JP4233400B2 - 風車羽根のピッチ角駆動装置 - Google Patents

風車羽根のピッチ角駆動装置 Download PDF

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    • Y02E10/72Wind turbines with rotation axis in wind direction

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、風車羽根のピッチ角を調整するための風車羽根のピッチ角駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自然エネルギーを利用して発電する一形態として風力発電装置が知られているが、この風力発電装置は、風力によって回転する風車の回転エネルギー(機械的エネルギー)を発電機によって電気的エネルギーに変換するものである。
【0003】
ところで、自然において風向きや風速等は一定ではなく、これらは時事刻々と変化するため、これらの風向きや風速等の変化に対して風車羽根を常に最適なピッチ角に設定して高い発電効率を確保する必要がある。
【0004】
そこで、風車には、風向きや風速等に応じて風車羽根のピッチ角を制御するためピッチ角駆動装置が設けられるが、このピッチ角駆動装置の駆動源としては電動モータが用いられている。
【0005】
ところが、落雷等によって電源がダウンしたような非常時には、ピッチ角駆動装置の駆動源である電動モータの作動が停止して風車羽根のピッチ角が固定されるため、風車羽根はそのまま回転し続けるという不具合が発生する。
【0006】
そこで、商用電源以外をエネルギー源として作動する補助駆動源を並設し、非常時には補助駆動源によって風車羽根を所定のリセット位置(フラッグ位置)まで回動させて該風車羽根の回転を停止させることが行われており、補助駆動源としては、バネの付勢力を利用したバネ式蓄力装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0007】
ところが、上記バネ式蓄力装置は、大容量のバネを必要とするために大型化し、スペースに制約を伴う風車への設置には不向きであるという問題を有している。
【0008】
そこで、非常用バッテリーを電源として作動する補助電動モータを補助駆動源として並設することが考えられる。
【0009】
【特許文献1】
ドイツ特許第19720025号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のように補助電動モータを非常用の駆動源として用いる場合、ピッチ角駆動装置に2つの電動モータ(正常運転時に作動する主電動モータと非常時に作動する補助電動モータ)を取り付ける必要があるため、装置自体が大型化及び高重量化するという問題が生じる。
【0011】
又、補助電動モータと非常用バッテリーが高コスト化を招くとともに、寿命による非常用バッテリーの定期的な交換が必要でメンテナンスに手間を要するという問題も生ずる。
【0012】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、小型・軽量化とコストダウン及びメンテナンスフリーを実現することができる風車羽根のピッチ角駆動装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、正常運転時に作動する主電動モータと非常時に作動する補助モータとを並設し、前記主電動モータ又は補助モータの回転を切換手段によって選択的に風車羽根に伝達してそのピッチ角を調整する風車羽根のピッチ角駆動装置において、前記補助モータを、アキュームレータを油圧源として作動する油圧モータで構成したことを特徴とする。
【0014】
従って、請求項1記載の発明によれば、非常時に作動する補助モータを、電動モータに比して小型・コンパクトに構成し得る油圧モータで構成したため、装置の小型・軽量化を図ることができる。又、非常時にはアキュームレータに貯留された圧油によって油圧モータが機械的に確実に作動するため、電気的な駆動に比して高い信頼性を確保することができるとともに、電動モータにおいて必要であった非常用バッテリーの定期的な交換が不要となってメンテナンスフリーを実現することができる。更に、アキュームレータは場所を選ばず任意の位置に設置することができるため、風車内のスペースを有効に利用することができる。
【0015】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記切換手段を、非常時にONして前記油圧モータの回転を前記風車羽根に伝達する電磁クラッチ又は油圧クラッチで構成したことを特徴とする。
【0016】
従って、請求項2記載の発明によれば、非常時に電磁クラッチ又は油圧クラッチをONして油圧モータの回転を風車羽根に伝達し、該風車羽根を所定のリセット位置まで回動させることができるが、特に油圧クラッチを用いれば、その駆動源としての電源が不要となる。
【0017】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、油圧ポンプから前記アキュームレータに供給される油圧が設定値を超えると前記油圧ポンプの駆動を停止させる圧力電磁スイッチを設けたことを特徴とする。
【0018】
従って、請求項3記載の発明によれば、アキュームレータ内には常に所定圧の圧油が貯留され、アキュームレータの内圧は設定値に保たれる。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の発明において、前記油圧モータからの戻り油路の途中に、通常作動時に閉じる電磁開閉弁を設けたことを特徴とする。
【0020】
従って、請求項4記載の発明によれば、通常作動時において何らかの原因で切換手段がOFFされないでON状態を維持したまま油圧モータが主電動モータによって駆動される場合においても、オイルパン内のオイルが戻り油路から油圧モータに吸引されることがない。このため、油圧モータに負圧が発生してキャビテーションを起こすことがなく、該油圧モータの損傷が防がれる。
【0021】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載の発明において、前記アキュームレータから前記油圧モータに至る送り油路から分岐してオイルパンに至るバイパス油路の途中に、非常時における風車羽根のリセット位置近傍において作動して前記バイパス油路を開くカム弁を設けたことを特徴とする。
【0022】
従って、請求項5記載の発明によれば、非常時に風車羽根がリセット位置へと戻される過程において、風車羽根がリセット位置の直前まで回動された時点で、カム弁が作動してバイパス油路を開くため、アキュームレータからの圧油は油圧モータをバイパスしてバイパス油路を通ってオイルパンに戻され、この結果、油圧モータのトルクが低く抑えられ、羽根がリセット位置にセットされる際に受ける衝撃が緩和される。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0024】
図1は風車のロータボス部の部分正断面図、図2は本発明に係るピッチ角駆動装置の断面図である。
【0025】
図1に示す風車1は、風力発電装置に設けられるものであって、その回転エネルギーは不図示の発電機によって電気的エネルギーに変換される。
【0026】
ところで、図1に示すように、風車1のロータボス2には3枚の羽根3が放射状に等角度ピッチ(120°ピッチ)で取り付けられているが、各羽根3は、ロータボス2の外周部にその軸中心回りに回動可能に取り付け支持されており、そのピッチ角は、ロータボス2に取り付けられた本発明に係るピッチ角駆動装置10によって最適に制御される。
【0027】
即ち、各羽根3の基端部には、リングギヤ4が複数のボルト5とこれら螺合するナット6によって取り付けられており、各羽根3は、そのピッチ角が調整可能なように、ボールベアリング7によってロータボス2の外周部にその軸中心回りに回動可能に支持されている。尚、前記リングギヤ4はボールベアリング7の内輪を構成し、ボルト8によってロータボス2に取り付けられたリング状部材9がボールベアリング7の外輪を構成している。
【0028】
又、各羽根3に対して各々設けられた前記ピッチ角駆動装置10は、ロータボス2の内部に収容固定されており、これは、正常運転時に作動する主電動モータ11と非常時に作動する補助モータとしての油圧モータ12とを並設し、これらの主電動モータ11又は油圧モータ12の回転を減速機13を経て各羽根3に伝達してそのピッチ角を調整するものである。ここで、前記減速機13の出力軸14の端部には小径のギヤ15が取り付けられており、このギヤ15は前記リングギヤ4に噛合している。
【0029】
ここで、本発明に係るピッチ角駆動装置10の構成の詳細を図2に基づいて説明する。
【0030】
前記ロータボス2(図1参照)に固定されたギヤボックス16の一側には、前記主電動モータ11と油圧モータ12が取り付けられており、同ギヤボックス16の他側の主電動モータ11に対向する位置には前記減速機13が取り付けられている。尚、本実施の形態では、主電動モータ11は、商用電源によって駆動される正逆転可能なAC又はDCサーボモータで構成されており、これには主電動モータ11の回転方向と回転角度及び回転数を検出するための不図示のエンコーダが内蔵されている。
【0031】
前記主電動モータ11の出力軸18のギヤボックス16内に臨む端部には大小異径のギヤ19,20が刻設されており、ギヤ20には前記減速機13のギヤ21が噛合している。
【0032】
ここで、減速機13は偏心揺動型減速機(詳細は例えば特開2003−83400号公報参照)であって、これは、主電動モータ11の出力軸18の回転を前記ギヤ20及び21と2個のRVギヤ22によって2段減速して出力軸14に伝達するものであって、出力軸14の端部には前記ギヤ15が取り付けられている。
【0033】
他方、前記油圧モータ12は、ハウジング23を介してギヤボックス16に取り付けられており、その出力軸24は主電動モータ11の出力軸18と平行に配され、その回転は、ハウジング23内に設けられた切換手段としての電磁クラッチ25によって回転軸26に選択的に伝達される。
【0034】
ここで、電磁クラッチ25は、リード線27から電磁石28への通電によってOFFして油圧モータ12の出力軸24と回転軸26との連結を遮断し、非常時に電磁石28への通電が遮断されると不図示のスプリングの付勢力によってONして油圧モータ12の出力軸24と回転軸26とを連結する。
【0035】
又、油圧モータ12の出力軸24と同軸に配された前記回転軸26のギヤボックス16内に臨む部位には小径のギヤ29が刻設されており、このギヤ29は、大径のアイドラギヤ30に噛合しており、アイドラギヤ30は、主電動モータ11の出力軸18に形成された前記ギヤ19に噛合している。
【0036】
次に、前記油圧モータ12を駆動するための油圧回路の構成を図3に基づいて説明する。
【0037】
前記油圧モータ12は、アキュームレータ31を油圧源として作動するものであって、アキュームレータ31には、電動モータ32によって駆動される油圧ポンプ33から所定圧の圧油が逆止弁34を経て供給されて貯留される。即ち、電動モータ32によって油圧ポンプ33が駆動されると、オイルパン35内のオイルが油路aから吸引されて油圧ポンプ33によって所定圧(=150〜250kg/cm2 )まで昇圧され、この昇圧されたオイル(圧油)は前記逆止弁34を押し開いて油路bを経てアキュームレータ31に供給されて貯留される。
【0038】
ここで、油路bの途中から分岐して前記オイルパン35に至る油路cの途中にはリリーフ弁36が設けられており、このリリーフ弁36は、油圧ポンプ33から吐出される圧油の圧力が設定値(=150〜250kg/cm2 )を超えると開いて圧油を油路cからオイルパン35へと戻し、アキュームレータ31に供給される圧油の圧力を設定値以下に保持する。
【0039】
又、アキュームレータ31の近傍には圧力電磁スイッチ37が設けられており、この圧力電磁スイッチ37は、アキュームレータ31内の圧力が設定値を超えると電動モータ32への通電を遮断して油圧ポンプ33の駆動を停止させる。つまり、アキュームレータ31内に所定圧の圧油が十分貯留されると、油圧ポンプ33の駆動が停止され、アキュームレータ31内の圧油が消費されてアキュームレータ31内の圧力が下がると、圧力電磁スイッチ37によって電動モータ32への通電がなされて該電動モータ32によって油圧ポンプ33が駆動され、アキュームレータ31に所定圧の圧油が供給されて貯留される。
【0040】
ところで、アキュームレータ31から前記油圧モータ12に至る送り油路dの途中には電磁開閉弁38が設けられており、該電磁開閉弁38は、通電時に閉じてアキュームレータ31から油圧モータ12への圧油の供給を遮断し、非通電時に開いてアキュームレータ31から油圧モータ12への圧油の供給を許容する。
【0041】
又、油圧モータ12からオイルパン35へと至る戻り油路eの途中には流量調整弁39と電磁開閉弁40が設けられており、電磁開閉弁40は、通電時に閉じてオイルパン35から油圧モータ12への圧油の吸い込みを防ぎ、非通電時に開いて油圧モータ12からオイルパン35への圧油の戻りを許容する。
【0042】
更に、前記送り油路eから分岐してオイルパン35に至るバイパス油路fの途中には、非常時における羽根3のリセット位置(図3に鎖線にて示す位置)近傍において不図示のカムによって機械的に作動せしめられてバイパス油路fを開くカム弁41が設けられている。
【0043】
尚、本発明に係るピッチ角駆動装置10は各羽根3に対してそれぞれ設けられ、従って、本実施の形態においては3セットのピッチ角駆動装置10が設けられ、これに伴い油圧回路中のアキュームレータ31、圧力電磁スイッチ37、電磁開閉弁38,40、流量調整弁39、カム弁41等も羽根3の枚数分(本実施の形態では、3セット)設けられるが、油圧ポンプ33とこれを駆動する電動モータ32及びリリーフ弁36はそれぞれ1つずつ設けられ、これらは全ピッチ角駆動装置10に対して共用される。
【0044】
次に、以上の構成を有するピッチ角駆動装置10の作用について説明する。
【0045】
先ず、商用電源を使用することができる通常作動時においては、図1に示す風車1は、3枚の羽根3が自然の風を受けることによって回転し、その回転は不図示のロータ及び増速機を経て増速されて不図示の発電機に伝達され、発電機によって発電されて風車1の回転エネルギー(機械的エネルギー)が電気的エネルギーに変換される。
【0046】
ここで、風向きや風速等の変化に対して各羽根3を常に最適なピッチ角に設定して高い発電効率を維持するために、各羽根3のピッチ角は本発明に係るピッチ角駆動装置10によってそれぞれ制御されて常に最適値に調整される。
【0047】
即ち、風車1には不図示の風向計と風速計が設けられており、これらの風向計と風速計によって検出された風向きと風速は不図示のコントローラに送信される。すると、コントローラは、検出された風向きと風速に対して各羽根3の最適ピッチ角を求め、各羽根3のピッチ角が最適値となるよう主電動モータ11の駆動を制御する。
【0048】
ところで、この通常作動時においては、油圧回路の電磁開閉弁38,40には共に通電がなされているため、図3に示すように、これらの電磁開閉弁38,40は共にA位置に切り換えられて閉じられている。従って、アキュームレータ31から油圧モータ12への圧油の供給が遮断され、油圧モータ12は非作動状態を維持している。又、通常作動時には、カム弁41はC位置に切り換えられて閉状態にあり、アキュームレータ31からの圧油のオイルパン35への戻りは遮断されている。
【0049】
又、通常作動時においては、各ピッチ角駆動装置10の電磁クラッチ25には通電がなされているため、前述のように該電磁クラッチ25はOFF状態にあり、油圧モータ12の出力軸24と回転軸26との連結は遮断されている。
【0050】
而して、前述のようにコントローラによって主電動モータ11が駆動制御されると、その出力軸18の回転は、ギヤ20,21を経て減速機13に伝達され、該減速機13によって減速されて出力軸14へと出力される。すると、出力軸14と共にギヤ15が回転し、該ギヤ15に噛合するリングギヤ4(図1参照)が回動するため、該リングギヤ4と共に各羽根3が図3に実線にて示す位置を起点として所定の方向に所定角度だけ回動せしめられ、そのピッチ角が最適値に調整される。尚、このとき、主電動モータ11の回転軸18の回転は、ギヤ19、アイドラギヤ30及びギヤ29を経て回転軸26に伝達されるが、通常作動時には電磁クラッチ25への通電がなされて該電磁クラッチ25がOFFされているため、回転軸26の回転は油圧モータ12の出力軸24へは伝達されず、油圧モータ12は非作動状態を維持している。
【0051】
ところで、油圧回路の戻り油路eの途中に設けられた電磁開閉弁40は、通常作動時には前述のように閉状態にあるため、何らかの原因で電磁クラッチ25がOFFされないでON状態を維持したまま油圧モータ12が主電動モータ11によって駆動される場合においても、オイルパン35内のオイルが戻り油路eから油圧モータ12に吸引されることがない。このため、油圧モータ12に負圧が発生してキャビテーションを起こすことがなく、該油圧モータ12の損傷が防がれる。
【0052】
而して、落雷等によって停電が発生した非常時には、主電動モータ11への通電が遮断されて該主電動モータ11の駆動が停止されると同時に、電磁クラッチ25及び油圧回路の電磁開閉弁38,40への通電が遮断されるため、電磁クラッチ25がONされて油圧モータ12の出力軸24と回転軸26とが連結されるとともに、図4に示すように、電磁開閉弁38,40は共にB位置に切り換えられて開かれる。
【0053】
上述のように、電磁開閉弁38,40が開かれると、アキュームレータ31に蓄えられていた圧油が図4に矢印にて示すように送り油路dから油圧モータ12へと供給されて該油圧モータ12が駆動され、その出力軸24の回転は、ON状態にある電磁クラッチ25を経て回転軸26に伝達され、更にギヤ29、アイドルギヤ30及びギヤ19を経て主電動モータ11の出力軸18に伝達されて該出力軸18が回転駆動される。そして、主電動モータ11の出力軸18の回転は、通常作動時と同様に、ギヤ20,21を経て減速機13に伝達され、該減速機13によって減速されて出力軸14へと出力される。すると、出力軸14と共にギヤ15が回転し、該ギヤ15に噛合するリングギヤ4(図1参照)が回動するため、該リングギヤ4と共に各羽根3が図4に実線にて示すリセット位置(風の方向に対する羽根3の仰角が0となる位置)まで回動せしめられる。
【0054】
尚、油圧モータ12の駆動に供された圧油は、流量調整弁39と電磁開閉弁40を通過してオイルパン35に戻されるが、その流量及び圧力が流量調整弁39によって調整されることによって、油圧モータ12の回転数とトルクが任意に調整される。
【0055】
而して、上述のように各羽根3がリセット位置へと戻される過程において、各羽根3がリセット位置の直前まで回動された時点で、前記リングギヤ4の一部に形成された不図示カムが油圧回路の前記カム弁41を作動させる。すると、図5に示すように、カム弁41がC位置からD位置に切り換えられてバイパス油路fが開かれ、アキュームレータ31からの圧油は、図5に矢印にて示すように、油圧モータ12をバイパスしてバイパス油路fを通ってオイルパン35に戻される。従って、羽根3がリセット位置に至る直前においては油圧モータ12のトルクが低く抑えられ、羽根3がリセット位置にセットされる際に受ける衝撃が緩和される。
【0056】
そして、各羽根3が図4及び図5に実線にて示すリセット位置まで回動すると、各羽根3の風に対する仰角が0となるため、非常時において風車1は回転を停止してその安全が確保される。
【0057】
以上のように、本発明に係るピッチ角駆動装置10においては、非常時に作動する補助モータを、電動モータに比して小型・コンパクトに構成し得る油圧モータ12で構成したため、装置の小型・軽量化を図ることができる。
【0058】
又、非常時にはアキュームレータ31に貯留された圧油によって油圧モータ12が機械的に確実に作動するため、電気的な駆動に比して高い信頼性を確保することができるとともに、電動モータにおいて必要であった非常用バッテリーの定期的な交換が不要となってメンテナンスフリーを実現することができる。
【0059】
更に、油圧モータ12の駆動源としてのアキュームレータ31は場所を選ばず任意の位置に設置することができるため、風車1内のスペースを有効に利用することができる。
【0060】
尚、以上の実施の形態では、切換手段を電磁クラッチで構成したが、切換手段を油圧クラッチで構成し、非常時に油圧クラッチを油圧でONさせて油圧モータの回転を風車羽根に伝達するようにしても良い。このように、油圧で作動する油圧クラッチを採用すれば、駆動源としての電源が不要となる。
【0061】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、正常運転時に作動する主電動モータと非常時に作動する補助モータとを並設し、前記主電動モータ又は補助モータの回転を切換手段によって選択的に風車羽根に伝達してそのピッチ角を調整する風車羽根のピッチ角駆動装置において、前記補助モータを、アキュームレータを油圧源として作動する油圧モータで構成したため、当該ピッチ角駆動装置の小型・軽量化とコストダウン及びメンテナンスフリーを実現することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】風車のロータボス部の部分正断面図である。
【図2】本発明に係るピッチ角駆動装置の断面図である。
【図3】本発明に係るピッチ角駆動装置の油圧回路図(通常作動時)である。
【図4】本発明に係るピッチ角駆動装置の油圧回路図(非常時)である。
【図5】本発明に係るピッチ角駆動装置の油圧回路図(非常時において風車羽根がリセット位置にセットされる直前の状態)である。
【符号の説明】
1 風車
2 ロータボス
3 羽根(風車羽根)
4 リングギヤ
10 ピッチ角駆動装置
11 主電動モータ
12 油圧モータ(補助モータ)
13 減速機
15 ギヤ
25 電磁クラッチ(切換手段)
31 アキュームレータ
32 電動モータ
33 油圧ポンプ
35 オイルパン
36 リリーフ弁
37 圧力電磁スイッチ
38 電磁開閉弁
39 流量調整弁
40 電磁開閉弁
41 カム弁
a〜c 油路
d 送り油路
e 戻り油路
f バイパス油路

Claims (5)

  1. 正常運転時に作動する主電動モータと非常時に作動する補助モータとを並設し、前記主電動モータ又は補助モータの回転を切換手段によって選択的に風車羽根に伝達してそのピッチ角を調整する風車羽根のピッチ角駆動装置において、
    前記補助モータを、アキュームレータを油圧源として作動する油圧モータで構成したことを特徴とする風車羽根のピッチ角駆動装置。
  2. 前記切換手段を、非常時にONして前記油圧モータの回転を前記風車羽根に伝達する電磁クラッチ又は油圧クラッチで構成したことを特徴とする請求項1記載の風車羽根のピッチ角駆動装置。
  3. 前記アキュームレータ内の油圧が設定値を超えると前記油圧ポンプの駆動を停止させる圧力電磁スイッチを設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の風車羽根のピッチ角駆動装置。
  4. 前記油圧モータからの戻り油路の途中に、通常作動時に閉じる電磁開閉弁を設けたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の風車羽根のピッチ角駆動装置。
  5. 前記アキュームレータから前記油圧モータに至る送り油路から分岐してオイルパンに至るバイパス油路の途中に、非常時における風車羽根のリセット位置近傍において作動して前記バイパス油路を開くカム弁を設けたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の風車羽根のピッチ角駆動装置。
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