JP4235990B2 - 二次電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は二次電池に関する。さらに詳しくは、電池の密閉性を向上させて液体電解質の漏出を防止し、電池の安全性を向上させることができる二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
二次電池は再充電、小型化および大容量化ができるものであり、代表的なものでは、ニッケル水素(Ni−MH)電池、リチウム(Li)電池、およびリチウムイオン(Li−ion)電池が使用されている。
【0003】
二次電池として広く知られたリチウムイオン電池は、正極活物質でリチウム−遷移金属酸化物が使用され、負極活物質で炭素または炭素複合体が用いられ、そのあいだに有機溶媒にリチウム塩を溶かす液体電解質が注入される。このようなリチウムイオン電池は、前記正極と負極とのあいだをリチウムイオンが移動して起電力が発生して充電および放電がなされる。
【0004】
図4は、従来より知られているリチウムイオン電池の構造を示している。正極とセパレ−タおよび負極が共に巻き取られた電極ロール62は液体電解質とともに前記負極と接続されたカン64の内部に収納され、そのカン64の上部には前記正極と接続されたキャップアセンブリ66が設けられる。
【0005】
キャップアセンブリ66はガスケット68を介してカン64と絶縁され、キャップカバー70、電流制限器72および安全弁を備えるプレート74が順に積層された状態でカン64の上部をクリンピング(crimping)することによりアセンブリおよび密封される。前記安全弁を備えるプレート74の下部には絶縁体76を介して電流遮断器78が付着される。電流遮断器78は正極との接続をするために組立前に正極タップ80と溶接される。
【0006】
このように設けられたリチウムイオン電池は内部の密閉性を確保し、液体電解質の漏出を防止するためにガスケット68とキャップアセンブリ66とのあいだにタール82を塗り、ガスケット68を所定圧力で加圧および圧縮する。しかし、ガスケット68のあいだに染み込む酸性の電解液とタール82とのあいだの反応によりタール82が解けたり電池の充放電時に発生する熱がタール82を溶かして電池の密閉性に問題が発生するおそれがある。
【0007】
したがって、電池の充放電時に内部圧力が大きくなる場合、電池内圧が徐々に高まるある時点に安全弁を破裂させて電解液を漏出させて安全性を確保すべきであるが、タールが解ける場合には圧力が漏れ出るので安全弁を破裂させることができず、電池内部の瞬間的な発熱反応による内圧の急激な増加で電池が爆発することがあり得る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記の問題点を解決するためのものとして、ガスケットとキャップアセンブリが接触する部分の密閉性を強化して液体電解質の露出が防止される二次電池を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を実現するために本発明は正極、負極およびセパレータが共に巻き取られた電極ロールと液体電解質が収納されたカンの上側開口をガスケットが介されたキャップアセンブリで密封する構造からなる二次電池であって、キャップアセンブリとガスケットのあいだに形成されるガスケットと同一材料からなる高分子密閉補強材を含み、前記キャップアセンブリはカンの内周面に向かって垂直に延在し、高分子密閉補強材はカンの内周面と対向する前記キャップアセンブリの外周にコーティングされ、前記キャップアセンブリの厚さ方向の少なくとも一部の外周にコーティングされてなる二次電池を提供する。
【0010】
ここで、キャップアセンブリは下部から安全弁を備えるプレート、電流制限器およびキャップカバーが積層される。また、安全弁を備えるプレートの下部に絶縁体と電流遮断器をさらに追加して配置させることができる。
【0011】
この際、キャップアセンブリの外周にコーティングされる高分子密閉補強材はフッ化物、ポリイミド、テフロン(商品名)などのポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンおよびポリプロピレンのうちから選ばれた1つを使用できる。
【0012】
本発明の特徴として、前記キャップアセンブリは下部から安全弁を備えるプレート、電流制限器およびキャップカバーが順に積層され、これらのうち、少なくとも1つとガスケットが接触する部分に高分子密閉補強材をコーティングすることができる。
【0013】
望ましくは前記高分子密閉補強材はキャップカバーの上断面および電流制限器の下断面の角に延長してコーティングされることができる。また、安全弁を備えるプレートは絶縁体を介してその下部に電流遮断器を結合させることができ、電流遮断器の側面と下断面の一部分の中でガスケットと接触する部分を高分子密閉補強材でコーティングすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実現するための望ましい実施の形態を添付した図面に基づいて詳細に説明する。
【0015】
実施の形態1
図1は本発明の二次電池の一部を部分切開した斜視説明図である。本実施の形態にかかわる二次電池は正極、負極およびセパレータが共に巻き取られた電極ロール24が収納されるカン26と、そのカン26の開口内側に挿入され、ガスケット28を介して絶縁された状態で結合されるキャップアセンブリ30とからなり、その内部には液体電解質が挿入される。前記ガスケット28は通常の高分子材料を使用している。
【0016】
ここで、本発明のキャップアセンブリ30は上部からキャップカバー32と電流制限器34および安全弁を備えたプレート36の順に積層されるものであり、これらは通常の金属材料のうちの1つからなる。このようなキャップアセンブリ30とガスケット28との密閉性を確保するためにキャップアセンブリ30の外周を本発明の特徴である高分子密閉補強材38で包むようにコーティングする。
【0017】
本実施の形態における高分子密閉補強材38はキャップカバー32と電流制限器34およびプレート36の外周面で構成されるキャップアセンブリの外周にコーティングされる。高分子コーティングはキャップアセンブリ30がカン26に設置される前に行われ、この高分子コーティングはガスケット28に物理的な力を加えてクリンピングする従来の方法に比べて非常に優秀な結合を提供する。
【0018】
すなわち、本発明によると、ガスケット28はカン26の上部がクリンプされる前に高分子コーティングされるキャップアセンブリ30の周りに配置される。したがって、従来と異なり、ガスケット28はそれと同一な材料からなるキャップアセンブリ30のコーティング面に圧着され、その接触面が融合されて非常に密接に密封される。
【0019】
前記高分子密閉補強材38は、前記ガスケット28を構成する材料と同一であるもの、たとえば、フッ化物、ポリイミド、テフロン(商品名)などのポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンおよびポリプロピレンのうちの1つを使用することができる。
【0020】
このように設けられたキャップアセンブリ30は、電極ロール24が収納されたカン26の上側開口に積層され、安全弁を備えたプレート36と電極ロール24の正極が正極リッド40で連結された状態でカン26の内部に液体電解質を注入し、真空を維持した状態に開口をクリンピングすることにより組み立てられる。
【0021】
実施の形態2
図2は本発明の二次電池の他の実施の形態であり、電流遮断器46が附加的に設けられた以外は実施の形態1と同一の構造を有する。すなわち、この実施の形態の二次電池は前述した実施の形態1のキャップアセンブリ30の安全弁を備えたプレート36の下部に絶縁体44を介し、絶縁体44の下部に電流遮断器46がプレート36の中心部と溶接結合された構成を含んでおり、電流遮断による安全手段をさらに確保している。このようなキャップアセンブリ42も本発明の特徴によりキャップアセンブリ42の外周を高分子密閉補強材38が包むようにコーティングされる。この実施の形態では、キャップアセンブリ42の外周は絶縁体44と電流遮断器46の外周面をさらに含むものである。高分子密閉補強材38は前述した実施の形態1のキャップアセンブリ30にコーティングされたものと同一の物質を使用することができる。
【0022】
実施の形態3
本発明の二次電池のさらに他の実施の形態を図3に示した。この実施の形態の二次電池はカン48の上側開口に前述した実施の形態2の構造と同一のキャップアセンブリ50がクリンピングされる。前述した実施の形態1と実施の形態2ではキャップカバー、電流制限器、プレート、絶縁体および電流遮断器などが組み立てられた状態でキャップアセンブリ30、42の外周全体が高分子密閉補強材38で一度にコーティングされたが、実施の形態3では各々の外周に高分子密閉補強材38が別にコーティングされたのち組み立てられる方式を現わしている。望ましくは本発明の目的にしたがって前述した実施の形態2のキャップアセンブリ42の部品のうち、通常の金属材料からなるキャップカバー32、安全弁を備えたプレート36および電流遮断器46がガスケット28と接触される円周面で高分子密閉補強材38でコーティングされる。
【0023】
前記高分子密閉補強材38も前記ガスケット28を構成する材料と同一であるもの、たとえば、フッ化物、ポリイミド、テフロン(商品名)などのポリフルオロエチレン、ポリエチレンおよびポリプロピレンのうちの1つを使用することができる。
【0024】
より望ましくは、さらに向上された密閉性を保障するためにガスケット28と接触されるキャップカバー32の上面の一部分と、電流遮断器46の下面の一部分にも高分子密閉補強材38をコーティングする。したがって、カン26の開口をクリンピングするとき、加わる圧力により前記ガスケット28とこれと同一の材質のキャップアセンブリ30にコーティングされた高分子密閉補強材38は互いに堅固に密着されるのである。
【0025】
したがって、ガスケット28とキャップアセンブリ50との接触部分にタールを塗らなくてもカン48の内部に注入される液体電解質の露出を防止して電池の安全性を確保することができる。
【0026】
【発明の効果】
以上のように本発明にかかわる実施の形態は従来の問題点を実質的に解消している。
【0027】
すなわち、キャップアセンブリを構成するキャップカバー、安全弁を備えたプレートおよび電流遮断器の各々の外周面またはこれらの部品を組み立てた全体の外周にガスケットと同一の材質の高分子密閉補強材をコーティングするので、カンの開口をクリンピングするときに加わる圧力により互いに堅固に密着されて二次電池の密閉性を保障するとともに電池の安全性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の二次電池の一実施の形態を部分切開して示す斜視説明図である。
【図2】本発明の二次電池の他の実施の形態を部分切開して示す斜視説明図である。
【図3】本発明の二次電池のさらに他の実施の形態を示す側断面説明図である。
【図4】従来の二次電池の断面図である。
【符号の説明】
24 電極ロール
26、48 カン
28 ガスケット
30、42、50 キャップアセンブリ
32 キャップカバー
34 電流制限器
36 安全弁を備えたプレート
38 密閉補強材
40 正極リッド
44 絶縁体
46 電流遮断器

Claims (13)

  1. 正極、負極およびセパレータが共に巻き取られた電極ロールと液体電解質が収納されたカンの上側開口をガスケットが介されたキャップアセンブリで密封する構造からなる二次電池であって、前記キャップアセンブリとガスケットとのあいだに形成される前記ガスケットと同一材料からなる高分子密閉補強材を含み、前記キャップアセンブリは前記カンの内周面に向かって垂直に延在し、前記高分子密閉補強材は前記カンの内周面と対向する前記キャップアセンブリの外周にコーティングされ、前記キャップアセンブリの厚さ方向の少なくとも一部の外周にコーティングされてなる二次電池。
  2. 前記高分子密閉補強材が、前記キャップアセンブリの外周にコーティングされてなる請求項1記載の二次電池。
  3. 前記キャップアセンブリが、下部から安全弁を備えるプレート、電流制限器およびキャップカバーが積層された構造からなる請求項1記載の二次電池。
  4. 前記キャップアセンブリが、安全弁を備えるプレートの下部に絶縁体と電流遮断器がさらに配置されてなる請求項2記載の二次電池。
  5. 前記高分子密閉補強材が、フッ化物、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンおよびポリプロピレンのうちの1つである請求項1記載の二次電池。
  6. 前記高分子密閉補強材が、キャップカバー、電流制限器およびプレートの少なくとも1つの外周にコーティングされてなる請求項3記載の二次電池。
  7. 前記高分子密閉補強材が、キャップカバー、電流制限器およびプレートの外周で構成されるキャップアセンブリの外周にコーティングされてなる請求項3記載の二次電池。
  8. 前記高分子密閉補強材が、フッ化物、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンおよびポリプロピレンのうちの1つである請求項6または7記載の二次電池。
  9. 前記高分子密閉補強材が、前記ガスケットと接触されるキャップカバーの上段面と電流制限器の下段面の角に延長してコーティングされてなる請求項7記載の二次電池。
  10. 前記高分子密閉補強材が、キャップカバー、電流制限器、プレート、絶縁体および電流遮断器の少なくとも1つの外周にコーティングされてなる請求項4記載の二次電池。
  11. 前記高分子密閉補強材が、キャップカバー、電流制限器、プレート、絶縁体および電流遮断器の外周で構成されるキャップアセンブリの外周にコーティングされてなる請求項4記載の二次電池。
  12. 前記高分子密閉補強材が、ガスケットと接触されるキャップカバーの上段面と電流遮断器の下断面の角に延長してコーティングされてなる請求項11記載の二次電池。
  13. 前記高分子密閉補強材が、フッ化物、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンおよびポリプロピレンのうちの1つである請求項10また11記載の二次電池。
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