の通信アダプタのアダプタIDを含むセッション確立要求メッセージを着呼側の通信アダプタを管理している着呼側のセッション管理サーバへ転送し、発呼側のセッション管理サーバから着呼側の通信アダプタを管理している着呼側のセッション管理サーバからの着呼側の通信アダプタが通信可能状態にあるかどうかの情報を受信する発呼側の通信アダプタ部と、あらかじめ、自己が通信可能状態にある場合に、着呼側のセッション管理サーバに通信可能状態にあることを送信しておき、着呼側のセッション管理サーバによりセッションの確立要求が記憶されているかを自己のアダプタIDにより検索された結果、着呼側の通信アダプタにセッションの確立要求があったという情報を受信する着呼側の通信アダプタ部とを備えたことを特徴とする。
この発明に係る発呼側の通信アダプタと着呼側の通信アダプタとの間でインターネットを用いてデータ通信をするインターネット通信システムは、ハイパーテキストトランスファプロトコル(HTTP)を用いてインターネットを介して発呼側の通信アダプタとデータ通信する発呼側の通信中継サーバと、HTTPを用いてインターネットを介して着呼側の通信アダプタとデータを通信し、かつ、HTTP以外のプロトコルを用いて発呼側の通信中継サーバとデータ通信する着呼側の通信中継サーバとを備えたことを特徴とする。
また、上記HTTP以外のプロトコルは、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)であることを特徴とする。
また、上記HTTP以外のプロトコルは、リアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)であることを特徴とする。
また、上記HTTP以外のプロトコルは、トランスミッションコントロールプロトコル(TCP)上のアプリケーション用に作られたプロトコルであることを特徴とする。
また、上記HTTP以外のプロトコルは、シンプルコントロールトランスミッションプロトコル(SCTP)上のアプリケーション用に作られたプロトコルであることを特徴とする。
また、上記発呼側の通信中継サーバと着呼側の通信中継サーバとは、インターネットサービスプロバイダ(ISP)の専用ネットワークで接続されることを特徴とする。
また、上記発呼側の通信中継サーバと着呼側の通信中継サーバとは、一般のインターネットのネットワークで接続されることを特徴とする。
この発明に係る発呼側の通信アダプタと着呼側の通信アダプタとの間でインターネットを用いてデータ通信するインターネット通信方法は、
インターネットを介して、発呼側の通信アダプタと発呼側の通信中継サーバとがハイパーテキストトランスファプロトコル(HTTP)を用いてデータを通信し、発呼側の通信中継サーバと着呼側の通信中継サーバとがHTTP以外のプロトコルを用いてデータ通信し、インターネットを介して、着呼側の通信中継サーバと着呼側の通信アダプタとがHTTPを用いてデータ通信することを特徴とする。
この発明に係る通信アダプタとサーバ装置との間のデータ通信を中継する通信中継サーバは、ハイパーテキストトランスファプロトコル(HTTP)を用いてインターネットを介して通信アダプタとデータを通信するHTTP通信部と、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)を用いてサーバ装置とデータ通信するUDP通信部とを備えたことを特徴とする。
この発明に係る発呼側の通信アダプタと着呼側の通信アダプタとから接続されるセッション管理サーバで動作するプログラムは、発呼側の通信アダプタから着呼側の通信アダプタのアダプタIDを受信し、アダプタIDで識別される着呼側の通信アダプタを管理している着呼側のセッション管理サーバのサーバIDを発呼側の通信アダプタへ返信する発呼側のセッション管理処理と、発呼側の通信アダプタから着呼側の通信アダプタのアダプタIDを受信し、受信したアダプタIDで識別されるアダプタに対してセッションの確立要求を受信したことを記憶し、記憶したセッションの確立要求を着呼側の通信アダプタに検索させ、着呼側の通信アダプタから通信可能状態が通知された場合に、インターネットを用いた発呼側の通信アダプタと着呼側の通信アダプタとのセッションの確立を許可する着呼側のセッション管理処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
この発明に係る発呼側の通信アダプタと着呼側の通信アダプタとから接続されるセッション管理サーバで動作するプログラムは、発呼側の通信アダプタから着呼側の通信アダプタのアダプタIDを含むセッションの確立要求を受信し、アダプタIDで識別される着呼側の通信アダプタを管理している着呼側のセッション管理サーバへそのセッションの確立要求を転送し、着呼側のセッション管理サーバから着呼側の通信アダプタが通信可能状態であるかどうかの情報を受信し、その情報を発呼側の通信アダプタへ返信する発呼側のセッション管理処理と、発呼側の通信アダプタから着呼側の通信アダプタのアダプタIDを含むセッションの確立要求を受信し、受信したアダプタIDで識別されるアダプタに対してセッションの確立要求を受信したことを記憶し、記憶したセッションの確立要求を着呼側のセッション管理サーバにて検索を行い、着呼側の通信アダプタの通信可能状態が判断された場合に、インターネットを用いた発呼側の通信アダプタと着呼側の通信アダプタとのセッションの確立を許可し、着呼側の通信アダプタにセッションの確立要求があったという情報を着呼側の通信アダプタへ送信する着呼側のセッション管理処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
この発明に係るプログラムは、発呼側の通信アダプタと着呼側の通信アダプタとから接続されるセッション管理サーバで動作するプログラムであって、
発呼側の通信アダプタから着呼側の通信アダプタのアダプタIDを含むセッションの確立要求を受信し、アダプタIDで識別される着呼側の通信アダプタを管理している着呼側のセッション管理サーバへ発呼側の通信アダプタから受信したセッションの確立要求を送信する発呼側のセッション管理処理と、
発呼側のセッション管理サーバから着呼側の通信アダプタのアダプタIDを含むセッションの確立要求を受信し、受信したアダプタIDで識別されるアダプタに対してセッションの確立要求を受信したことを記憶し、着呼側の通信アダプタの通信可能状態が通知された場合に、記憶したセッションの確立要求を検索して、インターネットを用いた発呼側の通信アダプタと着呼側の通信アダプタとのセッションの確立を許可し、着呼側の通信アダプタにセッションの確立要求があったことを通知する着呼側のセッション管理処理と
をコンピュータに実行させることを特徴とする。
この発明に係る発呼側のセッション管理サーバと着呼側のセッション管理サーバとに接続される通信アダプタで動作するプログラムは、発呼側のセッション管理サーバに着呼側の通信アダプタのアダプタIDを送信し、発呼側のセッション管理サーバから着呼側の通信アダプタを管理している着呼側のセッション管理サーバのサーバIDを受信し、受信したサーバIDで識別される着呼側のセッション管理サーバに着呼側の通信アダプタのアダプタIDを送信し、セッションの確立要求を送信する発呼側の通信アダプタ処理と、着呼側のセッション管理サーバにセッションの確立要求が記憶されているかを自己のアダプタIDにより検索し、着呼側のセッション管理サーバにセッションの確立要求が記憶されている場合に、かつ、自己が通信可能状態にある場合に、着呼側のセッション管理サーバに通信可能状態にあることを送信する着呼側の通信アダプタ処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
この発明に係る発呼側のセッション管理サーバと着呼側のセッション管理サーバとに接続される通信アダプタで動作するプログラムは、発呼側のセッション管理サーバに着呼側の通信アダプタのアダプタIDを含むセッションの確立要求を送信し、発呼側のセッション管理サーバから着呼側の通信アダプタを管理している着呼側のセッション管理サーバを経由して着呼側の通信アダプタが通信可能状態であるかどうかの情報を受信する発呼側の通信アダプタ処理と、着呼側のセッション管理サーバに、自己が通信可能状態にある場合に、着呼側のセッション管理サーバに通信可能状態にあることを送信し、発呼側の通信アダプタからのセッションの確立要求があったという情報を受信する着呼側の通信アダプタ処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
この発明に係るプログラムは、発呼側のセッション管理サーバと着呼側のセッション管理サーバとに接続される通信アダプタで動作するプログラムであって、
発呼側のセッション管理サーバに着呼側の通信アダプタのアダプタIDを含むセッションの確立要求を送信する発呼側の通信アダプタ処理と、
着呼側のセッション管理サーバに、自己が通信可能状態にある場合に、通信可能状態にあることを送信し、着呼側のセッション管理サーバからセッションの確立要求があったことを受信する着呼側の通信アダプタ処理と
をコンピュータに実行させることを特徴とする。
この発明に係る通信アダプタとサーバ装置との間のデータ通信を中継する通信中継サーバで動作するプログラムは、ハイパーテキストトランスファプロトコル(HTTP)を用いてインターネットを介して通信アダプタとデータを通信するHTTP通信処理と、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)を用いてサーバ装置とデータ通信するUDP通信処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
この発明に係る通信アダプタは、発呼を行う時点で、着呼側のセッション管理サーバについて、着呼側の通信アダプタが他の端末と通信状態にあるため、通信不可能状態となっているとき、その状態を示す情報を発呼側のセッション管理サーバを経由して、受信した場合に、通信アダプタ側に接続されている通信装置に対して、他端末と通信中を示す情報を送信することを特徴とする。
この発明に係る通信アダプタは、発呼側のセッション管理サーバと着呼側のセッション管理サーバとに接続されるとともに、少なくとも情報を出力する通信装置を接続する発呼側の通信アダプタであって、
上記着呼側のセッション管理サーバから発呼側のセッション管理サーバを経由して、着呼側の通信アダプタが既に通信状態にあるために、通信不能状態になっていることを受信すると、上記通信装置から着呼側の通信アダプタが既に通信状態にあるために通信不能状態になっていることを出力させることを特徴とする。
また、上記の他の端末と通信状態に入るという情報を着呼側の通信アダプタが、着呼側のセッション管理サーバに、通信開始時点に送信し、他の端末と通信状態を終了したという情報を着呼側の通信アダプタが、着呼側のセッション管理サーバに、通信終了時点に送信することを特徴とする。
この発明に係る通信アダプタは、発呼側のセッション管理サーバと着呼側のセッション管理サーバとに接続される通信アダプタであって、
通信を開始する場合には、着呼側のセッション管理サーバに通信を開始することを送信し、通信を終了する場合には、着呼側のセッション管理サーバに通信を終了することを送信することを特徴とする。
また、上記の他の端末との通信状態としては、本発明で示される呼制御方式での通信を含め、通信アダプタに装備された公衆回線経由での通信や、IPネットワーク経由でのH.323方式やSIP方式等の他の呼制御方式での通信の場合があり、どの形態での通信を行っているかを示す情報を、通信アダプタがセッション管理サーバへ送信し、セッション管理サーバは、その情報を保持して、発呼側のセッション管理サーバや通信アダプタがどの形態での通信を行っているかを認識できることを特徴とする。
また、上記通信アダプタは、所定の呼制御方式によって通信を開始し、上記着呼側のセッション管理サーバに通信を開始することを送信する場合に、上記所定の呼制御方式を識別する情報も含めて送信することを特徴とする。
また、上記の他の端末との通信状態に加えて、その通信アダプタに接続された電話機の操作状況を示す情報を、通信アダプタがセッション管理サーバへ送信し、そのセッション管理サーバは、通信を行う相手側のセッション管理サーバへ、その電話機の操作状況を示す情報を転送し、さらに、その通信を行う相手側の通信アダプタへ転送することで、通信相手の電話機の操作状況を認知できることを特徴とする。
また、上記発呼側の通信アダプタは、少なくとも所定の操作を行うことができる通信装置を接続して、上記通信装置から所定の操作を行ったことを示す情報を入力し、上記発呼側のセッション管理サーバに、入力した所定の操作を行ったことを示す情報を送信し、
上記発呼側のセッション管理サーバは、受信した所定の操作を行ったことを示す情報を、上記着呼側のセッション管理サーバに送信し、
上記着呼側のセッション管理サーバは、受信した所定の操作を行ったことを示す情報を、上記着呼側の通信アダプタに送信することを特徴とする。
この発明に係る通信アダプタは、接続されたネットワーク環境によるIPアドレス取得形態に応じて、その通信アダプタの接続タイプを設定し、セッションの確立要求時に、その通信アダプタの接続タイプを発呼側あるいは着呼側のセッション管理サーバに送信し、セッション管理サーバは、その接続タイプに基づいて、サーバ装置あるいは、他の通信アダプタとの間のデータ通信として、HTTPあるいはUDPのいずれかを選択することを特徴とする。
また、上記発呼側の通信アダプタと着呼側の通信アダプタとはそれぞれ、所定のネットワーク環境に設置されて、上記所定のネットワーク環境に従うIP(インターネット プロトコル)アドレスを割り当てられるとともに、上記IPアドレスの割り当て形態に応じて決定される通信アダプタの接続タイプを記憶し、
上記発呼側の通信アダプタは、発呼側のセッション管理サーバに、上記発呼側の通信アダプタの接続タイプを送信し、
上記着呼側の通信アダプタは、着呼側のセッション管理サーバに、上記着呼側の通信アダプタの接続タイプを送信し、
上記着呼側のセッション管理サーバは、上記着呼側の通信アダプタから送信された接続タイプに基づいて、上記着呼側の通信アダプタとの間で、ハイパーテキストトランスファプロトコル(HTTP)とユーザデータグラムプロトコル(UDP)とのいずれか一方の通信プロトコルを用いてデータを通信することを決定して、上記着呼側の通信アダプタに決定した通信プロトコルを通知する情報を送信し、
上記発呼側のセッション管理サーバは、上記発呼側の通信アダプタから送信された接続タイプに基づいて、上記発呼側の通信アダプタとの間で、ハイパーテキストトランスファプロトコル(HTTP)とユーザデータグラムプロトコル(UDP)とのいずれか一方の通信プロトコルを用いてデータを通信することを決定して、上記発呼側の通信アダプタに決定した通信プロトコルを通知する情報を送信し、
上記発呼側の通信アダプタは、上記発呼側のセッション管理サーバから送信された上記通信プロトコルを通知する情報に従い、データを通信し、
上記着呼側の通信アダプタは、上記着呼側セッション管理サーバから送信された上記通信プロトコルを通知する情報に従い、データを通信することを特徴とする。
この発明に係る通信アダプタの接続タイプは、ISP等のその通信アダプタが所属管理されるドメインにおいて与えれるIPアドレスの形態により、以下の5つのタイプを含むことを特徴とする。
(1)グローバルIPアドレスを固定的に割り当てられている。
(2)プライベートIPアドレスを固定的に割り当てられている。
(3)グローバルIPアドレスをDHCPにより動的に割り当てられる。
(4)プライベートIPアドレスをDHCPにより動的に割り当てられる。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかであるが、その通信アダプタと、そのIPアドレスを与えられるネットワーク接続点の間に、ネットワークアドレス変換(NAT機能)をもつルータ等を設置することで、さらに通信アダプタが局所的なローカルIPアドレスを割り当てられる。
また、上記発呼側の通信アダプタが上記所定のネットワーク環境に従い割り当てられるIPアドレスと上記着呼側通信アダプタが上記所定のネットワーク環境に従い割り当てられるIPアドレスとはそれぞれ、グローバルIP(インターネットプロトコル)アドレスを固定的に割り当てられることと、プライベートIPアドレスを固定的に割り当てられることと、グローバルIPアドレスをDynamic Host Configuration Protocol(DHCP)により動的に割り当てられることと、プライベートIPアドレスをDHCPにより動的に割り当てられることと、ローカルIPアドレスを割り当てられることの少なくともいずれかによりIPアドレスを割り当てられることを特徴とする。
この発明に係る着呼側の通信アダプタは、発呼側の通信アダプタからのセッションの確立要求があったという情報を受信するために、HTTPのGETメソッドを着呼側のセッション管理サーバに発行し、そのステータス応答の内容情報により、発呼側の通信アダプタからのセッションの確立要求があったという情報を受信できることを特徴とする。
また、上記着呼側の通信アダプタは、着呼側のセッション管理サーバに発呼側の通信アダプタからのセッションの確立要求が記憶されていることを確認するために、着呼側のセッション管理サーバにハイパーテキストトランスファープロトコル(HTTP)のGETメソッドを発行し、
上記着呼側のセッション管理サーバは、上記着呼側の通信アダプタから発行されたGETメソッドを受信すると、上記GETメソッドを発行した着呼側の通信アダプタに対するセッション確立要求が記憶されているか検索し、検索した結果を上記GETメソッドに対するGET応答に含めて、上記着呼側の通信アダプタに送信することを特徴とする。
この発明に係る発呼側の通信アダプタは、着呼側の通信アダプタからの相手が電話に出るため受話器をオフフックしたとか、受話器をオンフックして通話を切断したとかなどのイベント情報を受信するために、HTTPのGETメソッドを発呼側のセッション管理サーバに発行し、そのステータス応答の内容情報により、着呼側の通信アダプタからの各種イベントが発生したという情報を受信できることを特徴とする。
また、上記着呼側の通信アダプタは、所定の操作を行うことができる通信装置を接続し、上記接続した通信装置の所定の操作の内容を示す情報を入力して、発呼側のセッション管理サーバに送信し、
上記発呼側のセッション管理サーバは、上記着呼側の通信アダプタから送信された上記着呼側の通信アダプタの接続する通信装置の所定の操作の内容を示す情報を記憶し、
上記発呼側の通信アダプタは、ハイパーテキストトランスファプロトコル(HTTP)のGETメソッドを用いて、上記発呼側のセッション管理サーバに記憶された上記着呼側の通信アダプタの接続する通信装置の所定の操作の内容を示す情報を取得することを特徴とする。
また、上記HTTPのGETメソッドを着呼側の通信アダプタは、一定周期ごとに着呼側のセッション管理サーバに発行し、通話処理がなされていない間は、発呼側の通信アダプタからのセッションの確立要求がなかったという情報を着呼側のセッション管理サーバから受信し、通話処理開始時において、発呼側の通信アダプタからのセッションの確立要求があった時点のみ、発呼側の通信アダプタからのセッションの確立要求があったという情報を着呼側のセッション管理サーバから受信できることを特徴とする。
また、上記着呼側の通信アダプタは、ハイパーテキストトランスファプロトコル(HTTP)のGETメソッドを一定周期ごとに着呼側のセッション管理サーバに送信し、
上記着呼側のセッション管理サーバは、上記着呼側の通信アダプタから上記GETメソッドを受信すると、上記発呼側の通信アダプタからセッションの確立要求がなされているが、上記発呼側と着呼側の通信アダプタとの間で通信が開始されていない場合には、上記着呼側の通信アダプタに対して、上記発呼側の通信アダプタからのセッションの確立要求がなかったという情報を送信し、上記発呼側の通信アダプタからセッションの確立要求がなされて、上記発呼側と着呼側の通信アダプタとの間で通信が開始されている場合には、上記着呼側の通信アダプタに対して、上記発呼側の通信アダプタからのセッションの確立要求があったという情報を送信することを特徴とする。
また、上記HTTPのGETメソッドを着呼側の通信アダプタは、初期化時において、一度着呼側のセッション管理サーバに発行し、通話処理開始時において、発呼側の通信アダプタからのセッションの確立要求があった時点で、着呼側のセッション管理サーバから着呼側の通信アダプタへそのステータス応答の内容情報が送信されることで、発呼側の通信アダプタからのセッションの確立要求があったという情報を受信できることを特徴とする。
また、上記着呼側の通信アダプタは、電源投入時や通話処理が完了した直後の通話開始の準備がなされるときに、上記着呼側のセッション管理サーバに、ハイパーテキストトランスファプロトコル(HTTP)のGETメソッドを送信し、
上記着呼側のセッション管理サーバは、上記着呼側の通信アダプタから送信されたGETメソッドを保持して、上記発呼側の通信アダプタからのセッションの確立要求があった場合に、上記発呼側の通信アダプタからのセッションの確立要求があったことを上記保持していたGETメソッドに対する回答として上記着呼側の通信アダプタへ送信することを特徴とする。
また、上記HTTPのGETメソッドを着呼側の通信アダプタは、初期化時において、一度着呼側のセッション管理サーバに発行し、ボディ情報を除いたヘッダ情報のみをすぐに応答として、着呼側のセッション管理サーバから着呼側の通信アダプタに対して送信し、通話処理がなされていない間は、一定周期ごとに、そのボディ情報の一部として、TCPの接続保持のためのKeep−Alive情報(連続して信号を発行しつづけることで生存を確認する情報)を着呼側のセッション管理サーバから着呼側の通信アダプタに対して送信しつづけ、通話処理開始時において、発呼側の通信アダプタからのセッションの確立要求があった時点で、着呼側のセッション管理サーバから着呼側の通信アダプタへそのステータス応答の内容情報が送信されることで、発呼側の通信アダプタからのセッションの確立要求があったという情報を受信できることを特徴とする。
また、上記着呼側の通信アダプタは、電源投入時や通話処理が完了した直後の通話開始の準備がなされるときに、上記着呼側のセッション管理サーバに、ハイパーテキストトランスファプロトコル(HTTP)のGETメソッドを送信し、
上記着呼側のセッション管理サーバは、上記着呼側の通信アダプタから上記GETメソッドを送信された場合に、上記発呼側の通信アダプタからのセッションの確立要求がなされていない場合は、上記着呼側の通信アダプタに、上記着呼側の通信アダプタと上記着呼側のセッション管理サーバとの間の回線の接続を維持するための生存確認情報を送信し続け、上記発呼側の通信アダプタからのセッションの確立要求がなされた場合は、上記着呼側の通信アダプタに、上記発呼側の通信アダプタからのセッションの確立要求があったことを送信することを特徴とする。
また、上記HTTPのGETメソッドを着呼側の通信アダプタは、TCPの接続保持のためのKeep−Alive情報を着呼側のセッション管理サーバから着呼側の通信アダプタに対して一定周期ごとに送信し続ける処理中において、そのKeep−Alive情報が一定周期を過ぎ、ある一定のタイムアウト値を過ぎても通信アダプタに到着しない場合、通信アダプタは、新たなTCPの接続を行い、セッションの確立要求があったという情報を受信するために、HTTPのGETメソッドを着呼側のセッション管理サーバにあらためて再発行し、発呼側の通信アダプタからのセッションの確立要求があったという情報を受信できる状態へ準備をやり直すことを特徴とする。
また、上記着呼側の通信アダプタは、上記着呼側のセッション管理サーバから送信される上記生存確認情報が予め定めた一定期間を過ぎても送信されない場合は、上記着呼側のセッション管理サーバに対して再度ハイパーテキストトランスファプロトコル(HTTP)のGETメソッドを送信することを特徴とする。
また、上記HTTPのGETメソッドを着呼側の通信アダプタは、TCPの接続において、タイムアウト状態などにより、現状のTCP接続を切断して、新たなTCPの接続を行い、セッションの確立要求があったという情報を受信するために、HTTPのGETメソッドを着呼側のセッション管理サーバにあらためて再発行し、発呼側の通信アダプタからのセッションの確立要求があったという情報を受信できる状態へ準備をやり直す場合に、ちょうどセッション管理サーバから発呼側の通信アダプタからのセッションの確立要求があったという情報が送信されてきたとき、着呼側の通信アダプタは、その情報の受信を失敗する可能性を考慮し、再発行のHTTPのGETメソッドに再発行であることを示す情報を付加し、そのGETメソッドを受信したセッション管理サーバは、上記のセッションの確立要求があったという情報を再度、着呼側の通信アダプタへ送信することを特徴とする。
また、上記着呼側の通信アダプタは、上記着呼側のセッション管理サーバに対して再度ハイパーテキストトランスファプロトコル(HTTP)のGETメソッドを送信する場合に、再度の送信であることを示す情報を含めて送信することを特徴とする。
この発明に係る通信アダプタとセッション管理サーバのサーバIDを通信アダプタに通知する指定通知サーバは、通信アダプタから、一定周期ごとに、あるいは、電話をかける操作時ごとに、指定通知サーバに、通信アダプタの稼動状況を示す情報を送信し、その情報に基づいて、指定通知サーバが通信アダプタの動作状況が正常であるかどうか確認し、さらに、指定通知サーバがセッション管理サーバや通話中継サーバを含めたインターネット電話システムの動作状況を把握できる情報を上記の送信応答として送り返すことを特徴とする。
また、上記発呼側の通信アダプタは、発呼側の通信アダプタの稼働状況を通知する情報を、上記指定通知サーバに送信し、
上記指定通知サーバは、上記発呼側の通信アダプタより送信された稼働状況を通知する情報に基づいて、上記発呼側の通信アダプタが正常であるか否かを確認して、確認した結果とともに、上記指定通知サーバ自身の稼働状況を、上記発呼側の通信アダプタより送信された稼働状況の通知に対する応答として、上記発呼側の通信アダプタに送信することを特徴とする。
また、上記のインターネット電話システムの動作状況として、指定通知サーバ、あるいは、セッション管理サーバが保守や増設等のために、新しい指定通知サーバ、あるいは、セッション管理サーバに変更する指示情報を上記の通信アダプタへの送信応答へ含めることで、通信アダプタがアクセスを行う指定通知サーバ、あるいは、セッション管理サーバを変更することができることを特徴とする。
また、上記のインターネット電話システムの動作状況として、指定通知サーバ、あるいは、セッション管理サーバを各1台だけでなく、故障等の何らかの障害でアクセス不可能なとき、代替でアクセス可能な別の各サーバのIPアドレスについての情報を上記の通信アダプタへの送信応答へ含めることで、通信アダプタが、1台の指定通知サーバ、あるいは、セッション管理サーバが故障してアクセスできなくても、継続して代替サーバへのアクセスで処理を継続できることを特徴とする。
また、上記指定通知サーバは、複数のサーバ装置により構成され、上記複数のサーバ装置の1つをプライマリサーバとし、他のサーバ装置をセカンダリサーバとし、上記プライマリサーバを指定通知サーバとして稼働させ、上記プライマリサーバの稼働状況が異常になった場合に、上記セカンダリサーバを上記指定通知サーバとして稼働させるように切り替えて、上記発呼側の通信アダプタに、上記セカンダリサーバを上記指定通知サーバとして稼働させたことを通知することを特徴とする。
また、上記発呼側のセッション管理サーバは、複数のサーバ装置により構成され、上記複数のサーバ装置の1つをプライマリサーバとし、他のサーバ装置をセカンダリサーバとし、上記プライマリサーバを発呼側セッション管理サーバとして稼働させ、上記プライマリサーバの稼働状況が異常になった場合に、上記セカンダリサーバを上記発呼側のセッション管理サーバとして稼働させるように切り替えて、上記発呼側の通信アダプタに、上記セカンダリサーバを上記発呼側のセッション管理サーバとして稼働させたことを通知することを特徴とする。
また、上記着呼側のセッション管理サーバは、複数のサーバ装置により構成され、上記複数のサーバ装置の1つをプライマリサーバとし、他のサーバ装置をセカンダリサーバとし、上記プライマリサーバを着呼側セッション管理サーバとして稼働させ、上記プライマリサーバの稼働状況が異常になった場合に、上記セカンダリサーバを上記着呼側のセッション管理サーバとして稼働させるように切り替えて、上記着呼側の通信アダプタに、上記セカンダリサーバを上記着呼側のセッション管理サーバとして稼働させたことを通知することを特徴とする。
また、通信アダプタの利用者のインターネット電話システムの利用料金情報に基づいて、上記指定通知サーバへの稼動状況を示す情報を送信し、その応答の情報を受信するとき、その応答情報に利用料金を支払っていない場合にそれを指定する情報を含めておき、その応答情報を通信アダプタが受信した時点で、通信アダプタはインターネット電話システムの通信機能を動作不能に設定することを特徴とする。
また、上記インターネット通信システムは、さらに、発呼側の通信アダプタ毎にシステムの利用料を管理する顧客管理データベースを備え、
上記指定通知サーバは、上記通信アダプタを管理するセッション管理サーバのサーバIDを発呼側の通信アダプタに送信する場合に、上記発呼側の通信アダプタの利用料を上記顧客管理データベースより取得して、取得した利用料と上記サーバIDとを上記発呼側の通信アダプタに送信し、
上記発呼側の通信アダプタは、上記指定通知サーバより受信した利用料に基づいて、自身の通信機能を動作不能に設定するか否かを決定することを特徴とする。
また、上記のようにインターネット電話システムの通信機能が動作不能となった通信アダプタの利用者が利用料金を支払うようになったという情報も、上記指定通知サーバからの応答情報に含めておき、その利用料金を支払うようになった情報を通信アダプタが受信した時点で、通信アダプタは、インターネット電話システムの通信機能を動作可能に設定することを特徴とする。
また、上記発呼側の通信アダプタは、自身の通信機能が動作不能に設定されている場合、上記指定通知サーバより受信した利用料に基づいて、動作可能に設定するか否かを決定することを特徴とする。
また、通信アダプタの内蔵ソフトウェアのバージョン情報に基づいて、上記指定通知サーバへの稼動状況を示す情報を送信し、その応答の情報を受信するとき、その応答情報により新しいバージョンの内蔵ソフトウェアをインターネット電話システムの管理者側より入手することができるという情報を含めておき、その応答情報を通信アダプタが受信した時点で、通信アダプタは通信アダプタの新しい内蔵ソフトウェアへの所定の更新処理の起動を行えるように設定することを特徴とする。
また、上記発呼側の通信アダプタは、通信アダプタの機能を実行する、バージョン情報を有するソフトウェアを内蔵して、上記発呼側の通信アダプタの稼働状況を通知する情報とともに、上記ソフトウェアのバージョン情報を上記指定通知サーバに送信し、
上記指定通知サーバは、上記発呼側の通信アダプタより送信されたバージョン情報に基づいて、上記発呼側の通信アダプタが内蔵するソフトウェアを別のバージョンのソフトウェアに変更するか否かを決定して、決定した結果を上記発呼側の通信アダプタに送信することを特徴とする。
また、上記の通信アダプタの新しい内蔵ソフトウェアへの所定の更新処理として、上記指定通知サーバからの情報応答にて通知される指定URLアドレスのWebサーバから通信アダプタがダウンロードを行い、更新処理をして再起動を行うことを特徴とする。
また、上記指定通知サーバは、上記発呼側の通信アダプタが内蔵するソフトウェアを管理するWebサーバのアドレスを管理して、上記発呼側の通信アダプタが内蔵するソフトウェアを別のバージョンのソフトウェアに変更することを決定した場合に、上記別のバージョンのソフトウェアのWebサーバのアドレスを上記発呼側の通信アダプタに送信することを特徴とする。
この発明に係る通信アダプタは、セッション管理サーバが管理する通信中継サーバによる中継処理が中継可能な通信容量を越えており、通信中継サーバ経由の通信が不可能な場合に、通信中継サーバ経由の通信を行おうとしたとき、セッション管理サーバが通信中継サーバによる中継が飽和しているという情報を発呼側の通信アダプタの発呼時に送信し、それを受信することで、通信アダプタに接続された通信装置を利用している者に、通信中継サーバによる中継が飽和していて、中継による通信ができないことを音声再生装置や表示装置などにより知らせることができることを特徴とする。
また、上記セッション管理サーバは、発呼側の通信中継サーバによる通信の中継数を管理して、上記発呼側の通信アダプタからセッションの確立要求を受信した場合に、通信の中継数が予め設定された通信の中継数を超える場合に、上記発呼側の通信アダプタに通信中継サーバによる中継が飽和しているという情報を送信し、
上記発呼側の通信アダプタは、少なくとも情報を出力する機能を有する通信装置を接続して、上記セッション管理サーバから発呼側の通信中継サーバによる中継が飽和しているという情報を受信すると、発呼側の通信中継サーバによる中継が飽和していて、発呼側の通信中継サーバによる通信ができないことを示す情報を、上記通信装置から出力させることを特徴とする。
また、上記セッション管理サーバは、着呼側の通信中継サーバによる通信の中継数を管理して、上記発呼側の通信アダプタからセッションの確立要求を受信した場合に、通信の中継数が予め設定された通信の中継数を超える場合に、上記発呼側の通信アダプタに通信中継サーバによる中継が飽和しているという情報を送信し、
上記発呼側の通信アダプタは、少なくとも情報を出力する機能を有する通信装置を接続して、上記セッション管理サーバから着呼側の通信中継サーバによる中継が飽和しているという情報を受信すると、着呼側の通信中継サーバによる中継が飽和していて、着呼側の通信中継サーバによる通信ができないことを示す情報を、上記通信装置から出力させることを特徴とする。
この発明に係る通信アダプタが、IPネットワーク以外の公衆回線等の他の通信回線を備えている場合に、通信中継サーバによる中継容量が飽和している場合や、ネットワーク状況の原因によりセッション管理サーバや通信中継サーバを利用できない場合に、他の通信回線経由での通信処理を行うことができることを特徴とする。
また、上記インターネット通信システムは、さらに、公衆回線網を備え、
上記発呼側の通信アダプタは、上記公衆回線網を接続して、上記セッション管理サーバから発呼側の通信中継サーバによる中継が飽和しているという情報を受信すると、上記公衆回線網を使用して上記着呼側の通信アダプタを発呼することを特徴とする。
また、上記インターネット通信システムは、さらに、公衆回線網を備え、
上記発呼側の通信アダプタは、上記公衆回線網を接続して、上記セッション管理サーバから着呼側の通信中継サーバによる中継が飽和しているという情報を受信すると、上記公衆回線網を使用して上記着呼側の通信アダプタを発呼することを特徴とする。
この発明に係る通信アダプタは、セッション管理サーバや通信中継サーバへのTCP等の接続処理において、ある一定のタイムアウト値を過ぎても接続処理ができない場合に、その接続処理を中断する取り消し処理を行い、接続処理が成功するまで、かつ、再接続処理が上限回数に達するまで、再度、接続処理を開始することを繰り返すことを特徴とする。
また、上記通信アダプタは、上記セッション管理サーバと通信を行う前に、上記セッション管理サーバにTCP(Transmission Control Protocol)による接続処理を要求して、要求を行った後、予め設定された所定のタイムアウト値を過ぎても上記セッション管理サーバから上記接続処理の要求に対する応答が無い場合に、その接続処理を取り消して、接続処理が成功するまでと、接続処理の要求回数が予め設定された上限回数になるまでとのいずれか一方になるまで、接続処理の要求を繰り返し行うことを特徴とする。
また、上記通信アダプタは、上記通信中継サーバと通信を行う前に、上記通信中継サーバにTCP(Transmission Control Protocol)による接続処理を要求して、要求を行った後、予め設定された所定のタイムアウト値を過ぎても上記通信中継サーバから上記接続処理の要求に対する応答が無い場合に、その接続処理を取り消して、接続処理が成功するまでと、接続処理の要求回数が予め設定された上限回数になるまでとのいずれか一方になるまで、接続処理の要求を繰り返し行うことを特徴とする。
また、上記の通信アダプタのセッション管理サーバや通信中継サーバへのTCP等の接続処理における接続処理タイムアウト値、及び、再接続処理の上限回数について、TCP等の接続処理が失敗するたびに、タイムアウト値を長く、再接続処理の上限回数を増加させる変更を自動的に行い、TCP等の接続処理が成功するたびに、タイムアウト値を短く、再接続処理の上限回数を減少させる変更を自動的に行うことを特徴とする。
また、上記通信アダプタは、上記TCP(Transmission Control Protocol)による接続処理の要求が失敗した場合に、上記タイムアウト値を長くすることと、上記上限回数を増加させることのいずれか一方の変更を行うとともに、上記TCPによる接続処理の要求が成功した場合に、上記タイムアウト値を短くすることと、上記上限回数を減少させることのいずれか一方の変更を行うことを特徴とする。
また、上記通信アダプタは、上記TCP(Transmission Control Protocol)による接続処理の要求が失敗した場合に、上記タイムアウト値を長くすることと、上記上限回数を増加させることのいずれか一方の変更を行うとともに、上記TCPによる接続処理の要求が成功した場合に、上記タイムアウト値を短くすることと、上記上限回数を減少させることのいずれか一方の変更を行うことを特徴とする。
この発明に係る通信アダプタは、セッション管理サーバや通信中継サーバへのTCP等の接続処理において、ある一定のタイムアウト値を過ぎても接続処理ができない場合に、あるいは、規定の上限回数まで繰り返し再接続処理を行っても接続処理ができない場合に、通信アダプタに接続された通信装置を利用している者に、ネットワーク状況の原因により中継による通信ができないことを音声再生装置や表示装置などにより知らせることができることを特徴とする。
また、上記通信アダプタは、少なくとも情報を出力する機能を有する通信装置を接続して、上記TCP(Transmission Control Protocol)による接続処理の要求が、上記所定のタイムアウト値を過ぎても接続処理ができない場合と、上記上限回数を過ぎても接続処理ができない場合とのいずれか一方である場合に、上記インターネットを使用して通信の中継が行えないことを示す情報を、上記通信装置から出力させることを特徴とする。
また、上記通信アダプタは、上記TCP(Transmission Control Protocol)による接続処理の要求が失敗した場合に、上記タイムアウト値を長くすることと、上記上限回数を増加させることのいずれか一方の変更を行うとともに、上記TCPによる接続処理の要求が成功した場合に、上記タイムアウト値を短くすることと、上記上限回数を減少させることのいずれか一方の変更を行うことを特徴とする。
この発明に係るセッション管理サーバや通信中継サーバは、定期的に、他のセッション管理サーバや通信中継サーバや通信アダプタとの間の一般のIPパケットの到着時間を測定し、ある一定値を越えるかどうかで、通信経路の状況を判断し、ネットワークが非常に混雑していると判断した時点で、通信アダプタが通信を開始する前に、通信アダプタに接続された通信装置を利用している者に、ネットワークが非常に混雑しており、通信品質が悪いことを音声再生装置や表示装置などにより知らせることができることを特徴とする。
また、上記セッション管理サーバは、上記セッション管理サーバが管理する上記通信アダプタと上記通信中継サーバとに、パケット情報を送信して、上記通信アダプタと上記通信中継サーバとから上記送信したパケット情報に対する応答情報を受信するまでの到着時間を測定して、通信経路の輻輳状況を判断して、判断した結果を上記通信アダプタに送信し、
上記通信アダプタは、少なくとも情報を出力する機能を有する通信装置を接続して、上記セッション管理サーバから送信された上記判断結果を上記通信装置から出力させることを特徴とする。
また、上記通信中継サーバは、上記通信アダプタと上記セッション管理サーバとに、パケット情報を送信して、上記通信アダプタと上記セッション管理サーバとから上記送信したパケット情報に対する応答情報を受信するまでの到着時間を測定して、通信経路の輻輳状況を判断して、判断した結果を上記通信アダプタに送信し、
上記通信アダプタは、少なくとも情報を出力する機能を有する通信装置を接続して、上記通信中継サーバから送信された上記判断結果を上記通信装置から出力させることを特徴とする。
この発明に係るセッション管理サーバや通信中継サーバは、通信アダプタが通信を行っているとき、定期的に、他のセッション管理サーバや通信中継サーバや通信アダプタとの間の一般のIPパケットの到着時間を測定し、ある一定値を越えるかどうかで、通信経路の状況を判断し、ネットワークが非常に混雑するようになり、ほとんど通信データの到着が滞りがちになった時点で、通信アダプタに接続された通信装置を利用している者に、ネットワークが非常に混雑するようになり、通信品質が実用に耐えられないぐらい悪化したことを音声再生装置や表示装置などにより知らせることができることを特徴とする。
この発明に係るセッション管理サーバは、発呼側の通信中継サーバと着呼側の通信中継サーバの2段階中継だけではなく、さらに、他の第3以降の通信中継サーバを前記サーバ両者の間にて通信中継を行うように、通信経路を設定して、発呼側と着呼側の通信アダプタの間で通信処理を行うことができることを特徴とする。
また、上記インターネット通信システムは、さらに、
上記通信中継サーバの他に、通信経路を迂回するための迂回用通信中継サーバを備え、
上記セッション管理サーバは、上記通信経路の輻輳状況を判断した結果に基づいて、上記通信中継サーバを介して上記発呼側の通信アダプタと上記着呼側の通信アダプタとの間の通信を中継する第1の通信経路を、上記迂回用通信中継サーバを介して上記発呼側の通信アダプタと上記着呼側の通信アダプタとの間の通信を中継する第2の通信経路に切り替えることを特徴とする。
また、上記の他の第3以降の通信中継サーバの選択について、ネットワークが混雑していると、上記のセッション管理サーバ等で得られた通信経路遅延の測定情報を元に、通信遅延が良好な経路上のものを選択し、他の第3以降の通信中継サーバを前記サーバ両者の間にて通信中継を行うように、通信経路を設定して、発呼側と着呼側の通信アダプタの間で通信処理を行うことができることを特徴とする。
また、上記迂回用通信中継サーバは、複数備えられ、
上記セッション管理サーバは、上記複数の迂回用通信中継サーバに対してパケット情報を送信して、上記迂回用の通信中継サーバから上記送信したパケット情報に対する応答情報を受信するまでの到着時間を測定して、それぞれの迂回用通信中継サーバを接続する通信経路の輻輳状況を判断して、輻輳状況の良好な通信経路の迂回用通信中継サーバを選択して、上記第1の通信経路を、選択した迂回用通信中継サーバを介して上記発呼側の通信アダプタと上記着呼側の通信アダプタとの間の通信を中継する第2の通信経路に切り替えることを特徴とする。
また、既に、発呼側と着呼側の通信アダプタ同士で、通信中継サーバ経由で通信を行っているときに、ネットワーク通信状況が悪化して、上記の他の第3以降の通信中継サーバを前記サーバ両者の間にて通信中継を行うように、ネットワーク通信状況の良好な通信経路に変更する場合に、通信アダプタに接続された通信装置を利用している者に、ネットワークが非常に混雑するようになり、通信品質が実用に耐えられないぐらい悪化したために、通信経路を変更する処理を行うことを音声再生装置や表示装置などにより知らせることができることを特徴とする。
また、上記セッション管理サーバは、上記第1の通信経路を上記第2の通信経路に切り替えることを、上記通信アダプタに送信し、
上記通信アダプタは、少なくとも情報を出力する機能を有する通信装置を接続して、上記セッション管理サーバから送信された上記第1の通信経路を上記第2の通信経路に切り替えること示す情報を、上記通信装置から出力させることを特徴とする。
この発明に係るセッション管理サーバは、企業、団体等の特定限定地区のLAN環境に設置された場合に、その地区内に設置された通信アダプタに接続された電話機から、その地区内でのみ利用可能な内線電話番号を設定しておき、各電話機から電話をかける際に、その内線電話番号が入力されると、セッション管理サーバへその内線電話番号情報が送信され、セッション管理サーバ内に装備された電話番号から通信アダプタのIPアドレスや識別子へ変換するテーブルにより、その内線電話番号に該当する通信アダプタへ電話呼出をすることができることを特徴とする。
また、上記インターネット通信システムは、特定のネットワークエリア内で使用可能な内線電話番号情報を用いて通信を行うLAN(ローカルエリアネットワーク)を備え、
上記発呼側の通信アダプタと上記発呼側のセッション管理サーバは、上記LANに接続され、
上記発呼側の通信アダプタは、通話先の内線電話番号情報を入力して、入力した内線電話番号情報を上記発呼側のセッション管理サーバへ送信し、
上記発呼側のセッション管理サーバは、上記内線電話番号情報と上記着呼側の通信アダプタのアダプタIDとを対応させて管理する内線電話番号情報記憶部を備えて、上記発呼側の通信アダプタから送信された内線電話番号情報を用いて上記内線電話番号情報記憶部から上記内線電話番号情報に対応する着呼側の通信アダプタのアダプタIDを取得して、取得したアダプタIDで識別される着呼側のセッション管理サーバのサーバIDを上記発呼側の通信アダプタに返信することを特徴とする。
また、上記インターネット通信システムは、特定のネットワークエリア内で使用可能な内線電話番号情報を用いて通信を行うLAN(ローカルエリアネットワーク)を備え、
上記発呼側の通信アダプタと上記発呼側のセッション管理サーバは、上記LANに接続され、
上記発呼側の通信アダプタは、通話先の内線電話番号情報を入力して、入力した内線電話番号情報を上記発呼側のセッション管理サーバへ送信し、
上記発呼側のセッション管理サーバは、上記内線電話番号情報と上記着呼側の通信アダプタのアダプタIDとを対応させて管理する内線電話番号情報記憶部を備えて、上記発呼側の通信アダプタから送信された内線電話番号情報を用いて上記内線電話番号情報記憶部から上記内線電話番号情報に対応する着呼側の通信アダプタのアダプタIDを取得して、取得したアダプタIDと取得したアダプタIDで識別される着呼側の通信アダプタを管理している着呼側のセッション管理サーバのサーバIDとを、着呼側のセッション管理サーバに送信し、着呼側の通信アダプタとのセッションの確立要求を送信することを特徴とする。
また、内線電話番号を電話機から入力すると、通信アダプタにあらかじめ設定されていた内線電話番号のプレフィックス番号を元に、内線電話番号であることを認識し、通信アダプタに内蔵された変換テーブルではなく、セッション管理サーバ内の変換テーブルを参照して呼制御を行うように判別処理を行うことを特徴とする。
この発明に係るセッション管理サーバは、企業、団体等の特定限定地区のLAN環境に設置された場合に、その地区外からIP回線経由で電話呼出があった場合に、呼出先の通信アダプタが既に通話中であったとき、代替可能な他の通信アダプタをグループとして、登録しておく記憶部を備え、その中に登録されている代替可能な他の通信アダプタへ電話呼出を自動的に転送する処理を行うことを特徴とする。
また、上記インターネット通信システムは、上記着呼側の通信アダプタを複数備えて、
上記発呼側のセッション管理サーバは、上記複数の着呼側の通信アダプタをグループ化して管理するグループIDと、上記内線番号情報と上記着呼側の通信アダプタのアダプタIDとを対応させて上記内線番号情報記憶部に記憶して、上記発呼側の通信アダプタからセッションの確立要求をされた着呼側の通信アダプタが通話中である場合に、通話中である着呼側の通信アダプタと同じグループIDの着呼側の通信アダプタのアダプタIDを上記内線番号情報記憶部より取得して、取得アダプタIDと取得アダプタIDで識別される着呼側の通信アダプタを管理している着呼側のセッション管理サーバのサーバIDとを、上記発呼側の通信アダプタに返信し、
上記発呼側の通信アダプタは、発呼側のセッション管理サーバから着呼側の通信アダプタのアダプタIDと着呼側のセッション管理サーバのサーバIDとを受信し、受信したサーバIDで識別される着呼側のセッション管理サーバに受信したアダプタIDを送信し、着呼側の通信アダプタとのセッションとの確立要求を送信することを特徴とする。
また、上記インターネット通信システムは、上記着呼側の通信アダプタを複数備えて、
上記発呼側のセッション管理サーバは、上記複数の着呼側の通信アダプタをグループ化して管理するグループIDと、上記内線番号情報と上記着呼側の通信アダプタのアダプタIDとを対応させて上記内線番号情報記憶部に記憶して、上記発呼側の通信アダプタからセッションの確立要求をされた着呼側の通信アダプタが通話中である場合に、通話中である着呼側の通信アダプタと同じグループIDの着呼側の通信アダプタのアダプタIDを上記内線番号情報記憶部より取得して、取得したアダプタIDで識別される着呼側の通信アダプタを管理している着呼側のセッション管理サーバへ、取得したアダプタIDを送信し、着呼側の通信アダプタとのセッションの確立要求を送信することを特徴とする。
この発明に係るセッション管理サーバは、音声情報を送受信する通信中継サーバに対する通信アダプタのHTTPのGETメソッドについて、TCPの接続保持のためのKeep−Alive情報を通信相手の通信アダプタから上記通信中継サーバ経由にて、その通信アダプタに対して一定周期ごとに送信し続ける処理中において、そのKeep−Alive情報が一定周期を過ぎ、ある一定のタイムアウト値を過ぎても通信アダプタに到着しない場合、通信アダプタは、新たなTCPの接続を行い、かつ、通信相手の通信アダプタに対して、セッション管理サーバを経由して、TCPの再接続の要求を行うことを特徴とする。
この発明に係る上記通信アダプタは、音声コーデック(音声符号化復号化装置或いはソフトウェア)の符号化、及び復号化を行う単位である音声フレームデータを通信アダプタが決定する指定時間内で1つ以上蓄積して1つのIPパケットとして構成し送信するものであり、連続した音声データが無音状態となる終端において、終端であることを示す音声フレームデータが生成された時点で、上記指定時間が経過していなくても、その終端であることを示す音声フレームデータをIPパケットに格納した直後に、そのIPパケットを送信することを特徴とする。
発明を実施するための最良の形態
以下に記載する実施の形態では、HTTPによる音声データ配信を行う場合に問題となるファイアウォールに対処するため、発呼側と着呼側の中継を行うためのサーバを設置する。以下、このサーバを「通信中継サーバ」として記述する。
また、通信(通話)アダプタからの通信データ(音声データ)を通信中継サーバにて中継する場合は、複数の通信中継サーバを設置して、個々の通信中継サーバに負荷を分散する必要がある。そこで、通信(通話)アダプタと通信中継サーバとを管理する管理サーバを設置する。以下、この管理サーバを「セッション管理サーバ」として記述する。
また、セッション管理サーバを複数備え、各セッション管理サーバによって管理する通信アダプタを予め決めておく。通信アダプタから自身を管理するセッション管理サーバの問い合わせを受け付けて、管理するセッション管理サーバを通知する通知サーバを、以下、「指定通知サーバ」として記述する。
実施の形態1.
この実施の形態1では、インターネットを用いて通信データ、例えば音声データを発呼側から着呼側に送信するインターネット通信システムの一例を説明する。
図1は、実施の形態1のインターネット通信システムのシステム構成図であり、構成する各要素の関係を示している。
図1において、10,20は通信データ(音声データ)を送受信する通信装置である。110、120は、通信アダプタであり、通信装置10,20それぞれに屋内電話線によって接続されている。通信アダプタ110は、発呼側通信アダプタ部111と着呼側通信アダプタ部112とを備え、通信アダプタ120は、発呼側通信アダプタ部121と着呼側通信アダプタ部122とを備えている。通信アダプタ110,120とはそれぞれ、発呼側通信アダプタ部と着呼側通信アダプタ部とを備えているので、発呼側通信アダプタと着呼側通信アダプタのどちらにも使用できる。通信アダプタ110,120は、発呼側の通信アダプタ処理と着呼側の通信アダプタ処理とをコンピュータに実行させる通信アダプタ上で動作するプログラムを有している。
210、220は、セッション管理サーバであり、発呼側通信アダプタと着呼側通信アダプタと通信データ(例えば、音声データ)配信の中継を行う通信中継サーバとを管理し、発呼側通信アダプタからの通信要求(発呼メッセージ)に対して通信時に使用する通信中継サーバの指示を行う。また、着呼側通信アダプタからの通信問合せ(着呼メッセージ)に対して通信要求の有無を通知する。セッション管理サーバ210は、発呼側セッション管理部211と着呼側セッション管理部212とを備え、セッション管理サーバ220は、発呼側セッション管理部221と着呼側セッション管理部222とを備えているので、発呼側セッション管理サーバと着呼側セッション管理サーバのどちらにも使用できる。セッション管理サーバ210,220は、発呼側のセッション管理処理と着呼側のセッション管理処理とをコンピュータに実行させるセッション管理サーバ上で動作するプログラムを有している。
310,320は、本発明の通信中継サーバであり、通信アダプタ間の通信においてHTTPによる通信データ(例えば、音声データ)配信を行う為の発呼側と着呼側との中継を行う。通信中継サーバ310は、HTTP通信部311とUDP(ユーザ データグラム プロトコル)通信部312とを備え、通信中継サーバ320は、HTTP通信部321とUDP通信部322とを備えている。通信中継サーバ310,320はHTTP通信処理とUDP通信処理とをコンピュータに実行させる通信中継サーバ上で動作するプログラムを有している。
通信アダプタ110,120と通信中継サーバ310,320とはHTTP通信部311,321によりHTTPを用いてインターネットを介してデータの通信を行う。また、通信中継サーバ310と320とは、UDP通信部312と322とによりUDPを用いてインターネットを介してデータの通信を行う。
なお、UDP通信部312と322の代わりに、RTP(リアルタイム トランスポート プロトコル、又は、トランスポートプロトコル・フォー・リアルタイムアプリケーション)によるRTP通信部(図示せず)を用いてもよい。また、UDP、RTPの代わりに、SCTP(シンプル コントロール トランスミッション プロトコル)や、TCP上の様々なアプリケーション用に作られたプロトコルを用いてもよい。
410は、指定通知サーバである。指定通知サーバ410は、通信アダプタ110,120からの要求に基づいて通信アダプタ110,120を管理するセッション管理サーバ210,220を通信アダプタ110,120へ通知する。
以下に記載する説明では、音声データを通信データの一例として、音声データを発呼側と着呼側とで相互に送受信するインターネット通信システムの一例を記載する。このため、通信データを通話データ、通信装置を通話装置、通信アダプタを通話アダプタ、通信中継サーバを通話中継サーバとして記載する。
図2及び図28は、実施の形態1の発呼側と着呼側とで行うデータ送受信の手順を示す図である。
図2及び図28の指定通知サーバ、発呼側通話アダプタ、着呼側通話アダプタ、発呼側セッション管理サーバ、着呼側セッション管理サーバはそれぞれ、図5,6,9,10に示す検索テーブルを備え、検索テーブルを参照して通信先のアドレスを取得する。
図2及び図28に図示されている指定通知サーバ410は、各通話アダプタが所属するセッション管理サーバを管理し、通話アダプタの電源ON時に、通話アダプタからその通話アダプタ自身の所属するセッション管理サーバの問合せを受信する。そして、問い合わせに対して、所属するセッション管理サーバの通知を、問い合わせ元の通話アダプタへ行う。通話アダプタの電源ON時に、通話アダプタから所属するセッション管理サーバの問合せを受信するプロセスが、“所属セッション管理サーバ検索プロセス”である。セッション管理サーバは、通話アダプタ毎に管理しているセッション管理サーバを示す情報を記憶するデータファイルを有する。“所属セッション管理サーバ検索プロセス”は、立ち上がり時に通話アダプタ毎に管理しているセッション管理サーバを示す情報を記憶しているデータファイルよりデータをメモリ展開し、通話アダプタからの問合せに対して該当するセッション管理サーバを検索し、検索結果を問い合わせもとの通話アダプタへ応答する。実施の形態1では、セッション管理サーバ毎の処理負荷を分散するため、複数のセッション管理サーバを設置し、指定通知サーバから通話アダプタごとにその通話アダプタを管理するセッション管理サーバを通知する。上記したデータファイルの追加・更新は、管理者による手作業とする。このため、データファイルの追加・更新を行う場合は、所属セッション管理サーバ検索プロセスの停止を行い、データ更新後に再立ち上げを行う。上記した指定通知サーバの環境を図3に示す。
このように、セッション管理サーバ関連情報が更新されることを考慮して、通話アダプタは、定期的に指定通知サーバに電源ON時と同様な問い合わせを行うようにすることもできる。このようにすれば、通話アダプタのユーザが上記サーバ情報の更新に合わせて、電源の入れ直しやリセットを行う必要がなくなる。
発呼側通話アダプタと着呼側通話アダプタとを接続する手順について、図2の(1)から(10)の順に説明する(図28についても、図2との差異を中心に(1)から(12)の順に説明を補足する)。
図2の(1),(2)(図28も同様)は、所属セッション管理サーバ情報の取得処理である。すべての通話アダプタは、電源投入時に指定通知サーバへ一度だけ所属するセッション管理サーバ情報の問合せを行う。ここでは、発呼側通話アダプタ110及び、着呼側通話アダプタ120は、指定通知サーバ410に対して自分が所属するセッション管理サーバ情報の取得要求を行う。指定通知サーバ410は、要求元の通話アダプタの所属するセッション管理サーバを検索して、所属セッション管理サーバ情報を要求元通話アダプタに回答メッセージとして送信する。要求元通話アダプタは、指定通知サーバ410からの「セッション管理サーバ名回答」を取得して、所属するセッション管理サーバ情報を要求元通話アダプタ自身の有する記憶部に登録する。図4に、通話アダプタの所属セッション管理サーバ情報の取得処理を示す。
この実施の形態1では、複数のセッション管理サーバを備え、指定通知サーバから通話アダプタごとのセッション管理サーバ情報を通知する。1つのセッション管理サーバが管理する通話アダプタの数を有限とすることにより、セッション管理サーバの処理負荷を分散している。このため通話アダプタは、所属するセッション管理サーバ情報を取得する必要がある。
図5のS1は、図2の(1)(図28の(1)も同様)に対応する。図5において、発呼側通話アダプタ110は、通話アダプタ毎に採番された通話アダプタ固有の番号である通話アダプタIDと、通話アダプタを管理する所属セッション管理サーバをアクセスするアドレスとを対応させて記憶する通話アダプタ情報テーブル113を備えている。通話アダプタは、通話アダプタ固有の製造番号を有しているので、製造番号を通話アダプタIDとする。通話アダプタは、製造番号を用いて図2の(1)(図28の(1)も同様)のセッション管理サーバ情報の取得要求を行う。発呼側通話アダプタ110は、電源投入時にセッション管理サーバ情報の取得要求に「通話アダプタID」を“1−2−12”と設定して指定通知サーバ410にGETメソッドメッセージとして送信する。指定通知サーバ410は、受取ったセッション管理サーバ情報の取得要求から「通話アダプタID“1−2−12”」を取り出して所属セッション管理検索テーブル411を検索する。所属セッション管理検索テーブル411には、通話アダプタIDを範囲指定して、各範囲の通話アダプタIDに対してその通話アダプタを管理するセッション管理サーバのアドレスを記憶している。指定通知サーバ410は、通話アダプタID“1−2−12”を元に所属セッション管理検索テーブル411の通話アダプタIDの範囲を検索して、所属するセッション管理サーバのアドレスを取得する。ここでは、セッション管理サーバのアドレスとして“s1@xx.com”(もしくは、210.54.10.156のような32ビットのグローバルIPアドレス)を取得する。指定通知サーバ410は、取得したセッション管理サーバのアドレスを、発呼側通話アダプタ110に対して、図2の(2)(図28の(2)も同様)及び図5のS2により、GET応答メッセージとして通知する。通話アダプタは、通知された所属セッション管理サーバのアドレスを、通話アダプタ情報テーブル113の通話アダプタID“1−2−12”に対応させて登録する。着呼側通話アダプタ120も、発呼側通話アダプタ110と同様に(1),(2)の処理を図5のS3,S4にて行う。
図2の(3),(4)は発呼側における着呼側の通話アダプタが所属するセッション管理サーバ情報の取得処理である。発呼側通話アダプタ110は、自分が所属するセッション管理サーバ(発呼側セッション管理サーバ210)に対して着呼側セッション管理サーバ名の要求を行う。発呼側セッション管理サーバ210は、着呼側通話アダプタの所属するセッション管理サーバ(着呼側セッション管理サーバ220)の情報を、要求元通話アダプタにセッション管理サーバ名回答として応答メッセージを送信する。実施の形態1では、セッション管理サーバの処理負荷を分散する為、セッション管理サーバの管理する通話アダプタを例えば、通話アダプタIDの範囲毎に指定している。このため、発呼側通話アダプタ110から着呼側通話アダプタ120に対してセッションの接続を行う場合、発呼側通話アダプタ110は、着呼側通話アダプタ120を管理するセッション管理サーバを知る必要がある。
図6のS5,S6,S7は、図2の(3),(4)の処理に該当する。図6において、通話装置10から着呼側の電話番号が入力されると(S5)、発呼側通話アダプタ110がこの電話番号を受け取り、アドレス変換テーブル114を参照して、着呼側の電話番号に対応する着呼側通話アダプタIDを取得する。アドレス変換テーブル114は、着呼側の電話(TEL)番号と、着呼側の通話アダプタをアクセスするIPアドレスと、着呼側の通話アダプタ固有の通話アダプタIDと、着呼側通話アダプタを管理するセッション管理サーバのアドレスとを対応させて記憶している。発呼側通話アダプタ110は、取得した着呼側通話アダプタIDを着呼側セッション管理サーバ名の要求に設定して、GETメソッドメッセージとしてS2で取得したセッション管理サーバ(発呼側セッション管理サーバ210)に宛てて送信する(S6)。着呼側セッション管理サーバ名の要求を受け取った発呼側セッション管理サーバ210は、着呼側セッション管理サーバ検索テーブル213を参照して、着呼側通話アダプタの所属する着呼側セッション管理サーバのアドレスを取得する。セッション管理サーバは、通話アダプタIDの範囲単位に通話アダプタを管理している。このため、着呼側セッション管理サーバ検索テーブル213は、着呼側通話アダプタIDの範囲と、着呼側セッション管理サーバのアドレスとを対応させて記憶している。着呼側通話アダプタIDは“2−1−11”であるので、着呼側セッション管理サーバのアドレスは“s2@xx.com”(もしくは、210.54.10.156のような32ビットのグローバルIPアドレス)と取得できる。発呼側セッション管理サーバ210は、取得した着呼側セッション管理サーバのアドレス“s2@xx.com”(もしくは、210.54.10.156のような32ビットのグローバルIPアドレス)を着呼側セッション管理サーバ名の回答に設定して、GET応答メッセージとして発呼側通話アダプタ110に通知する(S7)。発呼側通話アダプタ110は、受信した着呼側セッション管理サーバ名の回答より着呼側セッション管理サーバのアドレス“s2@xx.com”(もしくは、210.54.10.156のような32ビットのグローバルIPアドレス)を取得して、アドレス変換テーブル114の「着呼側通話アダプタID“2−1−11”」に対応させて登録する。図7に、着呼側セッション管理サーバ名の取得処理を示す。
図2の(5),(6)は、発呼メッセージの発行(セッションID取得)処理である。発呼メッセージは、発呼側通話アダプタ110から着呼側セッション管理サーバ220へ送信されるメッセージである。発呼メッセージを受信することにより着呼側セッション管理サーバ220は、管理する着呼側通話アダプタ120に対して通話要求が発生したことを認識し、通話相手(着呼側通話アダプタ)の状況を判断するとともに、利用可能な通話中継サーバを求め、通話中継サーバ回答情報にて応答する。この実施の形態1では、図29に示すように、着呼側通話アダプタ120は、所属するセッション管理サーバ220に対して周期的(例えば、1秒毎、或いは、3秒毎)に着呼問合せを行うものである。或いは、周期的問い合わせでなく、図30、或いは、図31に示すように、HTTPのGETを一度発行した状態で、着呼情報が返されるまで待機しておく方法をとることもできる。この方法の場合は、周期的な問合せ処理の負荷が節約できる。ただし、この方法では、HTTPの接続、つまりTCPの接続をデータの送受信がない状態で長時間保持することになるので、実際のインターネット環境では、通信アダプタからセッション管理サーバまでの通信経路上で、ISP等により管理されているルータなどにより、無断でTCPの接続が遮断される場合があり、確実に着呼情報を取得できる保証がない。このため、この方法の改善作として、図32に示すように、常にKeep−Alive情報というTCPの接続を保持するために、データはまだ流れているという意味のダミーデータをセッション管理サーバから通信アダプタへ送信しつづける方法がある。さらには、このようにダミーデータを送信しつづける方法を採用しても、通信経路上のどこかで、TCPの接続が切断され、セッション管理サーバも通信アダプタもその切断に気がつかない場合がある。このような事態の改善策として、図33に示すように、Keep−Alive情報のダミーデータを一定周期でセッション管理サーバから通信アダプタへ送信するようにして、受信する通信アダプタ側で、その周期より若干長めのタイムアウト値を設定して、一定周期でのダミーデータの到着が滞った場合に、TCPの接続が遮断されたとみなして、改めて、通信アダプタからセッション管理サーバへ新たなTCPの接続を行うようにする方法がある。また、このようにTCPの再接続を行うときにセッション管理サーバから、通信アダプタに対して、着呼情報をちょうど送信したタイミングとなる可能性もある。ちょうど送信したタイミングとなるような場合には、その着呼情報は、通信アダプタに到着しないで失われてしまう可能性がある。よって、確実に着呼情報が通信アダプタに届くように、TCPの再接続によるHTTPのGETメソッドには、再発行であることを示す情報を付加することで、正常な状態で発行されたHTTPのGETメソッドとは異なることが、セッション管理サーバにて認知することができ、着呼情報の送信失敗を考慮して、全く同じ着呼情報を再送するようにする。さらに、この着呼情報には、再送である情報を付加しておけば、通信アダプタ側で再送にて受信した着呼情報であることを通信アダプタが認識することができ、次に、また新たなHTTPのGETメソッドを正常な状態にて発行することができる状態となる。
なお、これらのHTTPのGETメソッドは、着呼側の通信アダプタが発呼側の通信アダプタからのセッションの確立要求情報を応答として受信する場合について説明したが、他方の通信アダプタが受話器を取り上げたり(オフフック)、受話器を置いて通話を終了したり(オンフック)、相手のリング音がなり始めたりといった情報をこのHTTPのGETメソッドの応答として、受信する場合についても、確実にHTTPのGETメソッドの応答情報を受信するしくみを全く同様に適用できる。
以上のように、発呼側通話アダプタ110より通話を行う場合は、着呼側通話アダプタ120の所属するセッション管理サーバ220に対して発呼メッセージを発行する必要がある。
以上の発呼メッセージ発行の処理は、図2の(3)〜(6)に基づいたものであったが、図28の方式では、(3)〜(8)の一連の処理に置きかえることができる。発呼側のメッセージの流れは、(4)、(5)、(6)、(7)となる。
あらかじめ、着呼側は、図2の場合と同様で、図28(3)に示されるように、着呼側通話アダプタ120は、所属するセッション管理サーバ220に対して周期的(例えば、1秒毎、或いは、3秒毎)に着呼問合せを行うものである。或いは、周期的問い合わせでなく、HTTPのGETを一度発行した状態で、着呼情報が返されるまで待機しておく方法をとることもできる。
図28の(4)は、発呼メッセージの発行(セッションID取得)処理である。発呼メッセージは、発呼側通話アダプタ110から発呼側セッション管理サーバ210へ送信されるメッセージである。発呼側セッション管理サーバ210は、着呼側通話アダプタの所属するセッション管理サーバ(着呼側セッション管理サーバ220)の情報を、図2の場合と同様に求め、さらなる発呼メッセージとして、図28の(5)において、発呼側セッション管理サーバ210から着呼側セッション管理サーバ220へメッセージを送信する。
着呼側セッション管理サーバ220は、発呼メッセージを受信することにより、管理する着呼側通話アダプタ120に対して通話要求が発生したことを認識し、通話相手(着呼側通話アダプタ)の状況を判断するとともに、利用可能な通話中継サーバを求め、通話中継サーバ回答情報にて、図28の(6)において、発呼側セッション管理サーバ210へ応答メッセージを送信する。さらに、図28の(7)において、発呼側セッション管理サーバ210から発呼側通話アダプタ110へ、その応答メッセージが転送される。また、図28の(8)において、着呼側セッション管理サーバ220は、管理する着呼側通話アダプタ120に対して、電話の着信があったことを応答メッセージとして送信する。
図8と図34とに、呼制御方式を示す。図8の呼制御方式は、図2に対応し、図34の呼制御方式は、図28に対応する。
図8の呼制御方式は、発呼側通話アダプタ110から着呼側セッション管理サーバ220に対して発呼を行うとともに、着呼側通話アダプタ120から着呼側セッション管理サーバ220に対して着呼確認を行うことを示している。
図34の呼制御方式は、発呼側通話アダプタ110から着呼側セッション管理サーバ220に対して発呼側セッション管理サーバ210を経由して発呼を行うとともに、着呼側通話アダプタ120から着呼側セッション管理サーバ220に対して着呼確認を行うことを示している。
図9のS8は、図2の(5),(6)、或いは、図28の(5),(6)の処理に該当する。
図9のS8では、発呼側通話アダプタ110は、S7で取得した着呼側通話アダプタ120の所属する着呼側セッション管理サーバ220のアドレス(“s2@xx.com”)に宛てて、着呼側通話アダプタIDが“2−1−11”の着呼側通話アダプタに対して、発呼メッセージの発行を行う。発呼メッセージの発行はGETメソッドメッセージの発行により行う。着呼側セッション管理サーバ220は、発呼メッセージの発行を受取り、図9のセッション確立要求テーブル223に、セッション確立要求のあった着呼側通話アダプタIDと、要求時刻と、セッション確立要求を送信した発呼側通話アダプタの所属する発呼側セッション管理サーバのアドレスとを、対応させて登録する。図9のセッション確立要求テーブル223は、発呼メッセージの要求のあった着呼側通話アダプタIDと、要求の行われた要求時刻と、発呼側の通話アダプタの所属する発呼側セッション管理サーバのアドレスとを対応させて記憶するテーブルである。着呼側セッション管理サーバ220は、テーブルに記憶した後、着呼側通話アダプタ120の状況を判断するとともに、利用可能な通話中継サーバを求め、求めた通話中継サーバを示す情報を通話中継サーバ回答情報にて、図2の場合に発呼側通話アダプタ110に対して、図28の場合に発呼側セッション管理サーバ210に対して、応答する。通話中継を行う通話中継サーバが全て使用中である場合は、そのことを通話中継サーバ回答情報に設定して、図2の場合に発呼側通話アダプタ110に通知し、図28の場合に発呼側セッション管理サーバ210に通知する。発呼側通話アダプタ110、或いは、発呼側セッション管理サーバ210への応答は、GET応答メッセージにより行う。
図2の(7),(8)、或いは、図28の(3),(8)は、着呼確認の問合せ(セッションID取得)処理である。これは、図8の呼制御方式を示した図の着呼側通話アダプタと着呼側セッション管理サーバとの処理と同様である。着呼側通話アダプタ120は、通話可能状態である場合に限り、着呼側セッション管理サーバ220に対して着呼メッセージ要求を行う(図2(7)、或いは、図28(3))。そのため、図2の場合、着呼側セッション管理サーバ220は、着呼側通話アダプタ120からの着呼メッセージが受信されていなければ、着呼側通話アダプタ120は、通話中であると判断する。
上記図2の形態では、セッション管理サーバにより、発呼側の通信アダプタから、着呼側の通信アダプタへ、発呼する方式のインターネット通信システムについて説明を行ったが、上記方式は、1つの例であり、ここでは、セッション管理サーバへの呼制御メッセージのやりとりとして、図28の方式について説明を行う。
上記図2の形態の方式では、着呼側の通信アダプタが電話をかけることができる場合のみ、着呼側の通信アダプタから、着呼情報のメッセージが、着呼側のセッション管理サーバへ送信されていた。ところが、着呼側の通信アダプタが何らかの障害で着呼情報のメッセージを送信できない場合があり、こうしたときに、着呼側の通信アダプタの異常について、全く気がつかない状態で、いつも通話中という状況に陥る可能性がある。また、キャッチホン機能を実現するためには、実際に通話中の通信アダプタについても、他の通信アダプタからの着呼情報を送信する必要がある。したがって、これらの問題を解決するために、通話中であるかどうかに係らず、着呼情報のメッセージを通信アダプタは常にセッション管理サーバへ送信しておき、着呼側の通信アダプタの状態を通知する情報をセッション管理サーバへ上げる方式がよい。他の通信アダプタからの発呼については、セッション管理サーバから、その情報が着呼側の通信アダプタへ送信されることで、着呼が確認できる点は、上記図2の形態と同様である。
以上から、着呼情報のメッセージを常にセッション管理サーバに出しておくことで、他の通信アダプタから発呼があったことを常に着呼側の通信アダプタは、把握できるようになる。さらに、常に着呼側の通信アダプタから、着呼情報のメッセージの到着を待っているセッション管理サーバに対して、着呼情報のメッセージが送信されるので、これがなされない場合に、通信アダプタの異常をセッション管理サーバが確認でき、何らかの復旧処理を開始することができる。
図28の場合、着呼側セッション管理サーバ220は、着呼側通話アダプタ120からの着呼メッセージが通話中の間も受信されているが、着呼側通話アダプタ120が、何らかの方式で、例えば、公衆回線網を介して通話中の場合に、着呼側セッション管理サーバ220にその通話中であることが着呼側の通信アダプタから通知されているため、セッション管理サーバが仲介していない通話であっても、通話中であると判断する。
また、着呼側セッション管理サーバは、利用可能な通話中継サーバを求め、通話中継サーバ回答情報にて着呼側通話アダプタ120に対して応答する。通話中継を行う通話中継サーバが全て使用中である場合は、そのことを通話中継サーバ回答情報に設定して着呼側通話アダプタ120に通知する。着呼側セッション管理サーバ220は、着呼側通話アダプタ120に対する通話要求検索結果を通話中継サーバ回答情報に設定して通話中継サーバ回答メッセージとして送信する(図2(8)、或いは、図28(8))。通話中継サーバ回答メッセージは、GET応答メッセージにより回答する。
実施の形態1では、通話アダプタごとにその通話アダプタを管理するセッション管理サーバが異なっている。つまり、発呼側と着呼側の通話アダプタとでは、所属するセッション管理サーバは必ずしも同じセッション管理サーバではない。そのため通話アダプタは、所属するセッション管理サーバに対して、図2の場合は直接、図28の場合は発呼側セッション管理サーバ経由にて、着呼問合せを行うことにより、通話相手より電話がかかってきたことを認識する。
図10のS9,S10,S11は、図2の(7),(8)、或いは、図28の(3),(8)の処理に該当する。S9において、着呼側通話アダプタ120は、通話アダプタ情報テーブル123より自身の通話アダプタIDと着呼側セッション管理サーバを示すアドレスとを取得する。取得した着呼側セッション管理サーバのアドレスに宛てて、着呼メッセージ要求を行う(S9)。着呼メッセージ要求は、GETメソッドメッセージとして着呼側セッション管理サーバ220に送信する。着呼側セッション管理サーバ220は、着呼メッセージ要求の通話アダプタIDに基づいてセッション確立要求テーブル223を検索して、セッション要求の有無を確認する。図10では、セッション確立要求テーブル223に通話アダプタID“2−1−11”宛に要求が行われている。このため、着呼側セッション管理サーバ220は、セッション要求がされていることを通話中継サーバ回答メッセージに設定して着呼側通話アダプタ120に宛てて通知する(S11)。図8に示した呼制御方式の着呼側通話アダプタ120と着呼側セッション管理サーバ220との通話処理が、S9とS11の処理を示している。さらに、着呼側セッション管理サーバ220は、セッション確立要求テーブル223から、着呼メッセージ要求のあったセッション確立要求の発呼側セッション管理サーバ210のアドレスを取得する。そして、着呼メッセージ要求のあったセッション確立要求の発呼側セッション管理サーバ210に対して、着呼メッセージ要求がなされていることを通知する(S10)。
上記に説明した図2の(3),(4),(5),(6),(7),(8)、或いは、図28の(3),(4),(5),(6),(7),(8)は、セッション管理サーバ220による通話中継管理処理である。セッション管理サーバ220は、通話アダプタからの発呼メッセージを受信して、それを契機に通話中継を開始する。通話中継方法を以下に示す。
(a)発呼側通話アダプタ110からの発呼メッセージを受信する。
(b)受信した発呼メッセージの通話相手(着呼側通話アダプタ120)からの着呼メッセージを受信しているかを判断する。
(c)受信した発呼メッセージの通話相手(着呼側通話アダプタ120)からの着呼メッセージを受信している場合は、通話中継未使用の通話中継サーバを検索する。セッション管理サーバ220は、受信した発呼メッセージと着呼メッセージ及び、地区管理データ(地区管理データについては別の実施の形態で説明を行う)を元に通話中継が可能であるかを判断する。通話中継が不可能な条件は、
・受信した発呼メッセージの通話相手(着呼側通話アダプタ120)からの着呼メッセージを受信していない(図2の場合)、或いは、受信した発呼メッセージの通話相手(着呼側通話アダプタ120)が既に通話中である(図28の場合)・通話中継を行う通話中継サーバの各セッション数が全て使用中
のいずれかである。セッション管理サーバ220は、通話中継で使用する通話中継サーバを地区毎に作成された“地区管理データ”にて管理する。セッション管理サーバ220の発呼管理プロセス立ち上がり時に“所属セッション管理サーバデータファイル”よりデータを読み出し、メモリ上に“地区管理データ”、“中継サーバ管理データ”、“セッション管理データ”とを作成する。“所属セッション管理サーバデータファイル”、“地区管理データ”、“中継サーバ管理データ”、“セッション管理データ”については別の実施の形態で説明を行う。
検索した結果、通話中継可能な通話中継サーバが存在しない場合は、ログ出力を行い管理者に通知する。また、通話アダプタ110,120に対してもエラー通知を行い、通話アダプタ110,120経由(LED点灯など)で通話装置を操作しているユーザに異常状態を通知する。
(d)着呼側セッション管理サーバ220から発呼側通話アダプタ110、着呼側通話アダプタ120へ通話中継サーバ回答情報を送信する(図2の場合)。発呼側セッション管理サーバ210から発呼側通話アダプタ110へ、着呼側セッション管理サーバ220から着呼側通話アダプタ120へ通話中継サーバ回答情報を送信する(図28の場合)。図11に通話中継サーバ回答情報に設定される情報を示す。
図2及び図28の(9),(10)は、音声データの配信処理である。ここでは、発呼側通話アダプタ110と着呼側通話アダプタ120との間を1台の通話中継サーバによって通話を中継する第一段階の中継データ送信と、発呼側通話アダプタ110と着呼側通話アダプタ120との間を2台(2台以上でも可)の通話中継サーバによって通話を中継する第二段階の中継データ送信とがあり、第一段階と第二段階について、それぞれ説明する。
始めに、第一段階の中継データ送信を説明する。
図12に、第一段階の中継データ送信の処理を示す。第一段階の中継データ送信では、ファイアウォール越えを実現する一台の通話中継サーバ310を経由して、データ配信を行う。第一段階の中継データ送信では、発呼側通話アダプタ110は、図2の(6)、或いは、図28の(7)により着呼側セッション管理サーバ220から取得した「通話中継サーバ回答メッセージ」に設定されている利用可能な通話中継サーバ310に対して「発呼側音声データ」をPOSTメソッドで送信する。発呼側通話アダプタ110は、図2の(6)、或いは、図28の(7)により着呼側セッション管理サーバ220から取得した「通話中継サーバ回答メッセージ」に設定されている利用可能な通話中継サーバ310から「着呼側音声データ」をGETメソッドで受信する。また、発呼側と着呼側が逆転した場合は、着呼側通話アダプタ120は、通話中継サーバ310へ音声データを送信する。発呼側通話アダプタ110は、着呼側通話アダプタ120の音声データを取得する為に、通話中継サーバへ音声データ受信要求を行う。
通話中継サーバ310は、音声データとして発呼側通話アダプタ110から“発呼側音声データ送信情報”を受信する。図13に発呼側音声データ送信情報の項目と内容を示す。
通話中継サーバ310では、発呼側通話アダプタ110から受信した音声データを元に着呼側へ送信する音声データとして“着呼側音声データ受信情報”を編集する。図14に着呼側音声データ受信情報の項目と内容を示す。
尚、発呼側通話アダプタ110からの“発呼側音声データ送信(POSTメソッド)”の応答は、着呼側通話アダプタ120への“着呼側音声データ受信(GETメソッド)”応答送信後に通知する。
次に、第二段階の中継データ送信を説明する。
図15に、第二段階の中継データ送信の処理を示す。
第二段階での音声データ送信は、通話中継サーバ310,320との間をUDPを用いて音声データを通信する。発呼側通話アダプタ110は、図2の(6)、或いは、図28の(7)により着呼側セッション管理サーバ220から取得した「通話中継サーバ回答メッセージ」に設定された利用可能な通話中継サーバ310に対して「発呼側音声データ」をPOSTメソッドで送信する。POSTメソッドを受信した通話中継サーバ(発呼側)310は、UDPを用いて通話中継サーバ(着呼側)320に音声データを転送する。着呼側通話アダプタ120は、図2の(8)、或いは、図28の(8)により着呼側セッション管理サーバ220から取得した「通話中継サーバ回答メッセージ」に設定された利用可能な通話中継サーバ320に対して「発呼側音声データ」をPOSTメソッドで送信を行う。POSTメソッドを受信した通話中継サーバ(着呼側)320は、UDPを用いて通話中継サーバ(発呼側)310より受信した音声データをGETメソッド応答として着呼側通話アダプタ120へ送信する。また、発呼側と着呼側が逆転した場合は、着呼側通話アダプタ120は、通話中継サーバ(着呼側)320へ音声データ送信を行い、通話中継サーバ(着呼側)320は、通話中継サーバ(発呼側)310へUDPにて音声データを転送する。発呼側通話アダプタ110は、着呼側通話アダプタ120の音声データを取得する為に、通話中継サーバ310へ音声データ受信要求を行う。通話中継サーバ(発呼側)310は、通話中継サーバ(着呼側)320より受信した音声データをGETメソッド応答として発呼側通話アダプタ110へ送信する。
発呼側通話中継サーバ310では、音声データとして発呼側通話アダプタ110から“発呼側音声データ送信情報”を受信する。発呼側音声データ送信情報の項目と内容は、図13と同じである。
発呼側通話中継サーバ310は、発呼側通話アダプタ110からの音声データ受信後に着呼側通話中継サーバ320へUDP送信にて音声データを送信する。
尚、発呼側からの“発呼側音声データ送信(POSTメソッド)”の応答は、着呼側通話中継サーバ320への“UDP送信正常終了”受信後に通知する。
着呼側通話中継サーバ320では、発呼側通話中継サーバ310から受信した音声データを元に着呼側通話アダプタ120へ送信する音声データとして“着呼側音声データ受信情報”を編集する。着呼側音声データ受信情報の項目、内容は図14と同じである。
尚、発呼側からの“UDP送信”の応答は、着呼側への“着呼側音声データ受信(GETメソッド)”応答送信後に通知する。
以下に、通話中継サーバによる通話中継管理処理について説明する。
通話中継サーバは、通話アダプタからの発呼側音声データ受信または、着呼側音声データ受信を契機に通話中継を開始する。ここでは、以降“発呼側音声データ”、“着呼側音声データ”は、発信元が異なるだけである為、発信元を区別する必要のない時は、以下、“音声データ”とする。
通話中継サーバは、通話中継で使用するセッションを“セッション管理データ”にて管理する。セッション管理データは、通話中継サーバの備える“サーバ管理データファイル”より生成される。“サーバ管理データファイル”は、セッション管理サーバにて管理するデータのリミット値が設定されているファイルであり、以下の内容のデータを有している。
セッション管理サーバが管理する通話中継サーバの設置台数
セッション管理サーバが管理する通話中継サーバー台当たりの最大セッション数
所属する通話中継サーバのサーバ識別情報
所属する通話中継サーバのIPアドレス
セッション管理データは、通話中継サーバのHTTP中継サーバメインプロセス立ち上がり時に“サーバ管理データファイル”の上記した内容のデータから該当するデータを読み出し、メモリ上に通話中継サーバ管理データ、セッション管理データを作成する。セッション管理データ、通話中継サーバ管理データについては、別の実施の形態で説明を行う。上記した該当するデータとは、サーバ管理データファイルは、一台の通話中継サーバ上にセッション管理サーバ単位に複数存在しているため、該当するセッション管理サーバに関するデータのみを対象にするという意味である。
最初の受信を契機に、“セッション管理データ”にセッションIDとして発呼側通話アダプタの通話アダプタID(製造番号)を設定し、IPアドレス(通話アダプタ、通話中継サーバのいずれか)を設定する。
尚、通話中継エラーは、セッション管理サーバにて通話中継の可/不可を判断している為、通話中継サーバ側では基本的には発生しない。しかし、エラーが発生した場合は、ログ出力を行い管理者に通知する。
また、システム管理者は、セッション管理サーバや通話中継サーバが正常に動作しているかどうかCPU負荷率やネットワークパケット送受信状況等をみてリアルタイム監視も行うが、同時に何通話の処理が実行されているか、あるいは、通話処理のエラーが発生しているかについても、サーバ側は把握しているので、その情報のリアルタイム監視表示を行うことが可能である。
以上が、インターネット通信システム、インターネット通話方法における発呼側と着呼側との音声データの送受信手順である。また、発呼側,着呼側のセッション管理サーバと、通話中継サーバと、発呼側,着呼側通話アダプタと、指定通知サーバとについて、その機能及び動作について説明を行った。
実施の形態2.
実施の形態1で説明したインターネット通信システムを用いたシステムの運用構成の一例を説明する。
図16は、実施の形態2のインターネット通信システムの運用構成例を示す図であり、呼制御集中管理方式を用いたインターネット通信システムの運用構成図である。
図16では、複数の通話中継サーバを全国に配置して、西日本と東日本の地域毎にグループ分けする。そして、セッション管理サーバを西日本と東日本とにそれぞれ一台ずつ配置して、東京に指定通知サーバの機能を兼ね備えたセッション管理サーバを配置する。図16に示した運用構成のインターネット通信システムは、図17に示す手順によって発呼側と着呼側との音声データの送受信を行う。図17の(1)から(10)の手順は図2(1)から(10)の手順と同様である。また、図17の別の手順として、図2(1)から(10)を適用させることも可能である。図16のようにセッション管理サーバを所定の地区に配置することにより、セッション管理サーバに所属する通話アダプタを地区毎に管理することが可能となる。実施の形態1で通話アダプタを通話アダプタID(製造番号)によって管理することを説明した。図16のようにセッション管理サーバを配置する場合の通話アダプタIDは、「エリア識別子」と「通話アダプタ識別子」とにより構成する。指定通知サーバは、通話アダプタからセッション管理サーバ名要求メッセージを受信すると、通話アダプタが所属するセッション管理サーバを、「エリア識別子」に基づいて決定する。図16では、セッション管理サーバは西日本と東日本に設置されているので、いずれかのセッション管理サーバに所属するかを「エリア識別子」から決定することができる。また、西日本の地域を更に細分化して、例えば、九州地区、近畿地区、山陰地区、四国地区それぞれにセッション管理サーバを設置する構成も可能である。この構成では、「エリア識別子」を階層化して、階層の上位に西日本と東日本を区別する識別子をもうけ、階層の下位に九州地区、近畿地区、山陰地区、四国地区をもうけることにより、通話アダプタの所属するセッション管理サーバを決定できる。また、図17の東京セッション管理サーバ指定通知サーバは、西日本地区セッション管理サーバ及び東日本地区セッション管理サーバとを管理する。西日本地区セッション管理サーバは、福岡通話中継サーバと大阪通話中継サーバとを管理する。東日本地区セッション管理サーバは、仙台通話中継サーバと札幌通話中継サーバとを管理する。このように、通話中継サーバを、通話中継サーバが設置されている地域ごとにその近くの地域に設置されているセッション管理サーバによって管理する。このようにすると、通話アダプタの設置されている地域に最も近い場所に設置されている中継サーバによって、音声データの中継を行うことができるようになる。
また、複数のインターネットサービスプロバイダ(ISP)と提携して、セッション管理サーバ及び、通話中継サーバをそれぞれのISPのサーバが配置されている場所に配置し、各ISPに配置されたサーバ群(セッション管理サーバと通話中継サーバ)をISP網を介して接続する運用構成も考えられる。この場合、通話アダプタIDは、「ISP識別子」と「通話アダプタ識別子」とにより構成する。指定通知サーバは、通話アダプタからセッション管理サーバ名要求メッセージを受信すると、「ISP識別子」により通話アダプタが所属するセッション管理サーバを決定する。また、1つのISPが複数のセッション管理サーバを運用している場合は、さらに通話アダプタIDに「エリア識別子」を追加して、「ISP識別子」と「エリア識別子」と「通話アダプタ識別子」とにより通話アダプタIDを構成する。通話アダプタの所属するセッション管理サーバは、「ISP識別子」と「エリア識別子」とにより決定する。このように、1社だけでなく複数のISPと提携してインターネット通信システムを運用することも可能である。さらに、1社のISPがエリア識別子により複数のエリア相当でセッション管理サーバを複数設置して運用することも可能である。図18に複数のISPと提携してインターネット通信システムを運用するシステムの構成図を示す。
また、各ISPごとに運用されているセッション管理サーバ間及び、通話中継サーバ間は、各ISPの有するISP網を介して通信可能である。この場合、ISP網を介してのセッション管理サーバ間、通話中継サーバ間、セッション管理サーバと通話中継サーバとの間の通信は、UDPを用いて通信を行う。あるいは、RTP(トランスポートプロトコル・フォー・リアルタイムアプリケーション)または、TCP(トランスミッション コントロール プロトコル)を用いて通信を行う。もちろん、同様な他のトランスポート層のプロトコルを採用することも可能である。このように異なるISP間での通信を可能にすることにより、異なるISPの運用する通話中継サーバを介して発呼側と着呼側とで音声データを送受信できる。通話アダプタと通話中継サーバ間は、インターネット網を利用して上記実施の形態1と同様にHTTPを用いて通信を行う。図19、図20に、ISP網を利用するインターネット通信システムの運用構成を示す。図19は、通話中継サーバとセッション管理サーバのそれぞれが、ISP網と接続されていることを示している。図20は、通話中継サーバ間をISP網を介して音声データを通信する例を示している。図19に示されている複数の中継サーバのうち所定の2台の中継サーバを用いて中継サーバ間をISP網を経由して音声データを通信する場合は、図20に示すように、通話中継サーバ間は単純な音声データの転送を行い、発呼側通話アダプタと通話中継サーバ間および着呼側通話アダプタと通話中継サーバ間は、「POST(通話アダプタから通話中継サーバに情報を送信する場合)」と、「GET(通話アダプタに対して通話中継サーバから情報を送信する場合)」を用いて通信を行う。このことは、既に実施の形態1で説明を行ったことである。
また、ISP網の一例としてCATV(cable television)会社が提供するインターネット接続サービスのCATV網を利用して、インターネット通信システムを運用することが考えられる。図21、図22にCATV網を利用したインターネット通信システムの運用例を示す。図21は、各CATV会社エリアに最も帯域が太く接続されている最寄りの通話中継サーバを各CATVエリア用にアサインする。図21の例では、東京セッション管理サーバは、阪神CATVと市原CATVとの間でインターネット電話を使用する場合、阪神CATV側は大阪通話中継サーバを使用するように指定を行い、市原CATVは東京通話中継サーバを使用するように指定を行う。東京通話中継サーバと大阪通話中継サーバ間は、UDPを用いて音声データを通信する。図22は、一カ所にサーバ群(セッション管理サーバ、通話中継サーバ、指定通知サーバ)を設置して、サーバ群を設置した個所とCATV網を接続してシステムを運用する例を示している。現状の通信網の設置状況は、図22のように東京(大手町)に最も太い帯域の通信網が集中して設置されている。このため、指定通知サーバとセッション管理サーバと通話中継サーバとを設置する。また、各CATVネットワークとの間も東京(大手町)を経由して通信を行うことが多い。このため、東京(大手町)にサーバ群を設置することにより、帯域の確保を図ることができる。
以上に、通話アダプタIDの構成と、インターネット通信システムの運用例を説明した。
実施の形態3.
実施の形態3では、セッション管理サーバの行うプロセスについて説明を行う。
実施の形態1,2のセッション管理サーバは、発呼側と着呼側の中継を行うための通話中継サーバの通話中継を負荷分散・管理するため“利用可能な通話中継サーバの指示”、“セッションIDの管理”を行う。
セッション管理サーバでのプロセスは、3つのプロセスが存在する。
1つめは、通話アダプタから所属するセッション管理サーバに対して、周期的に行われる着呼確認の問合せを受信する“着呼管理プロセス”である。
2つめは、通話を行う場合に自分(発呼側通話アダプタ)が所属するセッション管理サーバにて通話先相手の所属するセッション管理サーバの問合せを受信する“通話先所属セッション管理サーバ検索プロセス”である。通話先所属セッション管理サーバ検索プロセスは、通話アダプタからの問合せに対して該当するセッション管理サーバを検索し、図2の場合に、検索したセッション管理サーバを示す情報を応答する。また、図28の場合には、検索したセッション管理サーバに対して、直接発呼メッセージの送信を行い、その着呼側セッション管理サーバからの応答メッセージを受信する。
3つめは、通信開始時に通話先相手の所属するセッション管理サーバにて発呼要求を受信するプロセスが“発呼管理プロセス”である。
この実施の形態のインターネット通信システムは、複数のセッション管理サーバを設置して、セッション管理サーバ毎にそのセッション管理サーバに所属する通話アダプタからの要求・問合せに対処して、各セッション管理サーバの負荷分散を行う。図23に、図2に対応する上記に説明した3つのプロセスを実行するセッション管理サーバの環境を示す。図35に、図28に対応する上記に説明した3つのプロセスを実行するセッション管理サーバの環境を示す。図23,図35では、セッション管理サーバは、“所属セッション管理サーバデータファイル”と“地区管理データ”と“中継サーバ管理データ”と“セッション管理データ”とを用いて処理を行っている。
以下に、図23の“所属セッション管理サーバデータファイル”、“地区管理データ”、“中継サーバ管理データ”、“セッション管理データ”について説明する。図35についても、同様である。
“所属セッション管理サーバファイル”は、図24に示す項目を有して、全てのセッション管理サーバに備えられている。図24によると、「ステータス」、「ISP識別子」、「エリア識別子」、「所属セッション管理サーバIPアドレス」とを有している。「ISP識別子」は、セッション管理サーバを複数のISPによって運営される場合に必要である。この所属セッション管理サーバファイルを検索して、着呼側の通話アダプタの所属するセッション管理サーバを決定する。また、指定通知サーバが所属セッション管理サーバファイルを備えることにより、発呼側通話アダプタからのセッション管理サーバ名要求メッセージに回答することができる。
次に、地区管理データについて説明する。
地区管理データは、セッション管理サーバが管理している通話中継サーバの管理情報を記憶する。図25に、地区管理データのデータ構成例を示す。セッション管理サーバは、この地区管理データを元に通話を中継する通話中継サーバの候補を決定し、候補となった通話中継サーバそれぞれの状態を確認して、実際に通話を中継するサーバとして選択する。
次に、中継サーバ管理データについて説明する。
図26に地区管理データと中継サーバ管理データの関係及び、中継サーバ管理データとセッション管理データとの関係を示す。中継サーバ管理データは、地区管理データの通話中継サーバ管理情報とリンクしている。中継サーバ管理データは、地区管理データが図26の地区管理データ500の構成をしている時、中継サーバ管理データ先頭アドレスと最後尾アドレスとにリンクして、通話中継サーバ管理データ510を記憶する。個々の通話中継サーバ管理データは、データ520の“通話中継サーバ使用状況”から“セッション管理データ最後尾アドレス”までの各情報を有している。
セッション管理データは、図26のセッション管理データ530を記憶する。セッション管理データ530は、データ540の“セッション状態”から“通話中継IPアドレス(着呼側)”までの各情報を有している。セッション管理データ530は、通話中継サーバ管理データ520の“セッション管理データ先頭アドレス”と“セッション管理データ最後尾アドレス”とリンクしている。
セッション管理サーバは、図25,26に示したデータによって、通話中継サーバの状態を管理して、通話アダプタから通話要求がなされた場合に、使用可能な通話中継サーバを検索して決定している。
以上が、セッション管理サーバの機能、および、保有するデータである。
実施の形態4.
上記実施の形態1から3では、音声データを発呼側と着呼側とで送受信するインターネット通信システムについて説明を行ったが、音声データは通信データの一例であり、インターネット通信システムは、通信データを発呼側と着呼側とで送受信するシステムである。また、通話アダプタは、通信アダプタの一例である。通話中継サーバは、通信中継サーバの一例である。
また、「ID」は、名称又は識別情報又は識別子又はIPアドレス等の自他を識別できるものならばどのようなものでも良い。
また、システムを構成する各要素(図1の、発呼側通信アダプタ部111,121、着呼側通信アダプタ部112,122、発呼側セッション管理部211,221、着呼側セッション管理部212,222、HTTP通信部311,321、UDP通信部312,322)は、ソフトウェア或いは、ハードウェア或いは、ソフトウェアとハードウェアの、いずれかで実施されるものである。
また、システムを構成する各要素(図1の、発呼側通信アダプタ部111,121、着呼側通信アダプタ部112,122、発呼側セッション管理部211,221、着呼側セッション管理部212,222、HTTP通信部311,321、UDP通信部312,322)は、コンピュータ上で実行されるプログラムの処理で実施されるものである。
また、通信アダプタとセッション管理サーバ、指定通知サーバ、通信中継サーバとはそれぞれ、コンピュータである。また、プログラムは、コンピュータのCPU(central processing unit)で実行されるものである。
また、プログラムは、FXD(flexible disk)、ROM(read only memory)などの記録媒体に記録されているものである。
実施の形態5.
従来例で説明した図27に示されるような通信アダプタでは、IP回線以外に、公衆回線経由での通話も可能である。この場合に、実施の形態1〜4にて示されるような本発明のIP回線上での通話処理を行うときに、公衆回線での通話と同時に行われることがないように、排他的な制御処理が必要になる。
そこで、公衆回線経由での通話を行う際には、図36の(3)にて示されるように、通信アダプタを管理するIP(Interne Protocol)回線上での呼制御を管理しているセッション管理サーバに、通話開始時と通話終了時に公衆回線経由通話の開始と終了に関する情報を通信アダプタから通知するようにする。
また、公衆回線経由通話だけでなく、IP回線上の他方式の通話、例えば、H.323方式(サービス品質が保証されていないLAN上での音声、動画像、データ通信の端末規定)、MGCP(Media Gateway Contorol Protocol)方式、SIP(セッション・イニシエイション・プロトコル)方式などでの通話を行える機能を通信アダプタが実装している場合がある。この場合、それら方式での通話処理と排他的な制御を行うために、それら方式での通話開始時と通話終了時に、それら方式でのIP回線経由通話の開始と終了に関する情報を、図36の(2)にて示されるように、通信アダプタからその通信アダプタを管理するセッション管理サーバに対して、他方式にて通話中であることを通知するようにする。
また、図36の(1)のように、通信を行う通信アダプタ同士においても、通話相手の電話機の操作について、セッション管理サーバを経由して互いの電話機の操作情報を送受信しあうことで、一方の電話機が電話呼出時であれば、他方の電話機に対してはリングバックトーンを鳴らしたり、相手が受話器をとれば、通話開始としたり、受話器オンフック切断時に、相手側の受話器から切断音を鳴らしたりすることができる。このセッション管理サーバ経由の通信をHTTPのGETメソッドを用いた場合の通信処理の一例を、図37に示す。
図37の左側の「受話器オフフック」、「ダイヤル入力」、「リングバックトーン開始」、「相手切断音」と、右側の「リング開始」、「受話器オフフック」、「受話器オンフック」は、電話機の操作である。矢印線で示されているのがHTTPのGETメソッドを用いた場合の呼制御メッセージシーケンスである。
図37に示すように、発呼側通信アダプタと着呼側通信アダプタとは、「受話器オフフック」や「ダイヤル入力」や「受話器オンフック」の電話機の操作を行った場合に、セッション管理サーバに対して受話器の操作内容を通知するGETメソッドを発行する。また、セッション管理サーバは、発呼側通信アダプタが「ダイヤル入力」を行ったことを通知された後、着信側のセッション管理サーバからオフフックの連絡が通知されるまで、発呼側通信アダプタに対して「リングバックトーンの開始」を行うための発呼GET応答を返す。着呼側通信アダプタから受話器オフフックの通知が着呼側セッション管理サーバに対して行われると、着呼側セッション管理サーバから発呼側セッション管理サーバへオフフックの連絡が通知され、発呼側セッション管理サーバから発呼側通信アダプタに対して着信GET応答が行われる。その後、発呼側通信アダプタと着呼側通信アダプタとの間で、音声通話が行われる。音声通話が終了し、着呼側通信アダプタが「受話器オンフック」すると、オンフックの連絡が着呼側セッション管理サーバから発呼側セッション管理サーバに通知され、発呼側セッション管理サーバは、発呼側通信アダプタに対して着信GET応答が通知され、発呼側通信アダプタは、電話機から相手の受話器がオンフックされたことを通知する切断音を発信させる。
上述したように、他の呼制御方式の通話開始時や通話終了時、及び、電話機の操作の情報を通信アダプタからの通知によってセッション管理サーバが収集することができるので、それぞれの情報の送受信時にログ情報として出力記録しておくことで、ユーザが利用したあらゆる形態の通話利用について情報を収集することができる。これにより、通話時間を確認することができ、課金情報として利用することができる。
さらに、この通話関係のログ情報をセッション管理サーバなどで、解析、整理するソフトウェアを実行することで、図38に示すように、日ごと、月ごとの通話履歴情報をシステム管理者が参照し、システムの運用状況を確認することができる。図38は、日ごと、月ごとのサマリを表示した例である。システム管理者は、セッション管理サーバのログ情報を解析するソフトウェアツールで得られた各通話情報ファイルから、図38に示す表(もしくは、相当のCSV(Comma Separated Valueの略称)形式等のファイル)を作成し、Webブラウザなどで表示させ、参照することができる。総通話数、瞬間同時最大通話数は、グラフ表示を行っても構わない。
実施の形態6.
全ての通信アダプタがグローバルIPアドレスを固定的に割り当てられていれば、いかなるプロトコルにても各種情報を直接に送受信することが基本的に可能である。しかし、IPv4(Internet Protocol バージョン4)においては、大半の通信アダプタがインターネットに間接的に接続されており、1つのグローバル固定IPアドレスを割り当てられたルータからアドレス変換を経て、プライベートIPアドレスを割り当てられることが多い。これらのルータでは、NAT(Network Address Translation)やIPマスカレード(Internet Protocol マスカレード)などのアドレス変換機能とともに、使用しないポート番号をふさぐなどのファイアウォール機能が設定されることが多い。
また、一般の家庭で利用できるインターネット回線では、家庭ごとに1つのグローバルIPアドレス、または、ドメイン内のプライベートIPアドレスを割り当てられることが多い。このため、家庭では、複数のパーソナルコンピュータをインターネットに接続して、家庭や小規模オフィス向けのSOHO(Small Office Home Office)ルータを介して接続する場合が多い。このSOHOルータにおいても、アドレス変換が行われることになり、ファイアウォール機能がある場合も多い。
上記のように、複数のルータを介することによって、プライベートIPアドレスへのアドレス変換が2回以上行われる場合もある通信アダプタから外部の通信アダプタに対してアクセス可能と考えられる一般的なアプリケーションレベルの通信プロトコルとしては、HTTPとSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)がある。
また、IPv4が普及している現状においては、グローバルIPアドレスであろうと、プライベートIPアドレスであろうと、動的に割り当てられることも非常に多い。このIPアドレスを動的に割り当てるために、指定通知サーバがDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバ機能を備え、各通信アダプタがDHCPクライアント機能を備えることで対応する。
以上から、通信アダプタが通信先を特定するアドレシングとして、IPアドレスを採用することは実質的に不可能な場合が多い。
既に記述していたように、ファイアウォールやNATルータ(SOHOルータやブロードバンドルータなどと呼ばれることが多い)等でエリア管理されている各ドメイン内の通信アダプタは、そのドメインのDMZ(De−Militarised Zone)内に設置されたセッション管理サーバと通話中継サーバを経由して、ドメイン外の通信アダプタや外部ドメインの各種サーバと通信を行う。
図39に、リアルタイムデータの通信を行う通信アダプタと通話中継サーバの通話中継方式の種類を、方式1〜3に示す。
図39では、通話中継方式の種類として、通話中継サーバを使用しない「方式1」と、通話中継サーバを発信側、或いは、着信側のいずれか一方で1台使用する「方式2」と、通話中継サーバを発信側と着信側のそれぞれで1台の合計2台使用する「方式3」とがある。
方式1では、発呼側通信アダプタと着呼側通信アダプタとはUDPを用いて通信を行う。これを「U直型」と呼ぶ。
方式2では、発呼側通信アダプタと通話中継サーバとの間をHTTP、或いは、UDPを用いて通信を行う。また、着呼側通信アダプタと通話中継サーバとの間は、HTTP、或いは、UDPを用いて通信を行う。通話中継サーバを着呼側に用いて通話中継サーバと着呼側通信アダプタとの間をHTTPを用いて通信を行い、発呼側通信アダプタと着呼側通話中継サーバとの間をUDPを用いて通信を行う場合を「−UH型」と呼ぶ。通話中継サーバを発呼側に用いて、発呼側通信アダプタと通話中継サーバとの間をHTTPによって通信を行い、発呼側の通話中継サーバと着呼側通信アダプタとの間をUDPを用いて通信を行う場合を「HU−型」と呼ぶ。また、発呼側に通話中継サーバを用いて、発呼側通信アダプタと発呼側の通話中継サーバとの間をUDPを用いて通信を行い、発呼側の通話中継サーバと着呼側通信アダプタとの間をUDPを用いて通信を行う場合を「UU−型」と呼ぶ。また、着呼側に通話中継サーバを用いて、着呼側の通話中継サーバと着呼側通信アダプタとの間をUDPを用いて通信を行い、発呼側通信アダプタと着呼側通話中継サーバとの間をUDPを用いて通信を行う場合を「−UU型」と呼ぶ。
更に、方式3では、発呼側通信アダプタと発呼側通話中継サーバとの間をHTTP、或いは、UDPを用いて通信を行い、発呼側通話中継サーバと着呼側通話中継サーバとの間はUDPを用いて通信を行い、着呼側通話中継サーバと着呼側通信アダプタとの間は、HTTP、或いは、UDPを用いて通信を行う。発呼側通信アダプタと発呼側通話中継サーバとの間をHTTPを用いて通信を行い、着呼側通話中継サーバと着呼側通信アダプタとの間をHTTPを用いて通信を行う場合を「HUH型」と呼ぶ。発呼側通信アダプタと発呼側通話中継サーバとの間をUDPを用いて通信を行い、着呼側通話中継サーバと着呼側通信アダプタとの間をHTTPを用いて通信を行う場合を「UUH型」と呼ぶ。発呼側通信アダプタと発呼側通話中継サーバとの間をHTTPを用いて通信を行い、着呼側通話中継サーバと着呼側通信アダプタとの間をUDPを用いて通信を行う場合を「HUU型」と呼ぶ。発呼側通信アダプタと発呼側通話中継サーバとの間をUDPを用いて通信を行い、着呼側通話中継サーバと着呼側通信アダプタとの間をUDPを用いて通信を行う場合を「UUU型」と呼ぶ。
通信アダプタ間の通話において通話中継サーバの使用・未使用を判定するための方法を以下に示す。
判定方法の手順は、
(1)発呼側通信アダプタと着呼側通信アダプタの所属ドメインが一致するか判定する。
(2)所属ドメインが一致した場合は、図42に示す“ドメイン内通話中継判定方法”より「通話中継サーバ」の使用有無を求める。
(3)所属ドメインが一致しない場合は、セッション管理サーバのサーバタイプ(汎用/ISP)と図43に示す“ドメイン外通話中継判定方法”より「通話中継サーバ」の使用有無を求める。
上記のように、様々なネットワークアドレス環境がある現状では、まず前提として、通信全てをHTTPを用いれば可能であるが、リアルタイム通信は、可能な限り、RTPなどのUDPを利用したい。
例えば、UDPの利用が可能な場合として、以下のようなものがある。
・グローバルIPアドレス(固定、DHCP)を各通信アダプタが割り当てられる。
・同じドメイン内でプライベートIPアドレス(固定、DHCP)を各通信アダプタが割り当てられる。
・ファイアウォールに対して、利用したいUDPポートのアクセスが可能なように設定ができる。
以上のような様々な場合に、できる限りUDPの利用ができるように通信アダプタの端末接続タイプを規定して、呼制御設定処理中にその情報を相互交換することで、UDP通信を可能とする。
以下に、本発明の実施の形態6において通信アダプタの接続条件を列挙する。
(1)グローバルIPアドレス(固定)
(2)プライベートIPアドレス(固定)
(3)グローバルIPアドレス(DHCP)
(4)プライベートIPアドレス(DHCP)
(2),(4)のプライベートIPアドレスとは、所属ドメイン内で割り当てられるIPアドレスのことである。
(i)ドメイン内でさらにローカルにSOHOルータなどでIPアドレスを割り当てる場合。
(i−1)ドメイン内でドメイン管理の通話中継サーバを設置している。
(i−2)ドメイン内でドメイン管理の通話中継サーバを設置していない。
(ii)ドメイン内で割り当てられたプライベートIPアドレスをそのまま使用する場合。
(ii−1)ドメイン内でドメイン管理の通話中継サーバを設置している。
(ii−2)ドメイン内でドメイン管理の通話中継サーバを設置していない。
以上の(1)〜(4)と(i−1),(i−2),(ii−1),(ii−2)の条件の組み合わせから、以下に端末接続タイプ(A〜E,P〜R)を、図40に列挙する。図40中の(1),(2),(3),(4)及び(i−1),(i−2),(ii−1),(ii−2)は、上記した(1)〜(4)及び(i−1),(i−2),(ii−1),(ii−2)に相当する。
図40に示した端末接続タイプA〜E,P,Q,Rごとの通信アダプタと通話中継サーバとの接続方式を、図41に示す。
図41において、ISP ID(インターネット・サービス・プロバイダを識別するための識別情報)により通信アダプタが所属するプライベートIPアドレスエリアが定まる。このエリア内には、複数のセッション管理サーバがある場合があり、このセッション管理サーバごとにエリアIDが対応する。複数のエリアを持つISPには、複数のISPIDを与える。通信アダプタには、A〜Eのタイプのどれかを設定し、サーバ群に報告する。ISP運営サーバに所属する通信アダプタは、A〜Eタイプのどれかになる。汎用通話中継サーバに所属すると、タイプA〜Eは、P,Q,Rにサーバ内処理で置き換えられる。
図40のタイプ「B」は、図41の(B)に示されているような接続形態で通信アダプタとルータと通話中継サーバ(同位置にセッション管理サーバも設置する)とインターネットが接続されている。
また、図40のタイプ「C」は、図41に示す(C)のように、通信アダプタと通話中継サーバ(同位置にセッション管理サーバも設置する)とルータとインターネットが接続されている。
また、図40のタイプ「D」は、図41の(D)に示すように、通信アダプタとルータと通話中継サーバ(同位置にセッション管理サーバも設置する)とインターネットとDHCPサーバが接続されている。
図40のタイプ「E」は、図41の(E)のように、通信アダプタとルータと通話中継サーバ(同位置にセッション管理サーバも設置する)とインターネットとDHCPサーバとが接続される。
また、図40のタイプ「A」は、図41の(A)のように、通信アダプタを接続するルータが更に上の階層のルータに接続され、上の階層のルータと通話中継サーバがインターネットに接続されている。タイプ「A」の場合、ルータが階層化されていて、下位の階層のルータに通信アダプタが接続されているので、この場合の通信アダプタに設定されるIPアドレスは、ローカルIPアドレスと呼ぶものとする。
また、図40のタイプ「Q」とタイプ「R」は、ドメイン内でドメイン管理の通話中継サーバを設置していないので、図41の(Q),(R)のように、通信アダプタは、ルータとDHCPサーバとセッション管理サーバ(同位置にセッション管理サーバも設置する)とインターネットとに接続される。
また、図40のタイプ「P」は、ドメイン内でドメイン管理の通話中継サーバを設置していない。更に、ドメイン内で割り当てられたプライベートIPアドレスをそのまま使用するので、通信アダプタは、図41(P)のように、インターネットに接続される。更に、タイプ「P」の場合、ドメイン内で更にSOHOルータの直下に設置される場合もあるので、IPアドレスを割り当てられる場合にドメイン内でドメイン管理の通話中継サーバを設置していない場合が考えられる。この場合を通信アダプタは、図41の(P)のように、インターネットに接続される。
次に、端末接続タイプ毎の中継方式判定方法を、図42〜図43に図示した表で示す。
図42は、同じドメイン内同士の通信における中継方式判定方法を示す。
図42中のA〜Eは、図40のA〜Eに相当する。また、図42中の[1],[2]は、図39の[1],[2]に相当する。
図42の縦軸に発信側の通信アダプタのタイプを示す。横軸に着信側の通信アダプタのタイプを示す。
図42において、同じドメイン内に発呼側と着呼側の通信アダプタが設置されて、これらの通信アダプタの間で通話を行う場合には、ドメイン外の通話中継サーバは用いないため、発信側の通信アダプタと着信側の通信アダプタのタイプが同じであるときは、[1]の中継方式によって通話を行う。発信側と着信側の通信アダプタとのタイプのどちらかがNATルータの直下に設置されてローカルIPアドレスを割り当てられる場合は、[2]の中継方式によって通話を行う。
図43は、同じドメイン内同士ではない通信における中継方式判定方法を示す。
図43中のA〜E及びP〜Rは、図40のA〜E及びP〜Rに相当する。また、図43中の[1]〜[3]は、図39の[1]〜[3]に相当する。
図43において、縦軸は発信側の通信アダプタのタイプを示し、横軸は着信側の通信アダプタのタイプを示す。
また、方式が[2]である場合には、通話中継サーバに発信側のものを使用するのか、着信側のものを使用するのかを区別するため、(発信側)又は(着信側)を明記している。
セッション管理サーバは、呼制御処理において、発呼側と着呼側の各通信アダプタの端末接続タイプの情報を得て、図42,図43の表に基づいて、通話中継方式を判定し、各通信アダプタにその方式に関する情報を送信する。通話中継サーバを必要とする場合には、セッション管理サーバが、各通信アダプタに対して、通話中継サーバのIPアドレス、及び、HTTPかUDPかのどちらかの指定について報告する。
図45〜図53において、図44のインターネット電話ネットワークシステム構成における上記各通信アダプタの接続タイプに応じた呼制御のメッセージ送受信手順を示す。
なお、NATルータ直下に設置された通信アダプタについては、端末接続タイプをA,Pとしており、音声データ送受信をHTTPにより行っていたが、NATルータに対して、(静的)NAT設定を行い、使用するUDPポート番号を経由するUDPによる音声データを直接通信アダプタに対して送受信させることが可能である。つまり、通話中継サーバから、NATルータまでUDPにより音声データを送受信させることができるため、通信アダプタは、端末接続タイプA,Pではなく、NATルータの位置に相当する端末接続タイプB,C,D,E、Q,Rとして設定すればよい。これにより、NATルータ直下に接続しておいても、UDPによる音声データ送受信が可能になり、通話品質が向上する。
図45は、図39に示した方式3の「HUH型」のメッセージ送受信手順を示す図である。
「HUH型」のメッセージ送受信手順では、図45に示す(1)〜(7)の手順によってメッセージを送受信する。以下に、(1)〜(7)の手順を示す。
なお、図45に示す「H」はHTTPによる通信であり、「U」はUDPによる通信を示すものである。
(1)待ち受けセッション維持
(2)発信側セッション管理サーバへの発呼依頼
(3)受信側セッション管理サーバへの接続依頼
(4)受信側端末通話状況返信
(5)受信側発呼手続き/中継サーバ指定
(6)発信側発呼/話中手続き/中継サーバ指定
(7)両側サーバによる通話中継処理
図46は、図39の方式2の「−UH型」のメッセージ送受信手順を示す図である。
「−UH型」では、以下に示す(1)〜(7)の手順によってメッセージを送受信する。
なお、図46の「H」はHTTPであり、「U」はUDPを示す。
(1)待ち受けセッション維持
(2)発信側セッション管理サーバへの発呼依頼
(3)受信側セッション管理サーバへの接続依頼
(4)受信側端末通話状況返信
(5)受信側発呼手続き/中継サーバ指定
(6)発信側発呼/話中手続き/中継サーバ指定
(7)受信側サーバによる通話中継処理
図47は、図39の方式2の「HU−型」のメッセージ送受信手順を示す図である。
「HU−型」のメッセージ送受信は、以下に示す(1)〜(7)の手順によってメッセージ送受信を行う。
図47に記載した「H」はHTTPを示し、「U」はUDPを示す。
(1)待ち受けセッション維持
(2)発信側セッション管理サーバへの発呼依頼
(3)受信側セッション管理サーバへの接続依頼
(4)受信側端末通話状況返信
(5)受信側発呼手続き/中継サーバ指定
(6)発信側発呼/話中手続き/中継サーバ指定
(7)発信側サーバによる通話中継処理
図48は、図39の方式3の「UUH型」によるメッセージ送受信手順を示す図である。
「UUH型」は、以下に示す(1)〜(7)の手順によってメッセージを送受信する。
図48に記載した「H」はHTTPであり、「U」はUDPである。
(1)待ち受けセッション維持
(2)発信側セッション管理サーバへの発呼依頼
(3)受信側セッション管理サーバへの接続依頼
(4)受信側端末通話状況返信
(5)受信側発呼手続き/中継サーバ指定
(6)発信側発呼/話中手続き/中継サーバ指定
(7)両側中継サーバによる通話中継処理
図49は、図39の方式3の「HUU型」によるメッセージ送受信手順を示す図である。
「HUU型」のメッセージ送受信処理は、以下に示す(1)〜(7)の手順によってメッセージを送受信する。
図49の「H」はHTTPを示し、「U」はUDPを示す。
(1)待ち受けセッション維持
(2)発信側セッション管理サーバへの発呼依頼
(3)受信側セッション管理サーバへの接続依頼
(4)受信側端末通話状況返信
(5)受信側発呼手続き/中継サーバ指定
(6)発信側発呼/話中手続き/中継サーバ指定
(7)両側サーバによる通話中継処理
図50は、図39の方式1の「U直型」によるメッセージ送受信手順を示す図である。
「U直型」のメッセージ送受信処理は、以下に示す(1)〜(7)の手順によってメッセージを送受信する。
図50に記載した「U」はUDPである。
(1)待ち受けセッション維持
(2)発信側セッション管理サーバへの発呼依頼
(3)受信側セッション管理サーバへの接続依頼
(4)受信側端末通話状況返信
(5)受信側発呼手続き/直接通話を指定
(6)発信側発呼/話中手続き/直接通話を指定
(7)直接通話処理
図51は、図39の方式2の「UU−型」によるメッセージ送受信処理の手順を示す図である。
「UU−型」のメッセージ送受信処理は、以下に示す(1)〜(7)の手順によってメッセージを送受信する。
図51に記載した「U」はUDPを示す。
(1)待ち受けセッション維持
(2)発信側セッション管理サーバへの発呼依頼
(3)受信側セッション管理サーバへの接続依頼
(4)受信側端末通話状況返信
(5)受信側発呼手続き/中継サーバ指定
(6)発信側発呼/話中手続き/中継サーバ指定
(7)発信側サーバによる通話中継処理
図52は、図39の方式2の「−UU型」によるメッセージ送受信処理の手順を示す図である。
「−UU型」は、以下に示す(1)〜(7)の手順によってメッセージを送受信する。
図52に記載した「U」はUDPである。
(1)待ち受けセッション維持
(2)発信側セッション管理サーバへの発呼依頼
(3)受信側セッション管理サーバへの接続依頼
(4)受信側端末通話状況返信
(5)受信側発呼手続き/中継サーバ指定
(6)発信側発呼/話中手続き/中継サーバ指定
(7)受信側サーバによる通話中継処理
図53は、図39の方式3の「UUU型」によるメッセージ送受信処理の手順を示す図である。
「UUU型」は、以下に示す(1)〜(7)の手順によってメッセージの送受信処理を行う。
図53に記載した「U」はUDPである。
(1)待ち受けセッション維持
(2)発信側セッション管理サーバへの発呼依頼
(3)受信側セッション管理サーバへの接続依頼
(4)受信側端末通話状況返信
(5)受信側発呼手続き/中継サーバ指定
(6)発信側発呼/話中手続き/中継サーバ指定
(7)両側中継サーバによる通話中継処理
実施の形態7.
実施の形態7では、指定通知サーバが遠隔保守管理サーバの機能を有して遠隔保守管理サーバとして動作する例について、以下に説明を行う。
図54に示すように、通話アダプタがインターネットに接続されて電源がオンになると、一定周期(例えば、1日に1回くらいのペース)にて、遠隔保守管理サーバに対して生存報告メッセージ(製造番号、IPアドレス、正常に動作しているかどうかの確認情報)を送信する。
遠隔保守管理サーバは、その生存報告メッセージの中で新規のものを確認し、顧客管理データベースに登録を行う。既に登録済みのものを含めて、生存報告が正常なものかどうか確認する。この生存報告の内容としては、通話アダプタがハードウェアの一部が故障している点などを付加する事ができ、このような異常状態が判明すると、指定通知サーバを管理している運営管理者がユーザに対して、通話アダプタ装置故障の連絡、代品の交換等の手続きを開始することができる。
生存報告メッセージとして、HTTPのGETメソッドを利用した場合に対する応答メッセージとして、指定通知サーバ等が正常に動作しているかどうかの情報を返送することができる。この場合、通話アダプタ側に、指定通知サーバやセッション管理サーバなどの異常を知らせることで、通話アダプタの表示装置にエラー表示を行わせたり、受話器から「ただいま、サーバ側の故障中にて公衆回線にておつなぎいたします。」などとユーザへ通知したりすることが可能である。
一方で、指定通知サーバやセッション管理サーバについて、ハードウェアが故障した場合に備えて、冗長系を実装しておくことも可能である。この場合、基本的に使用する指定通知サーバやセッション管理サーバをプライマリサーバとすると、バックアップとして利用できるものをセカンダリサーバとして用意しておく。さらに、上記指定通知サーバへの生存報告メッセージの応答メッセージとして、各サーバのIPアドレスを知らせるときに、プライマリ側とセカンダリ側の両者について、送信することが可能である。冗長系は、プライマリとセカンダリだけでなく、3つ以上のサーバから構成されていてもかまわない。プライマリが故障した場合に、セカンダリに置き換わる様子を図55,図56に示す。
また、本実施の形態では、本インターネット電話ネットワークシステムを用いて、課金業務を行う場合を想定する。この課金業務のために、図54に示すように、顧客管理データベース710を用意する。この顧客管理データベース710では、サービス料金の支払い状況の管理を行い、不払いが確認された場合、生存報告メッセージを指定通知サーバが受けると、HTTP中継のセッション管理サーバ側の受付を不能にするか、生存報告メッセージの応答メッセージにより通話アダプタを直接動作不能にするかの対応を行う。さらに、顧客が料金を支払い、顧客管理データベースへ支払い済みの登録がなされると、生存報告メッセージが指定通知サーバへ再度送信されてきたときに、上記の使用不可能の設定を解除する。
また、指定通知サーバへの生存報告メッセージの別の目的の利用として、通話アダプタのソフトウェアの版管理がある。通話アダプタのソフトウェアのバージョンアップが必要になったら、顧客管理データベース710を元に、ソフトウェア更新モジュールサーバ810のダウンロードバージョンアップ処理を指定通知サーバから遠隔操作によりスタートさせる。或いは、顧客に電話機によりバージョンアップコマンドを入力してもらい、通話アダプタにダウンロードさせる。なお、前者の場合には、管理者側の都合で、強制的に通話アダプタのソフトウェア更新処理を行うために、その処理中は、ユーザが利用できないことになる。このため、ユーザが通話中であれば、そのソフトウェア更新処理を通話操作が終了するまで遅らせるようにする。また、更新処理を行う際に、これから更新処理を行う旨を表示装置や発音装置によりユーザに連絡し、ユーザの都合により更新処理を行いたくない場合に、その更新処理を実行させない操作が可能なユーザインタフェースを通話アダプタは備える。
このように、ユーザのもつ通話アダプタに対して、システム管理者が指定通知サーバへのアクセスを利用して遠隔からダウンロード操作を行えるが、同様のしくみを利用して、通話アダプタ上で、自己診断プログラムを実行させ、その結果情報を指定通知サーバ側へ送信させることもできる。同様に、その結果情報に基づいてより詳細な情報を得るためのオプション的な自己診断プログラムを遠隔から実行させたり、ユーザに対して故障情報を知らせたりすることが可能である。
実施の形態8.
本実施の形態の呼制御では、通話アダプタは、呼制御を管理するセッション管理サーバや通話中継サーバへの通信が行えない場合、実質的にIP回線による電話をかけることができない。そこで、IP回線による通話が不可能な場合に、IP回線による通話ができないことを通話アダプタや電話機のユーザインタフェースを利用してユーザに伝えるようにする。電話機の受話器からIP回線による通話ができないことを人工音声により伝える方法もその一つである。人工音声とは、あらかじめ人間がメッセージを読み上げたものを録音しておき、そのデジタル情報をサーバや通話アダプタのメモリに記憶しておき、再生させる方法や、メッセージの文章テキストデータから、音声を人工的に合成して発音させる方法などがある。通話アダプタの表示装置により同様に伝えるようにすることもできる。また、この通話アダプタには、IP回線以外に、公衆回線経由の通話機能も加えて実装しておくことができ、IP回線での通話ができなかった場合に、自動的に公衆回線経由の通話を開始するようにもできる。
図57に示すように、セッション管理サーバは、管理している通話中継サーバの通話セッション数を常にカウントしているので、通話中継サーバの通話中継可能な容量限界まで通話中継処理を行っていることを認識できる(図57の(1))。この場合には、これ以上はIP回線経由の通話ができないということで、上記のようにIP回線通話不可能をユーザに知らせたり、公衆回線経由の通話に切り替えたりする(図57の(2))ように実装することができる。
ここで、ユーザに通話アダプタの異常時等の警告メッセージについてまとめておく。
(1)LEDや液晶ディスプレイやブザー等での異常状態等を知らせる。
(2)通話中に、受話器から警告等のメッセージを再生する。以下に例を示す。
(A)設定が誤っています。設定をやり直してください。
(B)ネットワークが込んでいますので、公衆でおつなぎ致します。
(C)中継局が込んでいますので、公衆でおつなぎ致します。
(D)IP電話をかけますが、ネットワークが込んでいますので、音質が悪い場合がございます。
(E)ネットワークが急激に込んできたため、一度お切り致します。おかけ直し下さい。
(F)ネットワークが急激に込んできたため、通信経路を変更致します。しばらくお待ち下さい。(処理時間経過)通話ができるようになりました。
実施の形態9.
通話アダプタは、呼制御を管理するセッション管理サーバや通話中継サーバへの通信を本発明方式ではHTTPを利用して実現している。このため、通信処理の開始時には、図58に示すように、TCPの通信処理を行っている。通話アダプタ110は、各サーバに対してHTTPのクライアントからサーバへの通信処理のために、TCPの接続処理をconnectというソケット関数を用いて最初に行う。connect関数の呼び出し待ち時間にタイムアウト値を設け、タイムアウト値を越える待ち時間が発生した場合に、現状のconnect関数実行を強制終了し、改めてconnect関数実行をやり直す。また、connect関数のやり直し回数にも上限値を設け、無限回数やり直すのではなく、上限値を超えた場合に、エラー処理を行う。TCPのソケット関数によるHTTPメッセージの送受信状況を図59に示す。図59は、HTTPデータ送受信処理とソケット関数呼び出しの関係を示している。
TCP通信のための最初の接続処理は、通話アダプタ側がクライアントとして、connect関数を呼び出すことで開始される(図59の「(1)TCPの接続要求」)。このとき、connect関数のブロッキングモード(「ブロッキングモード」とは、サーバ側からの応答があるまではクライアント側は対応を待ち続けて、次の処理に進まないことをいう)を使用すると、TCP接続が成立するまで(図59の「(2)TCPの接続受理」)、connect関数は終了せずプログラム実行としては、ブロックされ停止状態となる。比較的短い時間でTCP接続が成立すれば問題ないが、ネットワーク上の原因など何らかの要因により、このTCP接続成立までに非常に長い時間がかかることがある。このような場合に、一度connect関数の実行を強制終了させ、改めてconnect関数の実行をやり直すと、すぐにTCP接続が成立する場合が多い。そこで、connect関数の実行に、タイムアウト値を設定しておき、そのタイムアウト値を越える場合に、connect関数の実行を中断及び強制終了し、改めて、connect関数の実行をやり直すようにすることで、処理が長く待たされることなく、確実にTCP接続が成功するようになる。このやり直しは、必ずしも1回だけでなく、やり直してもまだタイムアウト値を越えるような待ち時間となる場合に、また繰り返すようにできる。このようにすることで、失敗時の復旧処理を強化することになる。一方では、無限回やり直すことも意味はないので、やり直し回数に一定の上限値を設け、その上限値までTCP接続のやり直しを行うが、その上限値を越えるときは、ネットワーク等に何らかの障害が発生したと考えて、エラー処理を行うべきである。
さらに、上記のTCP接続開始処理のタイムアウト値ややり直し回数の上限値について、通話アダプタの起動時において、一定の定数としておき、比較的TCP接続開始処理の短時間での成功率が高い場合には、タイムアウト値を短く、やり直し回数も少なくすることで、エラー発生が仮に起こったとしても、短時間でエラー発生が認識できる。一方で、成功率が低い場合には、より確実にTCP接続が行えるように、タイムアウト値を長く、やり直し回数も増加させるほうが望ましい。そこで、実際のTCP接続開始処理の経過時間ややり直し回数を測定しつつ、タイムアウト値ややり直し回数を最適な値に自動的に調整する機能を実装できる。これにより、最適なタイムアウト値ややり直し回数の調整作業に人手の作業を省くことが可能となる。
実施の形態10.
インターネット経由の音声データ送受信による通話処理では、その通話品質を最も左右するのが、実際のインターネット経路のデータトラフィックがどの程度の混み具合であるかどうかである。そこで、特定の通話経路について、データ到達にかかる遅延時間を常に監視し、通話品質に影響がないレベルかどうかを調べる。それとともに、明らかに通話品質に影響を与える遅延が発生していることが確認されたら、通話品質が悪化したことをユーザに通話アダプタの表示装置等を用いて知らせることができる。
全国各地に設置されたセッション管理サーバは、それぞれのセッション管理サーバのIPアドレスをデータベースとして記憶しており、定期的に、特定のセッション管理サーバ(通話中継サーバをほぼ同位置にあると仮定している)間にて、一般的な通信遅延時間をpingやtracertというWindows(「Windows」は、マイクロソフト社のオペレーティングシステムである)やUnix(「Unix」は、AT & Tベル研究所が開発したオペレーティングシステムの名称である)系のOS上のコマンドにて、測定することが可能である。また、別途、本IP電話ネットワークシステムにて使用するUDPやHTTP等の音声パケットを実際に送受信させ、その遅延時間を測定するソフトウェアを作成し、それにより測定することも可能である。OS上のコマンドやソフトウェアによって、発呼側と着呼側の各アダプタが所属する2箇所のセッション管理サーバ間の直接の経路遅延を求めることができるとともに、他の第3のセッション管理サーバへ迂回した場合の経路遅延を求めることもできる。この結果、2箇所のセッション管理サーバ間の経路遅延よりも、迂回した場合の経路遅延の合計のほうが、より短時間である調査結果が得られた場合に、迂回経路を選択して、通話中継サーバの経路として、第3の地点の通話中継サーバを経由するように音声データ中継経路の設定へ変更することが可能である。
図60は、インターネット経路遅延状況調査による混雑度の確認処理を説明する図である。
図60では、東京大阪間の総遅延が100msec、東京千葉間の総遅延が800msec、東京千葉間の総遅延が200msecという調査結果が出ている。このため、東京大阪間と東京千葉間とを接続する場合の総遅延が大阪千葉間を接続する場合の総遅延よりも遅延が短くなるため、大阪千葉間の通信経路を、東京大阪間と東京千葉間との通信経路に置き換えている。この第3の中継拠点の選択も、全国に配置されるセッション管理サーバが数多くあれば、遅延時間の総和を計算し比較して、最適なものを選択することで、より快適な通信状況を確保することができる。当然のことながら、数多くの通信経路が同時に存在することになるため、可能な限り、それぞれの通信経路が一箇所に集中することなく、適宜分散するように制御することが可能である。
なお、各セッション管理サーバ及び通話中継サーバ間のネットワークトラフィック状況を図60に示すような図を表示させるソフトウェアを実装することで、システム管理者が目視によりネットワーク輻輳状況を把握することができ、システム管理者が直接すいているネットワーク経路へ音声データ送受信経路が割り当てられるようにセッション管理サーバに第3の中継拠点の通話中継サーバの指示を行うことができる。これは、自動的なサーバ上のプロセス処理だけでは、時間的余裕のない緊急時に有効な操作ができる。
図60では、総遅延を、例えば、「大阪−千葉間総遅延800msec」と通信経路の近くに文字を表示していた。しかし、遅延速度別に通信経路を色分けしたり、点滅させたりすることも可能である。
管理者は、頻繁に通話障害が発生する場合には、既に提供してきたIP電話ネットワークシステムを見直し、再設計、再構築を行う必要がある。これから、管理者への警告機能は重要である。以下に、管理者への警告内容を整理しておく。
(1)サーバ故障に対して基本的に二重系にて対応するが、故障時に自動復旧を行い、その点について、管理者へ自動メッセージ送信やログ出力などで連絡する。
(2)IP電話をかけようとして、サーバへのアクセスがタイムアウトになった場合等が多く、一定数以上公衆でかけざるをえない場合、管理者へ自動メッセージ送信やログ出力などで警告をあげる。
(3)IP電話をかけている状態で、一定以上のトラフィックがあり多くのユーザの通話品質に問題がある場合、管理者へ自動メッセージ送信やログ出力などで警告を上げる。
(4)IP電話をかける場合に、通常の通話中継サーバの音声データ送受信経路がほとんど利用できず、頻繁に通話経路変更があり、これが一定値を越える場合、管理者へ自動メッセージ送信やログ出力などで警告を上げる。
実施の形態11.
セッション管理サーバ及び通話中継サーバは、企業や学校などの団体の限定された地区に設置することも可能である。この場合、特定の地区における電話に関しては、外線と異なり、地区内で利用可能な内線電話番号体系を設定することが多い。こうした内線電話番号に対して、本通信アダプタのIPアドレスや識別子へ変換する変換テーブルをデータベースとして、一括に管理できると、便利である。そこで、図61に示すように、この変換テーブルをセッション管理サーバ上に実装する(図61の内線電話番号データベース720)ことで、各通信アダプタから内線電話番号が入力された場合に、セッション管理サーバへ通信アダプタから内線電話番号情報を送信し、セッション管理サーバ上で、通話相手の通信アダプタを特定し、それから、特定した通話相手の通信アダプタに対して、図62に示す(1)〜(6)の手順で呼制御処理を行う。
図62を用いて内線電話呼制御方式の手順を説明する。
発呼側通信アダプタは内線電話番号が入力されると、入力された電話番号とともに、発呼メッセージをセッション管理サーバへ送信する(2)。セッション管理サーバは、送信された内線電話番号を元に、内線電話番号データベース720を参照し、通信相手を特定する(3)。着呼側通話アダプタから着呼メッセージ取得処理が行われると(1)、セッション管理サーバは、着呼メッセージを着呼側通信アダプタに返す。また、発呼側通信アダプタに対しても発呼メッセージの応答を行う(5)。(4)と(5)の後の処理は、通常のUDP直接通信による通信アダプタ間通話処理と同じように、発呼側と着呼側とで通話を行う(6)。もし、セッション管理サーバで内線電話番号データベース720を参照しても、通話相手の通信アダプタを特定できない場合は、検索が失敗したことを発呼側へ報告する(3)。発呼側通信アダプタは、ユーザに対して「おかけになった番号は、現在使われておりません。」や「番号管理システムが故障しております。」等のメッセージを伝える。
実際に内線番号対応の呼制御方式を導入する導入形態としては、PBXがない場合(図63)、PBX130がある場合(図64,図65)それぞれにいくつか例がある。
図63に示したPBXがない場合の導入形態では、内線電話は、拠点内においては域内U直型(「U直型」は、実施の形態6の図39で説明した方式1の通話中継サーバ未使用のUDPを用いたメッセージ送受信処理を示すものである)。拠点間は、域外間通話UUUとなる(「UUU」とは、実施の形態6の図39に示した方式3の通話中継サーバを2台使用する通信アダプタと通話中継サーバ間及び通話中継サーバと通話中継サーバ間とをUDPを用いてメッセージ送受信処理を行うことを示すものである)。内線番号の判定は、直接公衆回線網に繋がるので、拠点間は[7−場所番号−内線番号」というようにプレフィックス「7」をつけて発信する。セッション管理サーバでは、プレフィックスを外して、「場所番号−内線番号」の電話番号情報を送信する。
次に、PBXがある場合の導入形態を説明する。
図64では、PBX内線側へ通信アダプタを設置する形態を示している。
図64の場合、拠点内はPBXによる内線であるが、拠点間は域外間通話「UUU」となる(「UUU」は、実施の形態6の図39の方式3の「UUU型」を示すものである)。電話番号判定の処理は、拠点間は「7−場所番号−内線番号」というように、プレフィックス「7」で、他拠点へのIP電話をかける。
次に、PBX外線側へ通信アダプタを設置する導入形態について説明する。
図65では、拠点内はPBXによる内線であるが、拠点間は域外間通話「UUU」となる(「UUU」は、実施の形態6の図39の方式3の「UUU型」を示すものである)。電話番号の判定処理は、拠点間は「0−場所番号−内線番号」というように、外線プレフィックス「0」で、他拠点へのIP電話をかける。拠点間の内線と公衆外線との番号区別がないので、全ての内線番号に対応するアドレスと外線番号に対応するアドレスとをテーブルに記憶させて、セッション管理サーバにそのテーブルを設置するようにする。或いは、プレフィックスとして「*」の記号を用いるなどの特殊処理を行う必要がある。セッション管理サーバへは、プレフィックス「*」を外して電話番号を送信する。
なお、セッション管理サーバ上の変換テーブルデータベースについて、このセッション管理サーバ上でHTTPサーバプロセスを動作させ、ネットワーク上に接続された他のパソコンからWebブラウザによりそのデータベース、つまり、内線電話帳テーブルの保守作業を行うことが可能である。
実施の形態12.
図66に示すように、特定の団体内で設置されている通信アダプタにおいては、複数の通信アダプタの呼制御をそのセッション管理サーバにて管理しているので、外線としてかかってきたIP回線経由の通話に対して、1台の通信アダプタが通話中であっても、代替可能な他の通信アダプタへ自動的に電話呼出を転送することが可能である。このそれぞれの通信アダプタを相互に代替可能なものをグループとしてまとめて、データベースとして記憶する記憶部をセッション管理サーバは備えておく(図66のグループ外線DB740,750)。
図66では、東京から大阪へIPネットワークを介す電話をかける場合に大阪の通信アダプタ「#1」が使用中である場合は、大阪のセッション管理サーバが東京の通信アダプタに対して代替可能なアダプタ「#2」を使用するように通知を行い、東京の通信アダプタが大阪の通信アダプタ「#2」に対して接続を試みる。又は、大阪のセッション管理サーバが東京のセッション管理サーバへ通信アダプタ「#1」が使用中であるため、通信アダプタ「#2」を使用するように通知を行い、東京のセッション管理サーバから東京の通信アダプタに対して通信アダプタ「#2」を使用するように通知しても構わない。但し、一般の公衆回線網を用いての第2のルートでの再接続を試みることは不可能である。また、グループに所属している通信アダプタ全てが使用中である場合は、通話中となる。
実施の形態13.
既に、実施の形態1にて示したように、通信アダプタからセッション管理サーバへのTCP接続の状態について、通信アダプタは認知していないにもかかわらず、TCP接続がインターネット経路上のどこかで切断されてしまう場合があることを説明した。TCP接続がインターネット経路上のどこかで切断されてしまうことを通信アダプタが確認できるようにするため、図67に示すように、セッション管理サーバは、通信アダプタから「HTTP GETメソッド」の受信に対して、「HTTP GETステータス応答」をボディ部を除いて返信する。ボディ部は、セッション確立要求があったときに返す。セッション管理サーバは、セッション確立要求があるまで「Keep−Alive情報」をボディ部の一部として一定周期で通信アダプタに返す。通信アダプタは、ボディ部(Keep−Alive情報)がタイムアウトになっても届かない場合、セッション管理サーバに対して再接続を要求する。このとき、GETメソッドに再接続であることを知らせる情報を付加しておくと、タイムアウトから少し遅れて着信情報が届いた場合には、セッション管理サーバは、再接続の要求であることを確認してから送るはずであった着信情報を、ボディ部として応答することができる。
一方、通信アダプタは、音声情報についてもHTTP、つまりTCP接続を確保して送受信することがあるので、同様に、TCP接続が切断されてしまうと、音声情報の送受信が滞ってしまうことになる。
そこで、図68に示すように、音声情報の送受信についても、音声情報送受信経路上のどこかで、HTTPを用いている場合には、音声情報が存在するかしないかに係らず、一定周期で同じTCP接続上にて、Keep−Alive情報を送受信する。これにより、音声情報の最終的な送信先である通信アダプタにてタイムアウトを検出した場合に、そのTCP接続の再接続を行うようにすることで、音声情報の送受信の途絶えを防ぐことが可能となる。
また、音声情報の送受信は、通信中継サーバを1段あるいは2段経由してなされる場合もあり、このときは、音声情報の送信先の通信アダプタのみTCP再接続を行うことに加え、音声情報の送信元の通信アダプタ側もTCP再接続を行う必要がある。実施の形態1での電話機のオフフック情報を通信先の通信アダプタに伝えるのと同様に、このTCP再接続の指示は、セッション管理サーバを経由することで、音声情報の送信元の通信アダプタに対して、伝えることが可能である。こうして、TCP再接続処理が音声情報の送信先と送信元の通信アダプタの両側でなされることで、インターネット上のTCP接続の切断があっても、音声情報の通信を継続して行うことができる。
図68では、通信アダプタ120は、音声情報の間に一定周期で「Keep−Alive情報」を挿入し、通信アダプタ110に送る。通信アダプタ110は、通信アダプタ120からの「Keep−Alive情報」を待つ。通信アダプタは、「Keep−Alive情報」がタイムアウトになっても到着しない場合は、発呼側の通話中継サーバ310に対してTPCの再接続を要求するとともに、セッション管理サーバ経由で通話先の通信アダプタ120に対しても、通話中継サーバを再接続するように指示を行う。
実施の形態14.
上記通信アダプタは、音声データの送受信処理を行う。音声データは、通信アダプタに接続されている電話機やマイクスピーカ装置等から入力された音声アナログデータを通信アダプタ内に実装されているアナログデジタル変換装置或いはソフトウェアにより音声デジタルデータに変換し、さらに通信アダプタ内に実装されている音声コーデック(音声符号化復号化装置或いはソフトウェア)により、圧縮された音声データに変換される。
この音声コーデックが音声符号化復号化する単位時間分の圧縮音声データを音声フレームデータを呼ぶ。IPネットワークに音声データを送信するときには、この音声フレームデータが1つ以上蓄積されて1つのIPパケットとして構成する。音声フレームデータが1つのIPパケットにいくつ格納されるかについては、IPネットワークのトラフィック状況及び遅延時間による品質を考慮し、通信アダプタが適切な蓄積時間を指定することで決定される。例をあげると、音声フレームデータの時間長が20msec,蓄積時間を60msecのようになり、この場合、1つのIPパケットに3つの音声フレームデータが格納されることになる。
図69に示すように、従来の方法では、20msec経過すると音声フレームデータが生成され機械的にIPパケットに格納され、蓄積時間60msecが経過するごとに自動的にIPパケットが送信されていた。
一方で、無音圧縮という方式があり、ある一定のレベル以下の音量では、無音状態とみなして、あえて音声フレームデータを生成しないようにして、不必要なIPパケットを送信しないようにする。
ここで、音声コーデックは、有音状態が続いていて、無音状態となったときに、有音が終端であることを示す音声フレームデータを生成する場合が多い。この有音が終端であることを示す音声フレームデータは、受信側の音声コーデックにおいて、その情報を元に自然な音声減衰消失を再現できる。一方では、無音状態から有音状態に変わる最初の音声フレームデータには、マーカビットというビット情報をオンにすることで、有音状態の再開を受信側の音声コーデックに示すことで、自然な音声の立ち上がりが再現できる。さらに、受信側では、音声データが到着していない無音状態のときに、適当なノイズを再生させることで、自然な背景音を利用者に与えるようにしている。
無音圧縮方式をサポートした音声コーデックにおいて、上記の有音が終端であることを示す音声フレームデータ及び、有音が開始されるマーカビットがオンとなった音声フレームデータを受信側にて受け取ることは、有音状態と無音状態との間の自然な移行を再現できる。逆に有音が終端であることを示す音声フレームデータ及び、有音が開始されるマーカビットがオンとなった音声フレームデータを受信側の音声コーデックがどちらでも受け取りに失敗すると、有音の立ち上がりが欠損したり、不快なノイズが発生したり、有音の終了時に音の乱れが発生したりする。
以上から、図70に示すように、この従来の方法に従うと、IPパケットの大幅な送信遅延揺らぎが発生した場合、上記の有音が終端であることを示す音声フレームデータを含むIPパケットだけが、それまでの有音状態の音声フレームデータから時間的にかなり遅れて到着すると、受信側の音声コーデックの無音圧縮の再生処理に影響を及ぼし、IPパケットが欠損しないまでも、有音の終了時に音の乱れが発生したりする。
さらに、図71に示すように、このようにその時点までの有音が終端であることを示す音声フレームデータを含むIPパケットが遅れて到着し、すぐその後に、次の有音状態が開始されるマーカビットがオンとなった音声フレームデータが到着すると、短時間に連続して受信側の音声コーデックに有音終了、有音開始が指示されることになり、有音の立ち上がりが欠損したり、不快なノイズが発生したりする場合がある。
従って、図72に示すように、本発明においては、上記のようなIPネットワークの遅延揺らぎが激しい場合でも音声品質を保つために、上記の有音が終端であることを示す音声フレームデータが送信側の音声コーデックにより生成された場合、IPパケットの蓄積時間が経過しなくても、すぐにその時点でIPパケットの構成を終了し、IPネットワークへ送信を行うようにしている。この結果、無音圧縮をサポートしている受信側の音声コーデックは、自然な音声減衰消失や自然な音声の立ち上がりが再現可能となる。
産業上の利用可能性
以上のように、着呼側のセッション管理サーバは、発呼側通信アダプタからのセッション確立要求を受信したことを記憶する。このことは、発呼側通信アダプタは、着呼側の通信状態に関係なく、セッションの確立要求を行うことを可能にし、セッション確立要求を行った時に着呼側通信アダプタが通信不可能状態であっても、発呼側通信アダプタのセッション確立要求はセッション管理サーバ上に残り、着呼側通信アダプタから通信可能状態を通知されたときに、発呼側と着呼側のセッションが張られるようになる。このため、発呼側のユーザは、再ダイヤルを行う手間を省くことができる。
また、セッション管理サーバは、サーバIDにより識別され、通信アダプタは、アダプタIDにより識別される。これにより、発呼側及び着呼側のセッション管理サーバは、アダプタIDにより発呼側通信アダプタから要求されたセッションの確立要求を管理することができる。また、アダプタIDにより、セッションの確立要求がなされた着呼側の通信アダプタを特定することができる。また、発呼側及び着呼側通信アダプタは、サーバIDにより、自身および通信相手の通信アダプタを管理するセッション管理サーバを特定できる。
また、インターネット通信システムは、指定通知サーバから通信アダプタに対して、通信アダプタを管理するセッション管理サーバのサーバIDを通知する。このため、セッション管理サーバを複数配置することができるとともに、各セッション管理サーバの管理する通信アダプタの数を均一に配分したり、一定の条件に合うように配分できる。
また、インターネット通信システムは、着呼側セッション管理サーバが、発呼側と着呼側の通信アダプタ間を中継する着呼側の通信中継サーバを決定して、決定した通話中継サーバを発呼側と着呼側の通信アダプタに対してそれぞれ通知を行う。このため、通信アダプタは通信中継サーバを決定するための処理負荷を削減できる。
また、着呼側通信中継サーバは、通信中継サーバIDにより識別される。このため、発呼側及び着呼側通信アダプタは、通信中継サーバIDによって着呼側通信中継サーバを接続して、通信データの送受信を行うことができる。
また、インターネット通信システムは、発呼側セッション管理サーバが、発呼側と着呼側の通信アダプタ間を中継する発呼側の通信中継サーバを決定して、発呼側通信アダプタと着呼側セッション管理サーバに対してそれぞれ通知を行う。着呼側セッション管理サーバは、通知された発呼側の通信中継サーバを、着呼側通信アダプタに通知する。このため、通信アダプタは通信中継サーバを決定するための処理負荷を削減できる。
また、発呼側通信中継サーバは、通信中継サーバIDにより識別される。このため、発呼側及び着呼側通信アダプタは、通信中継サーバIDによって発呼側通信中継サーバを接続して、通信データを送受信することができる。
また、この発明のインターネット通信システムは、アダプタIDがISPの識別子を含む。このため、ユーザが既に所定のISPと契約を行っている場合は、そのISPを介してインターネットを接続して、発呼側と着呼側間のデータ送受信を行うことができる。また、発呼側のユーザと着呼側のユーザがそれぞれ異なるISPと契約を行っていても、アダプタIDがISPの識別子を含むので、発呼側と着呼側とでそれぞれ異なるISPを介してインターネットを接続することができる。
また、インターネット通信システムは、アダプタIDが通信アダプタが設置されたエリアの識別子を含む。これにより、発呼側のセッション管理サーバは、発呼側通信アダプタが設置されている最寄りの通信中継サーバを選択し、着呼側のセッション管理サーバは、着呼側通信アダプタが設置されている最寄りの通信中継サーバを選択できる。このため、通信アダプタと通信中継サーバ間の距離をできるだけ近くすることができ、距離に換算される通話コストを低減できる。ここでいう距離とは、地理的な距離ではなく、ネットワーク経路上のルータのホップ数で示されるネットワーク経路上距離である。
セッション管理サーバは、発呼側セッション管理部と着呼側セッション管理部とを備えた。このため、このセッション管理サーバは、発呼側と着呼側のいずれにも用いることができる。
通信アダプタは、発呼側の通信アダプタ部と着呼側通信アダプタ部とを備えた。このため、この通信アダプタは、発呼側と着呼側のいずれにも用いることができる。
インターネット通信システムは、発呼側の通信アダプタと発呼側の通信中継サーバとの間をHTTPを用いてインターネットを介して通信を行う。このため、発呼側の通信アダプタ側が設置されている環境がファイアフォールにより守られているような環境であっても、何ら問題なく発呼側の通信中継サーバとデータを送受信できる。また、着呼側の通信アダプタと着呼側の通信中継サーバとの間をHTTPを用いてインターネットを介して通信を行う。このため、着呼側の通信アダプタが設置されている環境がファイアフォールにより守られているような環境であっても、何ら問題なく着呼側の通信中継サーバとデータを送受信できる。また、発呼側と着呼側の通信中継サーバ間は、HTTP以外のプロトコルを用いて通信を行う。例えば、通信処理のリアルタイム特性に優れたプロトコルを用いて、通信の品質を向上できる。
特に、HTTP以外のプロトコルとして通信処理のリアルタイム特性に優れたプロトコルであるUDPを用いることにより、通信の品質を向上できる。
また、特に、HTTP以外のプロトコルとして通信処理のリアルタイム特性に優れたプロトコルであるRTPを用いることにより、通信の品質を向上できる。
また、特に、HTTP以外のプロトコルとして広く用いられているTCP上に作られる様々なアプリケーション用のプロトコルを用いることにより、既にインターネットを利用する環境を構築しているユーザに対して、このインターネット通信システムを容易に利用する環境を提供できる。
また、インターネット通信システムは、発呼側と着呼側の通信中継サーバ間をISPの専用ネットワークにより接続する。このため、従来から存在するISPの所持するサーバを通信中継サーバとして利用することができる。また、ISPがこの発明のインターネット通信システムを運用する場合に、既存のネットワーク環境を使用することができるので、ISP事業者がこの発明のインターネット通信システムを運用する場合に、事業を立ち上げるためのコストを低くおさえて実現できる。
また、通信中継サーバは、HTTP通信部とUDP通信部とを備えた。このため、通信中継サーバは、HTTPとUDPのいずれのプロトコルを用いるネットワーク環境下でも、設置可能である。
セッション管理サーバで動作するプログラムは、発呼側のセッション管理処理と着呼側のセッション管理処理とをコンピュータに実行させる。このため、このセッション管理サーバは、発呼側と着呼側のいずれのサーバとしても設置できる。
通信アダプタで動作するプログラムは、発呼側の通信アダプタ処理と着呼側の通信アダプタ処理とをコンピュータに実行させる。このため、この通信アダプタは、発呼側と着呼側のいずれの通信アダプタとしても設置できる。
通信中継サーバで動作するプログラムは、HTTP通信処理とUDP通信処理とをコンピュータに実行させる。このため、この通信中継サーバは、HTTPとUDPとのいずれのプロトコルを用いるネットワーク環境下で使用できる。
【図面の簡単な説明】
図1は、実施の形態1のインターネット通信システムのシステム構成図。
図2は、実施の形態1の発呼側と着呼側とで行うデータ送受信の手順を示す図。
図3は、実施の形態1の指定通知サーバの環境を示す図。
図4は、実施の形態1の所属セッション管理サーバ名の取得を説明する図。
図5は、実施の形態1の所属セッション管理サーバ名の取得手順を示す図。
図6は、実施の形態1の着呼側の所属セッション管理サーバ名の取得手順を示す図。
図7は、実施の形態1の着呼側の所属セッション管理サーバ名の取得を説明する図。
図8は、実施の形態1の呼制御方式を説明する図。
図9は、実施の形態1のセッション確立要求を行う動作手順を示す図。
図10は、実施の形態1の着呼側によるセッション要求受信の処理手順を示す図。
図11は、実施の形態1の通話中継サーバ回答情報の項目と内容を示す図。
図12は、実施の形態1の発呼メッセージの送信を説明する図。
図13は、実施の形態1の発呼側音声データ送信情報の項目と内容を示す図。
図14は、実施の形態1の着呼側音声データ受信情報の項目と内容を示す図。
図15は、実施の形態1の発呼メッセージの送信を説明する図。
図16は、実施の形態2のインターネット通信システムの運用構成例を示す図。
図17は、図16に示す運用構成における発呼側と着呼側のデータ送受信手順を示す図。
図18は、実施の形態2の複数ISP網によるインターネット通信システムの構成例を示す図。
図19は、実施の形態2のISP専用ネットワークによるインターネット通信システムの構成例を示す図。
図20は、実施の形態2のISP専用ネットワークによるインターネット通信システムの構成例を示す図。
図21は、実施の形態2のCATVネットワークによるインターネット通信システムの構成例を示す図。
図22は、実施の形態2の所定のISPとCATVのネットワークによるインターネット通信システムの構成例を示す図。
図23は、実施の形態3のセッション管理サーバの環境を説明する図。
図24は、実施の形態3の所属セッション管理サーバデータファイル情報の項目と内容を示す図。
図25は、実施の形態3の地区管理データの項目を示す図。
図26は、実施の形態3の通話中継管理データとセッション管理データの項目を示す図。
図27は、インターネット通信システムのシステム構成の一例を示す図。
図28は、実施の形態1の発呼側と着呼側とで行うデータ送受信の手順を示す図。
図29は、実施の形態1の着呼側通話アダプタからセッション管理サーバに対して着呼問い合わせを行うことを説明する図。
図30は、実施の形態1の着呼側通話アダプタからセッション管理サーバに対して着呼問い合わせを行うことを説明する図。
図31は、実施の形態1の着呼側通話アダプタからセッション管理サーバに対して着呼問い合わせを行うことを説明する図。
図32は、実施の形態1の着呼側通話アダプタからセッション管理サーバに対して着呼問い合わせを行うことを説明する図。
図33は、実施の形態1の着呼側通話アダプタからセッション管理サーバに対して着呼問い合わせを行うことを説明する図。
図34は、実施の形態1の呼制御方式を示す図。
図35は、実施の形態3のセッション管理サーバの環境を説明する図。
図36は、実施の形態5のセッション管理サーバと着呼側通信アダプタとの呼制御機能を説明する図。
図37は、実施の形態5の電話機操作と呼制御メッセージシーケンスの関係を説明する図。
図38は、実施の形態5の日毎、月毎の通話履歴情報の表示例を示す図。
図39は、実施の形態6の通信アダプタと通話中継サーバの通話中継方式の種類を示す図。
図40は、実施の形態6の端末接続タイプを示す図。
図41は、実施の形態6の端末接続タイプ毎の通信アダプタと通話中継サーバとの接続方式を説明する図。
図42は、実施の形態6の同じドメイン内同士の通信における中継方式判定方法を説明する図。
図43は、実施の形態6の同じドメイン内同士ではない通信における中継方式判定方法を説明する図。
図44は、実施の形態6のインターネット電話ネットワークシステム構成における通信アダプタの接続タイプに応じた呼制御のメッセージ送受信手順を示す図。
図45は、実施の形態6のメッセージ送受信手順の一例を示す図。
図46は、実施の形態6のメッセージ送受信手順の一例を示す図。
図47は、実施の形態6のメッセージ送受信手順の一例を示す図。
図48は、実施の形態6のメッセージ送受信手順の一例を示す図。
図49は、実施の形態6のメッセージ送受信手順の一例を示す図。
図50は、実施の形態6のメッセージ送受信手順の一例を示す図。
図51は、実施の形態6のメッセージ送受信手順の一例を示す図。
図52は、実施の形態6のメッセージ送受信手順の一例を示す図。
図53は、実施の形態6のメッセージ送受信手順の一例を示す図。
図54は、実施の形態7の遠隔保守機能を説明する図。
図55は、実施の形態7の指定通知サーバが故障した場合に、プライマリ側からセカンダリ側へ指定通知サーバの接続を切り替えることを説明する図。
図56は、実施の形態7の指定通知サーバが故障した場合に、プライマリ側からセカンダリ側へ指定通知サーバの接続を切り替えることを説明する図。
図57は、実施の形態8のセッション管理サーバの管理機能を説明する図。
図58は、実施の形態8のセッション管理サーバや通話中継サーバへのTCP接続処理を説明する図。
図59は、実施の形態9のHTTPデータ送受信処理とソケット関数呼び出しの関係を示す図。
図60は、実施の形態10のインターネット経路遅延状況調査による混雑度の確認を説明する図。
図61は、実施の形態11の内線電話を管理するセッション管理サーバを説明する図。
図62は、実施の形態11の内線電話を管理するセッション管理サーバを説明する図。
図63は、実施の形態11の内線電話を管理するセッション管理サーバを説明する図。
図64は、実施の形態11の内線電話を管理するセッション管理サーバを説明する図。
図65は、実施の形態11の内線電話を管理するセッション管理サーバを説明する図。
図66は、実施の形態12の通信アダプタをグループ化したグループ回線IP電話の形態の一例を示す図。
図67は、実施の形態13の通信アダプタとセッション管理サーバとのTCP接続時の通信内容を説明する図。
図68は、実施の形態13の通信アダプタと通話中継サーバとの音声情報の送受信を説明する図。
図69は、実施の形態14における通信アダプタ間の一般的な音声データIPパケットの送受信を説明する図。
図70は、実施の形態14における通信アダプタ間の一般的な音声データIPパケットの送受信において大幅な遅延揺らぎ発生時の状態を説明する図。
図71は、実施の形態14における通信アダプタ間の一般的な音声データIPパケットの送受信において大幅な遅延揺らぎが発生した直後の状態を説明する図。
図72は、実施の形態14における通信アダプタ間の本発明における音声データIPパケットの送受信方式を説明する図。
Claims (22)
- インターネットを用いてデータ通信をするインターネット通信システムにおいて、
発呼側の通信アダプタと、
着呼側の通信アダプタと、
発呼側の通信アダプタを管理する発呼側のセッション管理サーバと、
着呼側の通信アダプタを管理する着呼側のセッション管理サーバと
を備え、
発呼側の通信アダプタは、発呼側のセッション管理サーバに着呼側の通信アダプタのアダプタIDを送信し、
発呼側のセッション管理サーバは、発呼側の通信アダプタから着呼側の通信アダプタのアダプタIDを受信し、アダプタIDで識別される着呼側の通信アダプタを管理している着呼側のセッション管理サーバのサーバIDを発呼側の通信アダプタへ返信し、
発呼側の通信アダプタは、発呼側のセッション管理サーバから着呼側のセッション管理サーバのサーバIDを受信し、受信したサーバIDで識別される着呼側のセッション管理サーバに着呼側の通信アダプタのアダプタIDを送信し、着呼側の通信アダプタとのセッションの確立要求を送信し、
着呼側のセッション管理サーバは、発呼側の通信アダプタから着呼側の通信アダプタのアダプタIDを受信し、受信したアダプタIDで識別されるアダプタに対してセッションの確立要求を受信したことを記憶し、
着呼側の通信アダプタは、着呼側のセッション管理サーバにセッションの確立要求が記憶されているかを自己のアダプタIDにより検索し、着呼側のセッション管理サーバにセッションの確立要求が記憶されている場合に、かつ、自己が通信可能状態にある場合に、着呼側のセッション管理サーバに通信可能状態にあることを送信し、
着呼側のセッション管理サーバは、着呼側の通信アダプタから通信可能状態が通知された場合に、インターネットを用いたセッションの確立を発呼側の通信アダプタと着呼側の通信アダプタとに許可することを特徴とするインターネット通信システム。 - 上記インターネット通信システムは、更に、通信アダプタからアダプタIDを受信し、通信アダプタを管理するセッション管理サーバをアダプタIDに基づいて指定し、指定したセッション管理サーバのサーバIDを通信アダプタに通知する指定通知サーバを備えたことを特徴とする請求項1記載のインターネット通信システム。
- 上記インターネット通信システムは、更に、
発呼側の通信アダプタと着呼側の通信アダプタとの間の通信を中継する着呼側の通信中継サーバを備え、
着呼側のセッション管理サーバは、着呼側の通信中継サーバを識別する着呼側の通信中継サーバIDを発呼側の通信アダプタと着呼側の通信アダプタとに送信し、
発呼側の通信アダプタと着呼側の通信アダプタとは、着呼側の通信中継サーバIDを受信し、着呼側の通信中継サーバIDで識別される着呼側の通信中継サーバを介してセッションを確立することを特徴とする請求項1記載のインターネット通信システム。 - 上記インターネット通信システムは、更に、
発呼側の通信アダプタと着呼側の通信アダプタとの間の通信を中継する発呼側の通信中継サーバを備え、
発呼側のセッション管理サーバは、発呼側の通信中継サーバを識別する発呼側の通信中継サーバIDを発呼側の通信アダプタに送信し、
発呼側の通信アダプタは、発呼側の通信中継サーバIDを受信し、発呼側の通信中継サーバIDを着呼側のセッション管理サーバに送信し、
着呼側のセッション管理サーバは、発呼側の通信中継サーバIDを着呼側の通信アダプタに送信し、
着呼側の通信アダプタは、発呼側の通信中継サーバIDを受信し、
発呼側の通信アダプタと着呼側の通信アダプタとは、発呼側の通信中継サーバIDで識別される着呼側の通信中継サーバを介してセッションを確立することを特徴とする請求項1記載のインターネット通信システム。 - 上記アダプタIDは、インターネットサービスプロバイダ(ISP)の識別子を含むことを特徴とする請求項1記載のインターネット通信システム。
- インターネットを用いてデータ通信をするインターネット通信方法において、
発呼側の通信アダプタから発呼側のセッション管理サーバに着呼側の通信アダプタを管理している着呼側のセッション管理サーバを問い合わせ、
発呼側のセッション管理サーバから発呼側の通信アダプタに着呼側の通信アダプタを管理している着呼側のセッション管理サーバを回答し、
発呼側の通信アダプタから着呼側のセッション管理サーバに着呼側の通信アダプタに対するセッションの確立要求を送信し、
発呼側の通信アダプタから着呼側の通信アダプタに対してセッションの確立要求が合ったことを着呼側のセッション管理サーバに記憶し、
着呼側の通信アダプタから着呼側のセッション管理サーバに対してセッションの確立要求があったか否かを問い合わせ、
セッションの確立要求があった場合に、かつ、着呼側の通信アダプタが通信可能状態にある場合に、着呼側の通信アダプタから着呼側のセッション管理サーバに通信可能状態にあることを知らせ、
着呼側の通信アダプタが通信可能状態にあることを通知された場合に、着呼側のセッション管理サーバがインターネットを用いた発呼側の通信アダプタと着呼側の通信アダプタとのセッションの確立を許可することを特徴とするインターネット通信方法。 - 発呼側の通信アダプタと着呼側の通信アダプタとから接続されるセッション管理サーバであって、
発呼側の通信アダプタから着呼側の通信アダプタのアダプタIDを受信し、アダプタIDで識別される着呼側の通信アダプタを管理している着呼側のセッション管理サーバのサーバIDを発呼側の通信アダプタへ返信する発呼側のセッション管理部と、
発呼側の通信アダプタから着呼側の通信アダプタのアダプタIDを受信し、受信したアダプタIDで識別されるアダプタに対してセッションの確立要求を受信したことを記憶し、記憶したセッションの確立要求を着呼側の通信アダプタに検索させ、着呼側の通信アダプタから通信可能状態が通知された場合に、インターネットを用いた発呼側の通信アダプタと着呼側の通信アダプタとのセッションの確立を許可する着呼側のセッション管理部と
を備えたことを特徴とするセッション管理サーバ。 - 発呼側のセッション管理サーバと着呼側のセッション管理サーバとに接続される通信アダプタであって、
発呼側のセッション管理サーバに着呼側の通信アダプタのアダプタIDを送信し、発呼側のセッション管理サーバから着呼側の通信アダプタを管理している着呼側のセッション管理サーバのサーバIDを受信し、受信したサーバIDで識別される着呼側のセッション管理サーバに着呼側の通信アダプタのアダプタIDを送信し、セッションの確立要求を送信する発呼側の通信アダプタ部と、
着呼側のセッション管理サーバにセッションの確立要求が記憶されているかを自己のアダプタIDにより検索し、着呼側のセッション管理サーバにセッションの確立要求が記憶されている場合に、かつ、自己が通信可能状態にある場合に、着呼側のセッション管理サーバに通信可能状態にあることを送信する着呼側の通信アダプタ部と
を備えたことを特徴とする通信アダプタ。 - インターネットを用いてデータ通信をするインターネット通信システムにおいて、
発呼側の通信アダプタと、
着呼側の通信アダプタと、
発呼側の通信アダプタを管理する発呼側のセッション管理サーバと、
着呼側の通信アダプタを管理する着呼側のセッション管理サーバ
とを備え、
発呼側の通信アダプタは、発呼側のセッション管理サーバに着呼側の通信アダプタのアダプタIDを含むセッション確立要求を送信し、
発呼側のセッション管理サーバは、発呼側の通信アダプタから着呼側の通信アダプタのアダプタIDを受信し、アダプタIDで識別される着呼側の通信アダプタを管理している着呼側のセッション管理サーバのサーバIDを求め、求めたサーバIDで識別される着呼側のセッション管理サーバへアダプタIDを送信して、着呼側の通信アダプタとのセッションの確率要求を送信し、
着呼側のセッション管理サーバは、発呼側のセッション管理サーバから着呼側の通信アダプタのアダプタIDを受信し、受信したアダプタIDで識別されるアダプタに対してセッションの確立要求を受信したことを記憶し、着呼側の通信アダプタからの通信可能状態を受信して、受信した通信可能状態の着呼側の通信アダプタに対するセッション確立要求が記憶されている場合に、インターネットを用いたセッションの確立を発呼側のセッション管理サーバと着呼側の通信アダプタとに許可し、
着呼側の通信アダプタは、自己が通信可能状態にある場合に、着呼側のセッション管理サーバに通信可能状態にあることを送信し、
発呼側の通信アダプタは、発呼側のセッション管理サーバから、着呼側のセッション管理サーバからインターネットを用いたセッションの確立を許可されたことを受信することを特徴とするインターネット通信システム。 - インターネットを用いてデータを通信するインターネット通信方法において、
発呼側の通信アダプタから発呼側のセッション管理サーバに着呼側の通信アダプタに対するセッションの確立要求を送信し、
発呼側のセッション管理サーバから着呼側の通信アダプタを管理している着呼側のセッション管理サーバへ、発呼側の通信アダプタから送信されたセッションの確立要求を送信し、
発呼側の通信アダプタから着呼側の通信アダプタに対してセッションの確立要求があったことを着呼側のセッション管理サーバに記憶し、
着呼側の通信アダプタが通信可能状態にある場合に、着呼側の通信アダプタから着呼側のセッション管理サーバに通信可能状態にあることを知らせ、
着呼側の通信アダプタから通信可能状態にあることを知らされた場合に、かつ、通信可能状態にある着呼側の通信アダプタに対してセッションの確立要求があった場合に、着呼側のセッション管理サーバが、インターネットを用いた発呼側のセッション管理サーバと着呼側の通信アダプタとのセッションの確立を許可し、
発呼側のセッション管理サーバが、セッションの確立を許可された場合に、発呼側の通信アダプタに、インターネットを用いた発呼側のセッション管理サーバと着呼側の通信アダプタとのセッションの確立を許可されたことを知らせることを特徴とするインターネット通信方法。 - 発呼側の通信アダプタと着呼側の通信アダプタとから接続されるセッション管理サーバであって、
発呼側の通信アダプタから着呼側の通信アダプタのアダプタIDを含むセッション確立要求を受信し、アダプタIDで識別される着呼側の通信アダプタを管理している着呼側のセッション管理サーバへ、発呼側の通信アダプタから受信した着呼側の通信アダプタのアダプタIDを含むセッション確立要求を送信する発呼側のセッション管理部と、
発呼側のセッション管理サーバから着呼側の通信アダプタのアダプタIDを受信し、受信したアダプタIDで識別されるアダプタに対してセッションの確立要求を受信したことを記憶し、着呼側の通信アダプタから通信可能状態が通知された場合に、記憶したセッションの確立要求を検索し、インターネットを用いた発呼側の通信アダプタと着呼側の通信アダプタとのセッションの確立を許可する着呼側のセッション管理部と
を備えたことを特徴とするセッション管理サーバ。 - 上記通信アダプタは、少なくとも情報を出力する通信装置を接続し、上記着呼側のセッション管理サーバから発呼側のセッション管理サーバを経由して、着呼側の通信アダプタが既に通信状態にあるために、通信不能状態になっていることを受信すると、上記通信装置から着呼側の通信アダプタが既に通信状態にあるために通信不能状態になっていることを出力させることを特徴とする請求項8記載の通信アダプタ。
- 上記通信アダプタは、通信を開始する場合には、着呼側のセッション管理サーバに通信を開始することを送信し、通信を終了する場合には、着呼側のセッション管理サーバに通信を終了することを送信することを特徴とする請求項8記載の通信アダプタ。
- 上記発呼側の通信アダプタは、少なくとも所定の操作を行うことができる通信装置を接続して、上記通信装置から所定の操作を行ったことを示す情報を入力し、上記発呼側のセッション管理サーバに、入力した所定の操作を行ったことを示す情報を送信し、
上記発呼側のセッション管理サーバは、受信した所定の操作を行ったことを示す情報を、上記着呼側のセッション管理サーバに送信し、
上記着呼側のセッション管理サーバは、受信した所定の操作を行ったことを示す情報を、上記着呼側の通信アダプタに送信することを特徴とする請求項1記載のインターネット通信システム。 - 上記発呼側の通信アダプタと着呼側の通信アダプタとはそれぞれ、所定のネットワーク環境に設置されて、上記所定のネットワーク環境に従うIP(インターネット プロトコル)アドレスを割り当てられるとともに、上記IPアドレスの割り当て形態に応じて決定される通信アダプタの接続タイプを記憶し、
上記発呼側の通信アダプタは、発呼側のセッション管理サーバに、上記発呼側の通信アダプタの接続タイプを送信し、
上記着呼側の通信アダプタは、着呼側のセッション管理サーバに、上記着呼側の通信アダプタの接続タイプを送信し、
上記着呼側のセッション管理サーバは、上記着呼側の通信アダプタから送信された接続タイプに基づいて、上記着呼側の通信アダプタとの間で、ハイパーテキストトランスファプロトコル(HTTP)とユーザデータグラムプロトコル(UDP)とのいずれか一方の通信プロトコルを用いてデータを通信することを決定して、上記着呼側の通信アダプタに決定した通信プロトコルを通知する情報を送信し、
上記発呼側のセッション管理サーバは、上記発呼側の通信アダプタから送信された接続タイプに基づいて、上記発呼側の通信アダプタとの間で、ハイパーテキストトランスファプロトコル(HTTP)とユーザデータグラムプロトコル(UDP)とのいずれか一方の通信プロトコルを用いてデータを通信することを決定して、上記発呼側の通信アダプタに決定した通信プロトコルを通知する情報を送信し、
上記発呼側の通信アダプタは、上記発呼側のセッション管理サーバから送信された上記通信プロトコルを通知する情報に従い、データを通信し、
上記着呼側の通信アダプタは、上記着呼側セッション管理サーバから送信された上記通信プロトコルを通知する情報に従い、データを通信することを特徴とする請求項1記載のインターネット通信システム。 - 上記着呼側の通信アダプタは、着呼側のセッション管理サーバに発呼側の通信アダプタからのセッションの確立要求が記憶されていることを確認するために、着呼側のセッション管理サーバにハイパーテキストトランスファープロトコル(HTTP)のGETメソッドを発行し、
上記着呼側のセッション管理サーバは、上記着呼側の通信アダプタから発行されたGETメソッドを受信すると、上記GETメソッドを発行した着呼側の通信アダプタに対するセッション確立要求が記憶されているか検索し、検索した結果を上記GETメソッドに対するGET応答に含めて、上記着呼側の通信アダプタに送信することを特徴とする請求項1記載のインターネット通信システム。 - 上記着呼側の通信アダプタは、所定の操作を行うことができる通信装置を接続し、上記接続した通信装置の所定の操作の内容を示す情報を入力して、発呼側のセッション管理サーバに送信し、
上記発呼側のセッション管理サーバは、上記着呼側の通信アダプタから送信された上記着呼側の通信アダプタの接続する通信装置の所定の操作の内容を示す情報を記憶し、
上記発呼側の通信アダプタは、ハイパーテキストトランスファプロトコル(HTTP)のGETメソッドを用いて、上記発呼側のセッション管理サーバに記憶された上記着呼側の通信アダプタの接続する通信装置の所定の操作の内容を示す情報を取得することを特徴とする請求項1記載のインターネット通信システム。 - 上記着呼側の通信アダプタは、ハイパーテキストトランスファプロトコル(HTTP)のGETメソッドを一定周期ごとに着呼側のセッション管理サーバに送信し、
上記着呼側のセッション管理サーバは、上記着呼側の通信アダプタから上記GETメソッドを受信すると、上記発呼側の通信アダプタからセッションの確立要求がなされているが、上記発呼側と着呼側の通信アダプタとの間で通信が開始されていない場合には、上記着呼側の通信アダプタに対して、上記発呼側の通信アダプタからのセッションの確立要求がなかったという情報を送信し、上記発呼側の通信アダプタからセッションの確立要求がなされて、上記発呼側と着呼側の通信アダプタとの間で通信が開始されている場合には、上記着呼側の通信アダプタに対して、上記発呼側の通信アダプタからのセッションの確立要求があったという情報を送信することを特徴とする請求項1記載のインターネット通信システム。 - 上記着呼側の通信アダプタは、電源投入時や通話処理が完了した直後の通話開始の準備がなされるときに、上記着呼側のセッション管理サーバに、ハイパーテキストトランスファプロトコル(HTTP)のGETメソッドを送信し、
上記着呼側のセッション管理サーバは、上記着呼側の通信アダプタから送信されたGETメソッドを保持して、上記発呼側の通信アダプタからのセッションの確立要求があった場合に、上記発呼側の通信アダプタからのセッションの確立要求があったことを上記保持していたGETメソッドに対する回答として上記着呼側の通信アダプタへ送信することを特徴とする請求項1記載のインターネット通信システム。 - 上記着呼側の通信アダプタは、電源投入時や通話処理が完了した直後の通話開始の準備がなされるときに、上記着呼側のセッション管理サーバに、ハイパーテキストトランスファプロトコル(HTTP)のGETメソッドを送信し、
上記着呼側のセッション管理サーバは、上記着呼側の通信アダプタから上記GETメソッドを送信された場合に、上記発呼側の通信アダプタからのセッションの確立要求がなされていない場合は、上記着呼側の通信アダプタに、上記着呼側の通信アダプタと上記着呼側のセッション管理サーバとの間の回線の接続を維持するための生存確認情報を送信し続け、上記発呼側の通信アダプタからのセッションの確立要求がなされた場合は、上記着呼側の通信アダプタに、上記発呼側の通信アダプタからのセッションの確立要求があったことを送信することを特徴とする請求項1記載のインターネット通信システム。 - 上記インターネット通信システムは、特定のネットワークエリア内で使用可能な内線電話番号情報を用いて通信を行うLAN(ローカルエリアネットワーク)を備え、
上記発呼側の通信アダプタと上記発呼側のセッション管理サーバは、上記LANに接続され、
上記発呼側の通信アダプタは、通話先の内線電話番号情報を入力して、入力した内線電話番号情報を上記発呼側のセッション管理サーバへ送信し、
上記発呼側のセッション管理サーバは、上記内線電話番号情報と上記着呼側の通信アダプタのアダプタIDとを対応させて管理する内線電話番号情報記憶部を備えて、上記発呼側の通信アダプタから送信された内線電話番号情報を用いて上記内線電話番号情報記憶部から上記内線電話番号情報に対応する着呼側の通信アダプタのアダプタIDを取得して、取得したアダプタIDで識別される着呼側のセッション管理サーバのサーバIDを上記発呼側の通信アダプタに返信することを特徴とする請求項1記載のインターネット通信システム。 - 上記インターネット通信システムは、特定のネットワークエリア内で使用可能な内線電話番号情報を用いて通信を行うLAN(ローカルエリアネットワーク)を備え、
上記発呼側の通信アダプタと上記発呼側のセッション管理サーバは、上記LANに接続され、
上記発呼側の通信アダプタは、通話先の内線電話番号情報を入力して、入力した内線電話番号情報を上記発呼側のセッション管理サーバへ送信し、
上記発呼側のセッション管理サーバは、上記内線電話番号情報と上記着呼側の通信アダプタのアダプタIDとを対応させて管理する内線電話番号情報記憶部を備えて、上記発呼側の通信アダプタから送信された内線電話番号情報を用いて上記内線電話番号情報記憶部から上記内線電話番号情報に対応する着呼側の通信アダプタのアダプタIDを取得して、取得したアダプタIDと取得したアダプタIDで識別される着呼側の通信アダプタを管理している着呼側のセッション管理サーバのサーバIDとを、着呼側のセッション管理サーバに送信し、着呼側の通信アダプタとのセッションの確立要求を送信することを特徴とする請求項9記載のインターネット通信システム。
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