JP4229226B2 - レクチンを用いた血液細胞の選択的分離方法 - Google Patents

レクチンを用いた血液細胞の選択的分離方法 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、レクチンを用いた血液細胞の分離方法、特に、末梢血、骨髄液、臍帯血などに含まれる成熟細胞や未成熟細胞の両方をランダムに含有する試料から目的とする血液細胞をレクチンを介して選択的に分離回収する方法に関する。
発明の背景
造血幹細胞は多分化能と自己複製能とを併せ持った細胞である。一生に渡り枯渇することなく血球が生産されるためには、造血幹細胞が持つ自己複製能は最も重要な性質と考えられる。造血幹細胞の多分化能に関しては、例えば、図1に示すように、幹細胞は、骨髄性幹細胞とリンパ性幹細胞とに分化し、それらはさらに分化して、骨髄性幹細胞からは血小板、(成熟)赤血球、顆粒球及び単球など、リンパ性幹細胞からはT細胞やB細胞などの血液細胞が生成される。
血液細胞には寿命があり種々の生理的要求に従って消費されるので、幹細胞からの分化によって適宜補充される必要がある。ところが、急性骨髄性白血病患者などでは、分化した機能的な血液細胞そのものや幹細胞分化に異常が生じ、機能的な赤血球、白血球、血小板などの補充が困難になっている。このような血液性疾患の治療法として、造血幹細胞の移植は、化学療法のような副作用が無く、造血細胞の分化及び再生を正常化することが可能となる。しかし、この大きな利点にも関わらず、幹細胞はほとんどが骨髄に分布しているため、その採取には困難が伴う。胎盤血及び臍帯血には比較的多くの幹細胞が含まれいて低侵襲的採取が可能であるが出産時に限られたものであり、また、提供者の侵襲性など採取制限が最も少ない末梢血では、そこに存在する幹細胞はさらに減少し実用性が乏しくなる。
さらに、提供者とのHLA型が患者と一致していない幹細胞移植の場合、対宿主性移植片病(GVHD)と呼ばれる免疫拒絶反応を誘発することがある。従って、有効で安全な幹細胞移植をするためには、血液試料を選択的に分離精製し、GVHDの原因となる提供者のリンパ球成分を除去した幹細胞試料を得ることが重要となってくる。
また、このような幹細胞の分離精製は、幹細胞をサイトカイン類で刺激して増殖させたり、次なる使用のために保存しておく幹細胞バンキングの発展にも寄与することとなる。
一方、近年の遺伝子操作技術の発展に伴い、有核胎児細胞を対象に出生前遺伝子診断の試みが行われている。この出生前遺伝子診断に用いられ始めている胎児有核細胞の採取方法で、現在、臨床応用されているものは、羊水穿刺、絨毛採取、胎児採血といった侵襲的な手法であり、破水と感染のリスクが伴う。母児にとって非侵襲的な採取方法としては、母体末梢血を用いることであり、胎児細胞が母体血に混入することも従来から知られてはいたが、母体末梢血に含まれる胎児有核細胞である赤芽球(NRBC)は、例えば末梢血中の前有核細胞の10〜10個に1個という極めて少量しか存在しないため、その細胞を如何に濃縮、分離、同定するかが胎児細胞の遺伝子診断の正否を握っている。
加えて、遺伝子診断は白血病の治療にも有効であることが知られている。例えば、白血病には造血細胞そのものが病的である骨髄性のものや末梢のリンパ球や単球が癌化するものまで様々であるが、適切な投薬や治療法を決定するのに白血病のタイプを決定することが不可欠である。さらに、ガン細胞の発生レベルを知ることができれば、白血病の治療のみならず予防や再発という臨床的に極めて重要な問題に寄与するため、血液細胞の分化過程のどのレベルで発ガン因子が誘導されるかを遺伝子検査することが求められている。このような白血病に関する検査においても、未熟な造血性の血液細胞を分離精製し、サイトカイン類で増殖・分化させ各分化レベルでの遺伝子診断を簡便・効率化することが必要となってくる。
本発明者らは、従来から糖鎖が有する特異的相互作用に着目し研究を行ってきており、種々の糖鎖を側鎖に有する糖鎖高分子をシャーレなどの基材表面に被覆することにより、その糖鎖に親和性を有するレクチンを選択的に固定化する方法について特許出願している(特願平8−59695)。
一方、図1に示したように、造血幹細胞は、成熟するに従って細胞表面に種々の糖鎖を発現するようになる。なお、図1に示す符号「Gal」はガラクトース、「Gul」はグルコース、また、「Lac」はラクトース(Glu−Gal)を表す。前記特許出願の明細書には、ガラクトース認識性のレクチン(Allo−A)を固定化した基材表面にガラクトースを表現するヒト成熟赤血球が選択的に接着することが記載されている。
今回、発明者らは、レクチンを介した糖鎖高分子への造血細胞の固定化についてさらに詳細に検討し、インキュベーション温度及び用いるレクチンの添加量により、細胞及び/または糖鎖高分子とレクチンとの間に特有な相関関係が生ずることを見いだし、本発明をなすに至った。
発明の概要
本発明における課題は、レクチンを用いて目的とする幼若な細胞や分化した成熟細胞を選択的かつ高取率で分離、濃縮及び回収する方法、並びにその方法を利用した分離装置を提供することである。
かかる課題は、分化した成熟細胞及び未熟な造血性細胞並びに赤芽球を含有する血液試料から造血細胞及び/または赤芽球を選択的に分離回収する方法において、当該方法が、
(1)前記試料を、細胞を不活性化する条件下においてレクチンと作用させて細胞−レクチン複合体/非複合体を形成する工程、
(2)前記、細胞−レクチン複合体/非複合体を含む資料を、前記条件下で、前記レクチンに特異的に認識される糖鎖を有する糖鎖含有高分子で表面被覆した基材とともにインキュベーションして前記細胞をレクチンを介して前記基材表面に固定化する工程、及び
(3)液相と固相とを分離し、液相及び/または固相から目的とする血液細胞を回収する工程、さらに場合によって、
(4)前記インキュベーションの前または後に前記基材と細胞を同時に遠心処理し細胞の固定化を加速、安定化させる工程、あるいは前記血液細胞を回収する工程で細胞が固定化された基材を遠心処理し細胞の固定化を安定化させる工程を含んでなり、前記レクチンが、前記固相から回収される細胞とは結合して基材表面に固定化するが、前記液相から回収される細胞は基材表面に固定化しない量で存在することを特徴とする血液細胞の選択的分離方法によって解決される。
本発明の選択的分離方法において、細胞を不活性化する条件は、0℃以上37℃未満の低温条件、または、細胞呼吸を停止させる試薬を添加する条件とすることができる。さらに、使用するレクチンの濃度やインキュベーション時間を適宜設定することにより、これまでに得られなかった高度な選択的分離が可能となる。
さらに本発明は、前記選択的分離方法に用いられる分離装置も提供する。
本発明の分離方法及び分離装置は、細胞−レクチン及び糖鎖−レクチンの相互作用に基づくものであり、細胞、特に臨床的に大きな意義を持つ造血幹細胞やNRBCといった細胞を選択的に分離回収することを可能とする。
好ましい実施態様の詳細な説明
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の分離方法では、第1段階として、固相に固定化すべき細胞を含有する試料を、その細胞が表現している糖鎖を認識するレクチンと作用させて細胞−レクチン複合体/非複合体を形成する。ここで、細胞−レクチン複合体/非複合体とは、細胞とレクチンとが結合した複合体と、結合していないフリーな細胞及びレクチン(非複合体)の両方が共存している状態を意味する。この過程は、前記細胞を不活性化する条件下において行われる。
ここで、細胞を不活性化する条件とは、細胞膜の流動性及び自発的粘着力を低下させる条件を意味し、典型的には、温度を0℃以上〜37℃未満、好ましくは0〜36℃、より好ましくは4〜30℃、さらに好ましくは4〜22℃に調節することによって達成される。しかし、この条件は、前記低温調節に限られるものではなく、例えば、37℃においてアジ化ナトリウムなどの細胞呼吸を停止させる試薬を添加させることによっても達成できる。
レクチンは、固定化されるべき細胞が表現している糖鎖を認識するものを用いる。例えば、図1に示したように、ガラクトースやグルコースを表現している末梢の成熟した白血球、血小板や赤血球などを固定化する場合には、SBA、PNA、ECL、AlloA、VAAなどのガラクトース認識性のレクチンや、Con A、LcH、PSAなどのグルコース認識性レクチン、マンノースを表現する細胞を固定化する場合には、LCA、GNA、CPAなどのマンノース認識性レクチンを選択する。
レクチンの添加量は固定化すべき細胞の種類等によって変化し、基本的には、後述する第2段階のインキュベーションにおいて、糖鎖高分子を被覆した基材表面に、固定化すべき細胞(後に固相から回収される細胞)は結合するが、固定化すべきでない細胞(後に液相から回収される細胞)は前記基材表面に結合しない量とする。このレクチン添加量を特定することにより、例えば白血球などの細胞の成熟性に対する選択性や、白血球、赤血球などの細胞型間の選択制を制御することが可能になる。具体的には、少なくとも細胞1個以上に対して20mg/ml以下の濃度で調節する。この添加量はレクチンの性質によっても変化し、例えば、レクチンとしてSBAを用いたときは、5mg/mlで十分である。
特に、糖鎖高分子としてβ結合ガラクトース末端を有するラクトースまたはα結合ガラクトース末端を有するメリビオースを組み込んだポリマーを用いた場合、CD34陽性の幼若な細胞の固定化を抑制しCD34陰性の成熟細胞を優先的に固定化すべきときには、細胞2×10個を含む試料に対するレクチンの添加濃度を0.001〜0.9mg/ml、好ましくは0.002〜0.1mg/ml、さらに好ましくは0.025〜0.05mg/mlとする。また、赤血球(NRBC)を選択的に固定化し、白血球などの他の細胞を固定化しない場合には、細胞2×10個を含む試料に対するレクチンの添加濃度を0.001〜0.3mg/ml、好ましくは0.002〜0.05mg/ml、さらに好ましくは0.004〜0.025mg/mlとする。
この第1段階におけるインキュベーション時間は特に限定されず、少なくとも細胞とレクチンが後述の第2段階の前に作用され、細胞−レクチン複合体/非複合体を形成すれば良く、典型的には0〜120分間、好ましくは0〜90分、さらに好ましくは0〜60分とする。ただし、「0分」とは、第1段階を行った直後に第2段階に移行することを意味する。その結果、固定化されるべき細胞とレクチンとが、細胞−レクチン複合体/非複合体を形成する。
次に、本発明の分離法の第2段階として、前記細胞−レクチン複合体/非複合体を含む試料を、前記細胞を不活性化する条件下で、前記レクチンに特異的に認識される糖鎖を有する糖鎖高分子で表面を被覆した基材内でインキュベートする。
ここで用いる基材は、シャーレ、フラスコ、プレート、キュベット、フィルム、ファイバー、ビーズ、及びセパラブルチャンバースライドなどの従来から細胞培養に用いられている基材から選択でき、用途に応じていかなる形状の基材も使用できる。
これらの基材は、ガラス、石英などの無機材料、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリウレタン、ビニル系共重合体などの有機材料、さらには、これらが組み合わされた複合的素材などのいずれからなってもよいが、滅菌可能な程度の耐熱性及び耐水性を有している材料からなるのが好ましい。特に合成高分子材料は、価格や成型性の点から好ましく、糖鎖高分子の吸着性から疎水性のものが好ましい。例えば、ポリスチレンやその誘導体を主鎖とする糖鎖高分子を用いる場合には、ポリスチレンやその誘導体を主原料とする基材を使用するのが好ましい。
前記の基材表面には、第1段階で用いたレクチンに特異的に認識される糖鎖を有する糖鎖高分子を被覆する。
糖鎖高分子の例として、以下のものを挙げることができる。
・p−アミノメチルスチレンとラクトースとから合成されたモノマーを単独重合して得られガラクトース末端を有する、ポリ(N−p−ビニルベンジル−[O−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−D−グルコンアミド])(PVLAと略記する);
・p−アミノメチルスチレンとマルトースとから合成されたモノマーを単独重合して得られグルコース末端を有する、ポリ(N−p−ビニルベンジル−[O−α−D−グルコピラノシル−(1→4)−D−グルコンアミド])(PVMAと略記する);
・p−アミノメチルスチレンとマンノビオースとから合成されたモノマーを単独重合して得られマンノビオース末端を有する、ポリ(N−p−ビニルベンジル−[O−β−D−マンノピラノシル−(1→4)−D−マンナミド])(PVManと略記する);
・p−アミノメチルスチレンとメリビオースとから合成されたモノマーを単独重合して得られガラクトース末端を有する、ポリ(N−p−ビニルベンジル−[O−α−D−ガラクトピラノシル−(1→6)−D−グルコンアミド])(PVMcAと略記する);
・p−アミノメチルスチレンとラクトースとから合成されたモノマーを単独重合して得られるPVLAをカルボキシメチル化して得られるカルボキシメチル化ガラクトース末端を有する、ポリ(N−p−ビニルベンジル−[O−6−カルボキシメチル−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−O−D−6−カルボキシメチル−グルコンアミド])(PVLACOOHと略記する);
・p−クロロメチルスチレンとグルコースとから合成されたモノマーを単独重合して得られグルコース末端を有する、ポリ(3−O−4’−ビニルベンジル−D−グルコース)(PVGと略記する);
・p−アミノメチルスチレンとキトビオースとから合成されたモノマーを単独重合して得られN−アセチルグルコサミン末端を有する、ポリ(N−p−ビニルベンジル−[O−D−2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−O−D−2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコンアミド])(PVGlcNAcと略記する);
・p−アミノメチルスチレンとラミナリビオースとから合成されたモノマーを単独重合して得られグルコース末端を有する、ポリ(N−p−ビニルベンジル−[O−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−D−グルコンアミド])(PVLamと略記する);
これらの糖鎖高分子は、上記のようなホモポリマーでもよく、他のモノマーとのコポリマーでもよい。例えば、光反応性官能基であるアジド基を有するモノマーとのコポリマーは、光照射によって容易に基材表面と共有結合できるので好ましい。アジド基を導入した糖鎖高分子として、前記PVLAとのコポリマーであるポリ(3−アジドスチレン−co−{N−p−ビニルベンジル−[O−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−D−グルコンアミド]})(AZ−PVLAと略記する);前記PVMAとのコポリマーであるポリ(3−アジドスチレン−co−{N−p−ビニルベンジル−[O−α−D−グルコピラノシル−(1→4)−D−グルコンアミド]})(AZ−PVMAと略記する)などを挙げることができる。
この第2段階のインキュベーションは、例えば、第1段階と同じ条件下で細胞培養用のディッシュやフラスコなどで実施された場合、典型的には10〜120分、好ましくは20〜90分、さらに好ましくは30〜70分間行われる。その結果、固定化すべき細胞−レクチン複合体が基材表面の糖鎖高分子を介して基材に固定化される。
また、ビーズや不織布を充填したカラムで細胞の沈降時間を無視できる条件では、さらに時間を短縮することができる。このような処理時間の短縮は、第2段階のインキュベーションの前または後に基材と細胞を同時に遠心処理し細胞の沈降・固定化を加速・安定化させることによって達成できる。このときの遠心時間は30分以内であればよいが、処理時間の短縮という観点から10分以内であることが望ましい。遠心力は、固定化すべき細胞の種類、及び使用するレクチンの種類や濃度によって変化するが、一般に30〜450Gの範囲が好適に用いられる。
次いで、本発明の分離方法の第3段階として、基材に固定化された固相と、固定化されずに残った液相とを分離する。例えば、糖鎖を被覆したビーズやプレートを充填したカラムを用いた場合には、第1段階で得られた細胞−レクチン複合体/非複合体を含む試料をカラムに通すだけで、液相をカラムの注出口から回収することによって固相と分離できる。
また、チャンバースライドやシャーレなどの基材に固定化された細胞の染色体を検査する場合には、前記血液細胞を回収する工程で固定化されずに残った液相を除き、細胞が固定化された基材を遠心処理し細胞の固定化を安定化させ均一な細胞の固定化像を得ることができる。このときの遠心時間は30分以内であればよいが、処理時間の短縮という観点から10分以内であることが望ましい。遠心力は、固定化すべき細胞の種類、及び使用するレクチンの種類や濃度によって変化するが、好ましくは30G以上、より好ましくは100〜400G、さらに好ましくは1,000Gまでの範囲が用いられる。
さらに具体的にいうと、例えば、糖鎖高分子としてPVLAを用いガラクトース特異的レクチンとしてSBA等を用い液相及び/または固相から目的とする造血細胞を回収する場合、血液細胞の固定化され易さは、成熟赤血球、NRBC>白血球>幼若なCD34陽性細胞という順序になる。従って、レクチンの量を低下させると、まずCD34陽性細胞が固定化されなくなり、次いで白血球が固定化されなくなり、最終的には成熟赤血球、NRBCが選択的に固定化されることになる。逆に言えば、CD34陽性細胞の固定化が抑制されるレクチン添加量で本発明の分離方法を実施すれば、液相には主として幼若なCD34陽性細胞が選択的に含まれており、そこからCD34陽性細胞を高純度で回収することができる。また、レクチン添加量をさらに低下させ、白血球やCD34陽性細胞の固定化を抑制すれば、固相には成熟赤血球やNRBCを選択的に残留させ分離することができる。
本発明の分離方法にあっては、前記第1段階に先立って、採取した血液試料から、顆粒球及び白血球等を予め除去し、目的とする細胞を濃縮しておくこともできる。この場合、一般的に比重1.077程度に設定された汎用のフィコールパック、ヒストパック、パーコールなどの高比重液を用いることができるが、本発明においてNRBCを血液資料から分離・濃縮する場合の前処理としては、比重1.085〜1.10のものが特に好適に用いられ得る。例えば本発明者らは、比重1.095のフィコールパック、ヒストパック、パーコールなどの高比重液を用いた場合、結果としてレクチンによるNRBCの回収細胞数が従来の比重1.077の比重液を用いたときと比較して約1.5倍以上となることを確認した。このような前処理の効果は、長年多くの研究者によって検討されているが、個体差などによって変化することが多く明確な結論が得られておらず、本発明の分離法においても場合によって上記以外の条件を適宜に採用し得る
また、図1に示されるように、グルコース系の糖鎖高分子とレクチンとの組み合わせも同様に実施できることは言うまでもない。
一般に、細胞を分離する方法として、目的とする細胞以外の細胞を固定化して除去するネガティブ・セレクションと、目的とする細胞を固定化して濃縮するポジティブ・セレクションとが知られているが、本発明の分離方法は、レクチンの濃度を適宜調整することによって、ネガティブ及びポジティブ・セレクションの両方の手法を利用することができる。
なお、造血幹細胞といった微量に含まれる細胞を、廃棄される細胞数を極力少なくしながら選択的に分離するには、上記の方法を複数回繰り返して、目的とする細胞の回収率をさらに向上させることもできる。
本願発明に係る分離方法によって分離精製される血液試料は、末梢血を含む如何なるものであってもよいが、幹細胞を選択的に回収するには、骨髄液、抹消血、臍帯血または胎盤血とするのが好ましい。また、NRBCを選択的に回収するには、臍帯血、母体血とするのが好ましい。
実施例
以下に、本発明の分離方法ついて、糖鎖高分子としてAZ−PVLA、細胞浮遊液として0.1重量%ウシ血清アルブミンを添加した生理的リン酸緩衝液(PBS)を用い、未成熟細胞である造血幹細胞を選択的に分離回収する場合例として具体的に説明する。
1:インキュベーション条件
実施例1:温度効果(1)
第1段階:フィコール法で回収された臍帯血由来の血球から塩化アンモニウム溶液で残存赤血球を溶血し、単核球を含む白血球分画を得た。ポリプロピレン製チューブ中で、2×10個/mlの臍帯血由来の単核球懸濁液に対し、種々の濃度のSBA(ガラクトース認識性のレクチン)を含むPBSを添加し、4℃で30分間、5分毎に攪拌しながらインキュベーションした。
第2段階:上記インキュベーション終了後、懸濁液をAZ−PVLA被覆した直径35mmディッシュに移し、さらにレクチンを含まないPBS1mlでチューブをリンスし、そのリンス液も同じディッシュに加えて、4℃から37℃の複数の温度で60分間インキュベーションした。
また、上記60分のインキュベーションのかわりにディッシュと細胞を同時に90Gで所定時間遠心した。または、上記60分のインキュベーションを15分に変え、インキュベーションの後で基材と細胞を同時に90Gで所定時間遠心した。加えて、双方の遠心処理を同時に行った。
第3段階:揺動後、懸濁液を回収し、上記PBS1mlで洗浄して、固相(シャーレ)と液相(懸濁液)とを分離した。
得られた細胞懸濁液中の回収細胞数を自動血球計数器で測定し、仕込み細胞数に対する接着細胞数の割合(接着率)を計算した。その結果、いずれの温度においてもレクチン添加量を増加させるにつれて接着率が増大する傾向が見られた。そこで、単核球80%接着させるために最低限必要なレクチン(SBA)の添加量を各温度について以下の表1にまとめた。
Figure 0004229226
これらの結果から、単核球を80%接着させるために必要なレクチン(SBA)添加量は、温度が低下するに従って減少すること、即ち、インキュベーション温度を低温にすることにより、少量のレクチンで接着分離可能となるように接着効率が向上することがわかった。4℃では、0.01mgで50%程度の細胞接着が観察された。なお、これらの細胞接着が、レクチンを介した糖鎖特異的なものであることは、前記ディッシュに種々の濃度のガラクトース液を添加することにより、4℃の場合も37℃の場合も、細胞接着が60〜90%程度まで阻害されたことから確認された。
また、60分のインキュベーションの代わりに90Gによる遠心を加えた場合には、3分以上の遠心処理で60分のインキュベーションと同等のレクチンによる血球接着が得られた。また、60分のインキュベーションを15分に変え、インキュベーション後90Gの遠心処理を加えた場合も、2分以上の遠心処理で安定な血球接着が得られた。このような遠心処理は、過剰な遠心処理によって細胞が損傷し非特異的接着が生じない限り、レクチンによる選択的接着を加速・安定化し、処理時間を短縮することに寄与した。
実施例2:温度効果(2)
用いるレクチンをPNA及びECL(ともにガラクトース認識性)に換えた以外は、実施例1と同様の条件で実験を行い、以下の表2に示す結果を得た。
Figure 0004229226
表2の結果から、用いるレクチンの種類に関わらず、細胞接着率とインキュベーション温度とに相関関係が存在することが明らかになった。
実施例3:温度効果の実体
実施例1における37℃でのインキュベーションの場合と同じ条件で、細胞浮遊液にアジ化ナトリウムを添加して同様の実験を行った。結果を表3に示す。ただし、細胞接着性は、固定化されずに回収された非接着細胞の割合(回収率)で表した。
Figure 0004229226
これらの結果から、レクチンを介した細胞接着性は、温度低下とともに向上するが、この現象は温度を下げずとも、細胞の代謝活性を抑制することが知られているアジ化ナトリウムを添加した場合についても見られることを示している。即ち、レクチンの細胞に対する温度依存的な親和性は、細胞の膜運動性の影響を受け、膜運動性が低下することにより親和性が向上する傾向があることが示唆された。
2.選択的親和性
実施例4:白血球の成熟性に基づく選択的親和性
白血球細胞は幼若な細胞は表面にCD34と呼ばれる表面マーカーを表現し(CD34陽性)、成熟するとCD34陰性となることが知られている。従来は、CD34抗体を用いて幼弱な細胞を選択的に固定化することも行われている。ここでは、糖鎖高分子としてβ−結合型ガラクトース末端を有するPVLA(インキュベーション温度4℃、37℃)及びα−結合型ガラクトース末端を有するPVMeA(インキュベーション温度4℃)を用い、種々のレクチン添加量での選択的接着性を検討した。結果を表4に示す。表中のレクチン(SBA)添加量は、細胞2×10個に対する量である。
Figure 0004229226
これらの結果から、レクチンを介した本発明の分離方法によれば、CD34陽性の幼若細胞とCD34陰性の成熟細胞とを選択的に分離することができることが解った。しかも、インキュベーション温度を低温に設定することにより、必要とされるレクチン添加量が1/20程度に低減される。また、糖鎖高分子としてPVMeAを用いた場合は、PVLAを用いた場合に比較して、レクチン添加量をさらに減少させても選択的接着性が得られることが示された。
一般に、SBAはα−結合型ガラクトースにより強い親和性を有していることが知られている。α−結合型ガラクトース末端を有するPVMeAに対する選択的接着が、より低いレクチン添加濃度で生じた結果は、当該細胞分離法がレクチンの極めて特異的な親和性に基づいたものであることを示している。さらに、当該方法において明らかにされた低温インキュベーションが、レクチンの親和性を著しく強調する有効な方法であることも明らかにした。
実施例5:血球間の選択的親和性
インキュベーション温度を4℃とし、実施例1と同様の実験を行なって、臍帯血由来の赤血球及び白血球の95%を接着するのに必要なレクチン添加量を求めた。この場合、溶血操作は行わなかった。結果を下記の表5に示す。
Figure 0004229226
表5に示すとおり、赤血球と白血球とのレクチンを介した接着性を比較すると、赤血球の方が親和性が高く、より低いレクチン添加量で接着可能であることがわかる。
実施例6:臍帯血赤芽球の分離
実施例5の方法に従って、インキュベーション温度を4℃とし、レクチン(SBA)添加量を細胞2×10個当たり50μg以下という少量で変化させて、PVLA被覆したディッシュに接着された細胞を検査した。この場合、第3段階の固相と液相の分離の後に、450Gでディッシュと接着細胞を同時に遠心処理したものも比較した。
検査方法は、接着細胞をディッシュ上で乾燥させ、ヘマトキシリン、エリスロシンで細胞を染色し、正染色性赤芽球をカウントすることによって行い、ランダムに選択した領域で100個の細胞をカウントしたとき、その中に含まれる赤芽球の数で評価した。結果を図2に示す。図中、PREは、多量(300μg)のレクチンを添加して殆ど全ての細胞を接着するようにした比較例である。
添加するレクチンの量を減少させ、レクチンに対する親和性が低い白血球の付着を阻害すると、ディッシュ上に成熟赤血球と赤芽球を選択的に接着させることができた。結果的に、臍帯血中に少量しか存在しない赤芽球を100個カウントあたり1個以上という高い確率で検出することができた。また、液相と固相の分離の後に450G、3分以上の遠心処理を加えると、接着細胞が均一な球形を示し、染色態度が良好となり顕微鏡による赤芽球の視認を容易ならしめた。一方、遠心処理が不十分な場合(遠心力が低い、あるいは遠心時間が短いなど)、均一な細胞染色像が得られず、目的とする細胞を顕微鏡で視認する事に困難が生じた。従って、微妙な核内構造を細胞染色によって検出する必要のある細胞診断を当該レクチンによる細胞分離法で効率化することにおいて、基材表面に接着した細胞を適切な条件で遠心することは極めて重要であることが明らかとなった。
実施例7:母体血の胎児赤芽球の濃縮
実施例6の方法に従って、母体血からフィコール分離された細胞分画を回収し、細胞2×10個に対して10μgのレクチン(SBA)を添加して、PVMeA被覆したセパラブルチャンバースライド中、18℃で30分間インキュベーションした。比較のため、レクチン添加量を300μgとした場合も調べた。20例について試験した結果を下記表6に示す。
Figure 0004229226
上記の試験をふまえ、胎児赤芽球を検出するためのレクチン(SBA)添加量の最適値を検査した。20例で査定した結果を表7に示す。その際、インフォームドコンセントに基づき健常な男児を妊娠している母体をエコー診断により確認し、採血された母体血から分離された赤芽球をAneu Vysion Assay Kit.(VYSIS,INC.)で定法によるFISH検査を行いY−プローブの検出を行った。
Figure 0004229226
これらの結果から、レクチン添加量を減少させて白血球の接着を阻害すると、赤芽球を選択的に濃縮することができ、母体血から遺伝子診断に有用な赤芽球を効率よく検出できることが示された。さらに、レクチンの限界的添加量も存在し8μg以上のレクチンを添加する方が赤芽球の損失が少ないことも明らかとなった。この場合、20μg以上の添加量から徐々に有核細胞である白血球の混入が増加し、32μg以上ではNRBCの確認が困難なほどの混入が生じた。また、同様の結果は、糖鎖高分子としてPVLAを用いた場合でも再現された。
一方、赤芽球などの赤血球成分の処理量が少ない母体血サンプルでは、第1段階のレクチンによるインキュベーションを行わなくても良好な赤血球選択的な接着が再現された。
また、このとき、男児を妊娠している母体8例を検査したところ、男児特有のY−プローブが8例検出され母体血から胎児細胞が高い確率で回収できることも明らかとなった。以上から、当該レクチンによる有核赤芽球の分離法は、非/低侵襲的に母体血から胎児細胞を検出して、胎児の染色体を検査する有効な方法であることが判った。
実施例4に従って濃縮されたCD34陽性の細胞分画を回収し、コロニー形成能の比較を市販のアッセイキット(MethoCult GF H4434,StemCell Technologies Inc)を用いて行った。その結果、当該レクチンによる細胞分離法によってCD34陽性細胞を濃縮したものは、分離をしないものに比べ8.8倍のコロニー形成率が得られた。このことから、レクチン処理は後のコロニー形成に影響を与えることなく、効率的に造血性の細胞を増加させることができることが明らかとなった。従って、当該レクチンによる細胞分離法は、幹細胞移植を必要とする患者にGVHDを緩和させることのできる減リンパ球移植片を提供することから、白血病細胞の各分化過程で誘導される発ガン遺伝子を効率よく検査することにも利用できるものと考えられる。
産業上の利用可能性
以上、詳細に説明したように、本発明の分離方法及び分離装置は、細胞−レクチン及び糖鎖−レクチンの相互作用に基づくものである。より詳細には、これらの相互作用において、細胞の活性状態やレクチン添加量に依存して接着性変化や細胞タイプによる接着選択性が生ずることを利用したものである。本発明の分離方法及び分離装置を用いるより、細胞、特に臨床的に大きな意義を持つ造血幹細胞やNRBCといった細胞を選択的に分離回収することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、造血幹細胞の分化の様子を示す系統図である。
図2は、実施例6におけるレクチン濃度変化による赤芽球の選択的濃縮の結果を示すグラフである。

Claims (5)

  1. 分化した成熟細胞及び未成熟な造血性細胞並びに赤芽球を含有する血液試料から造血細胞及び/または赤芽球を選択的に分離回収する方法において、当該方法が、
    (1)前記試料を、細胞を不活性化する条件下においてレクチンと作用させて細胞-レクチン複合体/非複合体を形成する工程、
    (2)前記細胞-レクチン複合体/非複合体を含む試料を、前記条件下で、前記レクチンに特異的に認識される糖鎖を有する糖鎖含有高分子で表面被覆した基材とともにインキュベーションして前記細胞をレクチンを介して前記基材表面に固定化する工程、及び、
    (3)液相と固相とを分離し、液相及び/または固相から目的とする血液細胞を回収する工程を含み、
    前記レクチンが、前記固相から回収される細胞とは結合して基材表面に固定化するが、前記液相から回収される細胞は基材表面に固定化しない量で存在することを特徴とする血液細胞の選択的分離方法。
  2. 前記工程(2)のインキュベーションの前または後に前記基材と細胞を同時に遠心処理し細胞の固定化を加速、安定化させる工程、あるいは前記血液細胞を回収する工程で細胞が固定化された基材を遠心処理し細胞の固定化を安定化させる工程をさらに含む、請求項1に記載の血液細胞の選択的分離方法。
  3. 前記細胞を不活性化する条件が、0℃以上37℃未満の低温条件、または、細胞呼吸を停止させる試薬を添加する条件であることを特徴とする請求項1に記載の血液細胞の選択的細胞分離方法。
  4. 前記工程(1)の時間を0から120分間とし、前記工程(2)のインキュベーション時間を10から120分間としたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の血液細胞の選択的分離方法。
  5. 前記基材が、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリウレタン、ビニル系共重合体、またはガラス製のシャーレ、フラスコ、プレート、キュベット、フィルム、ファイバー、ビーズ、及びセパラブルチャンバースライドから選択された基材であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の血液細胞の選択的分離方法
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