JP4223295B2 - ナンバープレート自動認識装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ナンバープレート自動認識装置に関し、詳しくは、走行車両を撮像してナンバープレートを認識するようにしたナンバープレート自動認識装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、道路を走行する車両のナンバープレートを認識するシステムは、道路を走行する車両を管理するために重要なものになっており、このシステムとしては、路上に設置されたカメラで車両のナンバープレートを撮像し、この撮像データからナンバープレートを認識するようになっている。
【0003】
このシステムにあっては、走行する車両の検知漏れを防止し、検知した車両のナンバープレートを正確に読み取る必要があるため、このような要求を満たすために従来から種々のナンバープレート自動認識装置が開発されており、例えば、特許文献1に示すようなものがある。
【0004】
この特許文献1に示すナンバープレート自動認識装置にあっては、テレビカメラによって走行車両を撮像したときに、その多値データによりある振幅以上の変化をピーク値として検出し、この処理を全画面について行う。これを画面を垂直(上下方向)に分割した各ブロック内において2つの閾値を用いてピーク数を3値化処理し、この3値化コードの並びからナンバープレートを検出するものである。
【0005】
具体的には、図9に示すように、ナンバープレートの上段のC部で示す車種コード「300」および陸運支局コード「横浜」は輝度変化回数が大きいので、このC部を3値化コード「2」を割り当てる。
【0006】
また、ナンバープレートの下段のA部で示す用途コード「あ」および一連番号「42−49」は輝度変化回数が大きいので3値化コード「2」を割り当てる。
【0007】
さらに、C部とA部の間のB部は空白部であり、輝度変化回数が非常に少ないのでB部には3値化コード「1」を割り当てる。このように3値化コードの並びが「2−1−2」の部分をナンバープレートとして認識し、この部分の文字を解読することにより、ナンバープレートを検出するようにしている。
【0008】
【特許文献1】
特開昭63−120399号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のナンバープレート自動認識装置にあっては、3値化コードの並びからナンバープレートを認識するようにしているため、この並びが検出できない場合、例えば、ナンバープレートが傾いて空白部Bがなくなるような場合には、ナンバープレートの特徴となる3値化コードの並びがないため、傾きのあるナンバープレートでは正確に認識することは困難であるという問題があった。
【0010】
また、原付車両のように、C部とA部の間隔が短い(空白部Bが非常に小さい)場合にもナンバープレートを認識し難いという問題もあった。
【0011】
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、ナンバープレートの傾きによらず、プレートサイズの小さい原付のナンバープレート等であっても正確に認識することができ、高精度なナンバープレート自動認識装置を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明のナンバープレート自動認識装置は、車両を撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された画像データの輝度変化回数を検出し、前記輝度変化回数が小さい第1レベル、前記第1レベルよりも輝度変化回数が大きい第2レベルおよび前記第2レベルよりも輝度変化回数がさらに大きい第3レベルとして3値化処理したときに、前記第1レベル、第2レベルおよび第3レベルが所定の面積で連続する3値化コードの並びとなる第1のパターン若しくは前記第3レベルと第2レベルとが所定の面積で連続する3値化コードの並びとなる第2のパターンの何れか一方のパターンとなる部分をナンバープレートとして検出するプレート検出手段と、前記プレート検出手段によって検出されたナンバープレートの文字データを認識する認識手段とを備えたものから構成される。
【0013】
このような構成にすることにより、空白の部分を第1レベルとし、用途コードおよび一連番号を第2レベルとし、車種コードおよび陸運支局コードを第3レベルとし、所定の面積で連続する第1のパターン若しくは第2のパターンをナンバープレートとして検出することにより、傾きのないナンバープレートおよび傾きのあるナンバープレートを正確に認識することができ、高精度なナンバープレート自動認識装置を得ることができる。
【0014】
具体的には、ナンバープレートは上段に車種コードおよび陸運支局コードが記載され、下段に空白部を介して用途コードおよび一連番号が記載されている。
【0015】
このため、撮像された画像データの輝度変化回数を2つの閾値を用いて3値化処理すると、車種コードおよび陸運支局コード(通常小さな文字)に対応する輝度変化回数の非常に多い領域、用途コードおよび一連番号(通常大きな文字)に対応する輝度変化回数の多い領域、車種コードおよび陸運支局コードと用途コードおよび一連番号との間の輝度変化回数の少ない空白部に対応する領域の3つの連続した輝度変化回数の第1のパターンが抽出される。
【0016】
このため、この第1のパターンを抽出したときにナンバープレートと認識してこの領域の文字認識を行うことにより、傾きのないナンバープレートを確実に認識することができる。
【0017】
また、傾きのあるナンバープレートの場合には、車種コードおよび陸運支局コードと用途コードおよび一連番号とが傾いてしまい、文字データとしては、車種コードおよび陸運支局コードと用途コードおよび一連番号との間の空白部がなくなり連続したものとなる。
【0018】
また、プレートサイズが小さくて空白部が非常に小さい原付用のナンバープレートの場合も同様に車種コードおよび陸運支局コードと用途コードおよび一連番号が連続したものとなる。
【0019】
このため、撮像された画像データの輝度変化回数を3値化すると、車種コードおよび陸運支局コードに対応する輝度変化回数の非常に多い領域、これに連続して用途コードおよび一連番号に対応する輝度変化回数の多い領域の2つの連続した輝度変化回数の第2のパターンが抽出される。
【0020】
したがって、この第2のパターンを抽出したときにナンバープレートと認識してこの領域の文字認識を行うことにより、傾きのあるナンバープレートやプレートサイズの小さいナンバープレートを確実に認識することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1乃至図8は本発明に係るナンバープレート自動認識装置の一実施の形態を示す図である。
【0024】
まず、構成を説明する。図1において、ナンバープレート自動認識装置は、撮像装置1、画像メモリ2、ピーク検出3値化処理部3、3値化メモリ4、3値化コード垂直カウント処理部5、プレート検出処理部6(プレート検出手段に含まれる)および文字認識処理部7を備えている。
【0025】
撮像装置1は路上に設置されており、車両を撮像するテレビカメラから構成される。画像メモリ2は撮像装置1で撮像された画像データを1画素8ビット256階調の多値データを記憶するようになっている。
【0026】
ピーク検出3値化処理部3は画像メモリ2から順次送られて来るデータを予め設定された振幅値IPLと比較し、ピーク値であるか否かを水平1ライン毎に判定し、ピーク値の数を垂直に分割した各ブロック毎にカウントして2つの閾値、TL、THと比較してカウント数を3値化する処理を行う。
【0027】
3値化メモリ4はピーク検出3値化処理部3によって3値化されたデータを記憶するものである。3値化コード垂直カウント処理部5はナンバープレートの上下方向(垂直方向)に3値化コードの数をカウントする処理を行い、ナンバープレート候補を抽出する。
【0028】
プレート検出処理部6は3値化コードの並び順に基づいてナンバープレートに相当する部分を検索するようになっている。この検索に際しては、3値化コードの並び順が後述する第1のパターンまたは第2のパターンのときにナンバープレートとして検出する。
【0029】
また、プレート検出処理部6は検出されたナンバープレートの文字情報を2値化して文字を切り出し、この文字情報から一連番号位置を求め、一連番号がある場合にナンバープレートであることを判定するようになっている。
【0030】
文字認識処理部7はプレート検出処理部6によって切り出されたナンバープレートの文字情報を文字画像辞書に登録された文字画像と照合することにより、ナンバープレートの文字を認識するようになっている。
【0031】
本実施の形態では、ピーク検出3値化処理部3、3値化メモリ4、3値化コード垂直カウント処理部5が抽出手段8(プレート検出手段に含まれる)を構成し、文字認識処理部7が認識手段を構成している。
【0032】
次に、図2に示すフローチャートおよび図3乃至図7に示す3値化処理の手順に従ってナンバープレート自動認識方法を説明する。
【0033】
まず、路上を走行する車両を撮像装置1によって撮像し、この撮像データを1画素8ビット256階調の多値データとして画像メモリ2に記憶する(ステップS1)。
【0034】
次いで、ピーク検出3値化処理部によってピーク値を検出する(ステップS2)。具体的には、図3(a)に示すように、画像メモリ2に記憶された画像データを水平方向Xにスキャンしていき、図3(b)に示すように1ライン毎に振幅値IPLと比較してIPL以上の高さ(深さ)の山(谷)のみをピーク値として検出する。
【0035】
次いでピーク3値化処理を行う(ステップS3)。この処理は、画面を垂直に分割した各ブロック毎にピーク値の数をカウントし、2つの閾値TL、THとしてカウント数を3値化する。具体的には、図4に示すように、水平512画素を16画素に分割し、48画素毎に1つのブロックとしていき、図5(a)に示すように各ブロック毎のピーク値のカウント数がTL未満であれば3値化コード「1」とし、TL以上TH未満であれば3値化コードを「2」とし、TH以上であれば3値化コードを「3」として3値化メモリ4に記憶する。
【0036】
次いで、3値化コード垂直カウント処理を実行する(ステップS4)。この処理は、図5(b)に示すように1ブロック毎に紙面の上下方向(垂直方向)に3値化コードの数をカウントして連続データを作成する。
【0037】
次いで、プレート検出処理(ステップS5)を実行する。具体的には、図6に示すように、傾きのないナンバープレートでは、例えば、ナンバープレートの上段にC部で示すように輝度変化回数の非常に大きい車種コード「300」および陸運支局コード「横浜」が記載されており、B部で示す輝度変化回数の少ない空白部を介してナンバープレートの下段にA部で示すように輝度変化回数の多い用途コード「あ」および一連番号「42−49」が記載されている。
【0038】
このため、撮像された画像データを2つの閾値TL、THを用いて3値化処理すると、3値化コード3(第3レベル)、3値化コード1(第1レベル)および3値化コード2(第2レベル)が所定の面積で連続したパターン(第1のパターン)の3値化データが得られる。
【0039】
次いで、この連続したパターンをナンバープレート候補として抽出して2値化処理を行い(ステップS6)、このナンバープレート領域の文字切り出し処理を行う(ステップS8)。
【0040】
次いで、文字切り出し処理によって切り出されたナンバープレート領域の文字画像に基づいてナンバープレートであるか否かを判別し(ステップS9)、ナンバープレートであるものと判断した場合には、文字認識処理部7によって文字認識を行う(ステップS10)。
【0041】
また、ステップS9で切り出された文字画像が一連番号に対応しない場合には、ナンバープレートでないものと判断して3値化処理された次のナンバープレート候補の画像データを検出し(ステップS7)、この画像データを2値化してステップS8以降の処理を実行する。
【0042】
一方、図7に示すように、傾きのあるナンバープレートの場合には、3値化処理を行うと、B部に相当する部分がなくなりA部とC部が連続し、3値化コード3(第3レベル)および3値化コード2(第2レベル)が所定の面積で連続したパターン(第2のパターン)が得られる。
【0043】
そして、この連続したパターンをナンバープレート候補として抽出して2値化処理を行い、このナンバープレート領域の文字切り出し処理を行う。次いで、文字切り出し処理によって切り出されたナンバープレート領域の文字画像に基づいてナンバープレートであるものと判断した場合には、文字認識処理部7によって文字認識を行う。
【0044】
また、図8に示すように原付車両の場合には、ナンバープレートの上段にC部で示すように輝度変化回数の非常に多い陸運支局コード「港北区」が記載されており、ナンバープレートの中断にA部で示すように輝度変化回数の多い用途コード「あ」および一連番号「42−49」が記載され、さらに、ナンバープレートの下段に陸運支局コード「横浜市」が記載されている。
【0045】
そして、これらの文字は極めて近接して空白部が検出できない程度であるため、3値化処理を行うと、B部に相当する部分がなくなりA部とC部が連続した3値化コード3(第3レベル)および3値化コード2(第2レベル)が所定の面積で連続したパターン(第2のパターン)が得られる。
【0046】
そして、この連続したパターンをナンバープレート候補として抽出して2値化処理を行い、このナンバープレート領域の文字切り出し処理を行う。次いで、文字切り出し処理によって切り出されたナンバープレート領域の文字画像に基づいてナンバープレートであるものと判断した場合には、文字認識処理部7によって文字認識を行う。
【0047】
このように本実施の形態では、撮像装置1によって撮像された画像データの輝度変化回数を2つの閾値TL、THを用いて3値化処理し、3値化コードの並び順が前記第1のパターン若しくは第2のパターンとなる3値化コードの並びをナンバープレートとして抽出するようにしたので、傾いて設置されたナンバープレートやプレートサイズの小さいナンバープレートであっても、正確に認識することができ、高精度なナンバープレート自動認識装置を得ることができる。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、ナンバープレートの傾きによらず、プレートサイズの小さい原付のナンバープレート等であっても正確に認識することができ、高精度なナンバープレート自動認識装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施の形態のナンバープレート自動認識装置のブロック図
【図2】本発明に係る一実施の形態のナンバープレート自動認識処理のフローチャート
【図3】本発明に係る一実施の形態のナンバープレート自動認識処理を示す図
(a)撮像された車両の画像を示す図
(b)同図(a)で撮像された画像をX方向に走査したときのピーク値の検出方法
【図4】本発明に係る一実施の形態のナンバープレート自動認識処理により、画面を垂直に分割した各ブロック毎にピーク値の数をカウントする状態
【図5】本発明に係る一実施の形態のナンバープレート自動認識処理を示す図
(a)ピーク値のカウント数の閾値を示す図
(b)垂直方向に3値化コードを割り当てる状態
【図6】本発明に係る一実施の形態のナンバープレート自動認識処理により検出された正位置にあるナンバープレートの3値化コードのパターンを示す図
【図7】本発明に係る一実施の形態のナンバープレート自動認識処理により検出された傾いたナンバープレートの3値化コードのパターンを示す図
【図8】本発明に係る一実施の形態のナンバープレート自動認識処理により検出された原付車両のナンバープレートの3値化コードのパターンを示す図
【図9】従来のナンバープレート自動認識処理により検出されたナンバープレートの3値化コードのパターンを示す図
【符号の説明】
1 撮像装置(撮像手段)
3 ピーク検出3値化処理部
4 3値化メモリ
5 3値化コード垂直カウント処理部
6 プレート検出処理部(プレート検出手段に含まれる)
7 文字認識処理部(認識手段)
8 抽出手段(プレート検出手段に含まれる)
Claims (1)
- 車両を撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された画像データの輝度変化回数を検出し、前記輝度変化回数が小さい第1レベル、前記第1レベルよりも輝度変化回数が大きい第2レベルおよび前記第2レベルよりも輝度変化回数がさらに大きい第3レベルとして3値化処理したときに、前記第1レベル、第2レベルおよび第3レベルが所定の面積で連続する3値化コードの並びとなる第1のパターン若しくは前記第3レベルと第2レベルとが所定の面積で連続する3値化コードの並びとなる第2のパターンの何れか一方のパターンとなる部分をナンバープレートとして検出するプレート検出手段と、前記プレート検出手段によって検出されたナンバープレートの文字データを認識する認識手段とを備えたことを特徴とするナンバープレート自動認識装置。
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