JP4226148B2 - 舗装構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車道に適用可能な舗装構造、特に雨水浸透型の舗装構造に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
路面の舗装構造には、よく知られているように、透水性のものと排水性(表層以外は不透水性)のものとがある。このうち前者は、現在、車道には殆ど適用されておらず、歩道への適用に限られている。これは、車道に透水性の舗装構造を採用した場合、雨水が路盤を通過して路床に達し、それを軟弱化させて、わだち掘れなどを発生させるからである。この場合には、言うまでもなく、舗装の供用性能すなわち耐久性は急速に低下する。
【0003】
なお、車道に透水性舗装構造が採用されたケースが皆無なわけではない。しかし、それは、交通量(特に大型車の交通量)が極めて少なく、実質上、大型車が全く走行しないような道路に限定されている。その上、車道に透水性舗装構造を適用する場合には、やはり路床の軟弱化を抑えるため、路盤と路床との境界位置に、砂を用いて、厚さ15cmものフィルター層を形成しなければならない。
【0004】
ここで、参考までに、車道の交通量区分について説明する。
車道の交通量は、以下の表1に示すごとく、五つに区分されている(社団法人日本道路協会編「アスファルト舗装要綱」による)。上記透水性舗装構造が採用された車道は、交通量区分がL交通以下の歩行者系道路で、歩行者や自転車以外に、最大積載量4t以下の管理用車両や、限定された一般車両の通行する道路に該当するものである。
【0005】
※5t換算輪数とは、設計期間における通過全輪荷重を5t輪荷重に換算した数を意味する。
【0006】
ところで、上述した二つの舗装構造同士、すなわち透水性舗装構造と排水性舗装構造とを比較すると、特に環境面への配慮(雨水の自然循環促進)から、前者の方が後者よりも好ましい。しかし、透水性舗装構造は、上述したような理由から、交通量区分がL交通以下の車道にしか適用することはできない。
ちなみに、極めて例外的ではあるが、透水性のアスファルト舗装構造が、上記A交通に相当する車道に適用された事例が存在する。しかし、この場合には、ごく一般的な排水性のアスファルト舗装構造に比べて、次のような特別の対策を講じる必要がある。すなわち、まず、排水性の舗装構造に比べて、舗装厚さ、特に路盤厚さを大幅に増大させねばならない。また、上層路盤および下層路盤を構成する材料としては、所期の雨水浸透性能を得るために、粒径が4.75mm以下の細粒分を除去した特殊なクラッシャランを使用する必要がある。このように、車道に透水性のアスファルト舗装構造を適用する際には、多大な労力や特殊な材料が要求され、施工コストが極めて高くつく。
【0007】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、交通量の多い車道にも適用可能な透水性の舗装構造を提供することである。特に、交通量の多い車道にも適用可能であって、かつ、施工コストが低廉な透水性の舗装構造を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この課題は、C交通の交通量区分に対応可能な、路床上に設けられる透水性の舗装構造であって、ポーラスコンクリートブロックからなる表層と、この表層の下方に設けられたクッション層と、このクッション層の下方に設けられたポーラスアスファルト処理混合物からなる基層と、この基層の下方で、かつ、前記路床の上方に設けられた、透水係数が1.0×10 −3 〜1.0×10 −4 (cm/sec)である、セメント安定処理物(特に透水性のセメント安定処理物)からなる路盤とを具備してなることを特徴とする舗装構造によって解決される。
【0009】
特に、上記の課題は、C交通の交通量区分に対応可能な、路床上に設けられる透水性の舗装構造であって、ポーラスコンクリートブロックからなる表層と、この表層の下方に設けられたクッション層と、このクッション層の下方に設けられたポーラスアスファルト処理混合物からなる基層と、この基層の下方に設けられた透水係数が1.0×10 −3 〜1.0×10 −4 (cm/sec)である、セメント安定処理物(特に透水性のセメント安定処理物)からなる上層路盤と、この上層路盤の下方で、かつ、前記路床の上方に設けられた透水係数が1.0×10 −3 〜1.0×10 −4 (cm/sec)である、セメント安定処理物(特に透水性のセメント安定処理物)からなる下層路盤とを具備してなることを特徴とする舗装構造によって解決される。
【0010】
すなわち、本発明では、上述したようにポーラスコンクリートブロックからなる表層、クッション層、ポーラスアスファルト処理混合物からなる基層、そしてセメント安定処理物からなる路盤を、最後のものから順に路床上に積重することにより、透水性の舗装構造(ブロック舗装構造)を構成している。つまり、表層より浸透した雨水などが、クッション層、基層、路盤を順に経て、路床に到達するような構造となっている。そして、本発明では、特に上記セメント安定処理物からなる路盤の透水係数を、1.0×10 −3 〜1.0×10 −4 (cm/sec)としている。したがって、雨水などの水分は最終的に路床に到達するものの、その量は路床を軟弱化させない程度に抑えられる。ゆえに、本発明の舗装構造は、歩道はもちろんのこと車道に適用された場合でも、路床の軟弱化に起因して、わだち掘れなどが発生することはなく、優れた耐久性が得られる。また、上記本発明の舗装構造は、粒径を調整した特殊な材料(例えばクラッシャラン)を使用する必要がなく、あるいは、砂などを用いて厚みの大きなフィルター層を形成する必要もない。よって、施工コストは低廉である。総じて言えば、本発明により、交通量の多い車道にも適用可能な透水性の舗装構造を実現することができる。特に、大型車交通量の多い車道にも適用可能であって、かつ、施工コストが低廉な透水性の舗装構造を実現することができる。更に、本発明の舗装構造は、次のような効果も発揮する。すなわち、路盤まで浸透した水分の一部は、一時的にそこに蓄えられる。したがって、路面温度が上昇すると、この一時的に蓄えられていた水分が、浸透時の経路とは逆の経路で、表層つまりポーラスコンクリートブロックに到達し、そこから蒸散する。この結果、路面の温度上昇が抑えられ、近年、特に深刻化しているヒートアイランド現象を緩和することが可能となる。
【0011】
路盤(上層路盤および/又は下層路盤)の透水係数は、1.0×10 −3 〜1.0×10 −4 (cm/sec)である。更に言えば、路盤を上層路盤および下層路盤に分ける場合には、前者の透水係数を後者のそれよりも大きくすることが望ましい。言い換えれば、上層路盤よりも下層路盤の方が水を通しにくいようにすることが好ましい。
【0012】
ここで参考までに言うと、上記透水係数に関係する透水性(例えば地盤の透水性)は、以下の表2に示すごとく、五つに区分されている(社団法人日本道路建設業協会編「透水性舗装ハンドブック」による)。
さて翻って、上記本発明の舗装構造においては、平面方向の補強のため、更には表層を構成するブロック下層のクッション材料による基層表面の空隙詰まりを防止するため、クッション層と基層との間に、ジオテキスタイルを介在させてなることが好ましい。なお、ジオテキスタイルとは、ここであらためて説明するまでもなく、引張力に抗するための合成高分子材料からなる補強材の総称であり、織布、不織布、ネットなどの形態で提供されている。
【0013】
また、上記舗装構造において、路肩に対応する位置(特に車道両端)には、少なくとも表層、クッション層、基層および路盤に隣接して側溝が設けられてなると共に、この側溝は、少なくとも前記表層、前記クッション層、又は前記基層のいずれか一つより流入した水を、下方側から排出することが可能な透水機能を有することが好ましい。これは、主として、雨水などの路床への浸透量を、いかなる状況下でも常に一定値以下に抑え、かつ、更に積極的に雨水などの水分を自然循環させるためである。なお、側溝内に一時的に溜まった水分は、歩道側に排出されることになる。また、上記のごとく側溝を設置する場合には、同側溝の側壁に通水用の開口が形成されることになるが、この開口と、表層・クッション層・基層(および路盤)との間にも、上記ジオテキスタイルを介在させてなることが好ましい。ちなみに、従来は車道端部に、その横断勾配に合わせてカナドレーンと呼ばれる排水設備を構成する必要があったが、上記のごとく側溝を設置することで、このカナドレーンが不要になる。
【0014】
そして本発明では、表層、クッション層、基層および路盤のうちの少なくとも一つを、廃棄物を再利用してなる材料から構成することができる。特に、表層、クッション層、基層および路盤の全てを、廃棄物を再利用してなる材料から構成することが好ましく、これは廃棄物問題解決の一助となる。なお、上記側溝(正確には側溝部材)についても、同じく廃棄物を再利用してなる材料から構成したものを用いることができる。ちなみに、ここで言う廃棄物としては、例えば、都市ゴミ焼却灰・溶融スラグなどの一般廃棄物、コンクリート廃材などの建設廃棄物、鉄鋼スラグ・瓦廃材・磁器質タイルカレットといった産業廃棄物などが挙げられる。
【0015】
更に言えば、本発明の舗装構造に採用されるクッション材料としては、透水性に優れ、交通荷重が繰り返し作用しても材料の細粒化が生じず耐久性にも優れ、その上、液状化や固結化などの原因となるシルト分(細粒分)をほとんど含まない、敷き均しなどの施工性の良いものが望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下で本発明の一実施形態として説明する舗装構造は、C交通の交通量区分に対応可能な、路床上に設けられる透水性の舗装構造であって、ポーラスコンクリートブロックからなる表層と、この表層の下方に設けられたクッション層と、このクッション層の下方に設けられたポーラスアスファルト処理混合物からなる基層と、この基層の下方に設けられた、透水係数が1.0×10 −3 〜1.0×10 −4 (cm/sec)である、透水性のセメント安定処理物からなる上層路盤と、この上層路盤の下方で、かつ、路床の上方に設けられた、透水係数が1.0×10 −3 〜1.0×10 −4 (cm/sec)である、透水性のセメント安定処理物からなる下層路盤と、を具備してなることを特徴とする。特に本実施形態では、クッション層と基層との間にジオテキスタイルを介在させている。また、路肩に対応する位置(車道両端)には、表層、クッション層、基層および路盤に隣接して側溝が設けられてなると共に、この側溝は、上記表層、クッション層および基層より流入した水を下方側から排出することが可能な透水機能を有する。更に、本実施形態の舗装構造を構成する表層、クッション層、基層および路盤は、全て各種の廃棄物を再利用してなる材料から構成されたものである。
【0017】
次に、図1を用いて、本発明の実施形態を更に具体的に説明する。なお、図1は本実施形態に係る舗装構造(車道の舗装構造)の断面を示す概略図である。但し、図1には歩道部分の断面についても併せて示してある。また、舗装構造は基本的に左右対称であるので、右側部分については省略した。
さて、本実施形態に係る舗装構造(以下、本舗装構造と言う)は、路床上に設けられるものであり、正確には、透水性を有する車道用のブロック舗装の構造に関する。
【0018】
本舗装構造は、図1から判るように、表層1、クッション層2、基層3、上層路盤4、下層路盤5、そして側溝6を具備し、特に、表層1、クッション層2、基層3、上層路盤4、そして下層路盤5を、後のものから順に路床7の上に積重して得られたものである。なお後に詳述するように、これら全ての構成要素(路床7を除く)は、廃棄物問題の解消を企図し、同廃棄物を再利用してなる材料から構成されている。
【0019】
さて、上記構成要素のうち表層1は、平面的に配列された、透水性を有する複数のポーラスコンクリートブロック8から構成されている。特に、このポーラスコンクリートブロック8は、産業廃棄物であるタイルカレット(タイル屑)を細かく砕いて得た骨材を使用して製造されたものである。
ちなみに、同ポーラスコンクリートブロック8は、「インターロッキングブロック」と呼ばれており、その外形は単なる直方体状ではなく、互いに噛み合って位置を固定できるよう側面に凹凸が構成されている(但し必要とあれば、側面が平滑な直方体状すなわちレンガ状のブロックを使用することもできる)。なお、ポーラスコンクリートブロック8同士の間には、数mm程度の間隙すなわち目地が形成される。本実施形態では、この目地に目地砂9を充填している。
【0020】
一方、上記表層1の下方に設けられるクッション層2について、本実施形態では、廃棄物であるタイルカレット(タイル屑)を粗く砕いて得たものを使用している。また、このクッション層2の下方、すなわちクッション層2と基層3との間には、ジオテキスタイル(不織布タイプ)10を介在させている。
クッション層2の下方、正確にはジオテキスタイル10の下方に設けられた基層3は、ポーラスアスファルト処理混合物から構成されている。更に具体的に言うと、同基層3は開粒度スラグ入りアスファルト混合物からできている。なお、このことからも判るように、本実施形態では、基層3を構成する廃棄物(再利用産業廃棄物)としてスラグ、特に溶鉱炉での鉄の精錬に伴って排出された水砕スラグを用いている。
【0021】
基層3の下方に設けられた上層路盤4は、透水性のセメント安定処理物から構成されている。更に具体的に言うと、この上層路盤4は、建設廃棄物であるコンクリート塊を再生してなる粒度調整砕石を骨材として用いた、透水性のセメント安定処理物からできている。なお、同上層路盤4の透水係数は、1.0×10−3〜1.0×10−4(cm/sec)である。
【0022】
更に、上記上層路盤4の下方で、かつ、路床7の上方に設けられた下層路盤5も、透水性のセメント安定処理物から構成されている。但し、この下層路盤5は廃棄物である瓦屑を破砕したものと、現地すなわち本舗装構造が採用される場所から採取した土(路床土)との混合物を骨材として用いた点で、上層路盤4とは相違する。なお、同下層路盤5の透水係数も、1.0×10−3〜1.0×10−4(cm/sec)である。しかし、通常は、上層路盤4の透水係数が、下層路盤5のそれよりも大きくなるよう設定される。
【0023】
上記各構成要素と共に本舗装構造を構成する側溝(正確には側溝部材)6は、同舗装構造において路肩に対応する位置(車道両端)に、表層1、クッション層2、基層3、上層路盤4および下層路盤5に隣接して設けられている。特に、この側溝6の側壁には、表層1、クッション層2および基層3に面する開口6aが形成されており、これによって側溝6内には、表層1、クッション層2および基層3から雨水などが流入するようになっている。また、側溝6の底部には、貫通孔6bが形成されている。よって、開口6aから側溝6内に流入した水は、貫通孔6bから自然に排出されることになる。つまり、側溝6は透水機能を有している。なお、側溝6と、表層1・クッション層2・基層3・上層路盤4・下層路盤5との間には、上述したジオテキスタイル(不織布タイプ)11が介在させられている。したがって、雨水は、このジオテキスタイル11を経て側溝6内に流入する。
【0024】
ちなみに、側溝6の下方には、比較的粒径の小さな粒状材からなる支持層12が存在する。また、車道と歩道とを区分する縁石13の下方にも、同じく比較的粒径の小さな粒状材からなる支持層14が存在し、更に、この支持層14の下方には比較的粒径の大きな粒状材からなる支持層15が設けられている。よって、側溝6から排出された水は、支持層12、支持層15を順に通過し、更に、この支持層15に対応して設けられたジオテキスタイル16を経て、歩道側の路床17に送り込まれる。なお、歩道側には透水性アスファルト舗装構造が採用されており、透水性の表層18から浸透した雨水などは、路盤19を通過して、同じく路床17に到達する。
【0025】
更に言えば、上記側溝6についても、廃棄物(例えばフライアッシュ)を再利用してなる材料から構成されたものである。また、側溝6の上部開口6cは、通常、通水孔20aを備えた蓋20によって閉塞されている。さて上述したように、本実施形態では、ポーラスコンクリートブロック8からなる表層1、クッション層2、ポーラスアスファルト処理混合物からなる基層3、そして透水性のセメント安定処理物からなる上層・下層路盤4,5を、最後のものから順に路床7上に積重することにより、透水性の舗装構造(ブロック舗装構造)を構成している。つまり、表層1より浸透した雨水などが、クッション層2、基層3、上層・下層路盤4,5を順に経て、路床7に到達するような構造となっている。そして本実施形態では、セメント安定処理物からなる上層・下層路盤4,5の透水係数を、1.0×10−3〜1.0×10−4(cm/sec)としている。したがって、雨水などの水分は最終的に路床7に到達するものの、その量は路床7を軟弱化させない程度に抑止される。ゆえに、本舗装構造は、歩道はもちろんのこと車道に適用された場合でも、路床の軟弱化に起因して、わだち掘れなどが発生することはなく、優れた耐久性が得られる。また、本舗装構造では、粒径を調整した特殊な材料(例えばクラッシャラン)を使用する必要がなく、あるいは、砂などを用いて厚みの大きなフィルター層を路床上に形成する必要や、車道端部に特別な排水設備を設置する必要もない。よって施工コストは低く抑えられる。そして、この結果、大型車交通量の多い車道にも適用可能であって、かつ、施工コストが低廉な透水性の舗装構造を実現することができる。
【0026】
更に、本舗装構造は次のような効果を発揮する。すなわち、上層路盤4、そして下層路盤5まで浸透した水分の一部は、一時的にそこに蓄えられる。したがって、路面温度が上昇すると、この一時的に蓄えられていた水分が、浸透時の経路とは逆の経路で、表層1つまりポーラスコンクリートブロック8に到達し、そこから蒸散する。この結果、路面の温度上昇が抑えられ、近年、特に深刻化しているヒートアイランド現象が緩和される。
【0027】
加えて本舗装構造には、次のような特長もある。すなわち、まず第一に、ブロック舗装であることから、アスファルト舗装に比べて景観性に優れる。第二に、表層1がポーラスコンクリートブロック8からなるから、タイヤと路面との接触によって発生する騒音(ロードノイズ)が吸収され、この結果、騒音低減効果が発揮される。第三に、ポーラスコンクリートブロック8からなる表層1は、車の制動性を高めるだけでなく、表面すなわち路面に水が溜まらない。よって、雨天時において、スリップ事故や、ときとして交通事故の原因ともなるハイドロプレーニング現象が抑えられる。また、同じ理由から、路面のスモーキング現象も抑えられるので、路面視認性が向上し、雨天時においても路面表示を正確に読み取ることが可能となる。
【0028】
【実施例】
舗装構造の各部(路床を含む)▲1▼〜▲8▼を、以下に示すような条件にて構成し、上記実施形態に係る舗装構造を得た。
▲1▼表層
構造材:透水性インターロッキングブロック(イズコン社製)
厚さ:100mm
透水係数:1.0×10-1(cm/sec)
再利用された廃棄物:タイルカレット(タイルを細かく破砕した後に、骨材として利用)
▲2▼クッション層
厚さ:20mm
透水係数:1.0×10-1(cm/sec)
再利用された廃棄物:タイルカレット(タイルを細かく破砕した後、そのまま敷設)
▲3▼ジオテキスタイル
形態:不織布タイプ(英国ICI社製)
透水係数:1.0×10-1(cm/sec)
▲4▼基層
構造材:ポーラスアスファルト処理混合物
厚さ:50mm
透水係数:1.0×10-1(cm/sec)
再利用された廃棄物:水砕スラグ(溶鉱炉での鉄の精錬に伴って排出されたものを細骨材として利用)
▲5▼上層路盤
構造材:セメント安定処理物
厚さ:200mm
透水係数:1.0×10-3(cm/sec)
再利用された建設廃棄物:コンクリート塊(破砕により粒度調整後、骨材として利用)
▲6▼下層路盤
構造材:セメント安定処理物
厚さ:250mm
透水係数:1.0×10-4(cm/sec)
再利用された産業廃棄物:瓦屑(破砕後、現地から採取した土と混合し、骨材として利用)
▲7▼路床
構造材:在来土(設計CBR=6)
透水係数:1.0×10-5(cm/sec)
▲8▼側溝
型式:T−25対応型雨水浸透性側溝
透水係数:1.0×10-5(cm/sec)
再利用された廃棄物:フライアッシュ(火力発電所にて微粉炭を燃焼させた際に副生する微細な灰を細骨材として利用)
次に、上記舗装構造について、その有効性を確認するため、具体的には、交通量区分がC交通の状況に十分対応できることを確認するために試験を行った。なお、C交通の交通量区分とは、設計期間(供用期間)内に、5t輪荷重(5t換算輪数)が、計7百万回(輪)通過するような交通状況である。また、試験は、繰り返し載荷装置内に上記条件の舗装構造体を構築し、これに、直径30cmの載荷板(大型車のタイヤ接地面積に相当)を介して、5t輪荷重を計7百万回、2秒間隔で繰り返し作用させることにより行った。特に、試験中は、表層の上方から適宜散水し、実際の降雨状況を再現した。
【0029】
〔評価〕
上記試験の完了後、一般車道においては、わだち掘れに相当する舗装構造体表面の沈降量(最大値)を計測した。すると、同沈降量は23mmであった。これは、交通量の多い一般道路の維持修繕要否判断の目安となる30mm(社団法人日本道路協会「道路維持修繕要綱」による)よりも十分に小さな値である。
【0030】
また、試験後、舗装構造体を解体して、路床の軟弱化や表層を構成するブロックの破損の有無について調べた。しかし、こうした不具合は全く認められなかった。これにより、本舗装構造が、C交通の交通量区分にも十分に対応できるものであることが確認された。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、交通量の多い車道にも適用可能な透水性の舗装構造を提供できる。特に、交通量の多い車道にも適用可能であって、かつ、施工コストが低廉な透水性の舗装構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る舗装構造の断面を示す概略図
【符号の説明】
1,18 表層
2 クッション層
3 基層
4 上層路盤
5 下層路盤
6 側溝
7,17 路床
8 ポーラスコンクリートブロック
9 目地砂
10,11,16 ジオテキスタイル
12,14,15 支持層
13 縁石
19 路盤
20 蓋
Claims (5)
- C交通の交通量区分に対応可能な、路床上に設けられる透水性の舗装構造であって、ポーラスコンクリートブロックからなる表層と、この表層の下方に設けられたクッション層と、このクッション層の下方に設けられたポーラスアスファルト処理混合物からなる基層と、この基層の下方で、かつ、前記路床の上方に設けられた、透水係数が1.0×10 −3 〜1.0×10 −4 (cm/sec)である、セメント安定処理物からなる路盤とを具備してなることを特徴とする舗装構造。
- 前記路盤を上層路盤および下層路盤に分けてあり、かつ、上層路盤の透水係数を下層路盤の透水係数よりも大きくした請求項1に記載の舗装構造。
- クッション層と基層との間に、ジオテキスタイルを介在させてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の舗装構造。
- 路肩に対応する位置には、少なくとも表層、クッション層、基層および路盤に隣接して側溝が設けられてなると共に、この側溝は、少なくとも前記表層、前記クッション層、又は前記基層のいずれか一つより流入した水を下方側から排出することが可能な透水機能を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の舗装構造。
- 表層、クッション層、基層および路盤のうちの少なくとも一つが、廃棄物を再利用してなる材料から構成されたものであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の舗装構造。
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1999
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