JP4229162B2 - タクタイル・フィードバック機能を持つ携帯型機器 - Google Patents

タクタイル・フィードバック機能を持つ携帯型機器 Download PDF

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Description

本発明は、ユーザ・インターフェースを備えた情報処理機器に係り、特に、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話機、リモート・コントローラなどのような携帯型若しくは手持ち型の機器に関する。
さらに詳しくは、本発明は、ユーザ・インタラクションを介してユーザに対してタクタイル・フィードバックを与えることができる携帯型機器に係り、特に、任意の形を持つさまざまなタクタイル・パターンをレイテンシなく生成することができる携帯型機器に関する。
また、本発明は、データ入力のためにペンを使用する、タブレット式コンピュータやタッチ・スクリーン、ペン入力スクリーンなどの情報処理装置に関する。
昨今の技術革新に伴い、パーソナル・コンピュータ(PC)、PDA(Personal Digital Assistant)といったさまざまなタイプのコンピュータが広汎に市販され、利用に供されている。
一般に、コンピュータは、キーボードやマウスといったユーザ入力装置を備え、また、ディスプレイやスピーカ、プリンタといった出力装置を装備している。そして、コンピュータは、出力装置を介して、ユーザに対して意味のあるフィードバックを与えることにより、正しい操作を行うように導くことができる。
しかしながら、もしユーザが表示画面を見つめていなければ、ユーザは視覚的なフィードバックを感知することはできない。また、音響的なフィードバックは、作業環境下の雑音に掻き消されてしまうこともあろう。
コンピュータがより充実した機能を装備しながら筐体サイズを縮小していくとともに、視覚的なディスプレイは小さくなり、これを使いこなすことはますます難しくなってしまう。
このため、いかなる作業環境下でも有効に働く確実なフィードバック手段として、トルク・ベースのタクタイル・フィードバック装置が提案されている。従来のタクタイル・フィードバック装置のほとんどは、カム付の回転モータを使用する。そして、タクタイル・フィードバック作用は、モータの回転開始及び停止時に生じるトルクから得ていた(例えば、非特許文献1、非特許文献2を参照のこと)。
このようなフィードバック装置は、以下のような欠点を持つ。すなわち、
(1)大きな重量物を取り付ける必要があるので、小さい手持ち型の装置に組み込むことができない。
(2)ごく限られた種類のタクタイル・パターンしか生成することができない。
(3)モータが持つ慣性のため、タクタイルの帯域幅は遅く、このためタクタイル・フィードバックというよりもむしろ力を返す装置としてもっぱら利用されてきた。
多くの携帯型電話機に組み込まれている従来の振動モータは、非対称な軸又はカムを備えているが、ある程度の遅延時間後に振動を開始する。これらのアクチュエータは、極めて大きなレイテンシを持つので、対話型のアプリケーションに適用することはできない。また、これら従来のアクチュエータを用いた場合、正弦波形パターンの振動しか得られない。言い換えれば、これらは任意のパターンを生成することはできない。
他方、ピエゾ・アクチュエータは、ユーザの手などのターゲットを直接刺激するために利用されている。しかしながら、この種のアクチュエータは、皮膚の小さな領域を局所的に刺激するか、あるいは複数のピエゾ・アクチュエータをマトリックス状に配設して用いる(例えば、非特許文献3を参照のこと)。
ボイス・コイルもタクタイル・フィードバックを得るために使用されてきた。しかし、これらも局所的な振動を生成するだけであり、比較的大きく、また、通常はアクチュエータの共振周波数の範囲内でしか振動しない。言い換えれば、これらは、ごく限られた信号波形しか出力することができないのである(例えば、非特許文献4を参照のこと)。
複数のピンで構成されてこれらが作動することによりユーザの手に影響を与えるという、マトリックスを基調とするタクタイル・ディスプレイも既に存在する。しかしながら、個々のアクチュエータのサイズと構造の複雑さのために、これらは携帯型機器に組み込むことができない(例えば、非特許文献5を参照のこと)。
ほとんどの対話処理技術は、携帯型機器の特定の部位や単位の部分における効果的なタクタイルをコントロールすることはできない。
ペン入力方式の装置のための力覚装置に関する開発について幾つかの試みがなされてきた。しかしながら、この種のインターフェースの多くは、ペンに付随する外部の力生成機構(通常はモータ)を用いることを前提としている。ペンの動きはモータによって制限されてしまう。このため、ユーザがペンを操作しようとしたときにユーザはペンの動きに対して抵抗を感じることになる。この一例として、Sensible Technologies社によって製作されたPhantomの力覚装置や、他のペン入力方式の力フィードバック装置を挙げることができる(例えば、非特許文献6を参照のこと)。
しかしながら、この種の装置は、大きくて重いため、ある作業場から他の場所へ簡単に持ち運ぶことができない。また、この種の装置は、通常、インタラクションの設計を考慮してはいない。
M.Yoshie,H.Yano,Iwata"Development of non−grounded force display using gyro moments"(Proceedings of Human Interface Society Meeting.2001.pp.25−30) Y.Fukui,S.Nishihara,K.Nakamura,J.Yamashita"Hand−held torque feedback display"(Proceedings of SIGGRAPH01 Abstract and Applications.2001.ACM.pp.192) Cholewiak,R.W.,Sherrick,C.E."1981 A computer−controlled matrix system for presentation to the skin of complex spatiotemproal patterns"(Behavioral Research Methods and Instrumentation,13,667−673) M.Fukumoto,S.Toshiaki"Tactile Feedback for Touch Panels"(Proceedings of CHI ‘2001,Extended Abstracts.2001.ACM.pp.121−122) Cholewiak,R.W.,Sherrick,C.E."1981 A computer−controlled matrix system for presentation to the skin of complex spatiotemproal patterns"(Behavioral Research Methods and Instrumentation,13,667−673) P.Buttolo,B.Hannaford"Pen Based Force Display for Precision Manipulation of Virtual Environment"(Proceedings VRAIS−95,pp.217−225,Raleigh,NC,March 1995)
本発明の目的は、ユーザ・インタラクションを介して効果的なタクタイル・フィードバックをユーザに与えることができる、優れた携帯型機器を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、さまざまなタクタイル・パターンをレイテンシなく生成することができる、優れた携帯型機器を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、機器本体の特定の部位や単一の部分についての効果的なタクタイルをコントロールすることができる、優れた携帯型機器を提供することにある。
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、タクタイル・フィードバック機能を持つ携帯型機器であって、
データ処理動作を実行するデータ処理部と、
前記データ処理部による処理結果データで定義される振幅、波形、及び周期を持つ電圧の時間関数からなる信号を生成する信号生成部と、
前記信号生成部によって印加される信号に従って前記携帯型機器を触っているユーザに対して伝達すべきタクタイル・パターンを即時的に生成する1又は複数の力覚アクチュエータと、
を具備することを特徴とするタクタイル・フィードバック機能を持つ携帯型機器である。
本発明に係る携帯型機器によれば、ユーザ・インタラクションを介して効果的なタクタイル・フィードバックをユーザに与えることができる。
力覚アクチュエータに任意の制御信号を印加することにより、力覚パターンを自由に変更することができる。信号生成部は、データ処理部による処理結果データに従って、電圧の時間関数である制御信号を生成する。
本発明に係る携帯型機器は、ユーザによる入力されたデータやコマンドを受容するためのユーザ入力装置をさらに備えていてもよい。このような場合、データ処理部は、入力されたデータやコマンドを処理し、信号生成部は入力されたデータやコマンドに影響を受けた信号を生成する。この結果、力覚アクチュエータは、ユーザ入力オペレーションに応じたタクタイル・フィードバックを与えることができる。
力覚アクチュエータは、可撓性アクチュエータで構成することができる。より具体的に言えば、力覚アクチュエータは、多層ピエゾ可撓性アクチュエータで構成することができる。多層ピエゾ・アクチュエータは、上層ピエゾ・アクチュエータと、下層ピエゾ・アクチュエータからなる。
ピエゾ素子は、印加電圧の方向に応じて拡張したり収縮したりすることができる。上層及び下層の各ピエゾ・アクチュエータに対して逆方向の電圧を印加することによって、上層を収縮させると同時に下層を拡張することができる。この結果、多層ピエゾ可撓性アクチュエータ全体としては、上方あるいは下方に撓むことになる。
多層ピエゾ可撓性アクチュエータの変位量ΔYは、各層における長手方向の拡張量や収縮量よりもはるかに大きい、という点を充分に理解されたい。多層ピエゾ可撓性アクチュエータは、消費電力が低く、また、極めて短いレイテンシで作動することができる。さらに重要なことは、このアクチュエータは5−10V程度の極めて低い駆動電圧しか必要でないことから、バッテリ駆動によるコントロールが可能であるという点である。これに対し、当業界においてよく知られている2層式(バイモルフ)アクチュエータは、少なくとも40Vの駆動電圧が必要であり、バッテリ駆動式の小型機器に装備するのは適切でない。
多層ピエゾ可撓性アクチュエータを利用することによって、力覚アクチュエータを小型且つ薄型のチップ内に形成することができる。
力覚アクチュエータは、携帯型機器内のどこに配置してもよい。ユーザ入力オペレーションに応答して、あるいはデータ処理結果に応じて、携帯型機器の本体は、あらゆる波形を持つタクタイル・フィードバックをユーザに瞬時に与えることができる。
力覚アクチュエータは、携帯型機器の可動部分に取り付けられていてもよい。このような可動部分は機器本体上で吊り上げられており、機器のうち唯一この部分だけがタクタイル・フィードバックを与えることができる。
あるいは、力覚アクチュエータは、携帯型機器の可動部分を作動するように取り付けられていてもよい。例えば、力覚アクチュエータは、タッチパネル式ディスプレイの下方に埋設されていてもよい。
力覚アクチュエータは、それぞれ独立してタクタイル・パターンを生成する複数の力覚デバイスを備えていてもよい。
携帯型機器内の可動部分に取り付けたり、あるいは可動部分を作動させたりするように、複数の力覚アクチュエータを携帯型機器本体内に配設してもよい。
表示画面上に表示されているそれぞれのボタン領域の下方に力覚デバイスを配設してもよい。このような場合、ユーザ操作オペレーションに応答して特定のボタンを刺激して、ユーザの指先に対して直接タクタイル・フィードバックを与えることができる。
信号生成部が力覚アクチュエータに対して任意の電気信号を与えることによって、力のパターンを自在に変更することができる。信号生成部は、データ処理部からの処理結果を表現するような電圧の関数を生成するようにしてもよい。
ペン入力機能によって視覚スクリーンが高機能化された情報処理システムにおいてデータ入力に使用されるペンの内部に力覚装置を組み込んでもよい。ユーザは、ペンを用いたスクリーン・インターフェースを介したインタラクションにより、情報処理システムをコントロールすることができる。この場合、ユーザは、ペンからのタクタイル・フィードバックを受け取ることができる。他の実現例として、インタラクションに使用される分離タブレット方式の入力装置に本発明を適用することができる。
力覚装置によって生成されるタクタイル・フィードバックは、異なる波形によって構成される。図形ボタン、スライダ、チェック・ボックス、スクリーン上のインターフェース要素を移動するような図形コントロール、曲線やその他のコンピュータ図形オブジェクトを生成したり変更したりするコントロールなど、ユーザがインタラクションを行なうスクリーン上のインターフェース要素に応じて、タクタイル・フィードバックの波形は変化する。したがって、視覚的インターフェースとユーザがペンから受け取る力覚フィードバックとの間には強い対応関係がある。
インターフェース要素とインタラクションを行なう1つの方法として、ユーザが図形コントロールに関するインタラクションを開始する前にタクタイル・フィードバックが供給されるとともに、ユーザが図形コントロールに関するインタラクションを開始した後に異なるタクタイル・フィードバックが供給される。
ペンを介したタクタイル・フィードバックによれば、ユーザは、色や線分、あるいはその他のディスプレイに提示されている情報処理システム上の図形要素を知覚することができる。
本発明によれば、ユーザに対してユーザ・インタラクションを介して効果的なタクタイル・フィードバックを与えることができる、優れた携帯型機器を提供することができる。
また、本発明によれば、さまざまなタクタイル・パターンをレイテンシなく生成することができる、優れた携帯型機器を提供することができる。
また、本発明によれば、機器本体の特定の部位や単一の部分のみのタクタイルのコントロールを効果的に行なうことができる、優れた携帯型機器を提供することができる。
携帯型のタクタイル・ディスプレイは、インタラクションを、幾つかの重要な方法によって携帯型、手持ち型、並びにウェアラブルな装置に拡張することができる。本発明を実現した力覚ディスプレイは、タクタイル・デバイスを利用して、ユーザのマニュアル操作に対してタクタイル・フィードバックを与えることができる。タクタイル・フィードバックは、視覚的、音響的なフィードバックと比較して、極めて高速であり、したがって、タクタイル・フィードバックは、ユーザのマニュアル・インタラクションを必要とする携帯型機器にとって効果的なインターフェースとなる。例えば、以下のような利用形態が考えられる。
(a)PDAなどの指先やペンを用いたタッチ式スクリーンのためのタクタイル・フィードバック。
(b)チルト・インターフェース、シェーキングあるいはその他の複雑なジェスチャなどの携帯型機器におけるジェスチャ・インタラクションに対するタクタイル・フィードバック。
(c)ボタンの押下などの従来のあらゆるオペレーションに対するタクタイル・フィードバック。
(d)ペンがタクタイル・フィードバック・デバイスに拡張されているように、描画オペレーションに対するタクタイル・フィードバック。
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
図1には、本発明の一実施形態に係る携帯型機器100のハードウェア構成を模式的に示している。同図に示すように、携帯型機器100は、データ処理部101と、信号生成部102と、ユーザ入力装置103と、ユーザ出力装置104と、力覚ディスプレイ105を備えている。
データ処理部101は、メイン・コントローラとして機能し、オペレーティング・システム(OS)によって提供される実行環境下でさまざまなアプリケーション・プログラムを実行する。一般に、アプリケーション・プログラムは、ユーザ・インタラクションを介して動作する。本実施形態では、幾つかのアプリケーション・プログラムは、後述するようなタクタイル・フィードバック機能を利用するようになっている。データ処理部101は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)を備えたマイクロプロセッサによって構成することができる。
ユーザ入力装置103は、キーボードやキーパッドなどである。また、ユーザ出力装置104は、液晶表示ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)のようなフラットパネル・タイプのディスプレイでよい。タッチパネル式ディスプレイのような形態で、ユーザ入力装置103及びユーザ出力装置104の双方が一体となって単一の装置として構成されていてもよい。
データ処理部101は、ユーザ入力装置103を介したユーザ入力データやコマンドに応答して動作して、その処理結果データをユーザ出力装置103や信号生成部102に供給する。
信号生成部102は、データ処理部101から供給される処理結果データに応じて、電圧の時間関数を生成しあるいは変調する。電圧の時間関数は、インターフェースの設計者によって定義された振幅や波形、周期を持つ。生成信号の例として、矩形波や正弦波などを挙げることができる。信号生成部102は、生成した信号を力覚ディスプレイ105に出力する
力覚ディスプレイ105は、視覚的フィードバックに代えてタクタイル・フィードバックを与えることができる力覚デバイスを少なくとも1つ備えている。各々の力覚デバイスは、信号生成部102からの信号を力若しくはタクタイルのパターンに変換する。
基本的に、力覚デバイスを用いることによって、以下に示す2通りのフィードバックを与えることができる。
(1)携帯型機器内のいずれかの場所に配置する。この構成の場合、重量物を付加する必要がある。
(2)重量物を使用せずに、ディスプレイの特定の部位を作動させる。
後述するように、力覚デバイスは重量物を必要としないので、携帯型機器本体内のほとんどどこの場所にも配置することができる。例えば、ユーザ入力装置103及びユーザ出力装置104の双方として構成されているタッチパネル式ディスプレイの下方に力覚デバイスを埋設することができる。タッチパネル式ディスプレイ上に表示されている各ボタン領域の下方に力覚デバイスを配置することによって、ユーザ入力オペレーションに応答して特定のボタンを刺激して、ユーザの指先に直接タクタイル・フィードバックを与えることができる。
図2には、力覚デバイスの物理的構成を示している。図示のタイプの力覚デバイスは、可撓性のピエゾ・アクチュエータによって構成され、一端が固定されているとともに他端には重量物が付けられている。
図3には、力覚デバイスの他の構成例を示している。このタイプの力覚デバイスは、可撓性のピエゾ・アクチュエータで構成されているが、両端が固定され(ブリッジ構成)、その中央に重量物が付けられている。
本実施形態では、力覚デバイスは、単一層又は多層のピエゾ可撓性アクチュエータで構成される。図4には、単一層又は多層のピエゾ可撓性アクチュエータの構造並びにその動作原理を模式的に示している。同図に示すように、多層構成のピエゾ可撓性アクチュエータは、上層ピエゾ・アクチュエータと、下層ピエゾ・アクチュエータで構成される。ピエゾ・アクチュエータは、印加された電圧の方向に応じて拡張したり収縮したりすることができる。下層とは逆方向の所定電圧を上層に対して印加することによって、上層は収縮すると同時に下層は拡張する。この結果、多層ピエゾ可撓性アクチュエータは、全体として上方向若しくは下方向に撓むようになっている。
多層ピエゾ可撓性アクチュエータの変位量ΔYは、以下に示す式を用いて計算することができる。
変位量ΔYは各層における長手方向の収縮や拡張に比べて極めて大きい、という点を充分理解されたい。
多層ピエゾ可撓性アクチュエータによって生成される力Fは、以下の式を用いて計算することができる。
ピエゾ可撓性アクチュエータは、高速のタクタイル帯域幅を持つので、タクタイル・フィードバック装置に組み込むことができる。ピエゾ可撓性アクチュエータは、非常に小さなレイテンシで作動することができるので、対話的なタクタイル・フィードバック・アプリケーションに適用することができる。
多層ピエゾ可撓性アクチュエータは、消費電力が低く、低電圧で動作する。多層ピエゾ可撓性アクチュエータを用いることによって、力覚デバイスを小型且つ薄型のチップ内に形成することができる。
運動量保存の法則を用いることによって力覚デバイスは力を生成することができる。例えば、外力がまったくない孤立したシステムでは、システムにおける運動量の合計はゼロになる。したがって、ピエゾ・アクチュエータに対して周期的な電圧(例えば矩形波の)を印加した場合、アクチュエータが撓むと、取り付けられている重量物はより高速に上下に運動する。運動量保存の法則によれば、重量物が運動量paを以って動くとき、デバイス全体では逆方向に同じ運動量paが発生して動き、この結果、デバイスを掌に持っているユーザの手に対して力Fdを生成する。
したがって、ユーザは、デバイスに触れている自分の手に加えられた力を感知することができる。力覚デバイスは、後述するように携帯型機器内に組み込まれることによって、力覚ディスプレイ105として機能することができる。
力覚ディスプレイは、上述したように小型且つ薄型のチップ内に形成することができるので、PDAよりもさらに小型の他のタイプの携帯型機器に組み込むこともできる。
図5には、PDAのような平型形状の情報処理機器を示している。この機器内には、図2や図3に示したような力覚ディスプレイが収容されている。力覚ディスプレイは、携帯型機器内の可動部分が作動するように取り付けられている。図示のように、タッチパネル式ディスプレイの下方に力覚ディスプレイが埋設されている。このような場合、力覚ディスプレイは、力覚ディスプレイが埋め込まれている領域を触れているユーザの指先にタクタイル・パターンを直接与えることができる。
また、図6にも、図2や図3に示したような力覚ディスプレイを収容した、PDAのような平型形状の情報処理機器を示している。力覚ディスプレイは、携帯型機器内の可動部分に取り付けられている。図示のように、この可動部分は、ばねを介して機器本体に取り付けられており、自由に動くことができる。可動部分は、力覚ディスプレイによって生成されるタクタイル・パターンを外部に伝達することができる。
図7及び図8には、力覚ディスプレイを収容したペン型の情報処理機器を示している。このペン型機器は、ペンを握るユーザに対してタクタイル・パターンを直接与えることができる。
図7に示すペン型機器では、力覚ディスプレイがペン内のいずれかの場所に搭載され、力覚ディスプレイの速い動きによってユーザの手によって知覚可能な力のインパルスを生成するようになっている。
また、図8に示すペン型機器では、ペン本体上の可動部位の下方に力覚ディスプレイが取り付けられている。ペンを持っているユーザは、この力覚ディスプレイの動作、あるいは可動部を押下したときの力覚ディスプレイの動作を知覚することができる。
図9には、力覚ディスプレイ105を取り付けている携帯型機器を示している。この場合、機器を持っているユーザの手に力を加えることができる。
力覚ディスプレイは高速な帯域幅を持つので、タクタイル・フィードバック装置として使用することができる。また、力覚ディスプレイは、極めて小さなレイテンシで作動することができるので、インタラクティブ・アプリケーションに利用することもできる。
力覚デバイスは、2通りの方法で携帯型機器に取り付けることができる。
まず第一に、力覚デバイスは、携帯型機器内のどこにでも配置することができる。この場合、図6や図7、図8に示したように機器全体を力/タクタイル・ディスプレイとして働くようにする。ユーザ入力オペレーションに応答して、あるいは、データ処理結果に従って、携帯型機器の本体は、あらゆる波形を持つタクタイル・フィードバックを瞬時にユーザに与える。
第2に、力覚デバイスは、携行型機器中の幾つかの可動部分に取り付けることができる。例えば、力覚デバイスをタッチパネル式ディスプレイの下方に埋設して、力覚ディスプレイを構成することができる。このような部位が機器本体に吊るされている場合、機器本体のうち当該部位のみがタクタイル・フィードバックを供給することができる。力覚デバイスに印加する信号の電圧関数を変更することによって、タクタイル・フィードバックはあらゆる波形を持つことができる。
図10には、力覚デバイスを埋設して、ユーザの指先に対して瞬時のタクタイル・フィードバックを直接与える表示画面を示している。タッチパネル式ディスプレイ上に表示されている各々のボタン領域の下方に力覚デバイスを配設することによって、ユーザ入力オペレーションに応答して特定のボタンを刺激して、ユーザの指先にタクタイル・フィードバックを直接与えることができる。
力覚ディスプレイに任意の制御信号を印加することによって、力のパターンを自在に変更することができる。信号生成部102は、データ処理部101から与えられる処理結果データに従って、電圧の時間関数からなる制御信号を生成する。
ピエゾ・アクチュエータに搭載されている重量物を変更することによっても力のパターンを変更することができる(図2及び図3を参照されたい)。これによって、移動速度を増大したり減少したり、慣性を変えることによって力を変えることができる。
本実施形態に係る力覚デバイスは、とりわけPDAや携帯電話機、ウエアラブル・コンピュータ、個人用音楽再生機器用のリモート・コントローラ、ペン入力ベースの機器などといった携帯型又は手持ち型の機器に組み込まれるユーザ・インターフェースとして開発されている。何故ならば、力覚デバイスによって構成されるタクタイル・ディスプレイは、極めて小型に構成され、MDプレーヤのためのリモート・コントローラのような極めて小型の装置の中に組み込むことができるからである。
力覚デバイスが例えばタブレット型コンピュータやPDAなどの視覚的スクリーンを備えた情報処理機器に使用された場合、力覚的フィードバックは、スクリーン上のユーザ・インターフェースと深く連携すべきである。タクタイル機器は、異なるインターフェース要素に対して異なるタクタイル応答を与えることができる。図11には、小さなユーザ・インターフェース・コントロールをペンで操作することによって曲線の形状を変更しているユーザの様子を示している。ユーザがユーザ・インターフェース・コントロールをペンで触れたときに、タクタイル・フィードバックが与えられる。
図12には、スライダ形式のユーザ・インターフェース要素をユーザが動かしている他の例を示している。ユーザがペンを用いてスライダ・コントロール要素を選択してこれをスクリーン上で移動させているときに、タクタイル・フィードバックが与えられる。
図13には、線分のようなスクリーン上の図形情報をユーザが触れている様子を示している。ユーザがペンで線分に触れたとき、ペンを介してユーザにタクタイル・フィードバックが伝えられる。
ユーザは、スクリーン上のユーザ・インターフェース要素とのインタラクションを起こす前にフィードバックを受け取ることもできる。図14には、このようなインタラクションにおけるデータ・フロー図を示している。
ペンの位置は常に監視されている(ステップS1)。
ユーザ入力を検出した結果、ペンがあるインターフェース要素上にあることが判明した場合(ステップS2)、タクタイル・フィードバックがユーザに伝えられて、ユーザが当該要素を選択可能であることが通知される(ステップS3)。
ユーザが他の要素を選択しようとした場合には(ステップS4)、上記とは異なるタクタイル・フィードバック・パターンがユーザに伝えられ、当該図形ユーザ・インターフェースとのインタラクションが開始していることが通知される(ステップS5)。
このようなタクタイル・フィードバック動作により、ユーザがインタラクションを行なおうとしている図形ユーザ・インターフェース要素を選択することが容易になる。
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
図1は、本発明の実施形態に係る携帯型機器100のハードウェア構成を模式的に示した図である。 図2は、力覚デバイスの物理的構成を模式的に示した図である。 図3は、力覚デバイスの構造に関する他の例を示した図である。 図4は、多層ピエゾ可撓性アクチュエータの構造並びに基本的な動作原理を模式的に示した図である。 図5は、図2及び図3に示した力覚デバイスがPDAのような平型携帯型機器に組み込まれている様子を示した図である。 図6は、図2及び図3に示した力覚デバイスがPDAのような平型携帯型機器に組み込まれている様子を示した図である。 図7は、力覚デバイスを収容したペン型情報処理機器を示した図である。 図8は、力覚デバイスを収容したペン型情報処理機器を示した図である。 図9は、力覚ディスプレイ105を装備して、機器を持つユーザの手に力を加えている携帯型機器を示した図である。 図10は、力覚ディスプレイを埋設して、ユーザの指先に瞬時のタクタイル・フィードバックを直接与える表示画面を示した図である。 図11は、小さなユーザ・インターフェース・コントロールを操作することによって曲線の形状を変更しているユーザの様子を示した図である。 図12は、スライダ形式のユーザ・インターフェース要素をユーザが動かしている例を示した図である。 図13は、線分のようなスクリーン上の図形情報をユーザが触れている様子を示した図である。 図14は、スクリーン上のユーザ・インターフェース要素とのインタラクションを起こすときのデータ・フロー図を示した図である。
符号の説明
100…携帯型機器
101…データ処理部
102…信号生成部
103…ユーザ入力装置
104…ユーザ出力装置
105…力覚ディスプレイ

Claims (4)

  1. タクタイル・フィードバック機能を持つ携帯型機器であって、
    データ処理動作を実行するデータ処理部と、
    前記データ処理部による処理結果データで定義される振幅、波形、及び周期を持つ電圧の時間関数からなる信号を生成する信号生成部と、
    前記携帯型機器本体と、
    前記携帯型機器本体に対してばねを介して可動となるように取り付けられ、表示画面上に1以上の操作ボタンを表示可能なタッチパネル式の表示部と、
    複数層のピエゾ可撓性アクチュエータで構成され、前記信号生成部によって印加される信号に従ってタクタイル・パターンを即時的に生成する1又は複数の力覚アクチュエータを備え、
    前記表示画面に表示されている各々のボタン領域の下方に前記力覚アクチュエータがそれぞれ配設され、ユーザの指がいずれかのボタン領域を接触したことに応じてその下方の前記力覚アクチュエータのみがタクタイル・フィードバックを与える、
    ことを特徴とするタクタイル・フィードバック機能を持つ携帯型機器。
  2. ユーザから入力されるデータ又はコマンドを受容するためのユーザ入力装置をさらに備え、
    前記データ処理部は該入力されたデータ又はコマンドを処理し、
    前記信号生成部は前記データ処理部の処理結果に応じた信号を生成することで、前記力覚アクチュエータがユーザ入力操作に応じたタクタイル・フィードバックを与えるようにする、
    ことを特徴とする請求項1に記載のタクタイル・フィードバック機能を持つ携帯型機器。
  3. 前記力覚アクチュエータを構成するピエゾ可撓性アクチュエータは、一端が固定され他端に重量物が付加されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のタクタイル・フィードバック機能を持つ携帯型機器。
  4. 前記力覚アクチュエータを構成するピエゾ可撓性アクチュエータは、両端が固定されその中央に重量物が付加されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のタクタイル・フィードバック機能を持つ携帯型機器。
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