JP4227696B2 - ワイン酵母の交雑育種方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワイン酵母の交雑育種方法、該育種方法により得られるワイン酵母及びワインの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ワイン酵母はブドウや自然発酵物などから分離採取され、その中から優良ワイン酵母が選抜されて来た。近年では、優良ワイン酵母を造成するために、人為的な手段による育種、すなわち、突然変異、接合による交雑、プロトプラスト融合及び形質転換等の方法による育種が行われている。
【0003】
これらのワイン酵母の育種法のうち接合による交雑法は、野生キラー酵母と高温発酵性ワイン酵母との交雑育種(S.HARA et al., Agric. Biol. Chem., 45, 1327 (1981)、あるいは硫化水素非生成酵母と凝集能を持ったワイン酵母との交雑育種(R.Romano et al., Appl. Environ. Microbiol., 50, 1064 (1985))を行うというものである。
【0004】
しかし、接合による交雑法においては、交雑体であることを判別するためにそれぞれの株が明らかに異なる形質を有していることが求められる。従って、明らかに異なる形質を保有していない場合は、交雑株を判別又は検出することが困難であった。
【0005】
また、突然変異による育種においては、ワイン酵母が二倍体株であるため、欠損変異が表現型として現れない場合があり、また、醸造特性因子を損傷するという問題がある。
さらに、プロトプラスト融合又は形質転換による育種においては、有効な選択マーカーがないため、プロトプラストや形質転換体の選抜が困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ワイン酵母の交雑育種方法、該育種方法により得られるワイン酵母及びワインの製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、薬剤耐性遺伝子を選択符号に用いて優良ワイン酵母の交雑体を選択することに成功し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、特性の異なる2株のワイン酵母のそれぞれに互いに種類の異なる薬剤耐性遺伝子を導入し、得られる形質転換体から胞子を形成させ、該胞子を交雑させたのち該交雑株を前記薬剤耐性遺伝子に対応する薬剤の存在下で生育させることにより交雑株を選抜することを特徴とするワイン酵母の交雑育種方法である。種類の異なる薬剤耐性遺伝子としては、その一方がジェネティシン耐性遺伝子であり、他方がオーレオバシジンA耐性遺伝子が挙げられる。なお、該薬剤耐性遺伝子は、セントロメア遺伝子を有するベクターに組み込まれていることが必要である。
【0008】
さらに、本発明は、前記育種方法によって得られたワイン酵母である。該ワイン酵母としては、サッカロミセス・セレビシエKO10株、サッカロミセス・セレビシエKO11株、サッカロミセス・セレビシエKO12株又はサッカロミセス・セレビシエKO13株が挙げられる。さらに、本発明は、前記ワイン酵母を果汁に接種して醸造することを特徴とするワインの製造方法である。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、ホモタリックな生活環を持つワイン酵母の交雑育種を行う際に、特性の異なる2種類の酵母(親株)由来の胞子同士を交雑し、種類の異なる薬剤耐性遺伝子を選択符号として用いて、両親株の特性を併せ持つ交雑体である優良交雑ワイン酵母を採取することを特徴とするものである。
【0010】
1.本発明のワイン酵母の育種選抜
(1)親株の調製
本発明において、交雑育種を行うための胞子の提供用酵母(親株)として使用するワイン酵母は、ホモタリックな生活環を有する酵母(二倍体)であり、互いに特性の異なるものである。これらの酵母は、胞子形成率および胞子生存率の高い株が好ましく、例えばサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomycescerevisiae)に属する株が挙げられる。ここで、特性とは、ワイン醸造上、菌株が保有する性質を意味し、例えば低温発酵性、高温発酵性、各種香味性、硫化水素生成性、泡形成性、メタ亜硫酸耐性等が挙げられる。本発明では、これらの特性を有する酵母から任意に2種類を選択することができる。
なお、上記親株は、天然から分離された上記特性を有する株、あるいは上記特性を有する既存の株から選択することができる。
【0011】
(2) 遺伝子導入用組換えベクターの構築
薬剤耐性遺伝子の機能を発現させるためには、該薬剤耐性遺伝子をプラスミド等のベクターに組み込み、得られる組換えベクターを酵母に導入することが必要である。そこで、導入のための組換えベクターを構築する。
薬剤耐性遺伝子とは、遺伝子のクローニング技術において一般にクローンを選択するために使用されているものであり、抗菌物質に対する耐性を宿主に賦与する遺伝子を意味する。本発明においては、例えばジェネティシン(G418)耐性遺伝子、オーレオバシジンA耐性遺伝子、ジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子、セルレニン耐性遺伝子等が挙げられ、これらの遺伝子から任意に2種類を選択することができる。
【0012】
従って、例えば前記低温発酵性を有する酵母を一方の株とし(酵母Aとする)、香味性を有する酵母を他方の株(酵母Bとする)とすると、酵母A及び酵母Bには互いに種類の異なる薬剤耐性遺伝子を導入し、酵母Aに導入する薬剤耐性遺伝子と酵母Bに導入する薬剤耐性遺伝子とが同一とならないようにする。
本発明において使用する組換えベクターは、適当なベクターに薬剤耐性遺伝子を連結(挿入)することにより得ることができる。薬剤耐性遺伝子を挿入するためのベクターとしては、酵母由来のセントロメア型ベクター(例えばYCp50)が挙げられる。セントロメア型ベクターとは、セントロメア遺伝子を持つものを意味し、減数分裂後にも胞子に保持されることを特徴とするものである。
【0013】
ベクターに本発明の遺伝子を挿入するには、まず、精製されたDNAを適当な制限酵素で切断し、適当なベクター DNAの制限酵素部位又はマルチクローニングサイトに挿入してベクターに連結する方法などが採用される。
このような組換えベクターとしては、例えばオーレオバシジン遺伝子を含むpAUR112(宝酒造社製)、及びG418耐性遺伝子を含むpK06が挙げられる(図1)。なお、プラスミドpK06は、pIGZ2(Nakazawa et al.,J. Ferment. Bioeng. 73, 4, 1992)をBamHIで切断することにより得られた2.3kbpのDNA断片であってG418耐性遺伝子を持つものを、プラスミドpRS316(Sirorski and Hieter, Genetics 122, 19, 1989)のBamHI部位に挿入することにより構築したものである。
【0014】
(3) 組換えベクターのワイン酵母への導入
特性の異なる2株のワイン酵母のそれぞれに、異なる2種の薬剤耐性遺伝子を導入し、形質転換体(形質転換酵母)を得る。
ワイン酵母への組換えベクターの導入法は、通常の酵母への遺伝子導入法と同様であり、例えば酢酸リチウム法、エレクトロポレーション法、スフェロプラスト法が挙げられる。
【0015】
(4) 胞子の交雑及び生育
本発明においては、上記の通り得られた形質転換酵母に胞子を形成させ、減数分裂分離株同士の交雑を行い生育させる。交雑方法は、本発明に使用する酵母がホモタリック株であるため直接接触による方法が好ましい。各形質転換酵母の胞子は、以上の通り調製された形質転換酵母を、適当な胞子形成用培地で培養することにより調製することができる。例えば、各形質転換株を、酢酸カリウム1%、酵母エキス0.1%、グルコース0.05%、寒天2%を含む胞子形成培地(pH 6.0)に塗布して25℃で1日、30℃で2〜3日培養して胞子を形成させる。
【0016】
得られた胞子同士の交雑は、例えば以下の通り行うことができる。すなわち、マイクロマニュピレーターで親株の胞子を分離し、もう一方の親株からも同様に胞子細胞を分離して、顕微鏡下でお互いの細胞を合わせる。そして、組合わせた細胞を適当な培地(例えばポリペプトン2%、酵母エキス1%、グルコース2%、アデニン硫酸0.004%及び寒天2%を含むYPAD培地)で2〜3日培養する。
交雑株の選抜は、上記操作によって得られた培養株を、導入された薬剤耐性遺伝子に対応する薬剤を含む培地で培養することにより行うことができる。
【0017】
例えば、前記酵母AにはG418耐性遺伝子が導入され、酵母BにはオーレオバシジンA耐性遺伝子が導入されたとすると、酵母A由来の胞子と酵母B由来の胞子とを接合させたのち、1mlあたり0.5mgのG418及び1mlあたり0.5μgのオーレオバシジンAを含むYPAD培地にレプリカして培養し、生育して来るコロニーを選択すればよい。
【0018】
ここで、上記選抜操作によって得られた菌株が交雑体であるか否かを判定するには、通常用いられる四分子分析法によって行うことができる。従って、得られた交雑菌株に胞子を形成させ、遺伝学的解析を行い、その胞子クローンの幾つかに両親の特性(形質)が観察された場合は、交雑体であると判断することができる。その交雑株は両親由来(いずれか一方又は両者)の特性を保持しているため、優良なワインを製造することができる。
【0019】
ここで、得られた交雑株が目的とする親由来のそれぞれの形質を保持していることが確認された後は、交雑株から選択符号として使用したそれぞれのプラスミドを交雑株中に存在させておく必要はない。そこで、薬剤耐性の選択用に使用したプラスミドを以下の通り完全に除去してもよい。すなわち、交雑株の選抜の際に用いた培地と異なり、薬剤の含まないYPAD培地を調製し、この培地で菌株を1日30℃で培養し、得られる培養物を更に薬剤の含まないYPAD培地に塗布して2〜3日、30℃で培養する。出現したコロニーを薬剤を含むYPAD培地にレプリカして、その培地で生育しないコロニーを採取することにより、薬剤耐性遺伝子は含まないが両親の形質を有する株を得ることができる。なお、プラスミドが残存していないことの確認は、PCRまたはサザンハイブリダイゼーション法により行うことができる。
最終的に得られたワイン酵母は、通常のYPAD培地等で培養し、継代させることができる。
【0020】
2.ワインの製造
本発明においては、前記1.の通り得られた酵母を果汁に接種し、醸造(培養)することによりワインを製造することができる。但し、ワイン酵母株のスラントから通常のYPAD寒天培地で培養した後、得られた菌体を果汁培地に接種し培養してもよい(前培養)。なお、前培養は25℃で2日間静置培養することが好ましい。このようにして種培養液を調製する。
【0021】
上記の通り得られた種培養液を、予め調製した本培養果汁液に接種して、本醸造を行う。本醸造は、4〜35℃、好ましくは15〜25℃で8-14日間行う。また、醸造途中に補糖を行ってもよい。補糖はグルコースを使用し、補糖後の糖濃度が約20%になるように調製する。
【0022】
なお、醸造に使用される果汁には、主としてブドウ果汁を用いる。但し、その他キューイ、リンゴ、ブルーベリー、アンズ等の果汁なども用いることができ、限定されるものではない。これらの果汁の分析(比重、直接還元糖、総酸、フェノール、糖度等)は常法に従って行うことができる。また、ワインの分析も通常の方法に従い、アルコール、直接還元糖、総酸、着色度(420nmの吸光度)、フェノール、硫化水素、低沸点香気成分等を測定する。
【0023】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれら実施例にその技術的範囲が限定されるものではない。
〔実施例1〕優良交雑ワイン酵母育種
芳香性の優れた特性を有する赤ワイン用酵母(サッカロミセス・セレビシエL-2226株)にはG418耐性遺伝子を含むプラスミドpK06を、低温発酵性を有する白ワイン用酵母(サッカロミセス・セレビシエEC-1118株)にはオ-レオバシジンA耐性遺伝子を含むpAUR112を、いずれも酢酸リチウム法を用いて導入した。得られた形質転換体を胞子形成培地(酢酸カリウム1%、酵母エキス0.1%、グルコース0.05%、寒天2%、pH 6.0)に移し、25℃で1日、続いて30℃で2〜3日培養して胞子を形成させた。その後、マイクロマニュピレーターを用いて、それぞれの減数分裂分離株同士196組を直接接触させて交雑を行った。
【0024】
その結果、YPAD培地上で生育した126株のうち、0.5mg/mlの濃度のG418及び0.5μg/mlの濃度のオーレオバシジンAを含むYPAD培地(以下、選択培地という)で生育する4株(KO10株, KO11株, KO12株, KO13株)を得た。
得られた4株が交雑体であるかを調べるために、胞子を形成させ四分子分析を行った。その結果、ガラクトースの発酵性については、親株の場合は、L-2226株が発酵性(+)であり、EC-1118株が非発酵性(−)であった(表1)。これに対し、交雑株として選択された株の場合は、いずれも発酵性と非発酵性の比が2:2の分離比を示した。また、全ての減数分裂分離株が、オーレオバシジンA及びG418の両方、又は少なくとも一方の薬剤に対して耐性を示した(表1)。
【0025】
これらの結果から、上記4株はL-2226株とEC-1118株の特性を有する交雑体であると判定した。以上のことから、薬剤耐性遺伝子を選択符号として用いた交雑体の選抜法は、ワイン酵母の交雑育種において有効であった。
なお、交雑育種された酵母KO10株、KO11株、KO12株及びKO13株は、工業技術院生命工学工業技術研究所(茨城県つくば市東1丁目1番3号)に平成11年2月23日付で寄託されており、その受託番号は、KO10株(識別表示:Saccharomyces cerevisiaeKO10)についてはFERM P-17229であり、KO11株(識別表示:Saccharomyces cerevisiaeKO11)についてはFERM P-17230であり、KO12株(識別表示:Saccharomyces cerevisiaeKO12)についてはFERM P-17231であり、KO13株(識別表示:Saccharomyces cerevisiaeKO13)についてはFERM P-17232である。
【0026】
Figure 0004227696
【0027】
〔実施例2〕ワインの醸造
実施例1で得られた交雑酵母KO10株及びKO11株を用いて、小規模ワイン醸造試験を行った。なお、対照としてL-2226及びEC-1118各菌株を用いた。
メタ重亜硫酸カリウムを100ppm含むブドウ品種「ナイアガラ」の果汁に上記酵母を接種し、25℃で2日間静置培養した(前培養)。
これら培養菌体を果醪(メタ重亜硫酸カリウム100ppm含む「ナイアガラ」果汁)に対して5V/V%植菌し、15℃で14日間発酵させた。補糖は、補糖後糖度が22%になるようにブドウ糖を使用し、3日目に行った。
【0028】
果醪の糖度(Brix)を毎日測定した。発酵終了後、発酵液を布でろ過し、メタ重亜硫酸カリウムを50ppm添加し、10℃で貯蔵した。なお、分析には膜ろ過(孔径20-1.0μm)したワインを用いた。
果汁及びワインの分析法は常法に従って行った。すなわち、果汁及びワインの比重は浮ひょう計で測定し、ワインのアルコール度は蒸留後浮ひょう計で測定した。また、果汁及びワインのpHはガラス電極pHメーターで測定し、直接還元糖はソモギーネルソン法で測定した。さらに、果汁及びワインの総酸度はNaOHによる滴定値を酒石酸度に換算することにより求めた。
【0029】
低沸点香気成分はHewlett Packerdガスクロマトグラフィーを用いて測定した。色度は分光光度計(BECKMAN DU7500)により、10mmのセルを用いて430nmの吸光度で測定した。また、フェノール量は試料を蒸留水で100倍に希釈した後、280nmの吸光度を測定した。総亜硫酸(t-SO2)及び遊離型亜硫酸(f-SO2)はRankine法で測定した。
その結果は以下に示す通りである(表2〜5)。
【0030】
Figure 0004227696
【0031】
Figure 0004227696
【0032】
発酵の早さをみると、KO10株はEC-1118に近く、発酵性が良い。KO11株はL-2226に似た発酵性を示した。
【0033】
Figure 0004227696
【0034】
KO10株は発酵性はEC-1118に近い挙動をとるが、亜硫酸の代謝ではL-2226に近い性質を示す。一方、KO11株は、発酵性はL-2226株のように糖の消費が遅いが、亜硫酸の代謝はEC-1118株に近い性質を示した。このことから、KO10株及びKO11株はいずれもL-2226株及びEC-1118株の性質を受け継いでいることが判明した。
【0035】
Figure 0004227696
【0036】
KO10株由来のワインは、香気成分としてCapOEt及びi-AmOAcが高く、好ましくないとされるn-PrOHやアセトアルデヒドが少なく、風味的にも優れている。KO11株由来のワインは、好ましくないとされるn-PrOHi-AmOH及びi-BtOHが少なく、あっさりとした単純な風味を示していた。
【0037】
〔実施例3〕 ワインの官能評価試験
本発明の交雑法で得られたKO10、KO11、KO12及びKO13の各株、並びにL-2226株及びEC-1118株の6株を用いて、実施例2と同じ方法でワインを調製し、5人の味覚審査員で味覚評価を行った。
評価は嗜好にあわせて、5点:非常に良い、4点:良い、3点:まあまあ、2点:やや劣る、1点:劣る、とした。また、香味の特徴を言葉で表現させた。
その結果、以下の通りであった(表6)。
【0038】
Figure 0004227696
【0039】
以上の結果から、KO10株は親株の長所を活かして良い酵母菌株であることが判明した。また、KO11、KO12及びKO13株由来のワインは味が特徴的であり、今後の育種の元株になりうるものであった。
【0040】
【発明の効果】
本発明によりワイン酵母の交雑育種方法、該育種方法により得られるワイン酵母及びワインの製造方法が提供される。本発明の方法により、優れたワイン酵母の性質を合わせ持った交雑酵母を効率良く得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】オーレオバシジン遺伝子を含むプラスミドpAUR112及びG418耐性遺伝子を含むプラスミドpK06を示す図である。

Claims (3)

  1. 特性の異なる2株のワイン酵母のそれぞれに互いに種類の異なる薬剤耐性遺伝子を導入し、得られる形質転換体から胞子を形成させ、該胞子を交雑させたのち該交雑株を前記薬剤耐性遺伝子に対応する薬剤の存在下で生育させることにより交雑株を選抜することを特徴とするワイン酵母の交雑育種方法。
  2. 種類の異なる薬剤耐性遺伝子の一方がジェネティシン耐性遺伝子であり、他方がオーレオバシジンA耐性遺伝子である請求項1記載の育種方法。
  3. 薬剤耐性遺伝子が、セントロメア遺伝子を有するベクターに組み込まれたものである請求項1又は2記載の育種方法。
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