JP4228381B2 - アルカリ蓄電池およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動工具や、ハイブリッド電気自動車(HEV)電源用等の大電流での充放電を必要とする用途に適した円筒形アルカリ蓄電池に関するものであって、電気的特性に優れかつ生産性の高い電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば水素吸蔵合金を主材とした負極を用いた密閉形アルカリ蓄電池は、優れた充放電特性を有すること、および環境保護にも適合している等の点から、用途が拡大しつつある。中でも、電動工具やハイブリッド方式の電気自動車(HEV)用電源等の大電流充放電用電源としての用途が有望である。
【0003】
従来からアルカリ蓄電池は、高率での充放電特性に優れるため、前記の大電流放電を必要とする用途における主流電池である。大電流放電を要する用途に使用される電池は、捲回式または積層式極群を採用し電極の作用面積を大きくして電流密度を下げたり、集電端子と極板の基板端部をインダイレクト溶接により溶着(タブレス方式)させて集電効果を高めることによって高率で充電、放電した時の特性向上を図っている。
【0004】
従来のタブレス方式に於いては、溶接用電極チップの先端が円形であり、溶接箇所の形状も略円形であった。溶接箇所の形状が円形の場合直径の上限は3〜5mmφである。直径がこれ以上に大きくなると溶接電流の分布が不均一になり溶接不良を起こす虞が生じる。
【0005】
渦巻き式の極群を備えた電池でタブレス方式による集電の場合、極板と集電端子の間に偏りの無い電気的導通を得ようとすれば、極板の基板端部と集電端子の溶接箇所が極群の捲回端面の内周側から外周側に亘って万偏無く配置されなければならない。
【0006】
前記のように小さな円形の溶接箇所で極群の捲回端面をカバーしようとすると多数回の溶接が必要である。電池のサイズが大きく(太く)なるに従い極群の捲回端面の大きさが増すので多くの溶接回数が必要である。単一形(Dサイズ)の円筒形電池の場合、必要とする前記溶接回数は約20回である。このように従来方法は生産能率の悪い方法であった。
【0007】
また、溶接を順次実施していく段階で溶接点同士が近傍にある場合、先に形成された溶接箇所の電気抵抗が低く、電流が該溶接箇所に集中して流れるため無効電流が大きくなり、溶接出来ないという欠点がある。従って溶接箇所の数を十分にとれず、極板と集電端子間の電気的導通が必ずしも十分でない欠点があった。
【0008】
特開昭61−32353公報には、渦巻き状極群を有するアルカリ蓄電池において集電体の下面に放射状の突部を設け、該突部と極板端部を溶接することにより極群と集電端子の溶接強度を高めることが提案されている。また特開平11−31497公報には集電端子の中央付近から外周縁部に至る切り欠き部複数個を放射状に設け、該切り欠き部の縁部に下向きのリブ状突起を設け、該リブ状突起が極板端部と交差して溶接されている構造が提案されている。
【0009】
前記提案によれば、無効電流が抑えられ強固な溶接が得られる点に於いて優れている。またリブ状突起が放射状に配置されているので溶接箇所が極群の捲回端面の内周側から外周側まで配置できる点で優れている。しかし多数回の溶接を必要とする点、および近接する箇所の溶接が困難な点では従来法の欠点を改良するものではなかった。
【0010】
捲回式極群の前記極板の基板端部と集電端子の溶接において、少ない溶接回数で両者の間に良好な電気的導通を確保しようとすれば、溶接箇所が点や線ではなく、多数の点や先が集合して面状を呈している方が有利である。さらに該面状の溶接箇所が円形の極群の捲回端面に対して放射に伸びていることが望ましい。しかも1回の溶接で該面状の溶接箇所が形成されることが望ましい。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような課題を解決するために、極板の基板端部と集電端子の溶接箇所の改良をすることによって両者の電気的導通に優れ大電流充放電に適したアルカリ蓄電池を提供するものである。また、溶接機の電極チップの先端端面の形状を改良しることによって、極板の基板端部と集電端子を少ない回数での溶接を可能にし、生産能率の高いアルカリ蓄電池を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一は前記の課題を解決するため、捲回式極群の相対向する捲回端面の一方の端面に正極板または負極板の基板端部を突出させ、前記基板端部に集電端子を複数の箇所で溶接して成るアルカリ蓄電池において、前記複数の箇所の中2個の溶接箇所が対を成して配置されており、前記2個の溶接箇所に挟まれた複数の基板端部の中、最長端部と最短端部の長さの比が1.0〜1.5であり、前記2個の溶接箇所の外周側の間隔は、内周側の間隔と比べて大きいことを特徴とするアルカリ蓄電池である。
【0013】
本発明の第2は、捲回式極群の相対向する捲回端面の一方の端面に正極板または負極板の基板端部を突出させ、前記基板端部に、内周側から外周側に向かってスリットを設けた集電端子を複数の箇所で溶接して成るアルカリ蓄電池に於いて、前記複数の箇所の中2個の溶接箇所が前記スリットを挟んで配置されており、前記スリットの相対向する2個のエッジ部分に挟まれた複数の基板端部の中、最長端部と最短端部の長さの比が1.0〜1.5であって、前記2個のエッジ部分の外周側の間隔は内周側の間隔と比べて大きいことを特徴とするアルカリ蓄電池である。
【0014】
本発明では、溶接箇所は略長方形状であり、外形寸法が前記溶接箇所の外形寸法に略等しい先端端面を有する溶接機の電極チップを用いて溶接することにより形成されたものであることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明は主として捲回式極群を備えたアルカリ蓄電池に適用される。図1は本発明に係るアルカリ蓄電池の断面図である。帯状の正極板2、帯状の負極板3および帯状のセパレータから成る積層体が捲回された捲回式極群を有する。
【0016】
極群の対向する捲回端面の中一方の端面には前記正極板の基板端部5が突出し、他方の端面には負極板の基板端部6が突出している。前記突出した正極板基板端部5に正極集電端子1をシリーズ・スポット溶接により溶接する。他方の端面に突出した負極板の基板端部6には負極集電端子8を正極集電端子同様シリーズ・スポット溶接により溶接する。極板の基板は厚さが約0.03〜0.1mmのニッケル当の金属製シートである。集電端子の前記突出部5および6の幅は約0.5から3mmである。
【0017】
極群は電槽11内に収納し、電槽11の開口部を蓋10によって気密に密閉する。正極集電端子1と正極端子を兼ねる蓋10をリード板7によって接続する。また負極集電端子8を、負極端子を兼ねる電槽11の内底面に溶接する。
【0018】
アルカリ蓄電池の場合、極板の基板および集電端子の材質はニッケルもしくはニッケルメッキを施した鉄製である。シリーズ・スポット溶接により集電端子を極板の基板端部に溶接する方式に於いては、集電端子の厚さは0.2〜0.5mmに設定するのが望ましい。集電端子の厚さが0.2mmより小さいと集電機能および機械的強度が不足する虞があり、また0.5mmより大きいと極板の基板端部に溶接する時の無効電流が大きくなり溶接不良発生の虞がある。
【0019】
捲回式極群には捲回端面が円形のものと略楕円形の扁平形があり、本発明はいずれにも適用されるが、ここでは説明を簡略にするため捲回端面が円形の極群を有する電池を例に採って説明する。また本発明は大電流放電が可能な主として大きいサイズ電池を対象としているので以下サイズの大きい単一形(Dサイズ)の円筒形電池を例にとって記述する。
【0020】
本発明電池の溶接箇所は略長方形であり、2個の溶接箇所が対を成して配置されている。溶接箇所は捲回端面に放射状に配置され、各溶接箇所の長辺は極板の基板端部と交差している。
【0021】
図2は本発明に係るアルカリ蓄電池の正極集電端子の斜視図である。Dサイズの円筒形電池用を例に採れば、該集電端子は厚さが0.3mmのニッケルメッキを施した鋼板であり、外径が29.5mm、中心の開口径が4.0mmである。
【0022】
図3は正極板の基板端部に溶接した正極集電端子の溶接箇所を説明するための図である。図で斜線を施した部分が溶接箇所を示している。各溶接箇所は長辺が11mm、短辺が2mmの長方形である。該溶接箇所は集電端子の面に線状の正極板の基板端部が溶接され、該線状の溶接部が複数連なって長方形を呈している。
【0023】
図3のように2個の溶接箇所が、その長辺が相対するように対を成して配置される。後述の如く、本発明においては前記長方形の溶接箇所は先端面の形状サイズが略同一の溶接用電極チップを当接して1回の溶接で形成されることが望ましい。このような長方形の電極チップを当接してムラのない溶接を達成するには、溶接箇所の長辺方向に於いて、溶接電流の分布が均一になるようにする必要がある。
【0024】
前記溶接電流の分布は、主として図3に於ける1対の溶接箇所の相対する辺a1b1とa2b2に挟まれる基板端部群の電気抵抗分布によって決まる。該電気抵抗はまた、前記基板端部群の長さの分布によって決まる。従って前記基板端部群を構成する個々の基板板端部の長さが全て等しいことが理想である。しかし実際には個々の基板端部の曲率半径が異なっているので理想通りに設定することは難しく作業性が悪い。
【0025】
本発明に於いては、前記2辺に挟まれた基板端部群の最長端部と最短端部の長さの比を1.0〜1.5の間に設定することによって、ムラの無い溶接を達成し、かつ作業性良く溶接する。前記の如く、本発明の最も望ましい形状は、前記最長端部と最短端部の長さの比が等しいことである。図3に示した円筒形の捲回式極群の場合、前記2辺に挟まれた基板端部の長さは、辺に挟まれた円弧に等しい。図のa1とa2およびb1とb2で挟まれた基板端部の長さは中心からの距離(矢印で示した)を半径とする円弧に等しい。内周側と外周側では円弧の曲率半径が異なるので、前記2辺が並行であっても2辺に挟まれる円弧の長さは異なる。前記2辺の間隔を調整(外周側の間隔を大きくする)して、外周側円弧と内周側円弧の長さの比を1に近づけることが出来る。
【0026】
本発明では、溶接用の電極チップの先端面形状サイズが溶接箇所の形状サイズと略等しい長方形である。1回の溶接でこのような長方形の溶接箇所を形成するためには、点溶接に比べて溶接電流を大きくしなければならない。
【0027】
先端面形状が長方形の電極チップを用いてシリーズスポット溶接する場合、電極間チップ間隔が小さいと、電極チップ間の集電端子が溶断する虞があることが判った。また、集電端子が溶断すると、極群に短絡が発生する虞のあることが判った。
【0028】
集電端子が溶断するのは、電極チップ間の間隔が小さいと集電端子内を流れる無効電流が大きくなり集電端子の発熱が大きくなるのと、電極チップ間の集電端子の熱容量が小さいためである。電極チップ間の集電端子が融点以上の温度に到達するために溶断すると推定された。
【0029】
図6は厚さ0.2mm集電端子を、5kA、6m sec.の溶接条件で基板端部に溶接した場合の集電端子の到達温度を見積もった結果を示すグラフである。該結果は、溶接箇所の間隔がおよそ2mmに満たない場合に、集電端子の温度が溶断温度以上になる虞があることを示している。集電端子の溶断を避けるには溶接箇所の間隔が小さい部分でも2mm以上が必要で、さらには3mm以上に設定することが望ましい。
【0030】
集電端子が溶断すると極群に短絡が発生するのは、溶断した部分がチリとなって極群の捲回端面上に飛散するためである。
【0031】
前記間隔を広げると電流の通路に当たる部分の電気抵抗が増大するため電流が低下して溶接不良の発生に繋がる。知見によれば間隔が約10mm以内であれば溶接不良発生の虞が小さく、6〜7mm以内であれば、溶接不良発生の虞が極めて小さいので更に望ましい。また捲回端面が円形の場合、間隔を広げると内周側の極板端部が溶接箇所からはずれ、交差する極板端部の数が減少するので好ましくない。Dサイズの場合間隔が約7mmを超えると極板端部が溶接箇所からはずれるたことによる影響が出るので好ましくない。
【0032】
以上の理由から、本発明では対を成す溶接箇所の間の間隔を2mm以上望ましくは3mm以上に設定することによって、無効電流による集電体の溶断を防ぐものである。また良好な集電機能を実現する上からは、前記間隔を7mm以下とすることが望ましい。また間隔が大きい部分と小さい部分が有ると、小さい部分に電流が集中する。その差が大きくて、大きい溶接電流が局所に流れた場合、電流集中部が過度に発熱し局部的な溶断が生じる虞がある。従って、間隔は後述の条件を満たしていなければならない。
【0033】
図4は本発明に係る集電端子の斜視図である。該集電端子は内周側から外周側に向かってスリット15を有している。図で斜線を施した箇所が基板端部との溶接箇所である。1対の略長方形状の溶接箇所を該スリットを挟んで長辺同士が向き合うように配置する。前記スリットは溶接時の無効電流を抑制するのに有効である。
【0034】
集電端子にスリットを設ける他、図4のようにスリットのエッジ部分に折り曲げ部分16を設けることが更に望ましい。該折り曲げ部分16の端面を極板の基板端部に当接させて溶接することにより、強固な溶接を達成できる。
【0035】
図5は図4に示した集電端子を真上から見た図である。前記図3の例で説明した如く、該スリットの2辺c1d1とc2d2に挟まれた円弧状の基板端部群の中、最長端部と最短端部の長さの比を1.0〜1.5の範囲に入れること、さらに望ましくは1.0に近づけることによって、溶接電流がスリットの長さ方向に於いて均一な分布を示すようになる。このことによって溶接ムラを無くすことができる。
【0036】
スリットの幅は後述の如く内周側の円弧と外周側の円弧が略等しく、約2mm以上、さらに望ましくは3mm以上に設定することが望ましい。このことにより溶接電流がほぼ均一に分布し良好な溶接が達成できる。
【0037】
本発明に係るアルカリ蓄電池の極板の基板端部と集電端子の溶接には先端の形状が長方形の電極チップが適用される。1対の溶接箇所は1回の溶接で形成される。前記溶接用の電極チップ先端の外形寸法は溶接箇所の形状寸法とほぼ等しい。該先端が長方形の電極チップの適用により、円形の電極チップと比較し、少ない溶接回数で良好な溶接が達成できる。
【0038】
前記の如く、従来の先端が円形の電極チップを適用すると、円の径が3〜5mmφを超えると溶接時の電流分布が不均一になり、溶接ムラを生じる可能性が高い。これに対して、本発明に係る先端面形状が長方形である電極チップを適用することにより、電流分布の均一化を図ることができる。しかし実際には長方形のチップの間隔を制御しなければ、全面に亘って均一に溶接電流が流れない。また1回の溶接で面状の溶接を実現するためには必然的に溶接電流を大きくしなければならず、電流分布が偏ると、電流が集中した箇所で、集電端子の溶断を起こす虞が高い。
【0039】
図4に示したようなスリットを設けた集電端子を用いても、集電端子のスリットの奥に回り込んだ無効電流による発熱によって集電端子が溶断する虞がある。従ってスリットを有する集電端子を適用する場合においては、図のc1とc2間の距離を2mm以上に設定する。
【0040】
【実施例】
以下、本発明の1実施例を図1および図3に基づいて説明する。なお、本発明の形状、寸法等は以下に示した例に限定されるものではない。
(実施例1)
厚さ0.1mm、極板基板端部の露出部が1.5mmを有する厚さ0.6mmの帯状の焼結式ニッケル正極板2と厚さ0.06mm、極板端部露出部1.5mmを有する厚さ0.4mmの帯状ペースト式水素吸蔵合金負極板3を正極板基板端部露出部が上側、負極板基板端部露出部が下側に来るように配置し、間にセパレータ4を介して円形の捲回式極群とした。極群の直径は30mm、高さは52mmである。
【0041】
正極集電端子1として前記図2に示した円板状で、厚さ4μmのニッケルメッキが施された鉄製で、直径が29.5mmφ、厚さが0.3mm、中心の開口の直径が4mmである。図3に示したように互いに直角を成すよう4対の溶接箇所14を配置した。1個の溶接箇所は長辺が11mm、短辺が2mmの長方形である。溶接装置の電極チップの先端形状およびサイズを溶接箇所のそれに合わせ、溶接の条件を8.5kA、6msec.として溶接を実施した。溶接1対の溶接箇所の配置は前記図3に於いて弧a1a2=弧b1b2=3mmとした。本試作電池を本発明電池Aとする。
【0042】
(実施例2)
弧a1a2=弧b1b2≒2mm,弧b1b2/弧a1a2≒1.0とした以外は実施例1と同一とした。本試作電池を本発明電池Bとする。
【0043】
(実施例3)
対を成す溶接箇所の外周側の間隔を大きくし、内周側の円弧が最短に外周側の円弧が最長に成るようにした。円弧の長さを2mm≒弧a1a2<弧b1b2≒3mm,最長円弧b1b2/最短円弧a1a2≒1.5とし、以外は実施例1と同一とした。本試作電池を本発明電池C。
【0044】
(実施例4)
実施例3と同様に溶接箇所の外周側の間隔を大きくした。円弧の長さを4.5mm≒弧a1a2>弧b1b2≒3mm,最長円弧b1b2/最短円弧a1a2≒1.5とした以外は実施例1と同一とした。本試作電池を本発明電池Dとする。
【0045】
(比較例1)
弧a1a2≒弧b1b2≒1mm,弧b1b2/弧a1a2≒1.0とした以外は実施例1と同一とした。本試作電池を比較例電池Eとする。
【0046】
(比較例2)
溶接箇所の外周側の間隔を大きくし、円弧の長さを2mm≒弧a1a2<弧b1b2≒3.5mm,最長円弧b1b2/最短円弧a1a2≒1.7とした以外は実施例1と同一とした。本試作電池を比較例電池Fとする。
【0047】
(比較例3)
溶接箇所の外周側の間隔を大きくし、円弧の長さを3mm≒弧a1a2<弧b1b2≒5mm,最長円弧b1b2/最短円弧a1a2≒1.7とした以外は実施例1と同一とした。本試作電池を比較例電池Gとする。
【0048】
前記試作電池について、極板の基板と集電端子間の溶接強度および電池の短絡発生の有無を調べた。表1に試作電池100個当たりの短絡電池の個数を示した。次いで短絡のない電池を対象に0.5It(A)(注:It(A)=C5(Ah)/1h、C5は5時間率での放電容量を表す)の電流で充放電を5サイクル実施し、放電後電池の内部抵抗を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
表1の結果に示した通り、比較例電池Eのように対を成す2つの溶接箇所の間隔が1mmと狭い場合、短絡の発生が多く認められる。この短絡は何れも溶接時に発生するチリによるものである。
【0051】
また表1に示した通り、比較例電池F、Gのようにa1a2とb1b2の距離の比が1.7と大きい場合には短絡の発生と同時に溶接箇所の剥離強度が小さい欠点が生じることが判る。また本発明電池に比べ。電池の内部抵抗が高い。このことは、溶接時の電流が距離の小さいb1b2側に偏るために起きる現象である。すなわち、b1b2側で集電端子を流れる無効電流が大きくなるため、局部的に集電端子の溶断が発生する。またa1a2側では溶接電流が小さいために、局部的な溶接不良が生じる。
【0052】
(実施例5)
図4に示したように、4箇所に放射状に配置したスリットを設けた。集電端子の外径は29.5mmである。該スリットのエッジ部分に下方に折れまがった折り曲部分を設け、折り曲げ部分の幅は1mmとした。スリットの内側の角をc1、c2、外側の角をd1、d2とする。円形の集電端子の中心からc1迄の半径を4.0mmとした。極群の捲回端面の中心と集電端子の中心を重ね、該折り曲げ部分の先端を極板の基板端部に当接させた。
【0053】
先端端面形状が、長辺が10mm、短辺が2mmである長方形の1対の電極チップを電極チップの対向する2辺が前記スリットのエッジに重なるようにスリットを挟んで両側に当接した。電極チップの内周側の端部位置と中心間の距離を4.5mmに設定した。通電電流値6.3kA、通電時間6m sec.の溶接条件にて溶接した。
【0054】
図4でスリットの2辺c1d1およびc2d2に挟まれた極板の基板端部の長さは、極群の中心から基板端部に至る距離を半径とする円弧の長さにほぼ等しい。
【0055】
図でc1とc2の距離を3mmとした。またスリットの2辺c1c2とd1d2に挟まれた円弧の中、溶接箇所の内周に位置する円弧(以下内側円弧と記す)の長さ≒溶接箇所の外周側に位置する円弧(以下外側円弧と記す)の長さ≒3.1mmとし電池を試作した。本電池を本発明電池Hとした。
【0056】
(実施例6)
c1とc2の距離を2mmとし、内側円弧の長さ≒外側円弧の長さ≒2.1mmとし、他を実施例5と同一の電池を試作した。本電池を本発明電池Iとした。
【0057】
(実施例7)
スリットの外周側の幅を大きくした。c1とc2の距離を3mmとし、内側円弧の長さ≒3.1、外側円弧の長さ≒4.6(外側円弧の長さ/内側円弧の長さ≒1.5)とし他を実施例5と同一の電池を試作した。本電池を本発明電池Jとした。本電池を本発明電池Jとした。
【0058】
(実施例8)
スリットの外周側の幅を大きくした。c1とc2の距離を2mmとし、内側円弧の長さ≒2.1、外側円弧の長さ≒3.1(外側円弧の長さ/内側円弧の長さ≒1.5)とし他を実施例5と同一の電池を試作した。本電池を本発明電池Jとした。本電池を本発明電池Kとした。
【0059】
(比較例4)
c1とc2の距離を1mmとし、内側円弧の長さ≒外側円弧の長さ≒1mmとし、他を実施例5と同一の電池を試作した。本電池を比較例電池Lとした
【0060】
(比較例5)
スリットの外周側の幅を大きくした。c1とc2の距離を3mmとし、内側円弧の長さ≒3.1、外側円弧の長さ≒5.3(外側円弧の長さ/内側円弧の長さ≒1.7)とし他を実施例5と同一の電池を試作した。本電池を比較例電池Mとした。
【0061】
(比較例6)
スリットの外周側の幅を大きくした。c1とc2の距離を2mmとし、内側円弧の長さ≒2.1、外側円弧の長さ≒3.5(外側円弧の長さ/内側円弧の長さ≒1.7)とし他を実施例5と同一の電池を試作した。本電池を比較例電池Nとした。
【0062】
前記同様、試作電池の極板の基板端部と集電端子の溶接強度および短絡発生の有無を調査した。また、短絡発生のない電池を対象として5サイクルの充放電を実施し、放電後に電池の内部抵抗を測定した。表2に調査結果を示す。
【0063】
【表2】
【0064】
表2の結果に示したように比較例電池Hの場合本発明電池Dと比較して極板の基板端部と集電端子の溶接強度が低く、かつ短絡発生が認められた。比較例電池の溶接強度が低いのは、該電池の場合溶接電流経路が集電端子中心側で短く外周側で長いため溶接電流が中心側に偏り外周側の溶接が不十分になったためと考えられる。また溶接電流が集中した中心側においてチリが発生したため短絡が発生したものである。
【0065】
スリットを有する集電端子に於いても、集電端子の中心側と外周側の溶接電流経路が等しくなるようにすることにより良好な溶接が達成できる。
【0066】
以上、実施例には捲回形の極群を有する場合のみについて記述した。しかし、先端形状が長方形である溶接機の電極チップを、複数枚の正極板、セパレータおよび負極を積層して構成した積層式の極群に適用することも有効である。すなわち、該電極チップを積層式極群の極板基板端部と集電端子の溶接に適用した場合も前記捲回式極群に適用した場合と同様の効果を示す。従って本発明の請求項3は捲回式極群への適用に限定されるものでは無い。
【0067】
【発明の効果】
本発明の請求項1によれば、極板と集電端子の溶接に局部的なムラが無く、集電端子の溶断の虞が無い、信頼性の高い溶接を達成することが可能である。本発明の請求項2によれば請求項1において溶接時の無効電流を低減するので、さらに良好な溶接を実現できる。本発明の請求項3によれば集電端子と極板の基板端部の溶接において、1回の溶接で面状の溶接箇所を形成できるので、少ない溶接回数で極板と集電端子の間に良好な電気的導通を得ることができる。
【0068】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発名に係るアルカリ蓄電池の断面図である
【図2】本発明に係る集電端子の斜視図である
【図3】本発明に係る集電端子の溶接箇所を示す説明図である
【図4】本発明に係るスリット付き集電端子の斜視図である
【図5】本発明に係るスリット付き集電端子の正面図である
【図6】溶接電極チップの間隔と、集電端子溶接間部分の到達温度(計算値)の関係を示すグラフである
【符号の説明】
1 正極集電端子
5 正極板の基板端部
6 負極板の基板端部
8 負極集電端子
14 溶接箇所
15 スリット
Claims (3)
- 捲回式極群の相対向する捲回端面の一方の端面に正極板または負極板の基板端部を突出させ、前記基板端部に集電端子を複数の箇所で溶接して成るアルカリ蓄電池において、前記複数の箇所の中2個の溶接箇所が対を成して配置されており、前記2個の溶接箇所に挟まれた複数の基板端部の中、最長端部と最短端部の長さの比が1.0〜1.5であり、前記2個の溶接箇所の外周側の間隔は、内周側の間隔と比べて大きいことを特徴とするアルカリ蓄電池。
- 捲回式極群の相対向する捲回端面の一方の端面に正極板または負極板の基板端部を突出させ、前記基板端部に、内周側から外周側に向かってスリットを設けた集電端子を複数の箇所で溶接して成るアルカリ蓄電池に於いて、前記複数の箇所の中2個の溶接箇所が前記スリットを挟んで配置されており、前記スリットの相対向する2個のエッジ部分に挟まれた複数の基板端部の中、最長端部と最短端部の長さの比が1.0〜1.5であって、前記2個のエッジ部分の外周側の間隔は内周側の間隔と比べて大きいことを特徴とするアルカリ蓄電池。
- 溶接箇所は、略長方形であり、外形寸法が前記溶接箇所の外形寸法に略等しい先端端面を有する溶接機の電極チップを用いて溶接することにより形成されたものであることを特徴とする請求項1または2記載のアルカリ蓄電池。
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