JP4232380B2 - Method for manufacturing composite optical element - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂製の光学層を有した複合型光学素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光学素子の1つに、互いに異なる光学的作用を有した2つの層を密着させてその機能を高めた複合型光学素子がある。
位相型回折光学素子(ゾーンプレート、回折格子)にも、例えば、表面に位相型回折面を有したガラス製の光学層上に樹脂製の光学層を形成したものがある。
【0003】
なお、ガラス製の光学層とは、隣接する媒質との境界面が光学面としての機能を果たす光学ガラス(クラウンガラス、石英ガラス、蛍石、その他)からなる層であり(以下、単に「ガラス層」という。)、樹脂製の光学層とは、隣接する媒質との境界面が光学面としての機能を果たす光学樹脂(ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメタクリル酸、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、その他)からなる層である(以下、単に「樹脂層」という。)。
【0004】
また、樹脂層は、ガラス層と別に形成されてから接着されるのではなく、液状の樹脂をガラス層上に塗布して固化することで直接形成されるので、その径はガラス層の外径よりも若干小さく設定されることが一般的である。
図7は、複合型光学素子の樹脂層11を形成する手順を説明する図である。なお、以下では、複合型光学素子が樹脂層とガラス層との2層構造とされた例を説明する。
【0005】
予め、ガラス層としての機能を果たすよう成形されたガラス基板10(ここでは、表面に位相型回折面10aを有したものとする。)を用意し(図7(a))、その上に、光学樹脂の未硬化物11’を塗布する(図7(b))
このとき、未硬化物11’は、回折面10aの凹凸の隅々までまだ行き渡っていない。
【0006】
ここで、未硬化物11’の塗布量は、樹脂層11の厚さの設計値t、径の設計値D、及び未硬化物11’の硬化収縮率αに応じて決まる。
その後、この未硬化物11’に対し、表面11aの側から型13(図7(c))を当て、未硬化物11’を押し広げる(図7(d))。
なお、型13は、未硬化物11’に当接する面が、樹脂層11の表面11aに付与すべき形状の反転形状に予め加工された金属などである。
【0007】
この、型13と基板10との間隔dは、樹脂層11の厚さの設計値tに保たれる。
なお、図7(c)の符号12は、ガラス基板10をその周縁から支持する治具である。
その状態で、未硬化物11’に硬化用の熱や光が加えられ、未硬化物11’は、径方向に収縮する。
【0008】
硬化後の未硬化物11’(樹脂層11)の厚さ及び径はそれぞれの設計値t、Dとなり、複合型光学素子1が完成する。その後、複合型光学素子1が離型される(図7(e))。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、完成した複合型光学素子1においては、樹脂層11の回折面10aの近傍(凹凸の底部)に気泡が混入したり、また、樹脂層11の表面11aにうねりが発生したりして、所望の光学特性が得られないことがある。
【0010】
また、樹脂層11の径には、誤差が生じることがあるが、一般に、光学素子の径方向のサイズの誤差は、他の部分(例えば、厚さ)のサイズの誤差と比較すると、許容できずに不良品となることがある。
例えば、樹脂径が大きくなり過ぎて、ガラス基板10の径を超えてしまうと、樹脂層11の端面11bが滑らかにならないことがあり、複合型光学素子1が不良品となったり、その端面11bを整えるための余分な工程を要したりすることもある。また、逆に樹脂径が小さくなり過ぎ、有効径より小さくなると、光学素子は所望の光学特性を得られない。
【0011】
以上のような問題は、樹脂層11の形成の歩留まりを悪くし、ひいては、複合型光学素子1の歩留まりをも悪くする。
歩留まりを向上するためには、樹脂層11の形成に使用する装置(図7(c)(d)の工程で使用する成形機等)や、樹脂層11の材料などに、上記各問題が無くなるよう何らかの工夫を施すことが考えられるが、それらは何れも開発コストがかかる。
【0012】
よって、仮に、複合型光学素子1の設計段階の工夫で歩留まり向上が可能となれば、安価なので好ましい。そこで本発明は、樹脂層を有した複合型光学素子の形成方法に変更を加えることなく、その歩留まりを高めることのできる複合型光学素子の製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の複合型光学素子の製造方法の一態様は、光学材料からなる第1の光学層上に、樹脂製の第2の光学層の材料である樹脂の未硬化物を、その第2の光学層の厚さ及び形成範囲の設計値とに応じて供給して型を当て、その型と前記第1の光学層との間隔を前記第2の光学層の厚さの設計値tに保つ型当て工程と、前記型を当てた状態で前記未硬化物を硬化させて前記第2の光学層を前記第1の光学層上に定着させる硬化工程とを有した複合型光学素子の製造方法であって、前記第2の光学層の厚さの設計値tは、その第2の光学層の径の設計値Dと、前記間隔の位置決めの最大誤差量Δdmaxと、その第2の光学層の径の最大許容誤差量ΔDmaxとに対し、ΔDmax≧|Dt0.5((t±Δdmax)−0.5−t−0.5)|の式を満たすよう決定されることを特徴とする。
【0017】
本発明の複合型光学素子の製造方法の一態様は、光学材料からなる第1の光学層上に、樹脂製の第2の光学層の材料である樹脂の未硬化物を、その第2の光学層の厚さ及び形成範囲の設計値とその樹脂の硬化収縮率とに応じて供給して型を当て、その型と前記第1の光学層との間隔を前記第2の光学層の厚さの設計値tに保つ型当て工程と、前記型を当てた状態で前記未硬化物を硬化させて前記第2の光学層を前記第1の光学層上に定着させる硬化工程とを有した複合型光学素子の製造方法であって、前記第2の光学層の厚さの設計値tは、前記未硬化物の径の最大許容量Dmaxと、前記間隔の位置決めの最大誤差量Δdmaxと、その第2の光学層の径の設計値Dと、前記樹脂の硬化収縮率α(%)とに対し、Dmax≧(D+(Dt0.5((t−Δdmax)−0.5−t−0.5))/((1−0.01α)1/3)の式を満たすよう決定されることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0021】
[第1実施形態]
図1、図2を参照して本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態の複合型光学素子1の設計方法を説明する図である。本実施形態で設計すべき複合型光学素子1は、ガラス層と樹脂層とが密着してなる。以下、ガラス基板10上に樹脂層11を形成した2層構造とする。そして、少なくとも樹脂層11は、図7に示した従来例と同様の方法で形成される(詳細は第4実施形態を参照)。また、ガラス基板10の表面(ガラス基板10と樹脂層11との境界面)には位相型回折面10aが形成される。
【0022】
このような複合型光学素子1の設計で決定すべきパラメータには、回折面10aの凹凸の段差(格子高)、ガラス基板10の厚さ及び径、樹脂層11の厚さ及び径が含まれる。
従来、設計時に考慮された条件は、主に、使用者の要求スペックを満たすための条件であり、複合型光学素子1の製造の歩留まりを向上させるための条件は含まれていなかった(因みに、樹脂層11及びガラス基板10の材料については、歩留まりを向上させるために最適化されることもあったが、少なくとも、厚さや径についてはそのように最適化されることはなかった。)。
【0023】
従来例では、歩留まりを悪くする要因として、樹脂層11の回折面10aの近傍に気泡が混入したり、樹脂層11の表面11aにうねりが生じたりすることを挙げた。
そこで、本実施形態の設計時の条件には、「樹脂層11の形成時に回折面10aの凹凸の底部近傍に気泡が混入せず、かつ、樹脂層11の表面11aのうねりが十分に小さくなるための条件」を付加する。
【0024】
図2は、樹脂層11の厚さの設計値tを変化させた場合の気泡の有無及びうねり量の変化を調べた実験結果を示す図である。
実験では、樹脂層11の厚さの設計値tを、30μm,60μm,75μm,90μmに変化させてそれぞれ複合型光学素子1を形成した。このとき、回折面10aの凹凸の段差(格子高)hの設計値は一定の15μmとした。
【0025】
また、各形成時、未硬化物11’(図7(b)参照)の塗布量、ガラス基板10と型13との間隔d(図7(d)参照)は、何れも樹脂層11の厚さの設計値t、樹脂層11の径の設計値D、及び未硬化物11’の硬化収縮率αに応じて従来と同様に設定された。
うねりの指標は、形成後の樹脂層11の表面11aの面形状を実測して得られる、P−V値(Peak to Valley)とした。P−V値が大きいほど、うねりが大きい。
【0026】
図2に明らかなように、樹脂層11の厚さの設計値tの格子高hに対する比(t/h)が2→4→5→6と増加するに従って、気泡は無くなり、うねりも少なくなる。
その理由は、次のとおりと考えられる。
未硬化物11’を硬化する直前の状態(図7(d)参照)において、回折面10aの高さが急激に変化する部分(崖部)は、未硬化物11’の厚さが急激に変化している。そして、未硬化物11’が硬化用の熱又は光の照射により収縮すると、未硬化物11’内でその厚さが急激に変化している部分では、そうでない部分よりも大きな応力が発生する。このような応力の不均一が、樹脂層11の内部に気泡を発生させたり、樹脂層11の表面11aにうねりを発生させたりする。
【0027】
しかし、図2によれば、特に、比(t/h)が5以上であるときに、気泡が無くなり、かつうねりが5.0(μm)以下(十分に許容範囲内である。)に抑えられることが分かる。
したがって、本実施形態の設計時の条件として、「t≧5h」を付加する。こうすれば、樹脂層11に対する気泡の混入及び表面11aに対するうねりの発生は、確実に抑えられるので、樹脂層11の形成の歩留まりが向上する。
【0028】
なお、使用者の要求スペックを満たすための条件を満たしつつ、歩留まりを向上させるためのこの条件(t≧5h)については、厚さの設計値tに対し付加すればよい。
以上、本実施形態の設計方法によれば、樹脂層11の形成方法に何ら変更を加えていないにも拘わらず、樹脂層11の形成の歩留まりが高まる。
【0029】
[第2実施形態]
図3、図4を参照して本発明の第2実施形態について説明する。図3は、本実施形態の複合型光学素子1の設計方法を説明する図である。本実施形態で設計すべき複合型光学素子1は、ガラス層と樹脂層とが密着してなる。以下、ガラス基板10上に樹脂層11を形成した2層構造とする。そして、少なくとも樹脂層11は、図7に示した従来例と同様の方法で形成される(詳細は第4実施形態を参照)。
【0030】
さて、従来例で説明したように、樹脂層11の実際の径<D>(設計値D)に生じる誤差ΔDは、複合型光学素子1の特性を大きく左右するので、樹脂層11の形成の歩留まりを悪くする要因となっている。
そこで、本実施形態の設計時の条件には、「樹脂層11の実際の径<D>(設計値D)に生じる誤差ΔDの大きさ|ΔD|を、最大許容誤差量ΔDmax(ΔDmax>0)以下に確実に収めるための条件(|ΔD|≦ΔDmax)」を付加する。なお、最大許容誤差量ΔDmaxは、使用者の要求スペックに応じて決まる。
【0031】
本実施形態においても、樹脂層11の厚さの設計値tに対し特定の条件を付加することを考える。
図4は、樹脂層11の形成時(未硬化物11’の硬化時)の様子を示す図である。
上述したように、未硬化物11’の硬化時におけるガラス基板10と型13との間隔の設定値dは、樹脂層11の厚さの設計値tとされ、実際の厚さ<t>は、実際の間隔<d>に一致するとみなせる(d=t,<d>=<t>)。
【0032】
しかしながら、その実際の間隔<d>は、その設定値dに一致しているとは限らない。ガラス基板10と型13との間隔の位置決めには、誤差(位置決め誤差)Δdが生じるからである。
よって、樹脂層11の厚さの誤差Δtは、ガラス基板10と型13との位置決め誤差Δdに一致する(式(1))。
【0033】
Δt=Δd ・・・(1)
一方、完成後の複合型光学素子1の樹脂層11(図3参照)の実際の体積<V>(=π<t>(<D>/2)2)は、その理想値V(=πt(D/2)2)に一致するとみなせる。
なぜなら、実際の体積<V>は、ガラス基板10に対する未硬化物11’の塗布量によって決まるが、その塗布量は、樹脂層11の厚さの設計値tと、樹脂層11の径の設計値Dと、未硬化物11’の硬化収縮率αとに応じて十分に高い精度で制御可能だからである。
【0034】
よって、実際の径<D>と実際の厚さ<t>との間には、式(2)が成り立つ。
V=π<t>(<D>/2)2 ・・・(2)
そして、式(2)において、<t>をt〜(t+Δt)まで変化させたときの<D>の変化量から、樹脂層11の径(設計値D)の誤差ΔDが式(3)のとおり得られる。
【0035】
ΔD=2(V/π)0.5((t+Δt)-0.5−t-0.5) ・・・(3)
式(1)、式(3)、及びV=πt(D/2)2に基づけば、樹脂層11の径の誤差ΔDは、厚さの設計値t、径の設計値D、位置決め誤差Δdにより式(4)のとおり表すことができる。
ΔD=Dt0.5((t+Δd)-0.5−t-0.5) ・・・(4)
さて、上記したようにこの樹脂層11の径の誤差ΔDの大きさ|ΔD|を、最大許容誤差量ΔDmax以下に確実に収めるためには、位置決め誤差Δdの大きさ|Δd|が0〜最大誤差量Δdmax(Δdmax>0)の何れであるときにも、誤差ΔDの大きさ|ΔD|が最大許容誤差量ΔDmax以下に収まっていなければならない。
【0036】
式(4)に基づけば、そのための条件式は、式(5)となる。
ΔDmax≧|Dt0.5((t±Δdmax)-0.5−t-0.5)| ・・・(5)
よって、本実施形態では、樹脂層11の厚さの設計値tに、式(5)で表される条件を満足させればよい。
そのようにすれば、樹脂層11の径の誤差ΔDの大きさ|ΔD|は許容誤差量ΔDmax以下に確実に収まるので、複合型光学素子1の製造方法に何ら変更を加えていないにも拘わらず、樹脂層11の形成の歩留まりが高まる。
【0037】
なお、位置決め誤差Δdの最大誤差量Δdmaxについては、樹脂層11の形成に用いられる成形機などに固有なので、予め測定しておくことができる。
[第3実施形態]
図5、図6を参照して本発明の第3実施形態について説明する。
【0038】
図5は、本実施形態の複合型光学素子1の設計方法を説明する図である。
本実施形態で設計すべき複合型光学素子1は、ガラス層と樹脂層とが密着してなる。以下、ガラス基板10上に樹脂層11を形成した2層構造とする。そして、少なくとも樹脂層11は、図7に示した従来例と同様の方法で形成される(詳細は第4実施形態を参照)。
【0039】
さて、従来例で説明したように、樹脂層11の端面11bの形状不良は、複合型光学素子1を不良品にしたり余分な工程を要したりするので、複合型光学素子1の歩留まりを悪くする要因となっている。
そこで、本実施形態の設計時の条件には、「樹脂層11の端面11bの形状不良を確実に抑えるための条件」を付加する。
【0040】
本実施形態においても、樹脂層11の厚さの設計値tに対し特定の条件を付加することを考える。
図6は、樹脂層11の形成時(未硬化物11’の硬化直前時)の様子を示す図である。
ガラス基板10は外周部の下側から治具12によって支持され、未硬化物11’にはその表面11a’の側から型13が押し当てられる(但し、型13とガラス基板10との間隔dは、樹脂層11の厚さの設計値tに保たれる。)。
【0041】
樹脂層11の端面11bの形成不良は、このときの未硬化物11’の実際の径<D’>が最大許容量Dmax(Dmax>0)よりも大きくなり、未硬化物11’が治具12に接触したり治具12から溢れたりした場合に生じる。
よって、形成不良が確実に抑えられるためには、
Dmax≧<D’> ・・・(6)
でなければならない。
【0042】
因みに、一般に、治具12の構造上、最大許容量Dmaxは、ガラス基板10の外径Aよりも1.6mm小さく、Dmax=A−1.6mmである。
ここで、未硬化物11’の実際の径<D’>は、樹脂層11の実際の径<D>の硬化収縮前の値である。
未硬化物11’の硬化収縮率(体積収縮率)をα(%)とおき、厚さ方向の収縮を無視すれば、硬化後の径<D>は、硬化前の径<D’>の(1−0.01α)1/3倍となるので、
<D>=(1−0.01α)1/3<D’> ・・・(7)
が成り立つ。よって、式(8)より式(9)が成り立つ。
【0043】
D+ΔD=(1−0.01α)1/3<D’> ・・・(8)
<D’>=(D+ΔD)/((1−0.01α)1/3) ・・・(9)
式(9)により、式(6)は、式(10)のように表される。
Dmax≧(D+ΔD)/((1−0.01α)1/3) ・・・(10)
ここで、式(10)の右辺中、ΔD(樹脂層11の径の誤差)は、第2実施形態の式(4)のとおり、位置決め誤差Δdと厚さの設計値tとにより決まる。よって、式(10)は、式(11)で表される。
【0044】
Dmax≧(D+(Dt0.5((t+Δd)-0.5−t-0.5))/(1−0.01α)1/3) ・・・(11)
そして、形成不良が確実に抑えられるためには、位置決め誤差Δdの大きさ|Δd|が0〜最大誤差量Δdmax(Δdmax>0)の何れであるときにも、式(11)が成立しなければならない。そのたの条件式は、式(12)となる。
【0045】
Dmax≧(D+(Dt0.5((t±Δdmax)-0.5−t-0.5))/(1−0.01α)1/3) ・・・(12)
また、式(12)は式(13)のように簡略化できる。
Dmax≧(D+(Dt0.5((t−Δdmax)-0.5−t-0.5))/(1−0.01α)1/3) ・・・(13)
なぜなら、未硬化の樹脂11’が治具12に接触したり治具12から溢れたりして形成不良が生じ得るのは、間隔dの誤差Δdが負となったとき(式(12)のΔdmaxに付与される符号が「−」のとき)のみだからである。
【0046】
したがって、本実施形態では、樹脂層11の厚さの設計値tに対し、式(13)で表される条件を満足させればよい。
そのようにすれば、樹脂層11の端面11bの形状は確実に良好となるので、樹脂層11の形成方法に何ら変更を加えていないにも拘わらず、樹脂層11の形成の歩留まりが高まる。
【0047】
なお、位置決め誤差Δdの最大誤差量Δdmaxについては、樹脂層11の形成に用いられる成形機などに固有なので、予め測定しておくことができる。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態について説明する。
【0048】
本実施形態は、上記各実施形態の設計方法を適用して複合型光学素子1を製造するものである。なお、ここで製造するのは、ガラス層と樹脂層の2層構造であり、かつその境界面に位相型回折面を有した複合型光学素子1とする。
製造手順は、以下の工程(1)(2)(3)(4)(5)(6)を有する。工程(3)以降については、従来例と同じであるので、図7を参照して説明する。
【0049】
(1)複合型光学素子1のガラス基板10及び樹脂層11の設計が行われる。
なお、ガラス基板10及び樹脂層11は、他の光学素子と同様、その面方向の形状は円形に成形されている。また、樹脂層11は、ガラス基板10の上に直接形成されるので(工程(3)以降)、その径はガラス基板10の外径よりも若干小さく設定される。
【0050】
この設計で決定すべきパラメータには、ガラス基板10の厚さ及び径、樹脂層11の厚さ及び径、回折面10aの凹凸の段差(格子高)などが含まれる。
但し、本実施形態では、この設計に、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態の何れか又は全部の設計方法が適用される。
(2)工程(1)で決定されたパラメータに基づいて、位相型の回折面10aを有したガラス基板10を成形する(詳細は後述)。
【0051】
ガラス基板10の材料としては、クラウンガラス、石英ガラス、蛍石、その他の光学ガラスが使用可能である。
(3)ガラス基板10の回折面10a上に、樹脂層11の材料である樹脂の未硬化物11’を塗布する(図7(b)参照)。
樹脂層の材料としては、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメタクリル酸などの他、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、その他の光学樹脂が使用可能である。
【0052】
この未硬化物11’の塗布量などは、工程(1)で決定した樹脂層11の厚さの設計値t、径の設計値D、及び未硬化物11’の硬化収縮率α(未硬化物11’の種類により決まる。)に応じて従来と同様に設定される。
(4)この未硬化物11’に対し、表面11a’の側から型13を当て、回折面10aの凹凸の底部にまで未硬化物11’を行き渡らせる(図7(d)参照)。このとき、型13と基板10との間隔dは、樹脂層11の厚さの設計値tに保たれる。
【0053】
なお、図7では、型13は、未硬化物11’に当接する面が平面となっているが、例えば、樹脂層11の表面11aを曲率rの凸面にしたい場合には、曲率rの凹面に予め加工された型を使用すればよい。
(5)間隔dを厚さの設計値tに保ちつつ、未硬化物11’に硬化用の熱や光を加える。
【0054】
(6)基板10上に樹脂層11が形成されてなる複合型光学素子1が完成し、離型される(図7(e))。
なお、ガラス基板10の成形(工程(2))は、例えば、次の(A)(B)(C)の何れかにより行われる。
(A)ガラス基板10の材料である光学ガラスの表面に、切削加工などの機械加工を施して回折面10aの凹凸を形成する。(B)ガラス基板10の材料である光学ガラスの表面に、フォトリソグラフィにより微細加工したレジスト層を前記ガラス表面に形成し、その後、イオンエッチングによりレジスト層のパターン形状を転写して回折面10aの凹凸を成形する。(C)ガラス基板10の材料である光学ガラスを、軟化させた上で、その表面に凹凸状の成形面を有した金型を押し当てることで回折面10aの凹凸状に成形する(所謂ガラスモールド法である。)。
【0055】
なお、本実施形態において、工程(1)における樹脂層11の設計の一部又は全部は、ガラス基板10の成形(工程(2))の後に行われてもよい。
[その他]
各図では、複合型光学素子の各光学面が平面(又は平面上に凹凸の形成されたもの)となっているが、曲面(凹又は凸の球面、回転対称非球面)としてもよい。
【0056】
また、各実施形態では、樹脂層と密着させる光学層を、ガラス層としたが、樹脂層とは異なる特性を有しているのであれば、如何なる材料からなる光学層であってもよい。
また、第2実施形態、第3実施形態では、樹脂層とガラス基板との境界面を、回折面(凹凸面)としたが、滑らかな面(曲面又は平面)としてもよい。
【0057】
また、各実施形態では、樹脂層とガラス基板との各光学面を透過面としたが、何れかの面を反射面としてもよい。
【0058】
【実施例】
[第1実施例]
光学ガラス製のガラス基板上に光学樹脂製の樹脂層が形成され、かつ両者の境界面に位相型回折面を有した回折光学素子を複数個作製した。
【0059】
回折面の格子高さhは15μm、格子ピッチPは200μmとした。
また、光学樹脂としてはUV硬化性樹脂の未硬化物を使用し、その硬化は、UV照射により行った。
本実施例では、樹脂層の厚さの設計値tを、100μmとした。これは、格子高さhの5倍以上であるので、第1実施形態のところで説明した条件式(t/h≧5)を満たしている。
【0060】
実際、各製造品の樹脂層の表面を測定すると、殆どの製造品においてうねりはみられず、しかも、気泡の混入はみられなかった。
比較のため、樹脂層の厚さの設計値tを格子高さhの5倍より小さい50μmとして作製したところ、うねりと気泡とが共に発生している製造品が見つかった。
【0061】
[第2実施例]
第1実施例と同様、光学ガラス製のガラス基板上に光学樹脂製の樹脂層が形成され、かつ両者の境界面に位相型回折面を有した回折光学素子を複数個作製した。この回折光学素子に対する要求スペックから、樹脂層の径の許容誤差ΔDmaxは、1.0mmであった。また、樹脂層の成形時におけるガラス基板と型との位置決め誤差の最大量Δdmaxが4μmであった。
【0062】
本実施例では、樹脂層の径の設計値Dを50mm、厚さの設計値tを200μmとした。これは、第2実施形態のところで説明した条件(式(5))を満たしている。
実際、各製造品の樹脂層の径を測定すると、不良品(すなわち径の誤差ΔDの大きさ|ΔD|が許容誤差量ΔDmaxより大きくなったもの)はほとんどなかった。
【0063】
比較のため、樹脂層の径の設計値Dを50mm、厚さの設計値tを100μmとしたところ(式(5)を満たさない。)、50%の割合で不良品となった。
[第3実施例]
第1実施例や第2実施例と同様、光学ガラス製のガラス基板上に光学樹脂製の樹脂層が形成され、かつ両者の境界面に位相型回折面を有した回折光学素子を複数個作製した。
【0064】
樹脂層の材料として、硬化収縮率α=6%のアクリル系樹脂を使用した。また、ガラス基板の外径Aは52.3mmm、よって、未硬化物の径の最大許容量Dmaxは52.3−1.6=50.7mmであった。
本実施例では、樹脂層の径の設計値Dを50mm、厚さの設計値tを200μmとした。これは、第3実施形態のところで説明した条件(式(13))を満たしている。
【0065】
実際、各製造品の樹脂層の端面を測定すると、不良品はなく、全て良好に形成されていることが分かった。
比較のため、樹脂層の径の設計値Dを50mm、厚さの設計値tを100μmとしたところ(式(13)を満たさない。)、50%の割合で端面が不良となった。
【0066】
【発明の効果】
以上本発明によると、樹脂層を有した複合型光学素子の形成方法に変更を加えることなく、その歩留まりを高めることのできる複合型光学素子の製造方法が実現した。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の複合型光学素子1の断面図である。
【図2】樹脂層11の厚さの設計値tを変化させた場合の気泡の有無及びうねり量の変化を調べた実験結果を示す図である。
【図3】第2実施形態の複合型光学素子1の断面図である。
【図4】樹脂層11の形成時(未硬化物11’の硬化時)の様子を示す図である。
【図5】第3実施形態の複合型光学素子1の断面図である。
【図6】樹脂層11の形成時(未硬化物11’の硬化直前時)の様子を示す図である。
【図7】複合型光学素子の樹脂層11を形成する手順を説明する図である。
【符号の説明】
1 複合型光学素子
10 ガラス基板
10a 回折面
11 樹脂層
11’ 未硬化物
11a 樹脂層11の表面
11a’ 未硬化物11’の表面
12 治具
13 型[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing a composite optical element having a resin optical layer.InRelated.
[0002]
[Prior art]
As one of optical elements, there is a composite optical element in which two layers having different optical actions are brought into close contact with each other to improve the function.
Some phase-type diffractive optical elements (zone plates, diffraction gratings) have, for example, a resin-made optical layer formed on a glass optical layer having a phase-type diffractive surface on the surface.
[0003]
The optical layer made of glass is a layer made of optical glass (crown glass, quartz glass, fluorite, etc.) whose boundary surface with an adjacent medium functions as an optical surface (hereinafter simply referred to as “glass”). Layer "), an optical layer made of resin, an optical resin (polycarbonate, polystyrene, polymethacrylic acid, acrylic resin, urethane resin, epoxy resin) whose boundary surface with an adjacent medium functions as an optical surface. A layer made of resin, etc. (hereinafter simply referred to as “resin layer”).
[0004]
In addition, since the resin layer is not formed and bonded after being formed separately from the glass layer, it is formed directly by applying a liquid resin on the glass layer and solidifying, so that the diameter is the outer diameter of the glass layer. Generally, it is set to be slightly smaller.
FIG. 7 is a diagram illustrating a procedure for forming the
[0005]
Prepare a glass substrate 10 (in this case, it has a phase-type
At this time, the
[0006]
Here, the application amount of the
Thereafter, the mold 13 (FIG. 7C) is applied to the uncured product 11 'from the
The
[0007]
The distance d between the
In addition, the code |
In this state, curing heat or light is applied to the
[0008]
The thickness and diameter of the
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the completed composite
[0010]
In addition, an error may occur in the diameter of the
For example, if the resin diameter becomes too large and exceeds the diameter of the
[0011]
The problems as described above worsen the yield of forming the
In order to improve the yield, the above-mentioned problems are eliminated in the apparatus used for forming the resin layer 11 (such as a molding machine used in the steps of FIGS. 7C and 7D) and the material of the
[0012]
Therefore, if the yield can be improved by devising the design stage of the composite
[0015]
[Means for Solving the Problems]
Of the present inventionMethod for manufacturing composite optical elementOne aspectIsOn the first optical layer made of an optical material, an uncured product of resin, which is a material of the second optical layer made of resin, is set according to the thickness of the second optical layer and the design value of the formation range. Supplying a mold, applying a mold, and maintaining a distance between the mold and the first optical layer at a design value t of the thickness of the second optical layer; and uncured with the mold applied A method for producing a composite optical element, comprising: a curing step of curing an object to fix the second optical layer on the first optical layer,The design value t of the thickness of the second optical layer includes the design value D of the diameter of the second optical layer, the maximum error amount Δdmax of the positioning of the gap, and the maximum of the diameter of the second optical layer. With respect to the allowable error amount ΔDmax, ΔDmax ≧ | Dt0.5((T ± Δdmax)-0.5-T-0.5) | Is determined to satisfy the expression.
[0017]
Of the present inventionMethod for manufacturing composite optical elementOne aspectIsOn the first optical layer made of the optical material, an uncured product of the resin that is the material of the second optical layer made of resin, the design value of the thickness and formation range of the second optical layer, and the resin A mold application step for supplying the mold in accordance with the curing shrinkage rate, and a mold application process for maintaining the distance between the mold and the first optical layer at the design value t of the thickness of the second optical layer; A curing process for curing the uncured product in a contact state and fixing the second optical layer on the first optical layer,The design value t of the thickness of the second optical layer is the maximum allowable amount Dmax of the diameter of the uncured material, the maximum error amount Δdmax of the positioning of the interval, and the design value of the diameter of the second optical layer. Dmax ≧ (D + (Dt) with respect to D and the curing shrinkage α (%) of the resin0.5((T-Δdmax)-0.5-T-0.5)) / ((1-0.01α)1/3) To satisfy the formula (1).
[0020]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
[0021]
[First Embodiment]
1 and 2The first embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. FIG. 1 is a diagram for explaining a design method of the composite
[0022]
The parameters to be determined in the design of the composite
Conventionally, the conditions considered at the time of designing are mainly the conditions for satisfying the user's required specifications, and the conditions for improving the production yield of the composite
[0023]
In the conventional example, as a factor that deteriorates the yield, bubbles are mixed in the vicinity of the
Therefore, the design condition of the present embodiment is that “at the time of forming the
[0024]
FIG. 2 is a diagram showing experimental results obtained by examining the presence or absence of bubbles and the change in the amount of undulation when the design value t of the thickness of the
In the experiment, the composite
[0025]
In each formation, the coating amount of the
The waviness index was a PV value (Peak to Valley) obtained by actually measuring the surface shape of the
[0026]
As apparent from FIG. 2, as the ratio (t / h) of the thickness t of the
The reason is considered as follows.
In the state immediately before the
[0027]
However, according to FIG. 2, particularly when the ratio (t / h) is 5 or more, there are no bubbles, and the undulation is suppressed to 5.0 (μm) or less (sufficiently within an allowable range). You can see that
Therefore, “t ≧ 5h” is added as a condition for designing the present embodiment. By so doing, the mixing of bubbles into the
[0028]
In addition, what is necessary is just to add with respect to the design value t of thickness about this condition (t> = 5h) for improving a yield, satisfy | filling the conditions for satisfy | filling a user's requirement specification.
As described above, according to the design method of the present embodiment, the yield of formation of the
[0029]
[Second Embodiment]
3 and 4A second embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. FIG. 3 is a diagram for explaining a design method of the composite
[0030]
As described in the conventional example, the error ΔD generated in the actual diameter <D> (design value D) of the
Therefore, the design condition of the present embodiment is that “the magnitude of the error ΔD occurring in the actual diameter <D> (design value D) of the
[0031]
Also in this embodiment, it is considered that a specific condition is added to the design value t of the thickness of the
FIG. 4 is a diagram illustrating a state when the
As described above, the set value d of the distance between the
[0032]
However, the actual interval <d> does not always coincide with the set value d. This is because an error (positioning error) Δd occurs in positioning the distance between the
Therefore, the thickness error Δt of the
[0033]
Δt = Δd (1)
On the other hand, the actual volume <V> (= π <t> (<D> / 2) of the resin layer 11 (see FIG. 3) of the completed composite optical element 1)2) Is its ideal value V (= πt (D / 2)2).
This is because the actual volume <V> is determined by the application amount of the
[0034]
Therefore, Equation (2) is established between the actual diameter <D> and the actual thickness <t>.
V = π <t> (<D> / 2)2 ... (2)
Then, in equation (2), from the amount of change in <D> when <t> is changed from t to (t + Δt), the error ΔD of the diameter (design value D) of the
[0035]
ΔD = 2 (V / π)0.5((T + Δt)-0.5-T-0.5(3)
Formula (1), Formula (3), and V = πt (D / 2)2Based on the above, the diameter error ΔD of the
ΔD = Dt0.5((T + Δd)-0.5-T-0.5(4)
As described above, in order to ensure that the magnitude | ΔD | of the diameter error ΔD of the
[0036]
Based on Expression (4), the conditional expression for that is Expression (5).
ΔDmax ≧ | Dt0.5((T ± Δdmax)-0.5-T-0.5) | (5)
Therefore, in the present embodiment, the design value t of the thickness of the
In this case, the magnitude | ΔD | of the diameter error ΔD of the
[0037]
Note that the maximum error amount Δdmax of the positioning error Δd is specific to the molding machine used for forming the
[Third Embodiment]
5 and 6The third embodiment of the present invention will be described with reference to FIG..
[0038]
FIG. 5 is a diagram for explaining a design method of the composite
The composite
[0039]
As described in the conventional example, the defective shape of the
Therefore, “conditions for reliably suppressing the shape defect of the
[0040]
Also in this embodiment, it is considered that a specific condition is added to the design value t of the thickness of the
FIG. 6 is a diagram illustrating a state when the
The
[0041]
The defective formation of the
Therefore, in order to reliably suppress formation defects,
Dmax ≧ <D ′> (6)
Must.
[0042]
In general, the maximum allowable amount Dmax is 1.6 mm smaller than the outer diameter A of the
Here, the actual diameter <D ′> of the
If the curing shrinkage (volume shrinkage) of the
<D> = (1-0.01α)1/3<D '> (7)
Holds. Therefore, Expression (9) is established from Expression (8).
[0043]
D + ΔD = (1−0.01α)1/3<D '> (8)
<D '> = (D + ΔD) / ((1-0.01α)1/3(9)
From equation (9), equation (6) is expressed as equation (10).
Dmax ≧ (D + ΔD) / ((1-0.01α)1/3(10)
Here, ΔD (error in the diameter of the resin layer 11) in the right side of the equation (10) is determined by the positioning error Δd and the thickness design value t, as in equation (4) of the second embodiment. Therefore, Formula (10) is represented by Formula (11).
[0044]
Dmax ≧ (D + (Dt0.5((T + Δd)-0.5-T-0.5)) / (1-0.01α)1/3(11)
In order to surely suppress the formation failure, the equation (11) must be satisfied when the magnitude | Δd | of the positioning error Δd is any of 0 to the maximum error amount Δdmax (Δdmax> 0). I must. The other conditional expression is expression (12).
[0045]
Dmax ≧ (D + (Dt0.5((T ± Δdmax)-0.5-T-0.5)) / (1-0.01α)1/3(12)
Moreover, Formula (12) can be simplified like Formula (13).
Dmax ≧ (D + (Dt0.5((T-Δdmax)-0.5-T-0.5)) / (1-0.01α)1/3(13)
This is because the
[0046]
Therefore, in the present embodiment, the condition represented by Expression (13) may be satisfied with respect to the design value t of the thickness of the
By doing so, the shape of the
[0047]
Note that the maximum error amount Δdmax of the positioning error Δd is specific to the molding machine used for forming the
[Fourth Embodiment]
A fourth embodiment of the present invention will be described..
[0048]
In the present embodiment, the composite
The manufacturing procedure includes the following steps (1), (2), (3), (4), (5), and (6). Step (3) and subsequent steps are the same as in the conventional example, and will be described with reference to FIG.
[0049]
(1) The
In addition, the
[0050]
The parameters to be determined in this design include the thickness and diameter of the
However, in this embodiment, any or all of the design methods of the first embodiment, the second embodiment, and the third embodiment are applied to this design.
(2) Based on the parameters determined in the step (1), the
[0051]
As a material of the
(3) On the
As a material of the resin layer, in addition to polycarbonate, polystyrene, polymethacrylic acid, etc., acrylic resin, urethane resin, epoxy resin, and other optical resins can be used.
[0052]
The coating amount of the
(4) The
[0053]
In FIG. 7, the
(5) Heat or light for curing is applied to the
[0054]
(6) The composite
In addition, shaping | molding (process (2)) of the
(A) The surface of the optical glass that is the material of the
[0055]
In the present embodiment, part or all of the design of the
[Others]
In each figure, each optical surface of the composite optical element is a flat surface (or an uneven surface formed on the flat surface), but may be a curved surface (a concave or convex spherical surface, a rotationally symmetric aspheric surface).
[0056]
In each embodiment, the optical layer to be in close contact with the resin layer is a glass layer, but an optical layer made of any material may be used as long as it has different characteristics from the resin layer.
Moreover, in 2nd Embodiment and 3rd Embodiment, although the boundary surface of a resin layer and a glass substrate was made into the diffraction surface (uneven surface), it is good also as a smooth surface (curved surface or plane).
[0057]
In each embodiment, each optical surface of the resin layer and the glass substrate is a transmission surface, but any one of the surfaces may be a reflection surface.
[0058]
【Example】
[First embodiment]
A plurality of diffractive optical elements each having a resin layer made of an optical resin on a glass substrate made of optical glass and having a phase type diffractive surface at the boundary surface between them were produced.
[0059]
The diffraction surface has a grating height h of 15 μm and a grating pitch P of 200 μm.
Further, an uncured UV curable resin was used as the optical resin, and curing was performed by UV irradiation.
In this example, the design value t of the resin layer thickness was set to 100 μm. Since this is 5 times or more of the lattice height h, the conditional expression (t / h ≧ 5) described in the first embodiment is satisfied.
[0060]
Actually, when the surface of the resin layer of each manufactured product was measured, no swell was observed in most of the manufactured products, and air bubbles were not mixed.
For comparison, when the design value t of the resin layer thickness was set to 50 μm, which was smaller than 5 times the lattice height h, a manufactured product in which both swells and bubbles were generated was found.
[0061]
[Second Embodiment]
In the same manner as in the first example, a plurality of diffractive optical elements having a resin layer made of optical resin on a glass substrate made of optical glass and having a phase type diffractive surface at the boundary surface between them were prepared. From the required specifications for this diffractive optical element, the tolerance ΔDmax of the diameter of the resin layer was 1.0 mm. Further, the maximum amount Δdmax of positioning error between the glass substrate and the mold at the time of molding the resin layer was 4 μm.
[0062]
In this example, the design value D of the diameter of the resin layer was 50 mm, and the design value t of the thickness was 200 μm. This satisfies the condition (formula (5)) described in the second embodiment.
Actually, when the diameter of the resin layer of each manufactured product was measured, there was almost no defective product (that is, the diameter error ΔD magnitude | ΔD | larger than the allowable error amount ΔDmax).
[0063]
For comparison, when the design value D of the diameter of the resin layer was 50 mm and the design value t of the thickness was 100 μm (the expression (5) was not satisfied), it was defective at a rate of 50%.
[Third embodiment]
As in the first and second embodiments, a plurality of diffractive optical elements having a resin layer made of optical resin on a glass substrate made of optical glass and having a phase-type diffractive surface at the boundary surface between them are prepared. did.
[0064]
As a material for the resin layer, an acrylic resin having a curing shrinkage rate α = 6% was used. Further, the outer diameter A of the glass substrate was 52.3 mm, and thus the maximum allowable amount Dmax of the diameter of the uncured product was 52.3-1.6 = 50.7 mm.
In this example, the design value D of the diameter of the resin layer was 50 mm, and the design value t of the thickness was 200 μm. This satisfies the condition (formula (13)) described in the third embodiment.
[0065]
In fact, when the end face of the resin layer of each manufactured product was measured, it was found that there were no defective products and all were well formed.
For comparison, when the design value D of the diameter of the resin layer was 50 mm and the design value t of the thickness was 100 μm (Formula (13) was not satisfied), the end face was defective at a rate of 50%.
[0066]
【The invention's effect】
As mentioned above, according to this invention, the manufacturing method of the composite type optical element which can raise the yield, without adding a change to the formation method of the composite type optical element which has the resin layerButIt was realized.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view of a composite
FIG. 2 is a diagram showing experimental results obtained by examining the presence or absence of bubbles and the change in the amount of undulation when the design value t of the thickness of the
FIG. 3 is a cross-sectional view of a composite
FIG. 4 is a diagram showing a state when a
FIG. 5 is a cross-sectional view of a composite
FIG. 6 is a diagram showing a state when the
FIG. 7 is a diagram illustrating a procedure for forming a
[Explanation of symbols]
1 Compound optical element
10 Glass substrate
10a Diffraction surface
11 Resin layer
11 'uncured material
11a The surface of the
11a 'Surface of the uncured material 11'
12 Jig
Claims (2)
前記型を当てた状態で前記未硬化物を硬化させて前記第2の光学層を前記第1の光学層上に定着させる硬化工程と
を有した複合型光学素子の製造方法であって、
前記第2の光学層の厚さの設計値tは、その第2の光学層の径の設計値Dと、前記間隔の位置決めの最大誤差量Δdmaxと、その第2の光学層の径の最大許容誤差量ΔDmaxとに対し、
ΔDmax≧|Dt0.5((t±Δdmax)-0.5−t-0.5)|の式を満たすよう決定される
ことを特徴とする複合型光学素子の製造方法。On the first optical layer made of an optical material, an uncured product of resin, which is a material of the second optical layer made of resin, is set according to the thickness of the second optical layer and the design value of the formation range. A mold application step of supplying and applying a mold, and maintaining a distance between the mold and the first optical layer at a design value t of the thickness of the second optical layer;
A curing step of curing the uncured material in a state where the mold is applied and fixing the second optical layer on the first optical layer, comprising:
The design value t of the thickness of the second optical layer includes the design value D of the diameter of the second optical layer, the maximum error amount Δdmax of the positioning of the gap, and the maximum of the diameter of the second optical layer. For the allowable error amount ΔDmax,
ΔDmax ≧ | Dt 0.5 ((t ± Δdmax) −0.5 −t −0.5 ) | is determined so as to satisfy the formula.
前記型を当てた状態で前記未硬化物を硬化させて前記第2の光学層を前記第1の光学層上に定着させる硬化工程と
を有した複合型光学素子の製造方法であって、
前記第2の光学層の厚さの設計値tは、前記未硬化物の径の最大許容量Dmaxと、前記間隔の位置決めの最大誤差量Δdmaxと、その第2の光学層の径の設計値Dと、前記樹脂の硬化収縮率α(%)とに対し、
Dmax≧(D+(Dt0.5((t−Δdmax)-0.5−t-0.5))/((1−0.01α)1/3)の式を満たすよう決定される
ことを特徴とする複合型光学素子の製造方法。On the first optical layer made of the optical material, an uncured product of the resin that is the material of the second optical layer made of resin, the design value of the thickness and formation range of the second optical layer, and the resin A mold application step for supplying the mold in accordance with a curing shrinkage rate, and maintaining a distance between the mold and the first optical layer at a design value t of the thickness of the second optical layer;
A curing step of curing the uncured material in a state where the mold is applied and fixing the second optical layer on the first optical layer, comprising:
The design value t of the thickness of the second optical layer is the maximum allowable amount Dmax of the diameter of the uncured product, the maximum error amount Δdmax of positioning of the interval, and the design value of the diameter of the second optical layer. For D and the curing shrinkage rate α (%) of the resin,
Dmax ≧ (D + (Dt 0.5 ((t-Δdmax) -0.5 -t -0.5)) / (( compound optical, characterized in that it is determined to satisfy the equation of 1-0.01α) 1/3) Device manufacturing method.
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