JP4227208B2 - 半導体製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体基板(ウエハ)等を保持板(チャック)に真空吸着する機構を有する半導体製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路(IC)の微細化が進むにつれて、ウエハチャックとウエハステージの参照ミラーの結合度は高まる方向にある。また、コストを下げるためウエハは大きくなり、半導体製造装置の単位時間あたりのウエハ処理枚数(スループット)も年々向上している。また、ウエハの熱変形は寸法誤差の要因の大きな部分を占めるようになってきたため、半導体製造装置のウエハチャック付近での発熱は極めて小さく抑えられるように設計されてきている。ウエハチャックを大きく回転させる機構、すなわちウエハチャックと参照ミラーの結合度の弱い機構は精度の劣化を招くため敬遠され、ウエハ自身を別途設けた回転ステージにて回転した後、ウエハチャックに真空吸着する方法が提案されつつある。このような提案に係る半導体製造装置では、ウエハチャックの真空吸着を行なうための電磁弁が必要であるが、電磁弁は通電時に発熱するため、ウエハチャックから離れた位置、例えばウエハステージ可動部と離れた固定部に配置される。そしてウエハチャックと電磁弁は屈曲性のある管により接続されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では、電磁弁動作から、チャック部分の圧力が変化するまでの時定数は、管の配管抵抗に比例して長くなるため、管路が長い場合や細い場合は時間がかかり、スループットの低下を招く。配管抵抗を下げるために管を同じ材料、厚さで太くすると真空圧により管が潰れやすくなってしまう。そこで管を丈夫にするとウエハステージの移動の抵抗が増え、ウエハステージの位置決め性能が低下する。また、耐久性も下がるという欠点があった。
【0004】
本発明は、基板位置決め性能を損なうことなく、チャック付近での発熱を抑え、かつスループットの向上を図ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段および作用】
上記の目的を達成するため本発明の半導体製造装置は、真空源と、管と、前記真空源に前記管を介して接続されて基板を真空吸着するチャックと、前記チャックを搭載して固定部に対し移動するステージと、前記真空源に接続する状態と大気開放状態とを切り換えるための、前記固定部に配置されて前記管に接続された第1の3方電磁弁と、前記第1の3方電磁弁の動作を制御する制御手段とを有する半導体製造装置であって、前記管に接続する状態と大気開放状態とを切り換えるための、前記ステージに配置されて前記チャックに接続された第2の3方電磁弁を有し、前記第1の3方電磁弁が消勢されたときに前記管は前記真空源に接続する状態となり、第1および第2の3方電磁弁が共に消勢されたときに前記チャックは前記管を通して前記真空源に接続する状態となり、
前記第1の3方電磁弁が付勢されたときに前記管は大気開放状態となり、前記第2の3方電磁弁が付勢されたときに前記チャックは大気開放状態となり、前記第1の3方電磁弁が付勢され前記第2の3方電磁弁が消勢されたときに前記チャックは前記管を通して大気開放状態となり、前記制御手段は、前記第2の3方電磁弁の動作を制御し、前記第1および第2の3方電磁弁を消勢することにより前記チャックに基板を吸着させた状態において前記第1および第2の3方電磁弁を付勢することにより前記チャックを大気開放し、該付勢してから前記管が大気開放される時間が経過したとき前記第2の3方電磁弁を消勢する、
ことを特徴とする。
【0006】
さらに、本発明の半導体製造装置は、真空源と、管と、前記真空源に前記管を介して接続されて基板を真空吸着するチャックと、前記チャックを搭載して固定部に対し移動するステージと、前記真空源に接続する状態と大気開放状態とを切り換えるための、前記固定部に配置されて前記管に接続された第1の3方電磁弁と、前記第1の3方電磁弁の動作を制御する制御手段とを有する半導体製造装置であって、前記管に接続する状態と大気開放状態とを切り換えるための、前記ステージに配置されて前記チャックに接続された第2の3方電磁弁を有し、前記第1の3方電磁弁が消勢されたときに前記管は前記真空源に接続する状態となり、前記第1および第2の3方電磁弁が共に消勢されたときに前記チャックは前記管を通して前記真空源に接続する状態となり、前記第1の3方電磁弁が付勢されたときに前記管は大気開放状態となり、前記第2の3方電磁弁が付勢されたときに前記チャックは大気開放状態となり、前記第1の3方電磁弁が付勢され前記第2の3方電磁弁が消勢されたときに前記チャックは前記管を通して大気開放状態となり、前記制御手段は、前記第2の3方電磁弁の動作を制御し、前記第1の3方電磁弁を付勢して前記第2の3方電磁弁を消勢することにより前記チャックを大気開放させた状態において前記第2の3方電磁弁を付勢したのち前記第1の3方電磁弁を消勢することにより前記チャックの大気開放状態を維持しつつ前記管内の圧力を下げ、前記第1の3方電磁弁を消勢したときから前記管内の圧力が安定するまでの時間が経過したのち前記第2の3方電磁弁を消勢することにより、前記チャックに載った基板を前記チャックに吸着させる、ことを特徴とする。
【0010】
【実施例】
(第1の実施例)図1は本発明の一実施例に係る半導体製造装置のウエハチャック配管の説明図である。同図において、1は半導体基板であるウエハ、2はウエハ1を保持するウエハチャック、3はウエハチャック2付近に設けられウエハチャック2へバキューム圧と大気圧を切り換えるための第2の3方電磁弁である近接電磁弁(ソレノイドバルブN)、4はウエハステージ可動部と固定部を結ぶバキューム配管であるところのチューブ、7はウエハステージ固定部に設けられ、バキューム圧(0atm)と大気圧(1atm)を切り換えるための第1の3方電磁弁(ソレノイドバルブF)、6はバキューム圧を発生している真空圧源(例えば真空ポンプなど)、5は近接電磁弁3、電磁弁7を含み半導体製造装置の動作を制御するところのコントローラである。近接電磁弁3は、ウエハチャック2を搭載して移動するウエハステージ可動部(不図示)上に配置されている。また、電磁弁7は、上記ウエハステージ等を搭載する定盤(不図示)などの固定部に配置されている。
【0011】
次に、図1の半導体製造装置の動作を説明する。ウエハ1がウエハチャック2に不図示のウエハ搬送システムにより載せられた後に、コントローラ5は近接電磁弁3と電磁弁7をオフ(消勢)し、チューブ4およびウエハチャック2へ真空圧源6からの負圧を供給してウエハ1をウエハチャック2に吸着する。コントローラ5は、不図示のプリアライメント計測システムによって、装置基準からのウエハの回転量を計測する。次にコントローラ5は、図2に示すように、近接電磁弁3と電磁弁7をオン(付勢)し、チューブ4およびウエハチャック2を大気開放にする。ウエハチャック2の圧力はチューブ4の圧力よりも迅速に大気圧に近付く。コントローラ5はチューブ4の圧力と大気圧との差が等しくなるまでの時間toが経過した後に、近接電磁弁3をオフする。コントローラ5は不図示の粗θ回転ステージにより、ウエハ1をウエハチャック2より離した後、プリアライメント計測システムによって計測されたウエハの回転量が装置基準と等しくなる方向へ回転させ、再度ウエハチャック2へ載せる。粗θ回転ステージの動作と並行して、コントローラ5は予め近接電磁弁3をオンしたのちに電磁弁7をオフしておく。これらのタイミングは粗θ回転ステージの回転量とウエハを再度ウエハチャック2へ載せるまでの動作時間と予め測定した電磁弁7のオフからチューブ4の圧力が安定するまでの時間tcを考慮して、ウエハ1が再度ウエハチャック2へ載るタイミングからさかのぼってコントローラ5が決定する。
【0012】
ウエハ1が再度ウエハチャック2へ載った後に、コントローラ5は近接電磁弁3をオフし、チューブ4の負圧をウエハチャック2へ供給する。
【0013】
(他の実施例)なお、上述においては、近接電磁弁3として3方電磁弁を用い、これを電磁弁7とウエハチャック2を接続するチューブ4上に設けた例、すなわち2つの電磁弁3,7を直列に接続した例を示したが、基板の吸着および解放の一方のみの動作時間を改善すれば足りる場合は、近接電磁弁3としては2方電磁弁を用いることもできる。また、この場合、近接電磁弁3はチューブ4とは別個のチューブでウエハチャック2に接続すること、すなわち2つの電磁弁3,7を並列に接続することもできる。
【0014】
さらに、電磁弁3,7の付勢および非付勢(消勢後付勢前)の状態と大気開放および真空供給の組み合わせも、全体として発熱が少なくて所望の大気開放および真空が供給されるようなものとすればよい。例えば上述の実施例では、電磁弁3および7の双方とも付勢で大気開放、非付勢で真空供給となるように真空圧源6、電磁弁7、チューブ4、電磁弁3およびウエハチャック2等の各要素を接続しているが、特に、基板解放状態の方が基板吸着状態より長くなる場合、電磁弁7の付勢で真空供給、非付勢で大気開放となるように接続してもよい。
【0015】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、基板位置決め性能を損なうことなく、チャック付近での発熱を抑え、かつスループットを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例に係る半導体製造装置のウエハチャック配管を説明する図である。
【図2】 本発明の第1の実施例に係る半導体製造装置のウエハチャック配管に設けた電磁弁の動作を説明する図である。
【符号の説明】
1…ウエハ、 2…ウエハチャック、 3…近接電磁弁、
4…チューブ、 5…コントローラ、 6…真空圧源、 7…電磁弁。
Claims (2)
- 真空源と、管と、前記真空源に前記管を介して接続されて基板を真空吸着するチャックと、前記チャックを搭載して固定部に対し移動するステージと、前記真空源に接続する状態と大気開放状態とを切り換えるための、前記固定部に配置されて前記管に接続された第1の3方電磁弁と、前記第1の3方電磁弁の動作を制御する制御手段とを有する半導体製造装置であって、
前記管に接続する状態と大気開放状態とを切り換えるための、前記ステージに配置されて前記チャックに接続された第2の3方電磁弁を有し、
前記第1の3方電磁弁が消勢されたときに前記管は前記真空源に接続する状態となり、
第1および第2の3方電磁弁が共に消勢されたときに前記チャックは前記管を通して前記真空源に接続する状態となり、
前記第1の3方電磁弁が付勢されたときに前記管は大気開放状態となり、
前記第2の3方電磁弁が付勢されたときに前記チャックは大気開放状態となり、
前記第1の3方電磁弁が付勢され前記第2の3方電磁弁が消勢されたときに前記チャックは前記管を通して大気開放状態となり、
前記制御手段は、前記第2の3方電磁弁の動作を制御し、前記第1および第2の3方電磁弁を消勢することにより前記チャックに基板を吸着させた状態において前記第1および第2の3方電磁弁を付勢することにより前記チャックを大気開放し、該付勢してから前記管が大気開放される時間が経過したとき前記第2の3方電磁弁を消勢する、
ことを特徴とする半導体製造装置。 - 真空源と、管と、前記真空源に前記管を介して接続されて基板を真空吸着するチャックと、前記チャックを搭載して固定部に対し移動するステージと、前記真空源に接続する状態と大気開放状態とを切り換えるための、前記固定部に配置されて前記管に接続された第1の3方電磁弁と、前記第1の3方電磁弁の動作を制御する制御手段とを有する半導体製造装置であって、
前記管に接続する状態と大気開放状態とを切り換えるための、前記ステージに配置されて前記チャックに接続された第2の3方電磁弁を有し、
前記第1の3方電磁弁が消勢されたときに前記管は前記真空源に接続する状態となり、
前記第1および第2の3方電磁弁が共に消勢されたときに前記チャックは前記管を通して前記真空源に接続する状態となり、
前記第1の3方電磁弁が付勢されたときに前記管は大気開放状態となり、
前記第2の3方電磁弁が付勢されたときに前記チャックは大気開放状態となり、
前記第1の3方電磁弁が付勢され前記第2の3方電磁弁が消勢されたときに前記チャックは前記管を通して大気開放状態となり、
前記制御手段は、前記第2の3方電磁弁の動作を制御し、前記第1の3方電磁弁を付勢して前記第2の3方電磁弁を消勢することにより前記チャックを大気開放させた状態において前記第2の3方電磁弁を付勢したのち前記第1の3方電磁弁を消勢することにより前記チャックの大気開放状態を維持しつつ前記管内の圧力を下げ、前記第1の3方電磁弁を消勢したときから前記管内の圧力が安定するまでの時間が経過したのち前記第2の3方電磁弁を消勢することにより、前記チャックに載った基板を前記チャックに吸着させる、
ことを特徴とする半導体製造装置。
Priority Applications (1)
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JP1001498A JP4227208B2 (ja) | 1998-01-05 | 1998-01-05 | 半導体製造装置 |
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JP1001498A JP4227208B2 (ja) | 1998-01-05 | 1998-01-05 | 半導体製造装置 |
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JP1001498A Expired - Fee Related JP4227208B2 (ja) | 1998-01-05 | 1998-01-05 | 半導体製造装置 |
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JP7414513B2 (ja) * | 2019-12-20 | 2024-01-16 | キヤノン株式会社 | 弁装置、保持装置、リソグラフィ装置、および物品の製造方法 |
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