JP4224946B2 - 駆動装置 - Google Patents

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JP4224946B2 JP2001021606A JP2001021606A JP4224946B2 JP 4224946 B2 JP4224946 B2 JP 4224946B2 JP 2001021606 A JP2001021606 A JP 2001021606A JP 2001021606 A JP2001021606 A JP 2001021606A JP 4224946 B2 JP4224946 B2 JP 4224946B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動装置に関し、さらに詳しくは、圧電素子などの電気機械変換素子を用いた駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、圧電素子の伸縮を利用し、移動体を移動させる駆動装置が存在している。図1に圧電素子を用いた駆動装置の原理を示す。図1に示したように、駆動装置2は、圧電素子4の伸縮方向の一端に駆動軸6を固定し、他端を台座3に固定する。駆動軸6には移動体5が摩擦係合されており、駆動軸6に沿って移動することができる。
【0003】
この駆動装置2の圧電素子4に、例えば、図1(e)に示すような鋸歯状波形の駆動電圧を印加する。まず、印加する電圧を徐々に変化させるときは、図1(b)に示すように、圧電素子4は、その厚みを増大させる方向に移動し、駆動軸6が操出方向に移動する。これに伴って、移動体5は駆動軸6とともに移動する。
【0004】
次いで、圧電素子4への電圧の印加を急激に変化させると、図1(c)に示すように、圧電素子4は急激に縮み、駆動軸6が戻り方向へ移動する。このとき、移動体5は駆動軸6との摩擦に打ち勝ってその場にとどまり、移動しない。したがって、その結果、移動体5は駆動軸6に対して図1(c)に示すように右方向へ移動する。
【0005】
上述のように移動体5を移動させるために印加される駆動電圧の鋸歯状波形は、フーリエ展開すると、下記の数式(14)で表されるように、正弦波の重ね合わせからなるものである。
【0006】
【数10】
Figure 0004224946
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の駆動方法における駆動波形では、駆動回路がコスト高になり、また、上記数式14に示したように、高次の正弦波まで電圧波形に含む。その中には、圧電素子の共振周波数近傍の周波数成分も含まれることが多い。
【0008】
この共振周波数近傍の周波数成分は、圧電素子の変位波形を乱し、移動体の動きに悪影響を及ぼす。また鋸歯状波形の駆動電圧に含まれる高次の正弦波は、電磁ノイズの原因となり、実用上問題がある。
【0009】
具体的には、図1(e)で示されるような鋸歯状波形の駆動電圧を圧電素子4に印加すると、圧電素子4の変位は、図1(d)の4aで示されるように、急激に収縮するところで、その変位に乱れが生じる。この変位の乱れは、移動体5の移動に対し、5aで示されるような移動の乱れを引き起こす。
【0010】
したがって、本発明が解決しようとする技術的課題は、電気機械変換素子の変位の乱れを抑え、電磁ノイズの発生を抑制することができる駆動装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
本発明は、上記技術的課題を解決するために、以下の構成の駆動装置を提供する。
【0012】
駆動装置は、電気機械変換素子と、前記電気機械変換素子の伸縮方向の一端に固定された駆動摩擦部材と、前記駆動摩擦部材に摩擦力で係合された係合部材と、前記電気機械変換素子に前記係合部材を移動させる駆動電圧を印加する駆動回路とから構成されるものである。そして、駆動回路は、前記電気機械変換素子の変位Xが下記数式(1)で表されるように、前記駆動電圧を前記電気機械変換素子に印加する。
【0013】
【数11】
Figure 0004224946
【0014】
式中、Xp0、f、t、bは以下のことを示す。
p0:任意の電気機械変換素子の振幅
:任意の駆動周波数
t:時間
b:2<b<8を満たす定数
【0015】
上記構成において、電気機械変換素子は、圧電素子や電歪素子などの素子である。駆動装置においては、電気機械変換素子の変位としては、高次の正弦波まで必要なく2次までの正弦波までで十分であり、上記数式(1)で表されたように変位する。このときの電気機械変換素子の変位は、略鋸歯状波形をしているため、係合部材を駆動させることができる。また、高次の正弦波形を含まないため、電気機械変換素子の共振周波数近傍の周波数成分を含めないようにすることができ、電気機械変換素子の変位が乱れず、電磁ノイズを発生させることがない。
【0016】
上記構成によれば、駆動電圧は、電磁ノイズを発生させることがなく、係合部材の移動に乱れを生じない。
【0017】
上記発明の駆動装置は、具体的には以下のように種々の態様で構成することができる。
【0018】
好ましくは、前記駆動回路は、下記数式(2)で表される前記駆動電圧を前記電気機械変換素子に印加する。
【0019】
【数12】
Figure 0004224946
【0020】
(式中、V、f、t、b、|G(f)|、θ(f)は以下のことを示す。
:任意の電圧
:任意の駆動周波数
t:時間
b:2<b<8を満たす定数
|G(f)|:伝達関数のゲイン
θ(f):伝達関数の位相。
【0021】
伝達関数のゲイン|G(f)|及び、位相θ(f)は、それぞれ、下記数式(15)及び(16)で表される
【0022】
【数13】
Figure 0004224946
【0023】
数式(15)及び(16)中、A(f)及びB(f)は、下記数式(3)で表される前記電気機械変換素子の電圧−変位の伝達関数G(f)を実数部A(f)と虚数部B(f)に分け、G(f)=A(f)+iB(f)と表したときの値として導かれる。
【0024】
【数14】
Figure 0004224946
【0025】
数式中、fは前記電気機械変換素子の共振周波数、Qは電気機械変換素子の機械品質係数である。
【0026】
上記構成によれば、駆動回路により印加される駆動電圧と電気機械変換素子との間の伝達関数による変化分を見込んだ駆動電圧が明確にされているので、駆動装置の駆動を容易にすることができる。
【0027】
好ましくは、前記駆動回路は、下記数式(4)で表される前記駆動電圧を前記電気機械変換素子に印加する。
【0028】
【数15】
Figure 0004224946
【0029】
式中、V、f、t、bは以下のことを示す。
:任意の電圧
:f<f/3を満たす駆動周波数(fは前記電気機械変換素子の共振周波数)
t:時間
b:2<b<8を満たす定数
【0030】
上記構成によれば、駆動周波数fがf<f/3を満たす範囲、すなわち電気機械変換素子の共振周波数と比較して小さい範囲においては、駆動電圧と電気機械変換素子との間の伝達関数に依存しない電圧印加が可能となる。
【0031】
好ましくは、前記電気機械変換素子は、伸縮方向に結合された第1の電気機械変換素子及び第2の電気機械変換素子から構成され、前記駆動回路は、前記第1の電気機械変換素子の変位Xp1が下記数式(5)で表され、かつ、前記第2の電気機械変換素子の変位Xp2が下記数式(6)で表されるように、前記第1及び第2の電気機械変換素子に前記駆動電圧を印加する。
【0032】
【数16】
Figure 0004224946
【0033】
式中、Xp0、f、t、bは以下のことを示す。
p0:任意の電気機械変換素子の振幅
:任意の駆動周波数
t:時間
b:2<b<8を満たす定数
【0034】
上記構成によれば、直列に第1及び第2の電気機械変換素子を例えば、直列に接続し、それぞれ、数式(5)、(6)で示される正弦波形の変位を与えることにより、電気機械変換素子全体の変位を2次までの正弦波形とすることができる。
【0035】
好ましくは、前記電気機械変換素子は、第1の電気機械変換素子及び第2の電気機械変換素子から構成され、前記駆動回路は、下記数式(7)で表される駆動電圧V1を前記第1の電気機械変換素子に印加し、下記数式(8)で表される駆動電圧V2を前記第2の電気機械変換素子に印加する。
【0036】
【数17】
Figure 0004224946
【0037】
式中、V、f、t、b、A、Aは以下のことを示す。
:任意の電圧
:任意の駆動周波数
t:時間
b:2<b<8を満たす定数
1:第1の電気機械変換素子の単位電圧あたりの変位量
2:第2の電気機械変換素子の単位電圧あたりの変位量
【0038】
上記構成によれば、第1及び第2の電気機械変換素子を、例えば直列に接続し、それぞれ、数式(7)及び(8)に示す駆動電圧を印加することにより、電気機械変換素子全体としては、2次の正弦波までの駆動電圧を印加した場合と同じ効果を得ることができる。また、駆動回路により印加される駆動電圧と電気機械変換素子との間の伝達関数による変化分を見込んだ駆動電圧が明確にすることができる。さらに、駆動回路は正弦波形の駆動電圧をそれぞれ印加することができるので、構成を容易にすることができる。
【0039】
好ましくは、前記駆動回路は、下記数式(9)で表される駆動電圧V1を前記第1の電気機械変換素子に印加し、下記数式(10)で表される駆動電圧V2を前記第2の電気機械変換素子に印加する。
【0040】
【数18】
Figure 0004224946
【0041】
式中、V、t、bは以下のことを示す。
:任意の電圧
:f<f/3を満たす駆動周波数(fは前記電気機械変換素子の共振周波数)
t:時間
b:2<b<8を満たす定数
【0042】
上記構成によれば、駆動周波数fがf<f/3を満たす範囲、すなわち電気機械変換素子の共振周波数と比較して小さい範囲においては、駆動電圧と電気機械変換素子との間の伝達関数に依存しない電圧印加が可能となる。
【0043】
好ましくは、前記定数bは、前記第1の電気機械変換素子と前記第2の電気機械変換素子の単位電圧あたりの変位量の比(A/A)に等しく、前記駆動回路は、下記数式(11)で表される駆動電圧V1を前記第1の電気機械変換素子に印加し、下記数式(12)で表される駆動電圧V2を前記第2の電気機械変換素子に印加する。
【0044】
【数19】
Figure 0004224946
【0045】
式中、V’、f、t、bは以下のことを示す。
’:任意の電圧
:f<f/3を満たす駆動周波数(fは前記電気機械変換素子の共振周波数)
t:時間
b:2<b<8を満たす定数
【0046】
上記構成によれば、電気機械変換素子の変位量を調整することで、第1及び第2の電気機械変換素子に印加される駆動電圧の電源を単一電源から取ることができる。
【0047】
好ましくは、前記駆動回路は、自励発振回路により、前記電気機械変換素子に前記駆動電圧を印加する。
【0048】
上記構成によれば、電気機械変換素子を2つ設け、それぞれに正弦波の駆動電圧を印加するため、エネルギーロスを抑えることができる。
【0049】
好ましくは、前記駆動回路は、前記電気機械変換素子の変位Xが前記数式(1)に対して、下記数式(13)で示されるように位相ずれθを設けることができるように、前記駆動電圧を調整する位相調整手段を備え、前記係合部材の移動速度と移動方向を調整する。
【0050】
【数20】
Figure 0004224946
【0051】
式中、Xp0、f、t、bは以下のことを示す。
p0:任意の電気機械変換素子の振幅
:任意の駆動周波数
t:時間
b:2<b<8を満たす定数
【0052】
2次の正弦波の位相ずれθを調整する位相調整手段は容易に構成され、係合部材の移動速度と移動方向を容易に調整することができる。
【0053】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態に係る駆動装置について、図面を参照しながら説明する。
【0054】
図2に本発明の第1実施形態にかかる駆動装置を示す。図2(a)に示したように駆動装置10は、電気機械変換素子である圧電素子14の伸縮方向の一方の端面が台座13に固定されており他方の端面が駆動部材である駆動軸16に固定されている。駆動軸16には、係合部材である移動体15が摩擦係合されており、駆動軸16に沿って移動することができる。
【0055】
駆動電圧を圧電素子14に印加することによって、圧電素子が伸縮し、変位Xが生じる。圧電素子14の変位Xは駆動軸16に伝達され、駆動軸16が移動することによって移動体15が速度Vで移動する。2次までの正弦波を重ね合わせによる下記数式(17)により略鋸歯状波形を作ることができ、そのときの圧電素子の変位X様子を図2(b)に示す。
【0056】
【数21】
Figure 0004224946
【0057】
図2に示した通り、2次までの正弦波の組み合わせにより略鋸歯状波形を作ることができ、圧電素子14が略鋸歯状波形で変位することによって、駆動装置10を駆動させることができる。
【0058】
次に、上記数式(17)において、2次の正弦波の大きさを変化させた第2実施形態について説明する。本実施形態の駆動装置10は、圧電素子14の伸縮方向の一端が台座13に固定され、他端が駆動軸16に固定されている。駆動軸16には、移動体15が摩擦係合されている。圧電素子14は、その変位が2次までの正弦波の重ね合わせで表されるように移動し、具体的には下記数式(1)で表される。
【0059】
【数22】
Figure 0004224946
【0060】
図3(a)に示すように、圧電素子14が上記数式(1)で表されるような変位Xをすると、これに伴って駆動部材である駆動軸16は移動し、移動体15は、速度Vで移動する。ここで、上記数式(1)のbの値を変えた場合の移動体15の速度を図3(b)に示す。このグラフに示すとおり、移動体15の移動速度Vは変化し、bが2〜8の範囲、好ましくは4の値を取れば、移動体15の速度を大きく保つことができ、速度性能を高くすることができる。
【0061】
次に正弦波の位相を変えた第3実施形態について説明する。本実施形態の駆動装置10は、圧電素子14の伸縮方向の一端が台座13に固定され、他端が駆動軸16に固定されている。駆動軸16には、移動体15が摩擦係合されている。圧電素子14は、その変位が2次までの正弦波の重ね合わせで表されるように移動し、具体的には下記数式(18)で表される。
【0062】
【数23】
Figure 0004224946
【0063】
図4(a)に示すように、圧電素子14が数24のXで示される変位をすると、これに伴って駆動軸16は移動し、移動体15は、速度Vで移動する。上記数式中の位相θの値を変えた場合の移動体15の速度を図4(b)に示す。このグラフに示すように、移動体15の移動速度V及び方向は、位相θの値を変えることによって変化し、位相θを調整することによって、移動体15を移動させる方向と速度を制御することができる。位相θによる位相制御はソフトなどを用いて行われるため、容易に制御ができるというメリットがある。
【0064】
ここで、各実施形態において具体的に使用した圧電素子及び駆動装置の構成の詳細を示す。圧電素子はd33方向利用全面電極型積層タイプのものである。寸法は2×2×10mmである。層厚は100μmで層数は100層である。容量は100nFである。駆動装置の構成としては駆動軸材料にはカーボンを用いた。この構成において、圧電素子の共振周波数は60kHzである。
【0065】
圧電素子14に上記数式(1)で示される変位Xを与えるように駆動させたときの駆動条件は、駆動周波数が10kHz、静的変位量Xp0が0.4μm(電圧10V)である。
【0066】
次に、圧電素子に印加する電圧と変位の関係を示す第4実施形態について説明する。本実施形態の駆動装置10は、圧電素子14の伸縮方向の一端が台座13に固定され、他端が駆動軸16に固定されている。駆動軸16には、移動体15が摩擦係合されている。駆動回路17により圧電素子14に印加される駆動電圧Vの駆動周波数fが圧電素子の共振周波数fより十分低い場合は、電圧Vと変位Xの概形は相似とみなすことができる。しかしながら、周波数が高くなってくると、概形は異なったものとなる。これは圧電素子14の電圧から変位への伝達関数が駆動周波数fに依存するためである。
【0067】
この駆動電圧と圧電素子の変位は伝達関数G(f)を用いて下記数式(19)で示されるような関係を有し、当該伝達関数G(f)は下記数式(3)で表すことができる。
【0068】
【数24】
Figure 0004224946
【0069】
上記数式(3)において、共振周波数fは上述のように60kHzである。圧電素子機械品質係数Qは、圧電材料としての値は50であるが、駆動装置の構成としたときには1〜10の値を使用するのが適当であるため、Q=3を用いた。
【0070】
ここで、上記伝達関数の特性を見るために駆動周波数fを横軸にとり、上記伝達関数のゲイン|G(f)|と位相θ(f)を横軸にとったボート線図を用いる。上記ゲイン及び位相は、上記数式(3)で示される伝達関数を下記数式(20)で示すように実数部分と虚数部分に分けたときの値であるA(f)、B(f)を用いて導かれる。具体的には、ゲイン|G(f)|は数式(15)で,位相θ(f)は数式(16)で表される。
【0071】
【数25】
Figure 0004224946
【0072】
|G(f)|及びθ(f)はそれぞれ、図5(b)及び(c)に示されるような変化を持ったグラフとなる。これより、上記の変位Xを達成するためには、この伝達関数による変化分をみこんだ電圧を印加する必要がある。したがって、駆動電圧Vは、下記数式(2)で表される。この式においては、b=4を使用している。
【0073】
【数26】
Figure 0004224946
【0074】
図5に示す駆動装置10において、駆動回路17によって、上式の駆動電圧Vを圧電素子14に印加することで、圧電素子14は上記数式(1)に示される変位Xで移動する。これに伴い、移動体15が駆動する。
【0075】
ただし、この方法では、圧電素子の伝達関数Gを十分に明らかにする必要がある。また、量産などにおいて、この伝達関数がユニットごとにばらついた場合、個々に調整する必要がある。よって、これらを回避する方法が求められる。
【0076】
図6は、駆動周波数が限定される第5実施形態を説明するための図である。本実施形態の駆動装置10は、圧電素子14の伸縮方向の一端が台座13に固定され、他端が駆動軸16に固定されている。駆動軸16には、移動体15が摩擦係合されている。上記のようにして導かれた伝達関数のゲイン及び位相と駆動周波数の関係を、それぞれ図6(b)、図6(c)に示す。図6(b)に示すようにf<f/3の範囲、すなわち、駆動周波数fが20kHz以下の範囲であれば、|G(f)|=1とみなすことができる。図6(c)に示すように同様にf<fs/3の範囲では、θ(f)=0とみなすことができる。これより、駆動周波数が限定される場合は駆動電圧Vは下記数式(4)で表される。ただし、駆動周波数fの範囲は圧電素子機械品質係数Qに依存する。
【0077】
【数27】
Figure 0004224946
【0078】
上記数式(2)及び(4)で表される駆動電圧Vは、比較的簡単な電気回路で作り出すことは困難である。一方、数式(4)に示される式中の一次正弦波と二次正弦波を単独で作り出すことは比較的簡単な電気回路で可能である。そこで、圧電素子を直列に2つのブロックに分けて、それぞれのブロックに上記数式(4)で表される式の一次正弦波と二次正弦波を印加することで、圧電素子全体としては、上記数式(1)で表される式により示される変位Xを得ることができる。
【0079】
図7に第6実施形態にかかる駆動装置12の構成を示す。この駆動装置12は、圧電素子を2つのブロックに分けて、それぞれのブロックに一次正弦波と二次正弦波を印加する。具体的には、圧電素子20として、積層型圧電素子の層を第1ブロック22と第2ブロック24の2つのブロックに分ける。上述の通り、圧電素子20は積層数が100であるので、第1ブロック22と第2ブロック24の層数の合計は100となる。駆動回路26、28は、直列につながれた第1の圧電素子である第1ブロック22、第2の圧電素子である第2ブロック24のそれぞれに駆動電圧V及びVを印加する。駆動電圧Vは上記数式(2)の駆動電圧の一次正弦項であり、駆動電圧Vは上記数式(2)の二次正弦項である。これらは、具体的に下記数式(7)及び(8)で表される。
【0080】
【数28】
Figure 0004224946
【0081】
図8に駆動周波数fがf<f/3の範囲に制限される第7実施形態を示す。本実施形態では、上述のように|G(f)|=1及びθ(f)=0とみなすことができるので、駆動回路36は、下記数式(9)で表される駆動電圧Vを第1の圧電素子である第1ブロック32に印加し、駆動回路38は、下記数式(10)で表される駆動電圧Vを第2の圧電素子である第2ブロック34に印加する。その結果、圧電素子30全体としては、数式(1)に示される変位Xを得ることができる。
【0082】
【数29】
Figure 0004224946
【0083】
図9に第8の実施形態の駆動装置を示す。図9に示すように、本駆動装置12bは、圧電素子40のブロックを積層型圧電素子の層をそれぞれの変位量が4:1となるように分割する。具体的には、第1ブロック42と第2ブロック44との層数の比が4:1、すなわち、第1ブロックを80層、第2ブロックを20層になるように圧電素子40を設ける。圧電素子40をこのように設けることで、駆動回路46は、第1ブロック42に下記数式(11)で表される駆動電圧Vを印加する。また、駆動回路48は、第2ブロック44に下記数式(12)で表される駆動電圧Vを印加する。したがって、駆動回路46、48を単一電源から取ることができる。
【0084】
【数30】
Figure 0004224946
【0085】
なお、積層型圧電素子を用い、積層数で変位量の比を4:1とする代わりに、他に長さが同じで、電界強度が4倍になるようにしても同様の効果を得ることができる。
【0086】
圧電素子を容量性負荷として扱える領域で正弦波形で駆動する場合、エネルギーは非常に低いものとすることができる。しかし、鋸歯状波形や上記数式(2)で表される波形で圧電素子を駆動した場合、波形が正弦波ではないためエネルギーロスは避けられない。このことから、圧電素子を二つのブロックに分けて、それぞれを正弦波駆動する大きなメリットとして低消費電力化があげられる。
【0087】
これを達成するために、図10に示す電気回路を用いた第9実施形態にかかる駆動装置12cの構成を図10に示す。この駆動装置12cでは、正弦波を作り出すために、駆動回路として自励発振回路60を用いている。この自励発振回路60により駆動電圧Vは、第1ブロック52、第2ブロック54のそれぞれに印加される。自励発振回路60は、電源65を共通にし、周波数fのパルス66は、スイッチ61を通じてコイル63により誘導されて第1ブロック52に印加される。同様に、周波数2fのパルス68は、スイッチ62を通じてコイル64により誘導されて、第2ブロック54に印加される。このときの自励発振回路のインダクタンスLは自励発振周波数がf及び2fになるように設定すればよい。具体的には、コイル63のインダクタンスL及びコイル64のインダクタンスLはそれぞれ下記数式(21)及び(22)で示される値となるように設定すればよい。
【0088】
【数31】
Figure 0004224946
【0089】
上記回路60は正弦波駆動することから、この回路を用いることでエネルギーロスを抑えることができる。
【0090】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 圧電素子を用いた駆動装置の原理を説明する図である。
【図2】 本発明の第1実施形態にかかる駆動装置を示す図である。
【図3】 本発明の第2実施形態にかかる駆動装置を示す図である。
【図4】 本発明の第3実施形態にかかる駆動装置を示す図である。
【図5】 本発明の第4実施形態にかかる駆動装置を示す図である。
【図6】 本発明の第5実施形態にかかる駆動装置を示す図である。
【図7】 本発明の第6実施形態にかかる駆動装置の構成を示す図である。
【図8】 本発明の第7実施形態にかかる駆動装置の構成を示す図である。
【図9】 本発明の第8実施形態にかかる駆動装置の構成を示す図である。
【図10】 本発明の第9実施形態にかかる駆動装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
2 駆動装置
3 台座
4 圧電素子
5 移動体
6 駆動軸
10 駆動装置
12,12a,12b,12c 駆動装置
13 台座
14 圧電素子
15 移動体
16 駆動軸
20,30,40,50 圧電素子
22,32,42,52 第1ブロック
24,34,44,54 第2ブロック
36,38,46,48 駆動回路
60 自励発振回路
61,62 スイッチ
63,64 コイル
65 電源
66,68 パルス

Claims (9)

  1. 電気機械変換素子と、前記電気機械変換素子の伸縮方向の一端に固定された駆動摩擦部材と、前記駆動摩擦部材に摩擦力で係合された係合部材と、前記電気機械変換素子に前記係合部材を移動させる駆動電圧を印加する駆動回路とから構成される駆動装置において、
    前記駆動回路は、前記電気機械変換素子の変位Xが下記数式(1)で表されるように、前記駆動電圧を前記電気機械変換素子に印加することを特徴とする駆動装置。
    Figure 0004224946
    (式中、Xp0、f、t、bは以下のことを示す。
    p0:任意の電気機械変換素子の振幅
    :任意の駆動周波数
    t:時間
    b:2<b<8を満たす定数)
  2. 前記駆動回路は、下記数式(2)で表される前記駆動電圧を前記電気機械変換素子に印加することを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
    Figure 0004224946
    (式中、V、f、t、b、|G(f)|、θ(f)は以下のことを示す。
    :任意の電圧
    :任意の駆動周波数
    t:時間
    b:2<b<8を満たす定数
    |G(f)|:下記数式(3)で表される伝達関数のゲイン
    θ(f):下記数式(3)で表される伝達関数の位相。
    Figure 0004224946
    (式中、f、Qは以下のことを示す。
    :前記電気機械変換素子の共振周波数
    :前記電気機械変換素子の機械品質係数))
  3. 前記駆動回路は、下記数式(4)で表される前記駆動電圧を前記電気機械変換素子に印加することを特徴とする請求項2記載の駆動装置。
    Figure 0004224946
    (式中、V、f、t、bは以下のことを示す。
    :任意の電圧
    :f<f/3を満たす駆動周波数(fは前記電気機械変換素子の共振周波数)
    t:時間
    b:2<b<8を満たす定数)
  4. 前記電気機械変換素子は、伸縮方向に結合された第1の電気機械変換素子及び第2の電気機械変換素子から構成され、
    前記駆動回路は、前記第1の電気機械変換素子の変位Xp1が下記数式(5)で表され、かつ、前記第2の電気機械変換素子の変位Xp2が下記数式(6)で表されるように、前記第1及び第2の電気機械変換素子に前記駆動電圧を印加することを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
    Figure 0004224946
    (式中、Xp0、f、t、bは以下のことを示す。
    p0:任意の電気機械変換素子の振幅
    :任意の駆動周波数
    t:時間
    b:2<b<8を満たす定数)
  5. 前記電気機械変換素子は、伸縮方向に結合された第1の電気機械変換素子及び第2の電気機械変換素子から構成され、
    前記駆動回路は、下記数式(7)で表される駆動電圧V1を前記第1の電気機械変換素子に印加し、下記数式(8)で表される駆動電圧V2を前記第2の電気機械変換素子に印加することを特徴とする請求項4記載の駆動装置。
    Figure 0004224946
    (式中、V、f、t、b、A、Aは以下のことを示す。
    :任意の電圧
    :任意の駆動周波数
    t:時間
    b:2<b<8を満たす定数
    1:前記第1の電気機械変換素子の単位電圧あたりの変位量
    2:前記第2の電気機械変換素子の単位電圧あたりの変位量)
  6. 前記駆動回路は、下記数式(9)で表される駆動電圧V1を前記第1の電気機械変換素子に印加し、下記数式(10)で表される駆動電圧V2を前記第2の電気機械変換素子に印加することを特徴とする請求項5記載の駆動装置。
    Figure 0004224946
    (式中、V、f、t、bは以下のことを示す。
    :任意の電圧
    :f<f/3を満たす駆動周波数(fは前記電気機械変換素子の共振周波数)
    t:時間
    b:2<b<8を満たす定数)
  7. 前記定数bは、前記第1の電気機械変換素子と前記第2の電気機械変換素子の単位電圧あたりの変位量の比(A/A)に等しく、前記駆動回路は、下記数式(11)で表される駆動電圧V1を前記第1の電気機械変換素子に印加し、下記数式(12)で表される駆動電圧V2を前記第2の電気機械変換素子に印加することを特徴とする請求項6記載の駆動装置。
    Figure 0004224946
    (式中、V’、f、t、bは以下のことを示す。
    ’:任意の電圧
    :f<f/3を満たす駆動周波数(fは前記電気機械変換素子の共振周波数)
    t:時間)
  8. 前記駆動回路は、自励発振回路により、前記電気機械変換素子に前記駆動電圧を印加することを特徴とする請求項4記載の駆動装置。
  9. 前記駆動回路は、前記電気機械変換素子の変位Xが前記数式(1)に対して、下記数式(13)で示されるように位相ずれθを設けることができるように、前記駆動電圧を調整する位相調整手段を備え、前記係合部材の移動速度と移動方向を調整可能であることを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
    Figure 0004224946
    (式中、Xp0、f、t、bは以下のことを示す。
    p0:任意の電気機械変換素子の振幅
    :任意の駆動周波数
    t:時間
    b:2<b<8を満たす定数)
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