JP4224211B2 - 超音波トランスデューサを取り付けるための装置と方法 - Google Patents

超音波トランスデューサを取り付けるための装置と方法 Download PDF

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Description

【0001】
発明の分野
本発明は、超音波トランスデューサを取り付けるための装置および方法に関する。より具体的には、本発明は、患者とトランスデューサヘッドモジュールを外的衝撃による悪影響から保護するギプスに超音波トランスデューサを取り付けるための装置および超音波トランスデューサを取り付けるための装置を装着する方法に関する。
【0002】
関連技術の記載
筋骨格の傷を治療するために超音波を使用することは公知である。例えば、周波数、パルス反復、振幅等の適切なパラメータを有する超音波パルスを骨の傷に近接する適切な外部位置に適当な時間あてることは、例えば骨の損傷や骨折の自然治癒の促進や骨粗しょう症の治療のために決定されてきた。骨粗しょう症を患っている老人のように治癒力が減退した患者については、超音波療法は、もし行わなければ補綴置換を必要とするかあるいは生涯不自由なままであろう骨の傷の治癒を促進するかもしれない。
【0003】
TalishおよびLifsheyへの米国特許第5,003,965号および5,186,162号(それぞれ「Talish’965」および「Talish’162」)およびWinderらへの米国特許第5,520,612号は、RF生成器およびトランスデューサの相方が、皮膚上の位置に設置されるモジュラーアプリケータユニットの一部である超音波照射システムを記載している。アプリケータユニットに加えて、超音波パルスの継続時間とパルス反復周期を制御する信号が生成される。Talish’965およびTalish’162はまた、治療表面が皮膚の位置に近接するようにアプリケータユニットを装着するための取付装置を記載している。Talish‘965およびTalish’162において、皮膚はギプスによって囲まれているが、TalishおよびLifsheyへの米国特許第5,211,160号(「Talish‘160」)は、被覆されない身体部分(即ち、ギプスや他の医療用被覆のない)に装着するための取付装置を記載している。
【0004】
米国4,947,853は、患者の収縮を調べるために患者の腹部にセンサーを定位置に保持するためのセンサー支持体を示す。この支持体は、一端で放射状のフランジを備える中空の管状部材を含み、このフランジはフランジの内側部分よりも実質的により可撓性である周辺部分を有する。
米国5,556,372は、超音波トランスデューサヘッドモジュールのための支持体を示す。この支持体は、患者の腕が超音波によって治療できるように患者の腕に対して超音波トランスデューサヘッドモジュールを定位置に固定する調節可能なストラップを含む。
多くの場合、超音波治療を受ける患者は活動する。トランスデューサヘッドモジュールは、静止した超音波生成器から離れたところの患者に取り付けられてもよいし、あるいは、例えばTalishらへの米国特許第5,556,372号に開示のように携帯用超音波生成器を患者が持っていてもよい。従って、トランスデューサヘッドモジュールは、ますますモジュールを損傷したり治療効率に悪影響を生じるかもしれない外的衝撃を受けやすくなる。このように、先行技術に記載のシステムは典型的な治療用超音波法と装置を開示しているが、トランスデューサヘッドモジュールと患者を保護する超音波トランスデューサの取付方法と装置を開示していない。
【0005】
先行技術のトランスデューサ取付装置に伴うもう1つの問題が、装置を装着するときに外科医にとって明らかになる。通常、超音波治療を施す決定がなされる前にギプスが患者に取り付けられる。従って、外科医はすでに存在するギプスに穴を開けて治療を要する患者の身体部分に近接させて超音波トランスデューサヘッドモジュールを設置する場所を作らなければならない。多くのトランスデューサヘッドモジュールが円形なので、対応する円形の穴がギプスに必要になる。しかしながら、外科医は普通、ギプス中に正方形あるいは長方形の隙間を切るためにギプスの深さまでしか入り込まないように調整される刃を有する道具を装備している。その上、それは、ギプスに作る隙間の精密さを外科医に気遣うよう要求するには不十分である。従って、ギプス中の隙間に設置することができ、正方形あるいは長方形の隙間を、超音波トランスデューサヘッドモジュールを収容する円形の穴に変えることができ、しかも調整可能で用途が広く、隙間の寸法に関する正確さを最小にする装置の必要性がある。
【0006】
あるいは、外科医は、損傷が生じたときに超音波治療が将来の好ましい治療である予測することがあるかもしれない。しかしながら、これまで、ギプスに隙間を作るスペーサを装着するのは、影響をうけた損傷部位の周りの腫れの危険性が明らかになるような一定の時間が経過するまで延ばされてきた。というのは、隙間の中の皮膚がギプス窓浮腫(window edema)にかかりやすいと決められてきたからである(特に腫れの期間)。従って、超音波トランスデューサヘッドモジュールを挿入可能に受け入れかつモジュールが装着されないときにはギプス窓浮腫を予防する挿入体を、損傷が生じた時に外科医がギプス中に設置することができる装置の必要性がある。
【0007】
また、従来のトランスデューサ取付装置は、特に、通常衣類で覆われる患者の身体部分に設置されたときには、嵩が高く患者にとって煩わしいことがよくある。従って、患者に取り付けたときに嵩が低く、衣類の下の位置に取り付けても患者にとって快適な装置の必要性がある。
【0008】
発明の概略
本発明の目的は、従来技術のこれらおよびその他の欠点を克服する超音波トランスデューサヘッドモジュールの取付装置を提供することである。本発明によれば、この目的は請求項1に記載の装置によって達成される。その1つの実施態様において、装置は軸孔とそこから放射状に伸びる複数のタブを有する挿入体を含む。患者が着けているギプスの下に治療箇所がある場合には、ギプスの穴に対応する周縁部を有するスペーサがその中に設置される。好ましくはスペーサは挿入体を受け入れる穴を有する。超音波トランスミッション増強媒体がスペーサの穴の中、治療箇所に近接させて位置される。超音波治療ヘッドモジュールが挿入体の中に入れられた後、モジュールを超音波トランスデューサ増強媒体の方に付勢する手段が提供される。
【0009】
他の実施態様は、軸孔を有する挿入部材と、挿入体の孔の中、治療箇所に近接させて位置される超音波トランスミッション増強媒体と、挿入体中に位置される超音波治療ヘッドモジュールを超音波トランスミッション増強媒体の方に付勢する手段と、装置を治療箇所に取り外し可能に係合させる手段とを含む。
【0010】
本発明のさらに別の目的は、超音波トランスデューサヘッドモジュールの取付方法を提供することである。本発明によれば、この目的は請求項19に記載の方法によって達成される。この方法の1つの実施態様は、治療を受ける身体部分に近接して患者のギプスに開口を切るステップと、ギプスの開口に穴を有するスペーサを入れるステップと、複数の放射状に伸びるタブを有する挿入体をスペーサの穴に少なくとも部分的に入れるステップと、複数の放射状に伸びるタブあるいはフランジ間にギプス材料片を編み込んでギプスの開口中に挿入体を固定するステップと、超音波トランスミッション増強媒体を挿入体中に入れるステップと、超音波トランスデューサヘッドモジュールを挿入体中に入れるステップと、超音波トランスデューサヘッドモジュールにカバーをかぶせるステップと、超音波トランスデューサヘッドモジュールを治療を受ける身体部分の方に付勢するステップとを含む。
【0011】
装置は、人間工学的配慮を考慮に入れた設計にすることに利点を有する。例えば、本発明の装置において要求されるギプス中に切る穴は小さくなり、装置は従来の超音波トランスデューサ治療ヘッドモジュールほど患者の身体から突き出ることはない。
本発明のこれらおよびその他の目的、特徴および利点は、添付図面と関連して読まれるべき例示的な実施態様の下記の詳細な記載から明らかになるであろう。
【0012】
発明の好ましい実施の態様の記載
これより図面を詳細に参照しながら、まず図1に、ギプス24の一部に形成された空隙22内に配置された挿入体20を示す。空隙22はほぼ正方形の形状を有し、点線にて表示される。挿入体20はほぼ円形の外周を有し、そこから放射状に延伸する複数のタブを有する。図1では4個のタブ26を見ることができる。それ以外のタブ26は図2から明らかなように、見えているタブの下の面でギプス材料に覆い隠されている。挿入体20は下記に詳細に記載するように、好ましくはそのほぼ円形の外周内に治療を開始するための超音波トランスデューサを搭載するための軸孔を有する。挿入体20は好ましくはポリプロピレンから形成される。
【0013】
図2はギプス24内側の挿入体20の側部断面図を示す。挿入体20を空隙22に配置する前に、スペーサ30が空隙22内に配置される。スペーサ30は空隙22の形状に対応する外周形状を有し、挿入体20の形状に対応する穴を中心に有するように設計される。スペーサ30は好ましくは患者の身体部分に対して快適特性を示す医療等級フェルトまたは類似の材料から形成され、ギプス24の厚さに応じてその厚さを調節できるように複数の層として形成してもよい。
【0014】
スペーサ30は、ギプスをした箇所での不均一な圧力によるギプス窓浮腫または類似の外傷を防止するために、患者の身体部分34から所定の間隔をおいて挿入体20を保持する。図に示すように、挿入体20はスペーサ30の穴に部分的に挿入され、放射状に延伸する少なくとも1つのタブ26によって支持される。タブ26は挿入体20の孔に隣接する基端部でタブ26の断面形状を縮小することによって形成される弾性(living)ヒンジが含まれる。これがヒンジ点でタブを弱めるため、タブを自由に折り曲げることができる。弾性ヒンジはタブ26の横方向の屈曲を提供し、患者の解剖学的構造の機能である、様々に変化する角度に順応する能力を高める。また、弾性ヒンジによって挿入体20を他の角度調整不良を修正するために接合することができる。
【0015】
挿入体20はタブ26間のギプス材料からなる織物片32によってギプス24の空隙22中に固定される。複数層のギプス材料織物片32が所望の厚さになるまで挿入体20の周囲に配置される。タブ26を有する挿入体20の形状により、ギプスの取り付け前または後に挿入体を取り付けることが可能となる。有利なことに、ギプス材料片層が硬化すると挿入体20はギプスの一部となる。したがって、ともすれば挿入体20を通じて伝達されてしまう患者の皮膚に対するどのような衝撃も、ギプスに吸収されるので最小化されることとなる。
【0016】
挿入体20はその上端部に、モジュールが挿入体内に配置される時に超音波治療ヘッドモジュールから延伸するコードを収容するための半球状ノッチ36を任意に有してもよい。挿入体20の下端部38は、浮腫または類似の外傷を引き起こすような衝撃を皮膚に与えることなく患者の凸状の身体部分34に対応して適合するように、凹状であることが好ましい。
【0017】
超音波トランスミッション増強媒体28は、超音波トランスデューサヘッドモジュールと治療箇所の間の空気間隙を最小化または排除するために、好ましくは治療箇所に隣接するスペーサ30の内側に配置される。超音波トランスミッション増強媒体28は伝導性ゲル嚢であることが好ましい。
【0018】
図3の上面図に示されるように、本発明の装置はギプス内のほぼ矩形または正方形の空隙の内側に適合して嵌め込まれるように設計される。有利なことに、挿入体20は空隙を対応する円形状の超音波トランスデューサヘッドモジュールを収容するための円形容器に変形させる。図4の分解側面図を下から説明すると、挿入体20を挿入可能に収容するように設計された穴を有するスペーサ30が断面図で示される。挿入体20は複数のタブ26および凹状下端部38を有する。挿入体20は好ましくはその上部に少なくとも1つの円周溝40を有する。円周溝40の目的は、挿入体20の高さをギプスの厚さに対応させるように調節するために、少なくとも一層の挿入体20の除去を可能にすることである。超音波トランスミッション増強媒体28の好ましい実施態様においては、挿入体20からの媒体の除去を容易にするための手段が提供される。この実施態様においては、除去を容易にするための手段は媒体28から延伸する図示されるタブ42である。
【0019】
超音波トランスデューサヘッドモジュール44は挿入体20内の超音波トランスミッション増強媒体28に隣接して配置される。コード50はモジュール44と電子駆動回路を接続する。その後ハウジング46が挿入体20の上部に挿入され、構成要素を挿入体20内部に封入する。付勢要素48はハウジング46の底部から延伸する。付勢要素48は円錐状螺旋ばねであることが好ましい。円錐状螺旋ばねは完全に内側に畳み込まれるように有利に設計されているため、挿入体20中で必要な空間が少なくてすむ。また、円錐状螺旋ばねは超音波トランスデューサヘッドモジュール44に対して均等な力を維持し、モジュール44をトランスミッション増強媒体28の形状に順応するように枢止することを可能にする。
【0020】
図5に超音波トランスデューサを搭載するために組み立てられた本発明による装置の拡大側面図を示す。この拡大図には自由な横方向の運動を可能にする弾性ヒンジ52がタブ26上に示されている。また、トランスデューサモジュール44を超音波トランスミッション増強媒体28に対して付勢する圧縮状態のばね48も示される。
【0021】
図6において、リベット60を有する本発明の別の実施態様を説明する。リベット60は、リベットが孔を通って挿入された時にストラップ62とカバー64とを連結させるために提供される。ストラップ62は超音波治療を受ける患者のギプス周囲に調節可能に適合するように設計され、超音波トランスデューサヘッドモジュールが挿入体67内に配置されている時に超音波トランスデューサヘッドモジュール66への均一かつ連続的な圧力を確保するためにばね65への圧縮力を維持する。本実施態様においてはカバー64も示され、カバー64にコード68が通る開口を形成することによって挿入体20に半球状ノッチ36(図2)を提供する必要性を省くように設計されている。
【0022】
トランスデューサヘッドモジュールが使用されていない期間において、つまりそれが挿入体中にない場合には、浮腫を防止するために、パッドを挿入体内に配置してトランスデューサヘッドモジュールが残した空隙を塞ぎ、ギプスによって印加される圧力と同等の一定圧力をギプス空隙内側の皮膚に対して維持しなければならない。パッドはスペーサ30と類似の医療等級フェルトで形成されるのが好ましい。パッドはその上面に付勢要素48に隣接する強固な面を形成するための硬化コーティングまたはディスクを有していてもよい。この強固な面は付勢要素がパッドに跡をつけるのを防止し、付勢要素を介してパッドへの一定の力を維持する。パッドはまた挿入体からのパッドの除去を容易にするために、タブ42に類似したタブを有していてもよい。ストラップ62は挿入体内にパッドを固定するため、かつ一定圧力を維持するために力を印加するために使用してもよい。
【0023】
図7および8において、装置はギプスや他の医療用包帯が存在しない治療箇所に固定してもよいことが考えられる。図7はそのような装置の分解図を示し、図8は完全に組み立てた状態の図を示す。この実施態様において、トランスデューサヘッドモジュール70はストラップ78の穴76を通って挿入されるリベット74を収容するための穴72を有するように変更されている。したがって、トランスデューサヘッドモジュール70がトランスミッション増強媒体82に隣接する挿入体80内に配置されると、ストラップ78およびトランスデューサヘッドモジュール70はリベット74によって適所に固定される。挿入体80はトランスデューサヘッドモジュール70とトランスミッション増強媒体82を合わせた厚さに相当する高さで形成されることが好ましい。
【0024】
図9および10において、挿入体90は超音波治療を要する患者のギプス内側に固定されている。下端部でトランスミッション増強媒体に取り付けられるタブ94は挿入体90から延伸している。超音波トランスデューサヘッドモジュール96を挿入体90に配置した後、挿入体90の上面を覆うようにカバー98が配置され、ストラップ100が全体の装置を適所に固定するように調整される。
【0025】
図11に挿入体中にトランスデューサヘッドモジュールを保持するための固定構造を挿入体110の外周部に備えることを特徴とする超音波トランスデューサを取り付けるための装置の実施態様を示す。図に示すように、固定構造は挿入体110外周部に周辺隆起部112を含む。これはカバー116の外周部から下方に延伸する少なくとも1個のタブ部材114と係合するように設計される。図11にはタブ部材114が1個しか見られないが、120°の間隔でカバー116から延伸する3個のタブ部材を有することが好ましい。タブ部材114はその隆起部が隆起部112からの力を受けたときに外側に曲がり、隆起部112を超えて移動した後に正しい位置に戻って嵌め込まれるように、弾性材料で形成される。固定構造はここに開示する装置の他の実施態様において記載したように、カバーを適所に固定するためのストラップの必要性を有利に排除する。
【0026】
円錐状螺旋ばね118は弾性ハウジング120によってカバー116の下面に接触した状態で固定される。弾性ハウジング120はばね118をカバー116下の正しい位置に保持するとともに、ばね118の圧縮特性に対応する弾性を発揮するように設計される。ハウジング120はエポキシ樹脂または当業者にとって公知の他の手段によってカバー116に付着させてもよい固定環122によってカバー116に固定される。ハウジング120は好ましくは厚さ約0.01インチ=0.254mmのポリウレタンから形成される。
【0027】
図11において、フランジ124を示す。フランジ124は独立して連続する複数の外周フランジであってもよいし、挿入体110外周部で螺旋形状を有する1個の外周フランジとして形成されてもよいし、または少なくとも1個の間抜きフランジであってもよい。
【0028】
図12A−Dにおいて、取り外し可能にカバー130と挿入体132を係合するためにカバー130に結合された別の固定構造を示す。図12Aの断面図において、カバー130は、カバー130の第1側部のヒンジ固定タブ134およびカバー130の第2側部の突出部136によって挿入体132内に固定されている。カバー130を挿入体132から取り外すためには、カバー130から外側に向かって延伸する固定タブ134部分を押し下げ、突出部138を挿入体132の内部表面に形成された溝から解放する。その後、突出部136を挿入体132の対応する溝から離脱させるためにカバー130を上方へ枢動させて、カバーを取り外してもよい。ここに開示する固定構造は、ここに開示する装置の他の実施態様において上記に記載したように、カバーを適所に固定するためのストラップの必要性を有利に排除する。さらに、固定タブ134の形状は使用者の片手のみでカバーを容易に取り外すための手段を提供する。または、カバーは図21に示すような2個の固定タブを有する固定構造を備えていてもよい。カバーは上記の実施態様のように1個の固定タブを押すか、または両方の固定タブを同時に押すことによって取り外してもよい。
【0029】
さらに、図12A−Dに示すような内部固定構造の代替として、図25にここに開示する搭載装置に外部固定構造を採用した実施態様を示す。この分解図に示すように、カバー420は一体形成された外部固定タブ422を含む。カバー420を矢印Bで示す挿入体424方向に移動させると、タブ422の下部が挿入体424の上部に形成された円周縁部に接触する。カバー420がこの方向を続けると、タブ422はその下部が縁部426を通過するまで外側に押しやられ、その後弾性的に元の位置に戻って嵌め込まれ、挿入体424にカバー42を固定する。カバー420は、カバー420の中心に向かってタブ422の上部を押すと同時にカバー420を持ち上げることによって挿入体424から取り外してもよい。
【0030】
図11に示すカバー116と同様に、カバー130は、弾性ハウジング142によってカバー130の下面に接触した状態で固定される円錐状螺旋ばね140を有する。弾性ハウジング142はばね140をカバー130下の正しい位置に保持するとともに、ばね140の圧縮特性に対応する弾性を発揮するように設計される。ハウジング142はエポキシ樹脂または当業者にとって公知の他の手段によってカバー130に付着させてもよい固定環によってカバー130に固定される。
【0031】
図13において、図12A−Dを参照して上記に記載したものと同様の固定構造を有するカバー150の斜視図を示す。カバー150は挿入体にカバーを固定するための2個の固定タブ154を有する点でカバー130と異なる。突出部158が挿入体の内部表面の溝に係合するために固定タブ154に同様に形成される。図13に治療ヘッド160を有する超音波治療モジュールを示す。さらに、治療ヘッド160を治療箇所方向に付勢するために円錐状螺旋ばね162がカバー150の底面に接続される。
【0032】
図14に超音波トランスデューサ治療ヘッドを挿入可能に収容するためのギプスを設置する前に、挿入体を治療箇所に隣接して設置するための装置170を示す。装置170はその外周部に放射状のタブ174を有する挿入体172、患者の皮膚から所定の間隔をあけて挿入体172を保持するスペーサ176および目的の治療箇所の周囲に巻きつけられるパッド部178を有する。
【0033】
ギプスを設置する前の装置170の設置を、図16A−Cに基づいて記載する。まず図16Aにおいて、ストッキング180をギプスが設置される予定の患者の体の一部分に取り付ける。その後超音波治療を受けるための正確な位置で穴182をストッキング180に切りこむ。次いで装置170を挿入体172が穴182に隣接するようにストッキングの上に取り付ける。次に図16Bに示すように、パッド材178を所望の治療箇所のまわりに置き、装置170をギプス用テープ片184で所定の位置に固定する。図15に示すように、ギプス用テープ184はあらかじめ切り込まれた穴を有し、無菌状態を維持するために封止パッケージ186中に保存されることが好ましい。ギプス用テープ184は装置170に構造強度を有利に提供し、主要なギプス包帯を簡素化する。図16Cにおいて、主要ギプス188中に固定され、上記のようにカバー190または超音波トランスデューサヘッドモジュールを受け入れる用意ができた状態の装置170を示す。
【0034】
図17A−Cにおいて、治療箇所周辺にすでに取り付けられたギプス内に超音波トランスデューサヘッドモジュールを収容するための装置を取り付けるためのシステムを示す。図17Aに示すように、フェルトパッド200がギプス202の空隙204内に配置されるために提供される。フェルトパッド200はギプス202の厚さに相当する大きさに作られる。フェルトパッド200はまずギプス202に空隙204を切るための型として有利に使用してもよい。その後フェルトパッド200は空隙204内に取り付けられる。図17Bにおいて、フェルトパッド200は患者の治療箇所に隣接する空隙内に示され、挿入体208がフェルトパッド200の穴に適合するように装置206が配置される。その後パッド材210がギプス202を覆うように取り付けられる。図17Cにおいて、装置206はその後挿入体208に適合するような形状にあらかじめ切り取られたギプス用テープ片212を用いて適所に固定される。装置206およびテープ212は1インチ=2.54cm幅のギプス用テープ片214によってさらに適所に固定されてもよい。その後カバー216または超音波トランスデューサを挿入体208内に取り付けてもよい。
【0035】
図18A−Cにおいて、上記の前もって切り取られたギプス用テープ212の別の実施態様を用いて超音波治療ヘッドモジュールをギプスに収容するための装置を取り付けるためのシステムを示す。この別の実施態様は図19に示し、番号220で明示する。ギプス用テープ220は挿入体224に適合する大きさの穴222を有し、両側から横方向に延伸する一対の脚部225を有する。
【0036】
図17A−Cを参照して上記に記載したシステムと同様、図18A−Cに記載のシステムは、ギプス230に空隙228を切り込むための型としてフェルトパッド226を使用する。次に空隙を切り込み、フェルトパッド226を空隙228内に配置し、トランスデューサヘッドモジュールを挿入可能に収容するための挿入体224を含む装置を、挿入体224がフェルトパッド226の対応する穴の上に位置するようにギプス上に配置する。最後に、ギプス用テープ220を挿入体224上に取り付け、挿入体224を適所に固定するために脚部225をギプスに巻きつける。その後、カバー232または超音波トランスデューサを挿入体224内に取り付ける。
【0037】
また、装置をギプス用テープ片で固定するかわりに、装置は図17Bの番号210で示したものと同様のものであって、ギプス用テープ220と同様の形状に設計されたパッド材を有していてもよい。パッド材の脚部は装置を適所に固定するための手段、例えばベルクロ、接着剤、プラスチック結合材またはバックルを有していてもよい。
【0038】
装置を上記のギプス用テープで固定するかわりに、それぞれ図20A−Cに示すストラップ250、260および270を使用してもよい。ストラップ250、260および270はネオプレーン材料で形成されることが好ましく、厚さ3/32インチ=2.38mmで長さ28インチ=71.2cmであることが好ましい(特定の要求を満たすためであればこれより長くても、短くても、厚くても、または細くても構わない)。ストラップ250および270はそれぞれ、挿入体の外周部で伸長し、適合するような大きさに設計された穴252および272を画定する。
【0039】
図21において、ギプス302間の挿入体300の側部断面図を示す。挿入体300をギプス内の空隙に挿入する前に、スペーサ314が空隙内に配置される。スペーサ314はギプスの空隙の形状に対応する外面形状を有し、挿入体300の形状に対応する穴を中央に有するように設計される。スペーサ314は患者の身体部分に対する快適特性を呈する医療等級フェルトまたは類似の材料で形成されることが好ましく、ギプス302の厚さに応じてその厚さを調整可能なように複数の層で形成してもよい。
【0040】
スペーサ314は患者の身体部分から所定の間隔をおいて挿入体300を保持する。ギプスをした箇所での不均一な圧力によるギプス窓浮腫または類似の外傷を予防するために、以下に詳細に記載する嵌合板312をスペーサ314上に取り付け、そこにスペーサ314の穴に対応する大きさの穴を画定する。嵌合板312は患者の身体から離れたところから挿入体300を付勢し、挿入体が外力を受けた場合の患者への損傷を防止するために屈曲するように設計される。
【0041】
タブ326間のギプス材料からなる織物片324によって、挿入体300はギプス302の空隙内に固定される。複数層のギプス材料片324は所望の厚さになるまで挿入体300に巻きつけられる。タブ326を有する挿入体300の形状により、挿入体はギプスの取り付け前または後に取り付けることができる。有利なことに、ギプス材料片層324が硬化すると挿入体300はギプスの一部となる。したがって、ともすれば挿入体300を通じて伝達されてしまう患者の皮膚に対するどのような衝撃も、ギプスに吸収されるので最小化されることとなる。
【0042】
その後超音波トランスデューサヘッドモジュール320を挿入体300内に配置してもよい。固定タブアセンブリ310を有するカバー304が次いで挿入体300の上部に挿入され、構成要素を挿入体300内に封入する。付勢要素306がカバー304の低部から延伸する。付勢要素306は円錐状螺旋ばねであることが好ましく、弾性ハウジング308によってカバー304の底面に接触した状態で固定される。
【0043】
図22の分解図を下から説明すると、トランスデューサヘッドモジュールをギプスの取り付け中、ギプスの取り付け後、またはギプスのない箇所に患者の身体部分に隣接して設置することを容易にする構成要素を有する現場変更可能なモジュールキットが提供される。このキットはギプスを使用しないときに主に使用されるストラップ322;トランスデューサヘッドモジュールを使用しないときに挿入体300に挿入されるフェルトプラグ318;ギプスを使用しないときに主に使用される発泡体パッド316;フェルトパッド314;挿入体300に接続されてもよい嵌合板312;挿入体300;固定タブアセンブリ310;ばねハウジング308;ばね306;およびカバー304を有する。ギプスが今後取り付けられるか、すでに存在するか、あるいは全く取り付けられないかどうかに関係なく、超音波トランスデューサを患者の身体部分に隣接して設置するために必要な構成要素のすべてを含む1個のキットが有利に提供される。
【0044】
図23A−Cに嵌合板312の上面図、側面図および底面図をそれぞれ示す。嵌合板312は挿入体300の外周径に対応する大きさに作られた穴330を画定する。図23AおよびBに示すように、嵌合板312は穴330の両側に位置する2個の隆起部332を有する。2個の隆起部332は挿入体300を載せるための平坦な水平台座を提供する。図23Bに示すように、嵌合板312は患者のギプスに有利に適合する凹状の底面を得るための輪郭を有する。この輪郭は、挿入体300に働いてそこから嵌合板上部に伝わる力に応じて曲がる能力を嵌合板312に与える。図23BおよびCに示すように、複数の鋸歯が底面の側部に形成される。嵌合板とギプスを強固にかみ合わせることを容易にするために、等間隔に配置された5個の90°の鋸歯を設けることが好ましい。嵌合板312は難燃性ABSまたは同等の材料から形成されることが好ましい。
【0045】
図24AおよびBにおいて、ギプスの空隙内で上昇または下降することができる挿入体400の実施態様を示す。挿入体400は内側部分402と外側部分404を有する。内側部分402は上記した数個の構成要素を挿入可能に収容するための縦孔を画定する。内側部分402の外面形状は点線で示すように、対応する外側部分404の内部表面の複数のねじ山と係合する複数のねじ山を有する。外側部分404の外面形状は図21を参照して上記に記載したような、複数のギプス材料片408を絡め合わせることによってギプス410に固定されてもよいフランジ406を有する。このように、外側部分404がギプス410に隣接する固定位置に固定されるため、内側部分402の回転によってギプス410の空隙内の装置が調節可能に上昇または下降する。
【0046】
添付の図面を参照して本発明の例証的な実施例をここに記載したが、請求項に定義される本発明はこれらの正確な実施例に限定されないこと、また当業者による種々の変更および改良がなされてもよいことは理解されたい。
【図面の簡単な説明】
本発明をよりよく理解するために、本発明の代表的な実施態様に関する以下の記載および添付の図面を参照する。
【図1】 図1は本発明によるギプス空隙内の挿入体の上面図である。
【図2】 図2はギプスの空隙中に部分的に固定された挿入体の側部断面図である。
【図3】 図3は放射状に延伸する複数のタブを有する挿入体の上面図である。
【図4】 図4は超音波トランスデューサを取り付けるための装置の分解側面図である。
【図5】 図5は超音波トランスデューサを搭載するために組み立てられた装置の拡大側面図である。
【図6】 図6は超音波トランスデューサを搭載するために組み立てられた装置の別の実施態様を示す拡大側面図である。
【図7】 図7は超音波トランスデューサを取り付けるための装置の別の実施態様を示す分解側面図である。
【図8】 図8は図7の超音波トランスデューサを搭載するために組み立てられた装置の側面図である。
【図9】 図9は超音波トランスデューサヘッドを収容する用意ができているギプス内に固定された挿入体の斜視図である。
【図10】 図10はギプスに超音波トランスデューサを搭載するために完全に組み立てられた装置の斜視図である。
【図11】 図11は超音波トランスデューサを取り付けるための装置の別の実施態様を示す部分拡大側面図である。
【図12】 図12A−Dは選択的な固定構造を示すカバーの種々の図である。
【図13】 図13は選択的な固定構造を有するカバーの別の実施態様を示す斜視図である。
【図14】 図14はギプスを取り付ける前に挿入体を治療箇所に隣接して取り付けるための装置の側部断面図である。
【図15】 図15はギプス用テープ片と封止パッケージを示す透視図である。
【図16】 図16A−Cは治療箇所に隣接して超音波トランスデューサ収容装置を搭載するためのシステムを示す斜視図である。
【図17】 図17A−Cはギプス内の治療箇所に隣接して超音波トランスデューサ収容装置を搭載するためのシステムを示す斜視図である。
【図18】 図18A−Cはギプス内の治療箇所に隣接して超音波トランスデューサ収容装置を搭載するためのシステムを示す斜視図である。
【図19】 図19はギプス用テープの別の実施態様を示す平面図である。
【図20】 図20A−Cは治療を要する患者の身体部分に隣接して超音波トランスデューサを取り付けるための装置を固定するためのストラップの選択的な実施態様を示す平面図である。
【図21】 図21は超音波トランスデューサを搭載するために組み立てられた装置の別の実施態様を示す側部断面図である。
【図22】 図22は図21の装置の分解側面図である。
【図23】 図23A−Cは嵌合板の上面図、側面図および底面図である。
【図24】 図24A−Bは超音波トランスデューサを取り付けるための装置のさらに別の実施態様を示す側面図である。
【図25】 図25は外部固定構造を有するカバーを有する超音波トランスデューサを取り付けるための装置の分解側面図である。

Claims (15)

  1. 外側表面と、基端に入口と先端に凹状平面を形成する出口とを有する貫通軸孔を形成する内側表面とを有するギプスに挿入可能な挿入体と、
    入口と出口の間の前記外側表面から放射状に伸びる少なくとも1つのフランジとからなり、
    挿入体の外周に対応する形状を持ち、挿入体が少なくとも部分的にその中に位置される開口を有する、ギプスの空隙中に嵌合するスペーサと、
    超音波トランスデューサヘッドモジュールを治療箇所の方に付勢して偏らせる付勢手段とを備え、
    前記付勢手段が、前記挿入体の基端の入口に隣接して配置され、かつ挿入体の形状に対応する形状を有するハウジングと、ハウジングの底部に取り付ける付勢要素とからなり、
    前記付勢要素が円錐状螺旋ばねである超音波トランスデューサヘッドモジュールを取り付けるための装置。
  2. スペーサがフェルトから形成される請求項1に記載の超音波トランスデューサヘッドモジュールを取り付けるための装置。
  3. 少なくとも部分的にスペーサの穴の中に位置される挿入体は、少なくとも1つのフランジによって支持される請求項1又は2に記載の超音波トランスデューサヘッドモジュールを取り付けるための装置。
  4. 挿入体が、ギプスの厚みに対応するよう挿入体の高さを調節するために挿入体の少なくとも1層を除去することを可能にする少なくとも1つの円周刻み目線を含む請求項1乃至3のいずれかに記載の超音波トランスデューサヘッドモジュールを取り付けるための装置。
  5. 挿入体の孔の中かつ治療箇所に近接して位置される超音波トランスミッション増強媒体をさらに含む請求項1乃至4のいずれかに記載の超音波トランスデューサヘッドモジュールを取り付けるための装置。
  6. 超音波トランスミッション増強媒体がゲルパッドである請求項5に記載の超音波トランスデューサヘッドモジュールを取り付けるための装置。
  7. 挿入体が、超音波治療ヘッドモジュールから伸びるコードを収容するよう形成された半球状ノッチを含む請求項1乃至6のいずれかに記載の超音波トランスデューサヘッドモジュールを取り付けるための装置。
  8. 前記付勢手段が、装置を治療箇所に取り外し可能に係合させる調整可能なストラップをさらに含む請求項1乃至7のいずれかに記載の超音波トランスデューサヘッドモジュールを取り付けるための装置。
  9. 挿入体がポリプロピレンで形成される請求項1乃至8のいずれかに記載の超音波トランスデューサヘッドモジュールを取り付けるための装置。
  10. 前記トランスデューサヘッドモジュールを保持するための前記外側表面の外周上の固定構造体をさらに含む請求項1乃至9のいずれかに記載の超音波トランスデューサヘッドモジュールを取り付けるための装置。
  11. 前記フランジが連続円周フランジである請求項1乃至10のいずれかに記載の超音波トランスデューサヘッドモジュールを取り付けるための装置。
  12. 前記フランジが周縁間抜きフランジである請求項1乃至10のいずれかに記載の超音波トランスデューサヘッドモジュールを取り付けるための装置。
  13. 前記付勢手段が前記超音波ヘッドモジュールを超音波トランスミッション増強媒体の方に付勢するために備えられる請求項1乃至12のいずれかに記載の超音波トランスデューサヘッドモジュールを取り付けるための装置。
  14. 挿入体が、複数のねじ山を形成する外側表面と貫通軸孔を形成する内側表面を有する第1部材と、外側表面と貫通軸孔を形成する内側表面とを有し、前記第1部材を螺合可能に受け入れる複数のねじ山を有する第2部材とを有し、少なくとも1つのフランジが、前記第2部材の前記外側表面から放射状に伸びる請求項1乃至13のいずれかに記載の超音波トランスデューサヘッドモジュールを取り付けるための装置。
  15. 外側表面と貫通軸孔を形成する内側表面とを有する挿入体と、
    挿入体を少なくとも部分的に受け入れる寸法の開口を有するスペーサと、
    超音波トランスデューサヘッドモジュールと治療箇所との間に位置させるよう形成された超音波トランスミッション増強媒体と、
    超音波治療ヘッドモジュールを治療箇所の方に付勢して偏らせる付勢手段を有するカバーと、超音波トランスデューサヘッドモジュールを治療箇所と係合させるストラップと、
    ギプス材料要素とからなる、
    ギプス前、ギプス後および/またはギプス非使用のいずれかの身体の治療箇所に近接して超音波トランスデューサヘッドモジュールを選択的に装着するための現場変更可能なモジュールキット。
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