JP4225267B2 - 卓上・壁掛け兼用型電話機 - Google Patents

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本発明は、卓上で使用する場合に表示器の表示角度を変更可能な卓上・壁掛け兼用型電話機に関するものである。
この種の卓上・壁掛け兼用型電話機においては、電話機を壁に掛けて使用する場合に、送受話器が筐体の受話用凹部から落下しないように、送受話器の受話部に係合凹部を設け、この係合凹部に係合する脱落規制部材を受話用凹部に設けている。一方、電話機を卓上に置いて使用する場合、この脱落規制部材を受話用凹部に取り付けたままの状態としておくと、送受話器を受話用凹部に載置する際に受話部が脱落規制部材に当たり使い勝手が悪くなるため、脱落規制部材を受話用凹部から取り外している。したがって、取り外した脱落規制部材が紛失し易く、再度電話機を壁に掛けて使用するときに、この脱落規制部材がないために使用できなくなるというおそれがある。
このため、卓上に置いて使用する場合には、送受話器の受話部を受話用凹部に載置する際に受話部が脱落規制部材の係合部に当たらないように、脱落規制部材を反転させた状態で受話用凹部に取り付けている。すなわち、送受話器を設置する挿入凹部に凹状に形成した取付孔が設けられ、この取付孔には非対称に形成された2つの案内レールが形成され、受話部の凹部を係止する係止爪が設けられたクランプには非対称の2つの案内溝が設けられており、クランプを180°回転させて、取付孔に取り付けることにより、卓上と壁掛けに対応しているものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、表示器の表示角度を変更可能な電話機として、筺体に揺動自在に支持された表示器に被係止面を設けるとともに、筺体には被係止面に圧接される摩擦係止部材を設け、被係止面と摩擦係止部材とを摺接させ摩擦力で係止させることにより、表示器の表示角度を変更可能なものがある(例えば、特許文献2参照)。なお、本出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に密接に関連する先行技術文献を出願時までに見付け出すことはできなかった。
特開2001−69217号公報(段落「0018」〜「0022」、図1乃至図5) 特願2003−306025号明細書(段落「0018」、図8)
上述した従来の電話機のうち前者の場合は、本来卓上で使用するときには不要であるにもかかわらず、紛失のおそれがあるという理由のために、再び壁に掛けて使用するときのために取り外した脱落規制部材を筺体に取り付けておく必要があった。また、従来の電話機のうち後者の場合は、被係止面と摩擦係止部材との間の摩擦力によって表示器を所定の表示角度に保持する構造のため、表示器に外力や衝撃が加わると表示器が倒れてしまい、使い勝手が悪いとともに表示器を損傷させてしまうという問題があった。
る。
本発明は上記した従来の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、壁に掛けて使用するときに必要な脱落規制部材を、卓上で使用する際の表示器の表示角度を保持する部材として兼用することにより、脱落規制部材の紛失を防止できるとともに、使い勝手を向上させかつ表示器の破損を防止することにある。
この目的を達成するために、請求項1に係る発明は、送受話器と、この送受話器を載置する筺体と、この筺体に表示角度を可変可能となるように揺動自在に支持された表示器と、前記筺体に着脱自在で前記送受話器の脱落を規制する脱落規制部材とを備えた卓上・壁掛け兼用電話機において、前記脱落規制部材が前記表示器に着脱自在に取り付けられ、取り付けられた脱落規制部材が前記筺体に係合することによって前記表示器を所定の表示角度に支承するものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記脱落規制部材を互いに対向する一対の腕部とこれら腕部を連結する連結部とによって形成し、前記腕部を前記表示器と前記筺体とに跨って取り付けたものである。
請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記表示器と前記筺体とに前記表示器の最大の表示角度以上への揺動を規制する揺動規制手段を設けたものである。
請求項1に係る発明によれば、電話機を卓上で使用する際に、脱落規制部材を表示器の表示角度を保持する部材として使用することができるため、脱落規制部材の紛失を防止することができる。また、表示器に外力や衝撃が加わっても表示器の表示角度を保持することができるため、使い勝手が向上するとともに表示器の破損を防止することができる。
請求項2に係る発明によれば、脱落規制部材によって表示器の開き方向および閉じ方向の両方向の揺動を規制することができるため使い勝手が向上する。
請求項3に係る発明によれば、脱落規制部材と筺体との係合によって表示器の閉じ方向の揺動を規制することができるとともに、係合部とストッパとの係合によって表示器の開き方向の揺動を規制することができるため使い勝手が向上する。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。図1は本発明に係る卓上・壁掛け兼用型電話機を卓上で使用した状態の全体の外観を示す斜視図、図2は同じく表示器の支持構造および脱落規制部材の取付構造を説明するための分解斜視図、図3は同じく壁に掛けて使用した場合の正面図、図4は図3におけるIV-IV 線断面図、図5は同じく卓上で使用した状態の背面図、図6は同じく表示器を所定の表示角度に支持した状態を示す背面図、図7は図3におけるVII-VII 線断面図であって、同図(A)は表示角度を小さくした場合を示し、同図(B)は表示角度を大きくした場合を示す。
図1に全体を符号1で示す卓上・壁掛け兼用型電話機(以下、単に電話機という)は、アッパーケース2およびロアーケース3からなる筺体4と、この筺体4に表示角度を可変可能となるように揺動自在に支持された表示器5と、筺体4に載置される送受話器6とを備えている。アッパーケース2の右半分側には、マトリックス状に配置したダイヤルボタン11と多数の機能ボタン12とが設けられており、アッパーケース2の左端側の前後には、図2に示すように送受話器6の送話部21を支承する送話部用凹部13と、同じく送受話器6の受話部22を支承する受話部用凹部14とが設けられている。
受話部用凹部14の底部の中央部に設けられた孔からフックボタン15が進退自在となるように設けられており、受話部用凹部14の内周面であって送話部用凹部13側の部位には、後述する脱落規制部材17を着脱自在に取り付けるための一対の取付孔16,16が設けられている。脱落規制部材17は、互いに対向する一対の腕部18,18と、これら腕部18間を連結する連結部19とによってコ字状に形成されており、腕部18,18を取付孔16,16に係入させることにより、連結部19が露呈した状態で受話部用凹部14に取り付けられる。図1において、20はロアーケース3に一端部が枢支されたスタンド部材であって、電話機1を卓上において使用する際に、このスタンド部材20によってアッパーケース2の設置角度を選択することが可能になる。
送受話器6は、図4に示すように、一端部に送話部21が設けられ、他端部に受話部22が設けられており、受話部22の外周部であって送話部21側の部位には、前記脱落規制部材17の連結部19が係入する係入凹部23が設けられている。したがって、電話機1が壁25に図示を省略したブラケットを介して取り付けられた状態で使用される場合には、脱落規制部材17が受話用凹部14に取り付けられる。この状態で、送受話器6の受話部22を受話用凹部14に載置すると、脱落規制部材17の連結部19が係入凹部23に係入され、送受話器6の受話用凹部14からの脱落が規制される。
次に、図2を用いて表示器5の支持構造について説明する。アッパーケース2の後部側には平面視長方形の平坦状の凹嵌部27が設けられており、この凹嵌部27には長方形の開口28が形成され、この開口28の両端縁には、一対の軸部29,29が突設されている。表示器5は扁平な直方体状に形成されており、一端に前記軸部29,29が係入される軸受孔としての非貫通孔31.31が凹設されている。
表示器5の底部の非貫通孔31,31間には、非貫通孔31,31間を結ぶ線を中心として断面円弧状に形成された中空状の回動壁32が突設されており、この回動壁32の周面の一方の側端側には、脱落規制部材17の腕部18が係入される2つの係入孔33A,33Bが穿孔され、先端には係合凸部34が突設されている。したがって、表示器5は、非貫通孔31,31に軸部29,29を係入することにより、回動壁32が開口28から出没するように軸部29を揺動中心として凹嵌部27に揺動自在に支持される。
35は平面視略コ字状に形成されたブラケットであって、中央部に矩形状の溝36が形成され、両端部にねじ挿通孔37,37が設けられており、裏面側に、図7に示すように前記係合凸部34と係合するストッパ38が設けられている。このブラケット35を凹嵌部27の裏面側に、ねじ挿通孔37を挿通させたねじによって取り付けることにより、表示器5の回動壁32の両側部が溝36の両側部に当接し、表示器5の幅方向の移動が規制された状態で表示器5は凹嵌部27に揺動自在に取り付けられる。
このような構成において、電話機1を壁に掛けて使用する状態から卓上に置いて使用する場合には、アッパーケース2の受話用凹部14の取付孔16から脱落規制部材17を取り外し、図7(A)に示すように、回動壁32の一方の係入穴33Aに脱落規制部材17の一方の腕部18を係入する。腕部18が係入穴33Aに係入されることにより、回動壁32に取り付けられた脱落規制部材17の連結部19が回動壁32から突出し、この連結部19がブラケット35の上端に係止されることにより、表示器5は表示角度αに保持される。
このように、電話機1を卓上に置いて使用する際に、受話用凹部14から取り外した脱落規制部材17を表示器5の表示角度を保持する部材として使用することができるため、脱落規制部材17の紛失を防止することができる。また、表示器5に外力Fが加わっても表示器5の表示角度を保持することができるため、使い勝手が向上するとともに表示器5の破損を防止することができる。
表示器5の表示角度を「α」から「β」に変更する場合には、回動壁32の一方の係入孔33Aから脱落規制部材17の一方の腕部18を取り外し、この一方の腕部18を、同図(B)に示すように他方の係入孔33Bに係入することにより、脱落規制部材17を回動壁32に取り付ける。このとき、ブラケット35のストッパ38に回動壁32の係合凸部34が係合し、表示器5の最大の表示角度以上への揺動が規制され、これらストッパ38と係合凸部34とが揺動規制手段を形成する。したがって、表示器5はこれらストッパ38と係合凸部34とによって、軸部29を中心として図中時計方向への揺動が規制されるとともに、脱落規制部材17のブラケット35との係合により軸部29を中心として図中反時計方向への揺動が規制されるから使い勝手が向上する。
図8は本発明の第2の実施の形態を示す要部の断面図である。この第2の実施の形態においては、ブラケット35に脱落規制部材17の一方の腕部18を係入する係入孔35aを設け、上述した第1の実施の形態における係合凸部34およびストッパ38は設けられていない。このような構成において、表示器5の表示角度を「α」とする場合には、同図(A)に示すように、ブラケット35の係入孔35aに脱落規制部材17の一方の腕部18を係入し、他方の腕部18を回動壁32の一方の係入孔33Aに係入して、脱落規制部材17を表示器5と筺体4とに跨って取り付ける。したがって、表示器5は脱落規制部材17によって、軸部29を中心として図中時計方向への揺動が規制されるとともに、脱落規制部材17のブラケット35との係合により軸部29を中心として図中反時計方向への揺動が規制されるから使い勝手が向上する。
表示器5の表示角度を「α」から「β」に変更する場合には、脱落規制部材17の他方の腕部18を回動壁32の他方の係入孔33Bに係入する。この場合も、脱落規制部材17が表示器5と筺体4とに跨って取り付けられるため、表示器5は脱落規制部材17によって、軸部29を中心として図中時計方向への揺動が規制されるとともに、脱落規制部材17のブラケット35との係合により軸部29を中心として図中反時計方向への揺動が規制されるから使い勝手が向上する。
なお、本実施の形態においては、表示器5の裏面側に断面円弧状の回動壁32を設け、この回動壁32に脱落規制部材17の腕部18を係入する係入孔33A,33Bを設けたが、表示器5の裏面側に直接係入孔を設けてもよく、その場合には必ずしも回動壁32を設ける必要はない。また、ブラケット35を設けたが、必ずしも必要ではなく、その場合には回動壁32の係入孔33A,33Bに取り付けた脱落規制部材17の連結部19を筺体4の凹嵌部27の開口28の端縁に係合させて表示器5の表示角度を保持するようにしてもよく、第2の実施の形態においてブラケット35に設けた係入孔35aをアッパーケース2に設けるようにしてもよい。
本発明に係る卓上・壁掛け兼用型電話機を卓上で使用した状態の全体の外観を示す斜視図である。 本発明に係る卓上・壁掛け兼用型電話機における表示器の支持構造および脱落規制部材の取付構造を説明するための分解斜視図である。 本発明に係る卓上・壁掛け兼用型電話機を壁に掛けて使用した場合の正面図である。 図3におけるIV-IV 線断面図である。 本発明に係る卓上・壁掛け兼用型電話機を卓上で使用した状態の背面図である。 本発明に係る卓上・壁掛け兼用型電話機を表示器を所定の表示角度に支持した状態を示す背面図である。 図3におけるVII-VII 線断面図であって、同図(A)は表示角度を小さくした場合を示し、同図(B)は表示角度を大きくした場合を示す。 本発明の第2の実施の形態を示す要部の断面図であって、同図(A)は表示角度を小さくした場合を示し、同図(B)は表示角度を大きくした場合を示す。
符号の説明
1…卓上・壁掛け兼用型電話機、4…筺体、5…表示器、6…送受話器、14…受話用凹部、16…取付孔、17…脱落規制部材、18…腕部、19…連結部、21…送話部、22…受話部、28…開口、29…軸部、32…回動壁、33A,33B…係入孔、34…係合凸部、35…ブラケット、35a…係入孔、38…ストッパ。

Claims (3)

  1. 送受話器と、この送受話器を載置する筺体と、この筺体に表示角度を可変可能となるように揺動自在に支持された表示器と、前記筺体に着脱自在で前記送受話器の脱落を規制する脱落規制部材とを備えた卓上・壁掛け兼用型電話機において、
    前記脱落規制部材が前記表示器に着脱自在に取り付けられ、取り付けられた脱落規制部材が前記筺体に係合することによって前記表示器を所定の表示角度に支承することを特徴とする卓上・壁掛け兼用型電話機。
  2. 請求項1記載の卓上・壁掛け兼用型電話機において、
    前記脱落規制部材を互いに対向する一対の腕部とこれら腕部を連結する連結部とによって形成し、前記腕部を前記表示器と前記筺体とに跨って取り付けたことを特徴とする卓上・壁掛け兼用型電話機。
  3. 請求項1記載の卓上・壁掛け兼用型電話機において、
    前記表示器と前記筺体とに前記表示器の最大の表示角度以上への揺動を規制する揺動規制手段を設けたことを特徴とする卓上・壁掛け兼用型電話機。
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