JP4229356B2 - シールド機の切羽保持工法およびその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シールドトンネル工事で、地中にてカッタービットの点検・交換等の作業を実施する際のシールド機前面の切羽を機械的に保持する工法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8および図9には、従来の泥土圧式、引き込みタイプのシールド機1Aの先端カッター部が示されている。多数のカッタービットが設けられ、回転して掘削を行うカッター2の後方には、符号3で示すチャンバーと呼ばれるスペースが設けられており、掘削された土砂は、コンベア5で排出されている。このチャンバー3へは、マンホールを通って機内から入れるようになっている。
【0003】
このようなシールド機1Aのカッタービットの点検・交換等の作業を地中で行う場合には、従来、次のような工法が行われていた。
(1) 途中に中間立坑を構築し、その中で点検・補修をする工法。
(2) 地上からの薬液注入等によって地盤改良をした場所で点検・補修をする工法。
(3) シールド機内から薬液注入等を実施し、その後に点検・補修をする工法。
(4) 外周部拡径装置を伸ばしてカッター部のみ先行削孔し、拡径装置を縮めて固化材を注入しながらカッター部を引き込み、チャンバー内をはつって点検・補修を行う工法。
(5) カッター全体を球体内に収納し、反転させるクルン工法によって坑内からビット交換等を行う工法。
【0004】
しかし、これらの従来技術では、以下のような問題点があった。
すなわち、上記(1)項の中間立坑は、前もって地上から施工しておく必要があって、立地条件の制約を受けると共に、緊急時の対応ができない。
(2)項の地上からの薬液注入は、上記(1)項と同様に地上からの施工で立地条件の制約を受け、また、深度が深い場合には施工精度が落ちる。
(3)項のシールド機内からの薬液注入は、注入箇所の制約を受け、信頼性確保に難点がある。
(4)項の先行削孔して固化材注入は、固化材の強度、遅延防止、スクリュー内での固化防止、および摺動面での固化材除去・付着対策が必要である。
そして、(5)項のクルン工法は、土圧シールドにおいては、球体を回転させるためにスクリューコンベアを分割する必要があり、また機長が長くなるため急曲線の施工に難がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点に対処し、地上部などからの補助工法を必要とせず、シールド機自体に取り付けられた装置で切羽の保持ができ、何時でも、何処でも、何回でもカッタービットの点検・交換等の作業が実施できるシールド機の切羽保持工法およびその装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のシールド機の切羽保持工法によれば、シールドトンネル工事で、地中にてカッタービットの点検・交換等の作業を実施する際のシールド機前面の切羽を保持する方法であって、シールド機のカッター軸先端に耐圧保持袋を外筒内部に格納した切羽保持装置を取り付けておき、まずシールド機を一旦引き込み、前記切羽保持装置の外筒を押し出し耐圧保持袋をシールド機の前方に拡張して切羽保持を行う。
【0007】
そして、前記切羽保持の後にチャンバー内に入って作業をし、作業が終了したら耐圧保持袋を収縮して切羽保持装置の外筒内に格納し、掘進を再開する。
【0009】
また、本発明のシールド機の切羽保持装置によれば、シールドトンネル工事で、地中にてカッタービットの点検・交換等の作業を実施する際のシールド機前面の切羽を保持するシールド機の切羽保持装置であって、シールド機のカッター軸先端に設けられ、圧力流体の注入によってシールド機前面に拡張し切羽を保持する耐圧保持袋を前後方向に摺動自在な外筒内に格納している。
【0010】
したがって、本発明によれば、シールドトンネル工事において、地中でカッタービットなどの点検・補修等の作業が必要になった場合に、地上部などの他からの補助工法を必要とせず、シールド機自体に取り付けられた切羽保持装置の掘進時には外筒内に格納されている耐圧保持袋をシールド機の前方に拡張し、切羽を機械的に保持することができ、カッタービットなどの点検・補修作業を実施することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1に示すように、全体を符号1で示すシールド機の先端のカッター2には、軸2aの先端に切羽保持装置10が配設され、その切羽保持装置10は機内から後記の耐圧保持袋11を交換できるような構造になっている。そして、シールド機1の隔壁4とカッター2との間には、チャンバー3が画成されている。
【0012】
前記切羽保持装置10には、図3に示すように、外筒12が外筒摺動用ジャッキ13によって前後方向に摺動自在に設けられており、その外筒12の内部には、耐圧保持袋11が折り畳まれて格納されている。
そして、図4に示すように、前記耐圧保持袋11の内部は、機内に設けられた注入口8と開閉弁を介装して連通されており、水、エアなどの高圧流体が注入されてカッター2の前面に拡張され、切羽Kを保持するように形成されている。
【0013】
次に、図1〜図7を参照して本発明の切羽保持工法の態様を説明する。
シールド機1の掘進中に何らかの理由でチャンバー3内に入って点検・補修が必要になった場合、まず、シールド機1の推進を停止する(図1参照)。なお、この時、泥土圧タイプのシールド機の場合には、チャンバー3内の土砂を高濃度泥水等の安定液と置換する。
【0014】
そして、図2に示すように、シールド機1を引き込む(引き込み長L1)。この時、切羽Kの安定を保つため、安定液をチャンバー3内に注入しながら実施する。
【0015】
次に、切羽保持装置10の外筒12をその内部に設けられたジャッキ13で、切羽Kの前面側へ押し出す。図3に示すように外筒12が押し出される(押し出し長L2)とその中に折り畳まれた耐圧保持袋11が現れる。
【0016】
そして、図4に示すように、機内の注入口8から、水、エアなどの圧力流体を圧入してカッター2の前面と切羽Kとの間に耐圧保持袋11を拡張させる。なお、この時、切羽Kを安定させるため、耐圧保持袋11の膨らみ具合に応じてチャンバー3内の安定液を排出して行く。
【0017】
このようにして耐圧保持袋11の拡張が終了したら、チャンバー3内の安定液を全量排出する。安定液の排出に伴って切羽Kの圧力は、順次、耐圧保持袋11を経てカッター2に伝わり、切羽Kは保持される。
【0018】
切羽の保持が確認できたら、隔壁4に設けられたマンホール7からチャンバー3内に入り、必要な点検・補修作業を行う(図5参照)。
【0019】
点検・補修作業が終わったらマンホール7を閉じ、チャンバー3内に安定液を再注入する。そして、耐圧保持袋11内の圧力流体を順次吸引排出し、耐圧保持袋11を畳んで元の状態に戻し格納する(図6参照)。
さらに外筒12を引き戻して(引き戻し長L3)元の状態とし、掘進を再開する(図7参照)。
【0021】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されており、シールドトンネル工事において、地中でカッタービット、スクリューコンベア、その他チャンバー内各部などの点検・補修等の作業が必要になった場合に、何時でも、何処でも、何回でも切羽の保持が可能で、地上部からの補助工法を必要とせず、簡単かつ安価に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の掘進停止状態を示す側断面図。
【図2】シールド機引き込み状態を示す側断面図。
【図3】切羽保持装置の外筒押し出し状態を示す側断面図。
【図4】耐圧保持袋の拡張状態を示す側断面図。
【図5】チャンバー内作業状態を示す側断面図。
【図6】耐圧保持袋の収納状態を示す側断面図。
【図7】切羽保持装置の外筒引き戻し状態を示す側断面図。
【図8】従来のシールド機を示す正面図。
【図9】図8の側断面図。
【符号の説明】
1・・・シールド機
2・・・カッター
3・・・チャンバー
4・・・隔壁
5・・・コンベア
10・・・切羽保持装置
11・・・耐圧保持袋
12・・・外筒
13・・・外筒摺動用ジャッキ
Claims (3)
- シールドトンネル工事で、地中にてカッタービットの点検・交換等の作業を実施する際のシールド機前面の切羽を保持する方法であって、シールド機のカッター軸先端に耐圧保持袋を外筒内部に格納した切羽保持装置を取り付けておき、まずシールド機を一旦引き込み、前記切羽保持装置の外筒を押し出し耐圧保持袋をシールド機の前方に拡張して切羽保持を行うことを特徴とするシールド機の切羽保持工法。
- 前記切羽保持の後にチャンバー内に入って作業をし、作業が終了したら耐圧保持袋を収縮して切羽保持装置の外筒内に格納し、掘進を再開する請求項1に記載のシールド機の切羽保持工法。
- シールドトンネル工事で、地中にてカッタービットの点検・交換等の作業を実施する際のシールド機前面の切羽を保持するシールド機の切羽保持装置であって、シールド機のカッター軸先端に設けられ、圧力流体の注入によってシールド機前面に拡張し切羽を保持する耐圧保持袋を前後方向に摺動自在な外筒内に格納していることを特徴とするシールド機の切羽保持装置。
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