JP4224019B2 - 単結晶の製造装置及び製造方法 - Google Patents

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本発明は、単結晶の製造装置及び製造方法に関し、特に酸化物単結晶の製造装置及び製造方法に関する。
現在、光デバイスや音響デバイスとして工業的に応用されている酸化物単結晶は、主としてCz(Czochralski)法(引き上げ法)と呼ばれる方法を用いて製造されている。Cz法は、融液の組成とその融液から析出する結晶の組成とがほぼ同じ材料、例えばSi、LiNbO、LiTaO等の単結晶製造に用いることによって大型で高品質なバルク単結晶が安価に得られる方法であり、工業的に極めて重要である。
ところで、工業的に有用な酸化物単結晶を製造する際には、温度分布によって生じる内部熱応力によってクラック等が発生し易いという問題や、結晶成長界面で生じる凝固潜熱や融液から伝熱される熱を放散できずに結晶にねじれや曲がりが生じるという問題があった。これらの問題を解決するために、坩堝(るつぼ)周りの構造体の幾何学構造を材料個別に最適化する努力が行われている。
Cz法を用いた様々な酸化物単結晶の製造について研究を行っている過程で、融点が高くかつ可視光及び赤外光の吸収が少ない材料にほぼ共通する問題があることが分かった。すなわち、これらの材料から単結晶を製造する場合には、種子結晶を融液に接触させる温度(種付け温度)の許容範囲が狭く種子結晶が融けてしまうという問題や、結晶径が拡大し始めると急激に拡大してしまうためネック部の細い径を維持できず、結晶欠陥を抑制することが困難であるという問題があった。
特公昭56−27476号公報 特開平8−175896号公報
本発明の目的は、高品質な単結晶を得られる単結晶の製造装置及び製造方法を提供することにある。
上記目的は、原料が充填される坩堝と、高周波誘導加熱を用いて前記坩堝内の前記原料を加熱溶融して融液を生成する加熱部と、前記融液から単結晶を引き上げる引き上げ軸と、前記坩堝の上方を覆い、放射率の低い表面を前記融液の液面に相対して備える構造材とを有することを特徴とする単結晶の製造装置によって達成される。
上記本発明の単結晶の製造装置であって、前記表面は、放射率の低い形成材料を用いてほぼ平滑に形成されていることを特徴とする。
上記本発明の単結晶の製造装置であって、前記形成材料は、白金族金属単体又はその合金であることを特徴とする。
上記目的は、高周波誘導加熱を用いて坩堝内の原料を加熱溶融して融液を生成し、前記融液から単結晶を引き上げる単結晶の製造方法において、放射率の低い表面を前記融液の液面に相対して配置することを特徴とする単結晶の製造方法によって達成される。
上記本発明の単結晶の製造方法であって、前記表面は、放射率の低い形成材料を用いてほぼ平滑に形成されていることを特徴とする。
上記本発明の単結晶の製造方法であって、前記形成材料は、白金族金属単体又はその合金であることを特徴とする。
上記本発明の単結晶の製造方法であって、前記原料の融点は、1700℃以上であることを特徴とする。
上記本発明の単結晶の製造方法であって、前記融液及び前記単結晶は、組成式Gd3−xCaMgZrGa5−y−z12(0.30<x<0.34、0.30<y<0.34、0.60<z<0.68)で表されることを特徴とする。
本発明によれば、融点が高くかつ可視光及び赤外光の吸収が少ない材料についても高品質な単結晶を製造することが可能となる。
本発明の一実施の形態による単結晶の製造装置及び製造方法について図1乃至図7を用いて説明する。まず、本実施の形態の原理について説明する。互いに平行な無限平面A、B間の単位面積当たりの放射伝熱量qは、平面A、Bの絶対温度をそれぞれT、Tとし、平面A、Bが共に黒体(ε(放射率)=1)であるとすると、式(1)で表される。
q=σ(T −T ) ・・・(1)
σ:ステファン・ボルツマン定数
式(1)のように、放射伝熱量は絶対温度の4乗の差に比例するため、絶対温度T、Tの差が同じであっても絶対温度T、Tが高くなると放射伝熱による熱交換量が急激に増大する。したがって、高融点の材料を用いて単結晶を製造する場合の伝熱では、放射伝熱が支配的になる。種付けが困難となる材料には、融点が1700℃以上という共通点があった。このため、種付けが困難となる原因には、放射伝熱上の問題が内在することが推測された。
ここで、無限平面同士ではなく一般的な構造物の表面間の放射伝熱について拡張する。構造物の表面同士の場合には、無限平面同士の場合と異なり一方から放射された熱エネルギーが他方に全て到達するわけではない。そこで、放射伝熱による表面間の熱交換を議論するために、表面同士の角関係(view factor)を用いる。図1は、角関係を説明する図である。図1に示すように表面iと表面jが配置されている場合、表面jの表面iに対する角関係Fijは、2つの表面i、j間の距離rなどの幾何学的位置関係から式(2)のように表される。表面i、jの面積をそれぞれA、Aとし、表面i、j間を結ぶ直線と各表面i、jの法線ベクトルn、nとのなす角度をそれぞれβ、βとする。
ij=(1/πA)∫AiAjcosβcosβ(1/r)dAdA
・・・(2)
角関係Fijを用いると、表面iから放射されて表面jに到達する熱エネルギーQは、表面iの放射率をεとし、表面iの絶対温度をTとして式(3)で表される。
Q=AεσT ・Fij ・・・(3)
表面jに到達したエネルギーQのうち、実際に表面jで吸収される熱エネルギーQ’は式(4)で表され、表面jで吸収されずに再放射される熱エネルギーQ’’は式(5)で表される。表面jの放射率をεとする。
Q’=AεσT ・Fijε ・・・(4)
Q’’=AεσT ・Fij(1−ε) ・・・(5)
つまり、表面jが黒体でない場合(ε<1)には、表面jに到達して再度放射される熱エネルギーQ’’を考慮する必要がある。ここで、表面iから放射された熱エネルギーが表面jに達して吸収される割合をGij(Gebhart’s Absorption factor(Gebhart吸収係数))として導入する。表面jの放射熱収支Qは、表面jが放出する側を正として式(6)で表される。表面jの絶対温度をTとする。
・・・(6)
Gebhart吸収係数Gijは、表面iから放射され、表面jに到達して吸収される熱エネルギーQ’’’を、表面iから放射された総熱エネルギーAεσT で除することにより求められる。熱エネルギーQ’’’は式(7)で表され、Gebhart吸収係数Gijは式(8)で表される。ここで、ρ=1−εとする。
Q’’’=AεσT (Fijε+(Fi1ρ1j+・・・+Fiiρij+・・・+FiNρNj)) ・・・(7)
ij=Fijε+Fi1ρ1j+・・・+Fiiρij+・・・+FiNρNj
・・・(8)
よってGebhart吸収係数Gijは、式(9)の連立方程式を解くことにより得られる。
AG=b ・・・(9)
ここで、
=[G1i,G2i,・・・,GNi
=[−F1iε,−F2iε,・・・,−FNiε
である。なお全ての表面が黒体である場合(ε=1、ρ=0)、式(8)よりGij=Fijであることが容易に導出される。
ここで、育成中の単結晶周囲での放射伝熱について検証する。図2は、一般的な単結晶の製造装置の断面構成を模式的に示している。図2に示すように、単結晶の製造装置は、融液2を収容する坩堝3と、坩堝3の周囲に設けられた断熱材7とを有している。坩堝3の鉛直上方は、必要な長さの単結晶1を保温できる空間8を確保してセラミック耐火物構造体(構造材)4で覆われている。セラミック耐火物構造体4の頂部壁4aの中央には開口4dが設けられている。開口4dを貫通して、下端に種子結晶(図示せず)が取り付けられた引き上げ軸6が設けられている。
育成中の単結晶1と放射伝熱による熱交換を行う主な対象は、融液2の液面2a、坩堝3の側壁面3a、セラミック耐火物構造体4の側壁面4c及び天井面4bであると考えることができる。図3は、単結晶1の表面1aと放射伝熱の対象面とを模式的に示している。図3(a)は同一の結晶径で単結晶1が育成されている状態(表面1aと液面2aとのなす角度をθとするとθ=90°)を示し、図3(b)は結晶径が増加している状態(θ>90°)を示し、図3(c)は結晶径が減少している状態(θ<90°)を示している。図3では、表面1aの法線ベクトルを矢印で示している。
図4は、角度θと表面1aの各面に対する角関係Fとの関係を定性的に示すグラフである。横軸は角度θ(°)を表し、縦軸は角関係Fを表している。グラフ中の線aは液面2aに対する角関係Fを示し、線bは側壁面3aに対する角関係Fを示し、線cは側壁面4cに対する角関係Fを示し、線dは天井面4bに対する角関係Fを示している。
図5は、角度θと表面1aの各面に対するGebhart吸収係数Gとの関係を定性的に示すグラフである。横軸は角度θ(°)を表し、縦軸は吸収係数Gを表している。グラフ中の線eは表面1a自身に対する吸収係数Gを示し、線fは液面2aに対する吸収係数Gを示し、線gは側壁面3aに対する吸収係数Gを示している。線hは側壁面4cに対する吸収係数Gを示し、線iは天井面4bに対する吸収係数Gを示している。
図3乃至図5に示すように、単結晶1の結晶径が減少している状態(θ<90°)では、液面2a近傍の表面1aが放射熱交換を行う対象は、主に融液2の液面2a及び坩堝3の側壁面3aになる。これに対し、単結晶1の結晶径が増加している状態(θ>90°)では、液面2a及び側壁面3aと放射熱交換を行う割合が減少し、セラミック耐火物構造体4の側壁面4c及び天井面4bと放射熱交換を行う割合が増加する。単結晶1の表面1aの温度をTとし、融液2の液面2aの温度をTとし、坩堝3の側壁面3aの温度をTとし、セラミック耐火物構造体4の側壁面4cの温度をTとし、天井面4bの温度をTとすると、適正な育成条件の場合にはT>T>T>T>Tとなる。表面1aより温度の高い液面2a及び側壁面3aと表面1aとの間の放射熱交換では、表面1aから放射される熱エネルギーよりも表面1aが吸収する熱エネルギーの方が大きくなり易い。一方、表面1aより温度の低い側壁面4c及び天井面4bと表面1aとの間の放射熱交換では、表面1aが吸収する熱エネルギーよりも表面1aから放射される熱エネルギーの方が大きくなり易い。簡易的にε=1とするとGij=Fijであるため、式(6)のGijを図4に定性的に示した角関係Fに置き代えて、単結晶1の表面1aにおける放射熱収支について考えることができる。すなわち、角度θの増加により放射熱収支が負から正に変わることが分かる。
2つの面の間の放射伝熱量は各面の絶対温度の4乗の差に比例するため(式(1)参照)、原料の融点が高い(すなわち液面2aの温度が高い)場合には、放射熱収支の変化が非常に大きくなる。したがって、法線方向が水平方向よりも鉛直上方を向いた表面1aが形成された場合(θ>90°)に、単結晶1が急激に冷却されて結晶径が急拡大するものと考えられる。
放射伝熱の結晶成長角度依存性を改善するには、結晶成長角度に対するGebhart吸収係数依存性を低くするのが有効である。具体的には、温度の低いセラミック耐火物構造体4の側壁面4c及び天井面4bのGebhart吸収係数Gを小さくすることで、放射伝熱の結晶成長角度依存性が改善される。式(9)から分かるように、Gebhart吸収係数Gを小さくするには、放射率εを低くすればよい。つまり、セラミック耐火物構造体4の側壁面4c又は天井面4bの放射率εを低くすることが有効ということである。例えば特許文献1には、放射熱反射体を用いて側壁面4c及び天井面4bの双方の放射率εを変える技術が開示されている。しかしながら、組成式Gd3−xCaMgZrGa5−y−z12(0.30<x<0.34、0.30<y<0.34、0.60<z<0.68)で表される単結晶を育成する際に上記のような放射熱反射体を用いたところ、系全体の放熱量が減少してしまい、結晶育成に必要な温度勾配が得られなかった。以上から、結晶化に必要な凝固潜熱を放熱するためには、側壁面4c側又は天井面4b側のいずれか一方のみの放射率を低くする必要があることが分かった。
単結晶を所望の径にするためには、通常、肩と呼ばれる結晶成長方向に対して斜めの面を備えた部分が形成される。正常に径が拡大する場合の肩の部分の角度θは、120°〜150°に設定される場合が多い。それに対して、異常に径が拡大してしまう場合の角度θは、160°以上になることが多い。図4に示した角度θと角関係F1iとの関係から、異常成長となる肩の形成(角度θが大)を選択的に抑制したい場合には、セラミック耐火物構造体4の天井面4b側の放射率εを低くするのが明らかに有効である。
放射率の低い物質として、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)等の白金族金属がある。例えばPtの放射率は0.15〜0.2であり、Irの放射率は0.35であるという報告例がある。ある表面の実効的な放射率は、当該表面の形成材料の放射率や表面形状等により決まる。表面を鏡面状にすることにより表面の放射率は低くなり、当該表面の形成材料の放射率に近づく。緻密でないセラミック焼結物のような荒れた表面の放射率は、一般に0.5以上である。したがって、従来のセラミック耐火物構造体4の天井面4bの放射率は0.5以上と考えられ、天井面4bをPt、Ir等の白金族金属又はその合金で形成して表面を鏡面状にすることにより放射率を低くすることができる。例えば、天井面4bをPtで形成して表面を鏡面状にすることによって、天井面4bの放射率はほぼ0.15〜0.2になる。簡易的には、白金族金属又はその合金で形成され、表面がほぼ平滑な板又は箔等を天井面4bに設置することにより、天井面4bの放射率を低くすることができる。
また特許文献2には、引き上げ軸に固定した放射熱反射体を用いる技術が開示されている。上記の技術では、放射熱反射体の設置位置が単結晶及び融液表面に近いため、組成式Gd3−xCaMgZrGa5−y−z12(0.30<x<0.34、0.30<y<0.34、0.60<z<0.68)で表されるような、融点が高くかつ可視光及び赤外光の吸収が少ない材料を用いた場合に単結晶育成に必要な温度勾配が得難い。また、種付け操作のためには観察窓からの視野を確保する必要があるが、上記の技術では単結晶及び融液表面の近くに放射熱反射体があるため視野確保が困難である。
白金族金属のうちPtとIrを比較すると、放射率のより低いPtを用いた方が高い効果が得られる。しかし、Ptは1500℃程度で軟化してしまうため、例えば組成式Gd3−xCaMgZrGa5−y−z12(0.30<x<0.34、0.30<y<0.34、0.60<z<0.68)で表される単結晶のように融点が1700℃以上の単結晶を育成する場合には、Ptの板等を坩堝3内の融液2から離れた位置に配置するのが望ましい。したがって、融液2の液面2aに相対し、側壁面4cよりも融液2から離れた位置にある天井面4bは、Ptの板等の配置位置として最適である。
以下、本実施の形態による単結晶の製造装置及び製造方法について、実施例を用いてより具体的に説明する。
(実施例)
本実施の形態の一実施例による単結晶の製造装置について説明する。図6は、本実施例による単結晶の製造装置の断面構成を模式的に示している。図6に示すように、単結晶の製造装置は、セラミック耐火物ハウジング9と、セラミック耐火物ハウジング9の中央部に配置され、充填された原料が溶融した融液2を収容するIr製の坩堝3とを有している。坩堝3の直径は150mmとし、高さ(深さ)は150mmとし、厚さは2.5mmとした。坩堝3の周囲には断熱材7が設けられている。坩堝3の鉛直上方は、必要な長さの単結晶1を保温できる空間8を確保してセラミック耐火物構造体4で覆われている。セラミック耐火物ハウジング9の頂部壁9a及びセラミック耐火物構造体4の頂部壁4aの中央には、それぞれ開口9b、4dが設けられている。開口9b、4dを貫通して、図示しない動力源から鉛直下方に延びる引き上げ軸6が設けられている。引き上げ軸6の下端は、種子結晶5を保持できるようになっている。セラミック耐火物ハウジング9の外側には、高周波誘導コイル10(加熱部)が巻き回されている。高周波誘導コイル10に高周波電流を流して坩堝3内を誘導加熱することにより、坩堝3内に充填された所望の結晶組成の原料を溶融して融液2を生成し、融液2を所定温度に維持するようになっている。またセラミック耐火物構造体4の内壁面のうち融液2に相対する天井面4bには、天井面4bの放射率を低くするために、Pt製で表面が平滑に加工された厚さ0.2mmのPt円盤11が設置されている。
次に、本実施例による単結晶の製造方法について説明する。坩堝3に組成式Gd2.68Ca0.32Mg0.32Zr0.64Ga4.0412で表される原料粉を約13000g充填し、高周波誘導コイル10に高周波電流を流して原料粉を溶融し、融液2を生成した。組成式Gd2.68Ca0.32Mg0.32Zr0.64Ga4.0412で表される[111]方位の単結晶を種子結晶5として用い、引き上げ軸6下端に取り付けた。Nに0.5体積%のOを混入した雰囲気中で種子結晶5を融液2に接触させ、引き上げ軸6を2.0mm/hの速度で鉛直上方に引き上げて単結晶を育成した。図7は、本実施例による単結晶の製造方法を用いて作製した単結晶1を示している。図7に示すように、本実施例による単結晶の製造方法を用いることによって、直径(ネック径)3mmで長さ約15mmのネック部と直径80mmで長さ約50mmの直胴部とを有する透明な単結晶1が得られた。なお、この単結晶1のネック部と直胴部との間の肩の部分の角度θは120°程度であった。
これに対する比較例として、天井面4bにPt円盤11を設置しないこと以外は全く同じ条件で結晶育成を行った。その結果、細いネック径を維持することができず、結晶欠陥が生じてしまった。
以上のように、本実施の形態によれば、融点が高くかつ可視光及び赤外光の吸収が少ない材料を用いた場合であっても結晶育成に必要な温度勾配が得られるため、種子結晶が融けてしまうという問題が生じず、細いネック径を維持して長いネック部を形成でき、高品質な単結晶を製造できる。また本実施の形態では、Pt円盤11等が天井面4bのみに設置されるため、観察窓からの視野確保が容易である。
表面同士の角関係を説明する図である。 一般的な単結晶の製造装置の断面構成を模式的に示す図である。 単結晶の表面と放射伝熱の対称面とを模式的に示す図である。 角度θと表面1aの各面に対する角関係Fとの関係を定性的に示すグラフである。 角度θと表面1aの各面に対するGebhart吸収係数Gとの関係を定性的に示すグラフである。 本発明の一実施の形態の実施例による単結晶の製造装置の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施の形態の実施例による単結晶の製造方法を用いて作製した単結晶を示す図である。
符号の説明
1 単結晶
1a 表面
2 融液
2a 液面
3 坩堝
3a 側壁面
4 セラミック耐火物構造体
4a、9a 頂部壁
4b 天井面
4c 側壁面
4d、9b 開口
5 種子結晶
6 引き上げ軸
7 断熱材
8 空間
9 セラミック耐火物ハウジング
10 高周波誘導コイル
11 Pt円盤

Claims (8)

  1. 原料が充填される坩堝と、
    高周波誘導加熱を用いて前記坩堝内の前記原料を加熱溶融して融液を生成する加熱部と、
    前記融液から単結晶を引き上げる引き上げ軸と、
    前記坩堝の上方を覆い、側壁面よりも前記融液から離れた位置にあり、前記側壁面より放射率の低い天井面を前記融液の液面に相対して備える構造材と
    を有することを特徴とする単結晶の製造装置。
  2. 請求項1記載の単結晶の製造装置であって、
    前記天井面は、前記側壁面より放射率の低い形成材料を用いて鏡面状に形成されていること
    を特徴とする単結晶の製造装置。
  3. 請求項2記載の単結晶の製造装置であって、
    前記形成材料は、白金族金属単体又はその合金であること
    を特徴とする単結晶の製造装置。
  4. 高周波誘導加熱を用いて坩堝内の原料を加熱溶融して融液を生成し、前記融液から単結晶を引き上げる単結晶の製造方法において、
    側壁面よりも前記融液から離れた位置にあり、前記側壁面より放射率の低い天井面を前記融液の液面に相対して配置すること
    を特徴とする単結晶の製造方法。
  5. 請求項4記載の単結晶の製造方法であって、
    前記天井面は、前記側壁面より放射率の低い形成材料を用いて鏡面状に形成されていること
    を特徴とする単結晶の製造方法。
  6. 請求項5記載の単結晶の製造方法であって、
    前記形成材料は、白金族金属単体又はその合金であること
    を特徴とする単結晶の製造方法。
  7. 請求項4乃至6のいずれか1項に記載の単結晶の製造方法であって、
    前記原料の融点は、1700℃以上であること
    を特徴とする単結晶の製造方法。
  8. 請求項7記載の単結晶の製造方法であって、
    前記融液及び前記単結晶は、組成式Gd3−xCaMgZrGa5−y−z12(0.30<x<0.34、0.30<y<0.34、0.60<z<0.68)で表されること
    を特徴とする単結晶の製造方法。
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