JP4219422B2 - 遠心圧縮機のディフューザベーンの製作方法 - Google Patents

遠心圧縮機のディフューザベーンの製作方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遠心圧縮機のディフューザベーンの製作方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3に示すように、遠心圧縮機1は、回転軸2に連結されたインペラ3と、インペラ3を収容するケーシング4とから構成されている。ケーシング4内部には、インペラ3の径方向外方にディフューザ通路5がディスク状に形成され、ディフューザ通路5の径方向外方にスクロール室6が渦巻状に形成されている。ディフューザ通路5には、図4に示すように、周方向に所定間隔を隔てて複数の翼形ベーン7が設けられている。
【0003】
翼形ベーン5は、ある設計点回りの流量に合わせて、その枚数や取付角度等が決定されている。従来、上記翼形ベーン5を製作するに際して、その入口形状 (取付角度、スロート面積A等)や広がり角(隣接するベーン7,7のなす角度)、面積比(B/A)などに関して検討した例は多いが、出口角度αについて検討した例は少なく、翼形ベーン7の出口角度αと圧縮機の効率および作動域との関連について明確にしたものはない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、翼形ベーン7の出口角度αの大小を、圧縮機1の効率アップを優先するか作動域拡大を優先するかに関連付けて決定するようにした遠心圧縮機のディフューザベーンの製作方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく本発明は、遠心圧縮機のインペラ径方向外方に位置するディフーザ通路に、周方向に所定間隔を隔てて複数設置される翼形ベーンを製作するに際し、まず上記翼形ベーンの前縁部分の入口角度とスロート面積とを設計点に合わせて決定すると共に後縁部分の出口角度の基準値を設定し、次に上記前縁部分の入口角度とスロート面積とを保ったまま、サージマージンを優先するときには翼形ベーンの後縁部分の出口角度を前記基準値よりも大きくし、効率を優先するときには翼形ベーンの後縁部分の出口角度を前記基準値よりも小さくするようにしたものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0007】
図4に示すディフューザ通路5に設置される翼形ベーン7は、次のようにして製作される。
【0008】
まず、図5に示すように、翼形ベーン7の入口角度θを、設計点におけるインペラ3の出口の流れ角δに対して、効率が最大になる所定の迎え角となるように決定する。入口角度θは、インペラ3の中心Oからベーン7の前縁を通って径方向外方に延長された延長線L1 と、翼形ベーン7のキャンバ線の前縁側の部分C1 とのなす角度で定義される。そして、翼形ベーン7,7間のスロート面積Aを、圧縮機1の最大使用流量がチョーク流量とならないように決定する。スロート面積Aとは、隣接するベーン7,7の間隔が最も狭くなる部分の面積である。
【0009】
このように、翼形ベーン7の入口角度θとスロート面積Aとを最適設定したならば、それら入口角度θとスロート面積Aとを保ったまま、出口角度αの大小を次のようにして決定する。すなわち、サージマージンを優先するとき即ちサージ限界を低流量側に広げるときには翼形ベーン7の出口角度αを大きくし、効率を優先するとき即ち圧縮機1の圧力比を高めるときには翼形ベーン7の出口角度αを小さくする。ここで、出口角度αは、インペラ3の中心Oからベーン7の後縁を通って径方向外方に延長された延長線L2 と、翼形ベーン7のキャンバ線の後縁側の延長線C2 とのなす角度で定義される。圧縮機1の圧力比とは、(吐出圧力/吸入圧力)で定義される。
【0010】
たとえば、図1(b) において出口角度βの翼形ベーン7bの基準とすると、出口角度をβより大きなγとすれば、そのγのベーン7cはサージマージンがβのベーン7bよりも広がる。逆に、出口角度をβより小さなαとすれば、そのαのベーン7aは圧力比(効率)がβのベーン7bより高まる。この様子を図1(a) に示す。図示するように、出口角度γのベーン7cを用いれば、圧縮機1の圧力比は稼げないものの、低流量側までサージしずらくなる。他方、出口角度αのベーン7aを用いれば、低流量側でサージしやすいものの、圧縮機の圧力比が高くなる。図中、相対流量比とは、(実験時の流量/ある基準となる流量)で現され、実験時の流量を相対的に無次元化して現したものである。
【0011】
上記翼形ベーン7は、まず直線の左右に対称に肉を盛って対称翼を成形し、その直線(キャンバ線となる)を所定の曲率にカーブさせ、基本形状である出口角度βのもの(ベーン7b)を形成する。そして、この翼形ベーン7bの出口角度をβからγへと大きくするときには、翼形ベーン7bのキャンバ線の曲率半径を小さくし、翼の厚さを保ったまま翼の後流側を寝かす。すると、ベーン7cとなる。この際、翼弦長が多少のびる。他方、出口角度をβからαへと小さくするときには、翼形ベーン7のキャンバ線の曲率半径を大きくし、翼の厚さを保ったまま翼の後流側を立てる。すると、ベーン7aとなる。このようにして、翼形ベーン7の出口角度α,β,γの変更を行う。
【0012】
図1(a) において、出口角度α,β,γと相対流量比と圧力比(効率)との関係を考察する。まず、図5に示すように、遠心圧縮機1のインペラ3の出口からの流れ角δの流れkは、流量が多くなると立ち気味の流れmとなり、流量が減ると寝気味の流れnとなる。よって、図1(b) に示すように、出口角度をβからαとしてベーン7の後流側を下流側に向かって立てるようにすれば、ベーン7の後流側が高流量時の流れmに沿った状態となって有効通路長さが短くなるため効率が向上する一方、低流量時の流れnと一致しなくなるためベーン7の後流側の腹側にて流れnの剥離が生じやすくなってサージマージンが減少する。他方、出口角度をβからαとしてベーン7を下流側に向かって寝かせるようにすれば、ベーン7の後流側が低流量時の流れnと一致するためサージマージンが広がる一方、高流量時の流れmと一致しなくなるためベーン7の後流側の背側にて流れmの剥離が生じやすくなって圧力比が稼げないのである。
【0013】
入口角度θとスロート面積Aとを一定に保ったまま、出口角度α,β,γをxとしてパラメータとしたときの相対圧力比PとサージマージンSとの関係の実験結果を図2に示す。ここでの相対圧力比Pとは、出口角度52度のときの圧縮機1の圧力比をπ52とし、出口角度xのときの圧縮機1の圧力比をπX としたとき、P=πX /π52で定義される。すなわち、相対圧力比Pは、出口角度52度のときの圧力比π52を基準とし、出口角度xのときの圧力比πX が何倍になったかを現す無次元数である。他方、サージマージンSとは、出口角度52度のときの圧縮機1のサージ流量をG52とし、出口角度xのときの圧縮機のサージ流量をGX としたとき、S=(G52−GX )/G52=1−GX /G52で定義される。すなわち、サージマージンSは、出口角度52度のときのサージ流量G52を基準とし、出口角度xのときのサージ流量GX が相対的にどれだけ低流量側に広がったかを現す無次元数である。サージ流量とはサージングが生じる限界の流量である。
【0014】
図2に示すように、出口角度xが大きくなると即ち図1(b) にてベーン7の後流側が寝ると、相対圧力比Pが小さくなってサージマージンSが大きくなる。つまり、効率は下がるが使用可能流量が低流量側まで拡大する。逆に、出口角度xが小さくなると即ち図1(b) にてベーン7の後流側が立つと、相対圧力比Pが大きくなってサージマージンSが小さくなる。つまり、効率は上がるが使用可能流量が高流量側に制限される。なお、図中、白四角は相対圧力比Pに対する計測点であり、黒丸はサージマージンSに対する計測点である。また、相対圧力比Pに対する近似式は、P=−0.000127x2 +0.012036x+0.7172で現され、サージマージンS対する近似式は、S=0.000613x2 −0.062611x+1.5994で現される。
【0015】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る遠心圧縮機のディフューザベーンの製作方法によれば、サージマージンを優先するか効率を優先するかに応じて最適な形状のベーンを製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示す図であり、(a)は翼形ベーンの出口角度を変化させたときの相対流量比と圧力比との関係を示す図、(b)は翼形ベーンの出口角度を変化させたときの翼形ベーンの断面図である。
【図2】 翼形ベーンの出口角度xをパラメータとしたときの相対圧力比PとサージマージンSとの関係を表す図である。
【図3】 遠心圧縮機の側断面図である。
【図4】 上記遠心圧縮機のディフューザ部分を示す平面図である。
【図5】 ディフューザの翼形ベーンを示す断面図である。
【符号の説明】
1 遠心圧縮機
3 インペラ
5 ディフューザ通路
7 翼形ベーン
θ 入口角度
A スロート面積
α,β,γ,x 出口角度

Claims (1)

  1. 遠心圧縮機のインペラ径方向外方に位置するディフーザ通路に、周方向に所定間隔を隔てて複数設置される翼形ベーンを製作するに際し、
    まず上記翼形ベーンの前縁部分の入口角度とスロート面積とを設計点に合わせて決定すると共に後縁部分の出口角度の基準値を設定し、
    次に上記前縁部分の入口角度とスロート面積とを保ったまま、
    サージマージンを優先するときには翼形ベーンの後縁部分の出口角度を前記基準値よりも大きくし、
    効率を優先するときには翼形ベーンの後縁部分の出口角度を前記基準値よりも小さくするようにした
    ことを特徴とする遠心圧縮機のディフューザベーンの製作方法。
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