JP4227612B2 - カラオケ機能が搭載された情報装置 - Google Patents

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Description

本発明は、カラオケ機能が搭載された情報装置に関する。
現在、カラオケ装置は、カラオケ曲の歌唱の巧拙を採点する採点機能が搭載されている機種が広く普及している。採点機能は、例えば、マイクから入力される歌唱音を音声信号に変換し、この音声信号の周波数や音量と判定基準(例えばガイドメロディデータ)とを比較し、その差異量に基づいて点数を算出している。
従来のカラオケ装置では、歌唱対象としている楽曲に関係なく同じ基準で採点するようになっていたため、歌う曲によって得点が左右されてしまい、上級者が難しい曲を歌った場合に、初級者が易しい曲を歌った場合よりも得点が低く出てしまうことがあった。これに対し、従来では、楽曲の難易度を歌唱者に知らせることによって、採点された得点を客観的に評価できるようにする機能が考えられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−196775公報
このように従来のカラオケ装置(特許文献1)では、楽曲の難易度を予め歌唱者に知らせることができるものの、採点の方法については何ら変わりなく、同一曲について同じように歌唱した場合には同様の得点が得られるだけであった。
本発明は前述した事情に考慮してなされたもので、その目的は、難易度を任意に設定できるようにし、この難易度に応じた採点を実行することができるカラオケ機能が搭載された情報装置を提供することにある。
本発明は、カラオケ機能が搭載された情報装置において、難易度の指定を入力する指定入力手段と、前記指定入力手段により入力された指定に応じて複数段階の何れかの難易度を設定する難易度設定手段と、カラオケ用の楽曲を出力する出力手段と、前記出力手段により出力される楽曲に対する歌唱音声を入力する入力手段と、前記出力手段により出力された楽曲のメロディの音程変化を基準とした、前記難易度設定手段により設定された難易度に応じた採点範囲上限と採点範囲下限とを設定する音程範囲設定手段と、前記音程範囲設定手段により設定された前記採点範囲上限と前記採点範囲下限により示される音程範囲内に、前記入力手段により入力された歌唱音声の音程が含まれる状況に応じて得点を算出する算出手段とを具備したことを特徴とする。
本発明によれば、難易度の指定を入力して設定しておくことができるので、同一の楽曲について同じ歌唱音声が入力されたとしても難易度に応じた異なる採点結果を出力することができるので、例えば難易度を下げた場合には高得点を出やすくしてユーザの満足度を向上させることができ、また難易度を上げた場合には得点が上がりにくくしてユーザの挑戦意欲を向上させることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるカラオケ機能が搭載された携帯電話機10を用いたシステム構成を示す図である。図1に示す携帯電話機10は、基地局12を通じてインターネットなどを含むネットワーク14と接続することができる。携帯電話機10は、ネットワーク14に接続されたサーバ16にアクセスして、サーバ16が提供するカラオケに関連するサービスの提供を受けることができる。サーバ16が提供するサービスとしては、カラオケ用楽曲データのダウンロードなどがある。
本実施形態における携帯電話機10は、カラオケ機能を実行する場合、単体で使用して本体に設けられたスピーカ33からカラオケ用の楽曲を出力することができる。また、カラオケ機能を実行する場合、モニタ装置18をケーブル(あるいは無線通信)によって接続して、このモニタ装置18からカラオケ用の音声と映像を出力させることができる。モニタ装置18としては、例えば音声及び映像信号の入力が可能な一般のテレビジョン装置を使用することができる。モニタ装置18は、携帯電話機10が接続されることにより、カラオケ機能の実行時にはディスプレイ18aに楽曲に合わせた映像を表示し、スピーカ18bから楽曲と携帯電話機10に設けられたマイク29(あるいはヘッドセット19のマイク19a)から入力された歌唱音声を出力する。
また、携帯電話機10には、ヘッドセット19を接続することができる。ヘッドセット19は、例えば電話機能による音声通話をハンズフリーによりできるようにするもので、マイク19aとスピーカ19bが設けられている。本実施形態では、ヘッドセット19を音声通話の時だけでなく、カラオケ機能を実行する場合の歌唱音声入力用に用いることができる。
図2は、本実施形態における携帯電話機10の構成を示すブロック図である。図2に示すように、携帯電話機10には、制御部20、記憶部22、表示部23、入力部24、無線通信部25、モニタI/F26、ヘッドセットI/F27、音声入力部28、マイク29、音声信号処理部30、音源部31、音声出力部32、及びスピーカ33が設けられている。
制御部20は、携帯電話機10全体の制御を司るもので、各種プログラムをCPU(Central Processing Unit)により実行することにより実現される。制御部20には、音声通話や電子メールの送受信、あるいはネットワーク14を介したサーバ16等とのデータ通信等の制御を行う電話機能制御部20a、カラオケ機能を制御するカラオケ制御部20bが設けられる。
カラオケ制御部20bには、記憶部22に記憶された楽曲データ22bに応じて楽曲の音声を再生出力させる楽曲再生部20b1、楽曲再生部20b1により再生出力される楽曲(カラオケ曲)に合わせて入力された歌唱音声について採点をする際の採点基準となる難易度を設定する難易度設定部20b2、カラオケ機能の実行時に入力される歌唱音声に対する採点を難易度設定部20b2により設定された難易度に応じて実行する採点部20b3が含まれる。
記憶部22は、ROM(Read Only Memory)、RAM(random access memory)、あるいはハードディスク装置などにより実現されるもので、各種プログラムやデータなどが記憶される。記憶部22に記憶されるプログラムとして、カラオケ機能を実現するためのカラオケ制御プログラム22aが含まれている。
また、記憶部22には、カラオケ機能に関連するデータとして、楽曲データ22b、入力音声データ22c、難易度設定データ22dなどが記憶される。
楽曲データ22bは、楽曲を再生出力するためのデータである。詳細については図4を参照しながら説明する。入力音声データ22cは、カラオケ機能において採点を実行する場合に用いられるもので、音声入力部28を通じて入力された歌唱音声を表すデータ、すなわち歌唱音声の音声信号をもとに時系列的に検出されたピッチ、音量、及び周波数(音程)を示すデータである。詳細については図5を参照しながら説明する。難易度設定データ22dは、難易度設定部20b2によって設定されるもので、歌唱音声に対する採点をする際の採点基準となる難易度を示すデータである。
表示部23は、制御部20の制御のもとでディスプレイにおける表示を制御する。表示部23は、カラオケ機能を実行する場合には、楽曲に応じた映像(画像)や歌詞などを表示させる。
入力部24は、ユーザ操作によるダイヤルボタン(数字ボタン)や機能ボタンに対する入力を制御して制御部20に通知する。機能ボタンには、送信ボタン、終了ボタン、電源ボタン、音量調節ボタン、モード指定ボタン、選択実行ボタン、及びカーソルボタンなどを含む。
無線通信部25は、電話機能の実行時に基地局12との無線通信を制御する。
モニタI/F26は、カラオケ機能を実行する場合に、カラオケ用の楽曲及び歌唱音声と、映像(画像)を出力させるためのモニタ装置18を接続するためのインタフェースである。
ヘッドセットI/F27は、ヘッドセット19を接続するためのインタフェースである。
音声入力部28は、制御部20の制御のもとで音声の入力を制御するもので、マイク29、あるいはヘッドセットI/F27により接続されたヘッドセット19(マイク19a)から音声信号を入力する。
音声信号処理部30は、音声入力部28に入力された音声信号に対する信号処理を実行するもので、音声信号をもとに音量と音程(周波数)を検出して入力音声データとして出力する。音声信号処理部30は、予め決められた時間毎(例えば50msec)に入力音声データを出力する。
音源部31は、制御部20の制御のもとで音声信号を合成して出力するもので、例えばカラオケ機能を実行する場合には楽曲データに応じた楽曲(カラオケ曲)の音声を合成して出力する。
音声出力部32は、制御部20の制御のもとで音声の出力を制御するもので、スピーカ33あるいはヘッドセットI/F27に接続されたヘッドセット19(スピーカ19b)から音声を出力させる。
図3は、図2中に示す音声信号処理部30の詳細な構成を示すブロック図である。
図3に示すように、音声信号処理部30には、音量検出部30a、FFT(fast fourier transform)部30b、及び周波数検出部30cが設けられている。
音量検出部30aは、マイク29あるいはヘッドセット19(マイク19a)から入力された歌唱音声の音声信号から振幅のエンベロープ(歌唱の音量(入力音声レベル))を検出して出力する。
FFT部30bは、歌唱音声の音声信号に高速フーリエ変換を施して周波数スペクトルを抽出する。周波数検出部30cは、FFT部30bにより抽出された周波数スペクトルから歌唱音声の音程(入力音声周波数)を検出して出力する。
音量検出部30aと周波数検出部30cにより出力される音量と音程(入力音声周波数)は、入力音声データ22cとして記憶部22に時系列的に順次記憶され、カラオケ機能の採点のために供される。
図4には、楽曲データ22bの一例を示している。
図4(a)に示すように、楽曲データ22bには、楽曲(データ)の基本的な情報(タイトル等)を含むヘッダ、楽曲を再生出力するためのデータを含む楽音トラック、ガイドメロディを再生するためのデータを含むガイドメロディトラック、歌詞テロップを表示するためのデータを含む歌詞トラック、楽曲中で音声を出力するためのデータを含む音声トラックなどが含まれている。
ガイドメロディトラックは、図4(b)に示すように、イベントデータと各イベントデータの読み出しタイミングを示すタイミングデータからなっている。
タイミングデータは、各イベントデータ間の時間的間隔(デルタタイム)を示すデータや曲の開始からの絶対時間を示す絶対時間データなどで構成することができる。
イベントデータには、例えばノートオン、ノートオフ、ピッチベントなどのデータが含まれる。ノートオンとノートオフは、それぞれ音を出す、音を止めることを示している。また、ノートオンとノートオフのデータには、音程を表すデータ(ノート番号)と音量を表すデータを含んでいる。
従って、ガイドメロディトラックに含まれるデータにより、楽曲のメロディの音程や強度の変化を表すことができる。本実施形態におけるカラオケ機能の採点処理では、ガイドメロディトラックのデータが示す音程変化を基準として、入力された歌唱音声に対する採点を実行する。
図5には、入力された歌唱音声をもとに記憶部22に記憶される入力音声データ22cの一例を示している。
図5に示すように、入力音声データ22cとして、楽曲(カラオケ)の開始を基準とした時系列的なタイミングを示すタイミングデータと、そのタイミングデータが示す時点で音声信号処理部30により検出された入力音声周波数及び入力音声レベルとを対応付けて、楽曲の再生が終了するまで時系列的に記憶される。
次に、本実施形態における携帯電話機10のカラオケ機能の動作について説明する。
携帯電話機10は、カラオケ機能を実行するためにカラオケ制御プログラム22aを記憶部22に記憶させる。カラオケ制御プログラム22aは、例えばネットワーク14を通じてサーバ16に接続し、サーバ16からダウンロードしても良いし、あるいは図示せぬ記憶媒体を介して読み込むようにしても良い。
制御部20は、入力部24に対するユーザの入力操作によってカラオケ機能の実行が指示されると、カラオケ制御プログラム22aを起動してカラオケ制御部20bを機能させる。
また、カラオケ機能において再生される楽曲の楽曲データ22bは、カラオケ制御プログラム22aと同様にしてサーバ16からダウンロードして記憶部22に記憶させておくことができる。
制御部20は、カラオケ機能を実行させると、例えば図7(a)に示すようなメニュー画面を表示部23により表示させる。図7(a)に示すメニュー画面には、再生出力させる楽曲の選択をするための「楽曲選択」と、楽曲に合わせて入力された歌唱音声について採点をする際の採点基準となる難易度を設定するための「難易度設定」の項目が設けられている。
ここで、「難易度設定」が入力部24に対する操作により選択されると、制御部20の難易度設定部20b2は、歌唱音声について採点をする際の採点基準となる難易度を設定する難易度設定処理を実行する。
図6は、難易度設定処理を説明するためのフローチャートである。
難易度設定部20b2は、難易度設定要求が入力されると(ステップA1、Yes)、ユーザにより難易度を指定させるための難易度設定画面を表示部23により表示させる。
図7(c)には、難易度設定画面の表示例を示している。図7(c)に示す難易度設定画面は、3段階の難易度「HARD」「NORMAL」「EASY」から任意に何れかを選択することができる。初期状態では「NORMAL」が選択された状態で表示される。
ここで、ユーザは、入力部24のカーソルボタンを操作することで、「HARD」「NORMAL」「EASY」の何れかを任意に指定することができる。ここで、入力部24の選択実行ボタンにより難易度の選択が確定されると(ステップA3)、難易度設定部20b2は、ユーザによって難易度設定画面を通じて指定された難易度を示す難易度設定データ22dを記憶部22に記憶させておく(ステップA4)。
本実施形態における採点部20b3は、楽曲の再生出力時に入力された歌唱音声について、音程(入力音声周波数)を示すデータを時系列的に記憶しておき、この歌唱音声の音程が楽曲データのガイドメロディトラックに含まれるデータが示す基準周波数を中心とした採点範囲内にどれだけ含まれているかに応じて採点する。
採点部20b3は、難易度設定部20b2によって設定された難易度に応じて採点基準(基準周波数に対する採点範囲)を変更することにより、同一の楽曲であっても異なる採点結果を出力することになる。
一方、図7(a)に示すメニューにおいて「楽曲選択」が選択されると、制御部20は、記憶部22に記憶された楽曲データ22bを参照し、例えば図7(b)に示すような、再生出力可能な楽曲のタイトルのリスト(楽曲選択リスト)を表示する。
入力部24に対する操作により楽曲選択リストにおいて何れかのタイトルが選択された場合、制御部20の楽曲再生部20b1は、選択されたタイトルに該当する楽曲データ22b(楽音トラック)をもとに、音源部31により楽曲の音声を合成させて、音声出力部32を通じてスピーカ33(あるいはヘッドセット19(スピーカ19b))から出力させる。また、ガイドメロディトラックのデータによるガイドメロディなども同時に音声出力させる。また、楽曲の再生出力に伴って、歌詞トラック中のデータをもとにして歌詞テロップを表示部23によって表示させる。
また、制御部20は、楽曲が再生出力されている間に、マイク29(あるいはヘッドセット19(マイク19a))から入力される音声を音声入力部28を通じて入力し、音声信号処理部30の処理によって所定の時間毎に検出される音量と音程(周波数)を示すデータを入力音声データ22cとして時系列的に順次記憶させていく。
楽曲の出力が終了すると、制御部20の採点部20b3は、楽曲の再生中に記憶部22に入力された入力音声データ22cに対する採点処理を実行する。
図9は、採点処理を説明するためのフローチャートである。
採点部20b3は、記憶部22に記憶された難易度設定データ22dを読み出し(ステップB1)、この難易度設定データ22dが示す難易度に応じた採点範囲を採点基準とする基準周波数に対して設定する。すなわち、再生出力された楽曲の楽曲データ22bに含まれるガイドメロディトラックのデータが示すメロディの音程(周波数)に対して、入力された歌唱音声が採点の加点対象と見なすことができる範囲を示す採点範囲上限と採点範囲下限とを設定する(ステップB2)。
図8(a)(b)(c)は、難易度設定処理により設定された難易度に応じた採点基準の変更について説明するための図である。
図8(a)は、難易度設定処理において「NORMAL」を示す難易度設定データ22dが設定されている場合の採点範囲を示す図である。図中の基準周波数Aは、楽曲データ22bのガイドメロディトラックのデータが示す音程の変化、すなわち理想的な正しい歌唱音声の音程変化を表している。この基準周波数Aに対して、高音側に採点範囲上限B、低音側に採点範囲下限Cをそれぞれ設定している。図8に示す例では、基準周波数Aに対する採点範囲上限B(高音側)と採点範囲下限C(低音側)のそれぞれの幅は同じとしている。
図8(b)は、難易度設定処理において「HARD」を示す難易度設定データ22dが設定されている場合の採点範囲を示す図である。難易度が「HARD」の場合には、基準周波数Aに対する採点範囲上限Bと採点範囲下限Cの幅が「NORMAL」の場合よりも狭くなっている。すなわち、入力された歌唱音声が難易度「NORMAL」の場合よりも、基準周波数Aが表す理想的な音程変化に近くないと加点対象とならないようにしている。従って、難易度を「HARD」に設定することで、高得点が出にくくすることができる。
図8(c)は、難易度設定処理において「EASY」を示す難易度設定データ22dが設定されている場合の採点範囲を示す図である。難易度が「EASY」の場合には、基準周波数Aに対する採点範囲上限Bと採点範囲下限Cの幅が「NORMAL」の場合よりも広くなっている。すなわち、入力された歌唱音声が難易度「NORMAL」の場合よりも、基準周波数Aが表す理想的な音程変化よりも離れていても加点対象となるようにしている。従って、難易度を「EASY」に設定することで、高得点が出やすくすることができる。
こうして、ユーザの指定により設定された難易度に応じて採点音程範囲を設定すると、制御部20は、記憶部22に記憶されている入力音声データ22cを時系列に従って読み出しを開始する(ステップB3)。
まず、制御部20は、入力音声データ22cの入力音声レベル(音量)が予め設定された所定値以上となっているかを判別する(ステップB4)。ここで、入力音声レベルが所定値以上でないと判別された場合には(ステップB4)、このタイミングでは歌唱音声が入力されていないとしてデータを無効にして(採点の対象としない)、次のデータの読み出しに移行する。
通常、携帯電話機10を単体で使用してカラオケ機能を実行する場合、機体サイズが小さいために、スピーカ33から出力された楽曲がマイク29により入力されてしまう。この場合、楽曲中のガイドメロディは、基準周波数Aと同様の音程変化を表すため、この楽曲に該当する入力音声について採点を実行すると高得点が算出されてしまう(ユーザが歌唱していない場合など)。こうした状況を回避するため、歌唱音声が入力された場合には、この歌唱音声の音声レベルがスピーカ33から出力された楽曲が入力された場合の音声レベルよりも高いことを利用し、楽曲に該当する入力音声レベルを無効とすることができるように所定値を設定することで、歌唱音声のみを対象として採点が実行できるようにしている。これにより、歌唱音声が入力されていないにも関わらず高得点が算出されてしまうといったことを回避し、難易度に応じた適切な採点を実行することができるようになる。
入力音声レベルが所定値以上であった場合(ステップB4、Yes)、採点部20b3は、入力音声周波数が難易度に応じて設定された採点範囲に含まれているかを判別する(ステップB5)。
ここで、入力音声周波数が採点範囲に含まれると判別した場合、採点部20b3は、採点の加点対象としてポイントをカウントアップする(ステップB6)。そして、記憶部22に記憶された入力音声データ22cの全てについての処理が終了していなければ(ステップB7、No)、次のデータの読み出しに移行する。
なお、入力音声周波数が採点範囲に含まれないと判別した場合、ポイントのカウントアップをすることなく次のデータの読み出しに移行する。
以上の処理を入力音声データ22cとして時系列的に記憶された全てのデータについて終了すると(ステップB7、Yes)、採点部20b3は、ポイント数に基づいて得点を算出する(ステップB8)。例えば、楽曲全体の中でポイントがカウントされた比率をもとに、例えば100ポイント満点として得点を算出する。なお、得点の算出方法については、任意の方法を適用することが可能である。
採点部20b3は、得点が算出されるとこの得点を採点結果として、表示部23において表示させる(ステップB9)。
図7(d)には、採点結果とする得点(図では85ポイント)が表示された画面例を示している。図7(d)では、採点結果とするポイントと共に、ポイントに応じた評価、例えば「good!」などのメッセージを同時に表示させている。
このようにして、ユーザの指定により設定された難易度に応じて、基準周波数Aに対する採点範囲の幅(採点範囲上限Bと採点範囲下限C)を変更することで、同一の楽曲であっても異なる基準で採点を行うことができる。従って、難易度を「EASY」に設定することにより高得点が出やすくなるので満足度を向上させることができ、また難易度を「HARD」に設定することで得点が上がりにくくなるため挑戦意欲を向上させることができる。
なお、前述した説明では、図8(a)(b)(c)に示す例において、基準周波数Aに対する採点範囲上限B(高音側)と採点範囲下限C(低音側)のそれぞれの幅を同じとしているが、採点範囲上限Bと採点範囲下限Cとを異なる幅としても良い。
また、楽曲の全体に渡って基準周波数Aに対して同じ幅で採点範囲を設定しているが、楽曲中の部分によって異なる幅により採点範囲を設定するようにしても良い。例えば、難易度が「NORMAL」の場合、楽曲のサビの部分については採点範囲を狭くし、その他の部分についてはサビの部分よりも採点範囲を広くするように採点範囲上下限をそれぞれ設定する。また、この場合、難易度が変更されることによる採点範囲の変更幅を楽曲の部分によって異なるようにしても良い。例えば難易度が「NORMAL」から「EASY」に変更された場合に、楽曲のサビの部分について変更される採点範囲の幅よりも、その他の部分について変更される採点範囲の幅の方を大きくするといったことが可能である。
また、前述した説明では、ユーザに指定された難易度に応じて、図8に示すように、楽曲のメロディ(基準周波数A)に対する採点範囲の幅を変更するものとして説明しているが、その他の採点基準をユーザにより指定される難易度に応じて変更するようにしても良い。
例えば、入力音声データ22cの入力音声レベルをもとに、歌唱音声の強度について判定をするようにしても良い。楽曲データ22b(ガイドメロディトラック)のデータからは、メロディの音量の変化についても判別することができるため、この音量について採点範囲を設定して、前述と同様にして採点を実行することもできる。前述した音程に対する判定と同様にして、難易度が変更されるのに応じて入力音声レベルに対する採点範囲の上下限を変更して採点を実行する。同様にして、難易度に応じて、歌唱音声を入力するタイミングのずれを許容する幅を変更するようにしても良い。
また、前述した採点処理において、入力音声レベルが所定値以上であるかを判別しているが(ステップB4)、カラオケ機能を携帯電話機10単体で実行している場合(スピーカ33から楽曲を出力し、マイク29から音声を入力する場合)と、ヘッドセット19あるいはモニタ装置18が接続されている場合とによって変更するようにしても良い。例えば、ヘッドセット19を使用する場合には、楽曲の出力はヘッドセット19に設けられたスピーカ19bから出力されるため、この楽曲の音声がヘッドセット19のマイク19aあるいはマイク29からほとんど入力されることがない。従って、入力音声レベルを判別するための所定値を携帯電話機10を単体で使用する場合よりも低く設定して、入力音声レベルが低い歌唱音声についても採点対象とすることができる。
この場合、制御部20は、ヘッドセットI/F27にヘッドセット19が接続されている、あるいはモニタ装置18がケーブルを介してモニタI/F26に接続されていることを検知すると、採点部20b3による入力音声レベルの判定に用いる所定値を変更する。採点部20b3は、ヘッドセット19あるいはモニタ装置18の接続状況に応じて変更された所定値を用いて入力音声レベルに対する判定を実行する。
また、採点処理では、音声信号処理部30により予め決められた時間毎に検出されたデータのそれぞれについて採点範囲に含まれているかを判定しているが(ステップB5)、音声入力に用いられるマイクの性能や携帯電話機10を使用する環境(周囲の騒音状況など)の影響による音声入力のバラツキに対処するため、複数の連続するデータを対象にして判定をするようにしても良い。例えば、音声信号処理部30によって50msec毎に入力音声周波数と入力音声レベルのデータが検出されている場合に、150msec分(すなわち3回分)のデータが連続して採点範囲に含まれていない場合に、採点範囲外であると判定する。すなわち、連続する複数のデータのうち一部のみが他のデータと異なる値を表す場合には、例えば音声入力に用いられるマイク性能の限界により、正しく歌唱音声が入力されていない可能性があるため、こうしたデータを排除するように判定をすることにより、マイク性能や環境に影響されない安定した採点を実施することができる。
なお、前述した説明では、カラオケ機能が搭載された携帯電話機10を対象として説明しているが、業務用や家庭用のカラオケ装置、パーソナルコンピュータ(PC)、PDA(personal digital assistant)において適用することも可能である。カラオケ装置、PC、あるいはPDAなどの情報装置において、前述したように難易度設定をユーザ指定に応じて実行し、この設定された難易度(難易度設定データ22d)に応じた採点処理を実行して採点結果を表示する。
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
また、実施形態に記載した手法は、計算機(コンピュータ)に実行させることができるプログラム(ソフトウエア手段)として、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD、MO等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、計算機に実行させるソフトウエア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)を計算機内に構成させる設定プログラムをも含む。本装置を実現する計算機は、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウエア手段を構築し、このソフトウエア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、計算機内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。
本実施形態におけるカラオケ機能が搭載された携帯電話機10を用いたシステム構成を示す図。 本実施形態における携帯電話機10の構成を示すブロック図。 図2中に示す音声信号処理部30の詳細な構成を示すブロック図。 楽曲データ22bの一例を示す図。 入力音声データ22cの一例を示す図。 本実施形態における難易度設定処理を説明するためのフローチャート。 本実施形態における表示画面例を示す図。 本実施形態における難易度設定処理により設定された難易度に応じた採点基準の変更について説明するための図。 本実施形態における採点処理を説明するためのフローチャート。
符号の説明
10…携帯電話機、12…基地局、14…ネットワーク、16…サーバ、18…モニタ装置、19…ヘッドセット、20…制御部、20a…電話機能制御部、20b…カラオケ制御部、20b1…楽曲再生部、20b2…難易度設定部、20b3…採点部、22…記憶部、22a…カラオケ制御プログラム、22b…楽曲データ、22c…入力音声データ、22d…難易度設定データ、23…表示部、24…入力部、25…無線通信部、25a…アンテナ、26…モニタI/F、27…ヘッドセットI/F、28…音声入力部、29…マイク、30…音声信号処理部、30a…音量検出部、30b…FFT部、30c…周波数検出部、31…音源部、32…音声出力部、33…スピーカ。

Claims (3)

  1. カラオケ機能が搭載された情報装置において、
    難易度の指定を入力する指定入力手段と、
    前記指定入力手段により入力された指定に応じて複数段階の何れかの難易度を設定する難易度設定手段と、
    カラオケ用の楽曲を出力する出力手段と、
    前記出力手段により出力される楽曲に対する歌唱音声を入力する入力手段と、
    前記出力手段により出力された楽曲のメロディの音程変化を基準とした、前記難易度設定手段により設定された難易度に応じた採点範囲上限と採点範囲下限とを設定する音程範囲設定手段と、
    前記音程範囲設定手段により設定された前記採点範囲上限と前記採点範囲下限により示される音程範囲内に、前記入力手段により入力された歌唱音声の音程が含まれる状況に応じて得点を算出する算出手段とを具備したことを特徴とするカラオケ機能が搭載された情報装置。
  2. 前記入力手段により入力された歌唱音声の音量レベルが所定レベル以上であるかを判別する音量レベル判別手段をさらに具備し、
    前記採点手段は、前記音量レベル判別手段により音量レベルが前記所定レベル以上と判別された歌唱音声をもとに採点を行うことを特徴とする請求項1記載のカラオケ機能が搭載された情報装置。
  3. 前記出力手段により出力されるカラオケ用の楽曲を外部装置に出力する外部出力手段と、
    前記外部出力手段により楽曲が前記外部装置に出力される場合に、前記音量レベル判別手段による判別の基準となる前記所定レベルを変更する所定レベル変更手段とをさらに具備したことを特徴とする請求項3記載のカラオケ機能が搭載された情報装置。
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