JP4234790B2 - 高有孔密度と等方性、異方性の混合構造とを有する微小濾過膜 - Google Patents

高有孔密度と等方性、異方性の混合構造とを有する微小濾過膜 Download PDF

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Description

発明の背景
発明の技術分野
本発明は、合成高分子微小濾過(microfiltration)膜材料に関する。本発明による膜および一体化膜は、等方性と異方性の混合構造を有し且つ膜の微小孔表面に高有孔密度を有する。
技術的背景
不斉型即ち異方性の膜は、当該技術において周知である。例えば、Wrasidloは、米国特許第4,629,563号および第4,774,039号において、さらにZepfは、米国特許第5,188,734号および第5,171,445号におけて、それぞれ、不斉型即ち異方性の膜およびその製造方法を開示している。WrasidloとZepfの各特許は、高流動速度と優れた滞留特性を有する一体化した高不斉型の微孔質皮膜型膜を開示している。それぞれの膜は、概して、溶媒/非溶媒系中の準安定性2相ポリマー分散液を用い、これを注型し次いで非溶媒と接触させる修正“転相”法により製造される。Zepf特許は、Wrasidlo特許の改良を開示している。転相法は、一般に、(i)1種以上の適度に高分子量のポリマー、1種以上の溶媒および1種以上の非溶媒を含む溶液または混合物を薄膜、チューブまたはホロファイバーとして注型(キャスティング)し、(ii)ポリマーを以下の1つ以上の方法で沈降させる工程により一般に行う:
(a)溶媒または非溶媒の蒸発(乾式法)
(b)露出表面上に吸収している水蒸気のような非溶媒への暴露(湿式と乾式の混合法)
(c)非溶媒液一般には水中での急冷(湿式法)
(d)ホットフィルムを熱的に急冷してポリマーの溶解性を急激かつ大きく減少させる(熱式法)
図式的には、溶液からゲルへの相転換は、次のように進行する:
Figure 0004234790
本質的に、SOL1は均質溶液であり、SOL2は分散液であり、Gelは成型したポリマーマトリックスである。SOL2形成を触発させる要因は、用いる転相法による。しかしながら、触発要因は、SOL中のポリマー溶解性にあると思われる。湿式法においては、SOL1を注型しポリマーの非溶媒と接触させて、SOL2の形成を触発させ次いでGelに“沈降”させる。湿式、乾式混合法においては、SOL1を注型し、ポリマーの非溶媒を含むガス状雰囲気に暴露してSOL2の形成を触発させ次いでGelに“沈降”させる。熱式法においては、SOL1を注型し、注型フィルムの温度を低下させてSOL2を生成させ、次いでGelに“沈降”させる。乾式法においては、SOL1を注型し、ガス状雰囲気(空気のような)と接触させ、1種以上の溶媒を蒸発させ、SOL2の形成を触発させ、次いでGelに“沈降”させる。
注型用ドープ中の非溶媒は、ポリマーに対して必ずしも完全に不活性ではなく、実際には、不活性でないしばしば膨潤剤と称されるものである。Wrasidloタイプの調製物においては、後述するように、非溶媒の種類と濃度の両方の選定が、注型用ドープが相分離状態にあるかどうかを決定する一次的要因である点で重要である。
一般に、非溶媒は一次孔形成剤であり、ドープ中のその濃度は最終膜内の孔径および孔径分布に大いに影響を与える。ポリマー濃度もまた孔径に影響を与えるが、非溶媒程有意ではない。しかしながら、ポリマー濃度は、強度と多孔質(空隙容積)に影響する。注型用溶液(ドープ)中の主要成分以外に、少量成分、例えば、界面活性剤または剥離剤も存在し得る。
ポリスルホンは、高不斉膜の形成において特に2相のWrasidlo調製物においてとりわけ使用されている。これらは、均質な溶液ではなくて2つの分離相からなり、1つは低濃度(例えば、7%)の低分子量のポリマーの溶媒リッチの透明溶液であり、他方は高濃度(例えば、17%)の高分子量ポリマーのポリマーリッチの濁った(コロイド状の)溶液である。2つの相は、同じ3成分、即ち、ポリマー、溶媒および非溶媒を含有するが、根本的に異なる濃度と分子量分布を有する。最も重要なことは、2つの相は、互いに不溶性であり、放置した場合分離することであろう。混合物は、フィルムとして注型する時までは絶え間なく攪拌することによって分散液として維持しなければならない。Wrasidloタイプの調製物においては、注型用ドープは、本質的に、SOL 2(分散液)状態で調製される。即ち、分散液は、下記のように、ゲル形成のための出発点として働き、中間工程(上記のような)としてではない:
Figure 0004234790
このプロセス修正は、従来技術と比較したとき、Wrasidlo膜の高度の異方性と均一なコンシステンシーに対して即応している。
相分離を生じさせているのは、注型用混合物中の非溶媒とその濃度であり、非溶媒が相分離を生じさせているのではない。相分離を生ずるこれらの因子は、恐らく、幾分かの大きめのポリマー分子を凝集物即ちコロイドとして整列させ、次いでこれらのコロイドを残りの非コロイド溶液中に分散させることにより臨界的なミセル濃度を生み出す界面活性剤の役割と同じような役割を恐らく有している。2つの相は、放置した場合互いに分離するが、各個々の相自体は全く安定である。混合物の温度を変えた場合、相間移動(phase transfer)が生ずる。加熱は透明相を生じさせ、冷却はその逆を生じさせる。濃度変化は同じ効果を有するが、Wrasidloが説明しているように、相分離系が存在し得る臨界的な濃度範囲または窓が存在する。Wrasidloは、ポリマーが溶媒と完全には混和しないこの不安定領域を、スピノダール(spinodal)およびビノダール(binodal)曲線間に存在する一定温度で分散させたポリマー/溶媒/非溶媒の相ダイアグラム上に定義している。
ポリマーの高疎水性のために、また溶媒リッチの相とポリマーリッチの相の2つの相を予め存在させた注型用混合物の熱力学的不安定状態(転相を行う時に1つの系が通過しなければならない状態)のために、不安定なWrasidlo混合物は、急冷させて微孔質皮膜を界面で形成させる時に極めて急速に沈降し、結果として高不斉の膜、即ち、WrasidloおよびZept特許の各々に開示された構造体を生ずる。
Wrasidlo特許の概念において使用する時の“不斉”とは、微孔質皮膜(注型中の空気−溶液界面または急冷−溶液界面を構成する膜の微細有孔面)と下部構造体の間の断面の孔径に漸進的な変化を有する膜を称する。これは、“非微孔質皮膜”と下部構造体との間に断裂的な不連続性を有し、当該技術において不斉型とも称されている逆浸透または限外濾過と対照的である。
高分子膜は、ポリマーの均質溶液からも注型し得る。これらの調製物の組成は、Wrasidloの相ダイアグラムのスピノダール/ビノダール領域の範囲外にある。均質溶液からの膜注型物も不斉であり得るが、通常は、相分離調製物からの膜注型物ほどの高度の不斉ではない。
Wrasidlo膜は、従来技術の膜に比較して改良された流動速度と浸透選択性を有する。そのような改良された流動速度と浸透選択性(permselectivity)は、膜の構造に由来する。
Zepf特許は、もっとむらのない孔径と大きく改良された流動速度とを有する微孔質皮膜孔を実質的により多く有し、いずれの孔径においても低減した共分散性を有する改良されたWrasidloタイプのポリマー膜を開示している。この改良されたZepf膜は、低下させた注型温度と急冷温度並びに注型と急冷間での削減した外的暴露を含むWrasidlo法の修正によって得られる。Zepfは、さらに、注型温度と急冷温度の低下が膜形成過程における調製およびプロセスパラメーターの小さい変動対する感性を最小にすることも教示している。
ポリマー膜の表面孔径を増大させることは、開示されている。Fujiに付与された英国特許第2,199,786号を参照されたい(以下、Fujiと称す)。Fuji特許は、他の引例と同じく、注型ポリマー溶液を湿潤空気に暴露させた場合、膜表面の下の点での転相が生ずることを教示している。Fuji法で製造した膜は、表面上に比較的広い孔(即ち、0.05〜1.2μm)、表面下の転相点向けて漸進的に収斂した孔径、さらに注型表面に向けて漸進している等方性構造が達成されるまでの孔の開口(1〜10μm)を有する特徴的な構造を有している。従って、Fuji膜は、皮膜表面から転相点へ向けての逆不斉と等方性構造入り込んで漸進する不斉とを有するものとして教示し得る。Fuji特許は、膜の寿命を延長するためには最小の不斉を用いるべきことを明確に教示している(第4頁、7〜29行参照)。さらに、Fuji膜が比較的高粘度を有する調製物から一般に製造されていることも明らかである。例えば、ポリマー濃度は通常極めて高く、多くの場合、非溶媒としてポリマー類を用いて膜が製造されている(第12頁の実施例2、第15頁の実施例3参照)。
不斉型微小濾過膜は、多くの用途において有用である。例えば、そのような膜は、種々の濾過用途(即ち、食品飲料工業、製薬業および医学実験室における精製および試験用途)において種々の形態(即ち、ディスクまたはカートリッジ)で使用し得る。そのような膜は、試験産業において、痕跡金属分析および医療診断のような多様な用途において益々価値あるものとなって来ている。これらの膜は、広い有孔面と微孔質表面を有している。固形分含有液体サンプルを広い有孔表面に塗布することにより、固形分を殆ど含まない液が微孔質表面から出てくる。固形分を含まない液体サンプル(濾液)は、固形分の干渉なしに試験し得る。そのような試験は、化学的に、電気的にあるいは種々の分析装置を用いて行うことができる。
1つの具体的な試験用途は、診断業界において提供されており、不斉膜は血液分離用途において特に適していることが分かっている(例えば、Koehen他、米国特許第5,240,862号参照)。全血を開孔表面に塗布し、細胞を濾過して膜の多孔質支持体中に保持させると、その間に、血液中の血漿は膜を通過する。微孔質表面を分析物検出装置と接触させることにより、特定の分析物の存在または不存在を、細胞の干渉なしに測定できる。さらに、この構造は、遠心処理なしで診断試験を実施することを可能にしている。
前述したように、不斉膜は、スルホンポリマーおよび混合セルロースエステルのようなある種の疎水性ポリマーから容易に製造できる。スルホンポリマーの種類には、一般に、3種のポリマー:ポリスルホン、ポリエーテルスルホンおよびポリアーリルスルホンがある。しかしながら、膜を疎水性ポリマーを用いて製造する場合、得られた膜は疎水性であり、水は操作条件下で通常膜を通過しないであろう。従って、水性環境で膜を操作することが必要な用途においては、膜(または膜にする前のポリマー)は、典型的に、得られた膜を親水性にする物質と反応させるか、そのような物質と混合せしめている。
例えば、疎水性ポリマーから親水性膜を製造するには、以下のような幾つかの方法がある:
膜として注型加工する前に疎水性ポリマーをスルホン化する;
注型した疎水性膜を、親水性を与える薬剤と接触させる;
膜を注型する前の注型用ドープに親水性物質を含有させる。
膜に親水性を付与させるこれらの方法は、それぞれ、固有の問題または困難性を抱えている。例えば、膜を親水性付与物質で後処理する場合、その物質が漏出してサンプルを汚染する可能性が存在する。注型した膜表面にある種の物質を架橋させることによって漏出を最小する試みはあり得る。例えば、Roesink等は、米国特許第4,798,847号(現在、再発行特許第34,296号)において、PVPをポリスルホンに架橋させることを開示している。しかしながら、親水性物質を膜に架橋させることは、漏出を最小にするけれども、膜の製造工程に追加の工程と複雑さを加えることになる。さらに、架橋に要求される条件次第で、膜の強度および/または剛性は弱まり得る。
疎水性ポリマーを注型前にスルホン化する場合、それから不斉膜を製造することは、不可能ではないにしても、極めて難しい。即ち、等方性膜のみを製造することに限定される。
親水性を膜に与えるための上記最後の試みは、親水性物質を注型用懸濁液に含有させることである。例えば、Kraus等は、米国特許第4,964,990号と第4,900,449号において、注型用溶液中に、PEGまたはPVPのような親水性ポリマーを含有させることによる親水性微小濾過膜の製造を開示している。しかしながら、このKraus特許に従って製造した膜は、等方性であり、従って、不斉膜で行い得る試験用途に良好には適さない。
従って、高度に安定な親水性並びに十分な強度と剛性を有し、且つ試験用途において効率的かつ有効に作動する不斉型微孔質膜を提供することが望まれている。
発明の要約
本発明の1つの局面は、遠心処理の必要のなしで液体サンプルから固形分を分離できる高表面多孔質と明確な不斉とを有するスルホンポリマー膜に関する。この膜は、さらに、スルホンポリマー(疎水性ポリマーである)とポリビニルピロリドンのような親水性ポリマーとの共注型によって親水性とする。これらの特性のために、また僅かに少量の液体サンプルしか広い孔表面に塗布する必要がないという事実のために、本発明の膜は、固形分の干渉なしで液体サンプル中の分析物の急速検出を行う試験装置において極めて有用である。本発明の膜の1つの例示としての用途は、生理学的条件(例えば、妊娠、インシュリン量、胃潰瘍等)および感染症(例えば、AIDS、肝炎等)の急速診断のための血液分離用途である。
本発明の第1の局面によれば、スルホンポリマーと親水性ポリマーとの共注型により親水性が付与された一体化スルホンポリマー膜が提供され、この膜は微孔質皮膜と多孔質支持体を含み、微孔質皮膜は高有孔密度を有し、多孔質支持体は実質的に一定の孔径の等方性領域と漸次的に増大する孔径の不斉領域とを含む。
1つの好ましい実施態様においては、本発明の膜は、約1〜5μmの平均流動孔径を含む。もう1つの好ましい実施態様においては、スルホンポリマーは、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンおよびポリアーリルスルホンからなる群から選ばれる。もう1つの好ましい実施態様においては、親水性ポリマーはポリビニルピロリドンを含む。さらにもう1つの好ましい実施態様においては、本発明の膜は少なくとも2mm/秒の横方向水吸上速度(lateral wicking speed of water)を有する。さらに1つの好ましい実施態様においては、本発明の膜は厚さを有し、等方性領域は微孔質皮膜から膜厚の約15〜25%まで延びている。
本発明の第2の局面によれば、スルホンポリマーと親水性ポリマーとの共注型により親水性が付与された一体化スルホンポリマー膜が提供され、この膜は微孔質皮膜と多孔質支持体を含み、微孔質皮膜は高有孔密度を有し、多孔質支持体は実質的に一定の孔径の流動チャンネルを構成する等方性領域と漸次的に増大する孔径の流動チャンネルを構成する不斉領域とを含む。
1つの好ましい実施態様においては、本発明の膜は、約1〜5μmの平均流動孔径を含む。もう1つの好ましい実施態様においては、スルホンポリマーは、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンおよびポリアーリルスルホンからなる群から選ばれる。もう1つの好ましい実施態様においては、親水性ポリマーはポリビニルピロリドンを含む。さらにもう1つの好ましい実施態様においては、本発明の膜は少なくとも2mm/秒の横方向水吸上速度を有する。さらに1つの好ましい実施態様においては、本発明の膜は厚さを有し、等方性領域は微孔質皮膜から膜厚の約15〜25%まで延びている。
本発明の第3の局面によれば、微孔質皮膜と多孔質支持体を含み、微孔質皮膜が高有孔密度を有し、多孔質支持体が実質的に一定の孔径の等方性領域と漸次的に増大する孔径の不斉領域とを含む親水性の一体化スルホンポリマー膜の製造方法が提供され、この方法は、溶媒中に約8〜17重量%のスルホンポリマーと約5〜25重量%の親水性ポリマーを含む注型用ドープを調製し、このドープを注型して薄膜を形成させ、この薄膜を約50〜80%の相対湿度の水蒸気を含むガス状雰囲気に約5〜35秒間暴露し、暴露した薄膜を約20〜70℃の温度の水浴中で凝集させ、得られた膜を回収することを含む。
1つの好ましい実施態様においては、注型用ドープは均質溶液である。もう1つの好ましい実施態様においては、注型用ドープはスルホンポリマーの非溶媒をさらに含む。もう1つの好ましい実施態様においては、注型用ドープは分散液である。もう1つの好ましい実施態様においては、本発明の膜は、約1〜5μmの平均流動孔径を含む。さらにもう1つの好ましい実施態様においては、スルホンポリマーは、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンおよびポリアーリルスルホンからなる群から選ばれる。さらにもう1つの好ましい実施態様においては、親水性ポリマーはポリビニルピロリドンを含む。さらにもう1つの好ましい実施態様においては、本発明の膜は少なくとも2mm/秒の横方向水吸上速度を有する。さらに1つの好ましい実施態様においては、本発明の膜は厚さを有し、等方性領域は微孔質皮膜から膜厚の約15〜25%まで延びている。
本発明の第4の局面によれば、分離膜と接触膜を含むタイプの横方向吸上装置(lateral wicking device)が提供され、その改良点は、分離膜がスルホンポリマーと親水性ポリマーとの共注型により親水性が付与された一体化スルホンポリマー膜を含み、この膜が微孔質皮膜と多孔質支持体を含み、微孔質皮膜は高有孔密度を有し、多孔質支持体は実質的に一定の孔径の等方性領域と漸次的に増大する孔径の不斉領域とを含むことを特徴とする。
1つの好ましい実施態様においては、本発明の膜は、約1〜5μmの平均流動孔径を含む。もう1つの好ましい実施態様においては、スルホンポリマーは、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンおよびポリアーリルスルホンからなる群から選ばれる。もう1つの好ましい実施態様においては、親水性ポリマーはポリビニルピロリドンを含む。さらにもう1つの好ましい実施態様においては、本発明の膜は少なくとも2mm/秒の横方向水吸上速度を有する。さらに1つの好ましい実施態様においては、本発明の膜は厚さを有し、等方性領域は微孔質皮膜から膜厚の約15〜25%まで延びている。さらに好ましい1つの術においては、本発明の装置は横方向吸上装置である。
【図面の簡単な説明】
図1は、膜の1対の走査電子顕微鏡写真(SEM)である。図1aは、膜の微孔質表面を示す膜の上面図である。図1bは、膜の断面図である。
図2は、本発明による膜の走査電子顕微鏡写真(SEM)であり、膜の断面図を提供する。
図3は、本発明による膜の走査電子顕微鏡写真(SEM)であり、膜の断面図を提供する。
図4は、本発明による膜の走査電子顕微鏡写真(SEM)であり、膜の断面図を提供する。
図5は、本発明による膜の1対の走査電子顕微鏡写真(SEM)である。図5aは、膜の微孔質表面を示す膜の上面図である。図5bは、膜の断面図である。
図6は、本発明による膜の1対の走査電子顕微鏡写真(SEM)である。図6aは、膜の微孔質表面を示す膜の上面図である。図6bは、膜の断面図である。
図7は、本発明による膜の1対の走査電子顕微鏡写真(SEM)である。図7aは、膜の微孔質表面を示す膜の上面図である。図7bは、膜の断面図である。
図8は、本発明による膜の構造と比較するための、Wrasidlo特許に従って製造した膜の断面の走査顕微鏡写真である。
図9は、本発明による横方向吸上装置の略図的上面透視図である。
好ましい実施態様の詳細な説明
本発明によれば、親水性物質を含有させた溶液または分散液として共注型させた疎水性ポリマーから、横方向吸上装置に特に適する不斉型の高親水性微小濾過膜を製造できることを予期に反して見出した。好ましい実施態様においては、本発明の膜は、スルホンポリマーとポリビニルピロリドンとから製造する。さらに、好ましい実施態様においては、本発明の膜の構造は、厳格には、通常の不斉構造ではない。むしろ、本発明の膜は、等方性と異方性構造の組合せまたは複合を有する。この方法で、構造的に言えば、本発明の膜は、1994年3月4日に出願した米国特許出願第08/206,114号に開示されている膜構造に類似している。
本発明の膜の構造
本発明のポリマー膜は、比較的大きい微孔質皮膜孔を有しながら、実質的度合の不斉も保持している。膜の不斉と孔径を評価する便宜な方法は、走査顕微鏡写真(SEM)を用いることによる。図〜図7は、本発明に従って製造した膜の断面および/または微孔質皮膜表面を示す。これらの特徴は、図8の通常のWrasidloタイプの微細孔膜の特徴と比較できる。
膜の不斉および開孔構造に加えて、本発明の膜は、微孔質皮膜表面から膜下部構造体の或る点まで延びている等方性領域の存在においても特異的である。典型的には、この等方性領域は膜厚の少なくとも約20%まで延びている。
SEMデータが無い場合、不斉は、Kesting,Synthetic Polymer Membranes;A Structural Perspective,p.275[John Wiley & Sons,2d edition(1985)]に記載されているようにして、膜の緊密表面にインクまたは染料の小点を塗布し、その染料を膜にしみ込ませるか表面上に拡散させることによって大略評価できる。染料でコーティングした領域の割合が不斉の粗い指標となり、不斉の度合を示す。孔径も微孔測定(porometry)分析によりまたは泡立ち点(バブルポイント)の分離測定により評価でき、高い泡立ち点ほど緊密(tight)な孔を示す。古典的な不斉膜においては、最も緊密なのは表面孔である。本発明の膜においては、最も緊密な孔は、微孔質皮膜と不斉領域間のある点に存在する。微孔測定は、湿潤膜上で次第に増大する圧力を用い、ガス流動速度を乾燥膜のガス流動速度と比較して孔径と泡立ち点に関するデータを得ることからなる。これらの分析においては、コールター ポロメター モデル(Coulter Porometer Model)0204を使用した。
前述したように、本発明の膜は、概して等方性である領域と実質的に不斉である領域とを有する。本明細書で用いるときの概して等方性(または等方性領域)とは、微孔質皮膜から下方へ支持構造体のある部分までSEMで見たときに、概して一定の孔径を有する領域を意味する。この等方性領域は、また、実質的に一定の平均直径の流動チャンネルを有する領域として観察することもできる。一般に、本発明の膜の平均微孔質皮膜孔径即ち微孔質皮膜孔の直径は、1.0μmよりも大きい。等方性領域においては、この微孔質皮膜孔径が、等方性領域全体を通じての平均孔径を限定する。例えば、好ましい膜においては、SEMは、2μmの平均微孔質皮膜孔径を有する膜が等方性領域全体を通じて2μm以上の平均孔径を有することを示唆している。同じような構造は、3μm、4μm、5μm等の微孔質皮膜孔径を有する膜においても見られる。しかしながら、等方性領域が目視的に等方性の孔径分布を含むことは理解されるであろう。等方性領域の実際の孔径が、どんな膜の場合にもおけるように、若干変化し得る(即ち、ある程度の孔径分布を有する)ことは予想されることである。
典型的には、等方性領域は、本発明の膜の微孔質皮膜から膜厚の約10%以上まで支持下部構造体中に延びている。より好ましくは、等方性領域は、膜厚の30%、40%以上あるいは50%以上にも延びている。非常に好ましい実施態様においては、等方性領域は膜厚の約20%以上延びている。例えば、250μmの膜においては、等方性領域は、微孔質皮膜から支持下部構造体中に約50μm以上延びている。
本明細書で用いるときの実質的に不斉または異方性(不斉領域)とは、WrasidloおよびZerf特許に開示されたまたはこれら特許に従って製造した膜が有する不斉と同様のある程度の不斉を意味する。この点において、本発明の膜は、約1.0μm以上の微孔質皮膜孔径を有するが、反対面即ち注型中の支持紙またはベルトに隣接する面上では、SEMはその平均孔径が少なくとも平均微孔質皮膜孔径の2倍以上であることを示している。即ち、微孔質皮膜孔径と注型表面孔径の比は、約2:1以上であり、好ましい実施態様においては、3:1、4:1、5:1、あるいは6:1以上でさえある。さらにまた、不斉領域内のみで連続して漸次的である。
上述の不斉の比率は表面で測定した不斉にのみ関していることに留意すべきである。事実、本発明の膜の不斉は、注型表面より上の不斉領域の平均孔径を走査顕微鏡写真で断面で見たとき、かなり大きい。例えば、図5〜7を参照されたい。本発明の膜の不斉は、約10:1または20:1以上、或いは100:1、200:1以上も高いことが明らかである。
また、等方性領域内の孔径が微孔質皮膜内の孔よりも僅かに大きいことも、微孔質皮膜孔を観察することによって認められるであろう。この事実は、表面−表面分析と断面分析に基づいて観察した不斉と組合せて、ある量の“皮膜化”が両表面で生じていることを示している。なんらかの特定の理論または操作方式で拘束することは望まないが、本発明の膜で観察される皮膜化については3つの尤もらしい説明がある。先ず、注型したフィルムを空気に暴露させた時に、水蒸気がフィルムをゲル化させ始めて上部領域に初発膜を形成する。しかしながら、ポリマーの全てがこの短い時間ではゲル化し得ない。従って、フィルムが急冷液と接触するときに、残りの未沈降ポリマーが微孔質皮膜を形成する。第2に、簡単ではあるがより良い説明としては、表面収縮が表面エネルギーの固有の差異(表面対容積比を最小にする水滴または石鹸バブルに幾分か同類である)に基づいて孔を収縮させることである。3番目としては、化学ポテンシャルの急勾配に基づくポリマーの表面への僅かな移行が存在し得る。
さらに、本発明の膜の泡立ち点が等方性領域内または微孔質皮膜内で見られる孔径で予想したものより一般に高いことから、等方性領域と不斉領域間の孔径においてある種の縮みが存在していなければならないことが明白である。驚くべきことに、通常の理由付けは微孔質皮膜の下の孔は微孔質皮膜孔よりも小であるべきだと示唆している。事実、微孔質皮膜の下の孔は深くなるにつれて次第に小さく、即ち、“逆不斉”に生長している。拡散は緩いプロセスである。かくして、微孔質皮膜の下で形成された孔は、より少ない蒸気にしか暴露されずまたは“遭遇”せず、従って、より小さくなる。
Fuji膜は、この通常の理由付けを確証しているようであり、微孔質皮膜から転相点へ膜中の短い深さで“逆不斉”を有している。これに対して、本発明の膜の微孔質皮膜の下の孔は微孔質皮膜中の孔と同じ径か大きいようであり、等方性領域全体を通じて等方性または均質な孔分布を残している。
従って、本発明の膜の等方性領域は、空気中の水蒸気とポリマーフィルム間の“ドライプロセス”により生じているかあるいは少なくとも開始されており、均質即ち等方性形成を生じさせている。このことは、セルロース混合エステルまたは硝酸セルロース膜から製造した膜と同等である。しかしながら、溶媒または非溶媒の相対的に制限された蒸発(急冷前の暴露時間による)が存在し、その結果、急冷時に、冷却液が等方性領域に流れ込んで等方性領域を固定し、また不斉領域を形成し固定するようである。
前述したような、微孔測定分析において観察された緊密な孔(即ち、最高1.0μm、平均0.8μm孔径)を説明する手助けとなった等方性領域と不斉領域の孔径分布の潜在的制限に関しては、WrasidloおよびZepf膜の微孔質皮膜の形成に類似した内部的“皮膜化”過程が存在し得る。この可能性は、米国特許第3,615,024号の第4欄、43〜54行において、Michaelsによって支持されており、勾配のある孔構造は、注型フィルム中への水浸透が張った皮膜によって制限された時に生じ、第1瞬間の水によって形成されることが開示されている。また、前述したように、等方性領域内の膜は、目視観察では等方性であるようだが、現実には、微孔分析データを証明する孔分布並びに大孔径に関連して予想し得るよりも高い泡立ち点とを有する可能性もある。
従って、本発明の膜構造は、本発明の膜が、前述したように、微孔質皮膜から表面の下の点まで実質的に非不斉であり(即ち、等方性であり)、本明細書で等方性領域として定義している点で従来の不斉と異なる。本発明の膜の不斉領域は膜厚の約50%未満で一般に生ずる、一方、従来の不斉、例えば、WrasidloおよびZepfの膜においては、不斉領域は、膜厚の全体または実質的に全体を通じて生じている。Fuji膜においては、対照的に、微孔質皮膜の下の領域は逆不斉を有し、その下は、幾分通常の不斉を有する。Fuji注型用調製物の恐らく高い粘度がこの構造に貢献していることが予想される。
従って、常識的に言えば、本発明の膜は、膜厚全体を通じての流動チャンネル形状の点で漏斗構造を有しているものと見なし得る。例えば、注型中の未暴露の表面から膜中に流れ込む液体に遭遇する孔は、極めて大である。これが不斉領域であり、漏斗の円錐部分に相当する。液が膜中を流れるとき、孔径または流動チャンネルは、最終的には液が実質的に一定直径の孔径または流動チャンネルを含む等方性領域に入り次いで微孔質皮膜を流れ出るまでは、次第に収縮する、等方性領域は漏斗の出口に相当する。
分散液から調製した本発明の典型的な開孔膜の構造は、図5〜7に示している。これらの膜は、平均で2μmの微孔質皮膜表面孔、平均で10μmの注型表面孔径を有し、断面においては、微孔質皮膜から膜の約20%まで延びたおよそ1.0μm辺りの孔径を含む等方性領域を、次いで、等方性領域の末端から注型表面までの約2〜50μmの孔径で開口している不斉領域を示している。承知のことであろうが、これらの観察に基づいた不斉の度合いは、約25:1である。これらの図面の特定の膜は、6.87×103〜34.35×103パスカル(1〜5psid)の水泡立ち点を有する。図5〜7の膜は、極めて類似した構造を有するが、それぞれ、コールター ポロメトリーで測定したとき約4.3μm(図5)、約2.6μm(図6)および約3.8μm(図7)の平均流動孔径を有する。
本発明の膜の製造
一般に、本発明による膜は、通常の方法により製造する。ポリマー注型用溶液または分散液を調製し、次いで、注型し、所定時間ガス状雰囲気に暴露し、その後非溶媒浴中で急冷する。好ましい注型用溶液(非溶媒を含むまたは含まない)および注型プロセスを、以下で説明する。
非溶媒を含むまたは含まない注型用溶液
本発明の膜は、均質な溶液または分散液から製造する。好ましい実施態様においては、本発明の膜は、均質溶液から製造する。均質溶液は、溶媒を単独または非溶媒と組合せて用いることにより調製し得る。分散液から製造する膜は、均質溶液から製造する膜と同じ一般的範囲の泡立ち点により形成し得る。しかしながら、そのような膜は、急冷前に長時間の空気への暴露を一般に必要とする。図1〜4は、非溶媒を使用しないで均質溶液から製造した膜の構造を示しており、走査顕微鏡写真から分かるように、各々の膜の微孔質皮膜表面と断面を示している。
本発明の膜は、好ましくは、疎水ポリマー(即ち、スルホンポリマー)、親水性ポリマー(即ち、ポリビニルピロリドン)、および疎水性ポリマーと親水性ポリマー用の適当な溶媒を含有する均質溶液から製造する。
好ましい実施態様においては、疎水性ポリマーは、スルホンポリマー(即ち、ポリスルホン、ポリアリールスルホンまたはポリエーテルスルホン)であり、最も好ましいのは、AMOCO社からのウーデル(Udel)3500ポリスルホンである。
ポリエーテルスルホンの構造:
Figure 0004234790
ポリスルホンの構造:
Figure 0004234790
ポリスルホンを用いる場合、ポリマー濃度は、一般に約8〜17%、好ましくは約8〜15%、最も好ましくは約10〜12%である。
親水性ポリマーは、疎水性ポリマーと相溶性のある任意のポリマーであり得る。好ましい実施態様においては、親水性ポリマーは、約40,000の分子量を有するポリビニルピロリドンである。親水性ポリマーは、約5〜25%、より好ましくは約10〜20%、最も好ましくは約12〜17%含有させる。
溶媒は、疎水性ポリマーと親水性ポリマーの各々に対して良溶媒であるように選定する。疎水性ポリマーがポリスルホンであり、親水性ポリマーがポリビニルピロリドンである場合、N-メチルピロリジン、ジメチルホルマミドおよびジメチルアセタミドが溶媒として孔に機能することが分かっている。
一般的には、本発明によるポリマー溶液は、表1に示すようにして調製する:
Figure 0004234790
非常に好ましい実施態様においては、ポリマー溶液は、表2に示すようにして調製する:
Figure 0004234790
部分的または完全分散液調製物は、少なくとも疎水性ポリマーに対しての非溶媒を含有させることによって調製し得る。例えば、水を十分量調製物に加えて、分散液注型用ドープを調製できる。完全分散液を望む場合には、第3級アミルアルコールを十分量加えて非溶媒としての水に置き換えるか、水を補充することができる。即ち、非溶媒の組合せまたは単一種の非溶媒を本発明に従って用いて、特定の性質を有する注型用ドープを調製できる。高非溶媒濃度を用いて分散液調製物を調製することもでき、また、低非溶媒濃度を用いて均質溶液を調製することもできる。非溶媒の量は、約0.1〜約10%で変動させ得る。好ましい実施態様においては、水を、非溶媒として、均質注型用ドープを調製するのに十分な量で用いる。例えば、水を非溶媒として用いる場合、水は、注型用ドープ中に、好ましくは約0.1〜3.0%、非常に好ましい実施態様では約0.5%含有させる。
膜を形成させるための注型用溶液
ポリマー溶液を典型的に薄膜に注型し、ガス状環境に所定時間暴露し、次いで、非溶媒(特に、疎水性ポリマーの非溶媒)中で急冷させる。
本発明の膜は、注型用分散液または溶液を非多孔質支持体上に層として拡散させるような任意の通常の手順を用いて注型でき、得られた膜は、後で急冷後に支持体から分離する。膜は、手で(即ち、注型用表面上に手で注ぎ込み、注型し、拡散させ、冷却液を表面上に塗布する)または自動的に(即ち、移動ベッド上に注ぎ込んで注型する)注型し得る。好ましい支持体は、ポリエチレンコーテッド紙である。注型、特に自動注型においては、機械拡散器を用い得る。機械拡散器には、拡散用ナイフ、“ドクターブレード”、またはスプレー/加圧系がある。好ましい拡散用装置は、押出ダイまたはスロットコーターであり、注型用調製物を狭いスロットを通して加圧下に導入押出し得るチャンバーを含む。実施例1〜3においては、膜は、典型的に約500〜800μmまたは約600〜700μm、好ましくは約700μmのナイフ空隙を有するドクターブレードで注型した。
注型の後、注型用分散液または溶液を急冷する。好ましい実施態様においては、急冷は、注型した膜を移送ベッド上で冷却液(即ち、浴として)中に移動させることによって行う。急冷液は最も普通には水を含み、その温度は、多くの場合、注型温度かその近くである。急冷浴においては、急冷操作により、ポリマーを沈降または凝集させて、所定の孔径と特徴的構造を有する支持領域とを有する“微孔質皮膜”を生成させ得る。得られた膜は、通常洗浄して内包溶媒を洗い出し、さらに、加熱して余分な溶媒、希釈剤および冷却液を排出させて、膜を回収する。急冷工程の後、微孔質膜生成物は、典型的に約200〜300μmの厚さである。
一般に、本発明の膜の製造においては、注型フィルムを、前述したように、大きい表面孔の形成を行わせるのに十分な時間空気に暴露すべきである。暴露が短いほど、湿度を高くすべきであり、その逆もしかりである。全体の湿度は、重要なファクターである。高い周囲空気温度では、相対湿度を低くして、同じ効果を得ることができる。注型用混合物および急冷浴の温度も重要なパラメーターである。一般に、温かい混合物ほど膜は緊密であり、温かい急冷ほど膜は開放である。
一般に、本発明による膜の製造においては、約20〜35℃の注型用溶液または分散液温度と、約20〜70℃好ましくは30〜60℃の急冷浴温度とを用いる。急冷浴の温度は、得られる膜の微孔質皮膜の孔径および不斉領域の不斉に顕著な変化を生ぜしめるようである。高い急冷温度を用いる場合、膜は、微孔質皮膜中に大きい孔径を有し、また不斉領域内では高まった不斉を有する。逆に、低い温度を用いた場合、小さい孔が生成し、不斉は減少する。
本発明の膜の製造にとって重要なもう1つのファクターは、ポリマー溶液の注型と本発明の膜の急冷の間の暴露時間と暴露条件である。好ましいのは、注型した溶液または分散液を、注型後で急冷前に空気に暴露させる。より好ましくは、空気を湿潤させる(即ち、約60%相対湿度以上に)。さらに、好ましくは、空気を循環させて注型溶液または分散液との接触を高めさせる。循環は、例えば、ファンによって行い得る。
好ましい暴露時間は、一般に約5〜35秒である。この範囲内で、暴露時間を長くすると、得られる膜の透過性を高める傾向にある。しかしながら、暴露時間が長過ぎるかあるいは湿度が高過ぎる場合、表面の多孔性は、有害な影響を受け得る。そのような状況においては、相対的非多孔質の皮膜が得られ、膜は微孔性を消滅するようである。
スルホンポリマーとポリビニルピロリドンからなる横方向吸上分離膜においては、本発明者等は、約45〜55℃の温度が極めて好ましい孔径と不斉度を与えることを見出している。さらに、空気暴露は、好ましくは、空気が約65〜80%の相対湿度を有する場合約10〜20秒で行う。しかしながら、承知のように、特定の疎水性ポリマー、親水性ポリマー、溶媒、非溶媒(存在する場合)および用いる相対湿度によるが、最適温度および条件は、過度の実験を行うことなしで、容易に決定し得る。承知のように、相対湿度と暴露時間は、重要な条件であり、一般に反比例している。即ち、相対湿度が高いほど、暴露時間は短くできる。
本発明の膜の分離用途での利用
本発明の膜は、試験および分離用途において有用であり、極めて有効である。特に、本発明の膜は、分離および試験用途において予想外に効率的である。そのような装置は、種々の他の試験用途においても有用である。例えば、液体が分析すべきことを望まれている固形粒子含有液体サンプルが存在する実際の状況において、横方向吸上設計を用いて、固形粒子の干渉のない分析可能量の液体を得ることができる。本発明の膜が有用である分離試験用途の1つの例は、Koehen等の米国特許第5,240,862号に開示されている部類の診断タイプの装置のような診断用途においてである。このKoehen等の米国特許は、コレクター膜と緊密に接触した不斉膜を含む血液分離系を開示している。同様な装置は、Kiser等の米国特許第5,240,862号にも開示されている。それぞれにおいて、全血を不斉膜(即ち、或いは親水性とした)の“開放”面に塗布すると、血液細胞は不斉膜の大きい孔内に濾別され、血漿は微孔質表面を通過してコレクター膜と接触する。
コレクター膜は、分析物検出装置を一般に備えている。即ち、試験すべき物質が血漿中に存在するか存在しない時に、その存在または不存在をコレクター膜上で記録し得る。Koehen等およびKiser等の特許の装置は、試験物質が膜を垂直に通過するので、“垂直吸上装置”と一般に称されている。液(即ち、血液)の膜通過速度は、そのような装置における効率に関しての操作可能な試験手段であり、また固形粒状物およびある種の他の要因(固形物と液体の限定された干渉のような)からの液体(即ち、血漿)の分離並びに血液分離用途における限定された細胞溶解物の分離の完全性もそうである。
もう1つのタイプの試験装置設計は、“横方向吸上装置”である。図9で示すそのような装置においては、裏打材20により、分離膜21と接触膜22を支持している。接触膜22は、化学試剤(または他の検出助剤)を備えていて試験すべき物質そんざおまたは不存在の検出を可能にしている。分離膜21は、固形粒状物のような液体中の成分(即ち、血液からの細胞)を分別するのに用いる。分離膜21と接触膜22は、界面23で接触している。操作においては、固形物質含有液体(即ち、血液または他の体液成分)を分離膜と塗布点24で接触させると、流液は界面23に向かって吸い上げられる。分離膜21を横方向即ち水平に吸い上げられ界面23に達したとき、流液は接触膜に入り、そこで、接触膜22内に備えられた化学試剤(または他の検出助剤)と反応する(あるいは反応しない、不存在の場合)。そのような反応は、当該技術において周知の種々の標準方法によって検出し得る。
承知のように、試験装置の効率を決定する操作可能な試験手段は、膜を通る適切な液体の吸い上げ速度および液体の任意の固形物からの分離の完全性である。即ち、血液分離においては、血漿の膜の横方向通過速度が、そのような装置の効率の操作可能な試験手段であり、血漿または細胞の限定された溶解物の分離の完全性もそうである。
本発明の膜は、横方向吸上装置内の分離膜21として使用するのが特に効果的である。固形分含有液体(即ち、血液)を本発明の膜の開放表面上へその狭いストリップの一端で塗布したとき、その液体はストリップの緊密な方の表面へ他端に向かって吸い上げられ始める。相対的大きい粒子(即ち、血液細胞)は抑制され(濾別され)、一方、液体(即ち、血漿)は流動し続ける。装置においては、液体(即ち、血漿)はストリップに浸透し、試験用試剤(即ち、酵素、抗原、または試剤に結合させた抗体)を含有する第2の膜、例えば、ニトロセルロースに達する。
速い吸上げが重要である。膜表面の多孔度が高いほど、血漿移行速度は速い。単純に高度の不斉を与えることによっては、吸い上げ速度の向上に必ずしも寄与しない。高度の不斉を有していても、低度の表面多孔度は、固形分含有液体のブロッキングまたは閉塞を引き起こすようであり、結果として、本発明の膜の使用により可能であるよりも遅い分離となる。
本発明の膜は、高濃度のポリビニルピロリドン(PVP)を含有し、このPVPは、本発明の膜を親水性にし且つ孔径と構造に影響を与えている。さらにまた、PVPを調製物中に含有させているために、膜を親水性にするためのヒドロキシプロピルセルロースによる第2の処理を必要としない。
急速吸上げの推進力は、孔構造と組合せたPVPの親水性であり、それによって液体を毛管力により膜中に吸引し、固形分は、開放支持体中に保持される。また、PVPは、ドープ粘度を増大させ、溶媒/非溶媒交換速度を遅くし、それによって標準の膜において見出されるような不斉度も低下させる。ゲル化(急冷)浴温度も、高めの温度浴が、低めの温度浴よりも、より不斉型でより大きい孔径(平均流動孔径)の膜を生ぜしめるという点で重要な役割を発揮する。
膜の製造に関する実施例
以下の実施例は、本発明による特定の微孔質膜の製造に関する。これらの実施例は、本発明に従って膜を製造するのに使用できる種々の注型条件の例示のため、さらに得られる膜で特定の性質を得るために各条件を修正し得る方法に関してのガイドを提供するためである。従って、以下の実施例は例示であって、限定するものではない。
例1
暴露時間と湿度の効果
本例においては、溶媒としてのt-アミルアルコール中のポリスルホンとポリビニルピロリドンの均質溶液から、膜を調製し注型した。この溶液から2つの別々の膜を製造し、以下のようにして、各々の膜を異なった暴露時間と湿度で製造した。
均質注型用溶液は、12.7%のポリスルホンポリマー(AMOCO社製のUdel 350 0)、2.3%のt-アミルアルコール、および16.6%のポリビニルピロリドン(PVP、MW 40,000)から調製した。得られた注型用溶液を室温(約20℃)に維持し、2つの別々の膜を注型した。注型は、560μm(22ミル)のギャップを有する注型用ナイフを用いて、ポリエチレンコーテッド紙の移動ベッド上で行った。
各フィルムを、以下の表で示すようにして空気に暴露させた:
Figure 0004234790
各膜を水浴中で40℃の温度で急冷させた。凝集後、各膜を脱イオン水で洗浄し、風乾した。各得られた膜の特性を下記の表に示す:
Figure 0004234790
図1はフィルム番号1の1対の走査電子顕微鏡写真(SEM)を示す。図1aは、フィルム番号1aの上面図であり、膜の微孔質表面を示す。図1bはフィルム番号1aの断面図である。各図面において、膜が極めて少ない不斉と低表面多孔度を示していることが観察される。
しかしながら、水透過性の結果は、透過性が暴露時間の増大につれて増大していることを示している。しかしながら、高湿度への長時間の暴露は、表面多孔度を実際に減少させ、不斉に有害であることも明らかである。
例2
急冷温度の効果
本例においては、溶媒としてのジメチルホルマミド中のポリスルホンとポリビニルピロリドンの均質溶液から、膜を調製し注型した。この溶液から3つの別々の膜を製造し、以下のようにして、各々の膜を異なった急冷浴湿度で製造した。
均質注型用溶液は、11%のポリスルホンポリマー(AMOCO社製のUdel 3500)、15%のポリビニルピロリドン(PVP、MW 40,000)および74%のジメチルホルマミドから調製した。この注型用溶液を室温(約20℃)に維持し、3つの別々の膜を注型した。注型は、610μm(24ミル)のギャップを有する注型用ナイフを用いて、ポリエチレンコーテッド紙の移動ベッド上で行った。
各フィルムを、相対湿度75%を有する空気に24〜25秒間暴露させた。空気暴露後、各々の膜を、以下の表に示すようにして、水浴中で急冷させた:
Figure 0004234790
急冷および凝集の後、各々の膜を脱イオン水で洗浄し、風乾させた。得られた膜の特性を以下の表に示す:
Figure 0004234790
図2は、フィルム番号2aの走査電子顕微鏡写真(SEM)を示し、膜の断面図を示す。図3は、フィルム番号2bの走査電子顕微鏡写真(SEM)を示し、膜の断面図を示す。図4は、フィルム番号2cの走査電子顕微鏡写真(SEM)を示し、膜の断面図を示す。各図面において、膜が急冷浴の温度を上げるにつれて不斉を増大させていることが観察される。さらに、膜の微孔質皮膜の孔径は、急冷浴の温度を上げるにつれて増大しているようである。
例3
非溶媒を含有する注型用溶液;
暴露時間、空気循環および急冷温度の効果
本例においては、溶媒としてのジメチルホルマミドおよび非溶媒としての水中のポリスルホンとポリビニルピロリドンの分散液から、膜を調製し注型した。この溶液から4つの別々の膜を製造し、以下のようにして、各々の膜を異なった空気暴露時間、空気循環の有無および急冷浴湿度で製造した。
注型用分散液は、10.6%のポリスルホンポリマー(AMOCO社製のUdel 3500)、15%のポリビニルピロリドン(PVP、MW 40,000)、73.9%のジメチルホルマミドおよび0.5%の水とから調製した。この注型用溶液を室温(約20℃)に維持し、4つの別々の膜を注型した。注型は、610μm(24ミル)のギャップを有する注型用ナイフを用いて、ポリエチレンコーテッド紙の移動ベッド上で行った。注型に関連して用いた注型条件を以下の表に示す:
Figure 0004234790
各試験において用いた相対湿度は80%であった。空気循環はファンで行った。急冷および凝集の後、各々の膜を脱イオン水で洗浄し、風乾させた。得られた膜の特性を以下の表に示す:
Figure 0004234790
図5は、フィルム番号3aの1対の走査電子顕微鏡写真(SEM)を示す。図5aは、フィルム番号3aの上面図であり、膜の微孔質表面を示す。図5bは、フィルム番号3aの断面図である。各図面において、膜が良好な不斉を示すが相対的に低い表面多孔度を示していることが観察される。図6は、フィルム番号3cの1対の走査電子顕微鏡写真(SEM)を示す。図6aは、フィルム番号3cの上面図であり、膜の微孔質表面を示す。図6bは、フィルム番号3cの断面図である。各図面において、膜が良好な不斉とフィルム番号3aに相対した向上した表面多孔度とを示していることが観察される。フィルム番号3b以外の全てのまくの水透過性は全く良好である。さらに、さらに、フィルム番号3b以外の全ての膜のコールターデータは、良好な範囲にある。湿潤空気を循環させるかどうか、湿潤空気への暴露時間および急冷浴の温度は、各々関連して孔径に深く影響しているようである。空気循環なしのフィルム3Bの長時間の暴露時間と比較的高い急冷温度は、恐らくは関連して極めて“緊密”な微孔質皮膜を形成している。フィルム番号3a、3cおよび3dにおいては、湿潤空気の循環が孔の開口を助長しているようである。急冷温度と暴露時間は、3cまたは3dよりも3aにおいて孔を開口させているようである。さらに、暴露時間と急冷温度は、フィルム番号3cおよび3dの結果により観察されるのと同様な多孔度を得るような独立した変動があり得るようである。
さらに、水透過性を孔径のみではないことは興味のあることである。フィルム番号3aは、フィルム番号3cおよび3dよりも大きい孔を有するが、低い透過性を有する。このことは、図6aと比較したときの図5aにおいて見られるように減少した皮膜孔分布に基づいているようである。
例4
PVPの分子量の効果
本例においては、溶媒としてのジメチルホルマミドおよび非溶媒としての水中のポリスルホンとポリビニルピロリドンの分散液から、膜を調製し注型した。注型用液は、10.6%のポリスルホンポリマー(AMOCO社製のUdel 3500)、10%のポリビニルピロリドン(PVP、MW 360,000)、79.4%のジメチルホルマミドおよび0.5%の水とから調製した。この注型用液を室温(約20℃)に維持し、注型を、457μm(18ミル)のギャップを有する注型用ナイフを用いて、ポリエチレンコーテッド紙の移動ベッド上で行った。注型液を循環湿潤空気(70%相対湿度)に20秒間暴露した。得られた膜を水中で急冷した。膜の急冷、凝集の後、膜を脱イオン水で洗浄し、風乾させた。得られた膜の特性を以下の表に示す:
Figure 0004234790
図7は、フィルム番号4aの1対の走査電子顕微鏡写真(SEM)を示す。図7aは、フィルム番号4aの上面図であり、膜の微孔質表面を示す。図7bは、フィルム番号4aの断面図である。各図面において、膜が良好な不斉と高表面多孔度を示していることが観察される。表面多孔度は、フィルム番号3a(図5a)に対比すれば高いが、フィルム番号3c(図6a)に対比すれば低いようである。興味あるのは、フィルム番号4aの表面孔構造または分布が、フィルム番号3a(図5a)において見られる少ない表面孔とフィルム番号3c(図6a)で見られる多さとの殆ど中間にあることである。
例5
PVPの分子量の効果
本例においては、溶媒としてのジメチルホルマミド中のポリスルホンとポリビニルピロリドンの均質溶液から、膜を調製し注型した。注型用溶液は、11%のポリスルホンポリマー(AMOCO社製のUdel 3500)、5%のポリビニルピロリドン(PVP、MW 10,000)、13%のt-アミルアルコールおよび71%のジメチルホルマミドおよび0.5%の水とから調製した。この注型用溶液を40℃に加熱し、注型を、508μm(20ミル)のギャップを有する注型用ナイフを用いて、ポリエチレンコーテッド紙の移動ベッド上で行った。注型用溶液を、循環湿潤空気(70%相対湿度)に7秒間暴露した。得られた膜を43℃の水中で急冷した。膜の急冷、凝集の後、膜を脱イオン水で洗浄し風乾させた。得られた膜の特性を以下の表に示す:
Figure 0004234790
低相対湿度は、フィルム番号5aで得られた貧弱な透過性に貢献しているようである。
横方向吸上用途に関する実施例
以下の実施例は、試験装置として使用する横方向吸上用途における本発明の膜の使用に関する。これらの実施例は、本発明の膜を使用できる種々の試験用途の例示のため、そのような用途において本発明の膜の効用に関してのガイドを提供するためである。従って、以下の実施例は例示であって、限定するものではない。
例6
本発明に従って製造した膜と吸上特性を比較するため、1994年3月4日に出願された米国特許出願第08/206,114号による膜のある種のサンプル(以下、BTS-11およびBTS-Xと記す)を作成した。BTS-11およびBTS-X膜は次のようにして作成した:
Figure 0004234790
コールターで測定したとき、BTS-11膜は約0.8μmの平均微孔質皮膜孔径を有し、BTS-Xは約3.2μmの平均微孔質皮膜孔径を有していた。
例7
6で作成した各BTS膜を、本発明に従って製造した膜と、横方向吸上速度について比較した。水、青インク溶液および哺乳動物全血の吸上速度を評価した。脱イオン水を水試験に用い、青インク溶液はメチレンブルーの2%溶液であり、ヒツジ全血を血液サンプルとして用いた。また、膜を横方向に通りニトロセルロース膜である接触膜(例えば、図9参照)に接触したときの分離血漿(血液からの)の移行速度も測定した。これらの試験の結果を以下の表に示す:
Figure 0004234790
Figure 0004234790
血液分離用途における本発明の好ましい膜は、2mm/秒より速い、好ましくは、3または4mm/秒より速い速度の水横方向吸上性を示している。さらに、これらの膜は、0.3mm/秒より速い、好ましくは、0.4または0.5mm/秒より速い速度の哺乳動物血液における横方向吸上性を示している。表11および12から分かるように、膜3cは、水横方向吸上速度および血漿横方向吸上速度の両方で類のない速度を示している。その水吸上速度はおよそ5.45mm/秒であり、血漿吸上速度はおよそ0.57mm/秒である。
さらに、膜3cからのニトロセルロースへの血漿移行速度は、BTS-X膜で見られる値よりも実質的に良好である。なにか特定の理論または操作方式によって拘束することは望まないが、血漿移行速度は膜の微孔質皮膜の多孔度に相関しているものと信じられる。膜3cの微孔質皮膜表面のSEMである図6aにおいて見られるように、その皮膜極めて高度の多孔度を有している。BTS-X膜の微孔質皮膜孔径は、大きい(3.2μm)けれども、数多いほどではない(即ち、低い孔密度である)。
孔密度は、与えられた膜サンプルにおいて、一定の正方形表面領域の目的膜の表面の走査電子顕微鏡写真を得、その領域に含まれる孔の数を算定することにより容易に算定できる。一定の正方形領域で算定した孔の数を特定の参照正方形に対して単純な比率で標準化する。例えば、膜の孔密度指数は1000μm2当たりの孔の数で示される。比較目的においては、BTS-X膜中には、平均で、約8.81孔/μm2が存在する。対照的に、本発明により製造した膜は、より大きい孔密度を有する。図7aで示す膜は、例えば、約12.79孔/μm2を有する。さらに、図6aで示す膜は、およそ18.41孔/μm2を有する。即ち、本発明により製造した好ましい膜は、9孔/μm2以上の孔密度を有するものとして特徴付けできる。より好ましい実施態様においては、孔密度は、10孔/μm2以上の、さらに好ましくは、11または12孔/μm2以上である。
等価物
本発明を、その特定の実施態様に関連して説明して来たが、さらなる修正は可能であり、一般に本発明の原理に従い、且つ当該技術の公知または慣用的実務内にあり、本明細書において述べた本質的特徴に応用でき、本発明の範囲および後の請求の範囲の限定内であるような本発明の開示からの考案を含む本発明の変形、使用、および適用は全て本発明に包含されることを理解されたい。

Claims (13)

  1. 親水性一体化スルホンポリマー膜の製造方法において、該膜が微孔質皮膜とその反対側の注型表面と多孔質支持体を含み、微孔質皮膜が高有孔密度を有し、多孔質支持体が実質的に一定の孔径の流動チャンネルを構成する等方性領域と、次第に増大する孔径の流動チャンネルを構成する不斉領域とを含み、前記等方性領域が、前記微孔質皮膜から前記膜の15〜50%まで延び、前記不斉領域が前記注型表面から前記等方性領域の末端にまで延びており、前記膜の厚み方向に前記流動チャンネルが漏斗構造を有しており、前記漏斗構造の円錐部分に相当する前記不斉領域の流動チャンネルは、前記等方性領域の実質的に一定の孔径の流動チャンネルに到達するまでに次第に収縮しており、前記製造方法が、
    溶媒中に溶解した、10〜12重量%のスルホンポリマーと5〜25重量%の親水性ポリマーを含む20〜35℃の注型用ドープを調製し;このドープを非多孔質支持体上に注型して薄膜を形成させ;薄膜を、65〜80%の相対湿度で水蒸気を含むガス状環境に5〜25秒間暴露し;薄膜を30〜65℃の温度を有する水浴中で凝集させ;そして、得られた膜を前記非多孔質支持体から分離することによって回収することを特徴とする上記製造方法。
  2. ドープが均質溶液である請求項1記載の方法。
  3. ドープがスルホンポリマーの非溶媒をさらに含む請求項1記載の方法。
  4. ドープが分散液である請求項1記載の方法。
  5. 膜の微孔質皮膜が1〜5μmの平均流動孔径である孔を有する、請求項1記載の方法。
  6. スルホンポリマーがポリスルホン、ポリエーテルスルホン、およびポリアリールスルホンからなる群から選ばれる請求項1記載の方法。
  7. 親水性ポリマーがポリビニルピロリドンを含む請求項1記載の方法。
  8. 親水性ポリマーがポリビニルピロリドンを含む請求項6記載の方法。
  9. 膜が少なくとも2mm/秒の横方向水吸上速度を有する請求項1記載の方法。
  10. 前記ガス状環境が、45〜55℃の温度範囲である請求項1記載の方法。
  11. 前記薄膜を前記ガス状環境に、10〜20秒間暴露する請求項1記載の方法。
  12. 前記ガス状環境では、前記薄膜を、循環させた空気に暴露する請求項1記載の方法。
  13. 前記注型用ドープが10〜25重量%の親水性ポリマーを含む請求項1記載の方法。
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