JP2000357287A - ナンバープレート認識方法および認識装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ナンバープレートの画像を精度よく抽出し、
文字認識のためのより適切なナンバープレート画像を得
て認識率を向上させる。 【解決手段】 撮像装置１０２により撮像された車両１
０１の画像を画像記憶装置１０６に記憶し、そこから得
た画像を第１二値化装置１０７で二値化し、文字候補抽
出装置１０８で大きさ、面積から判断して漢字や上段部
分の数字等を含む文字候補を抽出する。プレート領域特
定装置１０９でこの文字候補の垂直および水平方向の投
影像からナンバープレート領域を特定し、第２二値化装
置１１０で再度の二値化を行う。この再度の二値化によ
り、漢字などの複雑な文字の一部に欠落があっても補完
でき、また文字と背景をより適切に分離することがで
き、文字認識のためのより適したナンバープレート画像
を得る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、車両に取り付けら
れたナンバープレートを撮像し、ナンバープレート上に
記載された文字を読み取るナンバープレート認識方法お
よびその装置に関する。

【従来の技術】

【０００２】従来、画像によって車両のナンバープレー
トを認識する技術は各種の開発、実用化が行われてきて
いる。一般的に、従来技術では、撮像した車両の画像よ
りナンバープレート領域の画像を抽出し、それに対して
文字の切り出しや文字認識を行っている。車両の画像よ
りナンバープレート領域の画像を抽出する技術として
は、従来、二値化を用いる方法や、画像に微分処理を行
ってナンバープレートや文字のエッジを検出する方法な
どが主に利用されている。

【０００３】二値化を用いた方法の例として、電子情報
通信学会誌 Ｖｏｌ．Ｊ８１−Ｄ−ＩＩ．Ｎｏ．１０(
１９９８) 記載の「部分文字列の配置規則を考慮したナ
ンバープレート領域抽出」が挙げられる。この従来技術
では、車両の画像に対して、二値化を行った後、ナンバ
ープレート下段の数字部分に相当する文字候補を抽出
し、数字とのマッチングを行ってナンバープレートの位
置を特定し、そこからプレートの上段部分などの位置を
推定してナンバープレートの文字を切り出している。

【０００４】その他のナンバープレート画像を抽出する
技術としては、撮像した画像に対して微分処理を行って
エッジを抽出し、ナンバープレート周囲４辺の直線を検
出したり、文字の輪郭が集まっている部分を探すなどす
る方法がある。

【０００５】また、ナンバープレートは、一般用、業務
用で分かれており、一般用では背景が白または黄、文字
が緑または黒、業務用では背景が緑または黒、文字が白
または黄となっており、明色、暗色の構成が逆になって
いる。そのため、ナンバープレート抽出や文字認識の
際、これを判別して処理する必要がある。第１の従来例
では文字候補に対して、数字のマッチング処理を行い、
一致しなかった場合は原画像から反転二値化を行い、プ
レート抽出処理をやり直している。微分処理を利用する
方法では、図８に示すように、ヒストグラムを用いて判
別する方法が一般的に用いられており、特定したナンバ
ー領域内で原画像のヒストグラムを調べ、その分布が８
０１のように明るい部分が多くなれば一般用プレート、
８０２のように暗い部分が多くなれば業務用プレートと
判別している。

【０００６】また、車両前面のナンバープレートはすべ
てが垂直に取り付けられているわけではなく、前傾して
付けられているものも相当数あるが、このようなナンバ
ープレートを斜め方向から撮像するなどした場合、抽出
したナンバープレート画像中の文字が傾き、歪むことが
あった。従来は、このような文字の傾きが起きないよう
に撮像方向をプレートの正面上方に限るという条件で撮
像装置を設置したり、電子情報通信学会誌 Ｖｏｌ．Ｊ
８１−Ｄ−ＩＩ．Ｎｏ．９( １９９８) 記載の「環境の
明るさの変化にロバストな車両のナンバープレート認
識」のように、異なる傾きに対応した複数の文字テンプ
レートを保持するなどで対処していた。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の二値化を用いたナンバープレート抽出技術では、文
字候補を抽出する際に、まず、文字が大きく形状が単純
なナンバープレート下段の数字部分を抽出しており、そ
の後、抽出した位置からプレートの上端部分や左端のひ
らがな・アルファベット部分の位置を推定して抽出する
という処理を追加して行う必要がある。

【０００８】また、このような二値化を用いた方法で
は、文字候補抽出の際に、漢字なども同様の方法で一緒
に取り出そうとした場合、文字の形状が複雑である上、
大きさもプレート下段部分の数字と比較して小さいため
候補を抽出しにくく、ノイズを除去しようとすると抽出
した文字候補から文字の一部が欠落したり、欠落無く抽
出しようとするとノイズが増えたりした。また、ナンバ
ープレート領域が特定される前に画像の二値化を行うた
め、二値化後の画像が、必ずしもナンバープレートの文
字と背景を適切に分離したものにならず、そのため文字
のかすれやつぶれが起きることがあり、文字認識の精度
が低下するという問題があった。

【０００９】また、微分によりエッジを利用する方法で
は、車体の色や照明の状態などにより、ナンバープレー
トとその周囲、または、プレート上の文字と背景の明度
差が小さい場合にはエッジの検出がしにくく、ナンバー
プレートの抽出に失敗するという問題があった。

【００１０】また、業務用プレートの判別方法について
は、第１の従来例では文字候補に数字をマッチングして
判定するため、判定されるまでの処理に時間がかかり、
業務用ナンバーであった場合はさらにそれをもう一度や
り直さなければならない。ヒストグラムを用いて判別す
る方法では、照明条件などによりナンバープレート上の
文字と背景に明確な明度差がない場合などでは、ヒスト
グラムの形状が想定したものと異なるため、正しい判別
ができないことがあるという問題があった。

【００１１】また、従来のナンバープレート上の文字の
傾きに対する方法では、撮影角度を正面上方などに限る
と、設置場所の都合などから撮像装置を通路脇に設置し
たいという様な場合に対応しにくい。また、傾きの異な
る複数の文字テンプレートを持つ方法では、ひとつの文
字に対して多くの情報を保持せねばならず、また抽出し
たプレート上の文字の傾きがテンプレートを保持してい
ないものである場合は認識率が低下するという問題点が
あった。

【００１２】本発明は、上記のような問題を解決するた
めになされたもので、プレート領域を一括して精度よく
抽出し、より適切に文字と背景が分離したナンバープレ
ート画像を得ることのできるナンバープレート認識方法
およびその装置を提供するものである。

【００１３】また、本発明は、ナンバープレート上の文
字と背景の明度差が小さい場合などでも一般用または業
務用ナンバープレートの判別を高速に行うことのできる
ナンバープレート認識方法およびその装置を提供するも
のである。

【００１４】さらに、本発明は、文字の傾きに対して、
抽出したナンバープレート画像より傾き角度を検出して
傾きを補正して文字認識率を高め、斜め方向からの撮像
にも対応することのできるナンバープレート認識方法お
よびその装置を提供するものである。

【００１５】

【課題を解決するための手段】本発明のナンバープレー
ト認識方法は、ナンバープレートを含む車両の画像を二
値化し、前記二値化された画像から寸法、面積により漢
字・ひらがな等を含む文字候補を抽出し、文字候補の水
平および垂直投影像からナンバープレート領域を特定
し、ナンバープレート領域内のみにて車両の画像より再
度二値化を行いナンバープレート領域を抽出することを
特徴とするものであり、ノイズが除去されるようにして
文字候補を絞り込み、漢字・ひらがな等を含むことを特
徴としてナンバープレート領域を特定することで、ナン
バープレート領域を一括して精度よく特定し、特定した
ナンバープレート領域内で再度の二値化を行うことによ
り、文字候補抽出で文字内の一部に欠落があっても補完
でき、文字と背景がより適切に二値化されたナンバープ
レート画像が得られることとなる。

【００１６】また、本発明のナンバープレート認識装置
は、撮像装置により撮像された車両の画像を画像記憶装
置に記憶し、前記画像記憶装置から画像を得てナンバー
プレートの文字と背景が分かれるよう二値化する第１二
値化装置と、前記第１二値化装置による画像より寸法、
面積により文字候補を抽出する文字候補抽出装置と、前
記文字候補を垂直および水平方向の投影像よりナンバー
プレート領域を特定するプレート領域特定装置と、前記
プレート領域内のみにて前記画像記憶装置による画像か
らより適切な二値化を行う第２二値化装置を備えたもの
であり、文字候補抽出装置にて漢字などを含む文字候補
をノイズが低減するよう絞り込んで抽出し、また、プレ
ート領域特定装置にて漢字などを含むことを特徴として
領域を特定することで抽出精度を向上させ、また第２二
値化装置により二値化することで、抽出過程で欠落した
文字の一部を補完でき、プレートの文字と背景がより適
切に分離した画像が得られることとなる。

【００１７】また、本発明のナンバープレート認識方法
は、ナンバープレートを含む車両の画像に対し、画像の
濃度値からしきい値を決定して二値化し、前記二値化さ
れた画像から寸法、面積により文字候補を抽出し、前記
文字候補の垂直および水平方向の投影像からナンバープ
レート領域を特定し、前記文字候補およびナンバープレ
ート領域がナンバープレートの条件に合わなかった場合
に前記車両の画像に変更を加えて前記二値化まで戻り、
条件に合った場合に前記ナンバープレート領域内のみに
て車両の画像より再度二値化を行いナンバープレート領
域を抽出するものであり、プレートの明度差が小さくて
も一般用および業務用プレートの判別ができ、処理の早
い段階で判別することにより高速に業務用プレートの抽
出ができることとなる。

【００１８】また、本発明のナンバープレート認識装置
は、上記した本発明によるナンバープレート認識装置に
おいて、前記文字候補抽出装置による文字候補と前記プ
レート領域特定装置による領域が条件に合わなかった場
合に前記画像記憶装置の画像に変更を加えて前記第１二
値化装置まで戻すプレート判定装置を備えたものであ
り、第１二値化装置にて文字と背景を分離することによ
り明度差の小さいプレートでも一般または業務用プレー
トの判別ができ、プレート判定装置により抽出処理の早
い段階で判別して高速に業務用プレートの抽出ができる
こととなる。

【００１９】また、本発明のナンバープレート認識方法
は、抽出したナンバープレート画像を角度を持って投影
し、その投影像の微分値の平方和および文字間を表す投
影像の空白部分の大きさを算出し、これを順次投影角度
を変えて計算することにより、この平方和と空白の大き
さをあわせたものが最も大きくなる投影角度を求め、こ
れを文字の傾き角度としてナンバープレート画像の補正
を行い、文字が垂直になるように修正するものであり、
プレート上の文字が傾いて抽出された場合でも傾き角度
を検出し補正を行うことで、文字認識の精度を向上さ
せ、車両の斜め方向からの撮像などに対応できることと
なる。

【００２０】また、本発明のナンバープレート認識装置
は、撮像装置により撮像された画像よりナンバープレー
ト領域の画像を切り出すプレート切り出し装置と、切り
出した画像中のナンバープレート画像に対し、ナンバー
プレート画像の投影像の微分平方和が大きくなりまた文
字間の空白が多くなる投影角度を調べてナンバープレー
ト上の文字の傾きを補正する傾き補正装置とを備えたナ
ンバープレート認識装置であり、傾き補正装置にてナン
バープレート画像上の文字の傾きを検出して補正するこ
とにより、ナンバープレート認識の精度を向上させ、車
両の斜め方向からの撮像に対応できることとなる。

【００２１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。 ( 実施の形態１)まず図１から図３を用いて本発明の請
求項１および請求項２に対応する実施の形態１について
説明する。図１は本発明の実施の形態１におけるナンバ
ープレート認識装置の構成を示したブロック図である。
このナンバープレート認識装置は、ナンバープレートを
含めて認識対象となる車両１０１の画像を撮像する撮像
装置１０２と画像処理装置１０３とからなり、画像処理
装置１０３は、プレート切り出し装置１０４と文字認識
装置１０５を含んでおり、プレート切り出し装置１０４
は、画像記憶装置１０６、第１二値化装置１０７、文字
候補抽出装置１０８、プレート位置特定装置１０９、第
２二値化装置１１０により構成されている。

【００２２】次に各部の動作を図２を参照しながら説明
する。撮像装置１０２で撮像された車両１０１の画像
は、画像処理装置１０３に取り込まれ、プレート切り出
し装置１０４の画像記憶装置１０６に記憶される。第１
二値化装置１０７では、画像記憶装置１０６から画像を
得て、画像全体の濃度分布の範囲を調べてしきい値を決
めて二値化し、文字候補抽出装置１０８に送る。文字候
補抽出装置１０８では、二値化された画像に領域分割処
理を行い、各領域の大きさ、面積を調べて、ナンバープ
レート上の数字、ひらがな、漢字、アルファベットとは
異なるものを取り除き、図２に示すように、二値画像中
に残ったものを文字候補とした画像２０１を作成する。
この文字候補の二値画像２０１では、ノイズ除去を優先
して候補を絞り込むため漢字などで文字内の一部が欠落
していることがあるが、これは後ほど補完される。

【００２３】この二値画像２０１からプレート領域特定
装置１０９においてナンバープレート領域を特定する。
まず、二値画像２０１の水平方向の投影像２０２および
垂直方向の投影像２０３を作成する。この２つの投影像
に対して、水平方向の投影像テンプレート２０４、垂直
方向の投影像テンプレート２０５をそれぞれ比較する。
これらのテンプレート２０４、２０５は漢字部分など含
めた形で作成する。これによってナンバープレートの垂
直、水平位置を検出し、画像中のナンバープレート領域
２０６を特定する。

【００２４】特定されたナンバープレート領域内の二値
画像を取り出すと、図３の３０１のように文字のつぶれ
やかすれ、一部の欠落が起きていることがある。そこで
第２二値化装置１１０では、この特定されたナンバープ
レート領域部分の画像を画像記憶装置１０６から取り出
し、これをより適切なしきい値で再度二値化する。画像
記憶装置１０６から取り出したナンバープレート領域の
画像に対し、判別分析法などを使用してナンバープレー
ト上の文字と背景がより適切に分離するしきい値を求
め、図３の二値化したナンバープレート画像３０２を作
成する。また、これにより文字候補抽出装置１０８で欠
落した部分も再び二値化され、ナンバープレート画像の
一部となる。そして、文字認識装置１０５において、第
２二値化装置１１０で得られたナンバープレート画像の
文字認識を行い、記載された情報を読み取る。

【００２５】以上のように、本発明の実施の形態１にお
けるナンバープレート認識装置では、二値化でプレート
上の文字と背景を分離して、漢字・ひらがな・上段部分
の数字を含む文字候補を抽出するとき、ノイズが除去さ
れるようにして文字候補を絞り込み、また、この文字候
補の垂直および水平方向の投影像から漢字部分などを含
むことを特徴としてナンバープレート領域を特定するこ
とにより、プレートの抽出精度を向上させ、さらに、特
定した領域内に限定して車両を撮影した画像から再度文
字と背景を分離する二値化を行い、ナンバープレート画
像を抽出するようにしたので、この再度の二値化により
抽出処理中で文字と背景をより適切に分離することがで
き、文字抽出で漢字などの一部が欠落した場合でも補完
できるので、文字認識のためにより適当なナンバープレ
ートの画像を得ることができる。

【００２６】( 実施の形態２)図４は本発明の請求項３
および請求項４に対応する実施の形態２におけるナンバ
ープレート認識装置の構成を示したブロック図であり、
図１と符号が同一のものは、同一名称、同一機能であ
り、詳細な説明は省略する。４０１は画像処理装置であ
り、プレート切り出し装置４０２と文字認識装置１０５
を含んでおり、プレート切り出し装置４０２は画像記憶
装置１０６、第１二値化装置１０７、文字候補抽出装置
１０８、プレート領域特定装置１０９、プレート判定装
置４０３、第２二値化装置１１０により構成されてい
る。

【００２７】次に各部の動作を説明する。撮像装置１０
２で撮像された車両の画像は、画像処理装置４０１に取
り込まれ、プレート切り出し装置４０２の画像記憶装置
１０６に記憶される。第１二値化装置１０７では、画像
記憶装置１０６から得た車両の画像を、文字と背景が分
離するよう二値化し、結果の二値画像を文字候補抽出装
置１０８に送る。プレート判定装置４０３では、文字候
補抽出装置１０８およびプレート領域特定装置１０９で
特定されたプレート領域の大きさおよび含まれる文字候
補の数、面積を調べ、それらが想定されるナンバープレ
ートのものに満たない場合は、業務用ナンバーであると
して前記画像記憶装置の画像に対して、画素値をずら
す、濃淡を反転させるなどの変更を加え、処理を第１二
値化装置１０６に戻し、再度抽出処理を行う。変更され
た画像記憶装置１０６の画像に対し抽出を行うことで、
上記実施の形態１で説明した一般用プレートと同じ処理
で業務用プレートの抽出ができる。

【００２８】プレート判定装置４０３でナンバープレー
トの要件を満たした場合は、第２二値化装置１１０で画
像記憶装置１０６の画像から再度の二値化を行い、ナン
バープレート画像を切り出す。切り出されたナンバープ
レート画像は文字認識装置１０５にて読み取られ、ナン
バープレート情報が得られる。

【００２９】以上のように、本発明の実施の形態２にお
けるナンバープレート認識装置では、車両の画像を文字
と背景を分離して二値化し、文字候補およびナンバープ
レート領域を抽出し、文字候補抽出結果およびナンバー
プレート領域抽出結果をナンバープレートの特徴と比較
して判定し、十分なナンバープレート領域が得られなか
った場合には、車両の画像に変更を加えて最初の二値化
まで処理を戻し、再度抽出処理を行うので、明度差が少
ない場合でも一般用、業務用プレートの判別をして高速
に抽出、認識することができる。

【００３０】( 実施の形態３)図５は本発明の請求項５
および請求項６に対応する実施の形態３におけるナンバ
ープレート認識装置の構成を示したものであり、図１と
符号が同一のものは、同一名称、同一機能であり、詳細
な説明は省略する。５０１は画像処理装置であり、プレ
ート切り出し装置５０２、傾き補正装置５０３、文字認
識装置１０５を含んでいる。

【００３１】次に各部の動作について説明する。撮像装
置１０２で撮像された車両の画像は画像処理装置５０１
に取り込まれ、プレート切り出し装置５０２に送られ
る。プレート切り出し装置５０２では、撮像した画像中
よりナンバープレートの写った領域を特定し、その部分
を切り出す。プレート切り出し装置５０２は、本発明の
実施の形態１または実施の形態２に示したものでもよい
し、その他一般に知られた、プレートのエッジを用いる
方法、文字の輪郭を用いる方法などによるものでもよ
い。

【００３２】傾き補正装置５０３では、ナンバープレー
ト切り出し装置５０２により切り出されたナンバープレ
ート画像に対し、その投影像を作成し、その投影像の微
分値の平方和が大きくなり、また文字間の空白が多くな
る投影角度を調べ、それを文字の傾き角度としてナンバ
ープレート画像を文字が垂直になるよう補正する。傾き
角度検出および補正方法の詳細は後述する。傾きが補正
されたナンバープレート画像は、文字認識装置１０５に
おいて文字の認識が行われ、ナンバープレート情報が読
み取られる。

【００３３】図６は本発明の実施の形態３における傾き
補正装置５０３の文字の傾き検出方法を示したものであ
る。この図で６０１は前記プレート切り出し装置によっ
て切り出されたナンバープレート画像、６０２は前記切
り出されたナンバープレート画像の中央線、６０３は前
記ナンバープレート画像の角度を持って投影された投影
像である。抽出したナンバープレート画像６０１につい
て、画像の中央線６０２に向かって上下より角度θ方向
に画素値を加算してゆき、投影度数を計算する。中央線
６０２上の全箇所について、角度θ方向での投影度数を
計算することにより、投影像６０３を作成することがで
きる。

【００３４】ナンバープレート画像の横幅をｗｘとおく
と、この投影像４０３の各箇所の投影度数ＰＲ[ Ｘ]
（０≦Ｘ≦ｗｘ) を用いて、１≦Ｘ≦ｗｘ−１の範囲で
次のＰ[ Ｘ] の計算を行う。ＰＲ[ Ｘ] ≠０のとき、そ
の箇所での微分値の平方を計算して、 Ｐ[ Ｘ] ＝（−ＰＲ[ Ｘ−１] ＋ＰＲ[ Ｘ] −ＰＲ[ Ｘ
＋１] ）² ＰＲ[ Ｘ] ＝０のとき、その箇所は文字間の空白である
として、 Ｐ[ Ｘ] ＝ Ｃ Ｃは定数でありナンバープレート画像の大きさなどによ
り決定される。このＰ[ Ｘ] を１≦Ｘ≦ｗｘ−１の範囲
で加算し、次の角度評価値ｆ( θ) を算出する。 ｆ( θ) ＝ΣＰ[ Ｘ] 投影角度θを設定した範囲（θｍｉｎ≦θ≦θｍａｘ）
の間で変化させながらこのｆ( θ) を計算してゆき、ｆ
( θ) が最大となる角度Θを求め、これを文字の傾き角
度とする。

【００３５】次にこの傾き角度Θからナンバープレート
画像の傾きを修正する。図７は実施の形態３の傾き補正
装置５０３におけるナンバープレート画像の修正方法を
示したものである。ナンバープレート画像の各横ライン
について、その横ラインの中心線６０２からの距離に応
じてライン上の画素を横方向にずらしてゆく。具体的に
は、画像中の任意のラインと中心線６０２の距離がＹと
すると、そのライン上の画素をＹｔａｎΘだけ横にずら
す。これを全ラインに行うことにより画像の修正し、文
字が垂直に補正された画像７０１を作成する。

【００３６】なお、この補正はナンバープレート画像中
の文字を上段、下段に分割、またはそれ以上の複数段に
分割して行ってもよく、その場合は途中で歪曲したナン
バープレートに対応することも可能である。

【００３７】以上のように、本発明の実施の形態３によ
れば、車両を撮像した画像より抽出したナンバープレー
ト画像の投影像を作成し、その微分値の平方和および投
影像の空白部分の大きさを順次調べることにより、傾き
角度を検出し文字が垂直になるよう補正を行い、文字が
直立した形で文字認識を行うことができるので、認識率
を向上させることができ、車両の斜め方向からの撮像に
も対応することができる。

【００３８】

【発明の効果】以上のように本発明の請求項１および２
に記載の発明によれば、撮像した車両の画像からナンバ
ープレートを一括して精度よく抽出でき、また文字と背
景が適切に分離したナンバープレート画像が得られるこ
とにより、文字認識の精度を向上させられるという効果
を有する。

【００３９】また、本発明の請求項３および４に記載の
発明によれば、ナンバープレートの文字と背景の明度差
が小さい場合でも、二値化により文字と背景を分離し
て、一般用、業務用のプレートを判別して、高速に抽
出、認識が行えるという効果を有する。

【００４０】また、本発明の請求項５および６に記載の
発明によれば、抽出したナンバープレート画像上の文字
が傾いていた場合でも、その傾きを検出、補正すること
によって、文字の直立したナンバープレート画像を得る
ことができ、文字認識の精度を向上させ、車両の斜め方
向からの撮像にも対応することができるという効果を有
する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態１におけるナンバープレー
ト認識装置の構成を示すブロック図

【図２】本発明の実施の形態１におけるナンバープレー
ト抽出方法を示す模式図

【図３】本発明の実施の形態１における第２二値化装置
の動作を示す模式図

【図４】本発明の実施の形態２におけるナンバープレー
ト認識装置の構成を示すブロック図

【図５】本発明の実施の形態３におけるナンバープレー
ト認識装置の構成を示すブロック図

【図６】本発明の実施の形態３における文字の傾き角度
の検出方法を示す模式図

【図７】本発明の実施の形態３におけるナンバープレー
ト画像の修正方法を示す模式図

【図８】従来の技術における業務用プレート判別方法を
示す濃度ヒストグラム図

【符号の説明】

１０１ 認識対象となる車両 １０２ 撮像装置 １０３ 画像処理装置 １０４ プレート切り出し装置 １０５ 文字認識装置 １０６ 画像記憶装置 １０７ 第１二値化装置 １０８ 文字候補抽出装置 １０９ プレート領域特定装置 １１０ 第２二値化装置 ２０１ 文字候補の二値画像 ２０２ 水平方向の投影像 ２０３ 垂直方向の投影像 ２０４ 水平方向の投影像テンプレート ２０５ 垂直方向の投影像テンプレート ２０６ ナンバープレート領域 ３０１ 切り出したナンバープレート画像 ３０２ 再二値化されたナンバープレート画像 ４０１ 画像処理装置 ４０２ ナンバー切り出し装置 ４０３ プレート判定装置 ５０１ 画像処理装置 ５０２ プレート切り出し装置 ５０３ 傾き補正装置 ６０１ 切り出されたナンバープレート画像 ６０２ 中央線 ６０３ θ方向の投影像 ７０１ 補正後のナンバープレート画像 ８０１ 一般用プレートの濃度ヒストグラム ８０２ 業務用ナンバーの濃度ヒストグラム

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ナンバープレートを含む車両の画像を二
   値化し、前記二値化された画像から寸法、面積により文
   字候補を抽出し、文字候補の水平および垂直投影像から
   ナンバープレート領域を特定し、前記ナンバープレート
   領域内のみにて前記車両の画像より再度二値化を行いナ
   ンバープレート領域を抽出することを特徴としたナンバ
   ープレート認識方法。
2. 【請求項２】 撮像装置により撮像された車両の画像を
   記憶する画像記憶装置と、前記画像記憶装置から画像を
   得て二値化する第１二値化装置と、前記第１二値化装置
   による画像より寸法、面積により文字候補を抽出する文
   字候補抽出装置と、前記文字候補の垂直および水平方向
   の投影像よりナンバープレート領域を特定するプレート
   領域特定装置と、前記ナンバープレート領域内のみにて
   前記画像記憶装置による画像からより適切な二値化を行
   う第２二値化装置を備えたことを特徴としたナンバープ
   レート認識装置。
3. 【請求項３】 ナンバープレートを含む車両の画像に対
   し、画像の濃度値からしきい値を決定して二値化し、前
   記二値化された画像から寸法、面積により文字候補を抽
   出し、前記文字候補の水平および垂直方向の投影像から
   ナンバープレート領域を特定し、前記ナンバープレート
   領域の寸法、文字候補数および文字候補の面積が条件に
   合わなかった場合に前記車両の画像に変更を加えて前記
   二値化まで戻り、条件に合った場合に前記ナンバープレ
   ート領域内のみにて前記車両の画像より再度二値化を行
   いナンバープレートの画像を抽出することを特徴とした
   ナンバープレート認識方法。
4. 【請求項４】 前記文字候補抽出装置およびプレート領
   域特定装置による結果がナンバープレートの条件に合わ
   なかった場合に、前記画像記憶装置の画像に変更を加え
   て前記第１二値化装置まで戻るプレート判定装置とを備
   えたことを特徴とした請求項２記載のナンバープレート
   認識装置。
5. 【請求項５】 ナンバープレートを含む車両の画像より
   抽出したナンバープレートの画像に対し、ナンバープレ
   ート画像の投影像の微分値の平方和が大きくなりまた文
   字間の空白が多くなる投影角度を調べて、ナンバープレ
   ート上の文字の傾きを補正することを特徴としたナンバ
   ープレート認識方法。
6. 【請求項６】 撮像装置により撮像された画像よりナン
   バープレート領域の画像を切り出すプレート切り出し装
   置と、ナンバープレート上の文字の傾きを、切り出した
   ナンバープレート画像の投影像の微分値の平方和が大き
   くなりまた文字間の空白が多くなる投影角度を調べて補
   正する傾き補正装置とを備えたことを特徴としたナンバ
   ープレート認識装置。