JP4220090B2 - オゾン発生電極プレート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オゾン原料ガスからオゾンを生成するオゾン発生装置に用いられるオゾン発生電極プレートに係り、特にオゾン原料ガスへの添加ガス成分によって、オゾン濃度が変動しないように安定したオゾン生成を可能とするオゾン発生電極プレートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば上下水道の殺菌・消臭・脱色、工業排水処理の消臭・脱色、パルプ脱色、および医療機器の殺菌を行なう目的で、オゾンが多く用いられてきている。
【0003】
このオゾンを発生するオゾン発生装置としては、対向する複数の電極を備え、この複数の電極間で無声放電、すなわち体積放電を発生させて、オゾン原料ガスからオゾンを生成するものが知られている。
【0004】
そして、この種のオゾン発生装置のうち、オゾン原料ガスである酸素ガスからオゾンを発生させるものでは、少量の窒素ガスや炭酸ガスの添加によって、高濃度のオゾンを生成することが容易となる。
【0005】
特に、短ギャップ放電においては顕著であり、オゾン原料ガスとして、2〜4パーセント(%)程度の窒素ガスを酸素ガスに添加して、オゾン発生装置に供給することが一般に行なわれてきている。
【0006】
この理由については、従来から明確な原因が解明されてきておらず、添加ガスをなくすことは困難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近では、共面構造沿面放電を用いることで、300 (g/Nm3 )以上の極めて高い濃度のオゾンを生成することが可能となってきている。
【0008】
しかしながら、前述した従来例の場合と同様に、オゾン原料ガスである酸素ガスに含まれるごく微量の窒素ガス成分や炭酸ガス成分によって、生成するオゾン濃度が大幅な変動を起こしてしまう。
【0009】
本発明の目的は、オゾン原料ガスへの添加ガス成分によって、オゾン濃度が変動しないように安定したオゾン生成を可能とするオゾン発生電極プレートを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、第1の発明では、オゾン原料ガスからオゾンを生成するオゾン発生装置に用いられるオゾン発生電極プレートにおいて、基板と、基板の上に設けられ、外部から交流電圧が印加される対をなす電極と、対をなす電極を被覆する誘電体層とを備え、誘電体層の材料として、酸化ビスマスを10〜90重量パーセント(wt%)、酸化亜鉛を10〜90重量パーセント(wt%)含有し、かつ酸化鉛含有量が0〜40重量パーセント(wt%)の組成を有するものを用いる。
【0014】
一方、第2の発明では、オゾン原料ガスからオゾンを生成するオゾン発生装置に用いられるオゾン発生電極プレートにおいて、基板と、基板の上に設けられ、外部から交流電圧が印加される対をなす電極と、対をなす電極を被覆する誘電体層と、誘電体層の上に設けられたパウダー層とを備え、前記パウダー層のパウダーとして、酸化珪素、ビスマスガラス、または酸化亜鉛を用いる
【0022】
一方、第3の発明では、オゾン原料ガスからオゾンを生成するオゾン発生装置に用いられるオゾン発生電極プレートにおいて、基板と、基板の上に設けられ、外部から交流電圧が印加される対をなす電極と、対をなす電極を被覆する誘電体層と、誘電体層の上にレジネート法により形成された薄膜層とを備える。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0029】
(第1の実施の形態)
図1は本実施の形態によるオゾン発生電極プレートの構成例を示す概要図、図2は同オゾン発生電極プレートを適用した沿面放電方式のオゾン発生装置の構成例を示す概要図である。
【0030】
図1および図2において、本実施の形態のオゾン発生電極プレートは、ガラス(例えば、ソーダガラス)からなる基板1と、この基板1の表面に、銀ペースト等の導電材料を例えばスクリーン印刷等により印刷して設けられた複数の対をなす電極2,3と、この複数の対をなす電極2,3を被覆する誘電体層4とから構成している。
【0031】
ここで、オゾン発生電極プレートの誘電体層4は、その材料として、酸化ビスマスを10〜90重量パーセント(wt%)、酸化亜鉛を10〜90重量パーセント(wt%)含有し、かつ酸化鉛含有量が0〜40重量パーセント(wt%)の組成を有するものを用いている。
【0032】
特に、好ましくは、基板1として、ソーダガラス、またはこのソーダガラスとほぼ同等の線膨脹係数を有する材料で構成し、誘電体層4の材料として、酸化ビスマスを20〜30重量パーセント(wt%)、酸化亜鉛を30〜40重量パーセント(wt%)、酸化ホウ素を15〜25重量パーセント(wt%)、酸化珪素を0〜10重量パーセント(wt%)を含有する組成とすることが好ましい。
【0033】
一方、基板1の裏面側には、冷却水5により冷却された金属からなる冷却板6を、基板1と密着させて設けている。
【0034】
また、複数の対をなす電極2,3には、配線7により、高い交流電圧を印加する外部の交流電源8を接続している。
【0035】
さらに、基板1の表面の電極2,3側には、ガスガイド9を設けており、外部からオゾン原料ガス(例えば、酸素ガス)10を、複数の対をなす電極2,3間の空間に導入して当該空間を満たすようにしている。
【0036】
そして、複数の対をなす電極2,3間に、交流電源8から高い交流電圧を印加することにより、誘電体層4表面に沿面放電11を発生させ、この沿面放電11によってオゾン原料ガス10からオゾン12を生成するようにしている。
【0037】
次に、以上のように構成した本実施の形態のオゾン発生電極プレートを適用したオゾン発生装置の作用について説明する。
【0038】
本実施の形態のオゾン発生電極プレートを適用したオゾン発生装置では、複数の対をなす電極2,3が誘電体層4で被覆されていることにより、電極2,3表面は、沿面放電11に直接晒されておらず、スパッタ劣化がなく長寿命が得られる。
【0039】
沿面放電11中では、放電で発生した電子eが酸素分子O2 を解離して、酸素原子Oが発生する。さらに、この酸素原子Oは、他の酸素分子O2 と結合して、オゾンO3 が発生する。
【0040】
e+O2 → e+O+O ……(1)
O+O2 +O2 → O3 +O2 ……(2)
また、沿面放電11中では、オゾンO3 から酸素分子O2 への逆反応も生じる。
【0041】
e十O3 → e+O十O2 ……(3)
O+O3 → O2 +O2 ……(4)
沿面放電11中での反応式は、この(4)式により表わされるもので、このことは、従来のオゾン発生装置に採用されるバリア放電である体積放電とも同様である。
【0042】
しかしながら、本実施の形態のオゾン発生装置は、沿面放電11という、誘電体層4表面近傍の極めて小さな空間で放電を発生させるものであり、誘電体層4表面への放電中の電子、および酸素原子によるラジカル衝突が激しく発生する。そのために、
O+O3 +wall → O2 十O2 +wall ……(5)
e+O3 +wall → e+O+O2 +wall ……(6)
といった反応が、従来のオゾン発生装置よりも顕著に生じる。
【0043】
この反応は、誘電体層4表面(wall)での一種の触媒反応であり、その結果、オゾンO3 分解が激しく発生してしまう。このような反応速度は、触媒反応であるが故に、誘電体層4表面物質によって大きく変わる。
【0044】
本実施の形態では、従来知られていなかったこのような反応についてさまざまな物質を試した結果、超高濃度オゾン発生に適した誘電体層4の材料を、オゾン発生電極プレートに適用するものである。
【0045】
ところで、誘電体層4は、一般に、ガラスからなる基板1と密着接合している必要がある。なぜなら、基板1と密着接合していないと、誘電体層4と基板1との間に空隙が存在することになるため、電極2,3の間にこの空隙を介して絶縁破壊を生じ、オゾンを発生できなくなる。
【0046】
これらを密着接合するためには、誘電体層4の線膨張係数は、ガラスからなる基板1の線膨張係数とほぼ合致している必要がある。基板1は工業的にはソーダガラスが物量コスト面でもっとも入手し易い。ソーダガラスは、線膨張係数が70〜100×10-7で、ガラスの中では大きな値を示している。そのため、誘電体層4として、酸化鉛を40wt%(重量パーセント)以上含むいわゆる鉛ガラスが用いられている。
【0047】
この鉛ガラスを誘電体層4として、オゾン原料ガス10を、99.9%以上酸素を含む純酸素ガスとして、オゾン実施の形態の沿面放電オゾン発生装置に導入する。
【0048】
そして、このような状態下で、電極2,3に交流電源9から高い交流電圧を印加して、誘電体層4表面に沿面放電11を発生させ、この沿面放電11によってオゾン原料ガス10からオゾン12を生成しても、オゾン濃度は上昇しない。
【0049】
この時のオゾン発生特性を、図5中の酸化鉛として示す。
【0050】
図5は、オゾン発生特性を示すグラフであり、横軸はオゾン濃度、すなわち標準状態(摂氏0度、1気圧)における単位立法メ−トル体積当たりのオゾングラム数を表わし、縦軸はオゾン収率、すなわち単位電力量であるキロワット時当たり発生できるオゾン量であるグラム数を表わす。
【0051】
オゾン濃度は最大10g/Nm3以下であり、オゾン収率は最大10g/kWh以下である。これは、従来から産業用に用いられてきた体積放電方式のオゾン発生装置で生成される最大オゾン濃度200g/Nm3、最大オゾン収率140g/kWhと比較して、非常に小さく実用的ではない。
【0052】
そこで、誘電体層4の材料として、酸化鉛倫有量を40wt%以下に抑制し、かつ基板1の材料であるソーダガラスと合致する線膨張係数を有する、いわゆるビスマスガラスを用いると、極めて高いオゾン発生特性を得ることができる。
【0053】
図5は、ビスマスガラスのオゾン発生特性を示すグラフである。
【0054】
図5に示すように、オゾン濃度、オゾン収率ともに、極めて高い値を得ることができる。この理由は、上記(5)式、(6)式に示したような反応が、ビスマスガラス表面では生じないためである。
【0055】
このビスマスガラスの組成としては、酸化鉛含有量を0〜40重量パーセント(wt%)に抑え、残りの物質として、酸化ビスマスを10〜90重量パーセント(wt%)、酸化亜鉛を10〜90重量パーセント(wt%)含有することにより、基板1であるソーダガラスとほぼ合致する線膨張係数を得ることができる。
【0056】
特に、酸化亜鉛を30〜40重量パーセント(wt%)、酸化ビスマスを20〜30重量パーセント(wt%)、酸化ホウ素を15〜25重量パーセント(wt%)、酸化珪素を0〜10重量パーセント(wt%)含有する組成とすることにより、基板1であるソーダガラスとの線膨張係数は完全に合致する。
【0057】
その結果、誘電体層4は基板1と密着接合して、電極2,3の間に空隙を生じず、高い絶縁性を得ることができ、安定した高濃度オゾンを生成させることができる。
【0058】
上述したように、本実施の形態のオゾン発生電極プレートを適用したオゾン発生装置では、基板1の上に設けられた対をなす電極2,3を被覆する誘電体層4の材料として、酸化ビスマスを10〜90重量パーセント(wt%)、酸化亜鉛を10〜90重量パーセント(wt%)含有し、かつ酸化鉛含有量が0〜40重量パーセント(wt%)の組成を有するものを用いるようにしているので、誘電体層4表面でのオゾン分解反応を抑制して、極めて安定した高濃度オゾンを生成させることが可能となる。
【0059】
さらに、誘電体層4として、化学的に安定な少なくとも酸化珪素、酸化亜鉛を用いるようにしているので、上記効果をより一層効果的に顕著に奏することが可能となる。
【0060】
(第2の実施の形態)
図3は、本実施の形態によるオゾン発生電極プレートの構成例を示す概要図であり、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0061】
すなわち、本実施の形態のオゾン発生電極プレートは、図3に示すように、前記誘電体層4の上に、パウダー層13を設けた構成としている。
【0062】
ここで、パウダー層13は、パウダーの粒径を、10マイクロメートル(μm)以下としている。
【0063】
また、パウダー層13は、パウダーとして、酸化珪素、酸化亜鉛を用いている。
【0064】
次に、以上のように構成した本実施の形態のオゾン発生電極プレートを適用したオゾン発生装置においては、誘電体層4の上にパウダー層13を設け、このパウダー層13のパウダーの粒径を10マイクロメートル(μm)以下としていることにより、均質なパウダー層13を得ることができ、誘電体層4は、沿面放電11に直接曝されないため、鉛ガラスを用いてもオゾン発生特性に影響を与えず、オゾン発生特性はパウダー層13の組成によって大きな影響を受ける。
【0065】
図6は、酸化珪素、ビスマスガラス、酸化亜鉛、アルミナ、チタニア、酸化鉛をパウダー層13として用い、オゾン原料ガス10を99.9%以上酸素を含ひ純酸素ガスとし、電極2,3に交流電源9から高い交流電圧を印加して、誘電体層4表面に沿面放電11を生じさせ、この沿面放電11によってオゾン原料ガス10からオゾン12を生成した時のオゾン発生特性を示すグラフである。
【0066】
図6に示すように、酸化珪素、ビスマスガラス、酸化亜鉛をパウダー層13とすると、オゾン濃度、オゾン収率ともに非常に高い値を示す。
【0067】
これに比べて、酸化鉛をパウダー層13とすると、オゾン濃度はゼロであり、オゾン発生装置としての性能が得られない。
【0068】
また、アルミナ、チタニアをパウダー層13とすると、オゾン濃度20〜100g/Nn13で変動が激しく、安定した動作を得ることができない。
【0069】
このことは、オゾンの表面における分解反応が触媒作用と関連することを示唆している。
【0070】
チタニアは、それ自体、結晶性が変化し易い特性を有するため、触媒として用いられていることは周知の事実である。また、アルミナは、それ自体を触媒として用いる例はないが、プラチナ等をアルミナ表面に担持させると触媒作用があることも周知の事実である。
【0071】
なお、ここには示していないが、ジルコニア等についても同様である。
【0072】
このように、表面反応を抑制するには、このような触媒として用いられない物質をパウダー層13として用いると、高いオゾン発生特性を得ることができる。
【0073】
オゾン原料ガス10として、酸素ガス99%に窒素ガス1%を添加して、前述と同様にオゾン発生特性を見ると、図7に示すようになる。
【0074】
図7に示すように、酸化鉛以外の物質では、オゾン発生特性は全て良好である。少量の窒素ガスを含むオゾン原料ガス10が沿面放電11に曝されると、放電中の電子eと窒素分子N2 との衝突によって、窒素原子Nが発生する。
【0075】
e+N2 → e+N+N ……(7)
さらに、
N+O2 → NO+O ……(8)
NO+O3 → NO2 +O2 ……(9)
NO2 +O3 → NO3 +O2 ……(10)
NO2 +NO3 → N2 5 ……(11)
によって、窒素酸化物(NO、NO2 、NO3 、N2 5 )が生成する。
【0076】
このような窒素酸化物は、物質への吸着性が強く、パウダー層13表面に付き易い。
【0077】
その結果、オゾンを分解する反応を起こしたチタニアやアルミナといった触媒作用を起こす表面に窒素酸化物が付き、触媒作用が阻害されて高いオゾン発生特性が得られるようになる。
【0078】
チタニアやアルミナは、このように微量の窒素ガスのような添加ガスを必要とするもので、添加ガス量に極めて敏感な特性を示す。
【0079】
したがって、、安定な動作を示す酸化珪素、酸化亜鉛を、パウダー層13として用いることにより、良好なオゾン発生特性を得ることができる。
【0080】
上述したように、本実施の形態のオゾン発生電極プレートを適用したオゾン発生装置では、基板1の上に設けられた対をなす電極2,3を被覆する誘電体層4の上に、粒径が10マイクロメートル(μm)以下のパウダーのパウダー層13を設けるようにしているので、誘電体層4表面でのオゾン分解反応を抑制して、極めて安定した高濃度オゾンを生成させることが可能となる。
【0081】
さらに、パウダー層13のパウダーとして、化学的に安定な酸化珪素、酸化亜鉛を用いるようにしているので、上記効果をより一層効果的に顕著に奏することが可能となる。
【0082】
(第3の実施の形態)
図4は、本実施の形態によるオゾン発生電極プレートの構成例を示す概要図であり、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0083】
すなわち、本実施の形態のオゾン発生電極プレートは、図4に示すように、前記誘電体層4の上に、1マイクロメートル(μm)程度の薄膜層14を設けた構成としている。
【0084】
ここで、薄膜層14は、例えばレジネート法により形成している。
【0085】
また、薄膜層14は、酸化珪素、または酸化亜鉛を用いている。
【0086】
次に、以上のように構成した本実施の形態のオゾン発生電極プレートを適用したオゾン発生装置においては、誘電体層4の上にレジネート法により形成された薄膜層14を設けていることにより、誘電体層4は沿面放電11に直接曝されず、薄膜層14の組成によって大きな影響を受ける。
【0087】
この場合、前述したパウダー層13において良好な特性の得られた酸化珪素、酸化亜鉛を、薄膜層14として用いることにより、良好なオゾン発生特性を得ることができる。
【0088】
さらに、この薄膜層14は、極めて薄いため、線膨張係数が、基板1、誘電体層4と異なるものであっても剥離せず、安定な特性を得ることができる。
【0089】
上述したように、本実施の形態のオゾン発生電極プレートを適用したオゾン発生装置では、基板1の上に設けられた対をなす電極2,3を被覆する誘電体層4の上に、レジネート法により形成された薄膜層14を設けるようにしているので、誘電体層4表面でのオゾン分解反応を抑制して、極めて安定した高濃度オゾンを生成させることが可能となる。
【0090】
さらに、薄膜層14として、化学的に安定な酸化珪素、酸化亜鉛を用いるようにしているので、上記効果をより一層効果的に顕著に奏することが可能となる。
【0091】
(その他の実施の形態)
(a)前述した第1の実施の形態における誘電体層4の上に、前述した第2の実施の形態のパウダー層13を設ける構成としてもよい。
【0092】
この場合には、第1の実施の形態および第2の実施の形態と同様の作用効果を、同時に得ることが可能となる。
【0093】
(b)前述した第1の実施の形態における誘電体層4の上に、前述した第3の実施の形態の薄膜層14を形成する構成としてもよい。
【0094】
この場合には、第1の実施の形態および第3の実施の形態と同様の作用効果を、同時に得ることが可能となる。
【0095】
(c)前述した各実施の形態では、沿面放電を用いてオゾンを生成する沿面放電方式のオゾン発生装置に本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず、例えば対をなす電極2,3間で無声放電、すなわち体積放電を用いてオゾンを生成する体積放電方式のオゾン発生装置についても、前述の場合と同様に本発明を適用することができるものである。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、オゾン原料ガスへの添加ガス成分によって、オゾン濃度が変動しないように安定したオゾン生成を可能とするオゾン発生電極プレートが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるオゾン発生電極プレートの第1の実施の形態を示す概要図。
【図2】同第1の実施の形態のオゾン発生電極プレートを適用した沿面放電方式のオゾン発生装置の構成例を示す概要図。
【図3】本発明によるオゾン発生電極プレートの第2の実施の形態を示す概要図。
【図4】本発明によるオゾン発生電極プレートの第3の実施の形態を示す概要図。
【図5】同第1の実施の形態のオゾン発生電極プレートの作用効果を説明するための特性図。
【図6】同第2の実施の形態のオゾン発生電極プレートの作用効果を説明するための特性図。
【図7】同第2の実施の形態のオゾン発生電極プレートの作用効果を説明するための特性図。
【符号の説明】
1…基板
2,3…電極
4…誘電体層
5…冷却水
6…冷却板
7…配線
8…交流電源
9…ガスガイド
10…オゾン原料ガス(酸素ガス)
11…沿面放電
12…オゾン
13…パウダー層
14…薄膜層。

Claims (8)

  1. オゾン原料ガスからオゾンを生成するオゾン発生装置に用いられるオゾン発生電極プレートにおいて、
    基板と、
    前記基板の上に設けられ、外部から交流電圧が印加される対をなす電極と、
    前記対をなす電極を被覆する誘電体層とを備え、
    前記誘電体層の材料として、酸化ビスマスを10〜90重量パーセント(wt%)、酸化亜鉛を10〜90重量パーセント(wt%)含有し、かつ酸化鉛含有量が0〜40重量パーセント(wt%)の組成を有するものを用いたことを特徴とするオゾン発生電極プレート。
  2. 前記請求項1に記載のオゾン発生電極プレートにおいて、
    前記基板として、ソーダガラス、または当該ソーダガラスとほぼ同等の線膨脹係数を有する材料で構成し、
    前記誘電体層の材料として、酸化ビスマスを20〜30重量パーセント(wt%)、酸化亜鉛を30〜40重量パーセント(wt%)、酸化ホウ素を15〜25重量パーセント(wt%)、酸化珪素を0〜10重量パーセント(wt%)を含有する組成としたことを特徴とするオゾン発生電極プレート。
  3. オゾン原料ガスからオゾンを生成するオゾン発生装置に用いられるオゾン発生電極プレートにおいて、
    基板と、
    前記基板の上に設けられ、外部から交流電圧が印加される対をなす電極と、
    前記対をなす電極を被覆する誘電体層と、
    前記誘電体層の上に設けられたパウダー層とを備え、
    前記パウダー層のパウダーとして、酸化珪素、ビスマスガラス、または酸化亜鉛を用いたことを特徴とするオゾン発生電極プレート。
  4. 前記請求項1に記載のオゾン発生電極プレートにおいて、
    前記誘電体層の上に、パウダー層を設け、前記パウダー層のパウダーとして、酸化珪素、ビスマスガラス、または酸化亜鉛を用いたことを特徴とするオゾン発生電極プレート。
  5. 前記請求項3または請求項4に記載のオゾン発生電極プレートにおいて、
    前記パウダー層のパウダーの粒径を、10マイクロメートル(μm)以下としたことを特徴とするオゾン発生電極プレート。
  6. オゾン原料ガスからオゾンを生成するオゾン発生装置に用いられるオゾン発生電極プレートにおいて、
    基板と、
    前記基板の上に設けられ、外部から交流電圧が印加される対をなす電極と、
    前記対をなす電極を被覆する誘電体層と、
    前記誘電体層の上にレジネート法により形成された薄膜層と、
    を備えて成ることを特徴とするオゾン発生電極プレート。
  7. 前記請求項1に記載のオゾン発生電極プレートにおいて、
    前記誘電体層の上に、レジネート法により薄膜層を形成したことを特徴とするオゾン発生電極プレート。
  8. 前記請求項または請求項に記載のオゾン発生電極プレートにおいて、
    前記薄膜層として、酸化珪素、または酸化亜鉛を用いたことを特徴とするオゾン発生電極プレート。
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