JP4234415B2 - スライダー付きプラスチックチャックおよびチャック付き袋体 - Google Patents

スライダー付きプラスチックチャックおよびチャック付き袋体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品、薬品、電子部品の包装容器に使用され、複数回の開閉操作を繰返した後でも密閉性を保つことができ、開口が容易で再封止可能なスライダー付きプラスチックチャックおよびそのプラスチックチャックを備えた袋体に関する。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
【特許文献1】
特開平8−214920公報
【0004】
【特許文献2】
米国特許第5,067,208号明細書
【0005】
【特許文献3】
米国特許第5,664,299号明細書
【0006】
【特許文献4】
特許第2938784号公報
【0007】
【特許文献5】
特開2001−130594号公報
【0008】
【特許文献6】
国際公開公報第WO02/38459A1号
【0009】
【特許文献7】
特許第3026839号公報
【0010】
【特許文献8】
特開2002−177020号公報
【0011】
【特許文献9】
国際特許出願PCT/JP01/07648
【0012】
【特許文献10】
米国特許第6,293,701号明細書
食品、薬品、電子部品その他の物品の包装材として、プラスチックフイルムの表面に雄雌一対の鉤爪からなるプラスチックチャックを袋体の開口部に取り付けたプラスチックチャック付き袋体が多く使用されている。特に、そのチャックの開閉をスライダーで行わせるスライダー付きプラスチックチャックは開閉が容易であることから多用されている。
【0013】
このスライダーは外側と内側のガイドで構成されており、内側のガイドがプラスチックチャックの雄雌の鉤爪の間に挿入された構造を有し、内側ガイドがチャックの鉤爪を開かせ、外側ガイドがチャックの鉤爪を閉じる構造のものが通常使用されている(例えば、特許文献1(特開平8−214920公報)参照)。
【0014】
特許文献1等に開示されたこれらの通常型スライダーでは、内側ガイドがチャックの鉤爪の間に挿入されている。このため、チャックを完全に締め切っても鉤爪の間に挿入された内側ガイドと鉤爪の間から洩れを生ずる。そのために、通常型スライダーは密閉を必要とする用途には使用できず、専ら雑貨類などの密閉の必要がない用途のみに使用されていた。
【0015】
特殊な形状のプラスチックチャックとこれに適合したスライダーを用いてスライダーを閉止した状態でも密閉を保つ構造のチャックも提案されている(特許文献2(米国特許第5,067,208号明細書)、特許文献3(米国特許第5,664,299号明細書)参照)。
【0016】
これら特許文献2または特許文献3に記載のチャックでは、小さい力で外れ易くする目的で、チャックを構成するプラスチック材料の弾性を用いて密閉性を保っている。このために、このチャックでは温度変化などで弾性率が変わると開閉操作後の密閉性を持続することができず、洩れ量が増加したりする。このため液体などの洩れがあると困る内容物には上述のチャックは使用できない。
【0017】
一方、本発明者は、プラスチックの表面に形成されたプラスチックチャックの雄鉤爪の内側に該爪と平行に連続締付壁を、雌鉤爪の内側に該爪と平行に連続押付けリブを形成して、この連続締付壁と連続押付けリブとの密着性や自緊効果によって優れた持続的密閉性や耐衝撃性を有する密閉チャックを提案した(特許文献4(特許第2938784号公報)参照)。
【0018】
この特許文献4に開示された密閉チャックは、密閉性と耐衝撃性に優れ、温度による性能変化もほとんどないため、液体などの包装に適している。
【0019】
また、本発明者は、特許文献5(特開2001−130594号公報)において、この特許文献4に開示された密閉チャックに適合した密閉性を損なわないスライダーおよびこのスライダーを備えたプラスチックチャックを提案した。
【0020】
この特許文献5に開示された構成は、図12に示すように、プラスチックチャックにおける開口側の鉤爪の開口部側フランジ部に該チャックと平行にスライダー案内用の突起G2−1、G2−2を設けると共に、スライダーSのプレート部Cには、前記突起とプラスチックチャックの開口側の鉤爪との間に位置するように内側ガイドS−1を設けており、スライダーをスライドさせることにより、図13および図14に示すように密閉チャックの開閉を行えるようにしている。
【0021】
しかし、特許文献5に開示されたスライダー付きプラスチックチャックおよび該チャック付き袋体にあっては、スライダーSで閉止状態にあるプラスチックチャックを外部から突起部を引っ張ることによって開口することができるようになっているため、不正開封を防ぐことができないという難点がある。
【0022】
このようにスライダー閉止後においても不正開封が可能な構成では、不正開封されて異物を混入されるなど品質に異常をもたらす事態が発生するおそれがある。この欠点を解消するために、本発明者は、チャックのみで完全密封包装を行い、且つ密封包装後に開封されたことを検知することができるスライダー付きプラスチックチャックおよびこのチャックを備えた袋体を先に特許文献6(国際公開公報第WO02/38459A1号)として提案した。
【0023】
この特許文献6に開示した不正開封検出手段を備えたスライダー付きプラスチックチャックおよびこのチャックを備えた袋体は、図15〜図18に例示するように、プラスチックの表面に雄雌一対のチャックが形成されており、その雄鉤爪1−1の内側に鉤爪1−1に平行な連続締付け壁1−2および連続押しつけリブ1−4を有するスライダー付きプラスチックチャックにおいて、
チャックが契合された状態で連続締付け壁1−2および連続押し付けリブ1−4の表面を易剥離プラスチック層A−1、B−1で接着するとともにプラスチックの表面に雄雌一対の鉤爪5−1、5−2とそれぞれ平行に形成されたスライダー案内用突起G−1、G−2を易剥離プラスチック層A−8、B−8で接着している。
【0024】
この特許文献6にあっては、易剥離プラスチック層A−1、B−1およびA−8、B−8を引剥がした後は特許文献5に開示したスライダーで容易に開閉ができる。しかし、易剥離プラスチック層を該スライダーによって引剥す構造としているので、易剥離プラスチック層の剥離強度が安定しないことの影響を受け易く、このような影響を受けずにスライダーにより安定的に剥離するためには、スライダーの開口力を大幅に増加する必要がある。このため、スライダー案内用突起やスライダーの内側ガイドを大型化せざるを得ない。そのため、このスライダーは小型の袋に適用できないという問題点がある。
【0025】
特許文献7(特許第3026839号公報)には、チャックの開口側のフランジの端部にリブを付け。このチャックを垂下側壁部および逆U字形状の部材を有するスライダーで開閉することが開示されている。この特許文献7の構造では、開口力は容易に得られる。しかし、密閉性等に優れた本発明者の提案に係わる前記特許文献4に示す密閉チャックに特許文献7の構造を適用しようとすると、スライダー内部の逆U字形状の部材を大きくしなければならず、小型の袋に適用することができない。
【0026】
本発明者は、特許文献8(特開2002−177020号公報)において、プラスチックの表面に雄雌一対で形成されたスライダー付きプラスチックチャックにおいて、開口側に封止用鉤爪と平行に雌雄一対のチャックを設け、且つスライダーの内側ガイドを封止用鉤爪とスライダー案内用鉤爪との間に位置させたことを特徴とする不正開封を防止したスライダー付きプラスチックチャックを提案した。
【0027】
この特許文献8の場合は、先ずスライダー案内用鉤爪を開放し、開放されたスライダー案内用鉤爪にスライダーの内側ガイドを引掛けてチャックを開放するようになっている。更に、これらの発明の併用、即ち前記の特許文献6に開示した連続締付け壁と連続押しつけリブの表面を易剥離プラスチック層で接着したプラスチックチャックの開口側に、特許文献8に開示した封止用鉤爪と平行に雌雄一対のチャックを設けることもできる。しかし、特許文献8のスライダーには、前述した特許文献7I開示したスライダーと同様に、小型の袋には適用できないという問題点がある。
【0028】
本発明者は、小型スライダーでありながら強力な開封力を有するスライダー付きプラスチックチャックおよびプラスチックチャック付き袋体を、特許文献9(国際特許出願PCT/JP01/07648)において提案した。
【0029】
この特許文献9の提案では、チャックの開閉をスライダーSで行わせるようにしたスライダー付きプラスチックチャックにおいて、密閉用チャックの雄雌爪F1−1、F1−2、M1−1、M1−2のそれぞれの開口部側にフランジFLが設けられ、それぞれのフランジの端部に第2チャックまたはリブからなる第2の閉止部が形成され、契合状態にある密閉用チャックと前記第2の閉止部で接続されたフランジ部分で構成される閉鎖されたプラスチック筒の内部に楔状の開口プレートS−1を押込むことによって、
先ず密閉用チャックを開口し、該チャックが開口した後に閉止状態にあるフランジ上部を開口すること、更にスライダーの開口プレート上部に密閉用チャックと平行に接続溝が設けられ、第2チャック或いはリブを該接続溝に入れ、該接続溝の開口部に蓋を設けることによって契合状態にある密閉用チャックの雄雌爪のそれぞれの開口側フランジの端部の接続を維持することによって、小形でありながら開口力が極めて大きいスライダー付きプラスチックチャックおよびプラスチックチャック付き袋体が提供される。
【0030】
この場合に、密閉用チャックの密閉端E2の位置で、前記第2チャックやリブを開口プレートに接する部分でヒートシール等を用いて押し潰して平坦にしたり、第2チャックやリブを開口プレートに接する部分で切取り、或いは前記第2チャックやリブと密閉チャックの間のフランジ部の開口プレートに接する部分にスリットを入れている。この構造によって、図1において、A−A′近傍のスライダーSの開口端(図1においてスライダーSの左端)が密閉用チャックの密閉端E2(図1においてチャックの左端)に達したときに、図11(a)に示す如く、密閉用チャックの密閉端の位置で契合状態にある密閉用チャックと第2チャックで接続したフランジ部分で構成される閉鎖されたプラスチック筒を形成させないようにしている。その結果、開口プレートで広げられてもフランジ部分が移動したり伸長したりするため、下側の密閉用チャックを開口させる力は発生せず、密閉を保つことができる。
【0031】
しかし、第2チャックやリブを開口プレートに接する部分で切取る或いは開口プレートに接する部分でヒートシール等を用いて押し潰して平坦にしたりすることは、スライダーを安定的にチャック上に保持しにくいため、スライダーがチャックから外れ易いという欠点がある。
【0032】
また、特許文献10(米国特許第6,293,701号明細書)においては、袋体の閉口部に対向する2種類の閉止具によってチャックが形成され、各々の閉止具は、端部に鉤爪を設けた閉止部材、案内支柱、上部のフランジ、下部の接着フランジによって構成されている。スライダーは門型構造で上前チャックに跨るように装着され、門型構造の内側は、チャックの上部フランジの間に位置してスライダーをガイドするための指状突起がスライダーの進行方向の前後に2個、並びにチャックの上部フランジを開放するために楔状に配置した分離柱2個がそれそれ門型構造の頂部から垂れ下がった構造である。また、チャックの閉止端付近にノッチを設け、該ノッチの長さは分離柱の長さより大きいことを特徴としている。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】
上述した特許文献9の方法では、図11(a)の如くにならずに、図11(b)のごとくにスリット部に開口プレートが貫通した状態になることが度々発生する。この開口プレートが貫通した状態では、前述の易剥離プラスチック層で接着されたチャックを最初に引き剥がす際のように剥離強度が大きい場合は、スリット部が開口プレートによって引き裂かれてチャックが開口しない欠点がある。
【0034】
また、上述の特許文献10の形式のスライダーは上部フランジの剛性を利用してチャックを開けるために開口強度が低い場合には適用できるが、易剥離プラスチック層で接着されたチャックのように剥離強度が極めて大きい場合はフランジを厚くしたり材質を硬くする必要があるため小形の袋体には適用できない欠点がある。
【0035】
本発明は、従来の欠点を排し、小型でありながらスライダーの開口力が極めて大きく、例えば、不正開封防止のために易剥離プラスチック層で接着されたチャックのように剥離強度が極めて大きいチャックに装着された場合などであっても、密閉用チャックの閉止端においてスライダーが外れにくく、且つ安定して密閉を保持できるスライダー付きチャックを提案するものである。
【0036】
【発明の目的】
本発明は、密閉用チャックの密閉端の新たな開口防止方法を含むスライダー付きプラスチックチャックおよびそのチャック付き袋体を提供することを目的とする。
【0037】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、上記の目的を、プラスチックフイルムの表面に雄雌一対の鉤爪からなる密閉用チャックが形成されており、該チャックの開閉をスライダーで行わせるようにしたスライダー付きプラスチックチャックにおいて、
前記密閉用チャックの雄雌鉤爪の開口部側にフランジが形成されるとともに該フランジの端部に第2チャックまたはリブからなる第2の閉止部が形成されており、
契合状態にある前記密閉用チャックと閉止状態にある前記第2の閉止部との間に形成される筒状空間内に挿入される楔状の開口プレートが設けられ、
スライダーの開閉操作に際し、前記開口プレートが前記筒状空間内部に押込まれて先に前記密閉用チャックを開口した後に、前記第2の閉止部が開封されるようになっており、
前記第2の閉止部および前記密閉用チャックの開口部側フランジを切断するスリットが設けられ、該スリットの深さが前記開口プレートの最大幅の1/2以上あり、該スリットの基部とプラスチックチャックの閉止端との距離が、スライダーの開口端と閉止端の間隔より小さく、且つ該スリットの頂部とプラスチックチャックの閉止端との距離が、スライダーの開口端と前記開口プレートの最大幅の位置との間隔より大きい範囲であることを特徴とするスライダー付きプラスチックチャックにより達成する。この本発明においては、接続溝の有無は問わない。更に、より具体化した本発明においては、前記スライダーの開口プレート上部に該開口プレートと平行に接続溝が設けられるとともに該接続溝の開口部に蓋が設けられており、
スライダーの開閉操作に際し、前記第2チャックまたはリブを該接続溝に入れ、前記開口プレートが前記筒状空間内部に押込まれて前記蓋により契合状態にある密閉用チャックの雄雌爪のそれぞれの開口側フランジ端部での接続を維持しつつ先に前記密閉用チャックを開口した後に、前記第2の閉止部が開封されるようになっており、
前記スリット基部の密閉用チャックの垂線と該スリットとを挟む角度をδ、開口プレートの最大幅の位置での密閉用チャックの垂線および前記接続溝の開放点と該開口プレートの最大幅の位置とを結ぶ線がなす角度をθとして、
θ−5≦δ≦tan−1{(L1−L2)/h}
を満足することが好ましい。
【0038】
また、本発明は、上述のスライダー付きプラスチックチャックを備えた袋体を提供する。
【0039】
本発明においては第2の閉止部および前記密閉用チャックの開口部側フランジを切断するスリットを入れる。スリット或いは切欠を入れる点では特許文献7に記載されているスリット或いは切欠きと似ているが、機能は全く異なる。特許文献7ではチャックを開くためにフランジ端部のリブを開くことが必要条件であり、このリブを開かせないため、或いはリブを開いても密閉用チャックとの接続を断つためにスリット或いは切欠きが存在している。
【0040】
一方、本発明ではチャックを開放する時点においてフランジ端部のリブは特許文献7の方法のように開くことはなく、一貫して閉じており且つ柔軟なフランジを繋いでできた閉鎖されたプラスチック筒を形成させないためにスリットが存在しており、作用も構造も全く異なった構成である。
【0041】
開口のメカニズムについて言えば、本発明が閉鎖された筒状空間に楔型の開口プレートを押込むのに対して、特許文献10においては上部フランジを楔状に配置した2個の分離柱を用いて上部フランジを開くことによって開口する。このように本件発明と特許文献10の発明とは、全く異なった開口メカニズムとなっている。
【0042】
また、チャックの閉止端にノッチを設けることは特許文献10の発明と本発明とは類似しているが、本発明では幅のあるノッチは必ずしも必要ではなくスリットを入れるだけで十分である。また特許文献10ではノッチの長さは頂部から垂れ下がった分離柱の長さより大きくする必要があるのに対して、本発明ではスリットの深さは開口プレートの最大幅の二分の一以上あれば充分であり、頂部から垂れ下がった柱の高さやチャックと並行した長さは全く無関係である。
【0043】
【実施の形態】
以下、本発明の実施例を図示した図1〜図9に基づいて本発明を詳細に説明する。図1は本発明に係るスライダー付きプラスチックチャックを備えた袋体の一部(プラスチックチャック部分)を切取った概略的な斜視図であり、図2〜図5はそれぞれ図1のスライダー開口端側のA−A′断面、スライダーの開口プレート部分のB−B′断面、スライダー閉止端側のC−C′断面、スライダーのD−D′矢視断面図であり、図6は図5のE−E′矢視要部断面図、図7は袋の閉止端におけるスライダーの横断面図、図8(a)〜(d)は袋の閉止端における種々のスリットの位置を示す説明図である。図9はスライダーの開口プレート部分の断面図である。
【0044】
図1に示すように、このスライダー付きプラスチックチャックは、プラスチックフイルムFの表面に互いに嵌合可能な雄雌一対の鉤爪F1−1、F1−2、M1−1、M1−2、および連続押付壁R1、連続押付リブR2からなる密閉用チャックCH1が形成されている。また、密閉用チャックCH1の雄雌爪F−1、M−1のそれぞれの開口部側にフランジ(延設部)FLが設けられ、それぞれのフランジFLの端部に一対の鉤爪F2、M2からなる第2チャックCH2が設けられている。これらのチャックCH1、CH2の開閉をスライダーSで行うようにしている。
【0045】
この実施例のスライダーSは接続溝を具備した形状である。図1において、スライダーSの頂面は長方形形状をしており、頂面の一端(図1の左端)から開口支柱S3が垂下しており、図1において上から見ると楔状をした開口プレートS1が開口支柱S3の下端に頂面と平行に支承されている。
【0046】
図3に示すように、スライダーSの開口プレートS1の上方には、一対の第2チャック閉止壁S7の間に、開口プレートS1と平行に接続溝S4が形成され、接続溝S4の開口を覆う蓋S2が開口支柱S3から開口プレートS1の上面まで設けられている。
【0047】
スライダーSの下部には、図1〜図4に示すように、一対の脱落防止突起S5が間隔をあけて形成され、各脱落防止突起S5は密閉用チャック閉止壁S6から上述した第2チャック閉止壁S7に連なっている。なお、図1のE1、E2はそれぞれチャック開口端とチャック閉止端を示している。
【0048】
上述したようなスライダー付きプラスチックチャックにおいて、スライダーSをチャック閉止端E2の方向に(図1の左方向)にスライドすると、スライダーの閉止端側のC−C′断面に設けた密閉用チャック閉止壁S6および第2チャック閉止壁S7(図4参照)によって雄雌爪F1−1、F1−2とM1−1、M1−2およびF2とM2が嵌合し、密閉用チャックCH1と第2チャックCH2はほぼ同時にそれぞれ閉止する。
【0049】
逆にチャック開口端E1の方向(図1の右方向)にスライダーSをスライドすると、まず図4に示す如く共に嵌合した状態にある密閉用チャックCH1と第2チャックCH2で接続されたフランジ部分とで構成され閉鎖されたプラスチック筒FPの内部に、図3に示すように楔状(図1参照)をした開口プレートS1を押し込む。これによって、先ず密閉用チャックCH1が開口されるが、第2チャックCH2は契合状態を維持しながら接続溝S4の中に格納され、接続溝S4の開口が蓋S2に押さえられているため、第2チャックCH2は開口しない。
【0050】
密閉用チャックCH1が開口した後に閉止状態に保持するための接続溝S4の幅を、図6に示すように、開口支柱S3の直前で開口支柱S3の幅より広くすることによって実質的に開口防止溝の機能を解除したり或いは接続溝そのものを除去した後、図2に示す如く開口支柱S3を用いて第2チャックCH2を開口することによって、チャック付き袋体が開口する。
【0051】
以上は密閉用チャックCH1と第2チャックCH2を用いて説明したが、第2チャックCH2の代わりにリブを用いても良い。リブの形状も長方形のみならず、三角形や半円形などの異型であっても良い。更に密閉用チャックとして特許文献4で開示した特殊な密閉チャックを例示したが、これに限定されるものではなく、また、第2チャックに関しても例示したチャックに限定されることはな〈、共に如何なるチャックを用いても良い。また、本発明のチャックはテープ状に形成され、密閉用チャックの下部で袋体に溶着したチャック付き袋体にも適用される。
【0052】
前述した特許文献9では、密閉用チャックの密閉端E2の位置で、第2チャックやリブを開口プレートに接する部分でヒートシール等を用いて押し潰して平坦にしたり、第2チャックやリブを開口プレートに接する部分で切取り、或いは前記第2チャックやリブと密閉チャックの間のフランジ部の開口プレートに接する部分にフランジの長手方向にスリットを入れている。この構造によって、図1において、A−A′近傍のスライダーSの開口端(図1においてスライダーSの左端)が密閉用チャックの密閉端E2(図1においてチャックの左端)に達したときに、図11(a)に示す如く、密閉用チャックの密閉端の位置で契合状態にある密閉用チャックと第2チャックで接続したフランジ部分で構成される閉鎖されたプラスチック筒を形成させないようにしている。その結果、開口プレートで広げられてもフランジ部分が移動したり伸長したりするため、下側の密閉用チャックを開口させる力は発生せず、密閉を保つことができる。
【0053】
しかし、第2チャックやリブを開口プレートに接する部分で切取り或いは開口プレートに接する部分でヒートシール等を用いて押し潰して平坦にしたりすることは、スライダーSを安定的にチャック上に保持しにくい。このため、実際にはスライダーSがチャックから外れ易いという欠点がある。また、フランジFLの長手方向にスリットを入れた場合は、図11(a)の如くにならずに、図11(b)のごとくにスリット部に開口プレートS1が貫通した状態になることが度々発生する。
【0054】
このように開口プレートS1が貫通した状態では、前述の易剥離プラスチック層で接着されたチャックを最初に引き剥がす際のように剥離強度が大きい場合は、スリット部が開口プレートS1によって引き裂かれてチャックが開口しない欠点がある。
【0055】
そこで、本発明においては特定の構造のスリットを特定の位置に形成することにより、上述した従来技術に付随する欠点を解決しようとするものである。
【0056】
すなわち、本発明においては、第2の閉止部および密閉用チャックの開口部側フランジを切断するスリットSLが設けられ、スリットの深さhが開口プレートの最大幅の1/2以上ある。また、スリットの基部SLBとプラスチックチャックの閉止端E2との距離d′が、スライダーの開口端と閉止端の間隔L1より小さく、且つスリットの頂部とプラスチックチャックの閉止端との距離dが、スライダーの開口端と開口プレートの最大幅の位置との間隔L2より大きい範囲であることを特徴とする。ここに、スライダーの開口端とはA−A′断面側の端部EAを言い、閉止端とはC−C′側の断面の端部ECである。
【0057】
以下、図面に基き本発明のスリットにつき説明する。図8(a)においては、第2チャックまたはリブからなる第2の閉止部CH2および密閉用チャックCH1の開口部側フランジFLを切断するスリットSLを密閉チャックCH1にほぼ直立して設けている。スリットの深さhはスライダーSの開口プレートS1の最大幅の1/2以上ある。スリットSLの頂部SLTとプラスチックチャックの閉止端E2との距離をdとし、スリットSLの基部Bとプラスチックチャックの閉止端E2との距離をd′とし、距離dと距離d′の位置の間にスリットSLを設けている。距離d′はスライダーの開口端と閉止端の間隔L1より小さくしており、距離dが、スライダーの開口端と開口プレートの最大幅の位置との間隔L2より大きくしている。上記実施例においては、スライダーSが接続溝S4を具備していたが、本発明の上述の関係は接続溝の有無に関係なく成立する。
【0058】
更に、本発明をスライダーの開口プレート上部に密閉用チャックと平行に接続溝が設けられるとともに接続溝の開口部に蓋が設けられたスライダーを用いたスライダー付きプラスチックチャックに適用する場合には、
スリット基部の密閉用チャックの垂線とスリットとを挟む角度をδ、開口プレートの最大幅の位置での密閉用チャックの垂線および接続溝の開放点と開口プレートの最大幅の位置とを結ぶ線がなす角度をθとして、
θ−5≦δ≦tan−1{(L1−L2)/h}
を満足させる。ここに、開口プレートS1の最大幅の位置とは、図6においてx−x′線で示す位置であり、最大部が図6の左右方向に幅を持っている場合はその開口支柱S3側の端部を言う。
【0059】
図7において、線aは接続溝S4の開放点S34と該開口プレートS1の最大幅の位置SIMとを結ぶ線であり、開口プレートS1の最大幅の位置x−x′(図6参照)における密閉用チャックの垂線x−x″と線aとの間に挟れる角度をθと記載している。ここに、接続溝S4の開放点S34とは接続溝S4の末端或いは接続溝S4が広がって実質的に溝の機能を果たさなくなった位置で、図6および図7にはy−y′で示している。
【0060】
図8(b)においては、スリットSLの基部SLBから密閉用チャックへの垂線v−v′とスリットSLとの間に角度δがあり、垂線方向のスリットSLの深さをhとした例である。
【0061】
以下、本発明の作用を説明する。第2の閉止部CH2および密閉用チャックの開口部側フランジFLを切断するスリットSLがない場合には、チャックの開口端E1の方向から閉止端E2の方向にスライダーを移動させると、開口支柱E3を通過した第2の閉止部CH2は接続溝S4に導かれる。これにより接続溝S4内の第2の閉止部と密閉チャックCH1の間には閉鎖された筒状空間が形成され、このため、開口プレートS1の下側では密閉チャックCH1を開口しようとする力が常に働いている。このため、密閉が保てず、洩れが生じる。
【0062】
しかし、図8(a)に例示する如く、密閉チャックCH1にほぼ直立するスリットSLが、閉止端E2とスリットの頂部SLTの距離dおよび閉止端E2とスリットの基部SLBの距離d′を結ぶ位置にあり、スリットSLの基部SLBとプラスチックチャックの閉止端E2との距離d′が図5から7のスライダーの開口末端EAと閉止末端ECの間隔L1より小さく、且つスリットSLの頂部SLTとプラスチックチャックの閉止端E2との距離dがスライダーの開口端EAと前記開口プレートS1の最大幅の位置x−x′との間隔L2より大きい範囲である場合は、チャックの開口端E1の方向から閉止端E2の方向にスライダーを移動させると、開口支柱E3を通過した第2の閉止部CH2は接続溝S4への導入部分がスリットSLによって遮断されるため、接続溝S4を通らず開口プレートS1の縁を通過した後、第2チャック閉止壁S7に導かれる。従って、接続溝S4を通らず開口プレートS1の縁を通過した部分では密閉用チャックと閉止状態にある第2の閉止部との間に閉鎖された筒状空間が形成されないため、下側の密閉用チャックを開口させる力は発生せず密閉を保つことができる。
【0063】
逆に、スリットSLの基部SLBとプラスチックチャックの閉止端E2との距離d′が開口末端EAと閉止末端ECとの間隔L1より大きいと、プラスチックチャックの開口端E1と閉止端E2E2の間でスライダーを閉止端E2の方向に移動するときに、スリットSL部分で第2の閉止部CH2がスライダーの閉止末端ECにしばしば引っ掛かりスライダーが動かなくなる。
【0064】
更に、開口プレートS1の位置で密閉チャックCH1は既に開口しているため、スリットSL部で接続溝S4から外れていた第2の閉止部CH2はしばしば接続溝S4に再導入され、その結果、閉止端E2E2で再び閉鎖された筒状空間が形成されてスリットSLの効果がなくなる。
【0065】
また、スリットSLの頂部SLTとプラスチックチャックの閉止端E2との距離dがスライダーの開口末端EAと前記開口プレートS1の最大幅x−x′の位置との間隔L2より小さい場合は、プラスチックチャックの開口端E1と閉止端E2との間でスライダーを閉止端E2の方向へ移動するときに、開口プレートS1の最大幅x−x′の位置において、接続溝S4内に第2の閉止部CH2が存在するため、密閉チャックCH1の間には閉鎖された筒状空間が形成され、この結果として、開口プレートS1の下側では密閉チャックCH1を開口する力が働く。
【0066】
さらに、スライダーがチャックの閉止端E2に達したときチャックの閉止端E2を押し倒してスライダーがチャックから外れることが起こる。これに反して、スリットSLの頂部SLTとプラスチックチャックの閉止端E2との距離dがL2より大きい場合は、チャックの第2の閉止部CH2を開口プレートS1とスライダーの壁部Sの間に挟み込むため、チャックの閉止端E2でフランジ部FLが安定した形状を保つ。このため、チャックの閉止端E2が押し倒されることがないし、前述の通り、第2の閉止部との間に閉鎖された筒状空間が形成されないため下側の密閉用チャックを開口させる力は発生せず密閉を保つことができる。
【0067】
図6における開口プレートS1の最大幅の位置x−x′における密閉用チャックの垂線x−x″(図7参照)および接続溝S4の開放点S34と該開口プレートS1の最大幅の位置SIMとを結ぶ線が形成する角度θは、通常5度から10度の範囲とすることが好ましい。
【0068】
フランジFLや第2の閉止部CH2の材質や形状で変化するものの、角度θが概ね5度以内であれば、プラスチックチャックの開口端E1と閉止端E2の間でスライダーを閉止端E2の方向に移動するときに、図8(a)に例示したような密閉チャックCH1にほぼ直交するスリットSLが図7に例示した最大幅位置SIMでの密閉用チャックの垂線x−x″と接続溝S4との交点S4Mにあるときでも、スリットSLが最大幅位置SIMに至る前にフランジFLが接続溝S4の開放点S34の方向に変形するため、チャックの第2の閉止部CH2が接続溝S4へ入らず、開口プレートS1の縁を通過する。
【0069】
しかし、前記角度θが概ね10度を超える場合には、接続溝S4へ入らず開口プレートS1の縁を通過するためにはフランジFLが変形するだけでは不十分である。このため、第2の閉止部CH2および密閉用チャックの開口部側フランジFLを切断するスリットSLは、図8(b)に例示した如くに、スリットの基部SLBから密閉用チャックへの垂線v−v′とスリットSLとが挟む角度をδとすると、δはθよりも大きくすることが好ましい。更に、フランジの変形を考慮するとδはθ−5度≦δとすることが好ましい。
【0070】
本発明に係わるスライダーではδの最大値はスリットSLの位置によって変わる。δが最大値となるスリットでは、スリットの基部側がスライダーの閉止端に位置したときに、スリットの頂部側は開口プレートの最大幅の位置にあり、この場合のスライダと重なるスリットの横方向長さはL1−L2である。従って、スリットSLの垂線方向の深さをhとすると、δの最大値δmaxは、
δmax=tan−1{(L1−L2)/h}
となる。即ち、θ−5度≦δ≦tan−1{(L1−L2)/h}の範囲にあるときは第2の閉止部との間に閉鎖された筒状空間が形成されないため、下側の密閉用チャックを開口させる力は発生せず密閉を保つことができる。
【0071】
Figure 0004234415
スライダーの作動状態が異なる。
【0072】
先ず、θ−5度≦δ≦θ+5度の範囲では、開口プレートS1の最大幅の位置x−x′において開口プレートS1の外側で第2の閉止部CH2を開口プレートS1とスライダーの壁部Sの間に挟み込むため、チャックの閉止端でフランジ部FLが安定した形状を保つことができる。その結果、スライダーがチャックの閉止端で外れることはないため、望ましくはこの範囲に収めると良い。
【0073】
次に、θ+5度<δ≦tan−1{(L1−L2)/h}の範囲では、開口プレートS1の最大幅の位置x−x′をスリットの基部SLBが通過するときに、開口のために接続溝S4に導かれるべき第2の閉止部が存在しない状態となる。この状態は既に本発明者がチャック閉止端E2の処理方法として特許文献9に記載した「第2チャックやリブを開口プレートS1に接する部分でヒートシール等を用いて押し潰して平坦にしたり、第2チャックやリブを開口プレートS1に接する部分で切取ること」と実質的に同じ効果を示し、δが大きすぎるとスライダーを安定的にチャック上に保持しにくい欠点が現れるが、実際上、これらの欠点が現れにくいδの範囲はθ+5<δ≦θ+30度の範囲である。
【0074】
スリットSLを角度δでチャックの閉止端E2の方向に傾けた場合、フランジの材質や形状で変化するものの、図8(b)に例示した如く、スリットの基部SLBの密閉チャック垂線とスリットSLの第2の閉止部CH2頂部との交点PTおよびスリットのチャック開口端側の頂部SLTO間の距離Yが概ね接続溝S4の幅の1/2以上になると、高温環境でチャックを使用する場合などにスリットSL先端部の開口端側の先端SLTO部がカールしたり折れ曲がったりするため、スライダーの機能に影響を及ぼすことがある。これを防止するため図8(c)および図8(d)に例示した如く、先端部SLTO部をカットすることによって円滑なスライダー機能を保持できる。
【0075】
先端部SLTO部をカットした形状は図8(c)および図8(d)の例に限定されるものではない。図8(d)の如くにカット後のスリット端部SEがスリット基部SLBよりチャックの開口端側に位置する場合は、チャックの開口端E2とスリット端部SE間の距離d″はスライダーの開口末端EAと閉止末端ECの間隔L1より小さくする必要がある。
【0076】
【実施例1】
材質が直鎖状低密度ポリエチレン(L-LDPE)の80ミクロンの厚さのフイルムに、材質が直鎖状低密度ポリエチレン(L-LDPE)の図9に示すように幅D3が2.8mmの雄雌爪よりなる密閉用チャックの雄雌それぞれの開口側に、先端に厚さD1が0.6mmで高さが0.5mmのリブが付いた内法D2が2.8mmのフランジを付けたプラスチックチャックを開口部に設けた開口部の長さが200mm、高さ180mmのチャック付き平袋を作成した。
【0077】
このときに、図8(a)の如くに密閉用チャック部を開口端E1から3mmの長さでヒートシールを設け、且つチャックの開口端E1から10mmの位置にリブおよび密閉チャックCH1の開口部側フランジFLを切断する密閉チャックCH1に直立する深さ3mmのスリットSLを設けた。このチャック付き平袋を100枚製造し、製造ロットから20枚取り出しチャックの開口強度(単位;Kgf/5cm )を測定した結果平均値2.38、標準偏差0.036であった。
【0078】
このチャック付き平袋の開口部のチャックに、図6および図7に例示した如くの開口末端EAと閉止末端ECの間隔L1が14mm、スライダーの開口端EAと前記開口プレートS1の最大幅の位置x−x′との間隔L2が3mm、開口プレートS1の最大幅の位置x−x′での密閉用チャックの垂線x−x″と接続溝S4の開放点S34と開口プレートS1の最大幅の位置SIM(図7)を結ぶ線を挟む角度θが3度で、接続溝S4の幅L5が1.8mmで開口プレートS1の最大幅が4.5mmのスライダーを装着したスライダー付きチャック袋を20個作成した。
【0079】
これらのスライダー付きチャック袋をスライダーによって開口し、袋の内部に水を200ml入れた後にスライダーで閉止したところ容易にチャックを閉止できた。閉止に際して勢いを付けてスライダーを閉止端に衝突させても閉止端の変形や破壊は起こらなかった。この水入り袋20個を開口部が下になるように保持した状態で24時間放置した後に袋からの水漏れを検査したところ、いずれの袋からも漏れが生じていなかった。このため、この形式のスライダー付き袋は密閉性を保てると判断した。
【0080】
【比較例】
実施例1と同一のチャック付き平袋に、接続溝S4SLの開放点S34と該開口プレートS1の最大幅の位置SIMを結ぶ線を挟む角度θが20度でその他は実施例1と同一であるスライダーを装着したスライダー付きチャック袋をスライダーで開閉したところ、閉止端E2直前でスライダーの動きが急に重くなり閉止端E2直前で止まった。
【0081】
スライダーを閉止端に止めるために急激にスライダーを移動してその慣性でスライダーを閉止端に衝突させるとスライダーの内ガイドと閉止端の一部が破壊されてスライダーがチャックから外れた。このため、スライダーの動きが急に重くなり閉止端E2直前で止まった位置を閉止位置とした。
【0082】
このスライダー付き袋体20個に実施例1と同様に水を入れて、スライダーを閉止位置にした後、実施例1と同様の漏れ試験をしたところ総ての袋体のチャック部分から水が滲み出ていた。このためこの形式のスライダー付き袋は密閉性を保てないと判断した。
【0083】
【実施例2】
実施例1と同一のプラスチックチャックを使用して、図8(c)の如くに密閉用チャック部を3mmの長さでヒートシールを設け、且つ、チャックの開口端から10mmの位置が頂部となるようなリブおよび密閉チャック開口部側フランジFLを切断し、密閉チャックの垂線から20度の角度でチャックの閉止端側に傾いた、垂直深さhが3mmのスリットSLを設け、且つスリットSLのチャック開口端側をスリットSLの基部からチャックの垂線方向に切取った200mm×180mmのサイズのチャック付き平袋を20枚製造し、これに比較例に記載したスライダーと同一のスライダーを装着したスライダー付き平袋を開閉したところ、袋の閉止端までスライダーがスムーズに移動できた。閉止に際して勢いを付けてスライダーを閉止端に衝突させても閉止端E2の変形や破壊は起こらなかった。
【0084】
このスライダー付き袋体20個に実施例1と同様に水を入れて、スライダーを閉止位置にした後、実施例1と同様の漏れ試験をしたところ、いずれの袋からも漏れが生じなかった。このためこの形式のスライダー付き袋は密閉性を保てると判断した。
【0085】
【発明の効果】
本発明によれば、小型でありながらスライダーの開口力が極めて大きく、例えば、不正開封防止のためにチャックが易剥離プラスチック層で接着されたチャックのように剥離強度が極めて大きいチャックに装着された場合であっても、スライダーが外れにくく、且つ安定して密閉を保持できるスライダー付きチャックが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスライダー付きプラスチックチャックを備えた袋体の一部(プラスチックチャック部分)を切取った概略的な斜視図である。
【図2】図1のスライダー開口端E1側のA−A′断面である。
【図3】スライダーの開口プレート部分のB−B′断面である。
【図4】スライダー閉止端側のC−C′断面である。
【図5】スライダーのD−D′矢視断面図である。
【図6】図5のE−E′矢視要部断面図である。
【図7】袋の閉止端E2におけるスライダーの横断面図である。
【図8】袋の閉止端E2における種々のスリットの位置を示す説明図である。
【図9】実施例1のスライダーの開口プレート部分の断面図である。
【図10】特許文献9に開示された構成を説明する断面図である。
【図11】特許文献10に開示された構成を説明する断面図であり、(a)は特許文献10が意とした状態を示し、(b)は実際に生じる問題を示す。
【図12】特許文献5に開示された構成を説明する斜視図である。
【図13】特許文献5に開示された構成の作用を説明する断面図である。
【図14】特許文献5に開示された構成の作用を説明する断面図である。
【図15】特許文献6に開示した不正開封検出手段を備えたスライダー付きプラスチックチャックの作用を説明する断面図である。
【図16】特許文献6に開示した不正開封検出手段を備えたスライダー付きプラスチックチャックの作用を説明する断面図である。
【図17】特許文献6に開示した不正開封検出手段を備えたスライダー付きプラスチックチャックの作用を説明する断面図である。
【図18】特許文献6に開示した不正開封検出手段を備えたスライダー付きプラスチックチャックの作用を説明する断面図である。
【符号の説明】
CH1 密閉用チャック
CH2 第2の閉止部
F プラスチックフイルム
FL フランジ
S スライダー
S1 開口プレート
S2 蓋
S4 接続溝
SL スリット

Claims (3)

  1. プラスチックフイルムの表面に雄雌一対の鉤爪からなる密閉用チャックが形成されており、該チャックの開閉をスライダーで行わせるようにしたスライダー付きプラスチックチャックにおいて、
    前記密閉用チャックの雄雌鉤爪の開口部側にフランジが形成されるとともに該フランジの端部に第2チャックまたはリブからなる第2の閉止部が形成されており、
    契合状態にある前記密閉用チャックと閉止状態にある前記第2の閉止部との間に形成される筒状空間内に挿入される楔状の開口プレートが設けられ、
    スライダーの開閉操作に際し、前記開口プレートが前記筒状空間内部に押込まれて先に前記密閉用チャックを開口した後に、前記第2の閉止部が開封されるようになっており、
    前記第2の閉止部および前記密閉用チャックの開口部側フランジを切断するスリットが設けられ、該スリットの深さhが前記開口プレートの最大幅の1/2以上あり、該スリットの基部とプラスチックチャックの閉止端との距離d′が、スライダーの開口端と閉止端の間隔L1より小さく、且つ該スリットの頂部とプラスチックチャックの閉止端との距離dが、スライダーの開口端と前記開口プレートの最大幅の位置との間隔L2より大きい範囲であることを特徴とするスライダー付きプラスチックチャック。
  2. 前記スライダーの開口プレート上部に該開口プレートと平行に接続溝が設けられるとともに該接続溝の開口部に蓋が設けられており、
    スライダーの開閉操作に際し、前記第2チャックまたはリブを該接続溝に入れ、前記開口プレートが前記筒状空間内部に押込まれて前記蓋により契合状態にある密閉用チャックの雄雌爪のそれぞれの開口側フランジ端部での接続を維持しつつ先に前記密閉用チャックを開口した後に、前記第2の閉止部が開封されるようになっており、
    前記スリット基部の密閉用チャックの垂線と該スリットとを挟む角度をδ、開口プレートの最大幅の位置での密閉用チャックの垂線および前記接続溝の開放点と該開口プレートの最大幅の位置とを結ぶ線がなす角度をθとして、
    θ−5≦δ≦tan−1{(L1−L2)/h}
    を満足することを特徴とする請求項1に記載のスライダー付きプラスチックチャック。
  3. 請求項1または2に記載のスライダー付きプラスチックチャックを備えた袋体。
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