JP4232077B2 - 光学式記録媒体を用いた情報処理装置及び光学式ヘッド装置 - Google Patents

光学式記録媒体を用いた情報処理装置及び光学式ヘッド装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の発光源を含む光学系(光集積型素子等)を用いた光学ヘッド装置において、波長が異なる2つのビームについて光路差を最小化するよう発光源及び受光部を配置することで、両波長についてデフォーカス(焦点外れ)の差を低減するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンパクトディスク(CD)やディジタルビデオディスク(DVD、あるいはDigital Versatile Disk)等の光学式記録媒体を使用する装置では、記録媒体の情報を読み取ったり、該記録媒体に所望の情報を記録するために光学式ヘッド装置(あるいは光学ピックアップ装置)が使用される。
【0003】
例えば、異なる2波長のレーザ光を用いて2種類のディスクについて情報再生又は記録を行うことが可能な、2波長対応型の光ピックアップ装置の場合、波長の異なる2つのビームを選択的に照射するためのレーザダイオード(LD)と、グレーティング、偏光ビームスプリッタ、コリメータ、対物レンズ、ホログラフィック光学素子(HOE)、受光素子(フォトディテクタ)を、それぞれ個別の部品として備えた構成が挙げられる。このような光学系は「ディスクリート光学系」と呼ばれ、安価でかつ良好な特性を示すことで頻繁に採用されている。
【0004】
しかし、装置の小型化や、厳しい温度特性条件等を考慮したとき、このような構成形態で十分といえない場合には、光集積型素子を用いた光学系(集積型光学系)が考えられる。つまり、発光源と光検出部を1つのパッゲージに納めた光集積型素子と、少数の光学素子(コリメータや対物レンズ等)を組み合わせて光学系を構成することにより、上記ディスクリート光学系に比べて装置を小型化したり、調整作業を不要にし又は作業負担を軽減することができる。そして、このような集積型光学系では、例えば、2つのレーザダイオードと受光素子とを一体化することで信頼性の向上を実現することができる。
【0005】
尚、集積型光学系では、光集積型素子内部の発光点から出射された光が、立ち上げミラー等による光路変更後に、ホログラフィック光学素子を経て光集積型素子の外部に出射される。この光が、コリメータ、対物レンズを透過してディスクの記録層に照射される。そして、ディスクからの反射光が戻り光として対物レンズ、コリメータを透過した後に、光集積型素子内に入り、ホログラム型回折素子により生じた回折光が、受光素子に到達して光検出が行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の構成では、波長の異なる各レーザ光のフォーカス検出において、各波長にとって良好な結像状態(受光素子の受光面上におけるスポットの状態)を実現することが困難であり、例えば、一方の波長にとって良好なフォーカス状態が得られても、他方の波長ではデフォーカスが顕著になってしまうといった問題がある。
【0007】
つまり、1波長タイプの光集積型素子では、該素子内の受光面(PD面)での受光状態について、スポットの結像状態を最適化することが可能であるが、2波長タイプの光集積素子の場合には、両波長について良好な結像状態を得ることが困難である。その理由は、光集積型素子内の基準位置から測った受光素子の光軸方向における高さ「h」について、これを勝手な値にとることができず、レーザ(発光点)との共焦点の位置関係となる所定の高さに設定する必要があることに依る。つまり、2波長タイプの光集積型素子においては、2つの波長について受光面上で所望のスポットパターンを形成する必要があり、1波長(あるいは一方の波長)において適正な高さ「h」と同程度の値を設定しても、2波長(あるいは別の波長)に対して最適なスポット状態が得られないことが問題となる。
【0008】
そこで、本発明は、異なる波長の発光源を備えた光学式ヘッド装置において、各波長について受光面上でのスポットの結像状態を適正化して、性能を向上させることを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記した課題を解決するために、下記に示す事項を備えたものである。
【0010】
・波長の異なる第一の波長及び第二の波長に係るレーザ発光点が所定の間隔をもって配置され、かつ両波長の光について信号検出のために共用される受光素子が配置された送受光手段と、該送受光手段からの光を光学式記録媒体に対して照射するための対物レンズを備えていること。
【0011】
・送受光手段から光学式記録媒体に向かう往きの光と、光学式記録媒体から送受光手段へと戻ってくる戻り光とを分離するための分離素子として回折光学素子が用いられていること。
【0012】
上記第一の波長(λ1)に係る発光点から発して上記光学式記録媒体に至る往路についての幾何光学的換算長(M1=d/n+h LD )と、上記光学式記録媒体から上記回折光学素子を透過して上記受光素子へと至る復路についての幾何光学的換算長(M2=d/(n×cosθ)+h/(cosφ))とが等しいとした場合に得られる上記回折光学素子と上記受光素子との間の距離を「hconj1」とした場合(h LD は発光点から上記回折光学素子の下面までの距離を示す。)、
上記h、hconj1が、下式(左辺がΔpowerを示し、右辺がΔlengthを示す。ここで、Δpowerは上記回折光学素子の回折作用について、上記第二の波長(λ2)に係る受光素子上での回折力の差である。)
「 (h−hconj1)×(λ2/λ1−1) = d×{1/(n×cosθ2)−1/(n×cosθ1)}+h×(1/cosφ2−1/cosφ1) 」(上記戻り光について、回折光学素子内での波長λ1に係る回折光の回折角が「θ1」であり、回折光学素子内での波長λ2に係る回折光の回折角が「θ2」である。「n」は回折光学素子内の媒質の屈折率を示す。上記戻り光について、回折光学素子を透過した後の空気媒質中での波長λ1に係る回折光の回折角が「φ1」であり、該空気媒質中での波長λ2に係る回折光の回折角が「φ2」である。「d」は回折光学素子の厚みを示し、媒質の分散は十分小さいものとする。)
の関係を満たすこと。
・上記回折光学素子の回折面から上記受光素子までの幾何光学的な光路長について、上記第一の波長と上記第二の波長との間における光路長差(M1−M2)を「Δlength」と記すとき、上記Δlengthと上記Δpowerとが打ち消し合うか又は両者の大きさの差が最小となる条件により、上記回折光学素子と上記受光素子との間の間隔が規定されていること。
【0013】
従って、本発明によれば、第一の波長と第二の波長との間の波長差によって生じる光路長差「Δlength」を、両波長の相違による回折力差に基く合焦点位置の差「Δpower」により相殺するための条件を課し、回折光学素子に対する受光素子の位置を決定することにより、第一の波長と第二の波長との間で生じるデフォーカス差について補正することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は情報処理装置の構成例について透視的に示した概略図である。
【0015】
情報処理装置1には、光学式記録媒体2を装置内に搬送するための搬送部3が設けられている。本例では、機構部4に設けられた図示しない駆動手段により搬送部3がスライドされるようになっており、搬送部3に形成された配置領域3aに受け入れられた光学式記録媒体2がターンテーブル5に載置される位置まで移送される。尚、本例では、光学式記録媒体2として、ディスク状記録媒体を示すが、本発明の適用に関する限り、媒体の形状(テープ状、カード状等)や記録方式等の如何は問わない。
【0016】
ターンテーブル5は、スピンドルモータ6により回転されて、これに伴って光学式記録媒体2が回転される。
【0017】
光学ヘッド装置7は、ターンテーブル5に載置されたディスク状記録媒体の半径方向に沿って移動され、該記録媒体に対して情報の読み取り又は情報の記録を行うものである。そして、光学式記録媒体2に対してビーム照射を行うための対物レンズ7aを備えている。
【0018】
尚、本発明に係る情報処理装置(例えば、記録及び/又は再生装置)においては、異なる波長の光を用いて2種類以上の光学式記録媒体の情報再生又は情報記録を行うことができる。また、本装置としては、情報の記録を行う装置や、再生のみ行う装置(コンパクトディスクプレーヤ等)、あるいは情報の記録及び再生を行う装置(DVDレコーダ等)が含まれる。
【0019】
図2は、本発明に係る情報処理装置の制御構成例について簡略的に示す図である。
【0020】
光学ヘッド装置7は、対物レンズ7aの他、コリメータ7bや送受光手段7cを備えている。
【0021】
送受光手段7cは、発光源8と、受光素子9を有する。発光源8については、例えば、異なる2波長のレーザ光を発する光源の選択が可能である。また、受光素子9は、両波長の光について信号検出のために共用される。
【0022】
発光源8から出射されたレーザ光は、コリメータ7b、対物レンズ7aを透過して光学式記録媒体2(CDやDVD等)に照射される。そして、戻り光については、「S」で示す回折面における回折光が受光素子9に到達して受光量や位相について検出が行われ、検出結果は信号処理部10や、フォーカス制御及びトラッキング制御部11に送出される。
【0023】
信号処理部10には、光学ヘッド装置7からの信号を処理するアドレスデコーダや、再生信号に係るイコライザやPLL(位相同期ループ)回路、復調回路等が含まれる。また、記録信号処理系については、変調回路やレーザ駆動回路等が含まれ、発光源8に対して駆動信号や制御信号が送られる。
【0024】
フォーカス制御及びトラッキング制御部11は、受光素子9からの検出信号に基づくフォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号を取得して、対物レンズ7aの駆動装置12(所謂2軸アクチュエータ)を制御する。つまり、記録時及び再生時には、ディスク状記録媒体の面ぶれや、記録トラックの偏芯等に対して、ビームスポットを元通りにトラックに追従させるためのフォーカス制御及びトラッキング制御が行われる。
【0025】
スピンドル制御部13は、スピンドルモータ6とともに光学式記録媒体2の回転手段を構成しており、スピンドルモータ6の駆動制御を担当している。
【0026】
スライド制御部14は、光学式ヘッド装置7の移動手段(所謂スレッド機構及びその駆動源)を制御するために設けられており、ディスク状記録媒体の半径方向に沿って光学式ヘッド装置7が移動されて対物レンズ7aの視野位置が規定される。
【0027】
制御中枢としての機能を有する制御部15は、CPU(中央処理装置)等により構成され、バスラインを介して信号処理部10、フォーカス制御及びトラッキング制御部11、スピンドル制御部13、スライド制御部14と接続されている。
【0028】
図3は、本発明に係る光学式ヘッド装置の基本構成例について説明するための図であり、光集積型素子を用いた構成を示す。
【0029】
本例では、光学式ヘッド装置7が、送受光手段7c、コリメータ7b、対物レンズ7aを備えている。
【0030】
光集積型の送受光手段7cにおいて、波長の異なる2つの発光源8Aと8Bとが所定の発光点間隔(図3の大円枠内に示す「x」を参照。)をもって配置されている。例えば、2波長タイプの光集積型素子を用いた場合に、波長の異なる2つのレーザ光源が素子に内蔵されている。また、基板上に形成される信号検出用の受光素子9については、発光源8A、8Bの近辺に配置されている。尚、受光素子9により検出される信号には、記録情報を示す信号の他、フォーカス制御やトラッキング制御に必要なエラー信号が含まれる。
【0031】
コリメータ7bは、送受光手段7cと対物レンズ7aとの間に位置されて、上記発光源8A又は8Bからの光を平行光線とする。
【0032】
対物レンズ8は、送受光手段7cからコリメータ7bを透過した光を光学式記録媒体2に対して照射するために設けられている。
【0033】
図4乃至図6は、光学集積型素子の構成について一例を示す図であり、部分的に透視状態で示している。
【0034】
図4に示すように、光学集積型素子16は、モールドパケージとして基板を収容する収容部17と、回折光学素子18(本例では、ホログラフィック光学素子)とが一体化された構造を備えている。
【0035】
収容部17内には、波長の異なる2つの発光源として、半導体レーザチップ19A、19Bが設けられており、マウント部材(シリコンサブマウント)20上に配置されている。例えば、一方のレーザーチップ19AがDVD用(例えば、波長650nm)とされ、他方のレーザチップ19BがCD用(例えば、波長780nm)とされる。
【0036】
光学式記録媒体からの戻り光を検出する受光素子21については、マウント部材(シリコンサブマウント)22上に形成されており、上記レーザチップ19A、19Bから少し離れた場所に配置されている。受光素子21は、例えば、複数のフォトダイオード等からなる分割型の構成(検出パターン)を有しており、各波長について共用とされる(つまり、異なる種類の記録媒体に対して共用される。)。例えば、検出素子群のほぼ中央に位置する素子(フォトダイオード対)により検出されるフォーカスエラー信号(戻り光ビームに関して異なる検出位置での受光量の差として検出される信号)は、CD装置やDVD装置に共通して使用される。尚、トラッキングエラー信号については、DPD法(Differential Phase Detection)、3ビーム法(3スポット法)、プッシュプル(Push−Pull)法、DPP(Differential Push-Pull)法等、各種の方式に対応した検出を行うことができる(複数の検出位置での受光量や位相から、各方式に応じた演算式に基いてエラー信号を取得することができる。)。
【0037】
各レーザチップや受光素子への電気的な接続のために、リードフレーム23から外方に突出された複数の端子(PIN端子)24、24、…が設けられており、図示しない外部回路に接続されて、ビームの選択や光量制御、各種信号の取得等が行われる。
【0038】
また、レーザチップ19A、19Bを搭載したマウント部材20には、各レーザチップの発する光を反射させて光路変更を行うための反射部(立ち上げミラー)25が形成されており、該反射部による反射光が回折光学素子18に向かう光となる。
【0039】
回折光学素子18としてのホログラフィック光学素子は、プラスチック又はガラス製の光学素子として形成され、例えば、その下面(レーザチップに近い方の面)に矩形状のグレーティング26を有しており、これはCD用に3スポットを生成するために設けられる(3スポット法)。また、回折光学素子18の上面(レーザチップから離れた方の面)には、記録媒体へと向かう往きの光(ビーム)と、記録媒体からの戻りの光を分離するために、2分割された円形状の回折素子(ホログラム型回折素子)27が設けられている。
【0040】
このように、2つのレーザチップを配置したマウント部材20と、信号検出用の受光素子21を搭載した収容部(あるいは筐体部)17に対して、回折光学素子18が一体に設けられて光集積型ユニットを構成している。
【0041】
レーザチップ19A又は19Bから発した光は、光学式記録媒体2に向かう往きの光路において、反射部25による光路変更の後、回折光学素子18を0次透過光として透過する。そして、上記したコリメータ7b及び対物レンズ7aを介して光学式記録媒体2に照射される(例えば、ディスク上のピットを読む信号光とされる。)。
【0042】
また、光学式記録媒体2からの戻り光については、対物レンズ7a及びコリメータ7bを通過して回折光学素子18で分離されて回折光(1次回折光)となり、光線方向の変更を受けて、受光素子21上に導かれる。
【0043】
図5は、上記光学集積型素子16において、レーザチップ19Aに係る光路を概略的に示したものである。例えば、DVDへの情報記録や再生を行う場合に、レーザチップ19Aが選択されてビーム光が出射される場合の往路及び復路について要部を示している。
【0044】
また、図6は、上記光学集積型素子16において、レーザチップ19Bに係る光路を概略的に示したものである。例えば、CDの情報再生を行う場合に、レーザチップ19Bが選択されてビーム光が出射される場合の往路及び復路について要部を示している。
【0045】
図7及び図8は、1波長の光学系を例にして幾何光学的換算長の定義及び共役条件について説明するための図であり、光集積型素子内の光路について示している。
【0046】
図7は往路についての説明図、図8は復路についての説明図であり、これらの図において、使用した記号の意味は、下記に示す通りである。
【0047】
・「d」=回折光学素子18の厚み
・「hLD」=発光点から回折光学素子18の下面までの距離(高さ)
・「h」=受光素子21から回折光学素子18の下面までの距離(高さ)
・「n」=回折光学素子18内の媒質の屈折率
・「θ」=戻り光の回折光学素子18(の媒質中)での回折角
・「φ」=戻り光の空気中での回折角
・「p」=回折素子27の(形成)ピッチ
・「λ」=光源波長。
【0048】
尚、以下では、光路に関する幾何光学的換算長について、屈折率nの物質を光が透過する場合に、nで割った光路長さ又はその和として定義している。つまり、屈折率がnで長さ「L」の光路では、「L/n」である。また、回折光学素子と発光源や受光素子との間を空気媒質としている(よって、空気以外の媒質を用いる場合には、その屈折率で長さを割った換算長を用いる必要がある。)。
【0049】
図7において、回折光学素子18の媒質中では屈折率がnであり、回折光学素子18と発光点との間の屈折率は「1」である。よって、往路に係る幾何光学的換算長(発光点と回折光学素子との間の換算長)は、「d/n+hLD」である。
【0050】
図8において、回折光学素子18の媒質中では屈折率がnであり、回折光学素子18と受光素子21との間の屈折率は「1」である。よって、復路に係る幾何光学的換算長(回折光学素子と受光素子との間の換算長)は、「d/(n×cosθ)+h/(cosφ)」である。
【0051】
尚、ここで、「cos」は余弦関数を示す。また、「sinθ=λ/(n×p)」、「sinφ=λ/p」である(「sin」は正弦関数を示す。)
往路と復路について幾何光学的換算長が等しくなる場合の「h」が共役(conjugate)位置を示し、これを「hconj」と記す。
【0052】
即ち、「 d/n+hLD = d/(n×cosθ)+h/(cosφ)」からhを求めると、下式を得る。
【0053】
hconj=(d/n)×cosφ×(1−1/cosθ)+hLD×cosφ (以下、これを「(1)式」とする。)
このように、hLDが与えられた場合に、d、n、θ、φから共役位置を示す「hconj」の値が決まる。尚、上記の計算では、回折光学素子18と光学式記録媒体との間の幾何光学換算長について無視しているが、これは往路と復路とで等しいので相殺されることに依る。
【0054】
図9は、異なる2波長について復路の光路差を示したものである。尚、上方の図が両波長の光路を併せて示しており、見易さを考慮して、その下方には、第一の波長に係る光路を左側に配置し、第二の波長に係る光路を右側に配置している。
【0055】
使用した記号の意味は、下記に示す通りである。
【0056】
・「λ1」=発光源に係る第一の波長
・「λ2」=発光源に係る第二の波長
・「θ1」=波長λ1に係る戻り光の、回折光学素子18(の媒質中)での回折角
・「θ2」=波長λ2に係る戻り光の、回折光学素子18(の媒質中)での回折角
・「φ1」=波長λ1に係る戻り光の空気中での回折角
・「φ2」=波長λ2に係る戻り光の空気中での回折角
【0057】
各波長λ1、λ2の戻り光が同一の回折素子27で回折されたとき、その回折角はそれぞれ下式で表すことができる(回折角の正弦関数値は波長に比例する。)。
【0058】
屈折率nの媒質中では、
sinθ1 = (n×λ1)/p
sinθ2 = (n×λ2)/p
また、空気中では、屈折率を1として、
sinφ1 = λ1/p
sinφ2 = λ2/p
尚、ここで、「p」は回折素子27のピッチを示す。
【0059】
図9に実線で示す光線L1は波長λ1に係る復路を示しており、その幾何光学的換算長を「M1」と記すと、下記のようになる。
【0060】
M1=d/(n×cosθ1)+h/(cosφ1)
また、図9に1点鎖線で示す光線L2は波長λ2に係る復路を示しており、その幾何光学的換算長を「M2」と記すと、下記のようになる。
【0061】
M2=d/(n×cosθ2)+h/(cosφ2)
従って、回折光学素子18の下面と受光素子9との距離「h」を一定とした場合に、復路の2波長間の幾何光学的光路差(これを、「Δlength」と記す。)は、下式のようになる。
【0062】
Δlength= M1−M2=(d/n)×[(1/cosθ1)−(1/cosθ2)]+h×[(1/cosφ1)−(1/cosφ2)] (以下、これを「(2)式」とする。)
【0063】
つまり、2波長の場合には、h値を固定した場合に、Δlengthの光路差が生じることが分かる。尚、屈折率で割った距離を幾何光学的換算長と定義している理由は、収束光について屈折率nの媒質中では、焦点距離がn倍伸びることに対応している。
【0064】
1波長の発光源だけを用いる場合には、図8で説明した受光素子の高さ「h」と、レーザ発光点の位置に関して共焦点位置関係にある高さ「hconj」との関係において、ある程度、所望の高さを選ぶことができる。そして、通常、受光素子とレーザ発光点との位置関係については素子全体での構成上の都合で決まっていることが多く、一般に「h≒hconj」になる場合が多い。しかしながら、2波長タイプの光集積型素子においては、2つの波長について共用される受光素子(フォトディテクタ)上で所望のスポットパターンを構成する必要があるため、「h」と「hconj」との間に一定の制限を受けてしまう。そのため、1波長タイプの光集積型素子と同程度のh値では、2波長に対して最適なスポット状態を形成できないといった問題が生じることになる。
【0065】
一方、波長の違いによりデフォーカス差を生じる要因として、回折素子のレンズ作用が挙げられる。
【0066】
図10は回折素子の収束力について、波長差の影響を説明するための図である。尚、図中の「S」は回折素子27の回折面を示す。
【0067】
図中に実線で示す光線が、波長λ1に係る収束光の光路を示し、1点鎖線で示す光線が、波長λ2に係る収束光の光路を示しており、波長の違いに起因して合焦位置の間で差が生じる。
【0068】
ここで、第一の波長λ1について、「d/n+hLD = d/(n×cosθ1)+h/(cosφ1)」を満たす場合の、hを「hconj1」(第一の発光点位置に対する共役位置を示す。)と記し、同様に、第二の波長λ2について、「d/n+hLD = d/(n×cosθ2)+h/(cosφ2)」を満たす場合の、hを「hconj2」(第二の発光点位置に対する共役位置を示す。)と記す。
【0069】
各発光点に係るhLDの値を同じとして、上記(1)式に倣うと、hconj1、hconj2が、下記のように求まる。
【0070】
hconj1=(d/n)×cosφ1×(1−1/cosθ1)+hLD×cosφ1
hconj2=(d/n)×cosφ2×(1−1/cosθ2)+hLD×cosφ2
【0071】
尚、上記したように、θ1、θ2やφ1、φ2は、各波長λ1、λ2、屈折率n、回折ピッチpによって決まる。
【0072】
図中に示す「h−hconj1」は、波長λ1に関する合焦位置と、共役位置hconj1との間の距離差(高さの差)を示し、また、「h−hconj2」は、波長λ2に関する合焦位置と、共役位置hconj2との間の距離差(高さの差)を示している。
【0073】
往きと戻りの幾何光学的な光路長が等しい場合に、回折素子27はレンズ作用を持たないが、この状態での受光素子の位置からずれた高さに受光素子を配置する場合には、収束力に差が生じる。各波長の光が受けるレンズ作用については、回折素子27による回折角変化量が十分に小さいとした場合に、波長に左右され、定量的には、波長に対して比例関係を示す。即ち、受光素子の高さhにおいて、第一の波長λ1でデフォーカスのないスポットを形成した場合に、回折素子27のレンズ作用に関して、波長差に起因して引き起こされる、波長λ2に係る受光素子上での回折力の差(波長の相違による合焦点位置の差であり、これを「Δpower」と記す。)は、下式のようになる。
【0074】
Δpower = (h−hconj1)×(λ2/λ1−1) (以下、これを「(3)式」とする。)
【0075】
従って、上記(2)式に示すΔlengthと、本式に示すΔpowerとが相殺されて、両者がちょうど打ち消し合う関係にすることができれば、各波長についてデフォーカスがなくなることが分かる。
【0076】
つまり、そのための条件式は、「Δpower+Δlength=0」から、下記のようになる。
【0077】
(h−hconj1)×(λ2/λ1 −1) = (d/n)×[(1/cosθ2)−(1/cosθ1)]+h×[(1/cosφ2)−(1/cosφ1)]
(これを「(4)」式とする。)
【0078】
従って、この(4)式及び上記したhconj1の各表式から、受光素子の高さ「h」を求めることができる。
【0079】
図11及び図12は、横軸に回折素子のピッチp(単位:μm)をとり、縦軸には、Δlength(単位:mm)を示す軸(左軸)と、「h−hconj1」及び「h−hconj2」(単位:mm)を示す軸(右軸)を併せて示すグラフ図である。尚、図12はp=3μm付近を拡大して示したものである。
【0080】
図から分かるように、回折ピッチpの値が小さくなるほど、Δlengthの値が大きくなる。例えば、現実的な設計上決まってくるピッチ(約2乃至4μm付近)ではΔlengthの値が無視できない大きさ(2μm付近では0.05mmを超える)となる。この結果、第一の波長λ1について合焦点位置を最適化すると、第二の波長λ2については、デフォーカスが生じてしまう。
従って、上記のように、ΔpowerによりΔlengthを打ち消すことが有効である。
【0081】
図11及び図12において、例えば、p=3(μm)の場合に、理想的な受光素子の位置(高さ)はh=1.619(mm)となる。尚、このとき、hLD=1.533(mm)、d=3.5(mm)、n=1.522、λ1=655(nm)、λ2=785(nm)としている。
【0082】
第一の波長λ1に係る共役位置に関してhconj1=1.473(mm)であり、よって、1.619−1.473=0.146(mm)の距離だけ、受光素子をhconj1から図10の下方(回折素子面から離れる方向)にずらす必要がある。同様に第二の波長λ2について考えると、λ2に係る共役位置に関して、hconj2=1.446(mm)であり、1.619−1.446=0.173(mm)の距離だけ、hconj2から図10の下方にずらす必要がある。
【0083】
実際には、2波長の各共役点の中間的な位置に配置すれば良く、この場合には多少のデフォーカス差が残ることになるが、その量は十分小さいとみなすことができるので、実用上の問題は殆どない。
【0084】
以上のように受光素子の位置(回折光学素子と受光素子との間の間隔「h」)を適切な条件(つまり、ΔlengthとΔpowerとが打ち消し合うか又は両者の大きさの差が最小となる条件)に従って規定することによって、2波長間のデフォーカス差をなくすことができる。
【0085】
尚、受光素子の高さ位置を示す「h」は、回折光学素子と受光素子の受光面との間の、実際の距離に対して、両者間の媒質が空気である場合(屈折率1)に計算される幾何光学的換算長を示しており、「λ2>λ1」の場合に、「h>hconj2」の関係を満たすことが望ましい。これは、ピッチpの値について、その上限や下限に基づく制約に起因する。つまり、p値の上限については、回折素子による回折光がグレーティング26に干渉しないという条件から決まり、また、p値の下限については、スカラー計算が充分に成り立つこと及び回折効率が大きく低下しないことを条件として決まる。上限値を4μm、下限値を2μmとする範囲(「2μm≦p≦4μm」)において、上記した波長条件の下では、図11、図12から分かるように、「h>hconj2」は必要条件となる。勿論、この範囲については、設計条件等に応じて多少は変動することになるが、それ程大きく外れることはない。また、「h<hconj2」の場合に比して上記デフォーカス差を小さくすることが可能である。
【0086】
「h−hconj2」の値については、「100μm≦h−hconj2≦500μm」の範囲が実用上好ましい。この範囲は、「2μm≦p≦4μm」の範囲に対応するものであり、よって、上下限の根拠については上記した通りである。
【0087】
次に、上記した条件を満たすために必要とされるマウント手法の一例について、以下に説明する。
【0088】
図13に示す構成では、熱伝導性の高い材料(金属等)で形成されるヒートシンク28上に、2つのマウント部材(シリコンサブマウント)29、30が配置されている。
【0089】
一方のマウント部材29は、レーザダイオード用のサブマウントとされ、その上面(ヒートシンク28から離れた方の面)には、波長の異なるレーザチップ31A、31Bが搭載されており、各レーザチップは所定の距離をおいて横並に配列されている。尚、2波長のレーザ光源については、このように別個のチップとして作製されて、それぞれ独立にマウントされたものでも良いし、あるいは、一つのチップとして同一工程内で作製されたものでも良い(この場合、2つの発光部を有する。)。また、図示は省略するが、マウント部材29には、レーザビームを立ち上げる(90度の光路変更)ための反射手段(45度のミラー)が形成されている。
【0090】
他方のマウント部材30は、フォトディテクタIC用のサブマウントとされ、その上面(ヒートシンク28から離れた方の面)には、受光素子32が配置されている。
【0091】
この例では、それぞれのマウント部材29、30が別個にヒートシンク28上にマウントされているため、レーザチップ31A、31Bの高さ及び受光素子32の高さがマウント部材の厚みによって、ある範囲に決まってしまう。つまり、この範囲の幅が狭い場合(マウント部材29、30の厚みの差が小さい場合)には、例えば、前記した条件(ピッチp=3μmにおいて、必要な高さhに設定すること、即ち、第一の波長λ1に係る共役高さhconj1よりも、0.146mmだけ低くする(受光素子32の高さをヒートシンク28側に下げる)ことが困難となるか、あるいはそのような高さ調整を実現することができなくなる(例えば、受光素子32の高さを、ヒートシンク28の表面の位置よりも低くしなければならない場合)。
【0092】
そこで、図14に示すように、先ず、受光素子32を有する第一のマウント部材33を、ヒートシンク28上に配置し、その上に発光源(レーザチップ31A、31B)を搭載した第二のマウント部材34を載せる。これにより、ヒートシンク28の高さ位置を基準として、レーザチップ31A、31Bの発光点の高さを受光素子32の高さよりも十分に高くすることができる。即ち、マウント部材33上に形成された受光素子32の位置と、マウント部材34上のレーザチップ31A、31Bの位置との差を、充分に確保することができるとともに、上記に説明した条件を満たすことができる。
【0093】
しかして、上記した構成によれば、発光点と受光素子との位置関係について、上記h及びhconj1、hconj2の関係を適正化することにより、2波長に関して良好な結像状態、つまり、両波長で共用される受光素子でのスポット状態の適正化を実現することができる。そして、図14で説明したように、受光素子が形成されたマウント部材上に、レーザチップを搭載したマウント部材を載置することにより、前記したh及びhconj1、hconj2について必要な条件を実現することができる。
【0094】
【発明の効果】
以上に記載したところから明らかなように、請求項1や請求項5に係る発明によれば、第一の波長と第二の波長との間の波長差により生じる光路長差「Δlength」を、両波長の相違による回折力差に基く合焦点位置の差「Δpower」により相殺するための条件を課すことにより、各波長について受光面上でのスポットの結像状態を適正化することができる。よって、複数種の記録媒体について記録再生を行う場合の制御精度や性能を向上させ、また、信頼性を高めることができる。
また、上記したh、hconj1が満たすべき条件を課すことにより、各波長について受光面上でのスポットの結像状態を最良の状態にすることができる。
【0095】
請求項2や請求項3、請求項6や請求項7に係る発明によれば、「h>hconj2」を必要条件として課すこと、さらには、「h−hconj2」に対する許容範囲を規定することにより、受光面上でのスポットの結像状態について適正化することが可能である。
【0097】
請求項4や請求項8に係る発明によれば、受光素子と発光源との位置関係について調整が容易になり、必要な距離差を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】情報処理装置の構成例を示す図である。
【図2】情報処理装置の制御構成例を示す図である。
【図3】光学ヘッド装置の構成例について要部を示す図である。
【図4】図5及び図6とともに、光集積型素子の構成例を示すものであり、本図は一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図5】図4の光集積型素子において、一方の発光源から出射される光及びその戻り光について概略的に示す図である。
【図6】図4の光集積型素子において、他方の発光源(図5とは異なる発光源)から出射される光及びその戻り光について概略的に示す図である。
【図7】図8とともに、幾何光学的換算長について説明するための図であり、本図は1波長の発光源の場合に、その往路の要部だけを示した図である。
【図8】1波長の発光源の場合に、その復路の要部だけを示した図である。
【図9】図10とともに、波長の相違に起因する光路差及び回折力差について説明するための図であり、本図は、2波長間での光路差Δlengthの説明図である。
【図10】2波長間での回折力差Δpowerについての説明図である。
【図11】回折ピッチpと、Δlength及び「h−hconj1」、「h−hconj2」との関係を示すグラフ図である。
【図12】図11において、p=3μm付近を示すグラフ図である。
【図13】図14とともに、部品のマウント方法について説明するための図であり、本図は、ヒートシンク上に2つのマウント部材を各別に配置した構成例を示す図である。
【図14】受光素子を搭載したマウント部材の上に、発光源を搭載したマウント部材を配置した構成例を示す図である。
【符号の説明】
1…情報処理装置、2…光学式記録媒体、7…光学式ヘッド装置、7a…対物レンズ、7c…送受光手段、9…受光素子、18…回折光学素子、21…受光素子、32…受光素子、33…第一のマウント部材、34…第二のマウント部材

Claims (8)

  1. 第一の波長(λ1)及び第二の波長(λ2)に係る各レーザ発光点が所定の間隔で配置され、かつ各波長の光について信号検出のために共用される受光素子が配置された送受光手段と、該送受光手段からの光を光学式記録媒体に対して照射するための対物レンズを備えた光学式ヘッド装置において、
    上記送受光手段から上記光学式記録媒体に向かう往きの光と、上記光学式記録媒体から上記送受光手段へと戻ってくる戻り光とを分離するための分離素子として回折光学素子が用いられること、
    上記第一の波長(λ1)に係る発光点から発して上記光学式記録媒体に至る往路についての幾何光学的換算長(M1=d/n+h LD )と、上記光学式記録媒体から上記回折光学素子を透過して上記受光素子へと至る復路についての幾何光学的換算長(M2=d/(n×cosθ)+h/(cosφ))とが等しいとした場合に得られる上記回折光学素子と上記受光素子との間の距離を「hconj1」とした場合(h LD は発光点から上記回折光学素子の下面までの距離を示す。)、
    上記h、hconj1が、下式(左辺がΔpowerを示し、右辺がΔlengthを示す。ここで、Δpowerは上記回折光学素子の回折作用について、上記第二の波長(λ2)に係る受光素子上での回折力の差である。)
    「 (h−hconj1)×(λ2/λ1−1) = d×{1/(n×cosθ2)−1/(n×cosθ1)}+h×(1/cosφ2−1/cosφ1) 」(上記戻り光について、回折光学素子内での波長λ1に係る回折光の回折角が「θ1」であり、回折光学素子内での波長λ2に係る回折光の回折角が「θ2」である。「n」は回折光学素子内の媒質の屈折率を示す。上記戻り光について、回折光学素子を透過した後の空気媒質中での波長λ1に係る回折光の回折角が「φ1」であり、該空気媒質中での波長λ2に係る回折光の回折角が「φ2」である。「d」は回折光学素子の厚みを示し、媒質の分散は十分小さいものとする。)
    の関係を満たし、
    上記回折光学素子の回折面から上記受光素子までの幾何光学的な光路長について、上記第一の波長と上記第二の波長との間における光路長差(M1−M2)を「Δlength」と記すとき、上記Δlengthと上記Δpowerとが打ち消し合うか又は両者の大きさの差が最小となる条件により、上記回折光学素子と上記受光素子との間の間隔が規定されている
    ことを特徴とする光学式ヘッド装置。
  2. 請求項1に記載の光学式ヘッド装置において、
    媒質中での光路の長さを該媒質の屈折率で割った長さ又は当該長さの和として、幾何光学的換算長を定義する場合に、
    上記第二の波長(λ2)に係る発光点から発して上記光学式記録媒体に至る往路についての幾何光学的換算長(M1=d/n+h LD )と、上記光学式記録媒体から上記回折光学素子を透過して上記受光素子へと至る復路についての幾何光学的換算長(M2=d/(n×cosθ)+h/(cosφ))とが等しいとした場合に得られる上記回折光学素子と上記受光素子との間の距離を「hconj2」とした場合(h LD は発光点から上記回折光学素子の下面までの距離を示す。)、
    上記回折光学素子と上記受光素子の受光面との間の、実際の距離と、両者間の空気媒質の屈折率から計算される幾何光学的換算長を「h」と記すとき、上記第二の波長(λ2)が上記第一の波長(λ1)よりも長い場合に、「h>hconj2」の関係を満たしている
    ことを特徴とする光学式ヘッド装置。
  3. 請求項2に記載の光学式ヘッド装置において、
    「h−hconj2」の値が、100μm以上であって、500μm以下である
    ことを特徴とする光学式ヘッド装置。
  4. 請求項1に記載の光学式ヘッド装置において、
    上記受光素子を有する第一のマウント部材と、上記第一の波長及び第二の波長に係る発光源を有する第二のマウント部材とを備え、
    上記第一のマウント部材に、上記第二のマウント部材が載置された構造を有する
    ことを特徴とする光学式ヘッド装置。
  5. 異なる波長の光を用いて2種類以上の光学式記録媒体について情報の再生又は記録を行う、光学式記録媒体を用いた情報処理装置において、
    第一の波長(λ1)及び第二の波長(λ2)に係る各レーザ発光点が所定の間隔で配置され、かつ各波長の光について信号検出のために共用される受光素子が配置された送受光手段と、該送受光手段からの光を記録媒体に対して照射するための対物レンズを備えていること、
    上記送受光手段から上記光学式記録媒体に向かう往きの光と、上記光学式記録媒体から上記送受光手段へと戻ってくる戻り光とを分離するための分離素子として回折光学素子が用いられること、
    上記第一の波長(λ1)に係る発光点から発して上記光学式記録媒体に至る往路についての幾何光学的換算長(M1=d/n+h LD )と、上記光学式記録媒体から上記回折光学素子を透過して上記受光素子へと至る復路についての幾何光学的換算長(M2=d/(n×cosθ)+h/(cosφ))とが等しいとした場合に得られる上記回折光学素子と上記受光素子との間の距離を「hconj1」とした場合(h LD は発光点から上記回折光学素子の下面までの距離を示す。)、
    上記h、hconj1が、下式(左辺がΔpowerを示し、右辺がΔlengthを示す。ここで、Δpowerは上記回折光学素子の回折作用について、上記第二の波長(λ2)に係る受光素子上での回折力の差である。)
    「 (h−hconj1)×(λ2/λ1−1) = d×{1/(n×cosθ2)−1/(n×cosθ1)}+h×(1/cosφ2−1/cosφ1) 」(上記戻り光について、回折光学素子内での波長λ1に係る回折光の回折角が「θ1」であり、回折光学素子内での波長λ2に係る回折光の回折角が「θ2」である。「n」は回折光学素子内の媒質の屈折率を示す。上記戻り光について、回折光学素子を透過した後の空気媒質中での波長λ1に係る回折光の回折角が「φ1」であり、該空気媒質中での波長λ2に係る回折光の回折角が「φ2」である。「d」は回折光学素子の厚みを示し、媒質の分散は十分小さいものとする。)
    の関係を満たし、
    上記回折光学素子の回折面から上記受光素子までの幾何光学的な光路長について、上記第一の波長と上記第二の波長との間における光路長差(M1−M2)を「Δlength」と記すとき、上記Δlengthと上記Δpowerとが打ち消し合うか又は両者の大きさの差が最小となる条件により、上記回折光学素子と上記受光素子との間の間隔が規定されている
    ことを特徴とする光学式記録媒体を用いた情報処理装置。
  6. 請求項に記載した光学式記録媒体を用いた情報処理装置において、
    媒質中での光路の長さを該媒質の屈折率で割った長さ又は当該長さの和として、幾何光学的換算長を定義する場合に、
    上記第二の波長(λ2)に係る発光点から発して上記光学式記録媒体に至る往路についての幾何光学的換算長(M1=d/n+h LD )と、上記光学式記録媒体から上記回折光学素子を透過して上記受光素子へと至る復路についての幾何光学的換算長(M2=d/(n×cosθ)+h/(cosφ))とが等しいとした場合に得られる上記回折光学素子と 上記受光素子との間の距離を「hconj2」とした場合(h LD は発光点から上記回折光学素子の下面までの距離を示す。)、
    上記回折光学素子と受光素子の受光面との間の、実際の距離と、両者間の空気媒質の屈折率から計算される幾何光学的換算長を「h」と記すとき、上記第二の波長が上記第一の波長よりも長い場合に、
    「h>hconj2」の関係を満たしている
    ことを特徴とする光学式記録媒体を用いた情報処理装置。
  7. 請求項6の記載した光学式記録媒体を用いた情報処理装置において、
    「h−hconj2」の値が、100μm以上であって、500μm以下である
    ことを特徴とする光学式記録媒体を用いた情報処理装置。
  8. 請求項の記載した光学式記録媒体を用いた情報処理装置において、
    上記受光素子を有する第一のマウント部材と、上記第一の波長及び第二の波長に係る発光源を搭載した第二のマウント部材とを備え、
    上記第一のマウント部材に、上記第二のマウント部材が載置された構造を有する
    ことを特徴とする光学式記録媒体を用いた情報処理装置。
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