JP4230752B2 - 液晶表示装置の駆動方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アナログ映像信号を1水平走査期間の前半と後半でそれぞれ異なる信号線群に振り分けて駆動する液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置に代表される表示装置は、薄型、軽量かつ低消費電力であることから、各種機器のディスプレイとして用いられている。中でも、画素毎にトランジスタを配置したアクティブマトリクス型液晶表示装置は、ノート型パソコンや携帯型情報端末のディスプレイとして普及しつつある。
【0003】
近年、従来の液晶表示装置に用いられていたアモルファスシリコンTFTに比べて電子移動度が高いポリシリコンTFTを比較的低温のプロセスで形成する技術が確立され、液晶表示装置に用いるトランジスタの小型化が可能となった。これにより、複数の走査線と複数の信号線との各交差部に配置した画素トランジスタを有する画素部と、各画素トランジスタを駆動する駆動回路とを同一の製造プロセスによって電極基板上に一体的に形成することができるようになった。
【0004】
従来技術として、ゲート線駆動回路をアレイ基板上に形成し、信号線駆動回路をアレイ基板上に形成した選択回路とTCP上に実装した信号線駆動用ICとで構成した表示装置がある。この表示装置では、信号線駆動用ICの各出力端子をアナログスイッチを介して隣接する複数の信号線にそれぞれ割り当て、1水平走査期間内に複数回の書き込み時間を設けて、各書き込み時間毎にアナログスイッチを切り替えて映像信号を隣接する複数の信号線に順次振り分けて書き込むようにしたものである(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−109435号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年、液晶表示装置の低消費電力化を目的として、1水平走査期間の長さを従来と同等のまま、クロック周波数を遅して、水平ブランキング期間を短くする要求が高まってきている。
【0007】
しかしながら、水平ブランキング期間を短くして、前半のブランキング期間と後半のブランキング期間を同じとすると、前半の映像信号出力期間と後半の映像信号出力期間は同じとなるが、画素トランジスタをオン/オフする走査信号のなまり(立ち上がり/立ち上がり時間)の関係で後半書き込み時間が前半書き込み時間よりも短くなる。これによって、各信号線への映像信号の書き込み特性が前半と後半で大きく異なり、フリッカ等の表示ムラを生じることがある。
【0008】
また、前半書き込み時間を後半書き込み時間に合わせて短くした場合、映像信号の書き込み特性は前半と後半で同じとなるが、前半・後半書き込み時間そのものが短くなるため、コントラスト不足等を生じることがある。
【0009】
本発明の目的は、水平ブランキング期間を短くした場合でも、フリッカやコントラスト不足等の表示不良を生じることがなく、表示画質に優れた液晶表示装置の駆動方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、主面上に、互いに直交して配線された複数の信号線及び複数の走査線、前記信号線と走査線との各交差部に配置された複数の画素トランジスタ、前記各画素トランジスタに接続された複数の画素電極を備えたアレイ基板と、前記走査線を駆動するための走査信号を供給する走査線駆動回路と、入力されるデジタル信号をアナログ信号に変換すると共に、前記信号線を2つの信号線群に区分し、前記各信号線群に対応するアナログ信号をシリアルに出力する信号線駆動用IC、前記信号線駆動用ICから出力されたアナログ信号を1水平走査期間の前半、後半で前記各信号線群の対応する信号線に順次振り分けて出力する選択回路を備えた信号線駆動回路と、前記選択回路によるアナログ信号の前記対応する信号線への振り分け順序を制御する制御信号を出力する制御回路とを備えた液晶表示装置の駆動方法において、前記制御信号は、1水平走査期間の前半に書き込まれるアナログ信号を1つの前記信号線群の対応する信号線に振り分ける第1制御信号と、1水平走査期間の後半に書き込まれるアナログ信号を他の1つの前記信号線群の対応する信号線に振り分ける第2制御信号とからなり、前記第1制御信号と前記1水平走査期間の前半に書き込まれるアナログ信号は異なるタイミングで駆動され、前記第2制御信号と前記1水平走査期間の後半に書き込まれるアナログ信号は同じタイミングで駆動されることを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1において、前記第1制御信号が前記1水平走査期間の前半に書き込まれるアナログ信号よりも遅いタイミングで駆動されることを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記1水平走査期間の前半に書き込まれるアナログ信号の書き込み時間と、前記1水平走査期間の後半に書き込まれるアナログ信号の書き込み時間とが略等しいことを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1,2又は3のいずれかにおいて、前記アナログ信号が1水平走査期間毎に2つの信号線群に対応した2つのアナログ映像信号を含み、1つのアナログ信号と他の1つのアナログ信号が互いに逆極性であることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わる液晶表示装置の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0015】
図2は、本実施の形態に係わる液晶表示装置の回路構成図である。図2に示すように、この液晶表示装置1は、アレイ基板100と、このアレイ基板100に対して所定の間隔をおいて対向配置され対向電極210を備えた対向基板200と、これらアレイ基板100と対向基板200との間に挟持され、配向膜(図示せず)を介して配置される液晶層300とを備えている。アレイ基板100と対向基板200とは、その周辺に配置されるシール材400によって貼り合わせられている。
【0016】
アレイ基板100は、複数の走査線Y及びこれと直交する複数の信号線X(信号線X1、X2…の総称)とがマトリクス状に配置されており、このマトリクスの各格子毎にスイッチング素子としての画素トランジスタすなわち画素TFT110と画素電極120とが設けられている。
【0017】
画素TFT110は、多結晶シリコン膜を半導体層とする多結晶シリコンTFTである。画素TFT110のゲート電極は走査線Yに接続され、ソース電極は信号線Xに接続されている。また、画素TFT110のドレイン電極は画素電極120及びこの画素電極120と並列に接続された補助容量素子130を構成する一方の電極に接続されている。画素TFT110は、走査線Yから供給される走査信号によりオンし、ソース/ドレイン電極間が導通することにより、信号線Xに書き込まれた映像信号がソース電極からドレイン電極を通じて画素電極120へ印加される。
【0018】
走査線Yを駆動するための走査信号を出力する走査線駆動回路150は、画素TFT110と同一プロセスでアレイ基板100上に一体的に形成されている。本実施の形態では、走査線駆動回路150を走査線Yの両端に設けている。
【0019】
信号線Xに映像信号を書き込む信号線駆動回路部160は、フレキシブル配線基板上に信号線駆動用IC511が実装され、かつアレイ基板100と電気的に接続されるTCP500−1、500−2、500−3、500−4と、アレイ基板100上に画素TFT110と同一プロセスで形成された選択回路170とで構成されている。
【0020】
TCP500−1〜4(以下、総称−N)は、長手方向の一辺がアレイ基板100側に接続され、他辺が外部回路基板としてのPCB基板600側に接続されている。このPCB基板600上には、外部から入力されるデジタル映像信号を並び替えて出力するほか、これと同期して入力されるクロック信号に基づいて各種制御信号を出力する制御IC610、及び図示しない電源回路などが実装されている。
【0021】
TCP500−Nは、図3に示すように、PCB基板600側に形成された接続配線上の図示しない接続端子に接続されるPCB側パッド513、アレイ基板100側に形成された接続配線上の図示しない接続端子に接続されるアレイ側パッド515を備えており、これらのPCB側パッド513及びアレイ側パッド515は、異方性導電フィルム(ACF)を介してそれぞれPCB基板600及びアレイ基板100に電気的に接続されている。また、これらのパッド間を接続する各種配線として、PCB基板600からの入力信号に対応して設けられたデジタル映像信号用配線群531、信号線駆動用IC511からの出力信号に対応して設けられたアナログ映像信号用配線群533、液晶表示装置用の電源配線、選択回路170のスイッチSW用の電源配線及びスイッチ信号(ASW)用配線、走査線駆動回路150用の電源配線及び制御信号用配線などの各種配線群535及び537を備えている。
【0022】
信号線駆動用IC511は、図4に示すように、シフトレジスタ521、サンプリングラッチ522、ロードラッチ523、D/Aコンバータ525などから構成されている。シフトレジスタ521には、制御IC610からクロック信号及びレジスタ制御信号が入力される。サンプリングラッチ522には、クロック信号に同期して制御IC610からデジタル映像信号が入力される。サンプリングラッチに蓄えられたデジタル映像信号は、制御IC610で生成されるロード信号に同期して読み出され、同一タイミングでロードラッチ523から出力される。D/Aコンバータ525には、制御IC610から図示しない基準電圧が入力され、ロードラッチ523から出力されたデジタル映像信号がアナログ映像信号に変換される。
【0023】
TCP−Nの信号線駆動用IC511から出力されるアナログ映像信号は、1水平走査期間毎に2つの信号線に対応したアナログ映像信号を含み、これをシリアルに出力し、これがアレイ基板100上に形成された信号線駆動回路部160の選択回路170に入力される。
【0024】
選択回路170は、スイッチSW1、SW2…を備えている。これらスイッチSW1、SW2…は、信号線駆動用IC511からの配線に接続され、信号線駆動用IC511からの各アナログ映像信号が出力される出力端子OUT1、OUT2…と、信号線X1、X2…の一端に設けられた入力端子1A及び1B、2A及び2B…とを選択的に接続しており、これにより各水平走査期間で信号線駆動用IC511からの2つの隣接する信号線に対応するシリアルな各アナログ映像信号を、隣接する2つの信号線に順次振り分けている。出力端子OUTの数は、信号線Xの数の半分であり、1出力端子から隣接する2本の信号線に対して順次アナログ映像信号を出力している。
【0025】
そして、例えば、スイッチSW1、SW3、SW5…は、制御IC610で生成されるスイッチ信号ASW1により同時にオンして、1水平走査期間の前半に、出力端子OUT1、OUT2、OUT3…と、信号線X1、X3、X5…の入力端子1A、2A、3A…とをそれぞれ同一のタイミングで接続する。一方、スイッチSW2、SW4、SW6…も同様に、制御IC610で生成されるスイッチ信号ASW2により同時にオンして、1水平走査期間の後半に、出力端子OUT1、OUT2、OUT3…と、信号線X2、X4、X6…の入力端子1B、2B、3B…とをそれぞれ同一のタイミングで接続する。
【0026】
なお、信号線X1、X3、X5…は、信号線X1、X2…を2つの信号線群に区分したときの1つの信号線群に相当し、信号線X2、X4、X6…は他の1つの信号線群に相当する。
【0027】
また、スイッチ信号ASW1は本実施の形態における第1制御信号に相当し、スイッチ信号ASW2は本実施の形態における第2制御信号に相当する。
【0028】
次に、上記のように構成された液晶表示装置1の駆動方法として、各信号線駆動用ICから各画素へアナログ映像信号を書き込む動作について説明する。
【0029】
まず、本発明に係わる駆動方法を説明する前に、従来例の駆動方法を図5〜図7を参照しながら説明する。
【0030】
第1の従来例として、一般的なCRTと同じクロック周波数で駆動した場合を例として説明する。図5は、通常のクロック周波数で駆動した場合の信号波形の一例を示すタイミングチャートである。
【0031】
制御IC610には、パソコン等のプロセッサ(以下、セットという)から1水平走査期間において、信号線X1、X2、X3…に対応したデジタル映像信号のデータがクロック信号に同期して順次入力される(図中、枠内のX1、X2、X3…は、それぞれの信号線に入力されるデジタル映像信号を示している)。
【0032】
通常、セットからの出力には、各水平期間ごとに、映像信号が出力されない水平ブランキング期間が設けられている。なお、水平ブランキング時間は構造上、ブラウン管で必要とされる。液晶表示装置ではCRTほどの水平ブランキング時間は必要とされないが、現在までは、CRTと液晶表示装置は、同一のタイミングで駆動されていた。なお、図中においては“水平ブランク”、“前半ブランク”と略す。
【0033】
制御IC610では、セットから入力されたデジタル映像信号についてデータの並び替えが行われる。すなわち、信号線X1、X2、X3…の順番で制御IC610に入力されたデジタル映像信号は、X1,X3,X5…(前半奇数)、X2,X4,X6…(後半偶数)の順番でクロック信号に同期して信号線駆動用IC511に入力される。
【0034】
信号線駆動用IC511のサンプリングラッチ522は、シフトレジスタ521の対応する出力端子からシフトパルスが出力された時点で、制御IC610から送られてきたデジタル映像信号をラッチする。ロードラッチ523は、すべてのサンプリングラッチ522が前半信号線(X1,X3,X5…)のラッチを行った時点で、すべてのサンプリングラッチ522からの出力を同時にラッチする。この際、データを安定してラッチするために、数クロックのデータブランキングが必要となる。また、ロードラッチ523が前半のデジタル映像信号をラッチしている間に、サンプリングラッチ522は、後半のデジタル映像信号をラッチする。ロードラッチ523でラッチされたデジタルの映像信号は、D/Aコンバータ525にてアナログ映像信号に変換される。D/Aコンバータ525から出力されたアナログ映像信号は、TCP500−Nを介して、アレイ基板100に送られる。
【0035】
前半書き込み時間において、選択回路170では、前半のアナログ映像信号に同期したスイッチ信号ASW1によりスイッチSW1、SW3、SW5…が同時にオンして、出力端子OUT1、OUT2、OUT3…と、信号線X1、X3、X5…の入力端子1A、2A、3A…とをそれぞれ同一のタイミングで接続する。これにより、出力端子OUT1、OUT2、OUT3…に出力された前半のアナログ映像信号が信号線X1、X3、X5…にそれぞれ書き込まれる。また、これと同期してn行の走査線Yが走査信号によりオンすると、n行の走査線Yに接続する画素TFT110が導通して、信号線X1、X3、X5…に書き込まれた前半のアナログ映像信号が対応する画素電極120へ印加される。
【0036】
後半書き込み時間では、後半のアナログ映像信号に同期したスイッチ信号ASW2によりスイッチSW2、SW4、SW6…が同時にオンして、出力端子OUT1、OUT2、OUT3…と、信号線X2、X4、X6…の入力端子1B、2B、3B…とをそれぞれ同一のタイミングで接続する。これにより、出力端子OUT1、OUT2、OUT3…に出力された後半のアナログ映像信号が信号線X2、X4、X6…にそれぞれ書き込まれる。また、n行の走査線Yは走査信号によりオンしているため、信号線X2、X4、X6…に書き込まれた後半のアナログ映像信号は対応する画素電極120へ書き込まれる。
【0037】
以上の動作により、セットから入力されたデジタル映像信号は、1水平走査期間の前半と後半でそれぞれ対応する信号線Xにアナログ映像信号として書き込まれたことになる。
【0038】
図5のタイミングチャートにおいて、前半のアナログ映像信号の出力期間と後半のアナログ映像信号の出力期間は、水平ブランキング期間を前半ブランキング時間と、後半ブランキング時間に振り分けることにより、可変させることが出来る。
【0039】
従来型の液晶表示装置においては、図5に示すように、後半のアナログ映像信号の出力期間(n行後半出力期間)を、前半のアナログ映像信号の出力期間(n行前半出力期間)より長く取ることにより、スイッチ信号ASW2がオフした後、走査線Yを駆動する走査信号の立ち上がり/立ち下がり期間t1〜t2を確保することができ(走査信号は、パネル内部の負荷により、走査線端では入力より大きく波形がなまる)、かつスイッチ信号ASW1とASW2のオン時間(オンレベルが維持されている期間)を同じにすることが可能となり、信号線Xへのアナログ映像信号の書き込み特性を1水平走査期間の前半と後半とで同レベルにすることができる。
【0040】
先に述べたように、近年では液晶表示装置の低消費電力化を目的として、1水平時間の長さを従来と同等のまま、クロック周波数を遅くして、水平ブランキング期間を短くする要求が高まってきている。
【0041】
次に第2の従来例として、クロック周波数を遅くして、水平ブランキング期間を少なくした場合の例について説明する。
【0042】
図6は、水平ブランキング期間を前半と後半のアナログ映像信号の読み出しに必要な最小限の期間となるように制御した場合の信号波形を示すタイミングチャートである。
【0043】
この例では、前半の水平ブランキング期間と後半の水平ブランキング期間の長さは必然的に同じになり、前半に書き込まれるアナログ映像信号と後半に書き込まれるアナログ映像信号のそれぞれの出力期間の長さも同じになる。従来のタイミングの考え方では、前半のアナログ映像信号の立ち上がりとスイッチ信号ASW1のオンするタイミング、及び後半のアナログ映像信号の立ち上がりとスイッチ信号ASW2のオンするタイミングは同じである。すると、図6に示すように、走査線Yのなまり分、後半書き込み時間が、前半書き込み時間よりも短くなる(アナログ映像信号の出力はサンプリングラッチとロード信号のタイミングに同期しているため、アナログ映像信号の出力タイミングのみを変更することはできない)。このため、信号線Xへのアナログ映像信号の書き込み特性が1水平走査期間の前半と後半とで大きく異なり、フリッカ等の表示ムラが生じる場合がある。
【0044】
さらに、第3の従来例として、前半書き込み時間を、後半書き込み時間に合わせて短くした場合の例について説明する。
【0045】
図7は、アナログ映像信号の前半書き込み時間を後半書き込み時間に合わせて短くなるように制御した場合の信号波形を示すタイミングチャートである。クロック周波数は図6と同じである。
【0046】
この例では、前半書き込み時間と後半書き込み時間が同じとなるため、アナログ映像信号の書き込み特性は前半と後半とでほぼ等しくなり、フリッカ等の表示ムラを生じることはない。しかしながら、この場合は前半/後半書き込み時間そのものが短くなるため、コントラスト不足等を生じることがあり、表示特性の改善には至っていない。
【0047】
次に、本実施の形態に係わる駆動方法について説明する。図1は、本実施の形態に係わる駆動方法によって書き込みを行う場合の信号波形を示すタイミングチャートである。ただし、クロック周波数は第2及び第3の従来例と同じ周波数に設定されている。
【0048】
本実施の形態では、スイッチ信号ASW1が、1水平走査期間の前半に書き込まれるアナログ映像信号よりも遅いタイミングでオンするように設定され、スイッチ信号ASW2は、1水平走査期間の後半に書き込まれるアナログ映像信号と同じタイミングでオンするように設定されている。
【0049】
また、スイッチ信号ASW1とASW2のそれぞれのオン時間を図5(第1の従来例)と同一に設定することにより、1水平走査期間の前半におけるアナログ映像信号の書き込み時間と、1水平走査期間の後半におけるアナログ映像信号の書き込み時間とが等しくなるようにしている。
【0050】
なお、走査線Yを駆動する走査信号は、スイッチ信号ASW1がオンするタイミングと合うように、図5及び図6のときよりも遅れて立ち上がるように設定されている。すなわち、走査信号とスイッチ信号ASW1の立ち上がりの関係は従来例と同じであり、スイッチ信号ASW1の立ち上がりが遅くなるのに合わせて走査信号の立ち上がりのタイミングも遅くなっている。
【0051】
上記のようなタイミング設定において、n行への書き込みについて見てみると、n行目の走査線Yを駆動する走査信号の立ち上がり期間t1〜t2の間に、信号線駆動用ICは、その1水平走査期間の前半に書き込まれるアナログ映像信号を出力しはじめる。この期間t1〜t2では、スイッチ信号ASW1はオフしているため、信号線X1、X3、X5…に書き込まれる前半のアナログ映像信号は、信号線駆動用IC511の各出力端と選択回路170の出力端子OUT1、OUT2、OUT3…との間の短い区間に充電される。その後、スイッチ信号ASW1がオンすると、出力端子OUT1、OUT2、OUT3…に出力された前半のアナログ映像信号は、スイッチSW1、SW3、SW5…を通じて信号線X1、X3、X5…にそれぞれ書き込まれる。
【0052】
なお、図1に示すように、スイッチ信号ASW1がオンした時に、信号線駆動用IC511の各出力端と選択回路170の出力端子OUT1、OUT2、OUT3…との間に充電された信号電位は瞬間的にローレベルまで下がるが、その後は書き込まれたアナログ映像信号の電位レベルに達するため、書き込み特性に影響を与えることはない。
【0053】
続く後半書き込み時間において、信号線駆動用ICは、その1水平走査期間の後半に書き込まれるアナログ映像信号を出力し、同時にスイッチ信号ASW2はオンするため、出力端子OUT1、OUT2、OUT3…に出力された後半のアナログ映像信号は、スイッチSW2、SW4、SW6…を通じて信号線X2、X4、X6…にそれぞれ書き込まれる。
【0054】
本実施の形態に係わる駆動方法によれば、スイッチ信号ASW1とASW2のそれぞれのオン時間を同じとし、1水平走査期間におけるアナログ信号の前半書き込み時間と後半書き込み時間が同じとなるようにしたので、アナログ映像信号の書き込み特性が1水平走査期間の前半と後半とで同レベルとなり、フリッカ等の表示ムラを生じることがない。
【0055】
また、1水平走査期間の前半/後半書き込み時間は、例えば図5の従来例と同じく十分な書き込み時間を確保することができるため、コントラスト不足等を生じることがない。
【0056】
なお、n行目の走査線Yを駆動する走査信号の立ち下がり期間t1〜t2の間に、次のn+1行目の前半に書き込まれるアナログ映像信号が出力されるが、この間はスイッチ信号ASW1がオフしているため、n行目の走査線Yが完全にオフレベルとなるまでの間、信号線X1、X3、X5…では、先に書き込まれたアナログ映像信号が保持される。したがって、期間t1〜t2の間に次行のアナログ映像信号が出力されることによる表示ムラを生じることはない。
【0057】
したがって、本実施の形態に係わる駆動方法によれば、水平ブランキング期間を短くした場合においても、フリッカやコントラスト不足等の表示不良を生じることがなく、表示画質に優れた液晶表示装置を得ることができる。
【0058】
さらに、本実施の形態に係わる駆動方法によれば、クロック周波数を遅して、水平ブランキング期間を短くしたタイミングにおいても、表示不良を生じることのない液晶表示装置を提供することができることから、液晶表示装置自体の消費電力を低減することができる。
【0059】
なお、本実施の形態では、1水平走査期間の前半に正極性のアナログ映像信号を書き込み、後半に負極性のアナログ映像信号を書き込む例について示したが、1水平走査期間の前半を負極性とし、後半を正極性としてもよい。また、アナログ映像信号の極性は1垂直走査期間毎又は1水平走査期間毎に切り替えるようにしてもよい。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、水平ブランキング期間を短くした場合でも、アナログ映像信号の書き込み特性を1水平走査期間の前半と後半とで同レベルとし、また1水平走査期間の前半/後半書き込み時間として十分な書き込み時間を確保することができるため、フリッカやコントラスト不足等の表示不良を生じることがなく、表示画質に優れた液晶表示装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係わる駆動方法によって書き込みを行う場合の信号波形を示すタイミングチャート。
【図2】実施の形態に係わる液晶表示装置の回路構成図。
【図3】TCPの構成を概略的に示す説明図。
【図4】信号線駆動回路部の構成を概略的に示す説明図。
【図5】通常のクロック周波数で駆動した場合の信号波形の一例を示すタイミングチャート。
【図6】水平ブランキング期間を前半と後半のアナログ映像信号の読み出しに必要な最小限の期間となるように制御した場合の信号波形を示すタイミングチャート。
【図7】アナログ映像信号の前半書き込み時間を後半書き込み時間に合わせて短くなるように制御した場合の信号波形を示すタイミングチャート。
【符号の説明】
1 液晶表示装置
100 アレイ基板
110 画素TFT
120 画素電極
150 走査線駆動回路
160 信号線駆動回路部
170 選択回路
200 対向基板
300 液晶層
500−N TCP
511 信号線駆動用IC
513 PCB側パッド
515 アレイ側パッド
521 シフトレジスタ
522 サンプリングラッチ
523 ロードラッチ
525 D/Aコンバータ
531 デジタル映像信号用配線群
533 アナログ映像信号用配線群
535,537 各種配線群
511 信号線駆動用IC
600 PCB基板
610 制御IC

Claims (4)

  1. 主面上に、互いに直交して配線された複数の信号線及び複数の走査線、前記信号線と走査線との各交差部に配置された複数の画素トランジスタ、前記各画素トランジスタに接続された複数の画素電極を備えたアレイ基板と、前記走査線を駆動するための走査信号を供給する走査線駆動回路と、入力されるデジタル信号をアナログ信号に変換すると共に、前記信号線を2つの信号線群に区分し、前記各信号線群に対応するアナログ信号をシリアルに出力する信号線駆動用IC、前記信号線駆動用ICから出力されたアナログ信号を1水平走査期間の前半、後半で前記各信号線群の対応する信号線に順次振り分けて出力する選択回路を備えた信号線駆動回路と、前記選択回路によるアナログ信号の前記対応する信号線への振り分け順序を制御する制御信号を出力する制御回路とを備えた液晶表示装置の駆動方法において、
    前記制御信号は、1水平走査期間の前半に書き込まれるアナログ信号を1つの前記信号線群の対応する信号線に振り分ける第1制御信号と、1水平走査期間の後半に書き込まれるアナログ信号を他の1つの前記信号線群の対応する信号線に振り分ける第2制御信号とからなり、
    前記第1制御信号と前記1水平走査期間の前半に書き込まれるアナログ信号は異なるタイミングで駆動され、前記第2制御信号と前記1水平走査期間の後半に書き込まれるアナログ信号は同じタイミングで駆動されることを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
  2. 前記第1制御信号は、前記1水平走査期間の前半に書き込まれるアナログ信号よりも遅れたタイミングで駆動されることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置の駆動方法。
  3. 前記1水平走査期間の前半に書き込まれるアナログ信号の書き込み時間と、前記1水平走査期間の後半に書き込まれるアナログ信号の書き込み時間とが略等しいことを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示装置の駆動方法。
  4. 前記アナログ信号は、1水平走査期間毎に2つの信号線群に対応した2つのアナログ映像信号を含み、1つのアナログ信号と他の1つのアナログ信号は互いに逆極性であることを特徴とする請求項1,2又は3のいずれかに記載の液晶表示装置の駆動方法。
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