JP4235438B2 - 有機elディスプレイパネル、有機elディスプレイパネルのゲッタ部形成方法及び有機elディスプレイパネルのゲッタ部形成装置 - Google Patents

有機elディスプレイパネル、有機elディスプレイパネルのゲッタ部形成方法及び有機elディスプレイパネルのゲッタ部形成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願の発明は、フラットパネルディスプレイ(FPD)として最近有望視されている有機ELディスプレイに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
有機ELディスプレイは、有機EL素子を利用したディスプレイである。有機EL素子は、有機薄膜を一対の電極で挟んだ構造であり、光を取り出す都合から、少なくとも一方はインジウム−錫酸化物(ITO)のような透明電極とされる。一対の電極に直流電圧を印加し、一方から電子を、他方からホールを有機薄膜に注入する。有機薄膜中でこれらのキャリアが再結合して励起し、これが基底状態に戻る際に発光が生ずる。
【0003】
有機ELディスプレイは、自発光であるため、液晶ディスプレイのようなバックライトは不要である。その上、高速応答性に優れ、薄型化や低駆動電圧化が容易である。また、液晶ディスプレイなどに比べると、製造工程がシンプルである。このようなことから、次世代のディスプレイ技術として注目されており、携帯電話などへの実用化が既に始まっている。
【0004】
現状の有機ELディスプレイパネルの構造について、図5を使用して説明する。図5は、現状の有機ELディスプレイパネルの断面概略図である。図5に示す有機ELディスプレイパネルは、一対の電極11,12とこの一対の電極11,12で挟まれた有機薄膜13より成るEL素子部1と、EL素子部1を内部に収納したパッケージ2とから成る。尚、有機ELディスプレイパネルとは、有機ELディスプレイのうち、駆動回路等を除いたパッケージ2とその内部の構成要素から成るものを指している。
【0005】
光を取り出す都合から、一対の電極11,12の少なくとも一方は、ITOのような透明電極とされる。また、画素一つ一つを駆動させるアクティブ型の場合、薄膜トランジスタが一方の電極として形成される。パッケージ2は、EL素子部1が固定される固定側基板21と、EL素子部1が固定されない側の非固定側基板22とから成る。現状の有機ELディスプレイは、いわゆるボトムエミッション型であり、図5に示す例もこれに属する。即ち、固定側基板21はガラス製で、透明である。EL素子部1からの光は、固定側基板21を透過して出射する。つまり、固定側基板21が、画像を見る人の側に位置している。
【0006】
既に指摘されているように、有機ELディスプレイに用いられる有機発光材料は、湿気に弱く、吸湿により急速に特性を劣化させる。このため、パッケージ2内に吸湿材(乾燥剤)を封入することが行われる。吸湿材はシート状であり、非固定側基板22の表面に接着剤で貼り付けることで固定されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
パッケージ内に吸湿材を設けることは、有機薄膜の性質上やむを得ないものの、従来のシート状のものを貼り付ける方法では、作業性、生産性、信頼性等の点で問題がある。即ち、貼り付け作業は面倒で手間がかかり、生産性を高くすることができない。また、接着剤の性質によっては発光時の熱等により吸湿材が剥がれる可能性もある。
【0008】
本願の発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、作業性、生産性、信頼性等の点で優れたゲッタ部の固定技術を提供し、安価で高性能の有機ELディスプレイの提供に貢献する技術的意義を有するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本願の請求項1記載の発明は、少なくとも一方が透明電極である一対の電極で有機薄膜を挟んで当該一対の電極により有機薄膜に電圧を印加して有機薄膜を発光させる有機ELディスプレイパネルであって、
前記有機薄膜及び前記一対の電極より成るEL素子部と、
EL素子部を内部に収めたパーケージとから成り、
このパッケージは、前記EL素子部が固定される固定側基板と、前記EL素子を固定していない非固定側基板とから成り、
パッケージには、水分を吸収又は吸着するゲッタ部が設けられており、このゲッタ部は、固定側基板又は非固定側基板の表面に真空蒸着により形成された多孔質の膜であり、
前記ゲッタ部は、異なる方向からの蒸発物を異なる方向から入射させることにより形成された二以上の層から成るという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項2記載の発明は、前記請求項1の構成において、前記ゲッタ部は、水分を吸収又は吸着する材料に加えて酸素を吸収又は吸着する材料とから成るという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、内部にEL素子部を収めた有機ELディスプレイパネルを製造する方法であって、
パッケージ内において水分を吸収又は吸着するゲッタ部を固定側基板又は非固定側基板の表面に形成するゲッタ部形成工程を含んでおり、
ゲッタ部形成工程は、固定側基板又は非固定側基板の表面に真空蒸着により多孔質の膜をゲッタ部として形成する工程であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項の構成において、前記ゲッタ部形成工程は、水分を吸収又は吸着する材料に加えて酸素を吸収又は吸着する材料とから成るゲッタ部を形成するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項3又は4の構成において、前記ゲッタ部形成工程は、異なる方向からの蒸発物を異なる方向から入射させることにより二以上の層から成るゲッタ部を形成するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、固定側基板と非固定側基板とからなるパッケージの内部にEL素子部を収めた有機ELディスプレイパネルにおいて、パッケージ内の水分を吸収又は吸着するゲッタ部を固定側基板又は非固定側基板の表面に形成するゲッタ部形成装置であって、
内部に固定側基板又は非固定側基板が配置されるともに排気系を備えた処理チャンバーと、
処理チャンバー内に設けられた蒸発源とからなり、
固定側基板又は非固定側基板の表面に真空蒸着により多孔質の膜をゲッタ部として形成するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項の構成において、前記蒸発源は少なくとも二つ設けられており、一つは、水分を吸収又は吸着する材料の蒸発源であり、もう一つは酸素を吸収又は吸着する材料の蒸発源であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項6又は7の構成において、前記蒸発源からの蒸発物が異なる方向から固定側基板又は非固定側基板に入射するよう前記蒸発源に対する固定側基板又は非固定側基板の向きを相対的に変更する向き変更手段が設けられており、異なる方向から蒸発物を入射させることにより多孔質の膜が形成されるよう向き変更手段を制御する制御部を備えているという構成を有する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態(以下、実施形態)について説明する。
まず、有機ELディスプレイパネルの発明の実施形態について説明する。図1は、本願発明の有機ELディスプレイパネルの断面概略図である。図1に示す有機ELディスプレイパネルは、いわゆるトップエミッション型である。トップエミッション型とは、EL素子部1の先端から光を放出するタイプであり、光は非固定側基板22を通して出射される。
【0011】
図5に示すようなボトムエミッション型の有機ELディスプレイパネルは、パッケージ2の固定側基板21を通して光を出射させるため、光の利用効率が悪いという問題がある。即ち、固定側基板21には、EL素子部1を駆動するための回路が形成されており、通常の単純な透明体に比べて光の透過率が悪い。一方、図1に示すようなトップエミッション型では、各EL素子部1からの光は、そのまま非固定側基板22を通して放出される。非固定側基板22は、EL素子部1を固定しないため、単純な透明体にすることができ、高い透過率にすることができる。このため、ボトムエミッション型に比べて光の利用効率も高い。
【0012】
固定側基板21や非固定側基板22は、透明なガラス板で形成されている。いわゆる青板や白板、ソーダライムガラス、ホウ珪酸ガラス等が、固定側基板21や非固定側基板22の基材として考えられる。非固定側基板22は、図1に示すような凹部を有するが、この凹部は、フッ酸系のエッチング液によるウェットエッチングにより形成することができる。
【0013】
本実施形態では、三色独立式の有機ELディスプレイパネルとなっている。即ち、固定側基板には固定された各EL素子部1は、R発光用、G発光用、B発光用に区分されている。各EL素子部1を構成する一対の電極11,12や有機薄膜13は、従来と同様の方法により形成することができる。
【0014】
本実施形態の有機ELディスプレイパネルは、パッケージ2内にゲッタ部3が設けられている。「ゲッタ部」は、吸湿材よりも広い意味の用語であり、本明細書では、水分又は酸素のような有機薄膜13を劣化させる材料を吸収又は吸着する部材、の意味で使用されている。本願の発明者の研究によると、有機薄膜13は、水分だけではなく、酸素によっても劣化することがあることが判明した。従って、場合によって酸素を吸収又は吸着する部材がパッケージ内に設けられることが必要となる。
【0015】
本実施形態では、ゲッタ部3は非固定側基板22に固定されている。図2は、図1に示す非固定側基板22の平面概略図となっている。図2に示すように、ゲッタ部3は、ゲッタ部3は、非固定側基板22の周縁に沿ってその周縁の内側に配置されている。ゲッタ部3の配置形状は、方形の輪郭を成す周状である。そして、ゲッタ部3の配置形状の内側に配置されている。尚、ゲッタ部エリアと発光エリアとを区分するようにして、中間リブ23が非固定側基板22に形成されている。
【0016】
本実施形態の有機ELディスプレイパネルの大きな特徴点は、ゲッタ部3が、固定側基板21の表面に真空蒸着により形成された多孔質の膜である。以下、この点について、方法の発明や装置の発明の実施形態の説明も兼ね、図3を使用しながら説明する。図3は、図1に示すゲッタ部3の形成方法に用いられるゲッタ部形成装置の正面断面概略図である。
【0017】
図3に示す装置は、内部に非固定側基板22が配置されるともに排気系41を備えた処理チャンバー4と、処理チャンバー4内に設けられた蒸発源51,52とから成っている。処理チャンバー4は、不図示のゲートバルブを備えた気密な真空容器である。排気系41は、処理チャンバー4内を所定の真空圧力まで排気できるよう構成される。
【0018】
本実施形態では、ゲッタ部3は、水分を吸収又は吸着する材料(吸湿材)と、酸素を吸収又は吸着する材料(以下、一般的な表現ではないが、吸酸材と呼ぶ)で形成されている。従って、処理チャンバー4内には、吸湿材用の第一の蒸発源51と、吸酸材用の第二の蒸発源52が設けられている。各蒸発源51,52は、坩堝511,521と、坩堝511,521内の材料を加熱して蒸発させる加熱手段512,522とからなる。吸湿材には、例えばシリカゲル又はゼオライトが用いられる。吸酸材は、例えば酸化第一鉄、酸化第二鉄及び水酸化鉄を所定の割合で混合したものが使用される。従って、第一第二の蒸発源51,52はこれらの材料を蒸発させるよう構成される。尚、蒸発源51,52が備える加熱手段512,522は、抵抗加熱式のように描かれているが、電子ビーム加熱式のものでも、誘導加熱式のものでも良い。尚、各蒸発源51,52は、必要に応じて不図示のシャッタ等を備えている。
【0019】
図3に示すように、処理チャンバー4内には、所定位置及び所定の姿勢で非固定側基板22を保持するホルダー6が設けられている。ホルダー6は、蒸発源51,52の斜め上方において非固定側基板22を保持するようになっている。非固定側基板22は、ゲッタ部3を形成する面(以下、成膜面)を下側に向けて保持される。
ホルダー6は、非固定側基板22の成膜面が蒸発物の飛行方向に対して斜めになるように非固定側基板22を保持するようになっている。つまり、坩堝511,521の開口面の中心と非固定側基板22の成膜面の中心を結んだ線は、成膜面に対して垂直でなく、角度θ(以下、保持角)が付けられている。
また、ホルダー6は、処理チャンバー4の中心軸を挟んで二つの非固定側基板22を同時に保持するようになっている。各非固定側基板22の保持角θは、同じである。二つの坩堝511,521は、処理チャンバー4の中心軸に近い位置に、処理チャンバー4を挟んで設けられている。
【0020】
本実施形態の装置には、各蒸発源51,52からの蒸発物が異なる方向から非固定側基板22に入射するよう各蒸発源51,52に対する非固定側基板22の向きを相対的に変更する向き変更手段7と、向き変更手段7を制御する制御部8が設けられている。向き変更手段7は、本実施形態では、ホルダー6を保持したスピンドル71と、スピンドル71を介してホルダー6を回転させる回転駆動源72によって構成されている。制御部8は、回転駆動源72や二つの蒸発源51,52をシーケンス制御するものとなっている。
【0021】
ホルダー6は、上方に延びるスピンドル71で保持されている。スピンドル71は、処理チャンバー4の上板部を気密に且つ回転可能に貫通している。スピンドル71には、回転駆動源72が連結されており、スピンドル71を介してホルダー6が回転するようになっている。尚、回転軸は処理チャンバー4の中心軸に一致している。
【0022】
図3に示す装置の動作について、以下に説明する。説明の都合上、二つの非固定側基板22を、第一の非固定側基板22A、第二の非固定側基板22Bとする。まず、図3に示すように、制御部8は、回転駆動源72を動作させ、第一の非固定側基板22Aを第一の蒸発源51の側、第二の非固定側基板22Bを第二の蒸発源52の側に位置させる。この状態で、制御部8は、蒸発源51,52を動作させ、真空蒸着による成膜を行う。第一第二の非固定側基板22A,22Bの各成膜面には、第一第二の蒸発源51,52から飛来した蒸発物が付着し、蒸着が行われる。この際、第一の蒸発源51,52からの蒸発物と第二の蒸発源51,52からの蒸発物は、各成膜面上で混ざり合う。即ち、吸湿材と吸酸材とが混ざり合いながら蒸着が行われる。
【0023】
所定時間の蒸着を行った後、制御部8は、回転駆動源72を動作させ、ホルダー6を180度回転させる。この結果、第二の非固定側基板22Bが第一の蒸発源51の側に位置し、第一の非固定側基板22Aが第二の蒸発源52の側に位置した状態となる。この状態で、同様に真空蒸着を行う。各成膜面には、第一第二の蒸発源51,52からの蒸発物が混ざり合いながら付着する。同様の時間だけ蒸着を行った後、再び制御部8は回転駆動源72を動作させ、ホルダー6を180度回転させる。この状態で、さらに同様に真空蒸着を行う。このようにして、180度ずつホルダー6を回転させながら、各成膜面への真空蒸着を繰り返す。そして、全体の厚さがゲッタ部3として必要な厚さになる程度に繰り返したら、終了である。処理チャンバー4内を排気した後、必要に応じてベントし、不図示の搬送手段が、第一第二の非固定側基板22A,22Bを処理チャンバー4から取り出す。
【0024】
このような装置及び方法によれば、水分や酸素を効率よく捕集できるゲッタ部3が好適に形成される。以下、この点について、図4を使用して説明する。図4は、図3に示す装置によるゲッタ部3の形成について、模式的に示した図である。図4の矢印は、蒸発物の入射の向きを示す。
周知のように、ある表面220に膜が作成される際、粒子は表面で泳動するため、局所的にある程度の大きさの塊30を形成しながら、最終的に薄膜に成長する。この際、図4(1)に示すように、蒸発物を成膜面220に対して斜めに入射させると、この塊30も、入射方向に傾いた状態となる。蒸発物の入射を続けていくと、それぞれの塊30は大きくなり、つながってしまい、やがては成膜面220を完全に覆う状態となる。
【0025】
ここで、図4(2)に示すように、各塊30がつながって成膜面220を完全に覆う状態になる前に、蒸発物の入射方向を変えてやると、変更後の入射方向に傾いた新しい塊30ができたり、塊30の成長方向が変更後の入射方向に変わったりする。そして、図4(3)に示すように、さらに蒸発物の入射方向を変えると、さらに塊30の傾きの向きが変わる。
【0026】
このように蒸発物の入射方向を変更しながら膜を成長させると、膜に小さな開口や空洞がランダムに形成され、多孔質の膜が形成される。本実施形態におけるゲッタ部3も、このような方法により形成された多孔質なものとなっている。このような多孔質の膜より成るゲッタ部3は、表面積が大きく、複雑な内部構造を有するので、水分や酸素を吸収又は吸着する機能が高い。充分に多孔質なゲッタ部3を形成するには、入射方向の変更は、一回のゲッタ部3の形成において5〜10回もしくはそれ以上行うことが望ましい。尚、ゲッタ部3の全体の厚さは、500オングストローム〜1000オングストローム程度で良い。
【0027】
尚、第一第二の非固定側基板22A,22Bの位置は、平面視で、坩堝511,521とを結ぶ方向に対し90度離れた位置であっても良い。この位置にして180度ずつ回転させながら成膜を行うと、第一第二の非固定側基板22A,22Bが二つの坩堝511,521に対して常に等距離となるので、より均一な成膜が行える。
【0028】
本実施形態によれば、ゲッタ部3が真空蒸着法により形成されるので、自動化することが容易で、ゲッタ部3の付着強度も充分に高くすることが容易にでき、熱等による付着強度の低下の問題もない。このため、従来に比べ、作業性、生産性、信頼性等の点で優れたものとなっている。ゲッタ部3は、固定側基板21に形成される場合もある。この場合も本実施形態の方法及び装置が採用できる。
尚、有機ELディスプレイの構成としては、RGBの三色のEL素子部を個別に形成したもの、青色のEL素子部と色変換膜の組み合わせでRGBの各色を発光させるもの、白色のEL素子部とカラーフィルタの組み合わせたもののいずれでも良い。
【0029】
上記実施形態の装置では、吸湿材用の第一の蒸発源51と吸酸材用の第二の蒸発源52と同じ処理チャンバー4内に設けられたが、別々の処理チャンバーに設けられる場合もある。この場合、吸湿材の膜と吸酸材の膜とが交互に作成された多層膜となる。この場合も、向き変更手段によって蒸発物の入射の向きを交互に変え、多孔質の膜を形成するようにする。
また、前述した向き変更手段7は、ホルダー6を回転させて向きを変更したが、別の構成もあり得る。例えば、ホルダーを固定とし、二つの蒸発源51,52を回転させても良い。また、板状のものについて、上記の方法及び装置によりゲッタ部3を形成し、その後切断して、個々の非固定側基板22を得る場合もある。
【0030】
【発明の効果】
以上説明した通り、本願の請求項1、3又は6記載の発明によれば、ゲッタ部が、固定側基板又は非固定側基板の表面に真空蒸着により形成されるので、作業性、生産性、信頼性等の点で優れたものとなる。また、また、ゲッタ部が多孔質性の膜であるので、水分又は酸素を吸収又は吸着する効率が高く、さらに高品質の有機ELディスプレイパネルが提供される。
また、請求項2又は記載の発明によれば、上記請求項1、3又は6の効果に加え、ゲッタ部が、水分を吸収又は吸着する材料に加えて酸素を吸収又は吸着する材料とから成るので、有機薄膜の劣化がさら抑制される。このため、さらに高品質の有機ELディスプレイパネルが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の有機ELディスプレイパネルの断面概略図である。
【図2】図1に示す非固定側基板22の平面概略図となっている。
【図3】図1に示すゲッタ部3の形成方法に用いられるゲッタ部形成装置の正面断面概略図である。
【図4】図3に示す装置によるゲッタ部3の形成について、模式的に示した図である。
【図5】現状の有機ELディスプレイパネルの断面概略図である。
【符号の説明】
1 EL素子部
2 パッケージ
21 固定側基板
22 非固定側基板
3 ゲッタ部
4 処理チャンバー
51 蒸発源
511 坩堝
512 加熱手段
52 蒸発源
521 坩堝
522 加熱手段
6 ホルダー
7 向き変更手段
71 スピンドル
72 回転駆動源
8 制御部

Claims (8)

  1. 少なくとも一方が透明電極である一対の電極で有機薄膜を挟んで当該一対の電極により有機薄膜に電圧を印加して有機薄膜を発光させる有機ELディスプレイパネルであって、
    前記有機薄膜及び前記一対の電極より成るEL素子部と、
    EL素子部を内部に収めたパーケージとから成り、
    このパッケージは、前記EL素子部が固定される固定側基板と、前記EL素子を固定していない非固定側基板とから成り、
    パッケージには、水分を吸収又は吸着するゲッタ部が設けられており、このゲッタ部は、固定側基板又は非固定側基板の表面に真空蒸着により形成された多孔質の膜であり、
    前記ゲッタ部は、異なる方向からの蒸発物を異なる方向から入射させることにより形成された二以上の層から成ることを特徴とする有機ELディスプレイパネル。
  2. 前記ゲッタ部は、水分を吸収又は吸着する材料に加えて酸素を吸収又は吸着する材料とから成ることを特徴とする請求項1記載の有機ELディスプレイパネル。
  3. 内部にEL素子部を収めた有機ELディスプレイパネルを製造する方法であって、
    パッケージ内において水分を吸収又は吸着するゲッタ部を固定側基板又は非固定側基板の表面に形成するゲッタ部形成工程を含んでおり、
    ゲッタ部形成工程は、固定側基板又は非固定側基板の表面に真空蒸着により多孔質性の膜をゲッタ部として形成する工程であることを特徴とする有機ELディスプレイパネルの製造方法。
  4. 前記ゲッタ部形成工程は、水分を吸収又は吸着する材料に加えて酸素を吸収又は吸着する材料とから成るゲッタ部を形成するものであることを特徴とする請求項記載の有機ELディスプレイパネルの製造方法。
  5. 前記ゲッタ部形成工程は、異なる方向からの蒸発物を異なる方向から入射させることにより二以上の層から成るゲッタ部を形成するものであることを特徴とする請求項3又は4記載の有機ELディスプレイパネルの製造方法。
  6. 固定側基板と非固定側基板とから成るパッケージの内部にEL素子部を収めた有機ELディスプレイパネルにおいて、パッケージ内の水分を吸収又は吸着するゲッタ部を固定側基板又は非固定側基板の表面に形成するゲッタ部形成装置であって、
    内部に固定側基板又は非固定側基板が配置されるともに排気系を備えた処理チャンバーと、
    処理チャンバー内に設けられた蒸発源とから成り、
    固定側基板又は非固定側基板の表面に真空蒸着により多孔質の膜をゲッタ部として形成するものであることを特徴とする有機ELディスプレイパネルのゲッタ部形成装置。
  7. 前記蒸発源は少なくとも二つ設けられており、一つは、水分を吸収又は吸着する材料の蒸発源であり、もう一つは酸素を吸収又は吸着する材料の蒸発源であることを特徴とする請求項記載の有機ELディスプレイパネルのゲッタ部形成装置。
  8. 前記蒸発源からの蒸発物が異なる方向から固定側基板又は非固定側基板に入射するよう前記蒸発源に対する固定側基板又は非固定側基板の向きを相対的に変更する向き変更手段が設けられており、異なる方向から蒸発物を入射させることにより多孔質の膜が形成されるよう向き変更手段を制御する制御部を備えていることを特徴とする請求項6又は7記載の有機ELディスプレイパネルのゲッタ部形成装置。
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