JP4224683B2 - 模型ヘリコプター及びその操作練習装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線又は有線制御下に飛行する模型ヘリコプター及びその操作練習装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
無線又は有線制御下に飛行する模型ヘリコプターにおいては、離着陸が熟練を要する難しい操作であり、このときの操作ミスによっては機体が墜落して損傷し得る。この種の模型ヘリコプターは軽量化のため機体強度が低くなっており、墜落時に大きな損傷を生じ易い。また、損傷が激しい場合はその修理が高額となり、経済的にも大きな負担となるため、ユーザが習熟前に模型ヘリコプターから離れてしまう場合もある。そこで、模型ヘリコプターをこのような損傷から守りつつ、安全に離着陸の操作練習を行うための装置が提案されている。
【0003】
例えば、特開平2−119888号公報(特許文献1)には、模型ヘリコプターの取付台と、該取付台に一端が傾斜・回動自在に接続された第1支持バーと、該第1支持バーの他端に接続されたスライダ部と、該スライダ部に一端が接続され他端が地面、テーブル等に接続された第2支持バーとを含んで構成される模型ヘリコプターの操作練習装置が記載されている。
【0004】
また、特開平6−256号公報(特許文献2)には、模型ヘリコプターの取付台と、穴が設けられた基台と、前記穴より大きな寸法の動片と、前記穴を通って前記取付台と前記動片とを接続するワイヤとを含んで構成される模型ヘリコプターの操作練習装置が記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平2−119888号公報(第2頁)
【0006】
【特許文献2】
特開平6−256号公報(第2頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特許文献1又は特許文献2に記載の模型ヘリコプターの操作練習装置においては、模型ヘリコプターが取付台や支持バー、動片などの機体に接続された部材を吊り下げて浮上しなければならず、通常に浮上する場合に比べて重量負荷が大きくなる。特許文献1に記載のものでは、さらにバネの復元力も加わる。したがって、通常に浮上する場合とは操作感覚が異なり、適切な操作感覚を修得することが困難である。
【0008】
また、特許文献1における操作練習装置では、上昇下降動作が第1支持バーと第2支持バーとの平行相対移動により実現されるので、地面又はテーブル等に立たされた第2支持バーの上端付近が機体の出発及び到着地点となる。したがって、機体の揚力に影響を及ぼす地面やテーブルなどのヘリポートとなる面からの離陸及びそこへの着陸を適切に練習することができない。また、特許文献2における操作練習装置では、離着陸時に機体周辺を流れる気流が取付台及び穴の影響を受けるため、操作感覚は通常に離着陸する場合とは異なったものとなる。
【0009】
さらに、特許文献1における操作練習装置では、第1支持バー及び第2支持バーを長くすると、支持バーによる支持が不安定となり、重量負荷が増し、機体の出発及び到着地点も高くなって機体の支持バーへの設置も困難となる。したがって機体を高い位置、例えば部屋の天井付近まで上昇可能とすることは困難である。特許文献2における操作練習装置においては、ワイヤを長くすると墜落時に機体が傾く危険性が増し、このような墜落によって回転翼が損傷し得る。また特許文献1の場合と同様に、重量負荷が増し、基台を高くする必要があるので機体の出発及び到着地点も高くなって機体の設置も困難となる。
【0010】
上記のように、従来の模型ヘリコプターの操作練習装置では、通常に浮上する場合に近い操作環境で、模型ヘリコプターの操作練習を行うことはできなかった。
【0011】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、通常に浮上する場合に近い操作環境で、模型ヘリコプターの操作の練習を行うことができ、操作ミス等による機体の損傷を防止することができる模型ヘリコプター及びその操作練習装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る模型ヘリコプターは、動力源と、上下方向に延び該動力源からの動力により回転する軸柱と、該軸柱と共に回転するように該軸柱に接続された揚力発生用回転部材と、これらを支持する機体本体とを備えた模型ヘリコプターにおいて、前記軸柱は、中空パイプ状であり前記機体本体から前記回転部材の中心部を貫通して上方へ突出しており、前記機体本体の下部には、前記軸柱の下方に位置して上下に開いた環状部材が設けられており、前記機体本体は、前記軸柱及び環状部材の両方を貫くガイド用線条を通し得る中空部を備えており、前記ガイド用線条が挿通可能で、前記軸柱の上端部より径の大きいリング状部材が、前記軸柱の上端部よりも上方に設けられていることを特徴とする。
【0013】
上記模型ヘリコプターによれば、中空パイプ状の軸柱、上下に開いた環状部材、及びこれらの間の中空部からなる構造が設けられているので、前記軸柱、中空部及び環状部材を貫くように、ガイド用線条を機体本体に通すことができる。そして、ガイド用線条の下端をヘリコプターのヘリポートとなる面に固定し、上端をその上部支持材に固定することにより、機体本体をガイド用線条に沿わせつつ、ヘリポート面から上昇領域までの区間で模型ヘリコプターを飛行させることができる。飛行区域はガイド用線条上に限定されるので障害物への激突が回避される。また、墜落しても模型ヘリコプターのそりで着地するので、模型ヘリコプターは損傷し難い。したがって通常に浮上する場合に近い操作環境で、模型ヘリコプターの操作の練習を行うことができ、操作ミス等による機体の損傷を防止することができる。
【0014】
ここで、前記軸柱、中空部及び環状部材は、連続した中空パイプの上端部、中間部及び下端部により構成されていることが望ましい。これにより、上記模型ヘリコプターにおいてガイド用線条を通し得る構造を簡潔にすることができる。
【0015】
また、前記軸柱の上端部及び前記環状部材の下端部が広く開いた形状となっていることが望ましい。これにより、機体が傾いた場合に生じる軸柱の上端部又は環状部材の下端部とガイド用線条との間の摩擦を軽減して、機体の動きを円滑にし、またガイド用線条の摩耗を防ぐことができる。
【0016】
また、前記機体本体の主要部が、マグネシウム合金により構成されていることが望ましい。これにより、機体本体を軽く、強度が強いものとし、さらに、機体本体に優れた放熱特性、及び振動吸収性を具備させることができる。機体本体の主要部とは、機体の胴部を中心とした支持構造体の部分をいう。
【0017】
本発明に係る模型ヘリコプターの操作練習装置は、上記本発明に係る模型ヘリコプターと、該模型ヘリコプターの機体本体を貫くガイド用線条と、前記模型ヘリコプターより下方で前記ガイド用線条を固定する下部固定具と、前記模型ヘリコプターより上方で前記ガイド用線条を固定する上部固定具とを備えていることを特徴とする。
【0018】
上記模型ヘリコプターの操作練習装置によれば、機体本体をガイド用線条に沿わせつつ、下部固定具から上部固定具までの区間で模型ヘリコプターを飛行させることができる。飛行区域はガイド用線条上に限定されるので障害物への激突が回避される。また、墜落しても模型ヘリコプターのそりで着地するので、模型ヘリコプターは損傷し難い。したがって、下部固定具を地面やテーブル等のヘリポート面に、上部固定具を天井近傍などの上昇領域に設置することにより、通常に浮上する場合に近い操作環境で、模型ヘリコプターの操作の練習を行うことができ、操作ミス等による機体の損傷を防止することができる。
【0019】
また、前記下部固定具又は上部固定具が、前記ガイド用線条の巻き取り機構を備えていることが望ましい。これにより、操作練習を行う場所に合わせてガイド用線条の長さを巻き取り機構で調節することができる。
【0020】
また、前記模型ヘリコプターが二次電池を、前記下部固定具が前記二次電池の充電装置をそれぞれ備えており、前記模型ヘリコプターが前記下部固定具に着陸した状態で、前記二次電池の電極端子と前記充電装置の充電端子とが接続可能となっていることが望ましい。これにより、模型ヘリコプターの充電を簡潔でコンパクトに行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明をする。
図1は、本発明の実施形態に係る模型ヘリコプターの斜視図であり、図2は、図1に示した模型ヘリコプターの揚力発生用回転部材周辺部の構成を示した斜視図である。図3は、図1に示した模型ヘリコプターの軸柱周辺部の構成を示した分解斜視図であり、図4は、図3に示した模型ヘリコプターの軸柱周辺部の構成を示した断面図である。
【0022】
図示のように、本発明の実施形態に係る模型ヘリコプター10は、動力源20と、上下方向に延び動力源20からの動力により回転する軸柱30と、軸柱30と共に回転するように軸柱30に接続された揚力発生用回転部材40と、モータに電力を供給する電池60と、制御部70と、これらを支持する機体本体50とを備えている。
【0023】
動力源20は、本実施形態では電気モータであり、該モータ20は電池60から電力を供給されて回転するようになっており、ギア35及び36を介して軸柱30を回転させるようになっている。本実施形態においては、電池60は充電可能な二次電池となっている。
【0024】
軸柱30は、機体本体50のフレーム52に設けられた軸柱ハウジング51によって、軸受けを介して回転可能に支持されている。軸柱30は、中空パイプ状であり機体本体50の天面から回転部材40の中心部を貫通して上方へ突出しており、軸柱30の上端部30aには、上下に開いた環状部材31が設けられている。機体本体50の下部には、軸柱30の下方に位置し、機体本体50の底面を貫通して上下に開いた環状部材32が設けられている。したがって、機体本体50には、軸柱30及び環状部材32を貫く中空部が設けられており、該中空部にガイド用線条Aが通されるようになっている。
【0025】
本実施形態では、軸柱30、前記中空部及び環状部材32は連続した中空パイプの上端部、中間部及び下端部により構成されている。また、図示のように、環状部材31及び環状部材32は広く開いた形状となっている。これにより、機体が傾いた場合に生じる軸柱30の上端部とガイド用線条Aとの間の摩擦を軽減して、機体の動きを円滑にし、またガイド用線条Aの摩耗を防ぐことができる。
【0026】
回転部材40は、軸柱30の回りに複数設けられた回転翼41及びスタビライザ42を備えている。回転翼41は軸柱30の側面に接続された取付けフレーム43に支持されている。取付けフレーム43は、回転部材40の中心部から径方向に延びる回動軸43aにボールベアリング等を介して回動自在に接続されている。スタビライザ42は、取付けフレーム43に一端を回転可能に支持され半径方向に延びる取付けバー42aの他端に固着されている。これにより、中空パイプ状の軸柱30の上方部分を開放した状態で、取付けフレーム43によって回転翼41を、取付けフレーム43及び取付けバー42aによってスタビライザ42を確実に軸柱30に固定することができるようになっている。
【0027】
取付けバー42aは、リンク72a及び72bを介して伝達部材72と接続されており、伝達部材72はベアリング等を介して傾斜部材71に接続されている。傾斜部材71は、リンク61a及び62aを介して、前後方向の機体傾斜装置61及び左右方向の機体傾斜装置62に接続されている。
【0028】
機体傾斜装置61及び62は、制御信号を受信してリンク61a又は62aを上下させるようになっており、リンク61a及び62aが上下することにより傾斜部材71が傾斜する。伝達部材72は、取付けバー42aを有する回転部材40及びリンク72a及び72bと共に回転しつつ、傾斜部材71と連動して傾斜し、リンク72a及び72bを上下させる。取付けバー42aは、リンク72a及び72bが上下することにより取付けバー42aの軸線回りに回動し、スタビライザ42を傾斜させ、回動軸43aを軸として取付けフレーム43及び回転翼41の角度が変化し、これにより模型ヘリコプターのコントロールができるようになっている。
【0029】
また、取付けバー42aには、軸柱30の上端部より上方に、該上端部より径の大きいリング状部材42bが設けられている。これにより機体が傾いた際に、リング状部材42bがガイド用線条Aと接触し、ガイド用線条Aと回転翼41又はスタビライザ42との接触を防止する。
【0030】
機体本体50は、機体の胴部を中心とした支持構造体の部分を主要部として含み、少なくとも動力源20及び軸柱30を支持するためのものである。機体本体50の主要部は、マグネシウム合金、特にAZ31Bにより構成されていることが望ましい。この例では、機体本体50のうち、軸柱30を上方で支持するフレーム52、及び該フレーム52を支持し、軸柱30を下方で支持するボディ53がマグネシウム合金となっているが、機体本体50の他の部分をマグネシウム合金で構成することもできる。このようにマグネシウム合金を用いることにより、機体本体50を軽く、強度が強いものとし、さらに、機体本体50に優れた放熱特性、及び振動吸収性を具備させることができる。したがって、電気系統からの熱を速やかに放出し、振動による衝撃を抑制することができ、模型ヘリコプター10のより安全な操作が可能となる。
【0031】
制御部70は、ユーザからの操作制御信号を受信して、モータ20、電池60、及び機体傾斜装置61及び62を制御する。
【0032】
このように構成された本発明の実施形態に係る模型ヘリコプターによれば、図示のように中空パイプ状の軸柱30、上下に開いた環状部材32、及びこれらの間の中空部からなる構造が設けられているので、軸柱30、中空部及び環状部材32を貫くように、ガイド用線条Aを機体本体50に通すことができる。そして、ガイド用線条Aの下端を地面やテーブル等のヘリコプターのヘリポートとなる面に固定し、上端を天井等の上部支持材に固定することにより、機体本体50に余分な重量負荷を与えることなく、機体本体50をガイド用線条Aに沿わせつつ、ヘリポート面から上昇領域までの区間で模型ヘリコプターを飛行させることができる。飛行区域はガイド用線条A上に限定されるので障害物への激突が回避される。また、墜落しても模型ヘリコプターのそりで着地するので、模型ヘリコプターは損傷し難い。したがって通常に浮上する場合に近い操作環境で、模型ヘリコプターの操作の練習を行うことができ、操作ミス等による機体の損傷を防止することができる。
【0033】
図5(a)〜(c)は、上記実施形態及び他の実施形態に係る模型ヘリコプターの軸柱周辺部の構成を概略的に示した断面図である。
【0034】
上記実施形態では、図5(a)に示すように、軸柱30、中空部及び環状部材32は連続した中空パイプの上端部、中間部及び下端部により構成されており、中空パイプ状の軸柱30における管内の空間が一つの連続した中空部となっている。軸柱30には、環状部材31及び32が付加した部材として記載されているが、これらを一体に形成してもよく、また、これらを付加せず、図5(b)に示す他の実施形態のように、中空パイプ状の軸柱30Bの上端及び下端をそのまま環状部材31B及び32Bとすることもできる。
【0035】
図5(c)及び(d)は、さらに他の実施形態における軸柱周辺部の構成を示している。図5(c)に示した実施形態では、軸柱30Cを機体本体50C内部で終端させ、機体本体50C下部に環状部材32Cを設けて、該終端部と環状部材32Cとの間の中空部を他の部材で構成している。図5(d)に示した実施形態では、軸柱30Dを機体本体50D内部で終端させ、機体本体50D下部に環状部材32Dを設けて、該終端部と環状部材32Dとの間の中空部を単なる空間としている。
【0036】
このように、本発明においては、軸柱30が中空パイプ状であり機体本体から回転部材の中心部を貫通して上方へ突出しており、機体本体の下部に軸柱の下方に位置して上下に開いた環状部材が設けられており、機体本体が軸柱及び環状部材を貫くガイド用線条を通し得る中空部を備えていればよく、上述した実施形態の他にも様々な実施形態が可能である。
【0037】
図6は、本発明の実施形態に係る模型ヘリコプターの操作練習装置の斜視図であり、図7は図6に示した操作練習装置の下部固定具を示す分解斜視図である。
【0038】
図示のように、本発明の実施形態に係る模型ヘリコプターの操作練習装置は、先の実施の形態で示した模型ヘリコプター10と、模型ヘリコプター10の機体本体50を貫くガイド用線条Aと、模型ヘリコプター10より下方でガイド用線条Aを固定する下部固定具100と、模型ヘリコプター10より上方でガイド用線条Aを固定する上部固定具200とを備えている。
【0039】
ガイド用線条Aは、金属線、合成繊維、天然繊維又はこれらを組み合わせた線条とすることができる。
【0040】
下部固定具100は、図7に示すように、ヘリポート面となる天板100aを有する筐体で構成されており、該天板100aには充電端子105、ガイド用線条Aを通すための開口部106aを有する筒体106、模型ヘリコプター10の着地位置を制限するレール部108が設けられている。筐体内には、巻き取り部101と巻き取り用モータ102とを備えたガイド用線条Aの巻き取り機構107、充電装置103及び制御回路104が設けられており、筐体表面には制御回路104のスイッチ部を露出する操作パネル100bが設けられている。制御回路104は、外部電源から電力を受けて、巻き取り部101を回転させる巻き取り用モータ102を駆動するようになっており、巻き取り制御操作は操作パネル100bによって行われるようになっている。充電装置103は、外部電源から電力を受けて、天板100a上の充電端子105に電力を供給するようになっている。
【0041】
上部固定具200は、天井に設置され、ガイド用線条Aを吊り下げ可能なフック状ねじ釘により構成されている。
【0042】
このように構成された模型ヘリコプター10の操作練習装置によれば、ガイド用線条Aを上下方向に張った状態で容易に設置することができ、模型ヘリコプター10をガイド用線条Aに沿わせつつ、操作の練習を行うことができる。また、巻き取り機構107を備えていることにより、操作練習を行う場所に合わせてガイド用線条Aの長さを巻き取り機構107で調節することができる。
【0043】
図8は、本発明の実施形態に係る模型ヘリコプターの操作練習装置において、模型ヘリコプターが下部固定具上に着陸した状態を示す斜視図である。
【0044】
図示のように、本実施形態では、模型ヘリコプター10は着陸時にはガイド用線条Aに沿って降下し、下部固定具100の天板100a上に設けられたレール部108にその脚部を沿わせて着陸するようになっている。この着陸位置では、模型ヘリコプター10の電池60及び制御部70の端子を含む端子部66と下部固定具100の充電端子105とが近接するようになっている。
【0045】
図9は模型ヘリコプターの端子部と下部固定具の充電端子との位置関係を概略的に示す平面図であり、図9(a)は模型ヘリコプターが下部固定具上空、又は下部固定具上の着陸位置にある場合を示し、図9(b)は模型ヘリコプターが下部固定具上の充電位置にある場合を示している。
【0046】
図示のように、端子部66は、二次電池60に接続されたバッテリ端子61と、制御部70に接続された制御部端子62と、制御部端子固定部63と、押圧部64と、圧縮ばね65とを含んで構成されている。制御部端子62は押圧部64に固定されており、圧縮ばね65は、制御部端子62をバッテリ端子61に押し当てるように押圧部64を付勢するようになっている。
【0047】
図9(a)に示すように、模型ヘリコプター10が下部固定具100上空、又は下部固定具上の着陸位置にある場合、制御部端子62は、押圧部64を介して圧縮ばね65によって付勢され、バッテリ端子61に接続された状態となっており、二次電池60からの電力は制御部70に供給されるようになっている。
【0048】
レール部108に脚部を沿わせて、模型ヘリコプター10を着陸位置から前方に移動させると充電位置となる。図9(b)に示すように、充電位置においては、筒体106によって押圧部64が押し戻され、該押圧部64を介して圧縮ばね65が押し縮められ、筒体106が対向するバッテリ端子61の円弧状部によって挟持されるようになっている。この位置では、制御部端子62の先端は制御部端子固定部63に収まって、制御部端子62はバッテリ端子61から絶縁した状態となる。さらに、バッテリ端子61の先端部61aが充電端子105に押し当てられた状態となっており、二次電池60は充電端子105からの電力によって充電されるようになっている。このように、模型ヘリコプター10が着陸した状態で、二次電池60の電極端子61と充電装置103の充電端子105とが接続可能となっており、模型ヘリコプターの充電を簡潔でコンパクトに行うことができる。
【0049】
図10は、本発明の他の実施形態に係る模型ヘリコプターの操作練習装置の斜視図であり、図11は図10に示した操作練習装置の上部固定具の内部構造を示す斜視図である。
【0050】
図示のように、本発明の他の実施形態に係る模型ヘリコプターの操作練習装置は、先の実施の形態で示した模型ヘリコプター10と、模型ヘリコプター10の機体本体50を貫くガイド用線条Aと、模型ヘリコプター10より下方でガイド用線条Aを固定する下部固定具300と、模型ヘリコプター10より上方でガイド用線条Aを固定する上部固定具400とを備えている。
【0051】
模型ヘリコプター10及びガイド用線条Aについては、上述した実施形態のものと同様であるので説明を省略する。
【0052】
下部固定具300及び上部固定具400は、図示のように、それぞれ滑車部310及び410を備えており、滑車部310及び410はそれぞれ上下に間隔を空けて平行に設置された下部レール350及び上部レール450上を前後に移動することができるようになっている。
【0053】
上部固定具400は、連結部450を介して滑車部410に接続された筐体を備えており、筐体内にはガイド用線条Aを通すための開口部440、ガイド用線条Aを巻き取るための巻き取り部430、巻き取り部430を手動で回すためのハンドル420が設けられている。また、上部固定具400の下方には、模型ヘリコプター10が急上昇して上部固定具400と衝突したときに、衝突による衝撃を和らげるための緩衝部460が設けられている。
【0054】
本実施形態では、上部固定具400が滑車部410を介して上部レール450上に、下部固定具300が滑車部310を介して下部レール350上に設置されているので、上述した実施形態における効果に加えて、模型ヘリコプター10を上部レール450及び下部レール350の方向に進行させることができる。
【0055】
以上本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に制限されるものではなく種々の変更が可能である。
【0056】
例えば、下部固定具を地面等に固定されたフック状ねじ釘とすることもでき、或いは上部固定具から吊り下げた重りとすることもできる。上部固定具においても、地面に立たせた弾性のある竿体の先端部や、水平方向に離れた係止部を有する柱体の係止部などを上部固定具とすることもできる。
【0057】
【発明の効果】
本発明に係る模型ヘリコプター又は模型ヘリコプターの操作練習装置によれば、機体本体をガイド用線条に沿わせつつ、下部固定具から上部固定具までの区間で模型ヘリコプターを飛行させることができる。飛行区域はガイド用線条上に限定されるので障害物への激突が回避される。また、墜落しても模型ヘリコプターのそりで着地するので、模型ヘリコプターは損傷し難い。したがって、下部固定具を地面やテーブル等のヘリポート面に、上部固定具を天井近傍などの上昇領域に設置することにより、通常に浮上する場合に近い操作環境で、模型ヘリコプターの操作の練習を行うことができ、操作ミス等による機体の損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る模型ヘリコプターの斜視図である。
【図2】 図1に示した模型ヘリコプターの揚力発生用回転部材周辺部の構成を示した斜視図である。
【図3】 図1に示した模型ヘリコプターの軸柱周辺部の構成を示した分解斜視図である。
【図4】 図3に示した模型ヘリコプターの軸柱周辺部の構成を示した断面図である。
【図5】 図5(a)〜(c)は、図1に示した実施形態及び他の実施形態に係る模型ヘリコプターの軸柱周辺部の構成を概略的に示した断面図である。
【図6】 本発明の実施形態に係る模型ヘリコプターの操作練習装置の斜視図である。
【図7】 図6に示した操作練習装置の下部固定具を示す分解斜視図である。
【図8】 本発明の実施形態に係る模型ヘリコプターの操作練習装置において、模型ヘリコプターが下部固定具上に着陸した状態を示す斜視図である。
【図9】 模型ヘリコプターの端子部と下部固定具の充電端子との位置関係を概略的に示す平面図であり、(a)は模型ヘリコプターが下部固定具上空、又は下部固定具上の着陸位置にある場合を示し、(b)は模型ヘリコプターが下部固定具上の充電位置にある場合を示す。
【図10】 本発明の他の実施形態に係る模型ヘリコプターの操作練習装置の斜視図である。
【図11】 図10に示した操作練習装置の上部固定具の内部構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 模型ヘリコプター
20 動力源(モータ)
30 軸柱
32 環状部材
40 揚力発生用回転部材
50 機体本体
60 電池
70 制御部
Claims (7)
- 動力源と、上下方向に延び該動力源からの動力により回転する軸柱と、該軸柱と共に回転するように該軸柱に接続された揚力発生用回転部材と、これらを支持する機体本体とを備えた模型ヘリコプターにおいて、
前記軸柱は、中空パイプ状であり前記機体本体から前記回転部材の中心部を貫通して上方へ突出しており、
前記機体本体の下部には、前記軸柱の下方に位置して上下に開いた環状部材が設けられており、
前記機体本体は、前記軸柱及び環状部材の両方を貫くガイド用線条を通し得る中空部を備えており、
前記ガイド用線条が挿通可能で、前記軸柱の上端部より径の大きいリング状部材が、前記軸柱の上端部よりも上方に設けられていることを特徴とする模型ヘリコプター。 - 前記軸柱、中空部及び環状部材が連続した中空パイプの上端部、中間部及び下端部により構成されていることを特徴とする請求項1記載の模型ヘリコプター。
- 前記軸柱の上端部及び前記環状部材の下端部が広く開いた形状となっていることを特徴とする請求項1又は2記載の模型ヘリコプター。
- 前記機体本体の主要部が、マグネシウム合金により構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載の模型ヘリコプター。
- 請求項1〜4のいずれかの項に記載の模型ヘリコプターと、
該模型ヘリコプターの機体本体を貫くガイド用線条と、
前記模型ヘリコプターより下方で前記ガイド用線条を固定する下部固定具と、
前記模型ヘリコプターより上方で前記ガイド用線条を固定する上部固定具とを備えていることを特徴とする模型ヘリコプターの操作練習装置。 - 前記下部固定具又は上部固定具が、前記ガイド用線条の巻き取り機構を備えていることを特徴とする請求項5記載の模型ヘリコプターの操作練習装置。
- 前記模型ヘリコプターが二次電池を、前記下部固定具が前記二次電池の充電装置をそれぞれ備えており、前記模型ヘリコプターが前記下部固定具に着陸した状態で、前記二次電池の電極端子と前記充電装置の充電端子とが接続可能となっていることを特徴とする請求項5又は6記載の模型ヘリコプターの操作練習装置。
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