JP4225952B2 - 微小振動検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザ光を測定対象に照射し、測定対象の振動周波数または振動変位を測定する微小振動検出装置に関する。
従来の微小振動検出装置としては、レーザ光を測定対象に照射し、それによりその反射レーザ光に付加された振動成分を取り出すことにより測定対象の振動周波数または振動変位を測定するものがある(例えば、特許文献1参照)。この微小振動検出装置では、検出する振動周波数が可聴域な低周波数帯である場合には、その振動数の2倍程度のサンプリング周期で受信時にA/D変換処理を行うことにより、振動周波数を検出することができる。
特開2001−159560号公報(第1頁、図1)
しかしながら、従来技術には次のような課題がある。従来の微小振動検出装置で使用しているレーザ光は、連続波(以下、CWと呼ぶ)を用いているため、A/D変換しない時間帯においてもレーザ光を送受信していることになり、送受信光のエネルギー利用効率が低いという問題点がある。
また、従来の微小振動検出装置では、検出する振動周波数がkHzオーダーの低周波数帯である場合には、低周波で増大するF分の1ノイズの影響を受けやすいという問題点がある。
本発明は上述のような課題を解決するためになされたもので、従来よりも送受信光のエネルギー利用効率が高く、F分の1ノイズの影響を抑えた微小振動検出装置を得ることを目的とする。
本発明に係る微小振動検出装置は、レーザ光を測定対象に照射し、その反射レーザ光に付加された振動成分を取り出すことにより測定対象の振動周波数または振動変位を測定する微小振動検出装置において、単一波長のレーザ光を生成する光源と、光源からのレーザ光を分岐する光分岐カプラと、パルス出力平均パワーが連続波の出力パワーと等しくなるように、所定のパルス幅及びパルス繰り返し周期をもつパルス波形を変調信号として生成する変調信号発生器と、変調信号発生器からの変調信号に基づいて、光分岐カプラで分岐されたレーザ光を光パルス信号に変調する光パルス変調器と、光パルス変調器で変調された光パルス信号のパルス幅とパルス繰り返し周期との比に応じて、光パルス信号を増幅する光増幅器と、送信光を照射して測定対象からの散乱光を受信する送受信光学系と、光増幅器によって増幅された光パルス信号を送信光として送受信光学系に出力するとともに、送受信光学系から送信光に対応する散乱光を受信する光サーキュレータと、光分岐カプラで分岐されたレーザ光と、光サーキュレータからの散乱光とをヘテロダイン検波し電気信号に変換する光受信機と、変調信号発生器からの変調信号に基づいて、光受信機からの電気信号を前記パルス繰り返し周期と等しいサンプリング周期で信号処理し測定対象の振動周波数または振動変位を検出する信号処理機とを備えたものである。
本発明によれば、所定のパルス幅とパルス繰り返し周期との比に応じて増幅された光パルス信号を送信光として、測定対象の振動周波数または振動変位を測定することにより、従来よりも送受信光のエネルギー利用効率が高く、F分の1ノイズの影響を抑えた微小振動検出装置を得ることができる。
以下、本発明の微小振動検出装置の好適な実施の形態について、図面を用いて説明する。本発明の微小振動検出装置は、所定のパルス幅とパルス繰り返し周期を有し、かつ、そのパルス幅とパルス繰り返し周期との比に応じて増幅された光パルス信号を測定対象への送信光として用いることにより、送信光のエネルギー効率を高めることができるとともに、ノイズの影響を低減して測定対象の振動周波数または振動変位を測定できることを特徴とする。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における微小振動検出装置の構成図である。図1における微小振動検出装置は、光源1、光分岐カプラ2、変調信号発生器3、光パルス変調器4、光増幅器5、光サーキュレータ6、送受信光学系7、光受信機8、信号処理機9、表示器10で構成され、測定対象20の微小振動を検出する。
光源1と光分岐カプラ2との間、光分岐カプラ2と光パルス変調器4との間、光パルス変調器4と光増幅器5との間、光増幅器5と光サーキュレータ6との間、光サーキュレータ6と送受信光学系7との間、光分岐カプラ2と光受信機8との間、及び光サーキュレータ6と光受信機8との間は、それぞれ光ファイバケーブルにより接続されており、図1において太い実線で示されている。
また、変調信号発生器3と光パルス変調器4との間、変調信号発生器3と信号処理機9との間、光受信機8と信号処理機9との間、及び信号処理機9と表示器10との間は、それぞれ電線ケーブルにより接続されており、図1において細い実線で示されている。さらに、送受信光学系7と測定対象20との間を通るレーザ光は、空間を伝搬し、図1において太い点線で示されている。
光源1は、単一波長のレーザ光を生成する機能を有している。光分岐カプラ2は、光源1からのレーザ光をヘテロダイン検波におけるローカル光として2つに分岐する機能を有しており、分岐した一方のローカル光を光受信機8へ出力し、他方のローカル光を光パルス変調器4へ出力する。変調信号発生器3は、所定のパルス幅及びパルス繰り返し周期をもつパルス波形を変調信号として出力する機能を有している。
光パルス変調器4は、変調信号発生器3からの変調信号に基づいて、光分岐カプラ2からのローカル光をパルス化して光パルス信号を生成する機能を有している。光増幅器5は、光パルス変調器4からの光パルス信号を増幅して出力する機能を有している。光サーキュレータ6は、光増幅器5からの増幅された光パルス信号を送受信光学系7へ出力する。
送受信光学系7は、光サーキュレータ6からの光パルス信号を送信光として測定対象20へ向けて照射する機能を有するとともに、その送信光に対する測定対象20からの散乱光を受信して、光サーキュレータ6へ送る機能を有している。先に説明した光サーキュレータ6は、送受信光学系7からの散乱光を光受信機8へ出力する機能をさらに有している。
光受信機8は、光分岐カプラ2からのローカル光と、光サーキュレータ6からの散乱光とをヘテロダイン検波し、電気信号に変換する機能を有している。信号処理機9は、変調信号発生器3からの変調信号をトリガ信号として使用し、光受信機8からの電気信号を信号処理し、測定対象20の微小振動の振幅または周波数を検出する機能を有している。さらに、表示器10は、信号処理機9で検出された測定対象20の微小振動の変位または周波数を表示する機能を有している。
ここで、光増幅器5は、エネルギー蓄積機能を有するものであり、例えば、光ファイバ増幅器などがこれに相当する。なお、本発明で用いる「エネルギー蓄積機能」とは、光増幅器5が駆動され、かつ光信号が入力されない時間帯において、光増幅器5内にエネルギーを蓄積する機能のことを意味する。
この「エネルギー蓄積機能」について、次に説明する。図2は、本発明の実施の形態1における光増幅器5のエネルギー蓄積機能の説明図である。光増幅器5は、連続光(以下、CW光と呼ぶ)が入力された場合には、図2(a)に示すように、一定の出力パワーPCWを出力する。
これに対して、光増幅器5は、光パルス信号が入力された場合には、図2(b)に示すように、光パルス信号が入力されない時間帯に蓄積されたエネルギーを一気に光パルス信号に注入し、出力する。すなわち、図2(b)におけるパルス出力平均パワーは、図2(a)におけるCW光に対する出力パワーPCWと等しくなる。
したがって、このような光増幅器5は、パルス幅wとパルス繰り返し周期Tを駆動条件として定めることにより、CW光を入力した際に出力されるパワーよりも高いピークパワーを持つ光パルス信号を出力することができる。具体的には、CW光を入力した際の出力パワーをPCWとし、光パルス信号を入力した際のパルスのデューティー比をRduty(=w/T)とすると、光パルス信号を入力した際の出力ピークパワーPpulseは、次式(1)で表される値まで高くできる。
Figure 0004225952
先に説明したように、信号処理機9は、変調信号発生器3からの変調信号をトリガ信号として使用し、光受信機8からの出力信号を信号処理する機能を有しており、A/D変換を行う。ここで、A/D変換におけるサンプリング周期は、パルスの繰り返し周期Tと同じ値とする。ただし、サンプリング時間は、パルス幅wと同程度であるとする。

ここで、「サンプリング周期」及び「サンプリング時間」について、次に説明する。図3は、本発明の実施の形態1の微小振動検出装置における「サンプリング周期」及び「サンプリング時間」の関係を示した図である。「サンプリング周期」は、A/D変換を行う繰り返し周期のことを意味する。また、「サンプリング時間」は、1回のA/D変換を行うのに要する時間のことを意味する。
また、信号処理機9は、送受信光学系7から測定対象20までの距離に対応する遅延時間だけ遅れたタイミングでA/D変換を行う機能を有している。さらに、信号処理機9は、A/D変換した波形に対してFFT処理などのスペクトル解析を行う機能を有している。なお、送受信光学系7と測定対象20との間の距離は既知であり、信号処理機9は、この既知の距離に対応する遅延時間をあらかじめ記憶しておく記憶部(図示せず)を備えているものとする。
図1において、光源1としては、例えば、LD(Laser Diode)やDFB(Distributed Feedback:分布帰還型)ファイバレーザを用いることができ、変調信号発生器3としては、例えば、パルスジェネレータを用いることができる。また、光パルス変調器4としては、例えば、音響光学変調器(Acoust Optic Modulator:AOM)やマッハツェンダー干渉型強度変調器を用いることができる。また、光受信機8としては、例えば、光バランストレシーバーを用いることができる。さらに、測定対象20としては、例えば、ガラス窓などが考えられる。
次に、図1に示した微小振動検出装置の動作について説明する。まず、光源1により単一波長のレーザ光が出射され、そのレーザ光は、光分岐カプラ2によって2方向に分岐される。光分岐カプラ2で分岐された一方のレーザ光は、ヘテロダイン検波におけるローカル光として光受信機8に到達する。光源1からのレーザ光の周波数をfとし、ローカル光の位相をφとすると、ローカル光の電界Eは、次式(2)で表される。
Figure 0004225952
また、光分岐カプラ2で分岐されたもう一方のレーザ光は、変調信号発生器3からの変調信号に応じて、光パルス変調器4により光パルス信号に変換される。
次に、光パルス変調器4から出力される光パルス信号は、光増幅器5により増幅され、パルスのピークパワーが増加する。本発明では、光増幅器5に入力する光信号として光パルス信号を用いるため、上述した光増幅器5のエネルギーの蓄積効果により、式(1)に示したように、CW光を入力した際に得られるパワーよりも高いピークパワーが得られる。
光増幅器5からの送信光は、光サーキュレータ6を介して送受信光学系7に到達する。送信光の位相をφとし、光パルス信号のエンベロープを表す項をX(t)とすると、送受信光学系7から送信される送信光の電界Eは、次式(3)で表される。
Figure 0004225952
光パルス信号のエンベロープを表す項であるX(t)は、次式(4)で表される。
Figure 0004225952
式(4)は、変調信号発生器3から発生する変調信号の立ち上がり時間をt=0とし、変調信号パルス幅をwとし、パルス繰り返し周期をTとして、0≦t≦Tにおいて成立する関係のみを示している。すなわち、送信光は、周期Tで繰り返し送信されるが、式(4)では、1回の送信についてだけ時間条件を記載している。
送受信光学系7から送信される送信光は、測定対象20に向けて照射される。測定対象20の微小振動の変位をAとし、振動周波数をfとし、さらに、測定対象20の振動における初期位相をφとすると、測定対象20の振動速度V(t)は、次式(5)で表される。
Figure 0004225952
測定対象20からの散乱光は、送受信光学系7により受信され、光サーキュレータ6を介して光受信機8に到達する。この散乱光は、測定対象20の振動によるドップラー効果を受けている。送信光が送受信光学系7から測定対象20に送信され、その送信光に対する散乱光が測定対象20から送受信光学系7に受信されるまでの時間(以下、光信号往復時間と呼ぶ)をτとし、ドップラー効果によって散乱光が受ける位相シフトをθとし、さらに、受信光の位相をφとすると、光受信機8で受信される受信光の電界Eは、次式(6)で表される。
Figure 0004225952
光速をcとし、送受信光学系7から測定対象20までの距離をLとすると、光信号往復時間τは、次式(7)で表される。
Figure 0004225952
また、光源1からのレーザ光の波長をλとすると、ドップラー効果によって散乱光が受ける位相シフトθは、次式(8)で表される。
Figure 0004225952
光受信機8は、式(2)で電界Eが表されるローカル光と、式(6)で電界Eが表される受信光とを合波し、合波後の信号をヘテロダイン検波する。光受信機8からの出力信号における交流成分I(t)は、mを変調度とし、Bessel関数を用いると、次式(9)で表される。
Figure 0004225952
次に、光受信機8からの出力信号を信号処理機9により信号処理する。まず、信号処理機9は、変調信号発生器3からの変調信号をトリガ信号として、光受信機8からの出力信号をA/D変換する。図4は、本発明の実施の形態1における信号処理機9のA/D変換動作を説明するための模式図である。
信号処理機9は、変調信号発生器3からの変調信号をトリガ信号とし、このトリガ信号から光信号往復時間τだけ遅延したタイミングで光受信機8からの出力信号に対してA/D変換動作を行う。これにより、信号処理機9は、光受信機8からの出力信号としてパルス状の散乱光成分が受信される時間に合わせてA/D変換動作を行うことができ、パルス状の散乱光成分をデジタルデータとして採取することが可能となる。
そして、最終的に、信号処理機9は、上記デジタルデータに対して、FFTをはじめとしたスペクトル解析処理による信号処理をさらに施し、スペクトルにおけるピーク周波数およびピーク周波数における信号強度を求めることにより、測定対象20の振動周波数ft及び振動変位Aを検出することができる。
なお、本発明の実施の形態1における微小振動検出装置において、変調信号発生器3が発生するパルス変調信号のパルス幅及びパルス繰り返し周波数については、以下のような方法で設定する。まず、検出したい振動周波数faを決め、サンプリング周波数をナイキストの定理にしたがって上記振動周波数の2倍に設定する。また、パルス繰り返し周波数については、サンプリング周波数と同一とし、2faとする。
一方、光パルス信号を光増幅器5で増幅する際に、パルス出力のピークパワーは、式(1)で示したように、パルスデューティー比Rdutyの逆数倍で増加するため、パルス幅が短ければ短いほどピークパワーが増加することになる。したがって、パルス幅は、光受信機8および信号処理機9におけるA/D変換器の応答速度に対応できる範囲において、可能な限り短くすることができる。
なお、本発明の実施の形態1における微小振動検出装置は、光増幅器5に光ファイバ増幅器を用いて光パルス信号を入力することにより、式(1)に示したようにCW光を入力した場合に得られる出力パワーよりも高いピークパワーの出力が得られる。これにより、従来よりも受信光のパワーを大きくすることが可能となる。さらに、出力パワーを大きくしたパルス出力を送信光とし、その散乱光に対してA/D変換を施すことにより、従来よりも送受信光のエネルギー利用効率を上昇させることができる。
また、本発明の実施の形態1における微小振動検出装置では、光増幅器5に光ファイバ増幅器を使用し、ファイバ光部品間を全て光ファイバにより接続しているので、装置全体がフレキシブルとなる。これにより、各部品の配置自由度が向上し、装置全体を小型化した微小振動検出器を得ることができる。
また、一般に、測定対象が窓ガラスや建物等である場合、検出する振動周波数は、kHzオーダーの低周波であり、低周波で増大するF分の1ノイズの影響を受けやすい。ところが、本発明では、上述のように、光受信機8からの出力信号がパルス状の波形となるため、その出力信号が持つ周波数帯域は、広帯域となる。
具体的には、パルス幅wの逆数程度の周波数帯域幅を持つようになる。このようにして、取り扱う信号を低周波から高周波まで広帯域化することで、上記F分の1ノイズの影響を相対的に低減させることが可能となる。
実施の形態1によれば、CW光を入力した場合に得られる出力パワーよりも高いピークパワーを有するパルス出力を送信光とすることができるとともに、その散乱光に対してA/D変換を施すことができ、従来よりも送受信光のエネルギー利用効率を上昇させることができる。さらに、送信光をパルス状の波形とすることにより、その送信光が持つ周波数帯域を低周波から高周波まで広帯域化することができ、低周波で問題となっていたF分の1ノイズの影響を相対的に低減させることが可能となる。
なお、本発明の実施の形態1における微小振動検出装置は、測定対象が単一周波数で振動する場合について説明したが、測定対象の周波数は、単一でなくても構わない。例えば、測定対象が窓であり、この窓が自動車騒音により振動するような場合であれば、この騒音を検出することも可能である。この場合には、信号処理機9は、FFT処理等のスペクトル解析により不要周波数成分を除去した後、D/A変換器によりアナログ信号を出力する機能を有するようにすれば、この騒音を再生できるという効果が生じる。
実施の形態2.
実施の形態1では、光信号往復時間τが既知であるものとして、測定対象の振動周波数または振動変位を測定する場合を説明した。実施の形態2では、光信号往復時間τが未知であるときに、本発明の微小振動検出装置を適用して光信号往復時間τを求める場合について説明する。実施の形態2における微小振動検出装置の構成は、実施の形態1における微小振動検出装置の構成を示す図1と同様である。
本発明の微小振動検出装置では、実施の形態1で説明したように、送受する光信号にCWではなくパルスを使用している点を特徴としている。したがって、光信号往復時間τが未知である場合においても、次のようにして光信号往復時間τを知ることができる。実施の形態2における信号処理機9は、遅延タイミングを可変とする機能をさらに有している。
信号処理機9は、電気信号をA/D変換するための遅延時間として、複数のタイミング信号を生成し、電気信号をその複数のタイミング信号でA/D変換する。さらに、信号処理機9は、A/D変換後の波形のスペクトル解析を行ったそれぞれの結果の中から最大のS/N比を有するタイミング信号を抽出する。この結果、測定におけるS/N比が最大となるタイミング信号を抽出ことにより、未知であった光信号往復時間τを知ることができる。
また、光信号往復時間τを知ることができれば、式(7)の関係を用いて、この光信号往復時間τに光速cを乗じて2で割ることにより、測定対象20までの距離Lを求めることができる。
なお、送受信光学系7が送信光を集光する焦点位置を調整できる機能を有するものである場合には、上述のようにして信号処理機9により求められた測定対象20までの距離Lに基づいて、送受信光学系7は、焦点を距離Lと一致させるように焦点位置を調整することができる。これにより、測定におけるS/N比をさらに向上させることができる。
実施の形態2によれば、複数のタイミング信号を生成し、それぞれのタイミング信号に対する測定結果の中から最大のS/N比を有するタイミング信号を抽出することにより、未知であった光信号往復時間τを知ることができ、さらに測定対象までの距離Lを求めることが可能となり、測定対象までの距離が未知の場合にもS/N比の向上を図った測定が可能となる。
実施の形態3.
実施の形態3では、光受信機がヘテロダイン検波する際の検出信号のS/N比を向上させる手段について説明する。図5は、本発明の実施の形態3における微小振動検出装置の構成図である。実施の形態1及び2における微小振動検出装置の構成を示す図1と比較すると、図5の微小振動検出装置は、新たに位相器11を備えている点が異なる。また、図5における光受信機8は、実施の形態1で説明した式(9)の交流成分I(t)の値を算出する機能をさらに有している。
位相器11は、光分岐カプラ2と光受信機8との間に設けられている。ここで、「位相器」とは、入力光を所望の位相に調整して出力する装置のことを意味する。位相器11は、光受信機8で算出された交流成分I(t)の値を読み取り、この値が最大となるように、光分岐カプラ2で分岐されたレーザ光の位相を可変して、光受信機8に出力する働きをする。
ここで、交流成分I(t)における振動周波数成分が最大となるのは、ローカル光の位相φと受信光の位相φとの位相差φ−φが、nπ+π/2(ただし、nは整数)となる場合、つまり、sin(φ−φ)=1となる場合である。
位相器11は、ローカル光の位相φを調整することにより、相対的に受信光の位相φとの位相差φ−φを調整することができる。したがって、sin(φ−φ)=1の関係が成り立つようにローカル光の位相φを調整することにより、交流成分I(t)における振動周波数成分を常に最大に保持することが可能となり、その結果、測定におけるS/N比をさらに向上させることが可能となる。
実施の形態3によれば、ローカル光の位相を調整することにより、ヘテロダイン検波により検出される出力信号の交流成分を最大にすることができ、S/N比をさらに向上させて測定対象の振動周波数または振動変位を測定することが可能となる。
本発明の実施の形態1における微小振動検出装置の構成図である。 本発明の実施の形態1における光増幅器のエネルギー蓄積機能の説明図である。 本発明の実施の形態1の微小振動検出装置における「サンプリング周期」及び「サンプリング時間」の関係を示した図である。 本発明の実施の形態1における信号処理機のA/D変換動作を説明するための模式図である。 本発明の実施の形態3における微小振動検出装置の構成図である。
符号の説明
1 光源、2 光分岐カプラ、3 変調信号発生器、4 光パルス変調器、5 光増幅器、6 光サーキュレータ、7 送受信光学系、8 光受信機、9 信号処理機、10 表示器、11 位相器、20 測定対象。

Claims (7)

  1. レーザ光を測定対象に照射し、その反射レーザ光に付加された振動成分を取り出すことにより測定対象の振動周波数または振動変位を測定する微小振動検出装置において、
    単一波長のレーザ光を生成する光源と、
    前記光源からのレーザ光を分岐する光分岐カプラと、
    パルス出力平均パワーが連続波の出力パワーと等しくなるように、所定のパルス幅及びパルス繰り返し周期をもつパルス波形を変調信号として生成する変調信号発生器と、
    前記変調信号発生器からの前記変調信号に基づいて、前記光分岐カプラで分岐されたレーザ光を光パルス信号に変調する光パルス変調器と、
    前記光パルス変調器で変調された光パルス信号のパルス幅とパルス繰り返し周期との比に応じて、光パルス信号を増幅する光増幅器と、
    送信光を照射して前記測定対象からの散乱光を受信する送受信光学系と、
    前記光増幅器によって増幅された光パルス信号を送信光として前記送受信光学系に出力するとともに、前記送受信光学系から前記送信光に対応する散乱光を受信する光サーキュレータと、
    前記光分岐カプラで分岐されたレーザ光と、前記光サーキュレータからの散乱光とをヘテロダイン検波し電気信号に変換する光受信機と、
    前記変調信号発生器からの前記変調信号に基づいて、前記光受信機からの電気信号を前記パルス繰り返し周期と等しいサンプリング周期で信号処理し前記測定対象の振動周波数または振動変位を検出する信号処理機と
    を備えたことを特徴とする微小振動検出装置。
  2. 請求項1に記載の微小振動検出装置において、
    前記光源と前記光分岐カプラとの間、前記光分岐カプラと前記光パルス変調器との間、前記光パルス変調器と前記光増幅器との間、前記光増幅器と前記光サーキュレータとの間、前記光サーキュレータと前記送受信光学系との間、前記光分岐カプラと前記光受信機との間、及び前記光サーキュレータと前記光受信機との間は、全て光ファイバケーブルにより接続されることを特徴とする微小振動検出装置。
  3. 請求項1または2に記載の微小振動検出装置において、
    前記信号処理機は、前記送受信光学系と前記測定対象との間の既知の距離に対応する光信号の遅延時間をあらかじめ記憶しておく記憶部を有し、前記変調信号発生器からの前記変調信号をトリガ信号とし、前記遅延時間分遅延したタイミングで前記電気信号をA/D変換し、さらに、A/D変換後の波形のスペクトル解析を行うことにより前記測定対象の振動周波数または振動変位を検出することを特徴とする微小振動検出装置。
  4. 請求項1または2に記載の微小振動検出装置において、
    前記信号処理機は、前記変調信号発生器からの前記変調信号をトリガ信号とし、遅延時間を可変として前記電気信号をA/D変換するための複数のタイミング信号を生成し、前記電気信号を前記複数のタイミング信号でA/D変換し、A/D変換後の波形のスペクトル解析を行ったそれぞれの結果の中から最大のS/N比を有するタイミング信号を抽出することにより、前記送受信光学系と前記測定対象との間の遅延時間及び距離を特定し、抽出された前記タイミング信号に対応するスペクトル解析の結果から前記測定対象の振動周波数または振動変位を検出することを特徴とする微小振動検出装置。
  5. 請求項4に記載の微小振動検出装置において、
    前記送受信光学系は、送信光を集光する焦点位置を調整できる機能を有し、前記信号処理機で特定された前記送受信光学系と前記測定対象との間の距離に応じて前記焦点位置を調整することを特徴とする微小振動検出装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の微小振動検出装置において、
    前記光受信機は、ヘテロダイン検波して変換した前記電気信号の交流成分の値をさらに算出し、
    前記光分岐カプラと前記光受信機との間に設けられ、前記光受信機からの前記交流成分の値を読み取り、前記交流成分の値が最大となるように前記光分岐カプラで分岐されたレーザ光の位相を可変して前記光受信機に出力する位相器をさらに備えたことを特徴とする微小振動検出装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の微小振動検出装置において、
    前記信号処理機は、信号処理後のデジタル信号から不要周波数成分を除去してD/A変換を行ってアナログ信号を算出する機能をさらに備えたことを特徴とする微小振動検出装置。
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