JP4221121B2 - 既設屋根のfrp防水被覆構造及びその施工方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、既設屋根の防水被覆構造及びその施工方法に関し、特に、瓦棒タイプの鋼板屋根のように、屋根の傾斜に沿った方向に延びる筋状の凹凸を備えた既設屋根の上面に、腐食等に対する補修を目的としてFRPを用いて形成する既設屋根のFRP防水被覆構造及びその施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、瓦棒タイプの鋼板屋根が広く使用されている。これらの鋼板屋根が経年により腐食、劣化すると補修又は改修が必要となり、従来は、その方法として、(1)既設屋根を撤去して新設する方法、(2)既設屋根を再塗装する方法、(3)防水シートを敷設する方法、(4)既設屋根の上に平板状の断熱材又は耐火性板材よりなる下地板材を敷き並べ、その上に防水シートを貼り付ける方法(特開平8−209864号公報参照)等が行われていた。
【0003】
しかしながら、これらの従来の方法にはいずれも問題があった。すなわち、(1)の新設する方法は、工期とコストがかかり過ぎる。(2)の再塗装する方法は、改修作業に手間がかかる割りには、長期間の改修効果が期待できないし、また腐食が進み過ぎている場合には再塗装では補修できない。(3)の防水シートを敷設する方法は、瓦棒タイプの屋根に存在する多数の筋状の凹凸に沿って防水シートを敷設する作業がきわめて困難であり、しかも防水シートには耐候性、強度があまりないので、寿命が短い。(4)の下地板材を敷き並べ、その上に防水シートを貼り付ける方法は、使用する部品の種類や数量が多い上、施工プロセスが多段で複雑であり、しかも、防水シートの寿命が短い。また、防水シートとして熱可塑性樹脂製シート或いは非加硫ゴム系シート、ゴムアスファルト系シート等を用いた場合、気温の変化による伸縮が大きく、そのため波うち等を生じて見栄えが悪くなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記状況に鑑みてなされたもので、使用部品の種類、数量等が少なく、施工プロセスが簡単であり、従って作業性よく既設屋根に対して施工して防水補修を行うことができ、長期間に渡って使用しうる防水性、耐候性、補強性等に優れた既設屋根の防水被覆構造及びその施工方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため、筋状の凹凸を備えた瓦棒タイプの鋼板屋根である既設屋根の補修に、既設屋根の筋状凹凸形状に対しほぼ倣った形状に成型した硬質FRP成型板を用い、この硬質FRP成型板を既設屋根の上面に被着させてFRP防水被覆構造としたものである。このように既設屋根の筋状凹凸形状にほぼ倣った形状に成型した硬質FRP成型板を用いたことにより、既設屋根に取り付けた状態では既設屋根の凹凸に硬質FRP成型板の凹凸が嵌まり合っており、このため、横方向にずれることがなく、また、硬質FRP成型板が既設屋根に広い面積で接触して支持されることとなり、その上を人が歩いても支障なく支持できる。更に、硬質FRP成型板は優れた防水性、防食性、耐候性、強度、軽量性等を備えているので、本発明のFRP防水被覆構造は、腐食等によって劣化した既設屋根を補強して覆うと共に長期間に渡って防水性、防食性、耐候性を発揮し、安定して使用できる。また、軽量であるので、柱の補強等の必要がない。更に、硬質FRP成型板は熱膨張率が小さいため、あまり伸縮せず、波うち等を生じて見栄えを悪くすることもない。施工に当たっては、既設屋根に倣った形状にあらかじめ成型した硬質FRP成型板を用いることにより、その硬質FRP成型板を単に既設屋根上に被せて接着させることで容易に取り付けることができ、その硬質FRP成型板の縁と既設屋根との境界、或いは複数の硬質FRP成型板を並べて敷設した際の各硬質FRP成型板間のつなぎ目等は、同質のFRPライニングを施すことで容易に防水処理できる。このため、使用する部品の種類、数量が少なく、施工が簡単であり、従って屋根上での施工といった困難な作業条件でも、効率良く施工を行うことができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は、上記したように、筋状の凹凸を備えた瓦棒タイプの鋼板屋根である既設屋根の上面に、その屋根の筋状凹凸形状にほぼ倣う形状の硬質FRP成型板を被着してFRP防水被覆構造を構成したものである。
【0007】
本発明で防水被覆の対象とする既設屋根は、幅の狭い凸条部分と広い平坦な底面を備えた凹条部分(溝)とを交互に配した瓦棒タイプの鋼板屋根である。なお、以下の説明において、既設屋根や硬質FRP成型板について、筋状の凹凸の延びる方向を縦方向或いは長手方向と称し、それに直角な方向を横方向或いは幅方向と称する。
【0008】
本発明で使用する硬質FRP成型板は、既設屋根の上面に、凹凸をはめ合わせる形態でかぶせることができるよう、既設屋根の筋状凹凸形状にほぼ倣う形状にあらかじめ成型したものである。硬質FRP成型板の製造には公知の適宜な技法を使用すればよいが、あらかじめ成型工場にて連続積層成型法により製作し、施工作業に好ましい形状、寸法に切断し、施工用FRP板材として準備することが、生産性良く製造できるので好ましい。施工用FRP板材として製造した硬質FRP成型板の形状、寸法は、特に限定されるものではないが、運搬、施工等の作業性から、幅Wが600〜1000mm、長さLが2〜4m程度の長方形とすることが好ましい。硬質FRP成型板の厚さは、補強強度、耐候性等を考慮して1.0〜1.8mmの範囲とすることが好ましく、更には、1.2〜1.5mmの範囲が一層好ましい。厚さが1.0mm未満では補強強度、耐候性が劣化し、1.8mmを越えると重量の面で作業性が悪く且つ単価アップとなる。硬質FRP成型板の材料は、特に限定されるものではなく、通常に使用されているものを適宜使用でき、例えば、ガラス繊維チョップドストランドマットに不飽和ポリエステル樹脂を含浸させたものを挙げることができる。また、硬質FRP成型板には透明クリアタイプ、着色タイプのいずれを使用してもよい。
【0009】
既設屋根に設ける硬質FRP成型板による防水被覆は、既設屋根の一部に対してのみ形成してもよいし、全面に対して形成しても良い。また、硬質FRP成型板の使用枚数は1枚のみでも、複数枚でもよく、被覆面積に応じて適当に設定すればよい。この硬質FRP成型板を既設屋根に被着するには、適当な接着剤を用いればよく、例えば、エポキシ系弾性接着剤を用いることが好ましい。既設屋根に対して硬質FRP成型板を接着剤を用いて被着するに当たっては、前処理として既設屋根の下地処理及び清掃を行っておくことが好ましい。例えば、サンダー掛けケレンにより油脂類、凸部、さび等の不純物を除去し、その後、高圧水などで洗浄を行うことが好ましい。また、ローラ等により鋼板全面に錆止め剤を塗布することも好ましい。
【0010】
硬質FRP成型板を複数枚使用してFRP防水被覆構造を形成する場合においては、隣接した硬質FRP成型板のつなぎ目の部分を水漏れしないように一体化する必要があり、その一体化の一手段として、FRPライニングを挙げることができる。すなわち、本発明の一実施形態は、複数枚の硬質FRP成型板を既設屋根上面に並べて被着し、且つ隣接した硬質FRP成型板のつなぎ目をFRPライニングにより一体化したことを特徴とするものである。このようにFRPライニングを用いたことにより、複数の硬質FRP成型板を同質材料で一体化でき、確実に一体化して漏れの無い、且つ防水性、防食性、耐候性、強度、軽量性等のFRPの特性を発揮した防水被覆を形成できる。FRPライニングを施す方法としては、ハンドレイアップ法、スプレーアップ法等を挙げることができるが、現場で簡単に実施できる点からハンドレイアップ法が好ましい。ハンドレイアップ法では、つなぎ目に補強繊維のマットを置き、液状樹脂をローラで含浸させ、空気を脱泡ローラで脱泡し、平面を平滑にし、その後、液状樹脂を硬化させることでFRPライニングを形成でき、既設屋根上でも容易に施工できる。
【0011】
隣接した硬質FRP成型板のつなぎ目をFRPライニングで一体化する場合において、そのつなぎ目における硬質FRP成型板の縁(側縁及び/又は端縁)は、互いに重なり合った形態としてもよいし、突き当たった形態としてもよく、更には、適当に間隔を開けた形態としてもよい。隣接した硬質FRP成型板の縁同志を、適当に間隔を開けた形態とした場合には、FRPライニングで一体化することで硬質FRP成型板同志を一体化するのみならず、既設屋根に対しても接着して一体化できる利点が得られる。縁同志を間隔を開けて配置する場合の間隔としては、10〜60mmとすることが好ましく、更には、30〜50mmとすることが一層好ましい。このように隣接した縁同志を間隔を開けて配置し、FRPライニングで一体化する形態は、つなぎ目の下に位置する既設屋根が平坦な面の場合に特に好ましく、更に具体的には、瓦棒タイプの既設屋根において複数の硬質FRP成型板を横方向に並べて被着させる場合に好ましい。
【0012】
硬質FRP成型板のつなぎ目にFRPライニングを行うに当たっては、前処理として、プライマー塗布を行うことが好ましく、これにより、FRPライニングとの馴染みを良くし、剥離防止効果を向上させることができる。更に、硬質FRP成型板のFRPライニングを施す領域には、あらかじめサンディング処理(粗面化処理)を施しておくことが好ましく、この処理によりFRPライニングとの一体性が一層向上する。また、硬質FRP成型板の縁同志を間隔を開けて配置した場合のように、FRPライニング時に液状樹脂が漏れてライニング領域外に流出する恐れのある場合には、漏れる恐れのある部分に目止め用のクロステープを貼り付けることが好ましい。例えば、硬質FRP成型板の縁と既設屋根とにクロステープを貼り付けておくと、その縁と既設屋根との隙間を塞いで、液状樹脂の流出ロスを防止できる上、クロステープに適量が含浸した状態で、好適なFRPライニング施工が可能となる。
【0013】
硬質FRP成型板を複数枚使用してFRP防水被覆構造を形成する場合のつなぎ目を一体化する手段としては、前記したFRPライニングに限らず、接着を利用することも可能である。接着を利用した本発明の実施形態では、複数枚の硬質FRP成型板を部分的に重なるように並べて既設屋根上面に被着させ、且つ重なり合った部分を接着して一体化することを特徴とし、この構成により、複数の硬質FRP成型板が一体となったFRP防水被覆構造を形成できる。この実施形態では、硬質FRP成型板の一体化に単に接着剤を使用するのみであるので、使用部品が一層少なくなり且つ施工が容易で、一層のコスト低減を図ることができる。
【0014】
なお、既設屋根の上面に多数の硬質FRP成型板を並べて防水被覆を形成する場合において、隣接硬質FRP成型板同志のつなぎ目を一体化する手段としては、上記したFRPライニングを用いる方法、硬質FRP成型板を部分的に重なり合わせて接着する方法のいずれか一方のみを用いる場合に限らず、両者を併用してもよい。例えば、複数の硬質FRP成型板を横方向に並べた時に形成されるつなぎ目には接着を採用し、縦方向に並べた時に形成されるつなぎ目にはFRPライニングを用いるというように両者を併用してもよい。既設屋根上に被着した硬質FRP成型板の周縁のうち、硬質FRP成型板が隣接していない縁は、必要に応じFRPライニングによって既設屋根に固定することで防水を図ることが好ましい。
【0015】
既設屋根の上面に硬質FRP成型板を並べ、つなぎ目をFRPライニングにより或いは接着により一体化してFRP防水被覆構造を形成した後は、その表面にトップコートを施す事が好ましい。トップコート剤としては、アクリル・ウレタン系樹脂、シリコン系樹脂等を塗布することが挙げられる。これらのトップコートを施しておくと、硬質FRP成型板やFRPライニングの表面を保護して一層優れた耐候性を与えると共に表面を平滑にして美観を与えることができる。また、トップコート剤として適当な顔料を加えた有色のものを用いることで、屋根を所望の色に塗装することができる。
【0016】
瓦棒タイプの既設屋根に対するFRP防水被覆構造を施工する方法の好ましい実施形態では、既設屋根の筋状凹凸形状にほぼ倣った形状の且つ水平に延びる面に側縁を形成した構成の硬質FRP成型板であって、その幅方向の寸法を、既設屋根に並べて取り付けた時に隣接した側縁が重なり合わないように設定した硬質FRP成型板を複数枚用意し、既設屋根の上面に、前記した複数枚の硬質FRP成型板を並べて被着させ、隣接した側縁同志のつなぎ目の部分にFRPライニングを施して一体化させることを特徴とする。この構成により、複数の硬質FRP成型板が既設屋根に被着されると共にFRPライニングで一体化された構成のFRP防水被覆構造を形成できる。また、この構成を採用すると、FRPライニングを施すべきつなぎ目が、瓦棒タイプの既設屋根の凹状部分の広い平坦な底面上に位置することとなるため、FRPライニングを容易に施工できる。また、硬質FRP成型板の側縁が重なり合わないので、つなぎ目の厚さを薄くできる。
【0017】
この場合においても、硬質FRP成型板の幅方向の寸法を、既設屋根に並べて取り付けた時に隣接した側縁同志が10〜60mm程度、好ましくは30〜50mm開くように設定しておくと、硬質FRP成型板の隣接した側縁同志のつなぎ目の部分にFRPライニングを施すことで、硬質FRP成型板同志を一体化させると共に既設屋根に接着することもでき、FRP防水被覆構造の既設屋根に対する固定をより確実とできる。
【0018】
【0019】
【実施例】
以下、図面に示す本発明の好適な実施例を説明する。図1は瓦棒タイプの鋼板で形成された既設屋根1及びその既設屋根1の補修被覆のために使用する硬質FRP成型板11を示す概略斜視図、図2はその硬質FRP成型板11の概略斜視図、図3(a)は既設屋根1に硬質FRP成型板11をかぶせる状態を示す概略断面図、図3(b)は既設屋根1に硬質FRP成型板11を被着して形成したFRP防水被覆構造12の概略断面図、図4は図3(b)に示すFRP防水被覆構造12を、矢印A−A方向に見た概略断面図である。図1〜図4において、既設屋根1は、幅の狭い凸条部分4と広い平坦な底面5aを備えた凹条部分(溝)5とを交互に配した瓦棒タイプのものであり、通常、凹条部分5を構成する溝板と、凸条部分4の頂面を形成するキャップを連結して構成されている。なお、この実施例で対象とする既設屋根1の凸条部分4のピッチは418mmである。
【0020】
硬質FRP成型板11は、瓦棒タイプの既設屋根1の上面に、凹凸をはめ合わせる形態で被せることができるように、その既設屋根1の筋状凹凸形状にほぼ倣う形状に、すなわち、凸条部分4を収容可能な凸条部分11aと凹条部分5の平坦な底面5aに重ねることの可能な平坦部分11bを備えた形状に成型したものであり、あらかじめ成型工場にて連続積層成型法により製作され、所定形状に切断している。この実施例で使用する硬質FRP成型板11は、平面で見た形状が長方形をなしており、且つ凸条部分11aが左右対象に配置され、両側の平坦部分11b即ち水平に延びる面に側縁11cが形成されている。また、側縁11cに隣接した領域の上面並びに両端の端縁11dに隣接した領域(いずれも、後でFRPライニングを施す領域)には、あらかじめサンディング処理(粗面化処理)を施している。硬質FRP成型板11のその他の仕様は次の通りである。
成分 不飽和ポリエステル樹脂 68wt%
ガラス繊維チョップ 32wt%
寸法 幅786mm×長さ3000mm
厚さ 1.5mm
凸条部分 2列、ピッチ418mm×高さ33mm×上端部幅50mm
重量 7.1kg/枚
色 透明クリアタイプ
線膨張係数 2.8×10-5cm/cm/℃
(参考: ポリエチレン 11〜22×10-5cm/cm/℃
塩化ビニル 6〜8cm/cm/℃ )
【0021】
次に、この硬質FRP成型板11を用いてFRP防水被覆構造12を形成する施工方法を説明する。まず、既設屋根1の下地処理及び清掃を行う。すわなち、既設屋根1の腐食の程度に応じて、サンダー掛けケレンにより油脂類、凸部、さび等の不純物を除去し、その後、高圧水などで洗浄を行う。また、必要に応じ、塗装ローラ等により既設屋根1に錆止め剤を塗布しておいてもよい。
【0022】
次に、屋根1の硬質FRP成型板11を被着すべき領域に、弾性接着剤〔この実施例では、エポキシ系弾性接着剤:エフレックス(コニシボンド株式会社製)〕を点付けするか、ビード状に塗布し、次いで硬質FRP成型板11を貼り付け、圧着するという動作を繰り返し、既設屋根1の上面全体に硬質FRP成型板を縦方向及び横方向に並べて貼り付けてゆく。これにより、図3(b)、図4に示すように、屋根1の上面に硬質FRP成型板11が弾性接着剤13により被着される。なお、必要に応じ、固定ビスを打ち込み、硬質FRP成型板11を既設屋根1に固定してもよい。ここで、図3から良く分かるように、この硬質FRP成型板11はその幅寸法Wを、既設屋根1の凸条部分4のピッチPの2倍よりも小さく設定しているので、既設屋根1の上面に複数枚の硬質FRP成型体11を幅方向に敷き並べて行くと、隣接した側縁11c、11cの間は開いた状態となる。なお、図4に示すように、硬質FRP成型板11を縦方向に並べる際には、隣接した端縁11d、11dを互いに突き合わせるように配置する。
【0023】
次に、図3(b)に示すように、硬質FRP形成板11の側縁11cと既設屋根1との隙間を塞ぐために目止め用のクロステープ15を貼り、次いで、硬質FRP成型板11の側縁11cの近傍部分、クロステープ15及び隣接した側縁11c、11cで挟まれた既設屋根1の上面にプライマーを塗布する。次いで、隣接した硬質FRP成型板11、11間のつなぎ目をFRPライニング16で一体化する。すなわち、つなぎ目に補強繊維マットを置き、液状の樹脂をローラで含浸させ、空気を脱泡ローラで脱泡し、平面を平滑にし、その後、液状樹脂を硬化させることでFRPライニング16を形成する。これにより、FRPライニング16が隣接した硬質FRP成型板11の側縁同志のつなぎ目を確実に一体化すると共に屋根1に固定する。このFRPランニングに使用した材料は次の通りである。
補強繊維マット:#450チョップドストランドマット(日東紡績株式会社製)
液状樹脂:硬化剤としてのメチルエチルケトンパーオキサイド(日本油脂株式会社製;パーメックN)を添加した不飽和ポリエステル樹脂〔CT−100R(DICプルーフィング社製)〕
【0024】
次に、図4に示すように、隣接した硬質FRP成型板11、11の端縁11d、11d間のつなぎ目にもFRPライニングを施して一体化する。すなわち、プライマー塗布を行った後、補強繊維マットを置き、液状の樹脂をローラで含浸させ、空気を脱泡ローラで脱泡し、平面を平滑にし、その後、液状樹脂を硬化させることでFRPライニング18を形成する。ここで使用する材料も、側縁同志のつなぎ目のFRPライニング16に使用したものと同一である。
【0025】
その後、既設屋根1を覆った硬質FRP成型板11及びつなぎ目のFRPライニング16、18の上面全体に、トップコート剤として、アクリルウレタン系塗料;コンポトップAU(DICプルーフィング社製)を塗布する。以上により、既設屋根1を覆うFRP防水被覆構造12が形成される。
【0026】
以上のようにして形成したFRP防水被覆構造12は、FRPで既設屋根1を覆っているので、腐食等によって劣化した既設屋根を補強して覆うと共に長期間に渡って防水性、防食性、耐候性を発揮し、安定して使用できるという利点を有している。更に、硬質FRP成型板11は熱膨張率が小さいため(汎用樹脂の数分の1)、あまり伸縮せず、波うち等の生じて見栄えを悪くすることもない。また、主な使用部品は、硬質FRP成型板とFRPライニング材料であるので、少なくてよく、また施工が容易である。
なお、上記の実施例では、既設屋根1の上面に並べて貼り付けた硬質FRP成型板11のつなぎ目の部分をFRPライニング16、18で一体化しているが、この代わりに、硬質FRP成型板11の幅Wを大きくして、既設屋根1の上面に並べて貼り付けた際にはつなぎ目の部分で隣接する硬質FRP成型板11が部分的に重なり合うようにし、その重なり合った部分を接着して一体化するようにしてもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上に説明した本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
【0028】
瓦棒タイプである凹凸のある屋根構造の補修に際し、あらかじめ既設屋根の筋状凹凸形状にほぼ倣った形状に成型加工された硬質FRP成型板を用いたので、施工が容易であり、複数の硬質FRP成型板を用いて広い領域を覆う場合にも、つなぎ目の一体化には、同質のFRPライニングを用いるとか、硬質FRP成型板同志を部分的に重ね合わせて接着すればよく、このため、使用する部品数の種類、数量を少なくでき、施工プロセスが簡便であり、従って屋根の施工といった困難な作業条件でも、効率良く補修作業が行える。
【0029】
既設屋根に対する防水性、補強性、耐候性を有する被覆として、十分な防水性、補強強度、耐候性、防食性、軽量性等を有する好適なFRP防水被覆構造を得ることができる。
【0030】
FRPの線膨張係数が、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の汎用樹脂シートに比べてはるかに小さいため、温度変化があってもあまり伸縮せず、このため施工後の波うち等が生じにくく、長期間に渡って外観を悪くすることなく使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 瓦棒タイプの既設屋根及び硬質FRP成型板の一部を示す概略斜視図
【図2】 図1に示す硬質FRP成型板の全体を示す概略斜視図
【図3】 (a)は図1に示す既設屋根に硬質FRP成型板をかぶせる状態を示す概略断面図
(b)は既設屋根上に形成したFRP防水被覆構造の概略断面図
【図4】 図3(b)に示すFRP防水被覆構造を、矢印A−A方向に見た概略断面図
【符号の説明】
1 瓦棒タイプの既設屋根
4 凸条部分
5 凹条部分
5a 底面
7 鋼板
7a 凸条部分
7b 凹条部分
8 ボルト
11 硬質FRP成型板
11a 凸条部分
11b 平坦部分
11c 側縁
11d 端縁
12 FRP防水被覆構造
13 弾性接着剤
15 クロステープ
16 FRPライニング

Claims (5)

  1. 瓦棒タイプの鋼板屋根である既設屋根の上面に、該既設屋根に形成されている筋状凹凸形状にほぼ倣う形状の硬質FRP成型板を被着させて構成したことを特徴とする既設屋根のFRP防水被覆構造。
  2. 瓦棒タイプの鋼板屋根である既設屋根の上面に、該既設屋根に形成されている筋状凹凸形状にほぼ倣う形状の硬質FRP成型板を複数個、並べて被着させると共に、隣接した硬質FRP成型板のつなぎ目をFRPライニングで一体化したことを特徴とする既設屋根のFRP防水被覆構造。
  3. 瓦棒タイプの鋼板屋根である既設屋根の上面に、該既設屋根に形成されている筋状凹凸形状にほぼ倣う形状の硬質FRP成型板を複数個、部分的に重なるように並べて被着させると共に、重なり合った部分を相互に接着して一体化したことを特徴とする既設屋根のFRP防水被覆構造。
  4. 瓦棒タイプの既設屋根の筋状凹凸形状にほぼ倣った形状の且つ水平に延びる面に側縁を形成した構成の硬質FRP成型板であって、その幅方向の寸法を、既設屋根に並べて取り付けた時に隣接した側縁が重なり合わないように設定した硬質FRP成型板を複数枚用意し、既設屋根の上面に、前記した複数枚の硬質FRP成型板を並べて被着させ、隣接した側縁同志のつなぎ目の部分にFRPライニングを施して一体化させることを特徴とする既設屋根のFRP防水被覆構造の施工方法
  5. 前記硬質FRP成型板の幅方向の寸法を、既設屋根に並べて取り付けた時に隣接した側縁同志が10〜60mm開くように設定しておき、その硬質FRP成型板を既設屋根に並べて被着した後、間隔をあけて隣接した側縁同志のつなぎ目の部分にFRPライニングを施すことで、硬質FRP成型板同志を一体化させると共に既設屋根に接着することを特徴とする請求項4記載の既設屋根のFRP防水被覆構造の施工方法
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