JP4219627B2 - 情報対応管の構築方法およびその構築構造ならびにその構築部材 - Google Patents

情報対応管の構築方法およびその構築構造ならびにその構築部材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信ケーブルを入線するための鞘管を具備して情報対応管として構成されている本管と、当該本管に接続している非情報対応管である分岐管内に通信ケーブルを敷設するための、情報対応管の構築方法、およびその構築構造、ならびにその構築部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年国家プロジェクトとしてIT戦略がうたわれ、その情報伝達手段である高速・超高速ネットワークの構築が求められている。また、各家庭へ通信ケーブルを引き込む計画、即ちFTTH(Fiber To The Home)計画も進められている。
【0003】
その媒体である通信ケーブルとして、これまで使用してきた鋼線のケーブルより格段に性能が優れている光ファイバーケーブルが注目されている。光ファイバーケーブルは、ガラス又はプラスチックの細い繊維からなり、光を情報のキャリアとして使用し、音、映像などの情報をデジタル(1、0の信号)化した信号を送る。光ファイバーケーブルはメタルケーブルと比べて、広帯域、低損失、電磁に対する免疫性、軽量、小型、安全性、機密保持に優れており、数十倍から数百倍以上の情報量を流すことができ、通信媒体として優れた特性を有している。
【0004】
前述のFTTH計画では、この光ファイバーケーブルを用いたシステムを利用し、地域を200から500軒程度の小ブロックに分割してコントロールすることが考えられている。具体的には、各小ブロックにおいて公民館、派出所等の公共施設を通信基地とし、各家庭まで光ファイバーケーブルを敷設することが想定されている。
【0005】
光ファイバーケーブル等の通信ケーブルの敷設方法には架空方式と地中埋設方式があるが、地中埋設方式での通信ケーブルの敷設は、架空方式での敷設と比べ、空間環境(地上風景の美観等)を守り、地震や台風などの災害に強いといった特性を有している。そういった観点から地中埋設方式を用いて、通信基地から地中管路本管内に24から200心程度の枝線ケーブル(通信ケーブル)を敷設し、地中管路本管同士を接続しているマンホール等に接続分岐ボックスを設けることによって、各家庭まで敷設するための2から4心程度(集合住宅はそれ以上)の引き込みケーブル(通信ケーブル)を分岐し、分岐管を介してマンホール等から引き込みケーブルを各家庭にまで敷設する方法が提案されている。
【0006】
このような地中埋設方式においては、本管に接続している分岐管(取付管)が既に各家庭及び施設に接続しており、管内上部は空きスペースとなっており、且つ敷設しても本来の用途の妨げとなりにくいものとして、特に下水道管を利用する案が有力となっている。
【0007】
従来は、通信ケーブルを下水道管等の地中管路内に敷設するために、通信ケーブルを入線するための鞘管を具備した情報対応管を地中に埋設していた。例えば、特開平11−311369号公報に記載されたものなどが知られている。このように、情報対応管として構成される本管に通信ケーブルを敷設する目的としては、市役所や区役所等を結ぶ広域情報通信網を構築し、行政事務、市役所等に訪れる市民への情報提供、防災利用などへの活用や、下水道事務所、ポンプ場、雨水貯留槽などの下水道施設を結ぶネットワークを完成させて、下水道施設遠方監視、雨量情報配信による動員・運転支援、運転情報の一括管理など、主に行政レベルでの利用を主体に考えられていた。
【0008】
図17は、地中に埋設され、情報対応管として構成されている下水道管等の断面を例示したものである。このように、通常の管体内面に通信ケーブル6を挿通するための鞘管3が、ブラケット4によって取り付けられており、下水道管等の本管5として使用されている。この本管5には、各家庭とつながっている分岐管(図示せず)が接続されているが、該分岐管は、情報対応管として構成されておらず、非情報対応管であるのが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、情報対応管は、本管には採用されているものの、各家庭に接続している分岐管には採用されていなかった。しかしながら、近年のIT革命により、前述したようにFTTH計画が提唱され、行政レベルだけでなく、各個人レベルでの利用を主体として、情報通信インフラを各家庭にまで整備することに重点が置かれ、分岐管内へ通信ケーブルを敷設することが求められている状況にある。
【0010】
また、分岐管を介して各家庭に1本ずつ通信ケーブルを敷設するには、敷設経路が複雑であり、さらに、分岐管は内径が小さく、本管から分岐管口を介して様々な角度で形成されていること等により、本管内に直線的に通信ケーブルを敷設する場合に比して、技術的困難さを伴うため、実施されていないというのも実情である。なお、他にも、分岐管に通信ケーブルを敷設するに際しての技術的困難な点としては、ライフラインとして使用されている本来の機能が阻害されないように通信ケーブルを設置しなければならないことや、耐水性、耐薬品性、耐鼠性、即ち鼠によって齧られて断線するのに耐える性能、管路点検の為の高圧洗浄に対する耐高圧洗浄性等の機能を具備する必要がある点が挙げられる。
【0011】
本発明は、上記実情を鑑みることにより、通信ケーブルを入線するための鞘管を具備して情報対応管として構成されている本管と、当該本管に接続している非情報対応管である分岐管とからなる管路において、本管から非情報対応管である分岐管まで通信ケーブルを敷設することを可能にする、情報対応管の構築方法およびその構築構造ならびにその構築部材を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための請求項1に記載の情報対応管の構築方法は、通信ケーブルを入線するための鞘管を具備して情報対応管として構成されている本管と、当該本管に接続している非情報対応管である分岐管とからなる管路において、前記鞘管に嵌合可能な嵌合部と分岐通信ケーブルを入線するための空間部とが形成され、前記分岐管と前記本管との接続箇所に対応する位置で前記空間部と連通して前記分岐通信ケーブルが入線される分岐テンションメンバが分岐しているガイド管を、前記本管内に設置し、前記ガイド管の前記嵌合部を前記鞘管に嵌合すると共に、前記分岐テンションメンバを前記分岐管内に設置することを特徴とする。
【0013】
この構成によると、分岐通信ケーブルは、ガイド管の空間部内に入線され、ガイド管がその嵌合部で鞘管と嵌合されることで、本管に沿って敷設され、さらに分岐管の相当位置でガイド管の空間部と連通している分岐テンションメンバ内へと挿通される。そして、この分岐テンションメンバを分岐管内へ設置することにより、併せて分岐通信ケーブルも分岐管内へと敷設される。これにより、情報対応管である本管と非情報対応管である分岐管とから構成されていた管路を全体として情報対応管として構築することが可能となり、且つ通信ケーブルを分岐管内へ容易に敷設することができる。また、この方法によると、通信ケーブルは、分岐テンションメンバ内に挿通されて分岐管内を設置されるため、通信ケーブルの敷設経路が複雑であっても容易に対応でき、分岐管の本管への接続角度や、ライフラインとしての機能を阻害しないこと、耐水性、耐薬品性、耐鼠性、耐高圧洗浄性等の機能を具備することという要求も達成される。
【0014】
請求項2に記載の情報対応管の構築方法は、通信ケーブルを入線するための鞘管を具備して情報対応管として構成されている本管と、当該本管に接続している非情報対応管である分岐管とからなる管路において、分岐通信ケーブルを入線するための空間部を形成し、前記分岐管と前記本管との接続箇所に対応する位置で前記空間部と連通して前記分岐通信ケーブルが入線される分岐テンションメンバが分岐しているガイド管を、前記本管内に設置し、前記鞘管を囲むようにして前記ガイド管を前記本管の内面に一体化すると共に、前記分岐テンションメンバを前記分岐管内に設置することを特徴とする。
【0015】
この構成によると、分岐通信ケーブルは、ガイド管の空間部内に入線され、ガイド管が鞘管を囲むようにして本管の内面と一体化されることで、本管に沿って敷設され、さらに分岐管の相当位置でガイド管の空間部と連通している分岐テンションメンバ内へと挿通される。そして、この分岐テンションメンバを分岐管内へ設置することにより、併せて分岐通信ケーブルも分岐管内へと敷設される。これにより、情報対応管である本管と非情報対応管である分岐管とから構成されていた管路を全体として情報対応管として構築することが可能となり、且つ通信ケーブルを分岐管内へ容易に敷設することができる。また、この方法によると、通信ケーブルは、分岐テンションメンバ内に挿通されて分岐管内を設置されるため、通信ケーブルの敷設経路が複雑であっても容易に対応でき、分岐管の本管への接続角度や、ライフラインとしての機能を阻害しないこと、耐水性、耐薬品性、耐鼠性、耐高圧洗浄性等の機能を具備することという要求も達成される。
【0016】
請求項3に記載の情報対応管の構築方法は、請求項1または2において、前記空間部内に予め高強度低伸度性の幹テンションメンバを挿通しておき、前記ガイド管を前記本管内に設置した後、前記幹テンションメンバを前記本管の両端がそれぞれ接続している人孔間で張力を加え、前記ガイド管を前記本管の上部側に設置することを特徴とする。
【0017】
この構成によると、ガイド管を本管の上部側に設置し、予めガイド管の空間部内に挿通された幹テンションメンバに、本管両端に位置する人孔間で張力を加えることで、本管内で確実にガイド管を固定することができる、また、ガイド管が鞘管に外嵌されている場合は、ガイド管と鞘管の嵌合が外れることを防止できる。
【0018】
請求項4に記載の情報対応管の構築方法は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記空間部および前記分岐テンションメンバ内に、予め通信ケーブルと入れ替えるための呼び線を入線しておき、最終工程で前記呼び線と通信ケーブルとを入れ替えることを特徴とする。
【0019】
この構成によると、最終工程に至るまでは、ガイド管の空間部内および分岐テンションメンバ内には、呼び線が入線されているため、ガイド管の設置作業時に通信ケーブルが傷んでしまうことがなくなり、施工安定性を増すことができる。
【0020】
請求項5に記載の情報対応管の構築構造は、通信ケーブルを入線するための鞘管を具備して情報対応管として構成されている本管と、該本管に接続している非情報対応管である分岐管とからなる管路に対して、分岐通信ケーブルを入線するための空間部が形成されたガイド管が、前記鞘管に外嵌されることで前記本管内に設置され、前記分岐管と前記本管との接続箇所に対応する位置で、前記空間部と連通して前記分岐通信ケーブルが入線される分岐テンションメンバが、前記ガイド管から分岐して、前記分岐管内に設置されていることを特徴とする。
【0021】
この構成によると、分岐通信ケーブルは、ガイド管の空間部内に入線されており、ガイド管が鞘管に外嵌されることで、本管に沿って敷設され、さらに分岐管の相当位置でガイド管の空間部と連通している分岐テンションメンバ内へと挿通されている。そして、この分岐テンションメンバが分岐管内へ設置されていることにより、併せて分岐通信ケーブルも分岐管内へと敷設されている。これにより、情報対応管である本管と非情報対応管である分岐管とから構成されていた管路を全体として情報対応管として構築する構造が実現でき、且つ通信ケーブルを分岐管内へ容易に敷設可能な構造が実現される。また、この構造によると、通信ケーブルは、分岐テンションメンバ内に挿通されて分岐管内に設置されているため、通信ケーブルの敷設経路が複雑であっても、分岐管を情報対応管として容易に構築でき、分岐管の本管への接続角度や、ライフラインとしての機能を阻害しないこと、耐水性、耐薬品性、耐鼠性、耐高圧洗浄性等の機能を具備することという要求も達成される。
【0022】
請求項6に記載の情報対応管の構築構造は、請求項5において、前記鞘管が、前記本管の内面に適当間隔で設けられているブラケットにより取り付けられている前記管路において、前記鞘管に外嵌されている前記ガイド管が、前記ブラケットに対応する部分で分断され、前記ブラケットの外方を囲むように設けられる連結部材により、分断された前記ガイド管同士が一体化されていることを特徴とする。
【0023】
この構成によると、ガイド管が鞘管を取り付けるためのブラケット部分で分断して連結部材で一体化した状態となっていることから、ガイド管はブラケット部を回避して鞘管に無理なく嵌合することが可能となる。
【0024】
請求項7に記載の情報対応管の構築構造は、通信ケーブルを入線するための鞘管を具備して情報対応管として構成されている本管と、該本管に接続している非情報対応管である分岐管とからなる管路に対して、分岐通信ケーブルを入線するための空間部が形成されたガイド管が、前記鞘管を囲みながら前記本管の内面と一体化して前記本管内に設置され、前記分岐管と前記本管との接続箇所に対応する位置で、前記空間部と連通して前記分岐通信ケーブルが入線される分岐テンションメンバが、前記ガイド管から分岐して、前記分岐管内に設置されていることを特徴とする。
【0025】
この構成によると、分岐通信ケーブルは、ガイド管の空間部内に入線されており、ガイド管が鞘管を囲むようにして本管の内面と一体化されていることで、本管に沿って敷設され、さらに分岐管の相当位置でガイド管の空間部と連通している分岐テンションメンバ内へと挿通されている。そして、この分岐テンションメンバが分岐管内へ設置されていることにより、併せて分岐通信ケーブルも分岐管内へと敷設されている。これにより、情報対応管である本管と非情報対応管である分岐管とから構成されていた管路を全体として情報対応管として構築する構造が実現でき、且つ通信ケーブルを分岐管内へ容易に敷設可能な構造が実現される。また、この構造によると、通信ケーブルは、分岐テンションメンバ内に挿通されて分岐管内を設置されているため、通信ケーブルの敷設経路が複雑であっても、分岐管を情報対応管として容易に構築でき、分岐管の本管への接続角度や、ライフラインとしての機能を阻害しないこと、耐水性、耐薬品性、耐鼠性、耐高圧洗浄性等の機能を具備することという要求も達成される。
【0026】
請求項8に記載の情報対応管の構築構造は、請求項5乃至7のいずれかにおいて、前記鞘管を内面上部側に具備した前記本管が人孔間で形成され、当該本管から前記分岐管が分岐して分岐管桝まで接続している管路に対して、前記ガイド管の前記空間部内には高強度低伸度性の幹テンションメンバが挿通されており、該幹テンションメンバは、前記人孔間で張力を加えられて、前記鞘管に外嵌している前記ガイド管を嵌合方向へ付勢しており、かつ前記分岐管内で前記分岐テンションメンバに張力が加えられることで、該分岐テンションメンバが前記分岐管の上部側に設置されていることを特徴とする。
【0027】
この構成によると、ガイド管は本管の上部に、また分岐テンションメンバは分岐管の上部に確実に設置されるため、とくに下水道管のような管の下部を使用する管に対して、ライフラインとしての本来の機能を阻害することがない情報対応管の構築構造が提供できる。
【0028】
請求項9に記載の情報対応管の構築部材は、通信ケーブルを入線するための鞘管を具備する管体に、更に通信ケーブルを入線するために用いられる情報対応管の構築部材であって、上方に向かって開口し、弾性変形することによって前記鞘管の外面に嵌合する嵌合部と、通信ケーブル及び幹テンションメンバを挿通するために内部に形成され、水平方向に関して前記嵌合部を挟む位置に形成された2つの空間部とを有し、前記空間部の上壁面が水平であることを特徴とする。
【0029】
この構成によると、この構築部材は、鞘管の外面に嵌合するための嵌合部を有しており、鞘管に嵌合することで、一体化して本管内に設置することができ、また、通信ケーブルを挿通するための空間部を内部に有することから、この空間部内に通信ケーブルを挿通することで、鞘管の周りに並列に新たな通信ケーブルを配線することができる。従って、分岐管内に入線するための通信ケーブルを容易に本管内に設置することが可能となる。また、構築部材を鞘管に嵌合させ、空間部に幹テンションメンバを挿通すると、幹テンションメンバが上壁面に対してスライド可能になる。そのため、構築部材の鞘管への嵌合状態を適正な状態に保つことができる。
【0030】
請求項10に記載の構築部材は、請求項9において、前記空間部に、該空間部を上下に区画する少なくとも1枚以上の仕切り板により複数の階層が形成され、前記複数の階層のうち、最も上方にある階層には、前記幹テンションメンバが挿通されることを特徴とする。
【0031】
請求項11に記載の構築部材は、請求項10において、前記階層の高さが、前記空間部に入線される通信ケーブルの外径の2倍より小さいことを特徴とする。この構成によると、空間部に高さが通信ケーブルの外径の2倍より小さい複数の階層を形成することにより、各階層に通信ケーブルを複数本挿通しても、通信ケーブルは隣り合う通信ケーブルを乗り越えることがなく、階層内の配置が換わることがない構築部材が得られる。したがって、通信ケーブルが絡まったり各家庭への配線ミスが生じることがない。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の説明においては、管路として下水道管を想定しているが、本発明において管路は、必ずしも下水道管に限定されず、地中に埋設される管路であれば、例えば鋼管を用いたガス管路、鋳鉄管を用いた水道管路、雨水管路、電力ケーブル管路等、あらゆる管路に適用可能である。また、通信ケーブルを敷設する地中管路の区画にマンホールが設けられていない場合には、立を形成して本発明を実施することが可能である。
【0035】
図14は、本発明における情報対応管の構築構造を例示したものであり、下水道管等の地中管路1(以下、「管路1」ともいう)の断面図を示している。本実施形態例に係る情報対応管の構築構造は、通信ケーブル6を入線するための鞘管3を具備して情報対応管として構成されている本管5と(図17参照)、本管5に接続して各家庭8へと至っている非情報対応管である分岐管7とからなる管路1に対して、分岐管7へも分岐通信ケーブル21を敷設し、図14に示すように分岐管7も含めて管路1全体を情報対応管とするために適用される。なお、本管5は、マンホール等の人孔9、10などを介して接続されており、人孔9等には、接続分岐ボックス11が設置され、この接続分岐ボックス11で、本管5の上部に設置されている鞘管3内部に挿通された通信ケーブル6(以下、「幹通信ケーブル6」ともいう)同士が接続されている。
【0036】
まず、本実施形態例に係る情報対応管の構築部材であるガイド管について説明する。図1に、その一例としてガイド管12(ガイド管実施例▲1▼)を示す。このガイド管12は、鞘管3を具備する本管5(図17参照)内に、更に通信ケーブルを入線するために用いられるものである。図1にて、ガイド管12は、鞘管3に沿う長手方向を有し、鞘管3の外面に嵌合するための嵌合部13と、主に分岐通信ケーブル(一般でいう「引き込み線」を指す)を挿通するために内部に形成される空間部14とを長手方向に沿って有している。空間部14は、嵌合部13の周囲に形成され、仕切り板15によって複数の階層(14a、14b、・・・)を形成するよう上下に区画されており、この各階層(14a、14b、・・・)に分岐通信ケーブルが入線される。なお、空間部14内には、後述する幹テンションメンバや幹通信ケーブル(一般でいう「幹線ケーブル」または「分岐ケーブル」を指す)を挿通して使用することも可能であり、ガイド管12を後述するように本管5内に設置する際に予め通信ケーブルと入れ替えるための呼び線を挿通しておくことも可能である。
【0037】
また、図2に、他の実施例であるガイド管16(ガイド管実施例▲2▼)を示す。ガイド管16も、ガイド管12と同様に嵌合部17と空間部18とを有しており、空間部18は、仕切り板19により上下方向に4段からなる各階層(18a、18b、・・・)を形成するように区画されている。このように、ガイド管の構造としては、鞘管3の外面に嵌合される嵌合部と、通信ケーブルが長手方向に入線可能な空間部とが形成されていれば、種々の形態を採用することが可能である。なお、ガイド管12、16は、ポリエチレン等の樹脂製で軽量かつ耐薬品性を持つものが好ましいが、その他の素材であっても管路1の種類によって選定可能である。ちなみに、以下、ガイド管16についての説明は、ガイド管12に対しても同様に適用できるものである。
【0038】
また、図18に示される本管5に具備された通信ケーブル6を入線するための鞘管3a内には、通信ケーブル6と共にテンションメンバ60が挿通している。このテンションメンバ60を人孔9、10内に設置されたテンション装置22(後述する)等により、人孔9、10間で張力を加えて鞘管3aを本管5内の上部側に設置している。また、人孔9、10間の距離が長く、鞘管3aが設置している本管5の長手方向が長い場合などでは、鞘管3aが、人孔9、10間の中間位置などで撓む可能性があるので、図17に示すようなブラケット4が、鞘管3aの撓みが小さくなるように取付けられている。なお、テションメンバ60は、後述する幹テンションメンバ20と同様の材質を使用することができる。
【0039】
このように鞘管3a内に通信ケーブルと共にテンションメンバ60が挿通した鞘管3aは、図17に示す鞘管3と同様に後述するようにガイド管に外嵌され、更に通信ケーブルを入線するために用いることができる。また、以下の実施の形態例では、鞘管3をもちいて説明しているが、鞘管3aをもちいた場合でも特に問題はない。
【0040】
図3は、ガイド管の一例であるガイド管16を鞘管3に嵌合した状態を示す断面図である。鞘管3は、本管5の上部に設置されており、内部に幹通信ケーブル6が挿通されている。そして、鞘管3の外面に、ガイド管16が、嵌合部17をもって外嵌されている。前述のように、ガイド管16はポリエチレン等の樹脂製であり、嵌合部17が一旦撓むように変形した後、速やかに弾性回復するため、鞘管3の外面に容易に外嵌することができる。
【0041】
ガイド管16の空間部18における最上段の階層18cには、幹テンションメンバ20および分岐通信ケーブル21が挿通されている。この各分岐通信ケーブル21は、人孔9等に設置される分岐接続ボックス11にて幹通信ケーブル6から分岐される通信ケーブルであり、後で詳しく説明するように各家庭8へと敷設される(図14参照)。この分岐通信ケーブル21は、敷設が必要な家庭8の戸数等に応じて必要本数分だけ幹通信ケーブル6から分岐される。
【0042】
また、図3においてよく理解されるように、空間部18の各階層の高さは、分岐通信ケーブル21の外径の2倍より小さくなるように区画されており、これにより、各階層に通信ケーブルを複数本挿通しても、通信ケーブルは隣り合う通信ケーブルを乗り越えることがなく、階層内の配置が換わることがないようになっている。したがって、通信ケーブルが絡まったり、各家庭への配線ミスが生じたりすることがない。
【0043】
また、幹テンションメンバ20は、人孔9、10間などでテンション装置22によって張力を加えられ、ガイド管16(またはガイド管12)を敷設する役目を果たす(図14参照)。この幹テンションメンバ20は、ポリパラフェニレンベンソヒスオキサゾール(PBO)繊維、アラミド繊維、炭素繊維、金属繊維、ガラス繊維などの高強度低伸度性繊維よりなる、ロープ、紐、ベルト等の長尺体、又はステンレスワイヤ等を使用することができる。
【0044】
なお、図14に示すテンション装置22は、例えば、ドラム型巻き取り式の手動ウィンチとフックとが対になったものであり、人孔9、10などに設置され、ガイド管16内に収容された幹テンションメンバ20を片側はフックに固定し、他方はウィンチにより人孔9、10間で張力を加え、ガイド管16を本管5内の上部側、即ち嵌合方向側に付勢する。
【0045】
ここで、図4は、鞘管3を本管5内に固定しているブラケット4が設けられている部分での断面におけるガイド管24(ガイド管実施例▲3▼)の鞘管3への嵌合状態を示している。ちなみに、このガイド管24は、空間部25内が仕切り板によって区画されていない実施例を示している。本図においてよく理解されるように、ブラケット4の外径が鞘管3の外径より大きいため、ガイド管24の嵌合部26が若干変形しながら嵌合している。
【0046】
このように、ブラケット4が設けられている部分では、ガイド管24と鞘管3との嵌合が緩くなってしまうが、幹テンションメンバ20に人孔9、10間で張力を加えることによって、嵌合方向に付勢されているため、ガイド管24は、本管5の上部側に固定される。
【0047】
なお、幹テンションメンバ20は、人孔間で張力を加えられて使用されるため、本管5の長さ方向にほぼ直線的に配置されることになる。このとき、幹テンションメンバ20が配置される鞘管3に対する位置は、ガイド管24におけるブラケット4と嵌合する部分、即ち幹テンションメンバ20を鞘管3から最も離れて位置させる部分で拘束されることになり、この位置で幹テンションメンバ20が、ガイド管24を嵌合方向に付勢することになる。
【0048】
そこで、幹テンションメンバ20を挿通している空間部の形状は、幹テンションメンバ20の鞘管3に対する位置が、外方に移動可能となるように形成されることが望ましい。例えば、図2に示すガイド管16(ガイド管実施例▲2▼)の場合であれば、空間部18の最上段の階層18cの上壁面18dが水平であることが望ましい。このように上壁面18dを形成することで、幹テンションメンバ20は、ブラケット4の外径に合わせて、階層18c内で上壁面18dに略沿って外方にスライド可能となる。すなわち、ガイド管16が鞘管3に嵌合すると、ブラケット4が設けられている部分では、図4に示すガイド管24の場合のようにガイド管が変形し、幹テンションメンバ20の鞘管3に対する位置が拘束されることになる。しかし、ブラケット4と嵌合していない部分、つまり図3に示すように鞘管3の外面と嵌合している部分では、幹テンションメンバ20が、階層18c内で上壁面18dに略沿って外方に移動し、ガイド管16の鞘管3への嵌合状態は、略適正な状態のままに保たれる。このときの幹テンションメンバ20の位置を図2に点線で示しており、位置(a)は、ブラケット4と嵌合している部分での幹テンションメンバ20のガイド管16に対する位置を(実際は、ガイド管16は変形している)、位置(b)は、鞘管3の外面と嵌合している部分での幹テンションメンバ20のガイド管16に対する位置を示している。なお、実際は、位置(a)と位置(b)は、鞘管3に対して外方に同位置で位置しているが、図2においては、模式的に分けて示している。
【0049】
また、ブラケット4が設けられる部分で、ガイド管24の鞘管3への嵌合が緩くなることを防止するため、図5および図6に示すように、鞘管3に外嵌されるガイド管24の構造をブラケット4に対応する部分で分断し、ブラケット4の外方を囲むように設け連結部材23により、分断したガイド管24同士を一体化するものであってもよい。
【0050】
図5は、ブラケット4が設けられる間隔に略相当する長さで分断しているガイド管24を連結部材23により連結した状態を示すものであって、ブラケット4を含む断面で示したものである。また、図6は、本管5の中央縦断面図である。
【0051】
図5及び図6に示されるように、連結部材23は、ガイド管24の外面に嵌合可能な内面形状をしており、本図においては、上向きの略C型形状に形成されているものを例示している。この連結部材23により、鞘管3とブラケット4の外径の違いに影響されることなく、分断されたガイド管24同士が一体化されることになる。なお、ブラケット4に対応する部分で分断したガイド管24同士が連結部材23で一体化される構造は、実施例▲3▼のガイド管24だけでなく、他の実施例(▲1▼、▲2▼)のガイド管(12、16)に対しても同様に適用できる。
【0052】
以上説明したガイド管(12、16、24)は、いずれも鞘管3に対して嵌合部で外嵌される構造のものであるが、ガイド管の構造は、必ずしも鞘管3に外嵌されるものに限らず、本発明の更なる実施形態として、図7および図8に示すように、鞘管3を囲むようにして本管5の内面と一体化されて本管5内に設置されるものであってもよい。
【0053】
図7に示すガイド管27(ガイド管実施例▲4▼)は、本管5の内面の上部に長手方向を揃えて設置されるものであり、その断面は、略C型に形成されている。そして、C型断面における長手方向の両縁部には、フランジ状の取付部28が設けられている。また、C型断面の内周側には、内周方向に開口した空間部を形成する区切り部分30が、長手方向に延びる仕切り板29によって区画されて形成されている。
【0054】
このガイド管27は、本管5の内面上部に密着させたフランジ状の取付部28と本管5の内面とをアンカーボルト28aによって結合することで、本管5の内面に対して一体的に取り付けられる。このとき、ガイド管27の内周側は、本管5の上部にブラケット4で取り付けられた鞘管3を囲むことができる程度に十分大きく形成されている。そして、ガイド管27の内周側に設けられた空間部である区切り部分30は、それぞれ分岐通信ケーブル21が入線可能に形成されている。
【0055】
また、図8に示すガイド管31(ガイド管実施例▲5▼)も、実施例▲4▼のガイド管27と同様に断面が略C型に形成され、C型断面の長手方向の両縁部には、同じくフランジ状の取付部32が設けられている。そして、C型断面の内周側には、内周方向に開口した空間部を形成する区切り部分35が、仕切り板34によって区画されて形成されている。
【0056】
このガイド管31は、ガイド管27と同様に、本管5の内面上部側に鞘管3とブラケット4とを囲むようにして取り付けられるが、アンカーボルトでなく、取付部32と本管5内面との間に形成されるエポキシ樹脂等の接着剤からなる接着層33によって接着して一体化されている。また、取付部32が設けられているC型断面の両縁部には、長手方向に形成される透孔36が内部に設けられており、この透孔36に幹テンションメンバ20が挿通されている。この幹テンションメンバ20の機能は、ガイド管12、16等の場合と同様である。なお、接着層33としては、必ずしもエポキシ樹脂等の接着剤によるものでなくてもよく、例えば、取付部32または/および本管5内面を加熱により溶着するものであってもよいし、また、金属板をガイド管に内蔵しておき、外部から高周波による誘電加熱を行うことで融着して一体化するものであってもよい。接着層33の形態は、本管5内面と取付部32の材質に応じて、接着・溶着・融着などを選択することが望ましい。
【0057】
これらのガイド管27および31の場合は、ガイド管を本管5内に設置する際に、アンカーボルト取り付けや接着等を行う専用の装置が必要となるが、ガイド管を鞘管3を囲むようにして本管5内に設置する位置決め機構と、アンカーボルト取り付けや接着等の一体化手段を動作する機構を少なくとも備える装置であればどのようなものでもガイド管の設置は可能である。
【0058】
なお、以上説明したガイド管(12、16、24、27、31)を本管5内に設置するに際しては、更に、図15に示されているような中央部に凹部52を有する円柱状固定部51からなる弛み防止材50を、図14に示されているように本管5内に適宜間隔を取って複数配置することによって、ガイド管が本管5の内径方向へ弛むことを補助的に防止できる。また、管路維持管理作業における高圧洗浄作業等の際にガイド管が鞘管3から外れたり、本管5の内面から離脱することを防止できる。この弛み防止材50の円柱状固定部51は、その凹部52でガイド管を収容しながら、本管5の内壁に固定されている。
【0059】
以上、ガイド管(12、16、24、27、31)を用いて、情報対応管として構成された本管5において、鞘管3の周りに並列に分岐通信ケーブル21を敷設する構造について説明したが、つぎに、かかる本管5から非情報対応管である分岐管7へ分岐通信ケーブル21を敷設する構造について説明する。
【0060】
図9は、本管5と、本管5に分岐管口38で接続された分岐管7との断面図を示すものであり、図10は、その一部拡大図である。また、図6は、分岐管口38(仮想線で示す)の近傍における本管5の中央縦断面図を示したものである。これらの図において示されるように、ガイド管24(ガイド管24の代わりにガイド管12又は16が使用されているものであってもよい)には、分岐管7と本管5との接続箇所(接続口38)に対応する位置において、長孔状の開口部39が形成されており、ガイド管24の内部の空間部25と外部とを連通している。この開口部39は、後述するように分岐通信ケーブル21をガイド管24の外部へと引き出して分岐管7内に分岐させるものであり、各分岐管口38に略相応する位置に分岐管の個数分形成されている。
【0061】
そして、その開口部39を覆うように分岐具40がガイド管24の外面に嵌合して取り付けられている。分岐具40の形状は、先述した連結部材23と同様で、ガイド管24の外面に嵌合可能で略C型の断面を備えるものである。この分岐具40には、ガイド管24の外方に向かって突出する中空の枝部41が形成されており、この枝部41の中空部分を介して、ガイド管24に設けられた開口部39と外部とが連通されている。
【0062】
外部へと突出する枝部41の先端には、分岐テンションメンバ37がネジ42によって螺合して一体化されている。なお、一体化手段としては、接着、溶着等も採用可能である。この分岐テンションメンバ37は、ステンレス製やプラスチック製のフレキシブルパイプや、皮膜が内面または/および外面に形成している筒状布帛から構成されているものであり、内部に通信ケーブル21が挿通される。すなわち、分岐テンションメンバ37は、分岐通信ケーブル21を外部から保護し、外傷や劣化等が生じることを防止するとともに、後述するように張力を加えて分岐通信ケーブル21を分岐管7内に設置する役目を果たす。この分岐テンションメンバ37には、内部に挿通される分岐通信ケーブル21の最小曲げ半径(許容曲げ半径)未満まで屈曲しないように、通信ケーブル21の許容曲げ半径以上の曲げ半径特性を有するものを使用される。分岐テンションメンバ37の内部に入線されている分岐通信ケーブル21が、許容曲げ半径以下に極端に屈曲して破損してしまうことを防ぐためである。
【0063】
内部に分岐通信ケーブル21が入線された分岐テンションメンバ37は、図14に示すように、分岐管7の上部側に沿って、分岐管7の端部の分岐管桝43まで配設されている。この分岐管桝43に分岐テンションメンバ37を挿通可能で、且つ緊締可能なテンション機構45が設けられ、このテンション機構45によって分岐テンションメンバ37に張力が付与されている。
【0064】
なお、分岐管7が湾曲部分を有していても、分岐テンションメンバ37が、分岐管7の上部側に確実に固定されるようにするため、例えば、図16に示すような固定部材46が使用されていることが望ましい。この固定部材46は、略C型断面を有し分岐管7の内面に適合する円柱状固定部47と、該円柱状固定部47に支持されるスライド部48とからなるものである。このような固定部材46等を用いることにより、テンションを付与した分岐テンションメンバ37は、分岐管7の上部側に確実に設置されることになる(図14参照)。このように、分岐テンションメンバ37が、分岐管7の上部側に取り付けられることで、汚水等の流れを阻止してライフラインとしての機能を阻害したり、鼠に齧られて断線してしまったりすることを防止できる。
【0065】
なお、分岐通信ケーブル21は、上記のように分岐テンションメンバ37が分岐管7の上部側に沿って配設されることで、ガイド管から分岐管桝43まで敷設されることになる。分岐管桝43は、各家庭8に近在して開口しており、分岐管桝43まで案内された分岐通信ケーブル21は、地上へと引き出された後、各家庭8に設置された成端箱44へと引き込まれている。
【0066】
なお、上述したガイド管から分岐テンションメンバ37が分岐する構成は、図11に示すように、鞘管3を囲むようにして本管5の内面上部に一体化して取り付けられているガイド管(27、31)に対しても同様に適用される。すなわち、図11に示す実施例▲4▼のガイド管27には、図6、9、10に示す実施例と同様に、開口部55が設けられており、この開口部55を覆うように取り付けられる分岐具54にも、ガイド管27の空間部30と外部とを連通する中空の枝部56が設けられ、この枝部56と分岐テンションメンバ37がネジ42によって一体化されている。この分岐テンションメンバ37の内部に、前述の実施例と同様に分岐通信ケーブル21が入線されて、各家庭8へと敷設される。
【0067】
ちなみに、このガイド管27は、取付部28にて本管5の内面に対して、ステイプル53によって分岐具54とともに一体化して取り付けられている。このステイプル53は、加熱して高温状態とし本管5を溶かしながら押し込んでいくか、釘のように打ち込むことで、取り付けが行われる。
【0068】
以上説明したように、分岐通信ケーブル21は、まず、ガイド管(12、16、24、27、31)内を敷設され、次いで、各家庭8に対応する分岐管桝43に至る分岐管7内を、それぞれ対応する分岐通信ケーブル21が、分岐テンションメンバ37に保護されて敷設されている。
【0069】
この構造によると、情報対応管である本管5と非情報対応管である分岐管7とから構成されていた管路1を全体として情報対応管として構築する構造が実現でき、且つ分岐通信ケーブル21を分岐管7内へ容易に敷設可能な構造が実現される。また、この構造によると、分岐通信ケーブル21は、分岐テンションメンバ37内に挿通されて分岐管7内に設置されているため、分岐通信ケーブル21の敷設経路が複雑であっても、分岐管7を情報対応管として容易に構築でき、分岐管7の本管5への接続角度や、ライフラインとしての機能を阻害しないこと、耐水性、耐薬品性、耐鼠性、耐高圧洗浄性等の機能を具備することという要求も達成される。
【0070】
なお、本管5に対して接続する分岐管7の数が多い場合には、管路1内に通線する牽引策(後述する)の数も多くなり、絡み合う恐れが高くなるので、分岐通信ケーブル21又は分岐テンションメンバ37の先端に呼び子を着脱不能に取り付けておくことが望ましい。呼び子は、分岐通信ケーブル21をガイド管(12、16、24、27、31)の内部から開口部(39、55等)を介して取り出す作業を容易且つ円滑にする。この呼び子の形状は、フック状、リング状等種々の形状が採用可能であるが、少なくとも呼び子の外径はガイド管の開口部の大きさより大きく、ガイド管の外部に取り出した分岐通信ケーブル21の先端がガイド管の内部に戻らないようにしておくことが肝要である。例えば、呼び子として、略径1mm程度のワイヤを直径が略100mm程度の球状に組み合わせたもの、例えばピンポン玉のような直径略20ミリメートルの樹脂製ボール等を採用可能である。他にも分岐通信ケーブル21又は分岐テンションメンバ37の先端を直接引っ掛けたり、掴んだりすることが可能な形状に加工しておいてもよい。呼び子が分岐通信ケーブル21又は分岐テンションメンバ37に連結している場合は、分岐通信ケーブル21又は分岐テンションメンバ37をガイド管からある程度の長さ引っ張り出しておき、分岐管口38から引っ掛けたり、掴んだりすることを容易にすることが好ましい。
【0071】
また、ガイド管内の複数の分岐通信ケーブル21が絡まないようにする為、分岐通信ケーブル21のガイド管内での配置場所が、各家庭8へと延びる分岐管7の位置と関わりあって規則的な配置法則に従うことが望ましい。即ち、人孔9から本管5の内部に向かって(図14参照)、順次最外側に位置する分岐通信ケーブル21を取り出し可能なように、ガイド管内に分岐通信ケーブル21を幅方向に並列するなどといった配置法則に従うのが好ましい。
【0072】
つぎに、本発明に係る情報対応管の構築方法、即ち本発明に係るガイド管等の構築部材を使用して施工を行う方法について、前述した情報対応管の構築構造と説明が重複する部分は適宜割愛しながら説明する。なお、以下の説明は、本発明に係る一実施例を示すものである。
【0073】
まず、分岐通信ケーブル21を敷設して情報対応管として構築したい管路1の本管5内について、TVカメラ等を使用して、人孔9、10間の距離、人孔9から本管5内の各分岐管7の分岐口38までの距離、分岐管7から分岐管桝43までの距離、分岐管桝43の深さ等を正確に測定する(図14参照)。
【0074】
以上のような管路1の調査から得たデータを基に、ガイド管(以下、本実施形態例の説明において、ガイド管12、16、24、27、31を含む表現の場合は、単に「ガイド管」という)の長さや、分岐具(40、54等)の取り付け位置、分岐テンションメンバ37の長さを決め、組立てておく。なお、組立ての際、ガイド管に各分岐口38に対応する位置に開口部(39、55等)を設け、分岐通信ケーブル21を該開口部から取り出すとともに、ガイド管から分岐させた分岐テンションメンバ37内を挿通させておく。このとき、分岐通信ケーブル21または分岐テンションメンバ37の先端には、前述の呼び子を設けておく。
【0075】
以上の準備作業によって組立てられたガイド管は、リールドラム等に巻き取られて施工現場に搬入される。なお、分岐テンションメンバ37、呼び子等を導入する場合は、本管5内を移動させるときに、本管5の内壁との摩擦で傷ついたり、管路1の段差等に引っ掛かったりする恐れがある為、本管5内を移動可能な台車や簡易の上に分岐テンションメンバ37等を束ねた状態で載せて移動させ、述の牽引策と同時に本管5内に引き込むことが好ましい。
【0076】
施工現場においては、まず人孔9、10間に牽引策を通線する。牽引策を人孔9、10間に通線する方法としては、ワイヤ等の剛直体を押し込む方法、パラシュート状の通線具を空気圧で吹き飛ばす方法、自走型管内移動車に接続しておく方法等既知の方法を適宜採用することができる。また、ここで、人孔9、10および分岐管桝43にテンション機構22、45を取り付けておく(図14参照)。
【0077】
つぎに牽引策の一端とガイド管とを本管5の一端部、例えば人孔9で接続し、牽引策を他方の人孔10から引き取って、本管5内にガイド管を設置する。この段階で、ガイド管に設けた開口部の各々が、それぞれ対応する分岐管口38にほぼ一致した状態となる。ガイド管を一方の人孔9から他方の人孔10に引き取るときには、ガイド管が捩じれる恐れがあるため、捩じれ防止具を牽引策とガイド管との間に介在させておいてもよい。捩じれ防止具を用いた場合は、ガイド管の全長を本管5内に配置した後に取り出す。
【0078】
次いで、ガイド管(12、16、24)を鞘管3に嵌合、またはガイド管(27、31)を本管5に一体化させる。図12、13は、ガイド管を鞘管に嵌合させる実施例を示すものである。図12において、ガイド管の一端を(図中左)を人孔9内から手で嵌合し、嵌合装置58を本管5内に導入する。嵌合装置58は、予め本管5内に通線しておいた引取線57を人孔10側から引き取っていくことにより、本管5内を移動する。そして、嵌合装置58に設けられた付勢手段59により、押圧部60がガイド管(12、16、24)を鞘管3に押圧し、移動しながら嵌合を行っていく。なお、嵌合装置58のようなものでなくても、ガイド管(12、16、24)を押圧しながら移動して鞘管3に嵌合可能なものであればどのようなものであってもよい。例えば、ガイド管(12、16、24)を鞘管3に押圧可能な外径を有する玉のようなものを移動させて嵌合を行ってもよい。
【0079】
また、図13に示すように、筒状の反転チューブ61を流体圧により本管5内で進行させ、ガイド管(12、16、24)の嵌合部を鞘管3に押圧して、連続的に嵌合を行ってもよい。
【0080】
なお、鞘管3を囲むようにしてガイド管(27、31)を本管5内面に一体化させる場合は、少なくとも、上下に動作してガイド管(27、31)を鞘管3に押圧させる上動手段と、アンカーボルト等の一体化手段を本管5内面に一体化させる手段とを備えた装置を用いてガイド管(27、31)の本管5への取り付けを行う。
【0081】
そして、ガイド管を鞘管3に取り付けた後、または取り付け作業中に補助的にガイド管を鞘管3に近付けるために、幹テンションメンバ20をテンション機構22に取り付けて本管5内で張力を加え、ガイド管を本管5内に固定する。
【0082】
次に、分岐テンションメンバ37を分岐管7内に引き込む。この作業においては、まず、本管5内のガイド管を前後に位置を微調整して分岐通信ケーブル21または分岐テンションメンバ37の先端にある呼び子を分岐管7の直下に位置させる。そして、分岐管桝43からアーム状の掴み治具等を挿入し、TVカメラで確認しながら、分岐管口38付近に位置する分岐通信ケーブル21又は分岐テンションメンバ37の一端に設けられている呼び子を掴んで分岐管桝43から取り出す。あるいは、分岐管桝43から分岐管7と本管5とを介して本管5の一端部、例えば人孔9まで牽引策を通線しておき、分岐通信ケーブル21又は分岐テンションメンバ37と該牽引策とを継続して、該牽引策を分岐管桝43から引き上げることによって分岐管7内に分岐通信ケーブル21を敷設することも可能である。
【0083】
この場合、分岐テンションメンバ37を分岐管7の内壁の略上部に沿って設置する為に、固定部材46を分岐管7内の分岐部付近に設置することが好ましい。これによって、分岐管7本来の機能が損なわれることを防ぐことができる。固定部材46を設置するには、まず、分岐管桝43に到達している分岐テンションメンバ37を固定部材46のスライド部48内に通す。スライド部48に分岐テンションメンバ37を通した状態で、縮径された固定部材46の円柱状固定部47及び該スライド部材48を、分岐管7内を通して所定位置に移動させる。この移動操作の補助として、エア−パッカー又は専用装置を用いてもよい。例えば、エアーパッカー等を収縮した状態で分岐管桝43から分岐管7へ挿入し、固定部材46の内側に挿入して、固定部材46の設置箇所においてエアーパッカー等の縮径を解く。こうしてエアーパッカー等で固定部材46の円柱状固定部47を挟持し、分岐管7内壁に固定する。
【0084】
続いて、分岐管桝43まで配設した分岐テンションメンバ37に張力を加えた状態でテンション機構45に挿通、緊締することによって、分岐テンションメンバ37を分岐管7の上部側に強固に固定する。
【0085】
なお、分岐管7が急激に角度が変わる湾曲部分を有する場合、テンション機構45で張力を加えるだけでは分岐管7内の内壁上部に沿って分岐テンションメンバ37を敷設することができない。この場合、固定部材46を分岐管7内の湾曲部分周辺に適宜設置することによって、湾曲部分を有する分岐管7であっても、分岐テンションメンバ37を分岐管7の略上部に沿って設置することが可能となる。
【0086】
また、ガイド管を本管5の内面上部に確実に固定するために、図15に示す弛み防止材50を本管5内の適宜間隔で設置することが望ましい(図14参照)。
【0087】
以上のようにして、分岐通信ケーブルを本管5の上部に設けられた鞘管3の周りに並列に配線するとともに、本管5に接続する各分岐管7内の上部側にも敷設することができ、各家庭8へと導くことができる。
【0088】
なお、通信ケーブルの代わりに呼び線、例えば外径が通信ケーブルの外径と略等しいウレタン製のチューブ状物や紐状物からなる呼び線等を使用した場合は、最後にこの呼び線と通信ケーブルとを入れ替えることで本発明に係る情報対応管の構築方法による施工が終了する。これにより、最終工程に至るまでは、ガイド管の空間部内および分岐テンションメンバ内には、呼び線が入線されているため、ガイド管の設置作業時に通信ケーブルが傷んでしまうことがなくなり、施工安定性を増すことができる。
【0089】
ちなみに、呼び線と通信ケーブルとを入れ替える作業においては、まず、呼び線の一端に通信ケーブルを接続する。この接続方法としては、突き合わせて金属リング等でかしめてもよいし、通信ケーブルの皮膜と、呼び線の材質とがブラスチック製同士で、且つ、呼び線がチューブ状ならば、呼び線内部に通信ケーブルの先端を適当長さ挿入して重複部分を形成し、その重複部分を外面から熱圧着や誘電により圧着して、重複部分のプラスチックを溶かしながらつぶし、ほぼ段差の生じない形状とすることも可能である。呼び線と通信ケーブルとを略同外径とすることによって、通信ケーブルを引き込む際に無理な引き込み力が段差部分等に作用して応力集中が生じ、通信ケーブルが断線してしまうことを防止することができる。
【0090】
なお、発明の実施の形態は上記に限定することなく、例えば、以下のように変更して実施してもよい。
(1)ガイド管を本管5内に取り付けるときは、幹テンションメンバ20に仮の張力を加え、ガイド管を一宙吊り状態としてから敷設を行うものであってもよい。
【0091】
(2)鞘管3に外嵌することで本管5に取り付けられるガイド管(12、16、24)の形態としては、ガイド管実施例▲1▼〜▲3▼に限定されるものではなく鞘管3の外面に嵌合される嵌合部と、通信ケーブルが長手方向に入線可能な空間部とが形成されているものであればよい。
【0092】
(3)また、鞘管3を囲むようにして本管5に取り付けられるガイド管(27、31)を、本管5の内面に一体化する手段としては、アンカーボルト28a、接着層33、ステイプル53に限定されるものでなく、ガイド管を長手方向に亙って本管5の内面に固定可能な手段であれば、種々のものを用いてもよい。
【0093】
【発明の効果】
請求項1の発明によると、分岐通信ケーブルは、ガイド管の空間部内に入線され、ガイド管がその嵌合部で鞘管と嵌合されることで、本管に沿って敷設され、さらに分岐管の相当位置でガイド管の空間部と連通している分岐テンションメンバ内へと挿通される。そして、この分岐テンションメンバを分岐管内へ設置することにより、併せて分岐通信ケーブルも分岐管内へと敷設される。これにより、情報対応管である本管と非情報対応管である分岐管とから構成されていた管路を全体として情報対応管として構築することが可能となり、且つ通信ケーブルを分岐管内へ容易に敷設することができる。また、この方法によると、通信ケーブルは、分岐テンションメンバ内に挿通されて分岐管内を設置されるため、通信ケーブルの敷設経路が複雑であっても容易に対応でき、分岐管の本管への接続角度や、ライフラインとしての機能を阻害しないこと、耐水性、耐薬品性、耐鼠性、耐高圧洗浄性等の機能を具備することという要求も達成される。
【0094】
請求項2の発明によると、分岐通信ケーブルは、ガイド管の空間部内に入線され、ガイド管が鞘管を囲むようにして本管の内面と一体化されることで、本管に沿って敷設され、さらに分岐管の相当位置でガイド管の空間部と連通している分岐テンションメンバ内へと挿通される。そして、この分岐テンションメンバを分岐管内へ設置することにより、併せて分岐通信ケーブルも分岐管内へと敷設される。これにより、情報対応管である本管と非情報対応管である分岐管とから構成されていた管路を全体として情報対応管として構築することが可能となり、且つ通信ケーブルを分岐管内へ容易に敷設することができる。また、この方法によると、通信ケーブルは、分岐テンションメンバ内に挿通されて分岐管内を設置されるため、通信ケーブルの敷設経路が複雑であっても容易に対応でき、分岐管の本管への接続角度や、ライフラインとしての機能を阻害しないこと、耐水性、耐薬品性、耐鼠性、耐高圧洗浄性等の機能を具備することという要求も達成される。
【0095】
請求項3の発明によると、ガイド管を本管の上部側に設置し、予めガイド管の空間部内に挿通された幹テンションメンバに、本管両端に位置する人孔間で張力を加えることで、本管内で確実にガイド管を固定することができる、また、ガイド管が鞘管に外嵌されている場合は、ガイド管と鞘管の嵌合が外れることを防止できる。
【0096】
請求項4の発明によると、最終工程に至るまでは、ガイド管の空間部内および分岐テンションメンバ内には、呼び線が入線されているため、ガイド管の設置作業時に通信ケーブルが傷んでしまうことがなくなり、施工安定性を増すことができる。
【0097】
請求項5の発明によると、分岐通信ケーブルは、ガイド管の空間部内に入線されており、ガイド管が鞘管に外嵌されることで、本管に沿って敷設され、さらに分岐管の相当位置でガイド管の空間部と連通している分岐テンションメンバ内へと挿通されている。そして、この分岐テンションメンバが分岐管内へ設置されていることにより、併せて分岐通信ケーブルも分岐管内へと敷設されている。これにより、情報対応管である本管と非情報対応管である分岐管とから構成されていた管路を全体として情報対応管として構築する構造が実現でき、且つ通信ケーブルを分岐管内へ容易に敷設可能な構造が実現される。また、この構造によると、通信ケーブルは、分岐テンションメンバ内に挿通されて分岐管内に設置されているため、通信ケーブルの敷設経路が複雑であっても、分岐管を情報対応管として容易に構築でき、分岐管の本管への接続角度や、ライフラインとしての機能を阻害しないこと、耐水性、耐薬品性、耐鼠性、耐高圧洗浄性等の機能を具備することという要求も達成される。
【0098】
請求項6の発明によると、ガイド管が鞘管を取り付けるためのブラケット部分で分断して連結部材で一体化した状態となっていることから、ガイド管はブラケット部を回避して鞘管に無理なく嵌合することが可能となる。
【0099】
請求項7の発明によると、分岐通信ケーブルは、ガイド管の空間部内に入線されており、ガイド管が鞘管を囲むようにして本管の内面と一体化されていることで、本管に沿って敷設され、さらに分岐管の相当位置でガイド管の空間部と連通している分岐テンションメンバ内へと挿通されている。そして、この分岐テンションメンバが分岐管内へ設置されていることにより、併せて分岐通信ケーブルも分岐管内へと敷設されている。これにより、情報対応管である本管と非情報対応管である分岐管とから構成されていた管路を全体として情報対応管として構築する構造が実現でき、且つ通信ケーブルを分岐管内へ容易に敷設可能な構造が実現される。また、この構造によると、通信ケーブルは、分岐テンションメンバ内に挿通されて分岐管内を設置されているため、通信ケーブルの敷設経路が複雑であっても、分岐管を情報対応管として容易に構築でき、分岐管の本管への接続角度や、ライフラインとしての機能を阻害しないこと、耐水性、耐薬品性、耐鼠性、耐高圧洗浄性等の機能を具備することという要求も達成される。
【0100】
請求項8の発明によると、ガイド管は本管の上部に、また分岐テンションメンバは分岐管の上部に確実に設置されるため、とくに下水道管のような管の下部を使用する管に対して、ライフラインとしての本来の機能を阻害することがない情報対応管の構築構造が提供できる。
【0101】
請求項9の発明によると、この構築部材は、鞘管の外面に嵌合するための嵌合部を有しており、鞘管に嵌合することで、一体化して本管内に設置することができ、また、通信ケーブルを挿通するための空間部を内部に有することから、この空間部内に通信ケーブルを挿通することで、鞘管の周りに並列に新たな通信ケーブルを配線することができる。従って、分岐管内に入線するための通信ケーブルを容易に本管内に設置することが可能となる。また、構築部材を鞘管に嵌合させ、空間部に幹テンションメンバを挿通すると、幹テンションメンバが上壁面に対してスライド可能になる。そのため、構築部材の鞘管への嵌合状態を適正な状態に保つことができる。
【0102】
請求項11の発明によると、空間部に高さが通信ケーブルの外径の2倍より小さい複数の階層を形成することにより、各階層に通信ケーブルを複数本挿通しても、通信ケーブルは隣り合う通信ケーブルを乗り越えることがなく、階層内の配置が換わることがない構築部材が得られる。したがって、通信ケーブルが絡まったり各家庭への配線ミスが生じることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態例に係る情報対応管の構築部材であるガイド管の一実施例を示す図である。
【図2】本実施形態例に係る情報対応管の構築部材であるガイド管の一実施例を示す図である。
【図3】本実施形態の一実施例に係るガイド管と鞘管とが嵌合した状態を示す断面図である。
【図4】本実施形態の一実施例に係るガイド管の鞘管への嵌合状態を説明する図である。
【図5】本実施形態の一実施例に係るガイド管を連結部材により連結した状態を示す図である。
【図6】本実施形態の一実施例に係るガイド管が本管に取り付けられている状態を示す断面図である。
【図7】本実施形態の一実施例に係るガイド管が、本管に取り付けられている状態を示す断面図である。
【図8】本実施形態の一実施例に係るガイド管が、本管に取り付けられている状態を示す断面図である。
【図9】本実施形態に係る情報対応管の構築構造の一部断面を示す図である。
【図10】図9の一部を拡大して示す断面図である。
【図11】本実施形態の一実施例に係るガイド管が、本管に取り付けられている状態を示す断面図である。
【図12】本実施形態に係る情報対応管の構築方法の一工程を説明する図である。
【図13】本実施形態に係る情報対応管の構築方法の一工程を説明する図である。
【図14】本実施形態に係る情報対応管の構築構造を示す図である。
【図15】本実施形態に係る情報対応管の構築構造乃至構築方法において使用される弛み防止材の斜視図である。
【図16】本実施形態に係る情報対応管の構築構造乃至構築方法において使用される固定部材の取り付け構成を説明する図である。
【図17】通信ケーブルが入線される鞘管を具備し情報対応管として構成されている本管の断面図である。
【図18】通信ケーブルが入線される鞘管を具備し情報対応管として構成されている本管の断面図である。
【符号の説明】
1 地中管路
3 鞘管
5 本管
6 幹通信ケーブル
7 分岐管
12、16、24、27、31 ガイド管
13、17、26、嵌合部
14、18、25、30、35 空間部
21 分岐通信ケーブル
37 分岐テンションメンバ
38 分岐管口
39、55 開口部
40、54 分岐具
41、56 枝部

Claims (11)

  1. 通信ケーブルを入線するための鞘管を具備して情報対応管として構成されている本管と、当該本管に接続している非情報対応管である分岐管とからなる管路において、
    前記鞘管に嵌合可能な嵌合部と分岐通信ケーブルを入線するための空間部とが形成され、前記分岐管と前記本管との接続箇所に対応する位置で前記空間部と連通して前記分岐通信ケーブルが入線される分岐テンションメンバが分岐しているガイド管を、前記本管内に設置し、前記ガイド管の前記嵌合部を前記鞘管に嵌合すると共に、前記分岐テンションメンバを前記分岐管内に設置することを特徴とする、情報対応管の構築方法。
  2. 通信ケーブルを入線するための鞘管を具備して情報対応管として構成されている本管と、当該本管に接続している非情報対応管である分岐管とからなる管路において、
    分岐通信ケーブルを入線するための空間部を形成し、前記分岐管と前記本管との接続箇所に対応する位置で前記空間部と連通して前記分岐通信ケーブルが入線される分岐テンションメンバが分岐しているガイド管を、前記本管内に設置し、前記鞘管を囲むようにして前記ガイド管を前記本管の内面に一体化すると共に、前記分岐テンションメンバを前記分岐管内に設置することを特徴とする、情報対応管の構築方法。
  3. 前記空間部内に予め高強度低伸度性の幹テンションメンバを挿通しておき、前記ガイド管を前記本管内に設置した後、前記幹テンションメンバを前記本管の両端がそれぞれ接続している人孔間で張力を加え、前記ガイド管を前記本管の上部側に設置することを特徴とする、請求項1または2に記載の情報対応管の構築方法。
  4. 前記空間部および前記分岐テンションメンバ内に、予め通信ケーブルと入れ替えるための呼び線を入線しておき、最終工程で前記呼び線と通信ケーブルとを入れ替えることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の情報対応管の構築方法。
  5. 通信ケーブルを入線するための鞘管を具備して情報対応管として構成されている本管と、該本管に接続している非情報対応管である分岐管とからなる管路に対して、
    分岐通信ケーブルを入線するための空間部が形成されたガイド管が、前記鞘管に外嵌されることで前記本管内に設置され、前記分岐管と前記本管との接続箇所に対応する位置で、前記空間部と連通して前記分岐通信ケーブルが入線される分岐テンションメンバが、前記ガイド管から分岐して、前記分岐管内に設置されていることを特徴とする、情報対応管の構築構造。
  6. 前記鞘管が、前記本管の内面に適当間隔で設けられているブラケットにより取り付けられている前記管路において、
    前記鞘管に外嵌されている前記ガイド管が、前記ブラケットに対応する部分で分断され、前記ブラケットの外方を囲むように設けられる連結部材により、分断された前記ガイド管同士が一体化されていることを特徴とする、請求項5に記載の情報対応管の構築構造。
  7. 通信ケーブルを入線するための鞘管を具備して情報対応管として構成されている本管と、該本管に接続している非情報対応管である分岐管とからなる管路に対して、
    分岐通信ケーブルを入線するための空間部が形成されたガイド管が、前記鞘管を囲みながら前記本管の内面と一体化して前記本管内に設置され、前記分岐管と前記本管との接続箇所に対応する位置で、前記空間部と連通して前記分岐通信ケーブルが入線される分岐テンションメンバが、前記ガイド管から分岐して、前記分岐管内に設置されていることを特徴とする、情報対応管の構築構造。
  8. 前記鞘管を内面上部側に具備した前記本管が人孔間で形成され、当該本管から前記分岐管が分岐して分岐管桝まで接続している管路に対して、
    前記ガイド管の前記空間部内には高強度低伸度性の幹テンションメンバが挿通されており、該幹テンションメンバは、前記人孔間で張力を加えられて、前記鞘管に外嵌している前記ガイド管を嵌合方向へ付勢しており、かつ前記分岐管内で前記分岐テンションメンバに張力が加えられることで、該分岐テンションメンバが前記分岐管の上部側に設置されていることを特徴とする、請求項5乃至7のいずれかに記載の情報対応管の構築構造。
  9. 通信ケーブルを入線するための鞘管を具備する管体に、更に通信ケーブルを入線するために用いられる、情報対応管の構築部材であって、
    上方に向かって開口し、弾性変形することによって前記鞘管の外面に嵌合する嵌合部と、
    通信ケーブル及び幹テンションメンバを挿通するために内部に形成され、水平方向に関して前記嵌合部を挟む位置に形成された2つの空間部とを有し、
    前記空間部の上壁面が水平であることを特徴とする、情報対応管の構築部材。
  10. 前記空間部に、該空間部を上下に区画する少なくとも1枚以上の仕切り板により複数の階層が形成され、
    前記複数の階層のうち、最も上方にある階層には、前記幹テンションメンバが挿通されることを特徴とする、請求項9に記載の構築部材。
  11. 前記階層の高さが、前記空間部に入線される通信ケーブルの外径の2倍より小さいことを特徴とする、請求項10に記載の構築部材。
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