JP4230814B2 - 異常診断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、時系列的なシーケンス制御信号に基づいた動作を行なう対象機械の正常、異常を診断する異常診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、機械設備の異常診断手法として、正常稼動しているときのそれらから発生する音響・振動信号をスペクトル解析しておき、その後の、それらから発生する音響・振動信号をスペクトル解析し、そのスペクトル中に、正常時には見られない特定の周波数成分のピークが存在するか否か、あるいはピークの組み合わせが正常時のそれと異なっているか否かなどにより異常の検出を行なう診断手法が知られている。
【0003】
また、機械設備が正常稼動しているときの、それらから発生する音響・振動信号に基づいて逆フィルタを作成しておき、その後、それらから発生する音響・振動信号に定期的に作用させることで残差信号を求め、この残差信号を解析することによって、これら機械設備の異常を検出する提案もなされている。
【0004】
そのような提案の中には、設備機械で行われる一連の動作について、この一連の動作を構成する複数の動作ごとに逆フィルタを作成し、それら複数の動作それぞれに応じて発生する音響・振動信号に対し、対応する逆フィルタを作用させ、得られた残差信号を解析することで機械設備の異常検出を行なうものがある(特許文献1参照。)。
【0005】
この提案では、この一連の動作を構成する複数の動作それぞれの開始を指示する各タイミング信号に応じて作成した各逆フィルタを、その後の、この各タイミング信号に応じてこの機械設備から発生する各音響・振動信号に対して作用させていることから、この一連の動作全体について1つの逆フィルタしか作成しなかった場合と比べ、異常の有無の検出精度を格段に向上させることができる。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−268728号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記提案では、上記複数の動作それぞれの開始を指示するタイミング信号に応じて逆フィルタを作成するとの記述に留まっており、これでは、このタイミング信号についての逆フィルタの作成の仕方によっては、異常検出の精度をむざむざ低下させてしまうおそれも出てくる。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑み、診断対象である機械設備に発生する異常の有無の検出精度の維持についての工夫がされた異常診断装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の異常診断装置は、
時系列的なシーケンス制御信号に基づいた動作を行なう対象機械の正常、異常を診断する異常診断装置において、
上記シーケンス制御信号をモニタする制御モニタ部と、
複数の時間窓それぞれの開始時刻および終了時刻を、上記シーケンス制御信号に関連づけて操作に応じて設定する時間窓設定部と、
上記時間窓設定部で設定された時間窓を記憶しておく時間窓記憶部と、
上記対象機械から得られる、所定の物理量を担持する時系列信号を取得する信号取得部と、
上記信号取得部で取得された時系列信号を上記時間窓記憶部に記憶された各時間窓で切り出し各時間窓内の各時系列信号に基づいて各基準情報を求める基準演算部と、
上記基準演算部で求められた各基準情報を上記各時間窓に対応づけて記憶しておく基準記憶部と、
上記基準演算部で各基準情報を求めた後において上記信号取得部で取得した時系列信号を上記時間窓記憶部に記憶された各時間窓で切り出し、各時間窓内の各時系列信号と、上記基準記憶部にこの各時間窓に対応づけて記憶された各基準情報とに基づいて、この各時間窓で切り出した各時系列信号に異常が存在するか否かを判定する異常有無判定部とを備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明の異常診断装置では、上記時系列信号から基準情報の基となる信号部分を切り出すための時間窓の設定をシーケンス制御信号に関連づけて自由に行なうことができる。これにより、例えば、診断しようとする信号部分の特徴に合わせて、時間窓の開始時刻および終了時刻を、関連するシーケンス制御信号ごとに異ならせて設定することができる。したがって、このように設定された時間窓によれば、異常の発生が表れやすい信号部分を的確に切り出すことができるため、このような時間窓によって切り出された信号部分に基づいて作成された基準情報による異常の有無の検出が行なわれることで、検出精度を高レベルに維持することができる。
【0011】
ここで、上記時間窓設定部は、上記シーケンス制御信号に関連づけた、上記異常有無判定部による異常判定動作を禁止するための異常判定禁止時間窓の開始時刻および終了時刻の、操作に応じた設定が自在なものであり、
上記異常有無判定部は、上記異常判定禁止時間窓内では、異常判定が禁止されるものであることが好ましい。
【0012】
このようにすると、例えば、所定の音響・振動信号が、不定期に出力される所定のシーケンス信号によるものであるために基準情報の基となる正常時の時系列信号には含まれておらず、診断対象の時系列信号の方に含まれていた場合であっても、異常であるとの判定を下さずに済ますことができる。
【0013】
また、上記基準演算部は、上記信号取得部で取得され上記各時間窓で切り出された各時間系列信号に基づいて各逆フィルタを求める演算を含む演算により、上記各基準情報を求めるものであり、
上記異常有無判定部は、上記基準演算部により上記各基準情報が求められた後における、上記信号取得部で取得された上記各時間窓で切り出された各時系列信号にこの各時間窓に対応する各逆フィルタを作用させることにより、各残差信号を求める演算を含む演算を行ない、この演算の結果に基づいて、上記各時間窓で切り出した各時系列信号に異常が存在するか否かを判定するものであることも好ましい態様である。
【0014】
ここで、上記の「逆フィルタを求める演算を含む演算」は、逆フィルタを求める演算のみで構成されている場合を含む概念であり、その場合は、逆フィルタを上記の基準情報とすることができる。また、「逆フィルタを求める演算を含む演算」は、逆フィルタを求める演算が含まれていればよく、複数の基準情報作成用の時系列信号のうちの例えば1つの時系列信号に基づいて逆フィルタを作成し、その逆フィルタを他の複数の時系列信号に作用させて複数の統計的変量を求める演算であってもよい、その場合は、そのようにして求めた複数の統計的変量が基準情報となり得る。また、上記の「逆フィルタを作用させることにより残差信号を求める演算を含む演算」も上記と同様であり、残差信号を求める演算のみで構成されていてもよく、あるいは、その残差信号のパワーの移動平均値を求めるなど、その残差信号を演算して異常の有無を判定するのに都合のよいデータを求める演算や、あるいは、複数の診断用の時系列信号に逆フィルタを作用させて複数の残差信号を求め、それら複数の残差信号に基づいて複数の統計的変量を求める演算であってもよい。逆フィルタを用いると信号上から定常的な騒音を消し去ることができ、診断対象機械の異常の有無を一層高精度に判定することができる。
【0015】
さらに、上記基準演算部は、上記信号取得部で取得され上記各時間窓で切り出された各時系列信号に基づいて各逆フィルタを求めると共にこの各逆フィルタを、この各逆フィルタを求める基礎になったこの各時系列信号自身に作用させて各残差信号を求め、この各残差信号のレベルをユーザに向けて知らせる逆フィルタ精度情報通知手段を有するものであってもよい。
【0016】
このようにすると、作成した逆フィルタの性能を確認することができるので便利である。
【0017】
ここで、上記基準演算部は、上記信号取得部で取得され上記各時間窓で切り出された各時系列信号の各ピーク値を、上記各基準情報として求めるものであり、上記異常有無判定部は、上記基準演算部により上記各基準情報が求められた後における、上記信号取得部で取得された上記各時間窓で切り出された各時系列信号の各ピーク値を求め、この各ピーク値と、上記基準演算部で求められた対応する各ピーク値との比較を行ない、この比較の結果に基づいて上記各時間窓で切り出した各時系列信号に異常が存在するか否かを判定するものであってもよい。
【0018】
また、上記基準演算部は、上記信号取得部で取得された上記下記時間窓で切り出された各時間系列信号の各固有振動数を、上記各基準情報として求めるものであり、
上記異常有無判定部は、上記基準演算部により上記各基準情報が求められた後における、上記信号取得部で取得された上記各時間窓で切り出された各時系列信号の各固有振動数を求め、この各固有振動数と、上記基準演算部で求められた対応する各固有振動数との比較を行ない、この比較の結果に基づいて上記各時間窓で切り出した各時系列信号に異常が存在するか否かを判定するものであってもよい。
ここで、上記目的を達成するための本発明の異常診断プログラムは、
プログラムを実行する情報処理装置内で実行され、この情報処理装置を、時系列的なシーケンス制御信号に基づいた動作を行なう対象機械の正常、異常を診断する異常診断装置として動作させる異常診断プログラムにおいて、
上記情報処理装置を、
上記シーケンス制御信号をモニタする制御モニタ部と、
複数の時間窓それぞれの開始時刻および終了時刻を、上記シーケンス制御信号に関連づけて操作に応じて設定する時間窓設定部と、
上記対象機械から得られる、所定の物理量を担持する時系列信号を取得する信号取得部と、
上記信号取得部で取得された時系列信号を上記時間窓設定部で設定された各時間窓で切り出し各時間窓内の各時系列信号に基づいて各基準情報を求める基準演算部と、
上記基準演算部で各基準情報を求めた後において上記信号取得部で取得した時系列信号を上記時間窓設定部で設定された各時間窓で切り出し、各時間窓内の各時系列信号と、この各時間窓に対応づけられた上記各基準情報とに基づいて、この各時間窓で切り出した各時系列信号に異常が存在するか否かを判定する異常有無判定部とを備えた異常診断装置として動作させることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の異常診断装置の一実施形態を含む異常診断システムの概念図である。
【0020】
図1に示される異常診断システム1は、ベルトコンベア15によって運ばれてくる半製品に対し所定の加工を施す4ヶの工作機械から発生する音響を、これら工作機械ごとに配置された4ヶのマイクロホンで音響信号としてそれぞれ検出し、検出した音響信号を分析して各工作機械に異常が発生していないかを診断するシステムである。
【0021】
図1には、診断対象である4ヶの工作機械10a、10b、10c、10dと、これら4ヶの工作機械それぞれに対し動作を指示するシーケンス信号を出力する4ヶのシーケンサ11a、11b、11c、11dと、これら工作機械から発生する音響を信号で検出する4ヶのマイクロフォン13a、13b、13c、13dと、本発明の異常診断装置の一実施形態である、4ヶのマイクロホンそれぞれで検出された音響信号を取得すると共に後述するリレー12からタイミング信号を取得する異常診断装置14と、診断対象の工作機械に対応するシーケンサのシーケンス信号と同期するタイミング信号を異常診断装置14に伝達するリレー12とが示されている。、
図2は、本発明の異常診断装置の一実施形態として動作する診断用コンピュータの外観斜視図である。本発明の一実施形態としての異常診断装置14は、この診断用コンピュータ100のハードウェアとその内部で実行されるソフトウェアとの組合せにより実現されている。
【0022】
この診断用コンピュータ100は、中央演算処理装置(CPU)、RAM、磁気ディスク等を内蔵した本体101、本体からの指示によりその表示画面102a上に画面表示を行なうCRT102、この診断用コンピュータ内に、オペレータの指示や文字情報を入力するためのキーボード103、表示画面上の任意の位置を指定することによりその位置に表示されているアイコン等に応じた指示を入力するマウス104を備えている。
【0023】
本体101には、CD−ROM105が取り出し自在に装填される際に使用されるCD−ROM装填口105aも備えられている。
【0024】
ここでは、CD−ROM105に、異常診断プログラムが記憶されており、そのCD−ROM105が本体101内に装填され、CD−ROMドライブによりそのCD−ROM105に記憶された異常診断プログラムがその診断用コンピュータ100の磁気ディスク内にインストールされる。診断用コンピュータ100の磁気ディスク内にインストールされた異常診断プログラムが起動されると、この診断用コンピュータ100は、本発明の異常診断装置の一実施形態として動作する。
【0025】
図3は、図2に示す診断用コンピュータのハードウェア構成図である。
【0026】
図3には、CPU111、RAM107、磁気ディスクコントローラ116、磁気ディスク106、CD−ROMドライブ115、マウスコントローラ114、キーボードコントローラ113、ディスプレイコントローラ112が示されており、それらはバス110で相互に接続されている。
【0027】
また、図3には、詳しくは後述する、CPU111に接続されたイーサネット(Ethernet)用のHub(ハブ)144、Hub144を介してCPU111に接続されたA/D変換ユニット141、および、ProgramableLogic Controller(以下、これをPLCと称呼する)143も示されており、A/D変換ユニット141には、4ヶのマイクロホンが接続され、PLC143には、リレー12が接続されている。CD−ROMドライブ115は、CD−ROM105が装填され、装填されたCD−ROM105をアクセスするものである。
【0028】
図4は、異常診断装置の内部構成図である。
【0029】
図4には、4ヶのマイクロホンで得られるアナログ音響信号を受信し、これらアナログ音響信号の中から選択的に読み込んだアナログ音響信号をデジタル音響信号に変換するA/D変換ユニット141、この装置全体を制御するCPU111、リレー12と接続されたPLC143、および、これらをイーサネットで結ぶためのHub144が示されている。
【0030】
図1に示すように、これら工作機械の上方には、音響を音響信号として検出するためのセンサとしてマイクロホン13a、13b、13c、13dが配備されており、A/D変換ユニット141は、指定したマイクロホンによって得られている音響信号の読み込みを、詳しくは後述するが、リレー12からの読込指示タイミング信号を受けて所定時間行なう。また、A/D変換ユニット141には、4ヶのマイクロホンが接続される第1チャネル141aから第4チャネル141dまでの4つのチャネルが備えられている。PLC143は、各シーケンサ11a、11b、11c、11dが各工作機械10a、10b、10c、10dに出力するシーケンス信号と同期したタイミング信号をリレー12を通じてモニタしている。
【0031】
この異常診断装置14では、複数の工作機械それぞれが正常稼動している場合の、各工作機械における一連の動作によって生じた音響信号から、この一連の動作を構成する複数の動作を指示する各タイミング信号の出力タイミングを基点とする時間指定によって設定された複数の時間窓によって信号を切り出し、これら切り出した信号に基づいてそれぞれの工作機械について逆フィルタを作成する。逆フィルタは、逆フィルタの基となる信号を切り出した時間窓および工作機械と対応付けられて記憶される。
【0032】
この異常診断装置14における異常の検出は、別時点で、逆フィルタを作成したときと同じ一連の動作によって得られた音響信号から、時間窓によって切り出される信号に対し、その時間窓に対応して記憶されている逆フィルタを作用させ、その結果得られる残差信号を解析することで行なわれる。
【0033】
また、この異常診断装置14では、各時間窓で切り出された正常稼動時の信号の固有振動数、その固有振動数のレベル、ピークのタイミング、そのピークのレベルについても解析されて時間窓に対応付けられて記憶されており、記憶されているこれらと、別時点において診断用の音響信号から同じ時間窓によって切り出されるこれらとの差異の検出も行なわれ、異常発生の有無の判定材料となっている。
【0034】
図5は、本発明の一実施形態としての異常診断プログラムの構成を示す図である。
【0035】
ここでは、この異常診断プログラム200は、CD−ROM105に記憶されており、この異常診断プログラム200は、制御モニタ部210、時間窓設定部220、信号取得部230、基準演算部240、および異常有無判定部250で構成されている。この異常診断プログラム200を構成する各部210〜250の作用については後述する。
【0036】
図6は、図3に示す診断用コンピュータに図5に示す異常診断プログラムがインストールされて実行されることにより実現された、本発明の異常診断装置の一実施形態の機能ブロック図である。
【0037】
図6に示す異常診断装置300は、制御モニタ部310、時間窓設定部320、信号取得部330、基準演算部340、異常有無判定部350、時間窓記憶部360、および基準記憶部370で構成されている。
【0038】
ここで、この図5に示す異常診断装置300を構成する各部310〜370のうち、時間窓記憶部360および基準記憶部370を除く制御モニタ部310、時間窓設定部320、信号取得部330、基準演算部340、異常有無判定部350は、図5にそれぞれ同一の名称で示されている、異常診断プログラム200を構成する各要素に対応する要素であるが、図6に示す異常診断装置300を構成する、制御モニタ部310、時間窓設定部320、信号取得部330、基準演算部340、異常有無判定部350は、ハードウェアとソフトウェアとの複合を指しており、図5に示す異常診断プログラム200を構成する制御モニタ部210、時間窓設定部220、信号取得部230、基準演算部240、異常有無判定部250は、アプリケーションプログラムとしての異常診断プログラム200の各プログラム部品を表わしている。尚、図6の異常診断装置300を構成する時間窓記憶部360および基準記憶部370は、図3に示すコンピュータの磁気ディスク106により構成されるものであるため、図5の異常診断プログラム200には含まれていない。
【0039】
以下、図6に示す異常診断装置300の各要素について説明することで、図5に示す異常診断プログラム200の各要素についても同時に説明する。
【0040】
制御モニタ部310は、図1に示す異常診断システムのシーケンサ11a、11b、11c、11dから、診断対象である工作機械10a、10b、10c、10dの制御状況を表わす前述したタイミング信号の中からCPU111によっつて指定されたシーケンサからのシーケンス制御信号に同期したタイミング信号をモニタする役割りを担っている。この制御モニタ部310は、ハードウェア上は、図4に示す、主としてPLC143がこれに相当する。
【0041】
時間窓設定部320は、図4における説明において述べたように、工作機械が行なう一連の動作を構成する複数の動作それぞれの実行を指示する各タイミング信号の出力タイミングを基点とする時間指定による時間窓の設定を行なう役割をなしており、ハードウェア上は、図4に示す、主としてキーボード103、マウス104などがこれに相当する。時間窓設定部320で設定された時間窓についての情報は、その時間窓の設定の基となったタイミング信号に対応付けられて時間窓記憶部360に記憶される。時間窓記憶部360は、磁気ディスク106等がこれに相当する。
【0042】
信号取得部330は、図1に示すマイクロホンからの音響信号を選択的に読み込む役割りをなしており、ハードウェア上は、図4に示す、主としてA/D変換ユニット141がこれに相当する。尚、本実施形態のA/D変換ユニット141は、4ヶのマイクロホンで得られた複数の音響信号を4ヶのチャネルで受信しているが、A/D変換ユニット内への信号の読み込みは、CPU111から指定されたチャネルについて、リレー12からの読込指示信号に応じて開始されるようになっている。
【0043】
基準演算部340では、制御モニタ部310でモニタしているタイミング信号に同期して信号取得部330で読み込まれた正常な音響信号から、この制御モニタ部310で得られるタイミング信号に対応付けられて時間窓記憶部360に記憶されている時間窓によって切り出される信号について、逆フィルタの作成、固有振動数およびピークの解析を行なう。ハードウェア上は、主として、CPU111等がこれに相当する。この基準演算部340で作成された逆フィルタなどの情報は、時間窓の情報に対応付けられて基準記憶部370に記憶される。この基準記憶部370は、磁気ディスク106等がこれに相当する。
【0044】
異常有無判定部350は、制御モニタ310からの制御モニタ310がモニタするタイミング信号と、信号取得部330からのこのタイミング信号に応じて発生した診断用の音響信号とを受け取ると共に、さらに基準記憶部370からも、そのタイミング信号に対応付けられた時間窓と、この時間窓に対応付けられている逆フィルタなどの基準情報とを読み出し、受け取った音響信号から診断対象である信号を読み出した時間窓で切り出す。その後、この切り出した信号に逆フィルタを作用させると共に固有振動数およびピークの比較を行なって異常の有無の判定を行なう。ハードウェア上は、主として、CPU111等がこれに相当する。
【0045】
ここで、図7は、本発明の異常診断装置の一実施形態における初期画面を示す図である。
【0046】
図7に示す異常診断装置14の表示画面102aには、図1に示す異常診断システム1が有する3つのモード、‘コンフィグレーション’、‘設定’、‘診断’のうちのいずれかを選択するために画面表示されるアイコンが示されている。
【0047】
‘コンフィグレーション’モードでは、ハード設定、診断対象の巡回パターンの設定、診断のインターバルの設定が行なわれる。
【0048】
‘設定’モードでは、時間窓の設定、異常発生と判断する閾値の設定などが行なわれ、さらには、逆フィルタの作成、固有振動数の解析なども行なわれる。
【0049】
‘診断’モードでは、‘コンフィグレーション’モードおよび‘設定’モードにおいて設定された条件に基づく診断が行なわれる。
【0050】
ここで、‘コンフィグレーション’モードについて説明する。
【0051】
図8は、図7に示されるアイコン‘コンフィグレーション’をクリックした場合の画面表示を示す図である。
【0052】
図8には、上から順に、‘ハード設定’、‘診断対象選択パターン’、および‘診断インターバル’の各項目が示されており、項目‘ハード設定’では、図4に示すA/D変換ユニット141に設けられている第1チャネル141aから第4チャネル141dまでの4つのチャネルそれぞれに接続されているマイクロホンによって音響信号が受信されている工作機械の名称と、この工作機械の動作を制御するシーケンサのIDとがチャネル番号に対応付けられる。
【0053】
項目‘診断対象選択パターン’では、デフォルトである‘全体巡回’、あるいはチャネル番号を指定することで実行される‘特定巡回’のうちのいずれかの選択がラジオスイッチのクリックによって行なわれる。‘特定巡回’では、特定のチャネル番号を指定することによって、その指定されたチャネル番号に対応する工作機械だけの診断を行なうことができる。
【0054】
項目‘診断インターバル’では、診断用の音響信号の読み込みについての時間間隔の設定が行なわれ、デフォルトである‘XXX’sec、あるいは、‘時間指定’のうちのいずれかの選択がラジオスイッチのクリックによって行なわれる。図8に示されるアイコン‘変更’は、一旦設定した内容を変更する際に使用され、アイコン‘登録’は、設定内容を確定するために使用される。また最下段に示されるアイコン‘戻る’は、図7に示す初期画面に戻る際に使用される。
【0055】
次に、‘設定’モードについて説明する。
【0056】
図9は、図1に表示されるアイコン‘設定’をクリックすることで表示される画面表示を示す図である。
【0057】
図9には、A/D変換ユニット141における、音響信号の読み込み開始の合図であるリレー12から発信された読込指示信号の受信から5.2秒間に読み込まれた音響信号が上段に示されている。この音響信号は、‘コンフィグレーション’モードにおいて設備名称が設定された工作機械のうちの1つにおける一連の動作によって発生した音響から検出されたものである。さらに、図9の中段には‘1’から‘16’までの時間窓設定ボタン、下段には、図示の煩雑さを避けるため、読み込みを指示したリレー12からの読込指示信号のステータス変化以外についてのここでの図示は省略するが、この上段に示される音響信号の基となった、この工作機械に出されたシーケンサ信号と同期したタイミング信号のステータス変化が示される。尚、この異常診断装置14では、サンプリング周波数が50kHzの場合に10秒間の音響信号の読み込みが可能となっており、下段のグラフの横軸には、読込指示信号がA/D変換ユニットで受信された時点からの経過時間を示す数字が示されており、読込指示信号が、7.5sec間アサート状態にあったことが示されている。
【0058】
図10は、図2に示す1から16の時間窓設定ボタンのうちのボタン‘1’がクリックされたことで設定用ウインドウが開かれた様子を示す図である。
【0059】
図10に示すウインドウには、設定メニューが表示されており、この設定メニューは、上段に示されている音響信号波形のうちのどの部分を診断の対象とするかを決定する項目‘時間窓設定’と、項目‘時間窓設定’で設定された範囲についての診断方法を選択する項目‘診断方法’とで構成されている。
【0060】
ここで、項目‘時間窓設定’では、時間窓の範囲設定が行なわれ、ここには、複数あるタイミング信号のうちの1つのタイミング信号のステータス変化を表わす‘ステータス1’の1回目の立ち上りを基点として100msec遡った時点を時間窓の開始時刻とし、‘ステータス1’の1回目の立ち上りから300msec経過した時点をこの時間窓の終了時刻とする時間窓の設定が行なわれている様子が示されている。
【0061】
また、ここには、‘測定無効同期信号’として‘ステータス13’および‘ステータス15’が指定されている様子が示されているが、診断用の音響信号の読み込みの際に、これら2つのステータスで表わされるタイミング信号のうち1つでもアサートされていた場合には、当該時間窓における異常検出は中止される。これは、所定の音響信号が、不定期に出力される所定のシーケンス信号によるものであるために逆ファイルなどの基準情報の基となる正常時の音響信号には含まれておらず、診断対象の音響信号の方に含まれていた場合に、正常であるにもかかわらず異常であるとの判定を下してまうのを防止するためである。
【0062】
さらに、ここには、アイコン‘初期解析’、‘設定終了’、および‘確定’も示されているが、これらについては後述する。
【0063】
項目‘時間窓設定’の下方に示される項目‘診断方法’には、項目‘時間窓設定’において設定した時間窓によって切り出される診断対象の音響信号に対する診断方法である、‘逆フィルタ’、‘固有振動数’、および‘波高’が示されており、診断方法の選択は、診断方法名の左横に設けられたチェックボックスに対するクリックによって行なわれる。
【0064】
図10に示される診断方法‘逆フィルタ’の下方には、上から順に、フィルタ係数次数を指定するための入力欄‘フィルタ係数次数’、作成された逆フィルタが作用した結果が表示される表示欄‘現在’、この表示欄‘現在’の下方には、表示欄‘現在’に示される値の評価基準となる閾値の入力が行われる入力欄‘注意’および‘警告’が示されており、ここには、逆フィルタを作用させた結果について‘注意’あるいは‘警告’と判断するための基準となる閾値が入力される。これら入力欄‘注意’および‘警告’の右側には、結果が‘注意’あるいは‘警告’に該当した場合に表示する診断メッセージを指定するコード番号が入力される入力欄‘Alm’が示されている。
【0065】
診断方法‘固有振動数’の下方には、上から順に、正常時の音響信号のうちの、項目‘時間窓設定’において設定した時間窓によって切り出された信号部分についての固有振動数のレベルを100とした場合の、診断用の音響信号の、この時間窓によって切り出される信号部分の固有振動数のレベルが100に対する割合で示される表示欄‘現在’が示されており、この下方には、この表示欄‘現在’に示される値の評価についての基準の設定が行なわれる入力欄‘注意’および‘警告’が示されており、これらの説明は、診断方法‘逆フィルタ’においてした説明と同じとなるので省略する。さらに、これらの下方には、正常時の音響信号のうちの、この時間窓によって切り出された信号部分における固有振動数と、診断用の音響信号のうちの、この時間窓によって切り出された信号部分の固有振動数とのずれが表示欄‘現在’に示され、この表示欄‘現在’の下方には、表示欄‘現在’に示される値の評価についての基準の設定が行われる入力欄‘注意’、‘警告’、および‘Alm’が示されている。尚、これらの説明は、診断方法‘逆フィルタ’においてした説明と同じとなるので省略する。
【0066】
診断方法‘波高’の下方には、上から順に、正常時の音響信号のうちの、上記時間窓によって切り出された信号部分におけるピークのレベルを100とした場合の、診断用の音響信号の、この時間窓によって切り出される信号部分のピークのレベルが100に対する割合で示される表示欄‘現在’が示されており、この下方には、この表示欄‘現在’に示される値の評価についての基準の設定が行われる入力欄‘注意’および‘警告’が示されており、これらの説明は、診断方法‘逆フィルタ’においてした説明と同じとなるので省略する。さらに、これらの下方には、正常時の音響信号のうちの、上記時間窓によって切り出された信号部分におけるピークが発生するタイミングと、診断用の音響信号のうちの、この時間窓によって切り出される信号部分のピークが発生するタイミングとのずれが表示欄‘現在’に示され、この表示欄‘現在’の下方には、この表示欄‘現在’に示される値の評価についての基準の設定が行われる入力欄‘注意’、‘警告’、および‘Alm’が示されている。尚、これらの説明も、診断方法‘逆フィルタ’においてした説明と同じとなるので省略する。
【0067】
ここで、項目‘時間窓設定’の右端に示されるアイコン‘初期解析’、‘設定終了’、および‘確定’について説明する。
【0068】
アイコン‘設定終了’は、項目‘時間窓設定’および項目‘診断方法’における設定内容によって、逆ファイルの作成、固有振動数およびピークの検出など行なわせるために使用されるものであり、このアイコンのクリックにより、図10の上段に示されるような、設定内容に応じた時間窓が画面表示される。
【0069】
アイコン‘初期解析’は、このアイコン‘設定終了’のクリックによって作成された逆フィルタの性能検査のために使用されるものであり、このアイコン‘初期解析’をクリックすると、項目‘時間窓設定’で設定した時間窓について作成した逆フィルタを、この逆フィルタ作成の基となった信号部分に作用させることができる。これによる結果は、項目‘診断方法’の診断方法‘逆フィルタ’の表示欄‘現在’に表示される。
【0070】
この異常診断装置14では、このような時間窓の設定が16ヶまで可能となっており、所定の設備名称で指定される1つの設備についての所望の数の時間窓設定が終了し、アイコン‘確定’がクリックされると、作成された逆フィルタなどの基準情報が、磁気ディスク106に記憶され、図10の最下段に示されるアイコン‘変更’への操作を経ずしては変更できないようになる。さらには、図10の最上段に示される設備名称が、診断対象として、‘コンフィグレーション’モードで設定されている次の設備名称に変化し、この設備名称に対応する工作機械の設定が可能となる。‘コンフィグレーション’モードにおいて登録されている設備全てについての設定が終了し、このモードを抜けると時には、図10の最下段に示されるアイコン‘戻る’を選択することで、図7に示す画面表示に戻る。
【0071】
次に、‘診断’モードにおいて行なわれる内容について説明する。
【0072】
図11は、図7に表示されるアイコン‘診断’をクリックすることで表示される画面表示を示す図である。
【0073】
図11には、‘コンフィグレーション’において設定された名称が付された設備機械のうちの1つの機械における一連の動作によって発生した、診断対象である音響信号波形と、すでに設定されている7つの時間窓が示されている。この音響信号波形は、‘コンフィグレーション’モードにおいて設定された巡回パターンに沿って決定された工作機械からの音響信号のうちの、診断用の音響信号の読み込み開始の合図である読込指示信号の受信から5.2秒間にA/D変換ユニット141において読み込まれた信号であり、この上方には、ここでの図示は省略されているが、‘コンフィグレーション’において設定された、この工作機械の設備名称も示される。図11の下段には、ここでの図示は省略されているが、時間枠ごとに選択されている診断方法による診断結果と、その検査結果の根拠値とが表示される。これら表示は、‘コンフィグレーション’モードで設定された方法に沿って行なわれ、診断対象である設備が変化するごとに、図11の最上段の設備名称もそれに応じて変化し、上段に表示される診断用の音響信号波形も該当する工作機械から読み取られたものが表示される。診断結果が異常有りと判定されると、その旨が欄‘診断結果’に表示されると共に診断は一旦停止される。その後、図11の最下段に示されるアイコン‘継続’がクリックされると、診断はその後も続けられることとなり、アイコン‘戻る’がクリックされると、診断は中止され、図7に示す画面表示に戻る。
【0074】
図12は、本発明の診断装置の一実施形態において起動されるルーチンのフローチャートである。
【0075】
図12に示すステップS1では、図7に示すこの異常診断装置1の初期画面の表示が行なわれる。ステップS2では、初期画面に示されるアイコン‘コンフィグレーション’がクリックされたか否かが判定され、ステップS2において、アイコン‘コンフィグレーション’がクリックされたと判定されると、ステップS3に進み、現在画面上に表示されているメッセージがあればその消去が行なわれる。ステップS4では、サブルーチン‘コンフィグレーション’が実行され、このサブルーチンが実行された後、ステップS5において、‘コンフィグレーション’モードにおける設定が終了していることを意味するフラグがオンされる。このサブルーチン‘コンフィグレーション’については後述する。その後、ステップS2に戻る。
【0076】
一方、ステップS2において、アイコン‘コンフィグレーション’がクリックされていないと判定されると、ステップS6に進み、アイコン‘設定’がクリックされたか否かが判定され、ステップS6において、アイコン‘設定’がクリックされていると判定されると、ステップS7に進み、サブルーチン‘設定’が実行される。このサブルーチン‘設定’については後述する。そのサブルーチン‘設定’が終了すると、ステップS2に戻る。
【0077】
ステップS6において、アイコン‘設定’がクリックされていないと判定されると、ステップS8に進み、アイコン‘診断’がクリックされたか否かが判定され、ステップS8において、アイコン‘診断’がクリックされたと判定されると、ステップS9に進み、‘コンフィグレーション’モードにおける設定が終了しているか否かを表わすフラグがオンされているか否かが判定され、ステップS9において、フラグがオンされていると判定されると、ステップS10に進み、サブルーチン‘診断’が実行される。サブルーチン‘診断’については後述する。その後、ステップS2に戻る。尚、ステップS9において、フラグがオンになっていないと判定されると、ステップS11に進み、ステップ11において、‘コンフィグレーション’モードにおける設定を指示するメッセージの表示が行なわれる。その後、ステップS2に戻る。
【0078】
図13は、サブルーチン‘コンフィグレーション’のフローチャートである。
【0079】
図13に示すステップS21では、図8に示す登録画面の表示が行なわれ、その後、ステップS22に進み、項目‘ハード設定’の登録が、図8に示すアイコン‘登録’がクリックされることで登録済みか否かが判定される。ステップS22において、登録済みであると判定されると、ステップS23に進み、アイコン‘変更’がクリックされているか否かが判定され、ステップS23において、アイコン‘変更’がクリックされていないと判定されると、ステップS24に進み、チャネル番号に対応付けられて、‘設備名称’および‘シーケンサID’が記憶される。その後、ステップS25に進み、項目‘診断対象選択パターン’の内容の記憶が行なわれ、ここでは、デフォルトで‘全体巡回’が選択されているため、ラジオスイッチによる変更がなければそのままデフォルトが記憶される。ステップS26では、項目‘診断インターバル’の内容の記憶が行なわれ、ここでは、デフォルトで‘XXX’secが選択されているため、ラジオスイッチによる変更がなければそのままデフォルトが記憶される。その後、ステップS27に進む。ステップS27では、図8に示すアイコン‘戻る’がクリックされているか否かが判定され、ステップS27において、アイコン‘戻る’がクリックされていると判定されると、このサブルーチンを抜けて、図12に示すメインルーチンに戻る。尚、ステップS22において、項目‘ハード設定’の登録がアイコン‘登録’のクリックによって未だなされていないと判定されるとステップS22を繰り返し、ステップS23において、アイコン‘変更’がクリックされていると判定されると、ステップS28に進み、アイコン‘登録’のクリックによる登録状態の解除が行なわれ、その後、ステップS22に進む。ステップS27において、アイコン‘戻る’がクリックされていないと判定されると、ステップS22に戻る。
【0080】
図14は、サブルーチン‘設定’のフローチャートである。
【0081】
図14に示すステップS31では、サブルーチン‘コンフィグレーション’で登録された工作機械の数の取得が行なわれ、その数がカウンタ(K)に格納される。ステップS32では、カウンタ(N)に‘1’が格納される。ステップS33では、第‘N’チャネルに対応して‘コンフィグレーション’モードで登録された工作機械からの正常時の音響信号とシーケンス制御信号の読み込みが行なわれる。第‘N’チャンネルの‘N’は、ステップS32におけるカウンタ(N)に格納されるカウント値と同じ値となる。ステップS34では、図9に示す設定画面が表示される。ステップS35では、設定画面の中段に表示される時間窓番号がクリックされたか否かが判定され、ステップS35において、窓番号が指定されたと判定されると、ステップS36に進み、図10に示す設定事項の入力が終了しアイコン‘設定終了’がクリックされたか否かが判定される。ステップS36において、アイコン‘設定終了’がクリックされたと判定されると、ステップS37に進み、設定された時間窓で切り出される各信号について、逆フィルタの演算、固有振動数の検出、検出した固有振動数のレベル検出、ピークを迎えたタイミングの検出、検出したピークのレベル検出が行われる。その後、ステップS38に進み、図10の上段に示されるように、設定された時間窓の表示が行われる。ステップS39では、図10に示すアイコン‘初期解析’がクリックされたか否かが判定され、ステップS39において、アイコン‘初期解析’がクリックされていないと判定されると、ステップS40に進み、図10に示すアイコン‘確定’がクリックされたか否かが判定される。ステップS40において、アイコン‘確定’がクリックされたと判定されると、ステップS41に進む。ステップS41では、時間窓で切り出された信号について演算あるいは検出して得た、逆フィルタ、固有振動数、検出した固有振動数のレベル、ピークを迎えたタイミング、検出したピークのレベルが時間窓番号と対応付けられて記憶される。その後、ステップS42に進み、チャネルを指定するカウンタ(N)のカウント値と、診断対象である工作機械の総数が記憶されているカウンタ(K)のカウント値とが等しいか否かが判定され、ステップS42において、等しいと判定されると、すなわち、‘コンフィグレーション’モードで登録された全ての工作機械について逆フィルタなどの作成が完了したと判定されると、ステップS43に進み、図10の最下段に示されるアイコン‘戻る’がクリックされたか否かが判定される。ステップS43において、アイコン‘戻る’がクリックされたと判定されると、このサブルーチンを抜けて図12に示すメインルーチンに戻る。尚、ステップS35において、窓番号が指定されていないと判定されると、ステップS35を繰り返し、ステップS36において、アイコン‘設定終了’がクリックされていないと判定されると、ステップS36を繰り返す。また、ステップS39において、アイコン‘初期解析’がクリックされていると判定されると、ステップS44に進み、作成された逆フィルタの基となった信号に逆フィルタを作用させる。ステップS45では、この初期解析の結果の表示が、図10の‘逆フィルタ’の表示欄‘現在’において行なわれる。その後、ステップS40に進む。また、ステップS40において、アイコン‘確定’がクリックされていないと判定されると、ステップS36に戻る。ステップS42において、カウンタ(N)のカウント値が、カウンタ(K)のカウント値と等しくないと判定されると、ステップS46に進み、カウンタ(N)について1の加算が行われ、ステップS33に戻る。ステップS43において、アイコン‘戻る’がクリックされていないと判定されると、逆フィルタなどの作成が完了していない工作機械が残っているとして、ステップS47に進み、アイコン‘変更’がクリックされているか否かが判定され、ステップS47において、アイコン‘変更’がクリックされていないと判定されると、ステップS43に戻り、ステップS47において、アイコン‘変更’がクリックされていると判定されると、ステップS32に戻る。
【0082】
図15は、サブルーチン‘診断’のフローチャートである。
【0083】
図15に示すステップS51では、図11に示す画面の表示が行われ、ステップS52では、カウンタ(L)に‘1’が格納され、ステップS53において、カウンタ(M)に‘1’が格納される。その後、ステップS54に進み、‘コンフィグレーション’モードにおいて設定された、カウンタ(L)に格納されている数と同じ番号のチャネルに対応して登録されている工作機械からの診断用の音響信号の読み込みを行う。ステップS55では、カウンタ(M)に格納されている数と同じ番号の時間窓で切り出された診断用の音響信号に対する逆フィルタの作用と波形比較などが行われる。ステップS56では、時間窓毎に指定されている診断方法についての診断結果を図11に示す所定の表示位置上に表示する。その後、ステップS57に進み、診断の結果異常が検出されたか否かが判定され、ステップS57において異常は検出されていないと判定されると、ステップS58に進み、図11の最下段に示されているアイコン‘戻る’が操作されているか否かが判定される。ステップS58において、アイコン‘戻る’が操作されていると判定されると、このサブルーチンを抜けて、図12に示すメインルーチンに戻る。尚、ステップS58において、アイコン‘戻る’が操作されていないと判定されると、ステップS59に進み、カウンタ(L)に格納されている数と同じ番号のチャネルに対応する工作機械について設定されているすべての時間窓についての診断が終了したか否かが判定され、ステップS59において、未だ、設定されている全ての時間窓による診断が終了していないと判定されると、ステップS60に進み、カウンタ(M)の1の加算が行われ、その後、ステップS55に進む。ステップS59において、カウンタ(L)に記憶されている数と同じ番号の工作機械について設定されているすべての窓による診断が終了したと判定されると、ステップS61に進み、カウンタ(L)に記憶されている数が‘コンフィグレーション’で設定された機械設備の総数と同じであるか否かが判定され、ステップS61において、同じでないと判定されると、ステップS62に進み、カウンタ(L)の1の加算が行われる。その後、ステップS53に戻り、‘コンフィグレーション’モードにおいて設定されている、新たな第‘L’チャネルに対応する工作機械についての診断が行なわれる。一方、ステップS61において、同じであると判定されると、ステップS52に戻り、‘コンフィグレーション’モードにおいて設定されている工作機械についての診断が一巡したとしてまた最初から診断を開始する。
【0084】
以上説明したように、本実施形態の異常診断装置14では、診断しようとする信号部分の特徴に合わせて、時間窓の開始時刻および終了時刻を、関連するタイミング信号ごとに異ならせて設定することができる。したがって、このように設定された時間窓によれば、異常の発生が表れやすい信号部分を的確に切り出すことができるため、このような時間窓によって切り出された信号部分に基づいて作成された逆フィルタなどの基準情報による異常の有無の検出が行なわれることで、検出精度を高レベルに維持することができる。
【0085】
尚、以上に説明した実施形態では、工作機械から発生する音響を信号として検出した場合について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、設備機械からの振動を信号として検出し、それを利用するものであってもよい。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の異常診断装置によれば、診断対象である機械設備に発生する異常の有無を高精度に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の異常診断装置の一実施形態を含む異常診断システムの概念図である。
【図2】本発明の異常診断装置の一実施形態として動作する診断用コンピュータの外観斜視図である。
【図3】図2に示す診断用コンピュータのハードウェア構成図である。
【図4】異常診断装置の内部構成図である。
【図5】本発明の一実施形態としての異常診断プログラムの構成を示す図である。
【図6】図3に示す診断用コンピュータに図5に示す異常診断プログラムがインストールされて実行されることにより実現された、本発明の異常診断装置の一実施形態の機能ブロック図である。
【図7】本発明の異常診断装置の一実施形態における初期画面を示す図である。
【図8】図1の表示画面に示されるアイコン‘コンフィグレーション’をクリックした場合の画面表示を示す図である。
【図9】図1に表示されるアイコン‘設定’をクリックすることで表示される画面表示を示す図である。
【図10】図2に示す1から16の時間窓設定ボタンのうちのボタン‘1’がクリックされたことで設定用ウインドウが開かれた様子を示す図である。
【図11】図7に表示されるアイコン‘診断’をクリックすることで表示される画面表示を示す図である。
【図12】本発明の診断装置の一実施形態において起動されるルーチンのフローチャートである。
【図13】サブルーチン‘コンフィグレーション’のフローチャートである。
【図14】サブルーチン‘設定’のフローチャートである。
【図15】サブルーチン‘診断’のフローチャートである。
【符号の説明】
1 異常診断システム
10a、10b、10c、10d 工作機械
11a、11b、11c、11d シーケンサ
12 リレー
13a、13b、13c、13d マイクロフォン
14 異常診断装置
15 ベルトコンベア
100 診断用コンピュータ
101 本体
102 CRT
102a 表示画面
103 キーボード
104 マウス
105 CD−ROM
105a CD−ROM装填口
106 磁気ディスク
107 RAM
110 バス
111 CPU
112 ディスプレイコントローラ
113 キーボードコントローラ
114 マウスコントローラ
115 CD−ROMドライブ
116 磁気ディスクコントローラ
141 A/D変換ユニット
141a、141b、141c、141d チャネル
143 PLC
144 Hub
200 異常診断プログラム
210、310 制御モニタ部
220、320 時間窓設定部
230、330 信号取得部
240、340 基準演算部
250、350 異常有無判定部
360 時間窓記憶部
370 基準記憶部
Claims (1)
- 時系列的なシーケンス制御信号に基づいた動作を行なう対象機械の正常、異常を診断する異常診断装置において、
前記シーケンス制御信号をモニタする制御モニタ部と、
複数の時間窓それぞれの開始時刻および終了時刻を、前記シーケンス制御信号に関連づけて操作に応じて設定する時間窓設定部と、
前記時間窓設定部で設定された時間窓を記憶しておく時間窓記憶部と、
前記対象機械から得られる、所定の物理量を担持する時系列信号を取得する信号取得部と、
前記信号取得部で取得された時系列信号を前記時間窓記憶部に記憶された各時間窓で切り出し、該各時間窓で切り出された各時間系列信号に基づいて各逆フィルタを求める演算を含む演算により各基準情報を求めるものであって、該各逆フィルタを、該各逆フィルタを求める基礎になった該各時系列信号自身に作用させて各残差信号を求め、該各残差信号のレベルをユーザに向けて知らせる逆フィルタ精度情報通知手段を有する基準演算部と、
前記基準演算部で求められた各基準情報を前記各時間窓に対応づけて記憶しておく基準記憶部と、
前記基準演算部により前記各基準情報が求められた後における、前記信号取得部で取得され前記各時間窓で切り出された各時系列信号に、該各時間窓に対応する前記各逆フィルタを作用させることにより各残差信号を求める演算を含む演算を行ない、該演算の結果に基づいて、該各時間窓で切り出した各時系列信号に異常が存在するか否かを判定する異常有無判定部とを備えたことを特徴とする異常診断装置。
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