JP4219657B2 - 金型の加熱冷却システム - Google Patents
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Description
本発明は、プラスチック製品等を成形する金型の加熱冷却システムに関するものである。
【従来の技術】
従来、プラスチック製品等を成形する金型においては、加熱冷却プロセスに応じて金型に加熱用、冷却用の2種類の異なる温度の媒体を供給して、金型の加熱、成形、金型の冷却、成形品の取り出しという一連の工程を行っている。
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来においては、加熱工程時、加熱用の媒体を金型を経て排水系に戻す場合、排水系の圧力が高い場合、加熱用の媒体の圧力を高く上げなければならず、加熱用の媒体の排出移動を円滑に行うことができずに金型の昇温時間が延びてしまうという問題があった。
そこで、本発明は、特に加熱工程時媒体の排出移動を円滑に行い、金型の昇温時間を短縮することができる金型の加熱冷却システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明に係る金型の加熱冷却システムは、加熱冷却プロセスに応じて加熱用、冷却用の2種類の異なる温度の媒体を金型内の媒体路に切替えて送り、金型の加熱工程、成形工程、冷却工程を繰り返す金型の加熱冷却システムにおいて、前記加熱冷却システムは、加熱用ユニットと、冷却用ユニットと、切替えバルブユニットと、を具備し、前記加熱用ユニットは、原水をボイラーに供給し、このボイラーにて蒸気として吐出弁から切替えて前記切替えバルブユニットに供給するように構成し、前記冷却用ユニットは、冷却水供給口に供給される冷却水をクーリングタワーに導き、このクーリングタワーにて熱交換される冷却水をポンプにより冷却水吐出口を経て前記切替えバルブユニットに供給するように構成し、前記切替えバルブユニットは、エアー制御で開閉動作する第1〜第4までの4個の各切替え弁を具備し、前記冷却用ユニットの冷却水吐出口からの冷却水を、冷却水受け口からポンプに流入させて、このポンプで増圧し、第1切替え弁を介して第1マニホールドを経て前記金型へ供給するように構成したとともに、前記金型を循環した冷却水を、第2マニホールドを経て第2切替え弁を介して冷却水排水口に導き、前記冷却用ユニットの冷却水戻り口へ流入させ、ポンプの吐出側と第2切替え弁の出口側との間に、第3切替え弁とサイレントレジューサとを接続し、このサイレントレジューサに第2マニホールドの出口側からの蒸気を流入させるように構成し、金型の加熱工程時、金型内の媒体路に加熱用の媒体を送るとともに、冷却用の媒体は金型を経ない循環路を循環させ、冷却用の媒体の循環路に備えたサイレントレジューサに、金型から流出してくる加熱用の媒体を流し込み、ベンチュリー機構の吸い上げ作用を利用して前記加熱用の媒体を当該ベンチュリー機構の吸い上げ作用部に排出して前記加熱用の媒体の前記循環路への排出を行うことで、加熱用の媒体を圧力がある冷却排出口に排出することに比べて、加熱工程時における金型の所定温度への昇温時間を短縮することができ、更に加熱用の媒体として蒸気、冷却用の媒体として水を使用する場合、弁に金型から流出してくる加熱用の媒体を流し込む際の振動や騒音を小さくすることができるように構成したことを特徴とするものである。
請求項2記載の発明に係る金型の加熱冷却システムは、加熱冷却プロセスに応じて加熱用、冷却用の2種類の異なる温度の媒体を金型内の媒体路に切替えて送り、金型の加熱工程、成形工程、冷却工程を繰り返す金型の加熱冷却システムにおいて、前記加熱冷却システムは、加熱用ユニットと、冷却用ユニットと、切替えバルブユニットと、を具備し、前記加熱用ユニットは、原水をボイラーに供給し、このボイラーにて蒸気として吐出弁から切替えて前記切替えバルブユニットに供給するように構成し、前記冷却用ユニットは、冷却水供給口に供給される冷却水をクーリングタワーに導き、このクーリングタワーにて熱交換される冷却水をポンプにより冷却水吐出口を経て前記切替えバルブユニットに供給するように構成し、前記切替えバルブユニットは、前記加熱工程で、金型内の媒体路に加熱用の媒体を送るバルブ切替え及び冷却用の媒体の金型を経ない循環路への切替えを行い、前記冷却工程で、冷却用ユニットからの冷却用媒体の金型を経て該冷却用ユニットへ循環させる切替えを行うように構成されているとともに、エアー制御で開閉動作する第1〜第4までの4個の各切替え弁を具備し、前記冷却用ユニットの冷却水吐出口からの冷却水を、冷却水受け口からポンプに流入させて、このポンプで増圧し、第1切替え弁を介して第1マニホールドを経て前記金型へ供給するようにし、かつ、前記金型を循環した冷却水を、第2マニホールドを経て第2切替え弁を介して冷却水排水口に導き、前記冷却用ユニットの冷却水戻り口へ流入させ、ポンプの吐出側と第2切替え弁の出口側との間に、第3切替え弁とサイレントレジューサとを接続し、このサイレントレジューサに第2マニホールドの出口側からの蒸気を流入させるように構成し、金型の加熱工程時、冷却用の媒体の循環路に備えたサイレントレジューサに、金型から流出してくる加熱用の媒体を流し込み、前記サイレントレジューサにおけるベンチュリー機構の吸い上げ作用を利用して前記加熱用の媒体を当該ベンチュリー機構の吸い上げ作用部に排出して前記加熱用の媒体の前記循環路への排出を行うことで、加熱用の媒体を圧力がある冷却排出口に排出することに比べて、加熱工程時における金型の所定温度への昇温時間を短縮することができ、更に加熱用の媒体として蒸気、冷却用の媒体として水を使用する場合、弁に金型から流出してくる加熱用の媒体を流し込む際の振動や騒音を小さくすることができるように構成したことを特徴とするものである。
本発明によれば、加熱工程時、金型内の媒体路に加熱用の媒体を送るとともに、冷却用の媒体は金型を経ない循環路を循環させ、冷却用の媒体の循環路に備えたサイレントレジューサに、金型から流出してくる加熱用の媒体を流し込み、ベンチュリー機構の吸い上げ作用を利用して前記加熱用の媒体の排出を行うようにしたものであるから、加熱用の媒体の前記循環路への排出を円滑に行うことができ、加熱工程時における金型の所定温度への昇温時間を短縮することができ、また、加熱用の媒体として蒸気、冷却用の媒体として水を使用する場合、弁に金型から流出してくる加熱用の媒体を流し込む際の振動や騒音を小さくすることもできる。
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態の金型100の加熱冷却システムを示すものであり、この加熱冷却システムは加熱用ユニット1、冷却用ユニット30、切替えバルブユニット50を備えている。
加熱用ユニット1は、原水を軟水器21により軟水とし、更に薬注装置22で防腐剤等の薬を注入した後ボイラー20に供給し、ボイラー20にて蒸気として吐出弁23から切替えバルブユニット50に供給するように構成している。
冷却用ユニット30は、冷却水供給口に供給される冷却水を、クーリングタワー(又はチラー)31に導き、更に、このクーリングタワー31にて熱交換される冷却水(水温10℃〜常温)をポンプ32により冷却水吐出口を経て前記切替えバルブユニット50に供給するようになっている。また、切替えバルブユニット50からの戻りの冷却水を冷却水戻り口から流入させ、クーリングタワー31の上部からその内部に散水し熱交換するようになっている。
切替えバルブユニット50は、いずれもエアー制御で開閉動作する第1〜第4までの4個の切替え弁71、72、73、74を具備している。
すなわち、前記切替えバルブユニット50は、前記冷却用ユニット30の冷却水吐出口からの冷却水を冷却水受け口からポンプ76に流入させ、ポンプ76で増圧し、第1切替え弁71を介し、更に第1マニホールド61を経て前記金型100へ供給するようになっている。
また、金型100を循環した冷却水を第2マニホールド62を経て、更に、第2切替え弁72を介して冷却水排水口に導き、前記冷却用ユニット30の冷却水戻り口へ流入させるとともに、ポンプ76の吐出側と第2切替え弁72の出口側との間に第3切替え弁73、ベンチュリー機構を有する弁(サイレントレジューサ)75を接続し、この弁75には第2マニホールド62の出口側からの蒸気を流入させるように構成している。
前記第1〜第4までの4個の切替え弁71乃至74の開閉制御用のエアー(圧力空気)は、図示しないエアー源からエアーフィルター56、エアーレギュレータ57を経て供給するようになっている。
また、図示しないエアー源から、エアーフィルター56、エアーレギュレータ57を経て、コック58、止め弁59を介し、前記第1切替え弁71、第4切替え弁74の出口側の管路にエアー(圧力空気)を供給可能としている。
前記金型100の温度は、前記温度センサ101により検出され図示しないコントロールパネルに送られる。
図2は、前記第1〜第4までの4個の切替え弁71乃至74のスタンバイ時、加熱時、冷却時の開閉状態の説明図である。
次に、本実施の形態の加熱冷却システムの動作について、図2をも参照して説明する。
(スタンバイ時)
スタンバイ時においては、図2に示すように、前記第3切替え弁73のみを開状態に制御し、他の3個の第1切替え弁71、第2切替え弁72、第4切替え弁74は閉状態に制御する。
このとき、前記冷却用ユニット30からの冷却水は、ポンプ76、第3切替え弁73、弁75を経て冷却用ユニット30に戻る循環状態となる。また、加熱用ユニット1からの蒸気は、第4切替え弁74が閉状態であるため、金型100には供給されない。
(金型100の冷却時)
金型100における成形射出時に、金型100を所定温度(通常は高い温度)に保持しておき、前記温度センサ101による検出信号を基に、所定のタイミングで、図2に示すように、前記第3切替え弁73、第4切替え弁74を閉状態、前記第1切替え弁71、第2切替え弁72を開状態に制御し冷却水による金型100の急速冷却を行う。
すなわち、前記第3切替え弁73、第4切替え弁74を閉状態、第1切替え弁71、第2切替え弁72を開状態にすることにより、冷却水は前記ポンプ32、ポンプ76、第1切替え弁71、第1マニホールド61、金型100、第2マニホールド62、第2切替え弁72、クーリングタワー31、ポンプ32に至る冷却水の循環が行われ、金型100の急速冷却が実行される。
そして、金型100を冷却し、開いて成形品を取り出した後においては、上述した加熱動作に移り、当該金型100に高い温度の蒸気を流して昇温させるという、一連の動作を繰り替えす。
(金型100の加熱時)
この場合においては、図2に示すように、前記第4切替え弁74を開状態に制御し、第1切替え弁71、第2切替え弁72は閉状態に制御する。また、第3切替え弁73は開状態に制御する。このとき、前記冷却用ユニット30からの冷却水は、ポンプ76、第3切替え弁73、弁75を経て冷却用ユニット30に戻る循環状態、すなわち、金型100を経ない循環路を形成する状態になる。
また、加熱用ユニット1によって作られた蒸気が、第4切替え弁74、第1マニホールド61を経て金型100を通り、金型100を所定温度に加熱し、更に、第2マニホールド62、前記サイレントレジューサ75を経て冷却水の循環路に流入する。
弁75に流入した蒸気は、ベンチュリー機構の吸い上げ作用により前記循環路への排出が円滑に行われる。すなわち、弁75のノズル部で冷却水の流速が上がり、蒸気の吸入部分の気圧が低下して、弁75における蒸気の吸入、循環路への排出が円滑に行われる。この結果、蒸気の前記循環路への排出を円滑に行うことができ、加熱工程時における金型100の所定温度への昇温時間を短縮することができる。
また、加熱用の媒体として蒸気、冷却用の媒体として水を使用する場合、弁75に、金型100から流出してくる蒸気を流し込む際の振動や騒音を小さくすることもできる。
なお、上述した第1〜第4までの各切替え弁71乃至74の切替えのタイミングや時間の設定は、ユーザーの希望や条件に応じてタイマーを使用したり、又はコントロールパネル上での設定操作にて自由に行うことが可能である。
【発明の効果】
本発明によれば、加熱用の媒体の循環路への排出を円滑に行うことができ、加熱工程時における金型の所定温度への昇温時間を短縮することができ、更に、加熱用の媒体として蒸気、冷却用の媒体として水を使用する場合、弁に金型から流出してくる加熱用の媒体を流し込む際の振動や騒音を小さくすることもできる金型の加熱冷却システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の金型の加熱冷却システムを示す配管系統図である。
【図2】 本実施の形態の切替え弁の開閉状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 加熱用ユニット
20 ボイラー
21 軟水器
23 吐出弁
30 冷却用ユニット
31 クーリングタワー
32 ポンプ
50 切替えバルブユニット
56 エアーフィルター
57 エアーレギュレータ
58 コック
59 止め弁
61 第1マニホールド
62 第2マニホールド
71 第1切替え弁
72 第2切替え弁
73 第3切替え弁
74 第4切替え弁
75 弁
76 ポンプ
100 金型
101 温度センサ
Claims (2)
- 加熱冷却プロセスに応じて加熱用、冷却用の2種類の異なる温度の媒体を金型内の媒体路に切替えて送り、金型の加熱工程、成形工程、冷却工程を繰り返す金型の加熱冷却システムにおいて、
前記加熱冷却システムは、加熱用ユニットと、冷却用ユニットと、切替えバルブユニットと、を具備し、
前記加熱用ユニットは、原水をボイラーに供給し、このボイラーにて蒸気として吐出弁から切替えて前記切替えバルブユニットに供給するように構成し、
前記冷却用ユニットは、冷却水供給口に供給される冷却水をクーリングタワーに導き、このクーリングタワーにて熱交換される冷却水をポンプにより冷却水吐出口を経て前記切替えバルブユニットに供給するように構成し、
前記切替えバルブユニットは、エアー制御で開閉動作する第1〜第4までの4個の各切替え弁を具備し、前記冷却用ユニットの冷却水吐出口からの冷却水を、冷却水受け口からポンプに流入させて、このポンプで増圧し、第1切替え弁を介して第1マニホールドを経て前記金型へ供給するように構成したとともに、前記金型を循環した冷却水を、第2マニホールドを経て第2切替え弁を介して冷却水排水口に導き、前記冷却用ユニットの冷却水戻り口へ流入させ、ポンプの吐出側と第2切替え弁の出口側との間に、第3切替え弁とサイレントレジューサとを接続し、このサイレントレジューサに第2マニホールドの出口側からの蒸気を流入させるように構成し、
金型の加熱工程時、金型内の媒体路に加熱用の媒体を送るとともに、冷却用の媒体は金型を経ない循環路を循環させ、冷却用の媒体の循環路に備えたサイレントレジューサに、金型から流出してくる加熱用の媒体を流し込み、ベンチュリー機構の吸い上げ作用を利用して前記加熱用の媒体を当該ベンチュリー機構の吸い上げ作用部に排出して前記加熱用の媒体の前記循環路への排出を行うことで、加熱用の媒体を圧力がある冷却排出口に排出することに比べて、加熱工程時における金型の所定温度への昇温時間を短縮することができ、更に加熱用の媒体として蒸気、冷却用の媒体として水を使用する場合、弁に金型から流出してくる加熱用の媒体を流し込む際の振動や騒音を小さくすることができるように構成したことを特徴とする金型の加熱冷却システム。 - 加熱冷却プロセスに応じて加熱用、冷却用の2種類の異なる温度の媒体を金型内の媒体路に切替えて送り、金型の加熱工程、成形工程、冷却工程を繰り返す金型の加熱冷却システムにおいて、
前記加熱冷却システムは、加熱用ユニットと、冷却用ユニットと、切替えバルブユニットと、を具備し、
前記加熱用ユニットは、原水をボイラーに供給し、このボイラーにて蒸気として吐出弁から切替えて前記切替えバルブユニットに供給するように構成し、
前記冷却用ユニットは、冷却水供給口に供給される冷却水をクーリングタワーに導き、このクーリングタワーにて熱交換される冷却水をポンプにより冷却水吐出口を経て前記切替えバルブユニットに供給するように構成し、
前記切替えバルブユニットは、前記加熱工程で、金型内の媒体路に加熱用の媒体を送るバルブ切替え及び冷却用の媒体の金型を経ない循環路への切替えを行い、前記冷却工程で、冷却用ユニットからの冷却用媒体の金型を経て該冷却用ユニットへ循環させる切替えを行うように構成されているとともに、エアー制御で開閉動作する第1〜第4までの4個の各切替え弁を具備し、前記冷却用ユニットの冷却水吐出口からの冷却水を、冷却水受け口からポンプに流入させて、このポンプで増圧し、第1切替え弁を介して第1マニホールドを経て前記金型へ供給するようにし、かつ、前記金型を循環した冷却水を、第2マニホールドを経て第2切替え弁を介して冷却水排水口に導き、前記冷却用ユニットの冷却水戻り口へ流入させ、ポンプの吐出側と第2切替え弁の出口側との間に、第3切替え弁とサイレントレジューサとを接続し、このサイレントレジューサに第2マニホールドの出口側からの蒸気を流入させるように構成し、
金型の加熱工程時、冷却用の媒体の循環路に備えたサイレントレジューサに、金型から流出してくる加熱用の媒体を流し込み、前記サイレントレジューサにおけるベンチュリー機構の吸い上げ作用を利用して前記加熱用の媒体を当該ベンチュリー機構の吸い上げ作用部に排出して前記加熱用の媒体の前記循環路への排出を行うことで、加熱用の媒体を圧力がある冷却排出口に排出することに比べて、加熱工程時における金型の所定温度への昇温時間を短縮することができ、更に加熱用の媒体として蒸気、冷却用の媒体として水を使用する場合、弁に金型から流出してくる加熱用の媒体を流し込む際の振動や騒音を小さくすることができるように構成したことを特徴とする金型の加熱冷却システム。
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