JP4222880B2 - 有機電界発光表示装置およびその製造方法 - Google Patents

有機電界発光表示装置およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機EL(electroluminescence:電界発光)表示装置およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、発光性有機材料のもたらすEL現象を利用した自発光素子として有機EL素子を用いた表示装置、すなわち「有機EL表示装置」の開発が進んでいる。有機EL表示装置は、自発光型であるため、液晶表示装置の場合のようなバックライトが不要であり、さらに視野角が広いことから、電気器具の表示部として有望視されている。
【0003】
有機EL表示装置には、パッシブ型(単純マトリクス型)とアクティブ型(アクティブマトリクス型)の2種類がある。各画素に配置されるEL素子において発生する光を取り出す構造に関しても、基板上面から取り出す構造(以下「トップエミッション構造」という。)と、基板下面から取り出す構造(以下「ボトムエミッション構造」という。)との2種類があり、いずれの方式も盛んに開発が行われている。特に現在は、各々のEL素子を駆動するための駆動素子として薄膜トランジスタ素子(Thin Film Transistor:以下「TFT素子」という。)を用いたアクティブマトリクス型有機EL表示装置が注目されている。
【0004】
また、有機EL素子の発光層(「EL層」ともいう。)となる有機EL材料は、低分子系有機EL材料と高分子系(ポリマー系)有機EL材料とが研究されている。低分子系有機EL材料は蒸着法などで形成され、高分子系有機EL材料は、スピナーを用いた塗布方式やインクジェット法により形成されている。ここで、低分子系有機EL材料と高分子系(ポリマー系)有機EL材料のいずれの場合においても、成膜しようとする部位の下地の面が十分に平坦でないと、EL層を均一な膜厚に成膜することができないという問題が生じる。そこで、低分子系と高分子系有機EL材料のいずれの場合においても、EL層の下地の面を平坦化する目的で「平坦化絶縁膜」を用いる場合がある。
【0005】
平坦化絶縁膜としては、平坦化に適する材料という理由でポリイミド樹脂やアクリル樹脂といった有機絶縁膜が主に用いられる。このことは、たとえば、特開平10−189252(特許文献1)に示されている。しかし一方で、これらの有機絶縁膜から漏出する水分がEL層に侵入することで有機EL素子が劣化することが問題となっている。
【0006】
これに対して、特開2001−356711(特許文献2)では、トップエミッション構造として、TFT素子およびTFT素子のための配線に起因する凹凸を平坦化するため、スピナーによる塗布方式などの方法によりアクリル、ポリイミドなどの有機絶縁膜を形成し、その上層にCVD(Chemical Vapor Deposition)法などの方法によって酸化シリコン系材料膜、窒化シリコン系材料膜などの無機絶縁膜を形成することが開示されている。これらの無機絶縁膜は、有機絶縁膜からEL層に向けての水分の浸透を遮断するためのバリアとして設けられたものである。
【0007】
あるいは、特許文献1の図7では、他の方法として、有機絶縁膜を形成せずに無機絶縁膜をかなり厚く成膜し、ポリマーコーティングを行った後、RIE(Reactive Ion Etching)によって全面エッチバックしたものを用いて、TFTを覆う層の上面を平坦化する方法が用いられている。しかし、無機絶縁膜をこのように厚く形成した場合、無機絶縁膜の反りが問題となる。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−189252号公報(図1、図7)
【0009】
【特許文献2】
特開2001−356711号公報(図1)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
アクティブマトリクス型有機EL表示装置において、特許文献2に開示された技術を用いて、基板上に設けられたTFTの上にアクリル、ポリイミド樹脂などの有機絶縁膜からなる平坦化絶縁膜を形成してその後に無機絶縁膜を積層する構造を採用した場合、TFTの配線と画素メタル電極との間を電気的に接続するために平坦化絶縁膜にコンタクトホールを形成する工程と、さらに無機絶縁膜を形成した後にコンタクトホールの底面において無機絶縁膜を開口する工程との両方が必要となり製造工程が複雑となる。この場合、平坦化絶縁膜と無機絶縁膜とのそれぞれの開口に用いるパターンにずれがあると、開口面積が小さくなったり、パターンずれに起因して生じた段差がその上層に形成する画素メタルの断絶を招くおそれがある。
【0011】
ところで、EL層は非常に薄く形成されるため、無機絶縁膜の上面は平坦であってなおかつ表面粗さは小さくなっていることが必要である。これらの条件を満たすためには、無機絶縁膜は300℃程度の高温成膜によって形成しなければならない。しかし、その温度では、有機絶縁膜の耐熱性の問題が生じる。有機絶縁膜は耐熱温度以上の環境にさらされると、樹脂組織の分解を起こすため、問題となる。有機絶縁膜の材料であって300℃以上の耐熱性を有するものという条件を満たすものは少なく、たとえばポリイミド系樹脂などに限られてしまう。一方、無機絶縁膜を低温で成膜すると、表面粗さが大きくなってしまい、この上面にEL層を形成するには不適となってしまう。表面粗さがあまりに大きいと、たとえば、EL層の上下の導電層同士の間でショートが起こるという不都合がある。
【0012】
そこで、本発明は、平坦化絶縁膜からEL層への水分侵入による有機EL素子の劣化を防ぐことができ、無機絶縁膜を低温で成膜しても問題が生じず、製造工程が複雑とならない有機EL表示装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に基づく有機EL表示装置は、基板の上側に形成された有機絶縁膜と、水分遮断のために前記有機絶縁膜の上側に形成された無機絶縁膜と、前記無機絶縁膜の上側にのみ形成された画素分離膜とを備え、前記有機絶縁膜の上面はEL層が画素電極層を介して前記有機絶縁膜に接する画素領域を有し、前記無機絶縁膜は、前記有機絶縁膜の上側のうち前記画素領域以外の部分にのみ配置されている。
【0014】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
(構成)
図1を参照して、本発明に基づく実施の形態1における有機EL表示装置について説明する。この有機EL表示装置は、トップエミッション構造のアクティブマトリクス型である。この有機EL表示装置においては、基板1の上側にTFT2が配置され、さらにその上側に平坦化を目的とする絶縁膜(以下、「平坦化絶縁膜」という。)として有機絶縁膜5が形成されている。有機絶縁膜5には、TFT2に接続されたドレイン電極3に対して接続するように貫通するコンタクトホール6が形成されている。
【0015】
有機絶縁膜5から出てくる水分を遮断するために有機絶縁膜5の上側を部分的に覆うように無機絶縁膜8が形成されている。画素分離膜9は、無機絶縁膜8の上側にのみ形成されている。有機絶縁膜5の上面には画素電極層7が配置されている。画素電極層7は、コンタクトホール6の内部では内面に沿って延在し、ドレイン電極3に対して電気的に接続されている。有機絶縁膜5の上面においては、画素電極層7の上側に部分的に接するようにEL層10が配置されている。EL層10が画素電極層7を介して有機絶縁膜5に接する部分(図1における各凹部の底部)は、画素領域となっている。画素領域は、有機絶縁膜5の上面のうちの一部の領域である。無機絶縁膜8は、有機絶縁膜5の上側のうち画素領域以外の部分を覆うように配置されている。画素領域においては、無機絶縁膜8は存在しない。すなわち、無機絶縁膜8は、有機絶縁膜5の上側のうち画素領域以外の部分のみを覆っている。
【0016】
EL層10は主に画素領域を覆っているが、画素領域からはみ出した端部は画素分離膜9の斜面に乗り上げるように延在している。EL層10の上側は、透明電極11に覆われている。この有機EL表示装置がカラー表示のためのものである場合、EL層10は、画素領域ごとに必要な色のものが設けられている。一方、カラー表示のためのものであるか否かを問わず、透明電極11は複数の画素領域を一括して覆って形成されている。
【0017】
(作用・効果)
画素領域においては、EL層10が画素電極層7と透明電極11とによって挟まれる構造となっているので、画素電極層7と透明電極11との間に電圧を印加することによってEL層10を発光させることができる。上側が透明電極11であるので、EL層10で発生した光は、矢印15の向きに放出される。
【0018】
この有機EL表示装置の使用中に有機絶縁膜5の内部から水分が出てくることがあったとしても、有機絶縁膜5の上側は、画素領域以外では無機絶縁膜8によって覆われており、画素領域では画素電極層7によって覆われているので、水分は無機絶縁膜8または画素電極層7によって遮断され、水分がEL層10に到達することを妨げることができる。したがって、EL層10の特性が水分の侵入によって劣化することを防止できる。
【0019】
画素領域においては、EL層10は画素電極層7の上側に直接接するように配置されており、画素領域内には無機絶縁膜8が存在しないので、EL層10の形成時には、下地材として表面粗さによる影響を与えるのは画素電極層7のみとなり、無機絶縁膜8の表面粗さの影響は受けない。したがって、無機絶縁膜8の表面粗さはたとえ大きくなってもよいということになり、無機絶縁膜8の形成方法の自由度が高まる。
【0020】
なお、無機絶縁膜8は、水分に対するバリア性能があるものであればよい。たとえば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜が用いられる。これらの無機絶縁膜は成膜条件によってさまざまな膜質を伴いうるが、水分に対するバリア性能を上げるにはできるだけ膜密度を緻密にする必要がある。緻密さを検討する場合、公知の方法として、フッ化アンモニウム溶液によるエッチングレートの評価がある。また、膜組成比を表す屈折率を調べる方法もある。さらに、水分に対するバリア性能の検討のためには、モコン法水分量評価や四重極質量分析などで透湿性、放出水分量を評価することも有効である。無機絶縁膜8を上述のシリコン酸化膜、シリコン窒化膜などで形成する場合、有機絶縁膜5からの水分を遮断するためには、厚さ200nm以上に形成しておくことが望ましい。
【0021】
(実施の形態2)
(製造方法)
図1〜図9を参照して、本発明に基づく実施の形態2における有機EL表示装置の製造方法について説明する。この有機EL表示装置の製造方法は、実施の形態1で説明した有機EL表示装置を製造するためのものである。
【0022】
図2に示すように、基板1の上面にTFT2を形成し、ドレイン電極3を形成する。基板1としては、たとえば、透明なガラス基板が使用可能である。次に、TFT2やドレイン電極3を形成したことで表面に生じた凹凸を平坦にするために、平坦化絶縁膜を形成する。そのために、ポジ型の感光性アクリル樹脂をスピンコート法によって塗布し、90℃のオーブンもしくはホットプレートでプリベークしてリフローさせる。こうして、図2に示すように平坦化絶縁膜として有機絶縁膜5を形成する。
【0023】
露光装置を用いて有機絶縁膜5に対してパターン露光を行ない、希釈アルカリ現像液によって現像を行なう。こうして、図3に示すようにコンタクトホール6を形成する。
この後、有機絶縁膜5の焼成工程として、オーブンを用いて220℃に60分間保持する。この焼成工程は、有機絶縁膜5中の溶剤や水分を取り除くことを目的としており、溶剤や水分がほぼ除かれることによって有機絶縁膜5の形状が保持できるようになる。
【0024】
ここでは、平坦化絶縁膜として感光性アクリル樹脂による有機絶縁膜5を用いた例を示したが、平坦化絶縁膜の材料は、感光性アクリル樹脂以外であってもよい。感光性をもたない材料であってもよいし、無機材料であっても有機材料であってもよい。ただし、感光性をもたない材料を用いて平坦化絶縁膜とする場合、コンタクトホール6の形成には、レジストパターンをマスクとしたドライまたはウェットによるエッチングを行なう。
【0025】
図4に示すように、画素電極層7をスパッタ法によって成膜する。この画素電極層7としては、アクリル樹脂によって既に形成されている有機絶縁膜5に悪影響を与えないように、有機絶縁膜5の材料の耐熱温度である230℃以下で低温成膜できるものを用いることが好ましい。ここでは、この条件を満たす材料としてCrを用い、厚み100nm程度成膜する。こうして形成した画素電極層7は、表面粗さが原子間力顕微鏡(AFM)測定でRmaxが10nm程度で、Raが0.6nm程度となるようにする。この画素電極層7をレジストマスクによってエッチングし、図4に示すように、所望のパターン形状で画素ごとに配置されるようにする。
【0026】
図5に示すように、プラズマCVDによって無機絶縁膜8を成膜する。この際も熱による有機絶縁膜への影響を回避するために180℃程度の低温でシラン(SiH4)とアンモニア(NH3)ガスによって窒化シリコンの成膜を行なう。成膜温度に対する制約はないが、180〜230℃で処理を行なうことが望ましい。処理温度がそれより低くなると緻密さが失われてくるからである。
【0027】
これらのガスの流量比によって変わってくるが、低温成膜によって形成する関係上、無機絶縁膜8として形成される窒化シリコン膜の表面粗さはRmaxで20〜50nm程度になる。この窒化シリコン膜の膜厚は200nmとする。これは水分を遮断するのに十分な厚さとしている。ただし、水分を遮断するのに十分な厚さを確保しつつ、後々の加工を容易にするためにはできるだけ薄くすることが望ましい。実際には、無機絶縁膜8は、この後に形成するEL素子層10よりわずかに高い程度の膜厚となっている。
【0028】
無機絶縁膜8は、水分を遮断できる無機絶縁膜であれば、材料は、窒化シリコン以外であってもよい。成膜方法についても、ここで挙げたもの以外であってもよい。また、たとえば、有機絶縁膜5の表面ダメージを抑えるようなスパッタ法で最初に成膜しておいてその後に連続して無機絶縁膜を形成するようにした積層構造であってもよい。
【0029】
いずれにせよ、有機絶縁膜5から発する水分の経路は、無機絶縁膜8によって遮断される。
【0030】
図6に示すように、画素分離膜9を形成する。ここでも平坦化絶縁膜と同じ材料を用いて形成することができ、そうすれば、製造設備や材料を共用できて好都合である。その場合、画素分離膜9もポジ型の感光性アクリル樹脂を使って形成することとなる。
【0031】
こうして形成した画素分離膜9をエッチングマスクとして利用し、フッ素系ガス(CF4やSF6など)と酸素(O2)との混合ガスによって先に形成した無機絶縁膜8をドライエッチングし、無機絶縁膜8に開口部を形成する。こうして、図7に示す構造が得られる。ドライエッチングの際に、画素分離膜9の表面は徐々に削られる。そのため、図6に比べて図7では、画素分離膜9が小さくなっている。しかし、画素分離膜9の大部分は残るので、画素ごとの仕切りとしての役割を果たす上では問題はない。
【0032】
このドライエッチングの際には、図7において円で囲んだ部分12、すなわち、無機絶縁膜8の端部が、水平面に対する傾斜角が50°程度またはそれ以下の緩やかな斜面となるように、公知技術によってエッチング条件を制御する。このように開口部の内周部において上にいくほど開口面積が広がる形状のことを「正テーパ」ともいう。
【0033】
上述ドライエッチングの後、画素電極層7表面や画素分離膜9表面にエッチング中に薄く堆積したフッ化反応生成物を、低ダメージのO2アッシングと有機剥離液などで剥離させ、水洗して除去する。その後、120℃のオーブンによって乾燥を行なう。さらに、画素分離膜9からの水分の影響をなくすために、真空中で加熱しながら2時間保持することが望ましい。
【0034】
次に、図8に示すように、画素分離膜9はそのままで、EL層10を形成する。EL層10は、無機絶縁膜8の開口部から露出する画素電極層7を覆うように形成される。EL層10が画素電極層7を覆う領域が画素領域となるが、EL層10自体は画素領域だけにとどまらず、周辺の無機絶縁膜8や画素分離膜9の上側を覆って広がる。
【0035】
図8では、EL層10の材料として低分子系有機EL材料を用いる場合のEL層10の形成例を示している。この場合、所望の画素に対応する開口部を有する蒸着マスク13を画素分離膜9上に載せて保持しながら真空蒸着することによって、EL層10を形成することができる。EL層10は、蒸着マスク13の上面も含めて全域に形成されるが、蒸着マスク13を画素分離膜9上から取り去ると、図9に示すように所望の画素に対応する部分にのみEL層10が形成された状態を得ることができる。
【0036】
たとえば、この有機EL表示装置がカラー表示のためのものである場合、画素ごとに決められた異なる種類のEL層を形成する。たとえば、RGBの3原色において、1画素に1色ずつ割り当てる場合は、R,G,Bのそれぞれに対応する開口部を有する蒸着マスクを順次使用して、3種類のEL層をそれぞれ対応する画素に対して形成する。
【0037】
このようにして、すべての画素に対して所望のEL層10を形成し、さらに、これらの上側を覆うように、対向電極である透明電極11を形成する。こうして、図1に示した有機EL表示装置を得ることができる。
【0038】
(作用・効果)
本実施の形態における有機EL表示装置の製造方法によれば、実施の形態1で説明した有機EL表示装置を容易に得ることができる。したがって、製造した有機EL表示装置によって、実施の形態1における効果を得ることができる。
【0039】
本実施の形態における有機EL表示装置の製造方法によれば、無機絶縁膜8に開口部を設ける際に無機絶縁膜8の端部を正テーパとしているので、後でEL層10を成膜したときにEL層10が途切れること(「段切れ」ともいう。)を防ぐことができる。仮に、段切れが起こると、図1のように透明電極11を形成させた状態で、画素電極層7と透明電極11との間でショートが発生してしまう。これに対して、無機絶縁膜8の開口部の端部が正テーパとなっていると、EL層10が段差に沿うように十分な厚みで正しく形成され、段切れを防止することができる。
【0040】
本実施の形態における有機EL表示装置の製造方法によれば、図6から図7にかけて示した無機絶縁膜8に開口部を設けるためのドライエッチングは、画素分離膜9自体をエッチングマスクとして自己整合的に行なわれることとなるので、特別な位置合わせを行なわなくとも、画素分離膜9の開口部と無機絶縁膜8の開口部との間でパターンずれが生じない。
【0041】
また、画素分離膜9は有機絶縁膜5と同じ材料である感光性アクリル樹脂で形成されているので、このドライエッチングの際に、画素分離膜9の表面においては感光性アクリル樹脂がフッ素イオンを取りこむ現象が生じる。その結果、画素分離膜9の表面は撥水化する。EL層10として高分子系有機EL材料を用いる場合、インクジェット方式で有機EL材料の所望箇所への供給が行なわれうる。画素領域の周囲を取り囲む画素分離膜9の表面が撥水化されていることにより、インクジェット方式で供給された有機EL材料が所望の位置からずれた位置に到達した場合であっても、有機EL材料は画素分離膜9の撥水性によって自ずと正しい位置に導かれることになる。こうして、本実施の形態では、有機EL材料の定着位置の精度を高めることができる。
【0042】
従来の有機EL表示装置の製造方法では、画素分離膜9の現像後に本来完全に溶解するべき部分に残渣が見られるのに対し、本実施の形態における製造方法を用いることで、無機絶縁膜8のドライエッチングの際に画素分離膜9の残渣は除去されるので、画素電極層7の表面は、残渣のない状態で得ることができる。
【0043】
(実施の形態3)
(構成)
図12を参照して、本発明に基づく実施の形態3における有機EL表示装置について説明する。この有機EL表示装置は、有機絶縁膜5がトレンチ14を有すること以外は、基本的に実施の形態1におけるものと同様である。トレンチ14においては、無機絶縁膜8がトレンチ14の内部を埋めるようにして有機絶縁膜5内部に入り込んでいる。
【0044】
(製造方法)
図2〜図4、図10〜図12を参照して、本発明に基づく実施の形態3における有機EL表示装置の製造方法について説明する。図2〜図4における工程については、実施の形態2で説明したものと同様である。図4に示すように画素電極層7を所望のパターンで形成した後、本実施の形態では、画素電極層7をマスクとして有機絶縁膜5に対して低ダメージのO2アッシングを行なう。その結果、画素電極層7が覆っていない部分においては、有機絶縁膜5が削られ、図10に示すように、トレンチ(溝)14が形成される。
【0045】
この後は実施の形態2と同様の各工程を行なう。ただし、無機絶縁膜8を形成することによって、無機絶縁膜8はトレンチ14の内部にも入り込んで形成される。さらに、画素分離膜9を形成することによって、図11に示す構造に至る。
【0046】
EL層10を形成し、透明電極11を形成することで、図12に示す有機EL表示装置を得ることができる。
【0047】
(作用・効果)
本実施の形態における有機EL表示装置では、図12に示すように無機絶縁膜8がトレンチ14を埋めるように有機絶縁膜5内部に入り込んで有機絶縁膜5内部を各所で隔てているので、有機絶縁膜5内での水分の移動を妨げる度合いがより高くなり、実施の形態1に示した有機EL表示装置で得られたよりもさらに強力な水分封止効果が期待できる。
【0048】
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、有機絶縁膜の上側は、画素領域以外では無機絶縁膜によって覆われており、画素領域では画素電極層によって覆われているので、水分は無機絶縁膜または画素電極層によって遮断され、水分がEL層に到達することを妨げることができる。したがって、EL層の特性が水分の侵入によって劣化することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に基づく実施の形態1における有機EL表示装置の断面図である。
【図2】 本発明に基づく実施の形態2における有機EL表示装置の製造方法の第1の工程の説明図である。
【図3】 本発明に基づく実施の形態2における有機EL表示装置の製造方法の第2の工程の説明図である。
【図4】 本発明に基づく実施の形態2における有機EL表示装置の製造方法の第3の工程の説明図である。
【図5】 本発明に基づく実施の形態2における有機EL表示装置の製造方法の第4の工程の説明図である。
【図6】 本発明に基づく実施の形態2における有機EL表示装置の製造方法の第5の工程の説明図である。
【図7】 本発明に基づく実施の形態2における有機EL表示装置の製造方法の第6の工程の説明図である。
【図8】 本発明に基づく実施の形態2における有機EL表示装置の製造方法の第7の工程の説明図である。
【図9】 本発明に基づく実施の形態2における有機EL表示装置の製造方法の第8の工程の説明図である。
【図10】 本発明に基づく実施の形態3における有機EL表示装置の製造方法の第1の説明図である。
【図11】 本発明に基づく実施の形態3における有機EL表示装置の製造方法の第2の説明図である。
【図12】 本発明に基づく実施の形態3における有機EL表示装置の断面図である。
【符号の説明】
1 基板、2 TFT、3 ドレイン電極、4 絶縁膜、5 有機絶縁膜、6コンタクトホール、7 画素電極層、8 無機絶縁膜、9 画素分離膜、10EL層、11 透明電極、12 部分、13 蒸着マスク、14 トレンチ、15 (発光の向きを示す)矢印。

Claims (4)

  1. 基板の上側に形成された有機絶縁膜と、
    水分遮断のために前記有機絶縁膜の上側に形成された無機絶縁膜と、
    前記無機絶縁膜の上側にのみ形成された画素分離膜とを備え、
    前記有機絶縁膜の上面はEL層が画素電極層を介して前記有機絶縁膜に接する画素領域を有し、前記無機絶縁膜は、前記有機絶縁膜の上側のうち前記画素領域以外の部分にのみ配置されており、前記有機絶縁膜は、画素電極層によって覆われている領域と覆われていない領域とを有し、前記覆われていない領域においては、トレンチを有し、前記トレンチ内部に前記無機絶縁膜が入り込んでいる、有機電界発光表示装置。
  2. 前記無機絶縁膜は、230℃以下の環境下で形成可能なものからなる、請求項1に記載の有機電界発光表示装置。
  3. 前記画素分離膜は表面が撥水処理されている、請求項1または2に記載の有機電界発光表示装置。
  4. 基板の上側に有機絶縁膜形成する工程と、
    前記有機絶縁膜の上を覆う領域と覆わない領域とを有するように画素電極層を形成する工程と、
    前記画素電極層をマスクとして前記有機絶縁膜にトレンチを形成する工程と、
    前記有機絶縁膜のトレンチの内部と前記画素電極層の上とに無機絶縁膜形成する工程と、
    前記トレンチの上を含んで前記無機絶縁膜の上側を部分的に覆う画素分離膜を形成する工程と、
    前記画素分離膜をマスクとして前記無機絶縁膜をエッチングする工程と、
    前記画素電極層の上にEL層を形成する工程と、
    前記EL層の上に対向電極を形成する工程とを含む、有機電界発光表示装置の製造方法。
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