JP4228812B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の吸気弁の開閉弁タイミング(すなわち、開弁タイミングおよび閉弁タイミングの少なくとも一方)を変更するための機構(以下、「開閉弁タイミング変更機構」と称す)を具備する内燃機関が、特許文献1に開示されている。この特許文献1記載の内燃機関では、機関始動中(すなわち、内燃機関が始動されてから所定時間が経過するまでの間)、吸気弁の開閉弁タイミングが特定のタイミング(具体的には、上記開閉弁タイミング変更機構によって達成可能な最も早いタイミングと最も遅いタイミングとの略中間のタイミング)に固定される。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−55935号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、吸気弁の開閉弁タイミングが変わると、吸気量(すなわち、内燃機関の燃焼室に吸入される空気の量)も変わる。ここで、内燃機関が上記開閉弁タイミング変更機構を別個に2つ具備する場合において、一方の開閉弁タイミング変更機構に対応する吸気弁の開閉弁タイミングが固定されているにも係わらず、他方の開閉弁タイミング変更機構に対応する吸気弁の開閉弁タイミングが固定されていないと、各開閉弁タイミング変更機構に対応する吸気弁の開閉弁タイミングが互いに異なることになる。したがって、この場合、各開閉弁タイミング変更機構に対応する吸気量が互いに異なることになる。ここで、各開閉弁タイミング変更機構に対応する吸気量が同じであることを前提として各開閉弁タイミング変更機構に対応する内燃機関の被制御構成要素(すなわち、内燃機関の構成要素のうち吸気弁の開閉弁タイミングに応じて制御される構成要素)を制御しても、各開閉弁タイミング変更機構に対応する内燃機関の被制御構成要素が所望通りに制御されないことになる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、少なくとも2つの開閉弁タイミング変更機構を具備する内燃機関において、各開閉弁タイミング変更機構に対応する内燃機関の構成要素を所望通りに制御することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、1番目の発明では、吸気弁の開弁タイミングおよび閉弁タイミングの少なくとも一方を変更するための油圧式の開閉弁タイミング変更機構を少なくとも2つ具備すると共に、吸気弁の開弁タイミングおよび閉弁タイミングを予め定められたタイミングに固定しておくための開閉弁タイミング固定機構を各開閉弁タイミング変更機構に対応して具備する内燃機関の制御装置において、機関始動中であって上記開閉弁タイミング固定機構のうちいずれか一方による吸気弁の開弁タイミングおよび閉弁タイミングの固定がなされていないときに当該内燃機関の制御装置によって制御されるべき上記開閉弁タイミング変更機構以外の内燃機関の構成要素の作動状態が予め定められた作動状態となるように少なくとも一方の開閉弁タイミング固定機構に対応する上記構成要素の作動に関する制御パラメータを補正する手段を具備する。
2番目の発明では、1番目の発明において、内燃機関が燃焼室に燃料を供給する燃料噴射弁を各開閉弁タイミング変更機構に対応して具備し、上記構成要素が該燃料噴射弁である。
3番目の発明では、1番目の発明において、内燃機関が燃焼室内の燃料に点火する点火栓を各開閉弁タイミング変更機構に対応して具備し、上記構成要素が該点火栓である。
4番目の発明では、3番目の発明において、一方の上記開閉弁タイミング固定機構による吸気弁の開弁タイミングおよび閉弁タイミングの固定がなされていないときには、該一方の開閉弁タイミング固定機構が設けられた気筒の吸気量と、他方の開閉弁タイミング固定機構が設けられた気筒の吸気量とが異なるようになっており、上記制御パラメータを補正する手段が、吸気量が多い方の気筒の目標点火タイミングを吸気量が少ない方の気筒の目標点火タイミングよりも進角させる。
5番目の発明では、1番目の発明において、内燃機関が排気ガスを浄化するために排気通路内に配置された排気浄化触媒を各開閉弁タイミング変更機構に対応して具備すると共に、各排気浄化触媒に空気を供給する空気噴射弁を具備し、上記構成要素が該空気噴射弁である。
6番目の発明では、1番目の発明において、内燃機関が吸気弁の開弁量を変更する開弁量変更機構を各開閉弁タイミング変更機構に対応して具備し、上記構成要素が該開弁量変更機構である。
7番目の発明では、1〜6番目の発明のいずれか1つにおいて、内燃機関が燃焼室内で失火が生じているか否かを判定する失火判定手段と、一方の開閉弁タイミング固定機構による吸気弁の開弁タイミングおよび閉弁タイミングの固定がなされており且つもう一方の開閉弁タイミング固定機構による吸気弁の開弁タイミングおよび閉弁タイミングの固定がなされていないときに上記失火判定手段による失火判定を制限あるいは禁止する手段とを具備する。
8番目の発明では、1〜7番目の発明のいずれか1つにおいて、内燃機関が吸気弁の開弁タイミングまたは閉弁タイミングを検出するための開閉弁タイミング検出手段を各開閉弁タイミング変更機構に対応して具備すると共に、該開閉弁タイミング検出手段により検出される開弁タイミングまたは閉弁タイミングと上記開閉弁タイミング固定機構によって開弁タイミングまたは閉弁タイミングが固定されたときに該開弁タイミングまたは閉弁タイミングがとるべき開弁タイミングまたは閉弁タイミングとを比較することによって開閉弁タイミング固定機構による吸気弁の開弁タイミングおよび閉弁タイミングの固定がなされているか否かを判定する手段を具備する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明が適用される内燃機関の全体図である。図示した内燃機関は、いわゆるポート噴射タイプの内燃機関であるが、本発明は、燃料を燃焼室内に直接噴射するいわゆる直噴タイプの内燃機関や、圧縮点火式の内燃機関(いわゆる、ディーゼルエンジン)にも適用可能である。
【0008】
図1において、1はシリンダヘッド、2はシリンダブロック、3は燃焼室、4は点火栓、5はピストン、6は吸気弁、7は吸気ポート、8は排気弁、9は排気ポートである。シリンダブロック2には、内燃機関を冷却するための冷却水を通す冷却水路10が形成されている。また、シリンダブロック2には、冷却水路10内を流れる冷却水の温度を検出するための水温センサ11が取り付けられている。また、ピストン5は、コネクティングロッド12を介してクランクシャフト13に連結されている。クランクシャフト13近傍には、該クランクシャフト13の回転位相を検出するためのクランク位相センサ14が配置されている。本実施形態では、クランク位相センサ14の出力から機関回転数が算出される。したがって、クランク位相センサ14は、いわゆるクランク角センサとして働く。
【0009】
ところで、本実施形態の内燃機関は、複数(具体的には、6つ)の気筒(すなわち、燃焼室3)を具備し、これら気筒3のうちの幾つか(具体的には、3つ)ずつの気筒からなる複数(具体的には、2つ)の気筒群を具備する。そして、図1は、各気筒群の気筒のうちの1つの気筒を示している。したがって、図1において、図中左側の気筒3が一方の気筒群を構成する気筒のうちの1つであり、図中右側の気筒3がもう一方の気筒群構成する気筒のうちの1つである。
【0010】
各気筒群の各気筒3には、それぞれ対応する吸気ポート7を介してそれぞれ対応する吸気枝管15が接続されている。各吸気枝管15(または、吸気ポート7周りのシリンダヘッド1)には、それぞれ、燃料噴射弁22が取り付けられている。また、各気筒群の吸気枝管15は、上流側において、これら吸気枝管15に共通の1つの吸気管16に接続されている。さらに、これら吸気管16は、その上流側において、これら吸気管16に共通の1つの吸気管17に接続されている。吸気管17内には、スロットル弁21が配置されている。スロットル弁21には、該スロットル弁21を駆動するためのステップモータ23が接続されている。
【0011】
本実施形態では、スロットル弁21の開度(以下、「スロットル開度」と称す)は、機関運転状態に応じて制御される。具体的には、機関運転にとって適したスロットル開度を実験等によって予め求め、こうして求めたスロットル開度を目標スロットル開度TDとして機関回転数Nと機関要求負荷Lとの関数でもって図2に示されているようなマップの形で予め制御回路のROM(図示せず)に記憶しておく。そして、機関運転中、このマップから機関回転数Nと機関要求負荷Lとに基づいて目標スロットル開度TDが読み込まれる。そして、スロットル開度がこの目標スロットル開度TDとなるように、ステップモータ23の作動が制御される。なお、目標スロットル開度TDは、機関回転数Nが大きいほど大きく、機関要求負荷Nが大きいほど大きくなる傾向がある。
【0012】
スロットル弁21上流の吸気管17内には、そこを通過する空気の量を検出するためのエアフローメータ24が配置されている。本実施形態では、エアフローメータ24の出力に基づいて、各気筒群の各気筒3に流入する空気の量(以下、「吸気量」と称す)が算出される。本実施形態では、こうして算出された吸気量に基づいて各気筒3における空燃比が理論空燃比となるように、燃料噴射弁22から噴射させるべき燃料の量(以下、「目標燃料噴射量」と称す)が決定される。
【0013】
一方、各気筒群の各気筒3には、それぞれ対応する排気ポート9を介してそれぞれ対応する排気枝管18が接続されている。各気筒群に対応する排気枝管18は、下流側において、これら排気枝管18に共通の1つの排気管19に接続されている。各排気管19には、排気ガス中の特定成分(本実施形態では、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、および、一酸化窒素(NOx))を浄化するための触媒(本実施形態では、三元触媒)20が配置されている。
【0014】
三元触媒20は、その温度が或る温度(いわゆる、活性温度)以上であって、且つ、そこに流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比近傍の領域X(図3参照)内にあるときに、排気ガス中のCO、HC、および、NOxを同時に高い浄化率で浄化する。一方、三元触媒20は、そこに流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比よりもリーンであるときには、排気ガス中の酸素を吸収し、そこに流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比よりもリッチであるときには、吸収した酸素を放出する酸素吸放出能力を有する。この酸素吸放出能力が正常に機能する限り、流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比よりもリーンであってもリッチであっても、三元触媒20内の雰囲気の空燃比がほぼ理論空燃比近傍に維持されるので、排気ガス中のCO、HC、および、NOxが同時に高い浄化率で浄化される。なお、排気ガスの空燃比とは、各気筒3に供給された燃料(対象となる触媒よりも上流側にて排気管に燃料を供給することができるようにしたシステムでは、当該対象となる触媒よりも上流側にて排気管に供給された燃料を含む)の量に対する各気筒3へ吸入された空気(対象となる触媒よりも上流側にて排気管に空気を供給することができるようにしたシステムでは、当該対象となる触媒よりも上流側にて排気管に供給された空気を含む)の量の比を意味する。
【0015】
各三元触媒20よりも上流側の排気管19には、空気を噴射するための空気噴射弁25が取り付けられている。上述では、三元触媒20は、そこに流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比近傍にあると、排気ガス中のCO、HC、および、NOxを高い浄化率で浄化すると説明した。しかしながら、実際には、三元触媒20は、そこに流入する排気ガス中の空燃比が理論空燃比よりも若干リーンであると、最も高い浄化率でCO、HC、および、NOxを浄化することが分かっている。ここで、本実施形態では、各気筒における混合気の空燃比は理論空燃比に制御されるので、排気ガスの空燃比も理論空燃比となっている。そこで、本実施形態では、各気筒への吸気量に応じて排気ガスの空燃比が理論空燃比よりも若干リーンとなるように、各空気噴射弁25から空気が噴射される。これによれば、三元触媒20は最も高い浄化率でCO、HC、および、NOxを浄化することとなる。
【0016】
各排気管19には、三元触媒20の温度を検出するための温度センサ26が取り付けられている。また、排気管19は、その下流側において、これら排気管19に共通の排気管(図示せず)に接続されている。
【0017】
吸気弁6はカム27によって開弁される。カム27はカムシャフト28を介して油圧式の開閉弁タイミング変更機構29に連結されている。この変更機構29については後述する。また、変更機構29近傍には、カムシャフト28の回転位相を検出するためのカム位相センサ30が配置されている。カム位相センサ30の出力から、吸気弁6の開閉弁タイミング(すなわち、開弁タイミングと閉弁タイミングとの少なくとも一方であり、以下、単に、「吸気タイミング」と称す)を知ることができる。また、変更機構29には、そこに供給される作動油の流量を制御するための流量制御機構31が連結されている。詳細は後述するが、流量制御機構31から変更機構29に供給される作動油によって、カムシャフト28の回転位相が変更せしめられ、これにより、吸気タイミングが変更せしめられる。
【0018】
一方、排気弁8はカム32によって開弁される。カム32はカムシャフト33を介して油圧式の開閉弁タイミング変更機構34に連結されている。この変更機構34についても後述する。また、変更機構34近傍には、カムシャフト33の回転位相を検出するためのカム位相センサ35が配置されている。カム位相センサ35の出力から、排気弁8の開閉弁タイミング(すなわち、開弁タイミングと閉弁タイミングとの少なくとも一方であり、以下、単に、「排気タイミング」と称す)を知ることができる。また、変更機構34には、そこに供給される作動油の流量を制御するための流量制御機構36が連結されている。詳細は後述するが、流量制御機構36から変更機構34に供給される作動油によって、カムシャフト33の回転位相が変更せしめられ、これにより、排気タイミングが変更せしめられる。
【0019】
なお、カムシャフト28,33は、クランクシャフト13に連結されており、クランクシャフト13により回転駆動せしめられる。
【0020】
次に、開閉弁タイミング変更機構および流量制御機構について説明する。図4に示したように、開閉弁タイミング変更機構29は、ロータ40とハウジング41とを有する。ロータ40は一定の範囲内で回動可能にハウジング41内に収容されている。なお、カムシャフト28はロータ40に接続されている。さらに、ロータ40は、その外周壁面から径方向外方へと延びる4つの羽根42を有する。一方、ハウジング41は、その内周壁面から径方向内方へと延びる4つの隔壁43を有する。ロータ40がハウジング41内に収容されると、これら羽根42と隔壁43との間に、4つの進角用隔室44a(後述するように、この隔室に作動油が供給されると、吸気タイミングが早められる(進角せしめられる))と、4つの遅角用隔室44r(後述するように、この隔室に作動油が供給されると、吸気タイミングが遅くされる(遅角せしめられる))とが形成される。また、ハウジング41周りには歯車45が固定されている。変更機構29は、歯車45においてクランクシャフト13に連結されている。なお、図4において、矢印Rは、ハウジング41が歯車45を介してクランクシャフト13によって回転せしめられるときの回転方向を示している。
【0021】
一方、流量制御機構31は、オイルコントロールバルブ(以下、「OCバルブ」と称す)からなる。OCバルブはスプール弁46と、該スプール弁46を往復動可能に収容するハウジング47とを有する。スプール弁46は、電気的に作動せしめられる駆動装置(例えば、電磁ソレノイド)48に連結されている。そして、駆動装置48はデューティ制御せしめられる。駆動装置48への電力供給に関するデューティ比(以下、単に、「デューティ比」とも称す)が零であるときには、スプール弁46はハウジング47に対して一方の側へ最も移動せしめられた位置を占める。一方、上記デューティ比が1.0であるときには、スプール弁46はハウジング47に対して他方の側へ最も移動せしめられた位置を占める。そして、上記デューティ比が0.5であるときには、スプール弁46は、上記ハウジング47に対して一方の側へ最も移動せしめられた位置と、上記ハウジング47に対して他方の側へ最も移動せしめられた位置とのちょうど中間の位置(以下、「中立位置」と称す)を占める。
【0022】
このように駆動装置48への電力供給に関するデューティ比を制御することによってハウジング47に対するスプール弁46の位置を制御することができるが、上記デューティ比を制御することによってハウジング47内におけるスプール弁46の移動速度も制御される。
【0023】
ハウジング47には、1つの導入口49と、2つの排出口50a、50rと、2つの連絡口51a、51rとが形成されている。導入口49には、回転式のポンプ52が接続されている。ポンプ52は、間欠的に作動油を吐出し、作動油タンク53内の作動油を導入口49を介してOCバルブに供給する。
【0024】
また、一方の連絡口51aは進角用隔室44aに連結されている。他方の連絡口51rは遅角用隔室44rに連結されている。作動油は、ハウジング47内におけるスプール弁46の位置に応じて、連絡口51a、51rを介してOCバルブから対応する隔室44a、44rに供給されたり、連絡口51a、51rを介して対応する隔室44a、44rからOCバルブに戻されたりする。一方の連絡口51aを介して進角用隔室44aからOCバルブに戻された作動油は、対応する排出口50aを介して作動油タンク53に戻される。他方の連絡口51rを介して遅角用隔室44rからOCバルブに戻された作動油は、対応する排出口50rを介して作動油タンク53に戻される。
【0025】
なお、スプール弁46が上記中立位置を占めるときには、OCバルブからいずれの隔室44a、44rにも作動油が供給されず且ついずれの隔室44a、44rからもOCバルブに作動油が戻されない。
【0026】
次に、開閉弁タイミング変更機構および流量制御機構の作動について説明する。駆動装置48への電力供給に関するデューティ比が0.5であると、スプール弁46が上記中立位置となる。このときには、上述したように、OCバルブからいずれの隔室44a、44rにも作動油が供給されず且ついずれの隔室44a、44rからもOCバルブに作動油が戻されない。この場合、ロータ40はハウジング41に対して一定の位置関係を維持する。したがって、この場合、吸気タイミングは一定に維持されている。
【0027】
ここで、デューティ比が0.5から変更せしめられてスプール弁46が中立位置から一方の方向(例えば、図4において、右方向)へ移動せしめられると、ポンプ52からOCバルブに供給される作動油が対応する連絡口51aを介して進角用隔室44aに供給されると共に、遅角用隔室44r内の作動油が対応する連絡口51rおよび排出口50rを介して作動油タンク53に戻される。この場合、ロータ40はハウジング41に対して方向Rへと移動せしめられ、これにより、吸気タイミングが進角せしめられる。そして、吸気タイミングが目標吸気タイミング(例えば、後述するように、図5(A)のマップから読み込まれる目標開閉弁タイミングTTi)となったところで、デューティ比を0.5とすれば、ハウジング41に対するロータ40の移動が停止する。これにより、吸気タイミングが目標吸気タイミングに維持されることとなる。
【0028】
一方、デューティ比が0.5から変更せしめられてスプール弁46が中立位置から他方の方向(例えば、図4において、左方向)へ移動せしめられると、ポンプ52からOCバルブに供給される作動油が対応する連絡口51rを介して遅角用隔室44rに供給されると共に、進角用隔室44a内の作動油が対応する連絡口51aおよび排出口50aを介して作動油タンク53に戻される。この場合、ロータ40はハウジング41に対して方向Rとは逆の方向へと移動せしめられ、これにより、吸気タイミングが遅角せしめられる。そして、吸気タイミングが目標吸気タイミング(例えば、後述するように、図5(A)のマップから読み込まれる目標開閉弁タイミングTTi)となったところで、デューティ比を0.5とすれば、ハウジング41に対するロータ40の移動が停止する。これにより、吸気タイミングが目標吸気タイミングに維持されることとなる。
【0029】
なお、排気弁8に関連する開閉弁タイミング変更機構34および流量制御機構36の構成は、上述した吸気弁6に関連する開閉弁タイミング変更機構29および流量制御機構31の構成と同様であるので、その説明は省略する。また、排気タイミングを目標排気タイミング(例えば、後述するように、図5(B)のマップから読み込まれる目標排気タイミングTTe)とするための流量制御機構36に対する制御およびそれに関連する開閉弁タイミング変更機構34の動作も、上述した吸気弁6に関連する流量制御機構31に対する制御およびそれに関連する開閉弁タイミング変更機構29の動作と同様であるので、その説明も省略する。
【0030】
次に、本実施形態における吸気タイミングの決定方法について説明する。本実施形態では、機関運転状態に応じて吸気タイミングが決定される。具体的には、機関運転にとって適した吸気タイミングを実験等によって予め求め、こうして求めた開閉弁タイミングを目標吸気タイミングTTiとして機関回転数Nと要求負荷Lとの関数でもって図5(A)に示されているようなマップの形で予め制御回路のROM(図示せず)に記憶しておく。そして、機関運転中、このマップから機関回転数Nと要求負荷Lとに基づいて目標吸気タイミングTTiが読み込まれる。そして、吸気タイミングがこの目標吸気タイミングTTiとなるように、駆動装置48への電力供給に関するデューティ比が制御される。
【0031】
排気タイミングも吸気タイミングと同様にして決定される。すなわち、図5(B)に示されているようなマップから機関回転数Nと要求負荷Lとに基づいて目標排気タイミングTTeが読み込まれ、排気タイミングがこの目標排気タイミングTTeとなるように、排気弁8に関連する駆動装置48への電力供給に関するデューティ比が制御される。
【0032】
ところで、機関運転が停止されて流量制御機構31の駆動装置48への電力供給が停止されたときに、ロータ40がハウジング41に対して回転可能な状態となっていると、開閉弁タイミング変更機構29の構成上、変更機構29のロータ40がハウジング41に対して吸気タイミングが遅角される方向へ回転し、最終的には、ロータ40の羽根42がハウジング41の隔壁43に当接する。この場合、次に内燃機関が始動されたとき(以下、「機関始動時」と称す)には、吸気タイミングは最も遅いタイミング(以下、「最遅角タイミング」と称す)となっている。そして、機関始動中(すなわち、内燃機関が始動されてから所定の時間が経過するまでの間)、図5(A)のマップから算出される吸気弁6の目標吸気タイミングTTiは、比較的遅いタイミングに設定され、この場合、吸気量が比較的少なくなってしまい、気筒内での燃焼が良好に行われないという不具合が生じる。したがって、機関運転を良好ならしめるという観点からは、機関始動中は、吸気タイミングは最遅角タイミングよりも比較的早いタイミングであることが好ましい。
【0033】
そこで、本実施形態では、ハウジング41に対するロータ40の相対位置を所定の位置(すなわち、吸気タイミングが最遅角タイミングよりも早くなるような位置であって、例えば、吸気タイミングが最遅角タイミングと最進角タイミング(すなわち、変更機構29によって達成可能な最も早いタイミング)との略中間のタイミングとなるような位置)に固定することによって吸気タイミングを所定のタイミングに固定するための開閉弁タイミング固定機構が内燃機関に設けられている。詳細には、開閉弁タイミング固定機構は、ハウジング41の内壁面から突出可能なピン60と、このピン60を受容可能にロータ40の羽根42に設けられた穴61とを具備する。ピン60が穴61に挿入されると、ハウジング41に対するロータ40の相対位置が所定の位置に固定される。
【0034】
そして、本実施形態では、機関運転が停止されたときに、ピン60を穴61内に挿入することによって、ハウジング41に対するロータ40の相対位置を所定の位置に固定する(以下、この状態を「中間止め状態」と称す)。これによれば、機関始動時には、吸気タイミングが最遅角タイミングよりも早いタイミングとなっている。そして、本実施形態では、機関始動中は、ピン60を穴61内に挿入したままとする。これによれば、機関始動中、吸気タイミングが最遅角タイミングよりも早いタイミングとなっている。したがって、本実施形態によれば、機関始動中、内燃機関の運転が良好なものとなる。そして、内燃機関が始動されてから所定時間が経過した後に、ピン60を穴61から抜く(以下、この状態を中間止め解除状態と称す)。これ以降は、上述したように、吸気タイミングが図5(A)および図5(B)に示したマップを用いて算出される目標吸気タイミングとなるように、流量制御機構31の駆動装置48への電力供給が制御される。
【0035】
ところで、上述したように、機関始動中においてロータ40が中間止め状態となっていれば、機関始動中における機関運転が良好なものとなっている。ところが、機関始動中にいずれか一方のロータ40が中間止め解除状態となってしまうと、吸気タイミングが比較的遅くなるので、中間止め解除状態となっているロータ40に対応する気筒群(以下、「中間止め解除側の気筒群」と称す)への吸気量は、中間止め状態となっているロータ40に対応する気筒群(以下、「中間止め側の気筒群」と称す)への吸気量よりも相対的に少なくなってしまう。ところが、本実施形態では、1つのエアフローメータ24の出力に基づいて各気筒群への吸気量が算出されるので、各気筒群への吸気量は等しいものとして算出されてしまう。したがって、こうして算出される吸気量に基づいて空燃比が理論空燃比となるように目標燃料噴射量が決定されると、中間止め解除側の気筒群では空燃比が理論空燃比よりもリッチとなり、中間止め側の気筒群では空燃比が理論空燃比よりもリーンとなってしまう。すなわち、両気筒群間に空燃比バラツキが生じ、したがって、両気筒群間で燃焼バラツキが生じてしまう。しかも、各気筒群において空燃比が理論空燃比からずれることによって、各気筒群からの排気エミッションが悪化してしまうという問題もある。
【0036】
そこで、本実施形態では、機関始動中において、いずれか一方のロータ40が中間止め解除状態となってしまっているときには、上述したように吸気量に基づいて空燃比が理論空燃比となるように決定された目標燃料噴射量を各気筒群毎に補正することによって、両気筒群間で燃焼にバラツキが生じることを抑制する。詳細には、始めに、いずれか一方のロータ40が中間止め解除状態となってしまっているか否かが判定される。そして、いずれか一方のロータ40が中間止め解除状態となっていると判定されたときは、中間止め解除側の気筒群への吸気量(これは、予定していた量よりも少ない量)を推定し、この推定された吸気量に基づいて空燃比が理論空燃比となるように、当該気筒群に対する上記目標燃料噴射量が減量せしめられる(この場合、目標燃料噴射量を予め定められた量だけ減量せしめるようにしてもよし、予め定められた割合だけ減量せしめるようにしてもよい)。これによれば、中間止め解除側の気筒群における空燃比が理論空燃比に近づくこととなる。さらに、このとき、中間止め側の気筒群への吸気量(これは、予定していた量よりも多い量)を推定し、当該気筒群に対する上記目標燃料噴射量が増量せしめられる(この場合、目標燃料噴射量を予め定められた量だけ増量せしめてもよいし、予め定められた割合だけ増量せしめてもよい)。これによれば、中間止め側の気筒群における空燃比が理論空燃比に近づくこととなる。こうして、本実施形態によれば、両気筒群間の空燃比バラツキが抑制されるので、機関運転が良好なものとなる。
【0037】
ところで、点火栓4によって燃料に点火するタイミング(以下、「目標点火タイミング」と称す)は、燃料が燃焼室3内にて最も効率よく燃焼するタイミングに設定される。本実施形態では、目標点火タイミングTTigを機関回転数Nと機関要求負荷Lとの関数でもって図6に示されているようなマップの形で予め制御回路のROM(図示せず)に記憶しておく。そして、機関運転中、このマップから機関回転数Nと機関要求負荷Lとに基づいて目標点火タイミングTTigが読み込まれる。そして、この目標点火タイミングTTigでもって燃料が点火されるように点火栓4の作動が制御される。なお、目標点火タイミングTTigは、概ね、吸気量が多くなるほど早いタイミングである。
【0038】
ところで、上述したように、機関始動中は、両ロータ(両気筒群に対応する2つのロータ)40が中間止め状態とされている。そして、上述したように、目標点火タイミングTTigは、両ロータ40が中間止め状態となっていることを前提として機関回転数Nと機関要求負荷Lとに基づいて図6のマップから決定される。したがって、基本的に、両気筒群における目標点火タイミングは同じである。ところが、いずれかの一方のロータ40が中間止め解除状態となっているにも係わらず、両気筒群における目標点火タイミングTTigが同じであると、両気筒群間に燃焼バラツキが生じてしまう。
【0039】
そこで、第2実施形態では、機関始動中において、いずれか一方のロータ40が中間止め解除状態となってしまっているときには、上述したように図6のマップから決定される目標点火タイミングを各気筒群毎に補正することによって、両気筒群間で燃焼バラツキが生じることが抑制される。詳細には、始めに、いずれか一方のロータ40が中間止め解除状態となってしまっているか否かが判定される。そして、いずれか一方のロータ40が中間止め解除状態となっていると判定されたときには、各気筒群に対して設定された目標点火タイミングを各気筒群毎に補正する。この場合、概ね、吸気量が多くなるほど目標点火タイミングを早めたほうが好ましいと言えるので、中間止め解除側の気筒群(すなわち、相対的に吸気量が少なくなっている気筒群)における目標点火タイミングが遅くされ、一方、中間止め側の気筒群(すなわち、相対的に吸気量が多くなっている気筒群)における目標点火タイミングが早められる。
【0040】
ところで、点火タイミングを遅くすると、各気筒から排出される排気ガスの温度が高くなることが分かっている。ここで、上述したように、三元触媒20はその温度(以下、「触媒温度」と称す)がいわゆる活性温度以上となっていると、CO、HC、および、NOxを高い浄化率で同時に浄化する。したがって、三元触媒20の浄化率を高く維持するためには、触媒温度をその活性温度以上に維持しておくことが必要とされる。そこで、上述した実施形態では、触媒温度を監視し、触媒温度がその活性温度よりも低いときには、図6のマップに基づいて設定される目標点火タイミングを予め定められたタイミングだけ遅くする。これによれば、触媒温度は活性温度以上に維持されるので、三元触媒20の浄化率が高い値に維持されることとなる。
【0041】
ところで、機関始動中は、各気筒から排出される排気ガスの温度が低いので、触媒温度も活性温度よりも低いことが多い。したがって、上述した実施形態によれば、機関始動中、触媒温度を活性温度以上に維持するために、目標点火タイミング(図6のマップに基づいて設定される点火タイミング)が予め定められたタイミングだけ遅角せしめられることになる。ここで、上述した実施形態では、機関始動中は、機関運転を良好ならしめるために、両ロータ40が中間止め状態とされている。したがって、機関始動中において触媒温度を活性温度以上に維持するために目標点火タイミングを遅角させる量は、両ロータ40が中間止め状態とされていることを前提として決定される。したがって、いずれか一方のロータ40が中間止め解除状態となっているときに、上述したように、目標点火タイミングを予め定められたタイミングだけ遅角させると、両気筒群間で燃焼にバラツキが生じてしまう。
【0042】
そこで、第3実施形態では、機関始動中において触媒温度を活性温度以上に維持するために目標点火タイミングを遅角する場合において、いずれか一方のロータ40が中間止め解除状態となってしまっているときには、中間止め解除側の気筒群においては、排気ガスの温度を上昇させるために目標点火タイミングを遅角する量(上記予め定められたタイミング)を少なくし、中間止め側の気筒群においては、上記遅角する量を多くする。これによれば、両気筒群間で燃焼にバラツキが生じてしまうことが抑制される。
【0043】
ところで、上述した実施形態では、各三元触媒20に流入する排気ガスの空燃比を理論空燃比よりも若干リーンとするために、各空気噴射弁25から空気が噴射される。ここで、機関始動中において各空気噴射弁25から噴射される空気の量は、両ロータ40が中間止め状態となっていることを前提として設定される。ところが、上述した実施形態では、機関始動中においていずれか一方のロータ40が中間止め解除状態となっているときには、中間止め解除側の気筒群における燃料噴射量が減量せしめられ、中間止め側の気筒群における燃料噴射量が増量せしめられる。したがって、機関始動中において両ロータ40が中間止め状態となっていることを前提として設定される量の空気を各空気噴射弁25から噴射させたとしても、各三元触媒20に流入する排気ガスの空燃比を理論空燃比よりも所望通りのリーンとすることができない。詳細には、中間止め側の気筒群への吸気量は相対的に多くなるので、上述したように設定される量の空気を空気噴射弁25から噴射させたとしても、当該気筒群に対応する三元触媒20に流入する排気ガスの空燃比は所定の空燃比よりも理論空燃比に近いリーンとなる。一方、中間止め解除状態の気筒群への吸気量は相対的に少なくなるので、当該気筒群に対応する三元触媒20に流入する排気ガスの空燃比は所定の空燃比よりも理論空燃比から遠いリーンとなる。したがって、この場合、排気ガス中のCO、HC、および、NOxを三元触媒20にて最も高い浄化率で浄化させることができない。
【0044】
そこで、第3実施形態では、機関始動中においていずれか一方のロータ40が中間止め解除状態となっているときには、上述したように各気筒群に対する目標燃料噴射量を補正すると共に、各気筒群に対応する空気噴射弁25からの空気の目標噴射量を補正する。詳細には、本実施形態では、中間止め解除側の気筒群に対応する空気噴射弁25からの目標空気噴射量が減量されると共に、中間止め側の気筒群に対応する空気噴射弁25からの目標空気噴射量が増量される。このときに目標空気噴射量に対する減量分および増量分は、各気筒群への吸気量の増量分および減量分に等しくされる。これによれば、各三元触媒20に流入する排気ガスの空燃比が所定のリーン空燃比に維持されるので、排気ガス中のCO、HC、および、NOxを各三元触媒20にて最も高い浄化率で浄化させることができる。
【0045】
ところで、機関始動中は、機関回転数および機関要求負荷ともに小さく、各気筒における燃焼が安定せず、失火が生じることがある。ここで、失火が生じると、機関回転数が比較的大きく変動することが分かっている。したがって、機関回転数を監視し、機関回転数が比較的大きく変動したことをもって、失火が生じていると判定することができる。そして、こうした失火の発生は、燃料噴射量や点火タイミングを制御すれば防ぐことができることも分かっている。そこで、上述した実施形態では、機関回転数を監視し、機関回転数が予め定められた判定値よりも大きく変動したときには、失火が生じていると判定し、失火の発生を抑制するべく燃料噴射量や点火タイミングが制御される。
【0046】
ところで、上述した実施形態では、機関始動中においていずれか一方のロータ40が中間止め解除状態になってしまったときには、中間止め解除側の気筒群への吸気量と中間止め側の気筒群への吸気量とが異なるが、両気筒群の空燃比が同じ空燃比(上述した実施形態では、理論空燃比)となるように燃料噴射量が補正される。この場合、両気筒群間で空燃比は同じになるので失火は発生しないものの、両気筒群間で吸気量および燃料噴射量は異なるので、機関回転数は比較的大きく変動してしまう。ここで、上述したように、機関回転数を上記予め定められた判定値と比較して失火の発生を判定していると、失火が発生していないにも係わらず、失火が発生していると判定されてしまう。
【0047】
そこで、第4実施形態では、機関始動中においていずれか一方のロータ40が中間止め解除状態となってしまったときには、失火の発生を判定するための上記予め定められた判定値を大きくする。これによれば、機関始動中においていずれか一方のロータ40が中間止め解除状態となったとしても、失火が発生していないにも係わらず失火が発生していると判定されてしまうことが抑制される。すなわち、本実施形態によれば、機関始動中においていずれか一方のロータ40が中間止め解除状態となってしまったときには、失火判定が制限あるいは禁止されることになる。
【0048】
ところで、上述した実施形態において、吸気弁6の開弁量(すなわち、吸気弁6の開弁時間(いわゆる作用角)と最大リフト量とによって決まる吸気弁6の開弁の程度)を変更するために、以下で説明するような開弁量変更機構を内燃機関が具備していてもよい。以下で説明する開弁量変更機構は、気筒群毎に1つずつ配置される。すなわち、一方の気筒群用に1つの開弁量変更機構が提供され、他方の気筒群用に別の1つの開弁量変更機構が提供される。以下、この開弁量変更機構について、図7〜図9を参照して説明する。図7は、開弁量変更機構の全体図である。また、図8は、開弁量変更機構を詳細に示した図である。また、図8は、図7で見た側とは反対側から開弁量変更機構を見たときの図である。
【0049】
開弁量変更機構は、図7に示したように、3つのカム27a、27b、27cと、これらカムに対応する3つのリフトアーム55a、55b、55cとを有する。カム27a、27b、27cはカムシャフト28に取り付けられており、リフトアーム55a,55b,55cはシャフト57に揺動可能に支持される。すなわち、リフトアームはそれぞれ対応するカムによりシャフト57周りで揺動せしめられる。各カムが吸気弁6をリフトさせる量(開弁量)はそれぞれ異なる。図8に示したように、中央のリフトアーム55aの端部に、1つの貫通孔67が形成される。残りの2つのリフトアーム55b、55cの端部には、それぞれ室68b、68cが形成される。各室68b、68c内にはそれぞれピン69b、69cが摺動可能に収容される。これらピンはスプリングバネ39b,39cによって室68b,68c内に引き込まれる方向へ付勢されている。さらに、各ピンには、電動アクチュエータ56b,56cに接続されている。
【0050】
いずれの電動アクチュエータ56b、56cも作動されておらず、したがって、いずれのピン69b,69cも貫通孔67内に挿入されていないときには、カム27aによって吸気弁6が開弁駆動せしめられる。一方、一方の電動アクチュエータ56bが作動せしめられ、一方のピン69bが貫通孔67内に挿入されているときには、カム27bによって吸気弁6が開弁駆動せしめられる。また、他方の電動アクチュエータ56cが作動せしめられ、他方のピン69cが貫通孔67内に挿入されているときには、カム27cによって吸気弁6が開弁駆動せしめられる。作動せしめられる電動アクチュエータを切り換えることによって、吸気弁6の開弁量が変更せしめられ、これにより、各気筒への吸気量を変えることができる。
【0051】
図9は、吸気弁6の開弁特性を示している。図9において、横軸は、クランク角度CAであり、縦軸はリフト量ALである。また、図9において、Exは排気弁8の開弁特性、Inは吸気弁6の開弁特性、TDCは排気上死点を示す。吸気弁6を開弁させるカムとして吸気弁6の開弁量(作用角およびリフト量)を最も大きくするカム27cが選択されたときには、吸気弁6の開弁特性は、図9(A)に示したようになる。この場合には、排気弁8が閉弁される直前から吸気弁6が開弁され始まる。したがって、排気行程と吸気行程とは一部において重なる。
【0052】
一方、吸気弁6を開弁させるカムとして吸気弁6の開弁量(作用角およびリフト量)を中程度とするカム27bが選択されたときには、吸気弁6の開弁特性は、図9(B)に示したようになる。この場合には、排気弁8が閉弁されると同時に吸気弁6が開弁され始まる。さらに、吸気弁6を開弁させるカムとして吸気弁6の開弁量(作用角およびリフト量)を最も小さくするカム27aが選択されたときには、吸気弁6の開弁特性は、図9(C)に示したようになる。この場合には、排気弁8が閉弁されてから一定の時間が経過したときに吸気弁6が開弁され始まる。
【0053】
ところで、上述したように、機関始動中にいずれか一方のロータ40が中間止め解除状態となっていると、各気筒群間で吸気量が異なる。一方、上述した開弁量変更機構によって吸気弁6の開弁量を変更することによって、各気筒群への吸気量を変えることができる。そこで、内燃機関が開弁量変更機構を各気筒群毎に具備する場合においては、機関始動中にいずれか一方のロータ40が中間止め解除状態となってしまったときには、中間止め解除側の気筒群への吸気量が多くなるように対応する開弁量変更機構によって吸気弁6の開弁量を大きくし、中間止め側の気筒群への吸気量が少なくなるように対応する開弁量変更機構によって吸気弁6の開弁量を小さくする。これによれば、各気筒群間の吸気量が等しくなるので、目標燃料噴射量を通常通りに設定される量としたままであっても、各気筒群間の空燃比は等しく理論空燃比となる。したがって、気筒群間で燃焼にバラツキが生じることが抑制される。
【0054】
なお、上述した開弁量変更機構では、電動アクチュエータによって開弁量が変更せしめられる。電動アクチュエータは、油圧式に開弁量が変更せしめられるシステムに比べて応答性がよい。特に、油圧式に開弁量が変更せしめられるシステムでは、機関始動中は油温が低いので油圧が低いので、機関始動中におけるこのシステムの応答性は低い。しかしながら、電動アクチュエータは機関始動中であっても応答性は高い。したがって、電動アクチュエータを採用した開弁量変更機構に対する目標開弁量を変更することによって各気筒群への吸気量を変更するようにすると、各気筒群への吸気量が即座に所望の吸気量とされることになる。
【0055】
なお、ロータ40が中間止め解除状態にあるか否かは以下のようにして判定される。すなわち、上述した実施形態において、各気筒群のカム27の所定箇所に突起を設け、カム位相センサ30が該突起を検出したときに信号を出力するようにしておく。さらに、ロータ40が中間止め状態となっているときに上記突起に対応してカム位相センサ30から信号が出力されるべきクランク角度(あるいは、それよりも遅いクランク角度であって、以下、「判定クランク角度」と称す)を予め記憶しておく。そして、上記突起に対応してカム位相センサ30から出力される信号が上記判定クランク角度よりも遅いクランク角度でもって出力された場合には、ロータ40が中間止め解除状態にあると判定する。すなわち、図10(A)に示されているように、上記突起に対応してカム位相センサ30から出力される信号Scamが、判定クランク角度CAthよりも早いタイミングで出力されているときは、ロータ40が中間止め状態にあると判定する。一方、図10(B)に示されているように、上記信号Scamが判定クランク角度CAthよりも遅いタイミングで出力されているときには、ロータ40が中間止め解除状態にあると判定する。これによれば、ロータ40が中間止め解除状態にあるか否かを判定するために新たにセンサを設ける必要がなくなる。
【0056】
あるいは、上述した実施形態において、各気筒群のカム27の所定箇所に突起を設け、カム位相センサ30が該突起を検出したときに信号を出力するようにしておく。さらに、ロータ40が中間止め状態となっているときに上記突起に対応してカム位相センサ30から信号が出力されるべきクランク角度(あるいは、それよりも遅いクランク角度であって、以下、「判定クランク角度」と称す)に相当するクランク角度において、クランク位相センサ14から信号が出力されないようにしておく。そして、上記突起に対応してカム位相センサ30から出力される信号が上記判定クランク角度よりも遅いクランク角度でもって出力された場合には、ロータ40が中間止め解除状態にあると判定する。すなわち、図11(A)に示されているように、上記突起に対応してカム位相センサ30から出力される信号Scamが、クランク位相センサ14から信号が出力されないクランク角度(すなわち、判定クランク角度)CAthよりも早いタイミングで出力されているときには、ロータ40が中間止め状態にあると判定する。一方、図11(B)に示されているように、上記信号Scamが判定クランク角度CAthよりも遅いタイミングで出力されているときには、ロータ40が中間止め解除状態にあると判定する。これによれば、ロータ40が中間止め解除状態にあるか否かを判定するために新たにセンサを設ける必要がなくなる。なお、図11(A)および図11(B)において、上図がカム位相センサ30の出力信号を示し、下図がクランク位相センサ14の出力信号を示す。
【0057】
図12は、本発明に従って中間止め解除判定を行うフローチャートの一例を示している。図12のルーチンでは、始めに、ステップ10において、内燃機関が始動されてから経過した時間Tsが予め定められた時間Tsthよりも短い(Ts<Tsth)か否かが判別される。すなわち、ステップ10では、機関始動中であるか否かが判別される。ステップ10において、Ts≧Tsthであると判別されたときには、ルーチンは終了する。一方、ステップ10において、Ts<Tsthであると判別されたときには、ルーチンはステップ11に進む。
【0058】
ステップ11では、上記カムの所定箇所に設けられた突起をカム位相センサ30が検出したときに該カム位相センサ30が信号を出力したときのクランク角CAcamが、上述した判定クランク角度CAthよりも遅い(CAcam>CAth)か否かが判別される。ステップ11において、CAcam>CAthであると判別されたときには、ルーチンはステップ12に進んで、ロータ40が中間止め解除状態にある旨を内燃機関の制御装置に出力する。一方、ステップ11において、CAcam≦CAthであると判別されたときには、ルーチンはステップ13に進んで、ロータ40は中間止め状態にある旨を内燃機関の制御装置に出力する。
【0059】
図13は、本発明に従って目標値(目標燃料噴射量、目標点火タイミング、および、目標触媒暖機遅角量)ならびに失火判定値を補正するフローチャートの一例を示している。図13のルーチンでは、始めに、ステップ20において、内燃機関が始動されてから経過した時間Tsが予め定められた時間Tsthよりも短い(Ts<Tsth)か否かが判別される。すなわち、ステップ20では、機関始動中であるか否かが判別される。ステップ20において、Ts≧Tsthであると判別されたときには、ルーチンは終了する。一方、ステップ20において、Ts<Tsthであると判別されたときには、ルーチンはステップ21に進む。
【0060】
ステップ21では、中間止め解除判定フラグF1がセットされている(F1=1)か否かが判別される。中間止め解除判定フラグF1は、いずれか一方のロータ40が中間止め解除状態となっているときにセットされ、両ロータ40が中間止め状態または中間止め解除状態となっているときにリセットされるフラグである。ステップ21において、F1=0である(すなわち、フラグF1がリセットされている)と判別されたときには、ルーチンは終了する。一方、ステップ21において、F1=1であると判別されたときには、ルーチンはステップ22に進む。
【0061】
ステップ22では、吸気量に基づいて空燃比が理論空燃比となるように設定された目標燃料噴射量が補正される。具体的には、各気筒群へ吸入される空気の量を推定し、この推定された吸気量に基づいて各気筒群における空燃比が理論空燃比となるように、中間止め解除側の気筒群における目標燃料噴射量が減量せしめられ、中間止め側の気筒群における目標燃料噴射量が増量せしめられる。
【0062】
次いで、ステップ23では、中間止め解除側の気筒群と中間止め側の気筒群とにおいて、目標点火タイミングが補正される。この場合、適切な補正としては、運転状態に応じて様々な補正が考えられるので、ステップ24において目標点火タイミングをどのように補正すべきかを明示することはできない。しかしながら、吸気量が多くなるほど目標点火タイミングを早めたほうが好ましいと言えるので、中間止め解除側の気筒群における目標点火タイミングが遅くされ、中間止め側の気筒群における目標点火タイミングが早められるように、目標点火タイミングが補正されることが好ましい。
【0063】
次いで、ステップ24において、触媒暖機フラグF2がセットされている(F2=1)か否かが判別される。触媒暖機フラグF2は、触媒温度(三元触媒20の温度)を活性温度にまで上昇させるための点火タイミングの遅角が行われているときにセットされ、この点火タイミングの遅角が行われていないときにリセットされるフラグである。ステップ24において、F2=0である(すなわち、触媒温度を活性温度にまで上昇させるための点火タイミングの遅角が行われていない)と判別されたときには、ルーチンはステップ26に進む。一方、ステップ24において、F2=1であると判別されたときには、ルーチンはステップ25に進む。
【0064】
次いで、ステップ25では、目標触媒暖機遅角量(すなわち、触媒温度を活性温度にまで上昇(暖機)させるために点火タイミングを遅角する量)が補正される。具体的には、中間止め解除側の気筒群においては、目標触媒暖機遅角量が少なくされ、中間止め側の気筒群においては、目標触媒暖機遅角量が多くされる。
【0065】
次いで、ステップ26では、エアインジェクションフラグF3がセット(F3=1)か否かが判別される。エアインジェクションフラグF3は、三元触媒20に流入する排気ガスの空燃比を理論空燃比よりも若干リーンとするために各空気噴射弁25から空気が噴射されているときにセットされ、各空気噴射弁25から空気が噴射されていないときにリセットされるフラグである。ステップ26において、F3=0である(すなわち、各空気噴射弁25から空気が噴射されていない)と判別されたときには、ルーチンはステップ28に進む。一方、ステップ26において、F3=1であると判別されたときには、ルーチンはステップ27に進んで、目標空気噴射量が補正される。具体的には、中間止め解除側の気筒群に対応する空気噴射弁25からの目標空気噴射量が減量され、中間止め側の気筒群に対応する空気噴射弁25からの目標空気噴射量が増量される。
【0066】
次いで、ステップ28では、気筒内において失火が発生していることを判定するために用いられる機関回転数に関する失火判定値(上述では、予め定められた判定値)が補正され、大きくされる。
【0067】
図14は、本発明に従って開弁量変更機構に対する目標開弁量を補正するフローチャートの一例を示している。図14のルーチンでは、始めに、ステップ30において、内燃機関が始動されてから経過した時間Tsが予め定められた時間Tsthよりも短い(Ts<Tsth)か否かが判別される。すなわち、ステップ30では、機関始動中であるか否かが判別される。ステップ30において、Ts≧Tsthであると判別されたときには、ルーチンは終了する。一方、ステップ30において、Ts<Tsthであると判別されたときには、ルーチンはステップ31に進む。
【0068】
ステップ31では、中間止め解除判定フラグF1がセットされている(F1=1)か否かが判別される。中間止め解除判定フラグF1は、いずれか一方のロータ40が中間止め解除状態となっているときにセットされ、両ロータ40が中間止め状態または中間止め解除状態となっているときにリセットされるフラグである。ステップ31において、F1=0である(すなわち、フラグF1がリセットされている)と判別されたときには、ルーチンは終了する。一方、ステップ31において、F1=1であると判別されたときには、ルーチンはステップ32に進む。
【0069】
ステップ32では、各開弁量変更機構に対する目標開弁量が補正される。具体的には、中間止め解除側の気筒群への吸気量が多くなるように対応する開弁量変更機構に対する目標開弁量が大きくされ、中間止め側の気筒群への吸気量が少なくなるように対応する開弁量変更機構に対する目標開弁量が小さくされる。
【0070】
なお、上述した実施形態では、内燃機関は複数の気筒からなる2つの気筒群それぞれに開閉弁タイミング変更機構を備えているが、本発明は、複数の気筒からなる3つ以上の気筒群毎に開閉弁タイミング変更機構を備える内燃機関にも適用可能であるし、2つの気筒それぞれに開閉弁タイミング変更機構を備える内燃機関にも適用可能である。
【0071】
また、上述した実施形態では、いずれか一方の開閉弁タイミング固定機構による吸気弁の開閉弁タイミングの固定がなされていないときに両開閉弁タイミング変更機構に対応する内燃機関の構成要素(すなわち、燃料噴射弁、点火栓、空気噴射弁、リフト量変更機構)の作動に関する制御パラメータを補正しているが、このときに、いずれか一方の開閉弁タイミング変更機構に対応する上記構成要素の作動に関する制御パラメータのみを補正するようにしてもよい。
【0072】
また、上述した実施形態では、両開閉弁タイミング固定機構による吸気弁の開閉弁タイミングの固定をなすべきであるにも係わらずいずれか一方の開閉弁タイミング固定機構による吸気弁の開閉弁タイミングの固定がなされていないときに、両開閉弁タイミング変更機構に対応する内燃機関の構成要素(すなわち、燃料噴射弁、点火栓、空気噴射弁、リフト量変更機構)の作動に関する制御パラメータを補正しているが、両開閉弁タイミング固定機構による吸気弁の開閉弁タイミングの固定をなすべきではないにも係わらずいずれか一方の開閉弁タイミング固定機構による吸気弁の開閉弁タイミングの固定がなされているときに、両開閉弁タイミング変更機構に対応する内燃機関の構成要素の作動に関する制御パラメータを補正するようにしてもよい。
【0073】
また、上述した実施形態では、いずれか一方の開閉弁タイミング固定機構による吸気弁の開閉弁タイミングの固定がなされていないときに燃料噴射弁、点火栓、空気噴射弁、リフト量変更機構といった内燃機関の構成要素の1つの作動に関する制御パラメータを補正しているが、1つ以上の構成要素の作動に関する制御パラメータを補正するようにしてもよい。
【0074】
また、上述した実施形態では、作動に関する制御パラメータに対する補正がなされる内燃機関の構成要素として、燃料噴射弁、点火栓、空気噴射弁、リフト量変更機構を例に挙げているが、本発明において作動に関する制御パラメータに対する補正がなされうる内燃機関の構成要素としては、これら以外の構成要素も挙げることができる。こうした観点から本発明において作動に関する制御パラメータに対する補正がなされる内燃機関の構成要素を定義すれば、該構成要素は、各開閉弁タイミング変更機構に対応する吸気弁の開閉弁タイミングが互いに異なっている状態では作動が当初予定されていた作動状態にならないような構成要素、あるいは、各開閉弁タイミング変更機構に対応する吸気弁の開閉弁タイミングが互いに異なっている状態では作動自体は当初予定されていた作動状態になるとしても該作動から生じる結果が当初予定されていたものとはならないような構成要素であると言える。
【0075】
こうしたことから、一般的に表現すれば、本発明は、一方の開閉弁タイミング固定機構による吸気弁の開閉弁タイミングの固定がなされており且つもう一方の開閉弁タイミング固定機構による吸気弁の開閉弁タイミングの固定がなされていないときに内燃機関の制御装置によって制御されるべき内燃機関の構成要素の作動状態が予め定められた作動状態(この時点で最も好ましいと考えられる作動状態、あるいは、この時点でより好ましいと考えられる作動状態、あるいは、当初予定していた作動状態)となるように少なくとも一方の開閉弁タイミング固定機構に対応する上記構成要素の作動に関する制御パラメータを補正するものと言える。
【0076】
【発明の効果】
通常、内燃機関の制御装置によって制御されるべき内燃機関の構成要素の作動に関する制御パラメータは、吸気弁の開弁タイミングおよび閉弁タイミングの固定状態が両開閉弁タイミング固定機構において同じであることを前提として決定される。したがって、一方の開閉弁タイミング変更機構による吸気弁の開弁タイミングおよび閉弁タイミングの固定がなされているがもう一方の開閉弁タイミング変更機構による吸気弁の開弁タイミングおよび閉弁タイミングの固定がなされていないときには、上記構成要素の作動状態が所望の作動状態とはならないことになる。ここで、本発明によれば、上記構成要素の作動状態が予め定められた作動状態(例えば、現状において最も好ましいと考えられる作動状態)となるように少なくとも一方の開閉弁タイミング固定機構に対応する上記構成要素の作動に関する制御パラメータが補正される。これによれば、確実に、上記構成要素が所望通りに作動せしめられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される内燃機関の全体図である。
【図2】目標スロットル開度TDを決定するために用いられるマップを示す図である。
【図3】三元触媒の排気浄化特性を示す図である。
【図4】開閉弁タイミング変更機構および流量制御機構を示す図である。
【図5】(A)は吸気弁の目標開閉弁タイミングを決定するために用いられるマップを示す図であり、(B)は排気弁の目標開閉弁タイミングを決定するために用いられるマップを示す図である。
【図6】目標点火タイミングTTigを決定するために用いられるマップを示す図である。
【図7】開弁量変更機構の全体図である。
【図8】開弁量変更機構の一部を詳細に示す図である。
【図9】開弁量変更機構による吸気弁の作用角の変更を説明するための図である。
【図10】ロータが中間止め解除状態にあるか否かの判定方法を説明するための図であり、(A)はロータが中間止め状態にあるときを示し、(B)はロータが中間止め解除状態にあるときを示す。
【図11】ロータが中間止め解除状態にあるか否かの判定方法を説明するための図であり、(A)はロータが中間止め状態にあるときを示し、(B)はロータが中間止め解除状態にあるときを示す。
【図12】本発明に従って中間止め解除判定を行う制御のフローチャートの一例を示す図である。
【図13】本発明に従って目標値(目標燃料噴射量、目標点火タイミング、目標触媒暖機遅角量、および、目標空気噴射量)、ならびに、失火判定値を補正する制御のフローチャートの一例を示す図である。
【図14】本発明に従って目標開弁量を補正する制御のフローチャートの一例を示す図である。
【符号の説明】
3…燃焼室
4…点火栓
6…吸気弁
8…排気弁
16…吸気枝管
18…排気枝管
20…三元触媒
21…スロットル弁
22…燃料噴射弁
25…空気噴射弁
29…開閉弁タイミング変更機構
31…流量制御機構
Claims (8)
- 吸気弁の開弁タイミングおよび閉弁タイミングの少なくとも一方を変更するための油圧式の開閉弁タイミング変更機構を少なくとも2つ具備すると共に、吸気弁の開弁タイミングおよび閉弁タイミングを予め定められたタイミングに固定しておくための開閉弁タイミング固定機構を各開閉弁タイミング変更機構に対応して具備する内燃機関の制御装置において、機関始動中であって上記開閉弁タイミング固定機構のうちいずれか一方による吸気弁の開弁タイミングおよび閉弁タイミングの固定がなされていないときに当該内燃機関の制御装置によって制御されるべき上記開閉弁タイミング変更機構以外の内燃機関の構成要素の作動状態が予め定められた作動状態となるように少なくとも一方の開閉弁タイミング固定機構に対応する上記構成要素の作動に関する制御パラメータを補正する手段を具備することを特徴とする制御装置。
- 内燃機関が燃焼室に燃料を供給する燃料噴射弁を各開閉弁タイミング変更機構に対応して具備し、上記構成要素が該燃料噴射弁であることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
- 内燃機関が燃焼室内の燃料に点火する点火栓を各開閉弁タイミング変更機構に対応して具備し、上記構成要素が該点火栓であることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
- 一方の上記開閉弁タイミング固定機構による吸気弁の開弁タイミングおよび閉弁タイミングの固定がなされていないときには、該一方の開閉弁タイミング固定機構が設けられた気筒の吸気量と、他方の開閉弁タイミング固定機構が設けられた気筒の吸気量とが異なるようになっており、上記制御パラメータを補正する手段が、吸気量が多い方の気筒の目標点火タイミングを吸気量が少ない方の気筒の目標点火タイミングよりも進角させることを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
- 内燃機関が排気ガスを浄化するために排気通路内に配置された排気浄化触媒を各開閉弁タイミング変更機構に対応して具備すると共に、各排気浄化触媒に空気を供給する空気噴射弁を具備し、上記構成要素が該空気噴射弁であることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
- 内燃機関が吸気弁の開弁量を変更する開弁量変更機構を各開閉弁タイミング変更機構に対応して具備し、上記構成要素が該開弁量変更機構であることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
- 内燃機関が燃焼室内で失火が生じているか否かを判定する失火判定手段と、一方の開閉弁タイミング固定機構による吸気弁の開弁タイミングおよび閉弁タイミングの固定がなされており且つもう一方の開閉弁タイミング固定機構による吸気弁の開弁タイミングおよび閉弁タイミングの固定がなされていないときに上記失火判定手段による失火判定を制限あるいは禁止する手段とを具備することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の制御装置。
- 内燃機関が吸気弁の開弁タイミングまたは閉弁タイミングを検出するための開閉弁タイミング検出手段を各開閉弁タイミング変更機構に対応して具備すると共に、該開閉弁タイミング検出手段により検出される開弁タイミングまたは閉弁タイミングと上記開閉弁タイミング固定機構によって開弁タイミングまたは閉弁タイミングが固定されたときに該開弁タイミングまたは閉弁タイミングがとるべき開弁タイミングまたは閉弁タイミングとを比較することによって開閉弁タイミング固定機構による吸気弁の開弁タイミングおよび閉弁タイミングの固定がなされているか否かを判定する手段を具備することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の制御装置。
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